戦争開始から5年近く、プーチンはなぜ今、ウクライナを屈服させようとしているのか

アンドリュー・コリブコ

ウクライナ侵攻から5年近くになる。ロシアがこの冬、ウクライナの電力や暖房、水道などのインフラを徹底的に破壊する計画だとの見方が浮上している。プーチン大統領がこれまで避けてきた強硬策に踏み切るとすれば、その背景には何があるのか。筆者は、戦争終結後の制裁解除と、米国との大規模な資源取引への期待が、ロシアに早期決着を促す一因になっている可能性を指摘する。

※   ※   ※   ※

プーチンがなぜこれほど長い間、強硬策を控えてきたのかはともかく、現在の彼には、少なくとも一つの動機があると考えられる。それは、紛争が終わった後、米国との間で資源をめぐる大型取引を実現できるかもしれないという魅力的な可能性だ。その具体的な内容については、プーチンとトランプ双方の特使らが、すでに1年以上にわたって交渉を続けている。

『ニューヨーク・タイムズ』は、傍受されたとされるロシア側の通信を根拠に、ロシアがこの冬、ウクライナの電力、暖房、水道の各システムを徹底的に破壊する計画だと報じた。この主張を確認することはできない。しかし、ゼレンスキーによる攻撃作戦への対応として、プーチンが夏以降、穏やかな形ながら「事態を収束させるためにエスカレートする」という行動を取っていることとは一致する。その具体的な形が、ウクライナのインフラに対する攻撃の強化だ。もしこの報道が事実なら、ロシアの狙いはウクライナ軍の補給網を断つことだけではなく、ウクライナそのものを屈服させることにある。

プーチンはこれまで、そのようなやり方を避けてきた。おそらくその理由は、ロシア人とウクライナ人は同じ系統につながる近しい民族だと考えているためだ。一方、これまでロシアには、それを実行するだけのドローンやミサイルの能力がなかったのではないかという見方もある。

その理由としては、最近まで生産量そのものが少なかった可能性や、NATOとの直接戦争が起きる場合に備えて戦力を温存していた可能性が考えられる。いずれにしても現在のプーチンは、ロシア側の条件で戦争をできるだけ早く終わらせるためなら、それに伴う人道上の犠牲を受け入れる覚悟を固めたように見える。少なくとも、ロシア側の条件を可能な限り多く実現しようとしているようだ。

プーチンを動かしているのは、夏に米国の支援を受けて始まった、ウクライナによるロシアに対する「消耗戦」だけではないかもしれない。興味深いことに、フランスもこれを支援している。

報道によると、スコット・ベッセント米財務長官は夏、ロシア側の担当者に対し、紛争が続いている限り、いかなるビジネス上の取引も不可能だと伝えた。その後、スティーブ・ウィトコフとジャレッド・クシュナーがプーチンと会談し、ほかの問題とともに、こうした取引について話し合った。その後、キリル・ドミトリエフが米国を訪れ、この問題についてさらに協議した。

【黒薮注】スティーブ・ウィトコフ:米国の不動産投資家で、トランプ大統領の長年の友人。第2次トランプ政権で特使を務め、ロシアや中東との外交交渉を担当している。

【黒薮注】ジャレッド・クシュナー:トランプ大統領の娘婿で、実業家。第1次トランプ政権では大統領上級顧問を務め、中東外交などを担当した。

【黒薮注】キリル・ドミトリエフ:ロシア政府系ファンド「ロシア直接投資基金(RDIF)」の最高経営責任者(CEO)。プーチン政権に近く、米露間の経済・外交交渉でも重要な役割を担っている。

背景を説明すると、プーチンは2025年2月下旬、米国企業がロシアの資源産業に投資すれば「かなりの利益を上げるだろう」と誇示していた。また、トランプのベラルーシ担当特使ジョン・コールは最近、ベラルーシとの間で行われているのと同様の取引をプーチンに提案する許可を得たことを明らかにした。それは、「政治犯」の釈放と引き換えに制裁を緩和するというものだ。プーチンの盟友であるアレクサンドル・ルカシェンコは、すでにこうした取引をいくつか受け入れており、現在はカリ肥料をめぐる大規模な取引についてトランプと交渉している。

さらに先週、ルカシェンコは、ベラルーシ、ロシア、米国の3カ国による肥料工場の共同事業も提案した。ただし、これを実現するには、米国がガスプロムに対する制裁を解除する必要がある。

