堀田春樹
◎MAGNUM.64 / 7月19日(日)後楽園ホール17:15~20:54
主催:伊原プロモーション / 認定:新日本キックボクシング協会
協力:NJKF、ミネルヴァ実行委員会
◆第14試合 76.3kg契約3回戦
日本スーパーミドル級チャンピオン.マルコ(伊原/イタリア出身37歳/ 75.65kg)
17戦10勝(3KO)4敗3分
VS
幸輝(インター/1992.6.14鹿児島県出身/ 75.95kg)23戦15勝(8KO)8敗
勝者:幸輝 / 判定0-2
主審:スイット・サエリム・ランボー
副審:宮沢29-29. 児島28-29. 中山28-29
パンチの交錯は互角。マルコは組んでのヒザ蹴りが効果的も圧倒に至らない。幸輝はハイキックからボディブローが効果的。ラストラウンドは幸輝の勢いを増したパンチ連打がマルコを下がらせた。マルコも打ち返しローキックで蹴り返すが勢いは幸輝が優ったまま終了。
初代九州プロキックボクシング・スーパーウエルター級覇者の幸輝が僅差ながら判定勝利を飾った。
マルコは「ボディーは鍛えているから強いけど、幸輝のボディブローはちょっと効いた。でも倒されることはないと自信あった!」と応えられました。

◆第13試合 ライト級3回戦
ジョニー・オリベイラ(トーエル/ブラジル出身48歳/ 61.15kg)
68戦16勝(1KO)33敗19分
VS
NJKFライト級2位.岩橋伸太郎(エス/1987.6.4神奈川県出身/ 60.9kg)28戦10勝15敗3分
勝者:岩橋伸太郎 / 判定0-3
主審:ノッパデーソン・チューワタナ
副審:宮沢29-30. 児島29-30. 中山29-30
昨年7月27日に引分けている両者の再戦は、手の内を知る中で様子見は少なく、蹴り中心の攻防は岩橋伸太郎が勢いを増して行き、ジョニー・オリベイラの蹴り返しを受けながらも主導権を奪った展開は変わらず。ジョニー・オリベイラはしぶとい蹴りを見せながらも流れを変えることは出来ず、僅差ながら岩橋伸太郎が判定勝利。

◆第12試合 第10代日本フライ級王座決定戦 5回戦
西田蓮斗(伊原/2009.12.6埼玉県出身/タイ国南部3タイトル保持者/ 50.7kg)
8戦8勝(3KO)
VS
NJKFフライ級8位.手塚瑠唯(VERTEX/栃木県出身19歳/ 50.65kg)10戦7勝(3KO)3敗
勝者:西田蓮斗 / 判定2-0
主審:スイット・サエリム・ランボー
副審:宮沢49-47. 児島49-47. 中山48-48
距離の探り合いのパンチの交錯は手塚瑠偉がやや圧し、ローキックで西田蓮人のバランスを崩す流れもあって、ヒットのタイミング掴んだ手塚の表情はやや余裕か。

第3ラウンドには西田もタイミング掴んでバランス崩される見映えの悪さも無くなり、第4ラウンドは西田がローキックやミドルキックとヒザ蹴りもタイミング良く、最も苦しいこのラウンドを支配する流れに変わった。インターバル中の手塚は余裕の無い表情。

ラストラウンドも手塚も勝ちに行く蹴りを見せるが、焦りとスタミナ切れの様相。西田は後半に移って調子を上げ、5回戦慣れしている印象で主導権を奪って終了。
僅差ながら判定勝利で王座獲得となった。2019年春に分裂が起きた際に、石川直樹が王座返上して以来のチャンピオン在位となった。
西田蓮人は「2ラウンド終了時点でポイントはあちらに行っててちょっと焦りましたけど、3~4ラウンドでヒジ打ち合わせるように立て直して行きました」と語った。
父親の西田義和氏は「もっと早く倒せるかと思いましたけど、手塚選手も凄く頑張ってくれて凄く良い試合になって良かったですね。蓮人も正直危なかったですね。蓮人もスタミナあるし判定になれば絶対勝つと思いましたけど、結構いいタイミングで打たれていたので打ち合わずにタイミング合わせてヒジ打ちや蹴りに行けと指示しました。タイで5ラウンドの試合はやっているのでその経験値はあったと思います。また再戦やってもいいと思います。強い選手はいっぱい居るので、これからがチャンピオンとしてのスタートです」と語った。

◆第11試合 女子46.0kg契約3回戦(2分制)
ミネルヴァ・ピン級選手権者.杉田風夏(谷山ジム・小田原/1996.8.15神奈川県出身/ 45.8kg)
9戦6勝(1KO)2敗1分
VS
ミッシェル・ソー・デェーダムロン(タイ/19歳/ 46.15kgコスチューム250g→45.9kg)
21戦12勝7敗2分
勝者:杉田風夏 / 判定3-0
主審:ノッパデーソン・チューワタナ
副審:宮沢30-28. 児島30-28. ランボー30-29
杉田風夏が蹴りのパワー、的確差で優っていく。第2ラウンドにはパンチや首相撲の展開でも打ち優り、連打で追い詰める場面も見られた。ミッシェルは劣勢ながらも突破口を開こうとする気の強さが感じられたが、終始、杉田が攻勢を維持して判定勝利。

