日本だけ〝真逆〞の「令状主義」立花孝志逮捕事件が明かす刑事司法の異常

たかさん(紙の爆弾2026年1月号掲載)

月刊「紙の爆弾」1月号から一部記事を公開。独自視点のレポートや人気連載の詰まった「紙の爆弾」は全国書店で発売中です(毎月7日発売。定価700円)。書店でもぜひチェックしてください。最新号の記事タイトル一覧はホームページをご覧ください。

最初に断っておくと、本稿はNHKから国民を守る党党首である立花孝志氏の発言内容や行為を肯定・擁護するものではなく、名誉毀損を理由とする逮捕・長期勾留という「権力の使い方」の妥当性を問うものである。

◆刑事訴訟法から見た違和感

2025年11月9日、立花孝志氏が「名誉毀損」の容疑で兵庫県警に逮捕・勾留された。テレビやネットには、「さすがにやりすぎだったから当然だ」「前から嫌いだったからザマーミロ」といった声があふれた。それらは日頃、警察を含めた行政権力に肯定的な人も、否定的な人も、まさに異口同音だった。

だが、本来ここで問われるべきなのは、「立花氏が良い人か悪い人か」「好きか嫌いか」ではない。もっと単純で、しかし根本的な問いだ。

名誉毀損という種類の事件で、本当に「逮捕・長期勾留」が必要なのか?

刑事訴訟法の観点から見ると、この問いに対する答えはかなりはっきりしている。
まず、刑事訴訟法が逮捕・勾留の要件として掲げるのは、

1 罪証隠滅のおそれ
2 逃亡のおそれ

である。これに基づくと、立花氏の事件には、本来「逮捕不要」と考えるべき事情が並んでいる。

・発言内容は動画やSNSとして残っており、証拠隠滅の余地がほとんどない。
・被疑者は公人で、居場所も行動も人目にさらされている。→逃亡の可能性は極めて低い。
・実際に、任意の事情聴取には応じていたと報じられている。

これらの事実を鑑みれば、今回の事件は「在宅のまま捜査・起訴すれば足りる事件」と評価するのが素直な理解だろう。どうしても刑事責任を問いたいのであれば、在宅起訴し、公開の法廷で淡々と有罪・無罪を争えばよい。

それにもかかわらず、最も強力な人身拘束である逮捕・長期勾留が選択された。しかも逮捕から一夜明け、関西テレビ(ヤフーニュース)は次のように報じた。
「立花氏が先月ドバイに渡航していたため、警察は海外逃亡などを警戒して逮捕に踏み切った」

アラブ首長国連邦(UAE)と日本は犯人引渡条約を結んでいないことから、「逃亡のおそれ」を後づけで強調する内容だった。現在、この記事は削除されているが、当時の引用は私のブログにも一部残っている。

その後、関西テレビは、コメンテーターの弁護士を解説役とし、名誉毀損でも逮捕は珍しくないこと、今回の発言が「誰かから聞いた話」であり情報源が明らかになっていないため、取材源と関係する証拠を隠す(証拠隠滅)おそれがある―といった趣旨の説明をしていた。

しかし、冷静に聞けばこれは、「まだ明らかになっていない」→「これから隠すかもしれない」とすり替えて、現在の拘束を正当化するロジックであり、実質的には予防逮捕・予防拘束を肯定する発想に近い。

こうしたコメントが「専門家の見解」として繰り返されることで、本来は例外であるはずの逮捕・勾留が、「よくある普通の対応」として受け止められていく。ここに、今回の事件の第一の異常さがある。

◆「令状主義」が〝行政のお墨付き〞に変質した

次に問題なのは、要件を満たさないはずの逮捕が、なぜ裁判所であっさり認められてしまうのかという点である。

そもそも、日本における「令状主義」は、世界的にみて大きなねじれを持っている。

日本語で「令状」と訳されるwarrantは、英米法においては「国家に人を捕まえさせるための命令書」というより、国家権力の行使に厳格な条件と範囲を与えることで、市民を国家の恣意的な逮捕から守るための文書である。

いつ・どこで・誰に対して・どのような理由で拘束してよいのかを細かく書き込み、その枠を一歩でも踏み越えれば違法となる。

つまりwarrantは、本来は国家権力の「剣」ではなく、市民の自由を守るための条件付きの許可証、いわば市民の「盾」としての意味合いが強い。

日本の刑事訴訟法は原則として、「逮捕には裁判官が発する逮捕状が必要」と定めており、条文だけを読むと、あたかも同じ発想に立っているように見える。

ここから先はhttps://note.com/famous_ruff900/n/ndd5c05c55837

藤田文武維新共同代表「犬笛吹いて逃亡」の責任を追及する

西谷文和(紙の爆弾2026年1月号掲載)

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◆「(株)リ・コネクト」マンションを訪ねる

「昨日、西谷さんが(兵庫県内にある私の秘書の)オートロックのマンションに侵入して動画を撮っていました。防犯カメラの動画を警察に通報しています。これ、犯罪行為です。建造物侵入で逮捕されますよ」

2025年11月4日の記者会見で、日本維新の会・藤田文武共同代表が、突然私を名指しして「犯罪者」と決めつけた。

そもそもこの会見は藤田の公設第一秘書が経営する会社に、自身のビラデザイン料や印刷費を発注していたこと、つまり「公金をキックバックさせて、身を肥やしていたのでは?」という疑惑に関する釈明会見だった。

まさかここで逆ギレするとは思わなかったし、私の名前を公の場でさらすことによって正当な取材活動を妨害するような〝犬笛〞を吹くとは思わなかった(犬笛とは、犬にしか聞こえない周波数で鳴る笛のこと。特定の人々を先導する発言を指す)。

勝手に「犯罪者」にされ、名誉を傷つけられた身としては当然反論せねばならない。ちなみに私は逮捕されるどころか、兵庫県警の取り調べも受けていない。代わりに兵庫県警に捕まったのはN党の立花孝志だ(笑)。

本稿ではこの事件の背景と経過について述べてみたい。

しんぶん赤旗日曜版11月2日号のスクープによると、問題の会社は兵庫県西宮市の「株式会社リ・コネクト」。藤田の第一公設秘書が経営していて、チラシ印刷など約2000万円の仕事を受注している。さらに2000万円の内訳を調べると、その約94%が政党助成金や旧文書交通費からの公金だった。

