三一書房と浅野健一氏の提訴、言論人が公権力に依拠するとき

黒薮哲哉

ジャーナリストの浅野健一氏が三一書房と一体となって、『石ころの慟哭』の著者と版元のあけび書房を相手に出版差止め(販売の禁止)を求めている問題は、解決の兆しが見られない。4月16日に浅野氏が裁判所に仮処分を申し立て、さらにその後、本訴を提起した。しかし、現時点では申立書も訴状もあけび書房には届いていない。

この事件の最大の問題は、鹿砦社の松岡利康社長が述べているように、ジャーナリストと出版社が、公権力を利用して、自らが気に入らない出版関係者や言論を封じようとしている点にある。

一般企業や公人ではない個人が同種の言論弾圧に走る場合、それが好ましいことでないにせよ、理解できる側面もある。一般企業や公人は、基本的に自らの言論媒体を持たない場合が多く、言論の自由について深い考察を持ち合わせていないこともあるからだ。

しかし、言論人が同じことを行えば、まず第1に言論人としての情報発信力や資質が疑われる。第2に、言論の自由に対する考察が欠落している可能性も高くなる。

◆スラップ(SLAPP)=「訴権の濫用」訴訟

俗にスラップ(SLAPP)と呼ばれる訴訟がある。「Strategic Lawsuit Against Public Participation」の略で、直訳すれば「市民参加に対する戦略的訴訟」となる。もともとは市民運動などを標的として大企業が提起する訴訟を意味していた。しかし日本では、広く「訴権の濫用」と考えられる訴訟をスラップと呼ぶ傾向がある。

日本でスラップ訴訟が本格化したのは2000年代初頭である。わたしの記憶に誤りがなければ、最初期のスラップ訴訟は、消費者金融の武富士がジャーナリストの三宅勝久氏と寺澤有氏を提訴した事件である。請求額は、それぞれ1億1000万円と2億円の損害賠償であった。しかし請求は棄却され、逆に武富士が両氏に慰謝料を支払う結果となった。

この裁判で武富士の代理人を務めたのが、弘中惇一郎弁護士や、後に大阪府知事となる吉村洋文弁護士である。このうち弘中弁護士は、人権派弁護士としてメディア関係者からも重宝されている。

その後、ジャーナリストの烏賀陽弘道氏がオリコンから5000万円を請求される訴訟を起こされた。この裁判は高裁段階で和解により終結した。さらにその後、西岡研介氏(原告はJR東日本)、山田厚氏(原告は安倍晋三氏)といったジャーナリストが法廷で争うことになった。さらに元NHK党の立花孝氏が、一人のジャーナリストに対して訴訟を連発した例もある。

◆読売新聞が起こした私・黒薮への高額訴訟

ジャーナリズム企業が公権力と一体化し、メディア関係者に対して高額訴訟を提起した最初のケースは、おそらく読売裁判である。被告となったのは、わたし(黒薮)である。

わたしは2008年初頭から約1年半の間に、読売から3件の裁判を起こされた。請求額の総計は約8000万円である。結果は次のとおりである。

●著作権裁判:地裁(黒薮勝訴)、高裁(黒薮勝訴)、最高裁(黒薮勝訴)

●名誉毀損裁判1:地裁(黒薮勝訴)、高裁(黒薮勝訴)、最高裁(読売勝訴)

●名誉毀損裁判2:地裁(読売勝訴)、高裁(読売勝訴)、最高裁(読売勝訴)

※名誉毀損裁判2の被告は、黒薮と新潮社。

読売が裁判を連発した背景には、「押し紙」報道を抑制したいという意図があった可能性が高い。これら一連の裁判に関わったのが、自由人権協会の喜田村洋一代表理事である。人権派弁護士として、多くのメディア関係者から重宝されてきた人物である。

◎【参考記事】「喜田村洋一弁護士が作成したとされる催告書に見る訴権の濫用――読売・江崎法務室長による著作権裁判8周年①」

◎【参考記事】「報道・出版活動に大きな支障をきたしていた可能性も――読売・江崎法務室長による著作権裁判8周年②」

その後、メディア企業が公権力に依頼して同業者やジャーナリストを訴えた事例としては、読売が清武英利氏に対して起こした裁判がある。さらに2018年には、幻冬舎が経済誌『ZAITEN』(財界展望新社)を提訴した裁判や、2025年には読売が『ZAITEN』を提訴した裁判もある。

◎【参考記事】販売店改廃をめぐる報道・人権・訴訟――読売とZAITENが対決、読売代理人には「人権派」喜田村洋一・自由人権協会代表理事

このように、出版人がジャーナリストや出版社を提訴したケースは断続的に発生している。このうち読売については、創業者である正力松太郎が特高警察の高官であったことから、言論封殺が持つ歴史的な意味を十分に理解していない可能性もある。

◆左派勢力の内部における理念と実践との乖離

浅野健一氏と三一書房による提訴で最も注目すべき点は、従来、良識ある出版社として評価されてきた三一書房が、公権力を利用して他社の言論を封じようとしていることである。しかも代理人弁護士は、「人権派」とされる人々である。

従来、言論の自由を重視してきたとみられていた勢力が、結果として読売と同様の手法を選択しようとしているようにも見える。

近年の左派勢力のあり方には看過できない問題も見受けられる。共産党や自由法曹団に「しばき隊」は入り込んでいる状況の中で、今度は裁判を通じたメディア規制にまで踏み込む動きが現れているのである。

懸念されるのは、日本の右傾化だけではない。左派勢力の内部でも、理念と実践との乖離が進行しているように見える。

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年6月8日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

[追記:松岡利康]上記の画像は、三一書房草創期に空前のベストセラーになった『人間の條件』。その後、三一書房は、1960年代、70年代に当時の学生らを魅了する本を続々出し、私の思想形成に多大の影響を与えました。さて、浅野さんの差し止め問題、本訴はまだ提訴されていないようです。本来緊急性のある案件のためにやる仮処分、申し立てからかなりの日数が経っているのに、どうなっているのでしょうか? ことは憲法21条に関わる問題でもあり、裁判所も苦慮しているものと思われます。共同通信―同志社大学とエリートコースで庇護されてきた浅野さんと違い、一貫して在野のジャーナリストとしてやって来られた黒薮さんの重い指摘です。黒薮さんと言えば、「押し紙」問題ですが、これを暴露することが大手新聞社の逆鱗に触れたようで、読売はSLAPを掛け、この裁判闘争と、今回私怨によって浅野さんが申し立てた出版差し止め仮処分や、準備されているという本訴とは、根本的に次元が異なるようです。社会的にも歴史的にも意義があるのは黒薮さんの「押し紙」訴訟でしょう。浅野さん、山下弁護士、大口弁護士ら「救援連絡センター」グループ、頭を冷やしていただきたい。今、こんなことをやっている場合ではないでしょう! ちなみに、2005年、『紙の爆弾』創刊直後に、警察癒着企業、大手パチスロメーカー「アルゼ」(現ユニバーサルエンターテインメント)から刑事告訴のみならず損害賠償3億円もの巨額民事訴訟も起こされ、「名誉毀損」に名を借りて逮捕→192日の勾留→懲役1年2月(執行猶予4年)の有罪判決と共に600万円余りの賠償金も課せられました。これもSLAPと呼んでほしいですね。なお、この事件では大口弁護士は弁護団に名を連ねていただきました。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

山上徹也裁判記録本で紛糾する、浅野健一さんらが深く関係する「救援連絡センター」に「要望書」を送信!

鹿砦社代表 松岡利康

このかん紛糾している、浅野健一さんによるあけび書房刊、辻井彩子・著『石ころの慟哭』に対する出版差し止め問題ですが、浅野さんが連載を持ち、代理人の山下幸夫弁護士も連載を持ち、さらに本訴で浅野さんの代理人に加わると予想される大口昭彦弁護士が代表弁護士を務め、『紙の爆弾』に毎号連載されている足立昌勝さんが代表を務める「救援連絡センター」に本日6月11日、「要望書」を送りました。

同センターの方々が、本件について真正面から取り組まれることを願っています。

全文は以下の通りです。

◇     ◇     ◇     ◇     ◇

救援連絡センター御中

浅野健一さんによる出版差し止めと濫訴について
要 望 書

2026年6月11日     
兵庫県西宮市甲子園八番町
2-1-301
電話0798-49-5302
Fax 0798-49-5309
株式会社 鹿砦社
代表取締役 松岡利康

冠省 内外の厳しい情況下、日々のご活動、ご苦労様です。

さて、貴「救援連絡センター」(以下「貴センター」と記述します)に深く関係されている浅野健一さん、代表弁護士の大口昭彦弁護士、貴センターの会報『救援』に連載を持たれている山下幸夫弁護士らによって、あけび書房刊行書籍、辻井彩子著『石ころの慟哭 山上徹也・奈良地裁裁判の私記』に対してなされている出版差し止め仮処分、近く提訴されるという本訴、さらには上記書を刊行したあけび書房(岡林信一代表)、著者・辻井彩子さん、そして上記書の帯を書いた鈴木エイトさん、浅野さんの出版差し止めを批判している黒薮哲哉さん、私松岡らを「5人組」として次々と提訴されるといい、これに浅野さんの著書を出版した三一書房まで巻き込んで進展している紛争につきまして、以下要望いたしますので何卒善処いただきたく存じます。