◆第10試合 女子ミネルヴァ・ペーパー級(95LBS)タイトルマッチ3回戦
チャンピオンV2戦.Uver∞miyU(=高橋美結/T-KIX/1999.12.7静岡県出身/ 42.8kg)
23戦8勝12敗3分
VS
同級3位.松本徐倫(ボス/1990.9.12広島県出身/ 42.9kg)17戦9勝(2KO)7敗1分
引分け 0-1
主審:中山宏美
副審:宮沢29-29. ノッパデーソン29-29. ランボー28-30
松本徐倫は前日計量で秤に乗るのもフラフラ状態で、腕を支えられながら何とか秤に乗った際は必死の笑顔でガッツポーズを見せたが、そんな姿に勝機は遠いと感じつつも、試合までには上手く調整した模様。
ウーバーミユは蹴りで探りを入れるが、松本徐倫はパンチを合わせて出てヒットを見せた。主導権は松本徐倫が握った流れも第2ラウンドにはウーバーミユも蹴りから首相撲に持ち込む展開で巻き返しに出た。松本も距離感狂って出難くなったか。それでもパンチを打ちに出て、首相撲の展開になってもヒザで対抗する積極さがあった松本。ウーバーミユはポイントになり難い中でも自分のリズム取り戻す積極性を見せ何とか引分けに持ち込む、苦戦の中でも勝ちに行く姿勢が見られた攻防だった。ウーバーミユは2度目の防衛。

◆第9試合 女子ミネルヴァ・スーパーフライ級 3回戦(2分制)
ミネルヴァ・スーパーフライ級1位.Yuka☆(SHINE沖縄/1984.7.3沖縄県出身/ 51.8kg)
21戦8勝8敗4分1NC
VS
同級3位.紗耶香(=武内紗耶香/BLOOM上板橋/ 51.8kg)22戦9勝(1KO)12敗1分
勝者:Yuka☆ / 判定3-0
主審:中山宏美
副審:宮沢30-28. ノッパデーソン30-28. ランボー30-28
蹴りからパンチと首相撲に移る展開はYukaがやや攻勢も、紗耶香の首相撲からのヒザ蹴りも互角ながらやや盛り返したが、蹴りのヒットが目立ったYukaが僅差ながら判定勝利。ジャッジ三者が揃った初回以外は見極め難い攻防が続いていた。
◆第8試合 68.0kg契約3回戦
風成(エス/29歳/ 67.9kg)8戦5勝1敗1分1NC
VS
田中稜(トーエル/22歳/ 67.4kg)3戦1勝2敗
勝者:風成 / 判定3-0
主審:児島真人
副審:宮沢30-29. ノッパデーソン30-29. 中山30-29
初回はローキックの牽制から田中稜が足払いで風成を転ばすが、攻防は互角の展開で終る。第2ラウンドには風成の股間ローブローで田中稜にインターバルが与えられたが、ローキックからパンチの交錯に移ると、風成が攻勢を掛けポイントに繋げた。ラストラウンドは田中も打ち合いに出て互角の展開を見せたが、風成はこの試合二度飛び膝蹴りも見せ、インパクトを残して僅差ながら判定勝利。
◆第7試合 フライ級3回戦
吏佐(=つかさ/タイ・ソンクラー県軽量級タイトル保持者/伊原/群馬県出身15歳/ 50.75kg)
5戦4勝(1KO)1敗
VS
高橋大輝(エス/30歳/ 50.45kg)9戦3勝(1KO)5敗1分
勝者:史佐 / TKO 1ラウンド 1分35秒
主審:スイット・サエリム・ランボー
開始から様子見も間もなく、高橋大輝がやや圧力掛けて出るが、吏佐はカウンター気味のパンチやハイキックでヒットを見せた。接近戦では素早い右ヒジ打ちで髙橋を後退させ、ロープ際に追い込むと更にヒジ打ちで側頭部にヒットさせるとフラ付く高橋はスタンディングダウンを取られ、足下覚束ないままレフェリーストップが掛かって吏佐がテクニックを見せ付けるTKO勝利となった。「まだやれる!」とアピールした高橋大輝だったが、止められても仕方ない状況だった。