公設第―秘書は年間600?800万円の給与が支給されている国家公務員で、原則として兼業禁止。例外的に兼業届を出せば認められるのだが、この兼業届によれば秘書は(株)リ・コネクトから年間720万円の報酬を受けていた。

つまり公金を自分の秘書が経営する会社に発注し、秘書はそこから報酬を得ていた。つまり税金(秘書給与)と公金(チラシ代金)の二重取りということになる。

(株)リ・コネクトはどんな会社なのか? 7年半にわたって藤田と秘書はどのような契約を交わし、どのような印刷物を作っていたのだろうか?赤旗のスクープが間違っているのだとすれば反論も聞いてみたい。だからスクープが出た翌日の11月3日に(株)リ・コネクトを訪問した。

(株)リ・コネクトが入居するマンションは西宮市の閑静な住宅街にあって、マンション玄関の集合ポストの504号室に社名が貼り付けてある。ペラ1枚の紙がポストに貼ってあるだけ。外形上は「ペーパーカンパニー」「幽霊会社」のようだ。疑念が膨らむ。

会社訪問しようと思い、自動ドアの前に立つとドアが開いた。つまり11月3日午前11時頃の時点で、このマンションはオートロックではなかった。もしオートロックなら私は中に入れなかった。

(株)リ・コネクトが入居するマンション入り口。集合ポストの横のドアはオートロックではなかった。

5階まで上がり部屋の前まで行き会社の呼び鈴を2度押す。返答がないので1階玄関に戻り、テンキーで部屋番号を押す。やはり反応なし。祝日なので社員さんは出勤していないのかな?と思い、大阪にある私の事務所まで引き返した。

この日の夜、インターネットテレビの「アークタイムズ」に出演し、「公金2000万円を受注している(株)リ・コネクトは駅前商店街のようなところではなく、通常のマンションの1室にあって、お留守のようだった」と報告する。

そしてその翌日、藤田は記者会見という注目される公の場で、私の名前を何度か連呼した上で、不法侵入者と決めつけたわけだ。

◆逃げる藤田文武

これを見過ごすと、政治とカネの疑惑を追及する記者が萎縮する。藤田は取材に訪れた赤旗記者の名刺をさらして恫喝めいた行動にも出ている。会見では赤旗に対し「(秘書の)自宅まで行ってピンポン、ピンポン鳴らして」と赤旗を責めていたが、ピンポン鳴らしたのは私(笑)なのだ。

まずは質問状を送ることにした。主な質問は3点。1つ目はもちろん、当該マンションの「オートロック」。私が「不正に開錠して建物内に入った」と断言した根拠を示してもらいたい、と質問。

2点目は、自動ドアから入り、会社事務所のある504号室を訪問したことを、「建造物侵入で犯罪行為である」と繰り返し発言したこと。確かに504号室の前で2回、1階玄関で2回呼び鈴を鳴らした、しかしこれは普通の会社訪問である。どこが「犯罪行為」なのか指摘してほしい、という質問。

最後に「防犯カメラに映っている。警察に通報した」「逮捕されますよ」などの発言は威嚇であって、正当な取材行為への恫喝であるから、発言を撤回し謝罪するつもりはあるか、という質問。

この質問状を大阪府寝屋川市の藤田文武大阪事務所に、11月6日に書留で郵送し、回答期限を11月14日にした。1週間の回答時間を与えて、わざわざ返信用封筒に切手を貼って同封することも忘れなかった。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n2c5522d6af9a

令和の全日本キックボクシング協会、初陣から2年目の成果!

堀田春樹

地道に進む令和の全日本キックボクシング協会、日本と韓国勢の成長。
瀬川琉、苦戦はあるが協会代表格の存在感は健在。
デビュー戦から期待の広翔と野竹勇生と生太郎の兄弟も試練と戦闘中。
オーシャン・ウジハラも功労者ながら今回で引退。

◎SAMURAI WARRIORS vol.4
2025年12月28日(日)後楽園ホール17:30~21:35
主催:全日本キックボクシング協会 / 認定:WPMTA JAPAN

戦績はパンフレットと過去データを参照にこの日の結果を加えています。
前日計量は27日14時より稲城ジムで行なわれた様子です。

◆第12試合 60.0kg契約3回戦

全日本フェザー級チャンピオン.瀬川琉(稲城/ 59.5kg)24戦16勝(4KO)7敗1分
         vs
權賢佑(=クォン・ヒョンウ/韓国/ 59.2kg)12戦10勝2敗
勝者:權賢佑 / 判定0-3
主審:椎名利一
副審:竜矢27-30. 少白竜27-30. 勝本28-30

初回は蹴りの距離感を掴む主導権争い。すぐバッティングが起こるが、ダメージは權賢佑側にあった。それでもパンチから蹴りで前進する圧力があった權賢佑。瀬川琉はロープ際に詰められ、パンチで攻められる苦戦の始まり。組み合っても權賢佑のヒザ蹴りが瀬川を襲い、瀬川は左ミドルキックで脱するが、權賢佑の前進は止まらなかった。

第2ラウンドも權賢佑が前進。組み合えばヒザ蹴りで瀬川を追い詰める。權賢佑は何でも出来るテクニックを見せ、瀬川も対抗して返すも圧される流れは変わらない。

權賢佑との戦い難さに苦戦も打って出る瀬川琉

第3ラウンド、前進する權賢佑にローキックで懸命に崩しに掛かる瀬川は終了間際にはパンチでラッシュする見せ場を作るもダメージを与えるに至らず終了。權賢佑が判定勝利した。

瀬川琉は試合後、「第1ラウンドからパンチ貰って効かされて焦って、それで何も通用しなくて第2ラウンドまで進んでしまった感じで、ちょっと休んでやり直し復活します。」と語ったが、表情は明るく来年に向けて気合いは入っている陽気さだった。

權賢佑のミドルキックが瀬川琉にヒット

◆第11試合 ライト級3回戦

オーシャン・ウジハラ(=氏原文男/無所属/ 60.9kg)29戦13勝(8KO)16敗
         vs
鄭相鉉(=チョン・サンヒョン정상현/韓国/ 60.9kg)17戦14勝3敗
勝者:鄭相鉉 / 判定0-2
主審:和田良覚
副審:竜矢28-29 勝本28-29. 椎名28-28