 浅野さんは本年4月頃(私は4月1日の浅野さんのFacebookの数日後に知りました。この前から考え準備されていたのかもしれませんが)からあけび書房が刊行予定していた上記書に対し出版差し止め仮処分を行うと予告され、過去5度の出版差し止めを受けた私としては、これは、憲法21条に謳われた言論・出版の自由、表現の自由の観点から絶対にダメだと思い、早速私は4月5日付けの私のFacebookや鹿砦社公式サイト「デジタル鹿砦社通信」にて批判しました。当然です。浅野さんは「ジャーナリスト」ですから、そうであるならば、<言論には言論で>勝負すべきで、司法権力の手を借りて気に食わない相手方の出版物の出版・販売を差し止めるなどということが許されるはずはありません。ジャーナリストとして自殺行為です。

しかし浅野さんは私(たち)の「諫め」を無視し、4月16日に東京地裁に上記書の出版差し止め(浅野さんの申請書では「出版禁止」)仮処分を申し立てられました(代理人は山下幸夫弁護士)。さらに、近く本訴を提起されるように公言されています。これには大口弁護士も代理人に就かれるようです(正式に就かれたかどうか判りませんが、大口弁護士からの私への手紙では、浅野さんからその依頼があったとのことです)。大口弁護士は、あけび書房刊『石ころの慟哭』の類似書、浅野さんの『石ころから石礫に 安倍氏暗殺・山上徹也さん裁判記録』を出版した三一書房の代理人としてあけび書房に5月19日、配達証明郵便を送られ、この紛争に参画されています。

浅野さんは、上記あけび書房本が浅野さんの本から「著作権侵害」「盗用」「名誉毀損」を行っているとあげつらっておられますが、それはそれとして、私はシンプルに出版差し止め(出版禁止)を司法権力の手を借りて行うこと自体に反対してきました。このこと、つまり出版差し止めがなければ、私は声を挙げることはなかったと思います。時折目にする出版社と著者との諍い事として“高見の見物”として看過してきたでしょう。

浅野さんの主張をかいつまんで言えば、あけび書房本は「盗用」や「著作権侵害」している本なので出版差し止め(出版禁止)は当然ということのようです。しかし、「盗用」や「著作権侵害」はまだ決まってもいませんし、浅野さんの考えだけで言っておられるだけです。なのに、いきなり出版を差し止める(禁止する)のは尚急過ぎます。その論理が通用すれば、気に食わない本はいつでも差し止められることになります。これはダメです。ダメなものはダメなんです。<言論の自由、自由な言論>をモットーとして出版活動を行ってきた者として許容できません。

出版差し止めは、これをなされようとする当該の一出版社だけの問題ではなく、出版に関わるすべての者(出版社、著者ら)の問題ですので、私と私が経営する出版社=鹿砦社にとっても大問題ですし、その他の出版社にとっても問題のはずです。ですから、私は当事者ではありませんが、4月5日以来抗議の声を挙げ続けているのです。ことの本質が解る方々は私の主張に真剣に耳を傾けられ、私の主張を支持してくださっています。

日頃、司法権力と闘っておられる貴センターは、この司法権力の手を借りて意見の異なる相手方の出版を差し止める(出版を禁止する)という浅野さんの行為をどうお考えでしょうか? 

浅野さんは、今からでも即、あけび書房本『石ころの慟哭』に対する出版差し止め仮処分を取り下げ、また本訴の提訴も取り止めるべきです。

 そうした過程で浅野さんは、連日あけび書房とこの代表者・岡林信一社長、著者の辻井彩子さんらに対し激しい誹謗中傷を行って来ました。特に「素人」(浅野言)で市井の生活者として娘さんを育てながら生業を持ち日々懸命に働いている辻井さんへのネットリンチ攻撃は凄まじいもので、大変驚きました。まさに人権侵害です。それは膨大に渡り、証拠資料が必要であれば、整理して後日提出する用意がありますが、浅野さんのFacebookを溯っていけば、(都合よく削除されていなければ)その悪質性が解るでしょう。実際、辻井さんは精神を病む直前まで追い込まれました。今でも精神的に不安定のようですが、仕事上飼っている動物(辻井さんはペットシッターを生業とされています)や顧客の方々に励まされ、なんとか精神的に維持できているようです。

辻井さんは、出版には、浅野さんが仰るように「素人」で、山上徹也さんによる安倍前首相銃撃事件が、自らが住む地で起き、また宗教三世の共通点から、わが身の経験や想いと重ね合わせ事件に関心を持ち「私記」としてまとめたのが当該書で、初めての出版になります。それなのに、浅野さんと彼を支持する人たちから激しいネットリンチ攻撃を受けるとは気の毒としか言いようがなく同情します。当初、辻井さんは浅野さんに対し、喉頭がん手術後の障害を持ちながらも頑張っていると好感を持たれていたそうですが、杜撰な原稿を送りつけてきたり、こんなに攻撃的な人だったことに驚いたとのことです。

浅野さんの代理人として直接関わっておられる山下幸夫弁護士、大口昭彦弁護士ら、貴センターに深く関わっておられる方々が中心になって動いておられることは遺憾です。代理人であるかどうかは別として、訴訟を材料とした、そうした浅野さんによる威嚇行為は、大口、山下弁護士は、代理人で有る無しはともかく、人として諫めないといけません。私の言っていることは間違っていますか? 

貴センターといたしましては、このことをいかにお考えでしょうか? 絶対にいいことではないことは当たり前です。浅野さん、浅野さんの異常な言動を傍観されている山下、大口両弁護士に対してしっかり問い質していただきたく存じます。

実際に、貴センターに中心的に関わる浅野さ、山下弁護士、大口弁護士らによって差し止め仮処分や本訴、その他の名誉毀損訴訟などが進められたり準備されたりしていることから、こうした一連の動きや訴訟が貴センターがやっていると思われかねません。現実にそう思っている方もいます。こうしたことは、貴センターのイメージダウンになり、決していいことではないことは言うまでもありません。この点、貴センターのお考えをお聞かせください。

 前記したように浅野さんは、あけび書房と著者・辻井さんのみならず、上記した鈴木エイトさん、黒薮哲哉さん、私松岡に対しても提訴されると公言されています。まさに訴権の濫用と言わざるをえません。さらに浅野さんは、その言葉の端々に警察権力に通報することも臭わせた物言いをされています。さすがに、これはダメでしょう。反権力の砦たる貴センターとしてはいかがお考えでしょうか?

 現在、社会的に戦争の危機が差し迫っています。このような中にあって、いわゆるリベラル・左派勢力が、こうしたことで分裂している場合ではないと認識しています。あけび書房・岡林社長が20年余り前に神戸で始め、以来培って来られた「市民社フォーラム」には、全国のリベラル系の市民運動やこれの担い手の方々を中心に、新左翼系や共産党離党系(岡林社長もそのようです)などが自由に集い情報を交換し合い論争しています。「市民社会フォーラム」名でイベントや講演会なども積極的、継続的に行っています。おそらく多くは岡林社長を支持していると思われます。浅野さんのように、意見が異なるからと言って出版差し止めや激しい誹謗中傷(人権侵害)を行う人を支持する人はいません。

このまま浅野さんの暴走に手を拱ていれば、浅野さんのみならず貴センターにまで批判は及ぶでしょう。これも、いいことではありません。

肌合いは少し異なり意見や考え方が違うところもありますが、私は「市民社会フォーラム」の活動を基本的に支持してきましたし、有名・無名問わず多くの方々もそうでしょう。

今、リベラル・左派系が、こうしたことで分裂することは無益です。この意味で、浅野さんの唯我独尊的な言動は、リベラル・左派勢力を更に分裂させるものだと言えます。浅野さんの身近の貴センターの方々は、浅野さんの異常な言動を諫め、今後の出版界、言論界、ジャーナリズムにとって悪弊となる出版差し止めや濫訴を食い止めないと、貴センター自体が、歴史の屑籠に放り込まれかねないと思います。冗談を申し上げているわけではありません。これぐらいの危機感を持ってください。これについても、貴センターのお考えをお聞かせください。

 当初、山上徹也裁判記録本は、浅野さんが辻井さんの助けを借りてあけび書房から出版される予定でした。これが、浅野―あけび双方の間に意見の違いが発生し、各々が出版することになり、浅野さんは三一書房から出版することになりました。この過程で水面下で何があったか第三者の私たちが知るところではありませんが、この際、浅野さんにあけび書房と辻井さんに対する敵意や悪意が生じたようです。よほどのことと思われ、それは、その後の浅野さんによるあけび書房と、この代表者・岡林社長、著者・辻井さんに対する激しい誹謗中傷やネットリンチ攻撃に表れています。浅野さんによるあけび書房本『石ころの慟哭』出版差し止め仮処分の申し立て、引き続いて準備されているという本訴は、浅野さんの私怨でなされた(準備されている)ものと思われます。ここに公共性や公益目的はありません。

これについても貴センターはどうお考えでしょうか?