【黒薮注】ガスプロム(Gazprom)は、ロシア最大級のエネルギー企業で、主に天然ガスの生産・輸送・販売を手がける国営系企業。ロシア政府が株式の過半数を保有している。

プーチンをはじめとするロシア政府関係者は、西側諸国に対してロシアへの制裁を解除するよう繰り返し求めてきた。プーチンがベラルーシと同じような「見返りを伴う取引」に同意すれば、米国が一部の制裁を解除する可能性はある。しかし、大規模な制裁解除を実現するには、まずウクライナ紛争を終わらせる必要がある。その結果として、資源を中心とする米露の戦略的パートナーシップが生まれれば、世界の経済構造を大きく変える可能性がある。

ロシア経済は、西側諸国による前例のない規模の制裁攻勢をこれまで乗り切ってきた。それを可能にした大きな要因は、豊富な天然資源と独自の国内決済システムの組み合わせだ。しかし、ロシア経済発展省は、今年のGDP成長率をわずか0.6%と予測している。先月行われた下院選挙では、与党「統一ロシア」が圧勝した。ウクライナ紛争が大規模な戦闘段階に入って以来、初めての下院選挙だった。この結果によってプーチンは、戦争に勝利するために必要なことを実行し、その後、国民にさらなる豊かさをもたらすための政治的な信任を得たと言える。

したがって、これは十分にあり得る話だ。西側諸国による制裁の解除を要求してきたロシアの従来の政策とも一致している。つまりプーチンには、ロシア側の条件をできるだけ多く実現する形で紛争を早期に終わらせ、その後、米国との間で資源をめぐる大型取引を成立させたいという動機が、少なくとも部分的にはあるのかもしれない。

そうした取引が実現すれば、世界の経済構造を大きく変え、ロシア国民にさらなる豊かさをもたらす可能性がある。この点を踏まえることで、プーチンがウクライナを屈服させる計画を立てているという『ニューヨーク・タイムズ』の報道が、どのような背景の中に位置づけられるのかが見えてくる。

アンドリュー・コリブコ(Andrew Korybko)
アンドリュー・コリブコ(Andrew Korybko)

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年10月6日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼アンドリュー・コリブコ(Andrew Korybko)
モスクワ在住のアメリカ人政治アナリスト。MGIMO(モスクワ国際関係大学)で博士号を取得。著書に『ハイブリッド戦争―カラー革命からクーデターまで』

Source:https://korybko.substack.com/p/why-might-putin-finally-decide-to?utm_campaign=post&utm_medium=web

NKB王座を巡る二階級の戦いはリベンジ絡みの争奪戦!

堀田春樹

健吾はどん冷え貴哉への挑戦権獲得。
NKBフェザー級王座は矢吹翔太と堀井幸輝が争うことに決定。

◎鐵人シリーズvol.5 / 10月10日(土)後楽園ホール17:15~20:52
主催:日本キックボクシング連盟 / 認定:NKB実行委員会

◆第10試合 NKBウェルター級挑戦者決定戦 5回戦

NKBウェルター級3位.大月慎也(Team arco iris/1986.6.19埼玉県出身/ 66.6kg)
30戦12勝(6KO)14敗4分
        VS
NKBウェルター級4位.健吾(BIG MOOSE/1993.10.10千葉県出身/ 65.95kg)
10戦6勝(2KO)2敗2分
勝者:健吾 / TKO 2ラウンド 1分35秒
主審:前田仁

ローキックからパンチで主導権奪いに掛かる両者。パンチは思いっ切り振って出て倒しに掛かる勢いがあった。互いに打ち合う展開の初回においてはジャッジ三者の採点分かれていた。

一瞬の隙を突いた攻勢を見せるのは大月慎也だったが、健吾が大月の蹴り足を掴んで圧してロープ際に追い込んだところへ左のバックハンドブロー一発でアゴにヒットさせると大月はバッタリ倒れ込み、レフェリーがカウント中にストップした。

健吾のバックハンドブローがヒットする直前
健吾のバックハンドブローがヒットする直前
してやったり表情の健吾。一発で仕留めるTKO
してやったり表情の健吾。一発で仕留めるTKO

健吾はバックハンドブローについて、「当たった感触無かったですね!」と力んで打ったものではなさそうで、小林健二会長は「バックハンドブローの練習やってたし、大月は前へ前へ来ようとしていたところで見事に当たって良かったですね!」と応えられ、練習で身に付いた反射神経が働いたのだろう。