初回、距離の取り方を探り合いの中、鄭相鉉の右ハイキックでオーシャン・ウジハラはノックダウンを喫した。ダメージは小さそうで、その鄭相鉉の蹴り足を取って崩そうとしたウジハラだったがノックダウンは免れず。更に鄭相鉉のアグレッシブなパンチ連打中心の攻めは続いてウジハラを弱らせる。

第2ラウンドも鄭相鉉がパンチから蹴りで攻めるも、ウジハラも打ち合いや蹴り返しの攻防から更に首相撲に持ち込むと、ヒザ蹴りを加えた攻勢に転じ始めた。

鄭相鉉のハイキックがオーシャン・ウジハラにヒット、これがノックダウンとなった

第3ラウンドもウジハラが首相撲に持ち込む展開で、リズムを狂わされた鄭相鉉も対抗しつつ、ウジハラのパンチとローキックでが効果的に出始めたが逆転の時間は少なく、鄭相鉉が判定勝利で逃げ切った。

試合後、引退を宣言したオーシャン・ウジハラ。デビューから19年の戦いを振り返り、ここまで戦って来た感謝を述べていた。

勝者ではない。オーシャン・ウジハラの引退宣言に代表が敬意を示した

◆第10試合 ライト級3回戦

全日本ライト級8位.山田旬(アウルスポーツ/ 61.35→61.15kg)6戦4勝1敗1分
         vs
ジョカミ・ナカジマ(中島道場/ 61.2kg)2戦1勝1敗
勝者:ジョカミ・ナカジマ / 判定0-2
主審:少白竜
副審:和田29-29. 竜矢28-29. 椎名28-29

10月5日に勇生(=野竹勇生)欠場による代打出場となったデビュー戦で、金炳秀(=キム・ビョンス)に判定負けしているジョカミ・ナカジマ。ドミニカでの全国大会優勝の実績ある選手だが、その実力が発揮された展開となった。

ジョカミ・ナカジマのテコンドー技が主導権支配して初白星を飾った

正攻法な山田旬と変則的なテコンドースタイルで攻めるジョカミ・ナカジマ。横蹴りや踵落とし的ハイキックで山田旬のリズムを狂わせて蹴り中心に攻めて出たジョカミ。山田より先手を打つ積極性と柔軟性で徐々にリズムを掴んだ。テコンドーらしい突発的前進も上手く使ったジョカミが判定勝利した。

意外だったか、勝って歓喜の雄叫びジョカミ・ナカジマ

◆第9試合 ライト級3回戦

野竹生太郎(ウルブズスクワッド/61.1kg) 5戦4勝(1KO)1敗
         vs
柳權(=リュウ・グオン/韓国/ 60.6kg)4戦3勝1敗
勝者:柳權 / 判定0-3
主審:勝本剛司
副審:和田28-30. 少白竜28-30. 竜矢28-30

開始からローキックで距離を計る様子見は互角ながら、柳權が蹴りからパンチへ積極性が優る。野竹生太郎は右ロー、カーフキックで攻めるが、柳權は下がらない。パンチ打ち合いでは先に野竹がヒットするも柳權がアグレッシブに巻き返して野竹をコーナーに追い詰める勢いを印象付けた。

第2ラウンド終了後はコーナーで俯きやや苦しい表情を見せた野竹。互いに蹴りとパンチの積極性があっても前進する勢いは柳權にあり。野竹にとってはどう攻めても怯まない柳權に手を焼く展開。残り時間僅かでも勢い優ったのは柳權だった。

柳權のアグレッシブな蹴りにリズムを狂わされた野竹生太郎、初黒星を喫した

◆第8試合 スーパーバンタム級3回戦

全日本スーパーバンタム級10位.広翔(稲城/ 55.1kg)7戦5勝(1KO)2敗
         vs
前田翔太(ウィラサクレックムエタイ/ 55.3kg)11戦4勝7敗
勝者:広翔 / 判定2-0
主審:椎名利一
副審:和田29-29. 少白竜30-28. 勝本30-29

初回、ローキック中心に蹴りの牽制が続くが、どちらも主導権支配には至らない。第2ラウンド、距離は縮まり、パンチの攻防も増えるが、自分のリズムが掴めない広翔。前田翔太のパンチ連打に決定打は貰わないがロープに詰まる広翔。

第3ラウンドには広翔も蹴りで優る前進を見せ、パンチの圧力も加えて攻勢を維持。僅差だったが広翔が判定勝利した。

広翔は攻め切れなかった反省を残しつつ、3月の韓国での勝利を誓っていた。

広翔は前田翔太に圧されながらも勝機を見い出すミドルキックを繰り出す

◆第7試合 66.0kg契約3回戦

カツヤ・ノラシンファミリー(Norasing Family/ 65.9kg)6戦4勝(2KO)2敗
         vs
蘆立亮太(YS’K YAMAGATA/ 65.55kg) 3戦1勝2敗
勝者:カツヤ・ノラシンファミリー / 判定3-0
主審:竜矢
副審:椎名30-26. 少白竜30-26. 勝本30-25

初回から組み合う時間が多かったが、カツヤのヒザ蹴りがやや優り、第2ラウンドにはカツヤが連打から左ストレートでノックダウンを奪った。第3ラウンドも組み合う展開が増え、カツヤがヒザ蹴り中心にウェイトを掛け、蘆立亮太を苦しめた流れで大差判定勝利。

カツヤがノックダウンを奪う攻勢を維持して蘆立亮太を攻め続けた

◆第6試合 ヘビー級3回戦  計量省略

チャン(MONSTAR)16戦8勝8敗
       vs
ピクシー犬塚(府中ムエタイクラブ)2戦2敗
勝者:チャン / 判定2-0
主審:和田良覚
副審:椎名29-29. 竜矢30-28. 勝本29-28

両者のウェイト差は不明。おそらく100kg超同士ではあるだろう。パンチ中心の攻防は激しく続いたがクリーンヒットは無い様子で互角の攻防。チャンは幾度か後ろ蹴りを見せてインパクトを与える。試合終了直後は両者疲れ切った表情だった。