◆第6試合 女子ミネルヴァ・スーパーフライ級3回戦(2分制)
ミネルヴァ・スーパーフライ級7位.松藤麻衣(クロスポイント吉祥寺/ 51.8kg)11戦5勝6敗
VS
二ノ峰かなこ(KFG・URAWA/ 52.0kg)6戦2勝(2KO)4敗
勝者:松藤麻衣 / 判定2-0
主審:中山宏美
副審:宮沢29-29. 児島30-29. ランボー30-28
初回から多彩に攻め合う両者は第2ラウンドには松藤麻衣が蹴りで優る展開。ラストラウンドは二ノ峰かなこがパンチで追い上げるも松藤を下がらせるには至らない。ジャッジ三者が揃ったのは第2ラウンドの松藤が攻勢のポイントで僅差の攻防が続いた展開だった。
◆第5試合 43.0kg契約3回戦(2分制)
永愛(=西田永愛/タイ南部2タイトル保持者/伊原/15歳/ 42.7kg)1戦1勝(1KO)
VS
パヤーペン・ソー・ナッシングファーム(タイ出身18歳/43.45kgコスチューム550g→42.9kg)8戦4勝4敗
勝者:永愛 / TKO 2ラウンド 1分35秒
主審:ノッパデーソン・チューワタナ
永愛は西田蓮人の妹で、タイ南部タイトルを保持しているパンチ強いテクニシャン。国内プロデビュー戦を迎えての年上タイ選手と対戦。攻防は互角の流れから永愛がムエタイ技でも優る展開で、第2ラウンドに後ろ蹴りでボディブローヒットさせてスタンディングダウンを奪った。再開後もヒザ蹴りからパンチ連打でレフェリーストップに追い込みTKO勝利した。

◆第4試合 アマチュア・ウエルター級2回戦(2分制)
潤(伊原)欠場、代打出場 / 永堀良汰(VERTEX/ 65.5kg)
VS
千葉龍樹(文星芸術大学付属高校空手部/千葉県出身/ 65.4kg)
勝者:千葉龍樹 / 判定0-3 (19-20. 18-20. 18-20)
◆第3試合 セミプロ 45.0kg契約2回戦(2分制)
YUYUNA(=西田結菜/伊原/タイ南部5タイトル保持者/埼玉県出身13歳/ 44.9kg)
VS
奥田愛來(KYOTO RAMPAGE/京都府出身16歳/ 45.0kg)
勝者:YUYUNA / 判定3-0 (20-18. 20-19. 20-19)
◆第2試合 アマチュア女子49.0kg契約2回戦(2分制)
ラ・メトラジェッタ(スペイン/ 48.85kg)
VS
武井梨子(EXPLOSION-52kg、-55k王者/CYCLONE/東京都出身17歳/ 47.95kg)
勝者:ラ・メトラジェッタ / 判定2-1 (19-20. 20-19. 20-19)
◆第1試合 アマチュアEXPLOSION女子 55.0kg契約2回戦(90秒制)
横山優美(LEO/東京都出身32歳/ 52.5kg)
VS
みゃんちゅぅ(ツルザップ/福岡県出身35歳/ 53.3kg)
勝者:みゃんちゅぅ / 判定0-3 (19-20. 19-20. 19-20)
《取材戦記》
西田蓮人と手塚瑠偉の日本フライ級王座決定戦は激しい攻防で盛り上げ、実質メインイベントの存在感を見せ付けた。西田蓮人がチャンピオンと成るのは想定内だったが、手塚瑠偉は油断ならない強敵だった。十代の2~3歳差は大きく、第3ラウンドまでは手塚瑠偉の人生の経験値が優ったような流れ。第4~5ラウンドは西田蓮人の5回戦の経験値が優った流れだった。タイでは5回戦制で戦っており、その戦略が優っていた。また再戦も有り得る今後である。「チャンピオンとしてスタート!」と言うとおり、チャンピオンロードとしての試練はこれからである。今後の新日本キックボクシング協会を支えるのは西田蓮人だろう。
更には同門のインパクトある吏佐のTKO勝利。パンチが強く3連続KO勝利という西田永愛の国内デビュー戦の飛躍も大きかった。
タイトルの名称については、団体名は“新日本キックボクシング協会”ではあるが、タイトルは昭和からの従来どおり“日本タイトル”で良いということであります。
興行進行スタッフ(サブアナウンス)には元・日本キックボクシング協会系レフェリーの村上桂さんが2025年10月から協力されています。今回は村上氏の次のラウンドを告げる「3回目~、ラストラ~ウンド!」のような、「ラウンドファイブ!」等ではなく「5回目~!」等、誰も意識しなかったであろうTBSキック時代の名残りもありました。
また、リングアナウンサーの生島翔さんが、新チャンピオン西田蓮人へ認定証読み上げはなかなか滑舌良くカッコ良かった。代読となったのは仕方無い事情もありますが、メインリングアナウンサーの存在感も表れていました。
次回、新日本キックボクシング協会興行は10月18日(日)に後楽園ホールに於いて、「TITANS NEOS 39」が開催されます。まだ確定していませんが、西田蓮人は出場の予定ということでした。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」






