 浅野、あけび双方が言い合っている「盗用」問題について、あけび側は岡林社長のFacebookにて100箇所以上の「盗用」箇所を公開しています。また、鈴木エイトさんも検証し、具体的にはまだ公開していませんが、付箋が一杯の写真を公開しています(おそらく早晩問題箇所の詳細を公開されるでしょう)。一方浅野さんは、チームを組んであけび本の「盗用」箇所をリストアップしたように仰っていますが、いまだに公開されてはいません。読者の公平・公正な判断を求めるためには「盗用だ」「著作権侵害だ」などと言っているだけでなく、速やかに公開されるべきでしょう。

これまでの経緯からすると、浅野さんの著書には多くの問題箇所があるようで、これをクリアするためには、浅野さんは、やはりあけび本が「盗用」したとする箇所を公開すべきでしょう。そうではないでしょうか?

 貴センターは、激動の時代=1969年、水戸巌(故人)・喜世子夫妻を中心に立ち上げられ、反権力の砦として55年余りも続けてこられました。私もその基本理念に賛同し、また助けられもしました。水戸喜世子さんとは今も反原発運動で連携しています。老いても頑張られる姿に、私たちのほうも元気づけられます。

だからこそ貴センターには、本件に対して、しっかり対処いただきたく強く要望する次第です。もし浅野さんによる出版差し止め仮処分が決定され、これを傍観していたならば、貴センターはそれに手を貸し、出版人、言論人、ジャーナリストらか批判を受けるということを重々にお考えいただきたい。これまで、浅野さんの異常な言動を黙過されてきたことも問題ですが、今からでも遅くはありません、この出版差し止め問題と、私怨に基づく辻井彩子さんに対するネットリンチ・人権侵害について真剣に取り組まれることを強く要望し、またこれを機に、出版差し止め(出版禁止)はダメ、ネットリンチ・人権侵害もダメ、公権力(司法権力、警察権力など)を安易に使うこともダメ、つまりこのかん浅野さんがやってこられた、そうしたことはダメだというような原則を確立していただきたいと強く要望いたします。

だいたい「ジャーナリスト」たる者が、司法権力の手を借りて相手方の言論を封じようと出版差し止め仮処分なる、出版妨害、言論弾圧になりかねないことを申し立てること自体が、みずから言論で反論することを放棄したことの証ですから、この時点でジャーナリスト失格です。

この点も貴センターのお考えをお聞かせください。

 現在、出版業界は、かねてから構造不況業種と言われてきましたが、コロナ禍によって、それが決定打になって、書店も出版社も、どこも喘いでいます。取次大手のトーハン、日販でさえ、取次事業は赤字(2025年期で両社とも40億円前後の欠損)で、介護事業、ホテル経営、文房具販売など他の事業によってカバーしているそうです。

こうした中、出版社が、対立する出版社を潰しにかかることや出版社同士が潰し合いをすることは避けなければなりません。

また、浅野さんの本を出した三一書房、これと対立する本を出したあけび書房共に背後に貴センターや「市民社会フォーラム」のような社会運動、反戦運動に関わる人たちがいます。現在の社会運動、反戦運動は、貴センターが設立された時代のような、かつての勢いのあった時代とは異なり、かなり細っていて厳しい情況です。こうした中で、こちらも潰し合ったり、特に公権力(司法権力や、浅野さんが言葉の端々に出してくる警察権力など)の手を借りて相手方を潰そうなどということは断じてやめるべきです。

以上つらつら申し述べてまいりましたが、情況は極めて逼迫しています。特に上記「一」「二」項で申し述べさせていただいた問題は緊急性を有しています。辻井さんは日に日に精神的にナーバスになって来ておられますので、放置しないでください。

早急に私の上記意見に耳を傾けられ、貴センターとして真剣にご協議、ご検討いただき前向きな対処をお願いする次第です。私の意見を無視したり蔑ろにしないでください。

なお、この問題につきまして各々の主張は、浅野さんはむろん(削除されていなければ)、鈴木エイトさん、黒薮哲哉さん、私松岡、当事者の岡林あけび書房社長のFacebookやサイトをご覧ください(辻井さんはネット上ではさほど発言されていません)。僭越ながら、浅野さんが出版差し止めを公言し出して以降の私のFacebookでは、浅野さんの言動について私見を述べたり、他の方々のご意見などを転載していますので一通りお読みになれば、ことの経緯は解りますので、ご参考になさってください。

何卒将来に禍根を残さないために、私の意見に真剣に耳を傾けられ、本件について真剣に御高配賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

末筆ながら、季節の変わり目、貴センターのスタッフの皆様方のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。

早々
 

復興へ16年目に入った福島、もうすぐ創刊12年を迎える本誌『季節』 明日への道は決して楽ではないが、共に歩き続けよう!

季節編集委員会

福島で原発事故が発生して本年3・11で15年を迎えました。その日に本誌を発行し、次のステップに歩み始めました。

また、本誌も、すでに一昨年創刊10周年を迎え、今年12年を迎えようとしています。なんとか10年を越えたことで、本来なら部数ももっと多くならなくてはなりませんが、私たちの非力で、そうはならず、逆に減りつつあります。

福島の現況も、事情あって故郷を離れた方々の実情も、本誌の現状も、また総体的な将来への展望も、厳しいものがあります。

福島の現況は、わが国の現況です。すなわち厄介者は切り捨てるという棄民政策が跋扈しています。15年経っても政府は脱原発への道筋を提起しえないでいます。むしろ、なし崩し的に原発回帰、そしてこれに対する諦めの気持ちが支配しているかのようです。

今夏も厳しい暑さが予想されますが、古くはオイルショック(1973年)後や3・11後のような節電の呼びかけもなされず、私たちもその気持ちを忘れたかのように思えます。

この国では、大地震はじめ多くの天災が毎年起きます。そのたびごとに節電、節約が叫ばれますが、いつか忘れられ今に至っています。

原発も老朽化が進み、このままでは大事故がいつ起きても不思議ではありません。

福島のこれまでの歩みや現況を顧みるに、原発は百害あるだけです。決して危機感を煽るわけではありませんが、いつ爆発するかわからない老朽原発は、爆弾を抱えているようなもので、即停止→廃炉にすべきです。

本誌に継続的にかかわってこられている小出裕章さん、今中哲二さん、また元裁判官で原発を止める判決を出された樋口英明さん、井戸謙一さんらが、私利私欲を棄て、なぜここまで反(脱)原発に奔走されるのか、非常に学ぶことが多々あり、私たちが本誌を継続しているエネルギーになっています。ありていに言えば、すべてはこの国、この社会、ここで生きる子や孫のためということでしょうが、やはりチェルノブイリや福島のような原発事故を繰り返してはならないという想いが残っています。この想いが残っている限り、困難は承知のうえで、唯一の反(脱)原発雑誌を継続していく決意ですので、今後ともよろしくお願いいたします。

昨年同様酷暑が予想される今夏、気持ちを強く持って共に頑張りましょう!

2026年6月 季節編集委員会

季節2026年夏号
『NO NUKES voice』改題 通巻46号
紙の爆弾2026年7月増刊
2026年6月11日発行
A5判 132ページ 定価770円(税込み)

《グラビア》原発事故〈収束〉と被災地〈復興〉という欺瞞(北村敏泰

樋口英明(元福井地裁裁判長)
《報告》なぜか、裁判官が辞めていく 

小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
《インタビュー》柏崎刈羽原発再稼働の不安 老朽原発は事故を起こす

木村英昭(ジャーナリスト)
《報告》原発を巡る三年間の動向 ── 時系列が可視化する統治の変化

高橋博子(奈良大学教授)
《報告》日米両政府の核兵器観 放射性降下物・残留放射線・内部被ばく

後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
《報告》脱原発の思想 日本はなぜ脱原発に向かわないのか

山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
《報告》東京電力「原子力中核企業化」戦略の内実

菅野みずえ(「ALPS処理水を海に流すな」裁判原告)
《インタビュー》私の15年、3・11はまだ続く

北村敏泰(ジャーナリスト)
《報告》まやかしだらけの「復興」
 十六年目も終わりはない東北三県の被災地から

和田央子(イノベーション・コースト構想を監視する会)
《報告》高市軍拡政権と福島イノベーション・コースト構想

末田一秀(関電株主代表訴訟原告/はんげんぱつしんぶん編集長)

《報告》関電株主代表訴訟の闘い 原発地元への不正な金の流れを断ち切るために

守田敏也(フリーライター)
《報告》浜岡原発基準地震動捏造問題が示すもの
 原発再稼働は六層の点で認められない

中道雅史(核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会事務局長)
《報告》《徹底解説》核と軍の拠点・青森県《後編》

森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
《報告》「『原発被害』って何だろう?」を共有する
 近畿三訴訟団「近畿訴訟団交流会」