◆第5試合 59.0kg契約3回戦
中村健甚(稲城/ 58.8kg)6戦1勝3敗2分
       vs
近藤祐一(デボルターレ/ 58.75kg)4戦3勝1敗
勝者:近藤祐一 / 判定0-3
主審:少白竜
副審:椎名28-29. 和田28-30. 勝本28-30

蹴りからパンチの交錯はやや近藤祐一が優り、第3ラウンドには激しい打ち合いに移ると、近藤のヒットが優るも中村健甚も鼻血を激しく流しながら踏ん張って打ち返したが、近藤が圧し切り苦しい試合を判定勝利した。

◆第4試合 65.0kg契約3回戦

小玉倭夢(Norasing Family/ 64.85kg)4戦2勝(1KO)2敗
       vs
内田航太郎(TRIM/ 64.85kg)1戦1勝(1KO)
勝者:内田航太郎 / TKO 2ラウンド 2分59秒
主審:竜矢     

蹴りの攻防から始まるも徐々にパンチの交錯が強まり、内田航太郎の連打の中、第2ラウンド終了間際に右フックで近藤祐一がノックダウンを喫し、カウント中のレフェリーストップとなった。

◆第3試合 フライ級3回戦

横尾空(稲城/ 50.65kg)5戦3勝1敗1分
       vs
パク・スンミン(韓国/ 49.9kg)1戦1敗
勝者:横尾空 / 判定3-0
主審:勝本剛司
副審:少白竜30-24. 和田30-24. 椎名30-24

初回から蹴りとパンチのコンビネーションで優った横尾空が距離感を掴み、先手を打って多彩に攻め、第2ラウンドには勢い余った崩し倒す技でパク・スンミンがマットで頭を打ったか、そのままノックダウン扱い。更にパンチ連打でパク・スンミンがパンチを避けるように倒れると2度目のノックダウン扱いとなる横尾の圧倒の攻めが強まった。

第3ラウンドにも横尾のパンチヒザ蹴り、組みに行くと崩し倒し、横を向いてしまうパクスンミンはノックダウン扱いとなって、圧倒の展開で横尾空が大差判定勝利となった。横尾の圧力を凌げないパク・スンミンは飛び蹴りやバックハンドブローで突破口を開こうとしてもテクニックでは横尾が大きく優った。

◆第2試合 65.0kg契約3回戦

滝口遥輝(中島道場/ 64.2kg)5戦4敗1分
       vs
亀田蓮(亀田同志会/ 64.3kg)2戦1勝1敗
勝者:亀田蓮 / 判定0-3
主審:竜矢
副審:少白竜27-28. 和田27-28. 椎名27-29

初回から激しい攻防から亀田蓮のタイミング良い右ストレートで滝口遥輝がノックダウンも、滝口も攻め返し両者のアグレッシブな攻防が続き、第3ラウンドは滝口がパンチで巻き返したが、序盤のポイント守った亀田蓮が判定勝利。

◆第1試合 スーパーバンタム級3回戦

渡邉獅生(JTクラブ/ 55.2kg) 3戦2勝1敗
         vs
申大容(=シン・デヨン신대용/韓国/ 55.0kg)3戦3敗
勝者:渡邉獅生 / 判定3-0
主審:勝本剛司
副審:少白竜30-28. 和田30-28. 竜矢29-27

《取材戦記》

セレモニーでは極真会館増田道場の増田章代表が、全日本キックボクシング協会外部顧問相談役として参加することが発表されました。今後のアドバイザーとして活躍は如何なるものか。

極真会館増田道場・増田章代表が、協会外部顧問として参加が発表と御挨拶された

3月に韓国の釜山でHIROというイベントに野竹勇生と広翔が出場。純ムエタイ、キックボクシングとはルールは違い、旧K-1、RISEルールが多いという情報で。どういう結果を残すか解らないが、良い経験値にはなるだろう。

栗芝貴代表が語ったアジアトーナメントは2026年を基礎固めに2027年に開催へ運びたい様子です。

興行終了後の栗芝貴代表のコメントで今年の纏めは、
「今年は自分自身も中国や香港に行って、いろいろ交渉事やって来たんですけど、しっかり足下見て日本側の選手を鍛え上げて行かなきゃという気持ちが強くて、1年間を振り返ると皆、頑張ってくれたんじゃないかと思います。」

中国との交流については、
「中国の組織とは提携書は交わしたんですけど、なかなか難しい中国側の考えがあって、マッチメイクが直前まで決まらない。それだとマッチメイクが組み難い。ただ折角のお話が進んで来たので無駄にはしたくないですね。」

香港については、
「香港はムエタイ、キックボクシングがずっと続いている歴史があるので、アマチュアムエタイ大会にも香港の選手は多くて選手は揃っていると思います。」

栗芝貴氏が日本代表となったWPMTAについては、
「組織としては結構年月経っており、現在のタイはONEがあってムエタイ自体の集客が難しいけど、彼らはもう一回本来のムエタイをしっかりやりたい思惑があります。アマチュアムエタイでしっかりとムエタイを世界に普及しながらプロ試合もやって行くという本来のムエタイに戻ることを目指しています。」と語る。

ルンピニーアカデミーといった文言も出て来ましたが、日本で開催して欲しいという要請もあるという。それらは2026年にどこまで進められるかが課題となりそうです。

まだ弱小の存在ではあるが、目標が明確な全日本キックボクシング協会。

今年最初の興行は3月21日(土)で、6月7日(日)、10月11日(日)、12月27日(日)と4回の後楽園ホールでの開催が予定されています。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

「月夜釜合戦」に続く、釜ヶ崎の新たな映画「Ich war, ich bin, ich werde sein!」

尾﨑美代子

昨年12月27日、九条のシネ・ヌーヴォで2本の映画を観てきた。1本目は釜ヶ崎を題材にした佐藤零郎監督の「月夜釜合戦」、これはもう6回目位見た。止めとこうかと思ったが、2本目の「Ich war, ich bin, ich werde sein!」に繋げるにはやはり久々に観ておきたいなと。