昨年10月18日に挑戦者決定戦で、どん冷え貴哉に敗れている健吾は雪辱を宣言。どん冷え貴哉への挑戦は来年2月20日に行われます。

陣営と歓喜の健吾。ここまでの人生で最も幸せな瞬間かもしれない
陣営と歓喜の健吾。ここまでの人生で最も幸せな瞬間かもしれない

◆第9試合 NKBフェザー級王座決定4人トーナメント(準決勝)3回戦

NKBフェザー級2位.矢吹翔太(team BRAVE FIST/1986.8.2沖縄県出身/ 56.8kg)
19戦12勝4敗3分
        VS
NKBフェザー級5位.半澤信也(Team arco iris/1981.4.28長野県出身/ 57.15kg)
38戦12勝(4KO)21敗5分
勝者:矢吹翔太 / 判定3-0
主審:笹谷淳
副審:宮本30-27. 鈴木30-28. 前田30-28

昨年10月18日の対戦では偶然のバッティングで矢吹翔太が左瞼をカットしたが、矢吹が負傷判定勝利しています。

パンチと蹴りの牽制はややスピード優る矢吹翔太。初回は互角だが、2ラウンドには接近戦でのしつこいヒジ打ち連打で半澤信也の左眉尻をカットし、矢吹のペースで進む。組み合った際のヒザ蹴りも効果的。半澤は開始早々から何度か得意の、いきなりの飛びヒザ蹴り見せるが警戒されていてヒットせず。第3ラウンドには矢吹のヒジ打ちで右目瞼も斬られた半澤は苦しい展開のまま終了。矢吹翔太が判定勝利し、王座決定戦へ進出した。

矢吹翔太のヒジ打ちが半澤信也の鼻を潰す。ヒジ打ちは何度も襲った
矢吹翔太のヒジ打ちが半澤信也の鼻を潰す。ヒジ打ちは何度も襲った

リング上で矢吹翔太は2年前の「フェザー級王座トーナメント戦で勇志に敗れ脱落した雪辱を腫らしたい!」と語り、堀井幸輝は5年前のアマチュア時代に香村一吹に敗れているが、雪辱戦となった今回は「倒せず悔しいです。次は頑張ります!」と語った。

矢吹翔太のヒジ打ちに続いてヒザ蹴りの猛攻
矢吹翔太のヒジ打ちに続いてヒザ蹴りの猛攻

◆第8試合 第18代NKBフェザー級王座決定4人トーナメント(準決勝)3回戦

NKBフェザー級4位.堀井幸輝(ケーアクティブ/1996.11.7福岡県出身/ 56.8kg)
10戦6勝(1KO)2敗2分
        VS
NKBバンタム級4位.香村一吹(渡邉/2007.2.22東京都出身/ 56.6kg)
8戦5勝(2KO)2敗1分
引分け 0-0 / 堀井幸輝が優勢支持で決勝戦進出と後楽園ジャンブル出場権獲得。
主審:PIRIKA
副審:関勝29-29. 前田29-29. 笹谷29-29 / 延長三者とも10-9

パンチと蹴りの一進一退の攻防。ローキックで脚を蹴られたら蹴り返す香村一吹。手数足数全く減らない両者は、どちらも主導権を奪えない互角の攻防で引分けに終わった。王座決定戦への駒を進める為の延長戦は、堀井のヒザ蹴りが効いたか、ガクンと勢い落ちた香村。堀井のパンチの勢いも増して優勢支持受け、王座決定戦と来年5月の後楽園ジャンブル、フェザー級出場権を獲得した。

NKBフェザー級王座は12月12日にこの二人で争う
NKBフェザー級王座は12月12日にこの二人で争う

香村は試合後の控室で脚が痛そうにしていたが、「試合中は大丈夫でしたけど、終わってから痛み出しました!」と応え、試合中は気合入っている様子が窺えました。

正式な試合結果の解釈については関係者数名に問いてみましたが、皆「公式記録は引分け」と回答。3ラウンドまでが公式戦で、延長戦は勝敗は付かず、上位進出を決めるものと理解はされていました。NKBは昭和からのシステムを採用しているということである。

堀井幸輝の勢い増してヒザ蹴りが香村一吹を苦しめた延長ラウンド
堀井幸輝の勢い増してヒザ蹴りが香村一吹を苦しめた延長ラウンド
引分けながら、小林米仁氏から後楽園ジャンブル出場権を得た堀井幸輝
引分けながら、小林米仁氏から後楽園ジャンブル出場権を得た堀井幸輝