木村三浩(一水会代表)×板坂 剛(作家/舞踊家)
《対談》民族派と左翼の融合は可能か《後編》

淀川乱歩(SF作家)
《奇想科学小説》マロ博士の島

平宮康広(元技術者)
《報告》石炭火力発電vs原発および再エネ発電〈1〉

再稼働阻止全国ネットワーク
司法は再稼働を推進するな! 市民運動と原発訴訟
《北海道》小野有五(北大名誉教授、行動する市民科学者の会・北海道)
泊原発の再稼働をめぐって
《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
特重施設の猶予延長を許すな
《柏崎刈羽》小木曽茂子(再稼働を考える県民ネットワーク事務局)
新潟はあきらめない!
《東海第二》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
原電は水戸地裁判決に従い、東海第二原発の再稼働を断念せよ
《浜岡原発》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
静岡地裁は原告の不正主張を看過し、浜岡原発訴訟を強行に終結
《志賀原発》藤岡彰弘(廃原発watchers能登・富山)
矜持の見られない二つの判決、審理進行にめげない!
《関西電力》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
「嘘・騙し」「データねつ造」「トラブル隠ぺい」「約束反故」なしには動かせない原発と決別し、自然エネルギーのみで成り立つ社会を!
《島根》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
住民の安全を脅かす島根原発2号機の再稼働 安全神話を復活させる国と思考停止する司法を許さない!
《四国》小倉正(原発さよなら四国ネットワーク)
伊方原発をめぐる四県の仮処分/本訴の闘いと市民運動
《佐賀》石丸初美(玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会代表)
裁判に至るまでの道のりは突然ではなかった
《鹿児島》向原祥隆(ストップ川内原発!3・11鹿児島実行委員会共同代表)
敷地内乾式貯蔵を阻止して停止に追い込む
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
空しい規制委への異議申立・長引いて良かったテント裁判
《本の発掘④》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)
『3・11と憲法』(森英樹・白藤博行・愛敬浩二編 日本評論社)

反原発川柳(乱鬼龍 選)

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『石ころの慟哭』出版差し止め問題 争点となったエクセルファイルの著作権

黒薮哲哉

同志社大学の元教授・浅野健一氏が、あけび書房に対して出版差し止めを求めている事件の続報である。既報してきたように、浅野氏は、あけび書房が刊行した『石ころの慟哭』(辻井彩子著)の中に、自身に著作権がある記述が使用されているとして、出版差し止めの仮処分を申し立てた。これに対し、あけび書房は、『石ころの慟哭』の記述は、辻井氏が執筆した裁判記録に基づくものであると反論してきた。さらに、浅野氏の『石ころから石礫に』の中に、辻井氏が執筆してエクセルファイルにまとめた記述が見受けられると主張している。

浅野氏は、エクセルファイルが辻井氏によって作成されたものであること自体は認めている。事実、辻井氏に作業報酬を支払ったため、その成果物は自分のものであると主張している。三一書房の大口昭彦氏が、あけび書房に宛てた書面(6月1日付け)にも、その旨が記されている。

「④ この趣旨(辻井さんをアシスタントとして使うこと)に基づいて、浅野氏から辻井氏に対して総計金11万円相当の金品が交付され、同氏はこれを受領している。」

大口昭彦弁護士の書面

つまり、金銭を支払ったのだからエクセルファイルを使用して構わないと主張しているのである。しかし、そもそも辻井氏は浅野氏とアシスタント契約を締結しておらず、また出版そのものも浅野氏の希望により中止となっている。当然、この時点で浅野氏は当該ファイルを使用する権限を失ったと考えられる。というのも、エクセルファイル内の文章についての著作者人格権は辻井氏に帰属するからである。著作者人格権は、金銭の支払いによって譲渡することはできない。一身専属性の権利である。

「第59条(著作者人格権の一身専属性)
著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない。」

譲渡できないので、ゴーストライターを使う場合、「著作者人格権は行使しない」旨を明記した契約を交わすが通常である。しかし、浅野氏と辻井さんの間でそのような契約はない。

このあたりの事情を大口弁護士も理解しているようで、前出の書面では、エクセルファイルそのものが著作物ではないと主張している。

たしかに、すべての文書が著作物に該当するとは限らない。著作権法第2条第1項は、著作物を次のように定義している。

「一 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」

実際には、大半の文章は著作物として保護される。極端な例を紹介しよう。次の記述は、読売新聞の江崎法務室長が作成したメモで、わたしがメディア黒書に掲載したものである。

「前略 読売新聞西部本社法務室長の江崎徹志です。2007年(平成19年)12月17日付け内容証明郵便の件で、訪店について回答いたします。当社販売局として、通常の訪店です。」

読売の代理人・喜田村洋一自由人権協会代表理事は、この文書が著作物に該当すると主張して、わたしは次の催告書を送付した。催告書の名義は江崎になっているが、実際には喜田村弁護士が執筆したものである。このメモが、江崎氏の著作物であるから、削除するように求めたのである。

喜田村弁護士が、催告書の名義を偽って提訴したことを認定した知財高裁判決

冠省 貴殿が主宰するサイト「新聞販売黒書」に2007年12月21日付けでアップされた「読売がYC広川の訪店を再開」と題する記事には、真村氏の代理人である江上武幸弁護士に対する私の回答書の本文が全文掲載されています。

しかし、上記の回答書は特定の個人に宛てたものであり、未公表の著作物ですので、これを公表する権利は、著作者である私が専有しています(著作権法18条1項)。 貴殿が、この回答書を上記サイトにアップしてその内容を公表したことは、私が上記回答書について有する公表権を侵害する行為であり、民事上も刑事上も違法な行為です。

そして、このような違法行為に対して、著作権者である私は、差止請求権を有しています(同法112条1項)ので、貴殿に対し、本書面到達日3日以内に上記記事から私の回答を削除するように催告します。  

貴殿がこの催告に従わない場合は、相応の法的手段を採ることとなりますので、この旨を付言します。

喜田村弁護士の主張が極論であるにしろ著作権の主張がいかに簡単に行われるかを示す例である。著作権を主張することがいかにたやすいかを示す例である。逆説的にいえば、ある書面が著作物ではないと主張するハードルは極めて高い。まして辻井さんのエクセルファイルには、辻井さんの意見や感情表現も含まれており、著作物と考えるのが妥当だ。

ちなみに浅野氏は5月16日、自身の講演の中で5月中にあけび書房を提訴する旨を表明したが、現時点では提訴を確認できていない。仮処分の申立書も、あけび書房には到達していないようだ。

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年6月4日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
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広島東洋カープオーナー一族経営の限界 ── 市民参加型の球団経営を議論する時だ

さとうしゅういち

我らが広島東洋カープ。私・佐藤周一はカープ初優勝の1975年に福山で生まれ、東京での小学校時代に、広陵高校出身の被爆者の担任の先生に平和とカープはしっかり叩き込まれました。そのカープは広島市民球場(マツダスタジアム)の指定管理者であり、単なる民間企業ではなく公共性を背負う組織です。その球団が、羽月元選手の薬物事件の説明責任を果たせず、交流戦6連敗という実力面の危機にも直面しています。こうした状況の中で、「オーナー一族経営の限界」を指摘する声が、市民の間で静かに、しかし確実に広がっています。

◆オーナー一族経営の強みと弱み

カープの歴史は、松田家を中心としたオーナー一族の献身によって支えられてきました。これは事実であり、功績でもあります。しかし、同時に閉じた経営構造が透明性を損ない、説明責任の弱さにつながっているという指摘も根強くあります。

不祥事への対応が遅い
情報公開が不十分
意思決定が属人的
外部の視点が入りにくい

こうした構造的な弱点は、今回の羽月事件で一気に表面化しました。

◆「市民が株を持つ」 ── 市民参加型経営という選択肢

広島では以前から、「市民が株を持ち、経営に参画できる仕組みを」という声があった。これは単なる理想論ではありません。

●実例がある
・FCバルセロナ(スペイン)
・グリーンベイ・パッカーズ(NFL)
・ドイツの“50+1ルール”による市民参加型クラブ
世界では、市民がオーナーシップを持つスポーツクラブは珍しくない。

●広島に合う理由
カープは地域密着球団市民の愛着が強い指定管理者として公共性が高い市民の監視が透明性を高める市民が株主となり、経営に一定の発言権を持つ仕組みは、球団の公共性と透明性を高める現実的な選択肢である。

◆指定管理者制度との相性

カープは市民球場の指定管理者であり、市民の財産を預かる立場にある。であれば、市民が経営に参画する仕組みは制度の理念とも一致する。公共性の確保説明責任の強化経営の透明化不祥事の抑止市民の信頼回復これらは、市民参加型経営によって大きく前進する。

◆いま必要なのは「議論を始めること」

私は断言しない。「市民株主制度が唯一の正解だ」とは言わない。しかし、議論を封じることこそ最大のリスクだ。オーナー一族経営を続けるのか? 外部取締役を増やすのか? 市民株主制度を導入するのか? 指定管理者の更新条件を見直すのか? 広島市、市議会、球団、市民が開かれた議論を始める時期に来ています。

◆広島の球団は、広島の市民とともにあるべきだ

カープは広島の誇りであり、広島の象徴であり、広島市民の財産を預かる存在です。だからこそ、閉じた経営ではなく、開かれた経営へ。実力の立て直しと同時に、倫理と透明性の改革を進めるためにも、市民参加型の経営モデルは真剣に検討されるべき時期に来ています。

◆カープは市民球場の指定管理者 ── 公共性を自覚し、膿を出し切れ

そもそもカープは、ただの民間企業ではありません。広島市民球場 ── マツダスタジアムの指定管理者です。つまり、市民の税金で整備された球場を預かり、市民の財産を管理し、市民の信頼の上に成り立つ、公共性を持つ組織なのです。

市役所と同じレベルの透明性、説明責任、倫理性が求められる。これは制度上の当然の前提です。

◆羽月元選手の事件 ── 公共性を持つ組織としての説明責任が問われている

羽月元選手の薬物事件。「複数の選手に売っていた」とされる売人が再逮捕されました。この状況で、球団が内部調査だけで済ませることはできません。なぜなら、カープは市民の財産を預かる指定管理者だからです。何が起きたのか? いつ把握したのか? 管理体制に問題はなかったのか? 他の選手への影響はどうか?