昨日改めて気づかされた点もあり、見て置いて良かったと思った。上映後レオ監督とプロデューサー梶井君のトークショー。会場は満席、補助席もでた。驚いたのは初めて見た人が結構いたこと。16ミリフィルムでの上映なので上映には映写機が必要なのだが、もっと広めて欲しい映画。

「月釜」の上映後は花束贈呈あり、フォトセッションあり、かつ2人が客と一緒に映る撮影ありでした。

休憩を挟み、2本目の「Ich war, ich bin, ich werde sein!(I Was, I Am, and I Will Be! イッヒ・ヴァール、イッヒ・ビン、イッヒ・ヴェルデ・ザイン)」の上映。この作品は、「月釜」で助監督だった板倉義之君が監督、編集した。2019年センターが閉鎖され、それまでも釜ヶ崎のあちこちで撮り続けていた板倉君とレオが、もう釜ヶ崎の人たちを撮れなくなるのでは、撮り始めたフィルムをこの作品にまとめた。釜ヶ崎を歩き、「あっあの人、気になる」と目星をつけた方にインタビューを申しこむ。レオがインタビューし、板倉君がカメラをまわす。

入場者全員にプレゼントされたポスターカードも素敵。友達がいないとハトと仲良くなったハトおじさんに群がってくるハトたち。
2番目の作品後のトークショーでは、冒頭、ビールが配られ(絶対こぼさず飲める人に?)「乾杯」が。

2人が映画のチラシを持ってきたときだ。私は普通に「へえ、山形の映画祭に応募したのね」と2人に聞いた。おとなしめの板倉君はそうでもないが、レオは「全く、ママはわかってないな」という顔をして、「あのですね。この映画祭には世界中のドキュメンタリー映画が1500もあつまるんです。その中から15の映画が選ばれ、上映されるんです」と説明した。「あらま、それは凄い」、私がそう言って驚くと、レオはまだまだあるんですとばかり、「本当は僕たちはこの映画をひとつ下のランクで応募したんです。

しかし、それを見た実行委の方々が『これはその上のランクでいくべきだ」といわゆる格上げされたというのだ。松竹梅とランクがあって、竹でいこうかなと応募したが、審査員たちが「これは松ランクでいくべきだ」と言ってくれたということか。

それもまたすごいではないか。

尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315304/

公文書偽造・公益通報つぶし事件で「延長戦」に! 広島県知事選挙奮闘記〈2〉

さとうしゅういち

佐藤周一は、2025年広島県知事選挙に副知事候補として挑戦しました。選挙戦では、呉支所における公文書偽造事件の解明と、公益通報つぶしを許さない仕組みづくりを訴えました。選挙は終わりましたが、呉支所の問題は終わりません。これは「選挙の延長戦」として、今後も取り組むべき課題です。

事件の舞台となった呉市では、「大山・佐藤連合」が5,412票(得票率7.2%)を獲得し、全県市区町別で最多・最高の得票数と率を記録しました。市民の期待に応える責任を強く感じています。

◆再調査結果とその問題点

知事選挙後、広島県は再調査結果を公表しました。しかし、そのタイミングと内容は極めて不誠実でした。再調査報告書では、「公益通報した職員のみ違法」と認定され、県側の不正は認められませんでした。

再調査を担当した弁護士は、黒い雨裁判でも功績のある人権派であり、日本共産党など野党とも近い関係にある人物です。自民・立憲・国民・公明推薦の湯崎前知事・横田現知事と、県政野党の共産系弁護士が連合して公益通報者つぶしをしているようにも見えます。与党も野党もダークサイドに…広島の闇は深いのです。

◆公文書偽造事件の概要

この事件は、広島県呉市の西部建設局呉支所において、災害復旧工事に関する国への補助金申請用の公文書が偽造されたことに端を発しています。2021年11月30日に職員がこの偽造を公益通報しましたが、県の初期調査は事実の確認が不十分で、虚偽の文書作成が見過ごされていました。

その後の調査で、実際には協議が行われていないにもかかわらず、架空の協議内容を記載した文書が作成されていたことが明らかになりました。県は2025年5月に計23件の偽造文書の存在を認め、組織的な不正の可能性を指摘し、原因究明のための調査チームを設置しています。

この事件は、県職員による虚偽文書作成が公益通報によって明るみに出たものの、県の対応が不十分であったこと、そして公益通報者への圧力や調査の不透明さが問題視されています。

◆情報公開請求と「存否応答拒否通知」

佐藤周一は2025年11月26日、以下の文書の開示を求めました:
調査記録
処理経過
再調査依頼文書
調査員人選記録

しかし、横田美香知事に交代した後の広島県は、12月11日付で「行政文書が存在するか否かを答えるだけでも保護されるべき利益を損なう」として、文書の存在すら答えない「存否応答拒否通知」を発出しました。これは県民の知る権利と行政の説明責任を根底から否定する異常な対応です。

これまで「黒塗り県政」と批判されてきましたが、今回は「ブラックホール県政」と呼ぶべき事態です。

◆制度的対応と百条委員会の必要性

制度上、処分を行った広島県知事本人に対する不服審査請求(3か月以内)や裁判提起(6か月以内)は可能です。しかし、日本の司法制度は行政に極めて有利な構造が続いており、県民が自治を守るには、地方自治法に基づく議会の強制調査権――百条委員会の設置こそが最も現実的で効果的な手段です。

広島県民が自浄能力を発揮し、通報者を守り、行政の倫理を取り戻すために、佐藤周一は広島県議会に対し、百条委員会の設置を求めています。

どうか、この署名にご協力ください。あなたの一筆が、広島を守る力になります。

れいわ新選組呉チームの皆様とともに呉駅前でこの問題についての街宣を行う筆者

◆広島県・公文書偽造/公益通報対応問題 年表

■ 2021年
11月30日:広島県西部建設局呉支所にて、職員が文書偽造を公益通報。県人事課が通報を受理。
■ 2022年
~2022年末:まともな調査や処理が進まず、事案は1年以上放置。
■ 2023年
4月:県による最初の調査が「事実上の握りつぶし」と受け止められる形で終了。
■ 2025年
夏:マスコミ報道により問題が再注目。知事が県内弁護士に再調査を依頼。
11月21日:再調査報告書で「公益通報した職員のみ違法」と認定。
■ 2025年11月
11月26日:佐藤周一が調査記録等の開示請求を提出。
■ 2025年12月
12月11日(通知日)/12月15日(到着):広島県が「存否応答拒否通知書」を送付。