◆第7試合 ミドル級3回戦

福舘正(CHEERFUL/1988.10.12岩手県出身/ 72.3kg)15戦9勝(4KO)6敗
        VS
土屋忍(KUNISNIPE旭/1986.12.11千葉県出身/ 72.35kg)20戦9勝8敗3分
勝者:福舘正 / 判定2-0
主審:宮本勲
副審:関勝30-29. 鈴木29-29. 前田30-29

この両者は6月20日に対戦し、福館正が持久力で判定勝利。今回はローキックからミドルキックが中心の攻防。互角の展開が続く中、福館正が蹴りからヒザ蹴り、パンチからヒザ蹴りの流れが攻勢をやや上回った展開で、前回は終盤ヘロヘロだった土屋忍も今回はスタミナ充分で終盤にパンチラッシュを掛けるも巻き返せず、ジャッジ三者が揃うラウンドは無かったが、福館正が僅差判定勝利した。

リズム掴んだ福館正が勢い増して土屋忍をヒザ蹴りで攻める
リズム掴んだ福館正が勢い増して土屋忍をヒザ蹴りで攻める

◆第6試合 女子55.8kg契約3回戦

やえな(ケーアクティブ/1995.8.9埼玉県出身/ 55.55kg)2戦1勝1敗
        VS
三木鈴(NK/2004.10.18大阪府出身/ 55.2kg)2戦2勝
勝者:三木鈴 / 判定0-3
主審:PIRIKA
副審:笹谷29-30. 前田28-30. 宮本29-30

やえなは6月20日のデビュー戦で巧みな技を持ち、パンチと前蹴り、ハイキックなどで圧力掛ける展開を見せたが、今回は距離感掴み難そうな展開。若い三木鈴がパンチと蹴りで、やえなのリズムを崩し、コンビネーションブローで優って僅差ながら判定勝利。

やえなのヒザ蹴りに三木鈴が左ジャブヒット。細かな技が上手かった
やえなのヒザ蹴りに三木鈴が左ジャブヒット。細かな技が上手かった

◆第5試合 バンタム級3回戦

早川曜平(ケーアクティブ/1994.1.13千葉県出身/ 52.85kg)6戦2勝3敗1分
        VS
滑飛シオン(テツ/2007.6.26岡山県出身/ 53.35kg)8戦5勝(1KO)3敗
勝者:滑飛シオン / 判定0-3
主審:鈴木義和
副審:笹谷27-30. 関勝27-30. PIRIKA27-30

スピードで優る滑飛シオンの蹴りとパンチの先手打つ攻めが目立った。早川曜平はパンチで出て勝負を捨てない意地を見せるも、シオンの多彩なヒットが優っていき、ハイキックもヒット、フルマークの大差判定勝利となった。滑飛シオンも技量有る新人で今後が期待されます。

◆第4試合 62.0kg契約3回戦

伊藤要(シーザージム新小岩/1986.10.13岩手県出身/ 61.2kg)25戦7勝(4KO)16敗2分
        VS
魔裟屋(SLACK/1991.2.4岩手県出身/ 61.95kg)10戦5勝(3KO)5敗
勝者:魔裟屋 / 判定0-2
主審:宮本勲
副審:前田29-30. PIRIKA29-30. 鈴木29-29

蹴り中心の魔裟屋とパンチ中心の伊藤要の互角の展開は、終盤に蹴りからパンチに繋いだ魔裟屋が勢い増していくも伊藤も踏ん張って終了。魔裟屋が僅差ながら判定勝利。

◆第3試合 バンタム級3回戦

涌井大嵩(アルン/1997.3.2新潟県出身/ 53.45kg)6戦4勝(1KO)2敗
        VS
風間祐哉(WSRフェアテックス三ノ輪/1997.7.17石川県出身/ 53.35kg)9戦2勝5敗2分
勝者:涌井大嵩 / 判定3-0
主審:関勝
副審:前田30-28. 笹谷29-28. 宮本29-28

パンチと蹴りのアグレッシブな展開はパンチの距離感掴んだ涌井大嵩がやや攻めのリズム掴んだ流れ。ローキック中心に流れを変えたい風間祐哉だが、涌井の勢いを止められず、勢い増した涌井の判定勝利。

◆第2試合 スーパーフライ級3回戦

木部晴太(クボ/2004.2.3神奈川県出身/ 51.85kg)4戦1勝(1KO)3敗
        VS
松崎力也(T-KIX/1997.7.9静岡県出身/ 52.0kg)6戦1勝4敗1分
勝者:松崎力也 / 判定0-3
主審:鈴木義和
副審:PIRIKA27-30. 宮本27-30. 関勝27-30