これを外部の専門家が調べ、市民に説明することは、義務であり責任です。第三者委員会の設置は、選手を守るためにも、球団を守るためにも、広島の誇りを守るためにも必要です。

◆カープが膿を出し切れないなら、指定管理者の非更新も視野に入る

指定管理者制度は、更新制です。透明性を欠き、説明責任を果たさず、管理体制に問題がある組織には、更新しないという判断が制度上可能です。これは球団を攻撃するためではありません。

市民の財産を守るための行政判断です。もしカープが真相究明を避け組織改革を拒み倫理教育を怠るのであれば、指定管理者の非更新を議論するのは、市民として当然の権利です。もちろん、非更新を私は望みません。しかし、市役所や議会が、カープの抜本的な改革を迫る「ディール」の材料として指定管理者非更新は使わざるを得ないと思うのです。

◆公共性を自覚し、実力と倫理の両面で立て直せ

カープは今、交流戦6連敗という実力の低下と倫理の揺らぎという二重の危機にあります。だからこそ必要なのは、実力の立て直しと、倫理の立て直しを同時に進めること。そして、公共性を持つ組織としての自覚を取り戻すこと。それができなければ、指定管理者の非更新という議論を、市役所や議会サイドから起こしていくべきでしょう。カープには広島の球団として、広島の財産を預かる組織として、いまこそ本気の改革が求められています。ご清聴、ありがとうございました。

さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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報道は誰のための記録か ── 浅野健一氏の逆立ちした匿名報道論

黒薮哲哉

元同志社大学の教授でジャーナリストの浅野健一氏といえば、事件の実名報道に苦言を呈してきたことで知られている。浅野氏は、公人を除き、被害者も被疑者も匿名にするべきだと主張してきた。たとえば、次のインタビュー記事には、その主張の根幹が示されている。

「人が壊れそうになる」報道は変われるか? 匿名報道の識者語る問題点(2020年1月28日配信Yahoo!Japanニュース)

浅野氏が原則的に匿名報道を主張する背景には、多くの新聞が警察などから得た情報を十分に検証せずに報道していることへの問題意識があると考えられる。警察発表への依存や検証姿勢の甘さは確かに検討に値する論点である。しかし、私は報道の原則は実名であるべきだと考える。というのも、記事やルポルタージュは歴史的記録としての役割を持つからである。どこで誰が何をしたのかを後世に正確に伝えるためには、関係者の氏名を含め、事実をできる限り正確に記録しておく必要がある。当然、実名報道が不可欠になる。

この点に関して、浅野氏は実名報道が持つ記録としての意義を十分に評価・理解していないように見える。実際、前出の記事の中で、インタビュアーから、

「なぜ日本のマスコミは実名を必要とするのか?」

と問われ、次のように答えている。

「理由はないんです。昔からそうやっているからだけですよ。特にそれが悪いと思っていなかったでしょう。昔からずっとやっていた。」

少なくともこの発言からは、実名報道が持つ歴史的記録としての機能への言及は見られない。

私は、報道の原則は実名であり、匿名は例外であるべきだと考える。報道は単なる情報伝達ではなく、後世に残る記録でもあるからだ。事実を正確に伝え、将来の検証に耐えうる記録を残すためには、人名を含めた事実関係をできる限り明らかにすることが求められる。それがジャーナリズムである。

また、匿名報道を原則とした場合、報道内容の事後的な検証が困難になり、結果として誤報の発見や訂正が遅れる可能性もあるのではないだろうか。事件などの防止にもならない。匿名化によって当事者の保護が図られる一方で、記録性が損なわれる危険性もある。

ちなみにThe New York Times、The Washington Post、BBC、The Guardianなどは、犯罪報道においては、被害者に配慮しながらも実名を報じるのが基本である。

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年6月3日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
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Road to KING、今年のメインイベンターは樹、セミファイナルは菊地拓人、それぞれの明暗!

堀田春樹

メインイベンター、樹(=いつき/治政館)はムエタイの壁に跳ね返され、菊地拓人は存在感示す完封TKO勝利。来年は立場逆転か。
花澤一成は地元の声援に応えられず倒されてしまった。
ウーバーミユは昨年の雪辱果たす判定勝利。

◎Road to KING 4 / 5月24日(日)市原臨海体育館16:00~19:10
主催:市原ジム / 認定:ジャパンキックボクシング協会

◆第10試合 フェザー級3回戦

カターテープ・イチハラジム(タイ国出身33歳/ 56.7kg)約80戦勝率7割超
        VS
ジャパン・フェザー級2位.樹(治政館/2004.10.12埼玉県出身/57.15kg)
20戦8勝(4KO)11敗1分
勝者:カターテープ・イチハラジム / 判定3-0
主審:勝本剛司
副審:椎名30-29. 西村30-29. 少白竜30-28

カターテープは過去、4年ほど前に重森陽太(当時稲城)に判定負け。今年1月から市原ジムで専属トレーナーを務めている。日本で住み始めたのは初めてで、今後の試合予定は無いが、オファーがあれば出場させたいトレーナー側の声。

「カターテープはトレーナーとして来たので試合はしたくない」と本音を漏らしていたらしい(樹の会話)。

樹はパンチから蹴りのアグレッシブな攻めで距離を詰めていくが、カターテープは前蹴りで樹の突進を止めミドルキックで圧力掛けるなど蹴りが強い。首相撲からの展開もカターテープがバランスいい体勢を保った。脚掛けて崩した樹には抗議したカターテープ。樹は前進してローキックからパンチ連打も、テクニックで返す技はカターテープが優り、樹はムエタイの壁を超えられない判定負けとなった。

樹は試合後、「カターテープは強かったです。蹴られたところが痛いです。もっとパンチで行きたかったですけど、カターテープの上手さに負けました!」とコメント。

蹴り足を掴んで崩しに掛かる樹。バランスいいカターテープは崩れない
これは危ない。樹がバランス崩したところを蹴るカターテープ

◆第9試合 63.0kg契約3回戦

ジャパン・ライト級2位.菊地拓人(市原/千葉県市原市出身26歳/ 63.0kg)
11戦7勝(4KO)3敗1分
        VS
翔吾(DANGER/千葉県出身29歳/ 62.65kg)8戦3勝(1KO)4敗1NC
勝者:菊地拓人 / TKO 1ラウンド 2分31秒
主審:少白竜

菊地拓人は昨年の市原興行で匠(=小林匠/キング)に判定負け。今年こそ市原勢の主役として勝ちたい一戦。

蹴りから距離を詰めアグレッシブな攻めを見せた菊地拓人。主導権は奪った流れ。左ミドルキックで翔吾のボディーを効かせると組み合ってのヒザ蹴りや離れての三日月蹴りで攻勢を強め、更に三日月蹴りからパンチフォローでノックダウンに繋げ、翔吾は立ち上がろうとするもダメージあってカウント中にレフェリーストップが掛かった。

「菊地拓人は三日月蹴りの練習はしていましたし上出来でした!」とは花澤トレーナーのコメント。

菊地拓人が三日月蹴りでダメージを与えて圧倒勝利に繋げた

◆第8試合 バンタム級3回戦

ジャパン・バンタム級3位.花澤一成(市原/2004.4.9千葉県市原市出身/ 53.52kg)
14戦3勝(3KO)8敗3分
        VS
ストロベリー稲田(治政館/2005.11.9埼玉県出身/ 53.4kg)8戦3勝5敗
勝者:ストロベリー稲田 / KO 1ラウンド 3分9秒 / テンカウント
主審:西村洋    

花澤一成は昨年の市原興行で木部晴太(尚武会)に飛びヒザ蹴りで1ラウンドKO勝利。今年も勢いよく勝ちたい一戦。

開始早々飛びヒザ蹴りを見せた花澤一成。予期していたかストロベリー稲田はパンチで返す。前蹴りなどで牽制する花澤の蹴りはスピーディーでこのまま主導権奪っていきたいところだが、稲田もパンチや首相撲で花澤のリズムを崩しに掛かる。前蹴りとローキックの交錯で花澤が股間ローブローを喰らって回復の為、3分あまりのインターバルが与えられた。ここからパンチの距離に持ち込んだ稲田の攻勢が強まり、ヒジ打ちやパンチ連打で二度のノックダウンを奪うと、花澤は立ち上がるも続行出来る状態ではない中、テンカウントが数えられた。