職員や県民の皆様の情報提供をお待ちしております。秘密厳守で対応いたします。また、これからの運動の進め方についてもぜひお知恵をお貸しください。連絡先は以下の通りです。

電話番号:090-3171-4437 Twitter:X:@hiroseto
メール:hiroseto2004@yahoo.co.jp

広島県議会に百条委員会設置を求める署名リンクはこちらです。

QRコードはこちらです。⇒⇒⇒

署名の一次集約は2月8日(日)といたします。二月の県議会で審議していただくことを想定しています。

◎広島県知事選挙奮闘記〈1〉 〈2〉

さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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《表紙》『原子力明るい未来のエネルギー』 紆余曲折を経て 今は文字盤だけが倉庫に眠る(絵=鈴木邦弘)

欧州左翼〝復活〞の時代に 日本の左派が見失った「果たすべき役割」

広岡裕児(紙の爆弾2026年1月号掲載)

月刊「紙の爆弾」1月号から一部記事を公開。独自視点のレポートや人気連載の詰まった「紙の爆弾」は全国書店で発売中です(毎月7日発売。定価700円)。書店でもぜひチェックしてください。最新号の記事タイトル一覧はホームページをご覧ください。

◆欧州における左翼の健闘

2025年7月の参議院選挙で参政党が14議席、日本保守党も2議席を獲得。自民党で高市早苗総裁が誕生し、首相になった。対して、共産党は4議席減らして3議席に、社民党はかろうじて1議席の確保に終わった。アメリカではトランプが我が世の春である。

こういう情勢だからか、欧州についても極右の台頭ばかりが報道される。

しかし、英国では、ロシアの策謀と推測されるものもあって極右が躍進したが、2024年7月の総選挙で政権を獲ったのは労働党だ。トランプのお友達のブレア元首相以来、左翼とはいえないかもしれないが、右派でないことは間違いない。

半年後のドイツ連邦議会選挙では、極右のドイツのための選択肢(AfD)が152議席を獲って第2党になったが、一方で、左翼党(Die Linke)は、前回2021年の39議席から64議席に躍進した。議員定数は前回735だったのが今回は630であるから、議席の占める割合でいえば、5%から10%に倍増したことになる。

ドイツは小選挙区と比例区の併用で、左翼党の比例区得票率は8.77%である。日本であれば参院選の日本維新の会(7.39%)を上回り、公明党(8.8%)と並ぶ。

左翼党は、ロシア・プーチン政権の侵略に対して明確にウクライナを支持したが、それに賛同できずさらにワクチンや移民政策でも意見が相違した10名の議員が分派している。今回、その分派は、比例区で4.97%を獲得した。5%の最低ラインに達しなかったので議席はないが、これと合わせると、得票率は13.74%である。

日本ならば2024年衆院選での国民民主党を上回る第3位、2025年参院選では国民民主党・参政党・立憲民主党を上回る第2位だ。

フランスにおいては、2024年の国民議会総選挙でメランション党首の左翼政党(注1)フランス不服従(LFI)は577議席中74議席、共産党は8議席を獲得。このほか、右派がマクロン大統領誕生のとき与党に鞍替えした社会党は59議席を獲っている。

欧州議会(705議席)でも同年の選挙で、極右と欧州懐疑派は2020年よりも54議席多い191議席を獲得したが、社会主義・ユーロコミュニズムの欧州統一左派・北方緑左派同盟(GUE・NGL)は、6議席伸ばして46議席を獲っている。このほか無所属の中にも共産党や新左翼がいる。

◆「右」と「左」の争いではない

極右の躍進と左翼の健闘の原因は同じである。格差の拡大。いまや世の中は「右」と「左」ではなく、「上」と「下」の争いの時代なのである。

キーワードは「ソシアル」だ。

日本とフランスで、「リベラル」という言葉はまったく反対の意味を持っている。日本では左派的なニュアンスで使われるが、フランスでは「新自由主義者」のことで右派ど真ん中。サッチャー、レーガン、トランプやテクノ・リバタリアンのような連中のことで、格差の元凶で庶民の敵である。これに対抗するのが「ソシアル」である。

フランスでは、極右のルペンは東西冷戦時代のジャン=マリーのときはフランスで言う「リベラル」の先峰だったが、娘のマリーヌの代になって「ソシアル」を前面に出している。極右の躍進の理由はけっして移民問題だけではない。もっと大きいのは、極右の「ソシアル」化である。

欧州ではもともと、左翼、とくに共産党が労働者の党として「下」の受け皿になっていた。ところが、ソビエト連邦・共産圏の崩壊に加えて、移民や治安問題などについて有効な回答がみいだせないまま右翼が代替となってしまった。だが、ソ連東欧の崩壊から30年余り、左翼が復活しつつあるといえる。

ところが、日本ではまったくそうなっていない。

考えてみれば、日本の右翼にはもともと「ソシアル」のイメージがある。戦前のバリバリの右翼・革新派は、東北の貧農を憂い、大資本家を撃った。対して左翼は、弾圧が厳しかったこともあるが、コミンテルンの日本支部が象徴するように土着できないエリートでしかなかった。

歴史修正主義者によって戦前見直しの空気が醸成されたところに、〝外人〞を不満の捌け口とし、おかしな優越感をくすぐる排外主義日本主義がハマった。

さらに、極めて強いアメリカの影響下にある。

よく「欧米」というが、欧(とくに大陸)と米では全く違う。「資本主義」からして、欧州の資本主義は「ライン資本主義」といわれてアメリカ(および英国)のものとは区別される。ドイツで政権を握っている保守のキリスト教民主同盟(CDU)の創設者アデナウアーは「社会的市場経済」を唱えた。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/na5440c83507a

『紙の爆弾』2月号に寄せて

中川志大 『紙の爆弾』編集長

あけましておめでとうございます。

今月号では昨年12月号に続き、元外交官の東郷和彦氏が、高市早苗首相の「台湾有事発言」と、12月に発表されたアメリカの新国家安全保障戦略をもとに、変動する米中日関係を解説しました。まず、「台湾有事発言」より前に、中国側が高市首相に対し“念押し”をしていた事実に注目。この発言に前段があったことがわかります。一方、アメリカは新戦略文書でバイデン政権時代の「価値観外交」からの転換を表明すると同時に、安全保障の中心を“西半球”に据えると明言しました。詳細は本誌記事をご参照いただくとして、日本にとって問題は、高市氏の外交が今の世界をどう捉えているのかが不明であることです。本誌記事がわかりやすく、事態を読み解きます。

1991年のバブル崩壊を起点とすれば、2026年は「失われた35年」を数えます。経済学者の中尾茂夫氏が前号で指摘したよう、1968年から約40年間、GDP世界2位を保った日本は、2010年に中国に抜かれ3位に、2023年にはドイツに抜かれ世界4位に転落。IMFの予測では、2025年にインド、2030年にイギリスにも抜かれて6位への後退が見込まれています。かつての「中流」が「下流」に押し流される形で、貧困というより格差が拡大。日本全体の国民総生産も転落を辿っていることは、この国の進むべき方向が誤っていることの証左といえます。そのような中で、「日米同盟が日本外交の基軸」「原発は必要で排除すべきは二酸化炭素」「日本人は戦争被害者」「健康は病院と薬がつくる」といった多種多様な“神話”がはびこり、論理的・科学的・歴史的・経験的な事実をやすやすと駆逐し続けてきたのが日本の近現代史です。真実に立ち返り、これら神話をひとつひとつ打破していくことは、本誌の役割といえます。

第2次安倍政権の大スキャンダル「森友事件」の現場である大阪府豊中市の旧森友学園用地は、すでに学園から返却され、国交省=国の所有地となっていますが、国交省はなぜか3度目の調査を行ない、昨年10月3日に「5000トンの埋設ごみが見つかり、撤去費は6億3000万円」と発表。マスメディアがこれを「約2万トンとされた従来の推計量の4分の1に減った」と報道しました。しかし、事件の経緯を追えば、森友学園への「8億円値引き」の根拠とされた埋設ごみが「存在しない」のはすでに明らかであり、ならば今回の「5000トン」は、地中から湧き出るように現れたことになります。これを放置すれば、次の売却においても「不当値引き」が行なわれかねません。森友事件の核心である「埋設ごみ」はどのように偽装されてきたのか。「数字」を追いつつ、真実に迫ります。

ほか2月号では、山上徹也裁判で飛び出した安倍晋三元首相の「潰瘍性大腸炎」詐病証言の真相、アメリカの巨大メディア再編がもたらす日本への影響、「親の虐待」にばかり注目が集まる裏で根深い児童相談所の闇、「文化を守れ」では太刀打ちできない国際金融の表現規制など、2026年も本誌だけの情報と問題提起を発信していきます。

『紙の爆弾』は全国の書店で発売中です。ぜひご一読ください。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

『紙の爆弾』2026年2月号
A5判 130頁 定価700円(税込み)
2026年1月7日発売

高市政権と米国新国家安全保障戦略 米中日の新局面 東郷和彦
高市首相の大いなる勘違い 台湾有事は存立危機事態ではない 足立昌勝
デマゴーグが闊歩する風土(下)「ニチベイ」と脱亜 中尾茂夫
安倍晋三「詐病」証言から考える 山上徹也の理性と社会の狂気 野田正彰
「旧森友学園用地」で国交省「新埋設ごみ5000トン」発表 国有地から湧き出るごみは背任の証 青木泰
米メディア買収・再編 日本の報道・エンタメはアメリカ企業に乗っ取られる 片岡亮
最高裁が仕組んだ原発八百長裁判の全貌 偽装された社会の本質を見抜こう
“文化論”では闘えない 国際金融が変えた「表現規制」の地形図 昼間たかし
日本の“行政拘束”を考える 児童相談所「子どもの一時保護」の闇 たかさん
「再エネ」と「移民」世界を荒らす怪獣はどこから来たのか 広瀬隆
対米追従一辺倒に戦略はあるのか 多極化する世界に高市外交を問う 木村三浩
LGBT問題の現在「性別変更」をめぐる日本のいま 井上恵子
高市早苗が蘇らせた連合国「日本包囲網」藤原肇
米国マスコミが自主検閲で隠してきた2025年の重大ニュースTop12 佐藤雅彦

連載

例の現場
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け:西田健
「格差」を読む:中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座:東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER:Kダブシャイン
「絶望ニッポン」の近未来史:西本頑司
芸能界 深層解剖

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《緊急報告》深刻なベネズエラ

ロベルト・トラバホ・エルナンデス(AL PRESS代表)

地域を揺るがす予想外の展開として、今週土曜日未明、アメリカ合衆国はベネズエラで一連の空爆を実施し、最終的にニコラス・マドゥロ大統領と妻のシリア・フローレスを拘束した。米国のドナルド・トランプ大統領は、自国の特殊部隊が作戦を成功裏に遂行したと発表し、「安全な移行」を保証するまで、ワシントンが南米の同国を一時的に管理すると述べた。この行動は国際社会で大きな反響を呼び、介入支持と主権侵害としての非難に分かれている。

攻撃はカラカスの要所、すなわち軍事施設フエルテ・ティウナやラ・カルロタ空港、さらにイゲロテ周辺に集中した。目撃者によれば、現地時間午前1時50分ごろに爆発音があり、航空機の飛行と複数地域での停電が確認された。米国当局によると、作戦は米陸軍デルタフォースが主導し、米側に死傷者はなく、数時間で終了したという。マドゥロとフローレスは就寝中に自宅で拘束され、ヘリコプターで米海軍艦艇USSイオー・ジマに移送され、その後ニューヨークへ向かった。両名は麻薬テロ、コカイン輸入の共謀、武器所持などの罪で起訴される見通しで、これらの容疑は、マドゥロがベネズエラ政府と結びついたとされる麻薬密売ネットワーク「太陽のカルテル」の首領と指摘された2020年の告発にさかのぼる。