一成の実父の花澤トレーナーは「いつもあのパターンが多いですね。もっと蹴ればいいと言っているんですけど、フックからの間合いに入っているところでいつも失敗しているので、違う展開に行かないといけないんですけどね。」と冷静に語る。
花澤一成は「いちばん効いたのはローブローでしたね。痛いというより気持ち悪くなって。最後のダウンは何を貰ったか分からない感じで、2ラウンド目に持ち込みたかったですね!」と帰り際のコメント。明るく応える花澤に精神的ダメージは無く、仲間らと帰路に着いた。ノックダウン後も「良いパンチもあったし蹴り返しも良かった」という周囲の意見もあって、確かに第2ラウンドに持ち込みたかった勿体無い展開であった。

花澤一成は打ち合って倒された。冷静に次のラウンドに繋ぎたかった

◆第7試合 女子45.8kg契約3回戦(2分制)

ミネルヴァ・ペーパー級チャンピオン.Uver∞miyU(=高橋美結/T-KIX/1999.12.7静岡県出身/ 44.5kg)23戦9勝12敗2分
        VS
ミネルヴァ・ピン級1位.祥子JSK(治政館/1983.12.3埼玉県出身/ 45.6kg)
34戦10勝21敗3分
勝者:Uver∞miyU(ウーバーミユ) / 判定2-1
主審:椎名利一
副審:勝本29-30. 少白竜29-28. 西村30-28

昨年の市原興行で対戦した両者。長身を活かした蹴りの距離感が保って判定勝利した祥子と、一階級下だが後にチャンピオンと成ったウーバーミユは負けられない再戦となった。

今回も祥子JSKの蹴りが攻勢を保ちそうな流れも、ウーバーミユは距離を縮め、蹴りを貰いながらもパンチでボディブロー、顔面も狙う攻勢を強めていった。距離感を掴めば勢いに乗るウーバーミユはフェイントで挑発する余裕も見せ始めたが、祥子の蹴りが優勢と見る流れもあってかスプリットデジションとなったが、ウーバーミユが判定勝利で昨年の雪辱を果たした。

ウーバーミユは祥子の距離感崩して勝利を導き、昨年の汚名返上

◆第6試合 フェザー級3回戦

ジャパン・フェザー級3位.海士(ビクトリー/山形県出身37歳/ 57.0kg)9戦6勝3敗
        VS
神田賢吾(北流会君津/千葉県出身28歳/ 57.0kg)17戦6勝(1KO)10敗1分
勝者:神田賢吾 / 判定0-3
主審:勝本剛司
副審:椎名28-29. 少白竜27-30. 西村28-29

海士の勢いが攻勢の印象を残す流れがあったが、神田賢吾の蹴りやパンチで前進する攻防も互角の展開を維持した。第3ラウンドにはパンチの攻防で距離感掴んだ神田が右ストレートでノックダウンを奪って判定勝利を導いた。

海士がやや蹴りで優るも神田賢吾が右ストレートでノックダウンを奪って勝利を導く

◆第5試合 女子54.5kg契約3回戦(2分制)

ミネルヴァ・スーパーフライ級2位.響子JSK(治政館/埼玉県出身38歳/ 54.3kg)
15戦6勝6敗3分
        VS
ミネルヴァ・スーパーバンタム級9位.朱乃(CORE/埼玉県出身31歳/ 54.5kg)5戦3勝2敗
勝者:響子JSK / 判定3-0
主審:少白竜
副審:椎名30-28. 勝本29-28. 西村30-28

蹴りの距離では勢い有る朱乃。前蹴りで響子を突き放すも、組み技に持ち込んだ響子が徐々にヒザ蹴りで優り、攻勢続けた響子が判定勝利。

響子は首相撲に持ち込んでのヒザ蹴りで朱乃の前進を止めた

◆第4試合 78.0kg契約3回戦

白井大也(市原/千葉県市原市出身23歳/ 77.65kg)7戦3勝(1KO)2敗2分
        VS
ラッキー・ティマル(ドージョーシャカリキ/スリランカ出身35歳/ 77.55kg)2戦1勝1敗
勝者:白井大也 / 判定3-0 (29-28. 30-29. 30-28)
主審:西村洋

初回から白井大也が先手打つ蹴りで優っていたが、ラッキー・ティマルの蹴り返す技は空手の経験か、蹴り負けない流れも、白井が優る多彩な蹴りの展開で僅差ながら判定勝利。

白井大也が先手の蹴りでリズム掴んでラッキー・ティマルにチャンス与えず

◆第3試合 JKAアマチュア女子50kg級タイトルマッチ2回戦(2分制延長1分)

田中心結(市原/千葉県出身13歳/ 49.9kg)
        VS
プァンピー・ララ(ラジャサクレックムエタイ/東京都出身15歳/ 49.4kg)
勝者:田中心結 / 優勢旗判定3-0
主審:椎名利一

プァンピー・ララは蹴りで距離を保ちたかったが、田中心結がパンチ連打で攻勢強めた優勢を維持し、蹴り合っても負けない展開で勝利を掴んだ。

女子アマチュア試合は田中心結がパンチの攻勢で優勢判定を勝ち取る

◆第2試合 ウェルター級3回戦

三澤悠太郎(市原/千葉県出身35歳/ 65.6kg)3戦1勝(1KO)1敗1分
        VS
深谷恭介(ラジャサクレックムエタイ/東京都出身31歳/ 66.6kg)1戦1勝(1KO)
勝者:深谷恭介 / TKO 3ラウンド 1分8秒 / タオル投入による棄権
主審:勝本剛司

初回、深谷恭介の左ストレートで三澤悠太郎がノックダウン。しかしすぐに仕留められず間が開くと三澤が回復し、パンチで盛り返しを見せた。第2ラウンドは一進一退。第3ラウンドには深谷の前蹴りで三澤がスタミナ切れのようなノックダウン。その後も蹴られ打たれた三澤に陣営のタオル投入による棄権で深谷がTKO勝利。

初回にノックダウン奪った深谷恭介が手古摺りながらラストラウンドで仕留める

◆第1試合 フェザー級3回戦
 
伊田和樹(市原/千葉県出身22歳/ 57.0kg)1戦1敗
        VS
優太JSK(治政館/埼玉県出身19歳/ 56.8kg)1戦1勝
勝者:優太JSK / 判定0-3 (28-30. 29-30. 29-30)
主審:少白竜

スピーディーに多彩に攻め合った攻防は第3ラウンドにやや攻勢が強まった優太が僅差判定勝利。

《取材戦記》

恒例の市原興行も後楽園ホールでのメインイベンターへの登竜門。来年の市原興行のトリは菊地拓人が務めるか。

コロナ禍を経て4度目のRoad to KING開催となった今回の興行終了後に市原ジムトレーナーの本多幸一氏が「市原興行は不滅です!」と冗談交じりに語られましたが、どこかで聞いたようなキャッチフレーズ。気持ち的にはそうありたい本音でもあるだろう。キックボクシングはマイナーと言われながら60年続き、ムエタイとしても世界に普及してきた競技です。「不滅です!」は長嶋茂雄氏だけでなく沢村忠氏でもありました。

5月11日に治政館ホームページにて、馬渡亮太選手のWMO世界タイトル再挑戦が7月5日と決定した模様です。

前・チャンピオン、オーウェン・ギリス(イギリス)とのタイトルマッチは試合終了時、「馬渡亮太の判定1-2勝利」も、一人のジャッジの集計ミスが問題となって結果が長期保留となっていました。本来は“引分け”となるところを正式に“ノーコンテスト”となった模様で、この試合は無かったものと同様として、オーウェン・ギリスは昨年3月から防衛戦をしていないことになるので、一年以上を経過した現在、王座剥奪となった模様です(オーウェン・ギリスは現在6位)。WMO側は、オーウェン・ギリスは馬渡亮太との試合前日計量で計量失格していることには触れていませんが、。ノーコンテストの結果は計量失格まで無効となるのかは不明である。

7月5日(日)、KICK Insist.27 / WMO世界スーパーフェザー級王座決定戦 5回戦
10位.馬渡亮太(治政館/26歳)vs13位.ワタナー・ウォー・ウラチャー(タイ/25歳)

ワタナーはオーソドックス、サウスポーを自在に使い分ける高い戦術能力を持つ実力派ムエタイファイター(身長175cm)。
タイのトップ興行「ペッティンディー」では常連選手として活躍。近年は主戦場を「ラジャダムナン・ワールド・シリーズ」へ移し、勝率90%を誇る強豪選手として注目を集めている模様(治政館情報)。

次回興行は7月5日(日)に後楽園ホールに於いてKICK Insist.27が開催されます。メインイベントは以上の馬渡亮太。「今度は絶対獲ります!」と力強い宣言しています(市原興行にて)。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