トランプはフォックス・ニュースやニューヨーク・タイムズなどのメディアに対し、この行動を「独裁者であり麻薬王でもある人物に対する見事な作戦」と表現した。米国はベネズエラを一時的に「管理」し、石油インフラの修復と、過去の収用により「史上最大の財産略奪」とみなしている原油産業への米企業の参画に重点を置くと述べた。介入の承認について議会と協議したかどうかは明言せず、マリア・コリナ・マチャドなど亡命中のベネズエラ野党との対話も否定した。

ベネズエラ国内では、政府が国家非常事態を宣言し、死傷者数や被害規模はなお確認中とされている。副大統領デルシー・ロドリゲスは国営テレビに出演し、トランプの主張を否定し、マドゥロ夫妻の「生存証明」を要求するとともに、今回の行動を「誘拐」であり「前例のない軍事的侵略」だと非難した。国民に対し、外国軍のいかなる存在にも抵抗し、主権防衛のために団結するよう呼びかけた。国防相のウラジーミル・パドリーノ・ロペスも攻撃を「侵攻」と断じ、抵抗を約束した。現時点でカラカスは比較的平静を保っており、軍の展開はあるものの、大規模な混乱の報告はない。

この緊張激化の背景には、積み重なった対立がある。2024年7月のマドゥロの再選をめぐり、野党や複数の国際社会が不正とみなしたこと以降、ベネズエラは抗議活動、弾圧、そしてハイパーインフレや物資不足、700万人を超える大量移住を伴う経済危機に直面してきた。米国は制裁を課し、マドゥロへの懸賞金を2020年の1,500万ドルから2025年には5,000万ドルへと引き上げた。これまでにも、ベネズエラ船舶への攻撃や、制裁対象の石油タンカーに対する封鎖が行われている。

国際的な反応は深刻な分断を示している。アルゼンチン、エクアドル、パナマ、ボリビアなどは、民主主義回復への一歩として介入を支持し、野党のエドムンド・ゴンサレス・ウルティアを正当な当選大統領として支持した。イスラエルとウクライナも「専制との闘い」を理由に支持を表明した。

一方で、コロンビア、ブラジル、メキシコ、キューバ、チリといった中南米諸国は、国際法および主権の侵害として強く非難し、コロンビアは国境に部隊を動員、ブラジルは「許容できない一線」と位置づけた。アジアと欧州では、中国、ロシア、イラン、フランスが「侵略」「覇権主義」と批判し、欧州連合と英国は自制と国際法尊重を求め、情勢を注視している。国連は月曜日に安全保障理事会の緊急会合を招集し、アントニオ・グテーレス事務総長は「危険な前例」を作ると警告した。

影響は不透明で、チャベス派政権の崩壊、野党主導の移行への道、あるいは地域紛争への拡大を招く可能性がある。専門家は、世界最大とされるベネズエラの膨大な石油埋蔵量への関心が重要な要因だと指摘する。一方、マチャドらベネズエラ野党は、今回の拘束を「法の執行」と受け止めつつ、自由な選挙を求めている。国際社会は、世界的な不安定さが増す中、深い懸念をもって成り行きを見守っている。

▼執筆者紹介: ロベルト・トラバホ・エルナンデス
AL PRESS代表(CEO)、世界ジャーナリスト会議(WJC)ラテンアメリカ・カリブ地域ディレクター。
出典: GRAVE VENEZUELA
https://www.actualidadglobalinternacional.com/post/grave-venezuela

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年1月4日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

《表紙》『原子力明るい未来のエネルギー』 紆余曲折を経て 今は文字盤だけが倉庫に眠る(絵=鈴木邦弘)

《1月のことば》夢に生きろ 愛に燃えろ

鹿砦社代表 松岡利康

《1月のことば》夢に生きろ 愛に燃えろ(鹿砦社カレンダー2026より。龍一郎揮毫)

新しい年2026年になりました。

まだ苦境に在り心の底から「あけましておめでとう」とは言えませんが、皆様方のご支持・ご支援により何とか年を越し2026年につなげることができたことを共に喜びたいと思います。

昨年は苦境のさなか、『紙の爆弾』創刊20周年、前年に創刊10周年を達成した『季節』と併せ、単に長く発行してきたことを祝うのではなく、低迷を脱しV字回復を目指して「反転攻勢の集い」を東京と関西にて開催することができ、多くの皆様方にご参集いただき、あたたかい叱咤激励も賜りました。また、ご参加できない方々からは支援金やご祝儀をお寄せいただきました。

しかしながら、意図に反し、なかなか業績が回復せず、歴史的ともいえる猛暑に耐え、年末危機も青色吐息で乗り越え年を越し今に至っています。

これまで私たちは幾多の困難を皆様方のご支援にて乗り越えてまいりました。『紙の爆弾』創刊直後には「名誉毀損」に名を借りて松岡逮捕→長期勾留→有罪判決で会社は壊滅的打撃を被ったこともありました。それでも復活することができました。これに比すれば、まだイケると信じています。

このかん多くの読者の皆様方に物心両面にわたり多大なご支援を賜り、なんとか生き長らえていますが、これもここらで打ち止めにし、まさに反転攻勢に打って出て恩返しをしなければなりません。このままでは終われない。

個人的には、私は今年齢75となり、いわゆる後期高齢者となります。本来なら後継者に道を禅譲すべき歳ですが、何としても現況を脱しない限り、これはできません。私を信じて手を差し伸べてくださった方々の想いを裏切るからです。

私のすぐ上の世代、あるいは私と同世代の方々の訃報が続いています。鹿砦社の裁判闘争を支えてくださった中道武美(くだんの「名誉毀損」事件の刑事案件担当)、内藤隆(同民事案件担当)両弁護士、つい最近では出版界の先輩、社会評論社・松田健二さんらです。みなさん方、名実共にそれ相当の業績を成し亡くなられましたが、私には後世に遺す業績といったものはありません。何としても、ここ数年で将来に遺す本を一冊でも二冊でも出したいと願っています。

ともあれ、新しい年2026年になりました。40年余り前に抱いた「夢に生き」、社是でもある、〈日々決戦、一日一生〉の精神で奮闘することを誓います!

《表紙》『原子力明るい未来のエネルギー』 紆余曲折を経て 今は文字盤だけが倉庫に眠る(絵=鈴木邦弘)

https://www.rokusaisha.com