『紙の爆弾』7月号に寄せて

『紙の爆弾』編集長 中川志大

「高市早苗首相のウソ」がにわかに話題となっています。その大きなきっかけとなったのが、ラジオ番組での適菜収氏による指摘だったわけですが、同番組で適菜氏は、「高市のウソ」を調べたきっかけとして、「なんで(電波停止発言や旧統一教会関連疑惑など問題ばかりの)こんな人間が政治家になって、ついには総理大臣になってしまったわけですよね。これがちょっと不思議で」と最初に話しています。この問い自体が重要で、本誌で特集した「ガーベラの風」イベント(5月16日)に登壇した孫崎享氏も、同じ問いを投げかけています。その答えが孫崎氏の記事にあります。

5月22日、ロシアが掌握するドンバス地方のルハンシク州スタロビルスクにある大学寮をウクライナ軍のドローンが攻撃。ロシア側の発表によれば21人が死亡、負傷者も多数。現場でロシア人権担当委員が英BBCや米CNNに加え、日本の記者が取材しないことを指摘し、ザハロワ報道官は「日ロ関係」を質問したNHK記者に「スタロビルスクをなぜ取材しないのか」と“逆質問”。記者が「上司から『取材をするな』といった命令があったわけではない」「単に時間がなかった」と弁明するシーンがSNSで注目を集めています。以前から報道官は、「日本の記者はモスクワで何をしているのか?」とたびたび問いかけていました。加えていえば、プーチン大統領は「我々はウクライナの背後にいるアメリカやヨーロッパとは対立しても、日本と対立しているような覚えはない」といった主旨を発言しています。なぜ無関係の日本がやたらと反ロシアにこだわるのか、という疑問が報道官の“逆質問”の背景にあるのでしょう。

西側諸国に従い人命・人権に関わる戦争の現場を取材せず、隣国ロシアとあえて対立することで、日本にどのようなメリットがあるのか、首を傾げるほかありません。そして、このことは、今月号の巻頭記事「高市首相の最大の嘘」とも関わります。「最大の嘘」が何であるかはぜひ本誌をお読みいただくとして、高市首相が「ナフサは足りている」と言わざるをえないことには理由が存在します。そして、冒頭の適菜氏の「なんでこんな人間が総理大臣になったのか」にもつながります。

ほか7月号では、2月総選挙における中道改革連合の敗北をはじめ日本政治を語った鳩山友紀夫元首相の講演を収録。政治経済学者の植草一秀氏が高市内閣の「究極の売国経済政策」を解説。「新・新党」も取り沙汰される中道については小川敏夫・元立憲民主党参院議員の“直言”も掲載しました。さらに、南極行きのクルーズ船で“集団感染”が報じられたハンタウイルスと旧日本陸軍731部隊の関係、「保守派」が「男系」にこだわる理由、国家情報会議やスパイ防止法の実態、高市首相が関与を否定した「サナエトークン」の本来の目的など、今月号も独自の視点からのレポートをお届けします。

『紙の爆弾』は全国の書店で発売中です。ぜひご一読ください。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

『紙の爆弾』2026年7月号
A5判 130頁 定価800円(税込み)
2026年6月6日発売

「現実」が高市政権を終わらせる 高市首相の最大の嘘 孫崎享
日本政治の対米隷属を打破するために 鳩山友紀夫
高市内閣デタラメノミクス 究極の売国政策 植草一秀
制約なき国家諜報体制「国家情報局」の実態 足立昌勝
スマホの中で起きている新しい戦争 デジタル主権戦争 昼間たかし
元自民党議員秘書が明かした「中傷動画」と「サナエトークン」の本当の目的 片岡亮
「保守派」が強調する「歴史と伝統」の欺瞞 皇室典範改正めぐる策謀 宮古諄三郎
成年後見制度改正 法制審議会にもの申す 鈴木慎哉
「中道改革連合」はどこに向かうのか 参院立憲の「中道」合流はない 小川敏夫
WHO総会直前の「集団感染」ハンタウイルス騒動と「パンデミック」の正体 早見慶子
日本よ自主外交を取り戻せ ロシア暴言王の遺訓 木村三浩
LGBT問題の現在 リベラルという陶酔 西園寺あかり
沖縄をなめるな!「最強の沖縄」に続く第三の道 下地幹郎
嘘つきサーニャの今週のハイライト! 佐藤雅彦

〈連載〉
例の現場
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け:西田健
「格差」を読む:中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座:東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER:Kダブシャイン
「絶望ニッポン」の近未来史:西本頑司
芸能界 深層解剖

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なぜ、浅野健一さんの異常な言動を諫めないのか? 出版差し止めを司法権力の手を借りてやることが「ジャーナリスト」として自殺行為であり、出版界に悪弊を残すことを、なぜ気づかないのか?

鹿砦社代表 松岡利康

周知のように浅野健一さんが、あけび書房から出版予定だった山上徹也公判記録本をめぐって、意見の齟齬で あけびはあけびで、浅野さんは三一書房から各々出版されることになりました。これはこれで、二つの本が出ることになり、内容で勝負すればいいだけの話で、読者にとっても一つの事件で二つの見方、考え方の本が出ることは選択肢が広がっていいことだと思います。日本国憲法は言論・出版の自由を高らかに謳っているわけですから。

しかし、浅野さんは一方のあけび書房本に対し出版差し止め(浅野さんの言葉では「出版禁止」)の仮処分を申し立て、続いて本訴も準備されているとのことです。仮処分は去る4月16日に申し立て、本訴は当初5月のGW明け、延びて5月じゅうに提訴するということでした。仮処分は申し立てながらも、いまだにあけび側には裁判所からの特別送達が届かず、また本訴も同様のようです。

私はシンプルに、みずからが過去5度出版差し止めを食らい、この経験からも、これは今後出版界に悪弊を及ぼすので即刻取り下げるべきだと再三訴えてきました。

私事ながら、4月13日に同居してきた高齢の母親が急逝し、自覚するしないに関わらず精神的に動揺、疲弊しつつも、この問題には関心を持って見てきました。この過程で、本来ならば喪に服すべきところ、ことは出版差し止め、双方の主張に注目してきました。

しかし、浅野さんによるあけび本著者・辻井彩子さんに対する、決裂以前からのハラスメントが在り続けていることを知り(その一端は浅野さんのFBを溯って見ていくだけでも解ります)、ここまでして意見の対立するに至った相手方を、まさにネットリンチと言っても過言ではないほど攻撃し、出版を阻止する必要があるのか、素朴に疑問に感じました。これまでさんざん訴訟を争ってきた私たちでも裁判所の封筒で特別送達が届けばビクッとするものです。まだ裁判所からの書類が届いていないとはいえ、「訴訟するぞ訴訟するぞ」と威嚇され続けば、「素人」(浅野言)の、娘さんを育てながら一所懸命に生きる市井の生活人の辻井さんは、日々ナーバスになってきたはずです。これだけでも、俗に「人権派」などといわれている浅野さんに、他人に対する人権意識などないことが解ります。ヤクザでも「素人衆には手を出すな」と言うそうですが、素人を徹底的にイジメる浅野さんはヤクザ以下といえるでしょう。

こうしたケースに遭遇したら私は、事案の内容にかかわらず基本は弱者の側に立つことを信条としています。今回は、浅野さんによる辻井さんへの連日の威嚇、ネットリンチ攻撃が続く限り辻井さんを支援します。まさか威嚇やネットリンチ攻撃をする者を支援するわけにはいかないでしょう。

また、当初は浅野さんに事実確認のやり取りを行ったにすぎない黒薮哲哉さんに対して、(これは今になっては明らかにしていいと思いますが)私との関係回復の仲介を依頼し不調に終わるや一転、攻撃に回りました(他にも仲介を依頼されていますが、こちらも不調に終わっています)。

浅野さんによる攻撃は日に日にエスカレートし、あけび書房・岡林信一代表、著者・辻井さん、帯を書いた鈴木エイトさん、そして黒薮さん、私松岡、これを最近では「5人組」と称して、相次いで訴訟を起こすと宣言されています。まさに訴権の濫用! いやしくも「ジャーナリスト」を自認し、実際に長年ジャーナリズムの現場、研究の場で一筋に歩んで来たみずからの軌跡を否定するような有様です。「ジャーナリスト」は、司法の場ではなく、原則は言論で勝負すべきではないのか!?

皆様、私の言っていることは間違っていますか? そうした浅野さんの異常な言動を、浅野さんの取り巻きの方々はなぜ諫めないのでしょうか? 大いに疑問です。

◆浅野さんに「なぜ取材しないのか」だって!?

浅野さんは、みずからに「取材」しないことについて私を詰られています。普通ならそうでしょうが、今の浅野さは到底取材できる状態ではありません。その理由は、 ──
 1に浅野さんが私に対し異常な敵意を持っていること、2に浅野さんの最近の精神状態、言動の異常性、3に複数の方に関係修復の「仲介」を依頼していることから、「取材」をそのきっかけにしたいという意図が感じられることなどです。お会いするには、まずは出版差し止め(出版禁止)仮処分を取り下げ、本訴も取り止め、さらには私にとって恩人の故・山口正紀さん(浅野さんにとっても恩人のはずですが。文春のセクハラ報道直後、絶望的情況の浅野さんを、浅野さんの自宅に何日も泊まり慰め激励したことを忘れましたか?)に対する生前の数々の暴言、誹謗中傷を反省、謝罪することなどが前提になります。

そんなに、「取材しろ、取材しろ」と言うのなら、わかりました、かつてよくやった「自宅へのアポなし直撃取材」をやらせていただきましょうか? 

◆ちょっとしたコメントにまで針小棒大に非難する異常さ

過日(6月2日)の浅野さんのFBにて、またしても浅野さんによる私への誹謗中傷が記されています。

浅野さんが自分の「自宅住所、電話番号をSNSで晒した」とあけび書房・岡林代表を激しく詰り、三一書房の小番代表もこれに付和雷同 ── どんなことやらと調べたところ、先の浅野さんの沖縄での講演会の案内の「問い合わせ先」に宮川元一さんという方の住所・電話番号などが記され、これに抗議の電話ががんがん掛かってきて迷惑を被った宮川さんは当然浅野さんに抗議しますよね。それを「さくらフィナンシャルニュース」というメディアが報じ、この際、人権と報道・連絡会の連絡先(宮川さんから聞いたのかどなたから聞いたのか)に浅野さんの自宅住所・電話番号を記載し、これを岡林さんがそのままリポストしたわけですが、これをあたかも針小棒大に喧伝してはいませんか? 岡林さんはすぐに消去したそうですが、なんでもかんでも岡林さんのせいにする浅野さんと、これに追従する人たちに、私もささやかに異議を言うためにちょっとコメントした次第です。これも浅野さんらは針小棒大に喧伝、ここまで来ると阿呆としか言いようがありません。

以下に、くだんの人権と報道・連絡会のチラシと私のコメントを再録しておきます。どういう経緯で、浅野さんを代表世話人とする人権と報道・連絡会のチラシに宮川元一さんの住所・電話番号などを掲載するに至ったのか判りませんが、きちんとした連絡先を記載しないので、掲載された宮川さん本人が迷惑を被ったわけですから、この責任は、常識的に言えば、人権と報道・連絡会の代表世話人の浅野さんにあるのではないでしょうか? 浅野さんは被害者意識が強く、全部自分が被害を被ったと言わんばかりに他人のせいにするのはやめるべきでしょう。

私のコメントは、次の通りです。

「Toshiyasu Matsuoka
中尾進さんに非難されている鹿砦社・松岡です。コレ、もともと人権と報道・連絡会の案内に宮川元一氏の住所が連絡先として記載され、宮川氏が迷惑を被り、人権と報道・連絡会と浅野さんに抗議し、それをさくらフィナンシャルニュースが、以前に人権と報道・連絡会の連絡先とされていたのを、変更されたものと気づかず浅野さんの自宅住所を記載し、それを岡林さんがそのままリポストしたにすぎないわけでしょう。浅野さんが代表の人権と報道・連絡会が当初から宮川さんの住所を連絡先に記載しなければよかったわけでしょう? なにか責任を、なんでもかんでも岡林さんが悪いと岡林さんに責任転嫁してはいませんか?」

◆他人の会社の人事にも口を出す浅野さん

同日の浅野さんのFBでは、「『あまりにもエキセントリックな理由』(中川志大編集長)で、昨年4月、業務命令で私(浅野さん)を排除」だって!? 昨年4月発行の『紙の爆弾』で浅野さんが書いた記事に強い抗議が相手側弁護士から抗議があり、浅野さんはこれに対してきちんとした態度を取らず逃げましたよね? 私と中川は相手側弁護士とやり取りし、次号で反論を掲載するというメディアとしての原則的態度で対応しました。浅野さんはいまだに相手側に対応してませんよね? いい加減なことを言わないでいただきたい。『紙の爆弾』は、基本的に別会社の編集・制作で創刊号から中川を編集長に据え、さほど私が口出すことはありませんが、こういう法的な問題や訴訟沙汰になった場合は私の出番となります。

ついでながら申し述べると、山口正紀さんへの浅野さんの誹謗中傷攻撃が増し、その後しばらくして山口さんが無念の死を遂げられました。この時点で、さすがに「浅野を切れ」という声が、従前から浅野さんと付き合いのある方々から私にありました。以前にも述べましたが、それでも私は「中川にも考えがあって浅野さんの原稿を掲載しているので、もうしばらく様子を見てやってください」と浅野さんの寄稿を黙認してきました。本当は、死の直前まで、裁判の準備書面や陳述書の案文をじっくり読まれ、添削、加筆してくれた大恩ある方、そしてこの方に対して誹謗中傷を繰り返す方……そんな私も昨年4月の件では怒り心頭になりました。それを中川が「エキセントリック」と言ったかどうか、彼も記憶にないそうですが、皆様、私の気持ちをお察しください。私が「エキセントリック」なら浅野さんはファナティックといえましょう。山口さんは、弱者にやさしく、温厚な中にも内に激しい権力への怒りを秘められた方でした。山口さんの最期の大仕事は、黒薮さんも書籍にまとめられた滋賀医科大学教授の去就問題(『名医の追放: 滋賀医科大病院事件の記録』緑風出版刊)でした。山口さんは末期がんの身を押して再三現地を訪れ患者さんらと共に闘われました。

さらに同日の浅野さんのFBでは、なんと株主でもなんでもないのに他人の会社の人事にまで口を出しています。

「読者のことを考えず、雑誌を私物化する松岡社長は今すぐ退任し、『紙の爆弾』の中川志大編集長が社長になるべきです。」

鹿砦社の資本金は2400万円、全額私が持っています。この金額を集めるのにどれだけ苦労したか ── 浅野さんは1株も持っていません。株主でもないのに他人の会社の人事に口を出すな! 私が鹿砦社の代表に就いて40年ほどになります。自分で言うのも僭越ですが、人一倍に山あり谷あり、天国も地獄も味わいました。私が今「退任」して会社がやっていけるのであればすぐにでも「退任」しますが、そうもいかないのが会社というものです。浅野さんは会社経営などやったことがないので現実を知らず、簡単に仰いますが、小なりと雖も、人知れず苦労は大変なものです。今回の当事者、一人出版社のあけび書房も、個人企業の辻井さんの会社も、また激しい労働争議を潜り抜けた三一書房も、経営者は日々、資金繰りや運営に苦慮しているはずです。

◆今、出版社同士、また社会運動に関わる者同士、潰し合いをやっている場合ではない!

出版界は従前から構造不況業種で、このかんのコロナ禍で更に不況の深度は深まっています。また、社会運動も、長らく〈冬の時代〉が続いています。

こうした中で、例えば岡林さんが神戸時代から20年余りもやっておられる「市民社会フォーラム」は、リベラル系の市民運動を中心として、新左翼系や共産党離脱組も含め、今では全国の社会運動のセンターの役割を担っている感があります。これに参集する方々も、今回の騒動を注目しています。私の思い込みかもしれませんが、おそらくほとんどがあけび書房と辻井さんを支持していると思われます。いくらなんでも司法権力の手を借りての出版差し止め(出版禁止)などを企てる人を支持する人はいないでしょうから。

尊敬する大口昭彦弁護士が、出版界に今後悪弊になる出版差し止めに手を貸さないことを願います。私たちは、全国の刑務所・少年院を回り500回以上も獄内ライブを行ってきた女性デュオ「Paix2」(ぺぺ)の活動を長年支援してきましたが、大口弁護士が代表弁護士を務められる「救援連絡センター」は、数年前の総会で予定されていた、そのライブをドタキャンし、私は抗議の意味で長年出して来た広告を取り止め、一歩距離を置いてきました。センターの機関紙『救援』に浅野さんは連載を持たれていますが、彼らによって出版差し止めや濫訴がなされたならば、遺憾ながら私たちはさらにもう一歩距離を置かざるをえなくなります。

繰り返しますが、「ジャーナリスト」として自殺行為になり、出版界に悪弊となる出版差し止め(出版禁止)は、仮処分も本訴も直ちに取りやめるべきです。 (2026年6月4日記)

山上徹也公判記録書籍問題 https://www.rokusaisha.com/wp/?cat=137

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2026年3月度のABC部数 新聞部数の減少止まらず――読売は1年で38万部減、「押し紙」問題の構造的課題も浮き彫りに

黒薮哲哉

2026年3月度のABC部数が明らかになった。読売新聞と毎日新聞の下落幅は依然として大きく、この1年間で読売新聞は38万部減、毎日新聞は20万部減となった。販売店関係者によると、残紙の整理や高齢読者の購読中止が主な要因とみられる。

ただし、残紙を減らしても、購読中止が進むことで新たな残紙が発生するため、「押し紙」問題の根本的な解決には至っていない。

中央紙の部数内訳は次の通りである。

朝日新聞:3,100,261(-167,587)
毎日新聞:1,083,632(-202,418)
読売新聞:5,183,600(-380,374)
日経新聞:1,196,749(-128,389)
産経新聞: 750,736(-60,607)

※括弧内は前年同月比の減少部数。

「押し紙」が新聞ジャーナリズムに及ぼす負の影響については、次の記事で詳しく論じられている。

【参考記事】「真村訴訟が暴いた新聞業界の『押し紙』構造――不正な利益は400億円超、公権力によるメディアコントロールの温床に」

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年5月23日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
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