両者のパンチと蹴りの交錯は松崎力也が徐々にテクニックで優っていき、フルマークの大差判定勝利。

◆プロ第1試合 58.2kg契約3回戦

真岸憲一(ワンサイド/1987.9.22長野県出身/ 57.95kg)3戦3敗
        VS
吉見啓(SHIROI DREAM BOX/1988.11.29熊本県出身/ 57.65kg)1戦1勝
勝者:吉見啓 / 判定0-3
主審:前田仁
副審:PIRIKA26-30. 笹谷26-30. 鈴木26-30

我武者羅にパンチで打ち合う両者は、初回に吉見啓が右ストレートでノックダウンを奪い、第2ラウンドも吉見が右ストレートでノックダウンを奪った。スタミナ切れか、倒し切れぬまま判定まで縺れ込んだが、吉見が大差判定勝利。

※他、アマチュア4試合
戦績はプログラムを参照し、この日の結果を加えています。

《取材戦記》

NKBフェザー級トーナメントは矢吹翔太と堀井幸輝が王座決定戦へ進出しましたが、敗れた半澤信也と引分け敗者扱いの香村一吹は26歳差。いずれ実現したら有利なのは香村だろうか。

しかし、香村一吹はバンタム級から上げて来たばかりで、「フェザー級の身体ではない」という声も聞かれました。バンタム級でキツイならスーパーバンタム級が適正かもしれませんが、NKBにおいてはスーパークラスが無いので、フェザー級で行くしかないだろう。今後も他団体交流戦も増えることでしょう。

日本キックボクシング連盟は昔から同じ相手との対戦が多く、昨年12月13日には半澤信也vs堀井幸輝戦も行なわれており、また同じカードというのは避けられた形である。

次回の日本キックボクシング連盟鐵人シリーズFINAL(vol.6)は12月12日(土)に後楽園ホールに於いて開催。NKBフェザー級王座決定戦が行われます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

ご報告とお礼

松岡利康

7月の熊本地震につきまして、私が代表を務めている高校の同窓会「紫紺会関西支部」(熊本学園大学付属高校同窓会)でも、これが所属する「関西熊本県人会連絡協議会」(46団体+個人会員16名)明珍しず江会長からの呼びかけに応じ義援金を募集しておりましたが、10月9日で締め切り、同13日に集計し、146,500円の浄財をお寄せいただきました。

さっそく同14日に県人会本部口座に送金いたしましたのでご報告いたします。有り難うございました。

なお、県人会全体としての金額は、来る11月14日の総会(熊本金民の集い)にて発表されるとのことで、発表されましたらまたこの欄にてお知らせいたします。

以下、県人会本部・明珍会長からのお礼のお言葉です。

紫紺会関西支部
事務局 宮﨑 様

いつもお世話になっております。
ご連絡ありがとうございました。
確かにお振込み確認致しております。
ご協力いただき有難うございました。
会長様はじめ皆様にくれぐれもよろしくお伝えください。

関西熊本県人会連絡協議会
会長  明珍しず江

※復旧・復興の営みはこれからも続きます。引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。総会にて今後の義援金募集はじめ支援の方法について審議、決定があると思いますので、あらためてお知らせし、継続的なご支援をお願いいたします。(松岡)

映画『マミー』上映会とトークショーのお礼

尾﨑美代子

10月11日開催の映画「マミー上映会とトークショー」に集まって下さった皆様、ありがとうございました。お礼が遅くなりました。今朝へとへとでしたが、昼バイトに行き、戻って特急ひかり並みに急がなくてはならない作業をひとつこなし、この時間となりました。遅くなって申し訳ありません。

ここ数日、どうなるか?と胃がきりきりでした。人数のことですね。前日、そして当日の3時間前まで「予約いけますか?」の電話があり、それへの対応。というのも、予約の方に加え、いつものように当日来られる方もおりますので、会場に入れるかどうかと心配でした。前日一応確認したら80人はいけるなとなっていたので、当日はまず椅子を並べてみるところから始まり、どうにか80席作りました。最終的にその後10席位足し、関係者数人は外でたむろうという感じで、90人は見てくださいましたかね。

予約の確認作業におわれ、当日になっても2部の二村監督と眞須美さん長男のトークショーの準備ができないままでしたので、上映中外で準備してました。

トークショーですが、映画館での舞台挨拶と違って、二村監督、長男もおもいっきりいろいろ話してくださいました。

「なぜカレー事件の映画を撮ろうと思ったか?」「(最初はこの事件が冤罪と確信できなかった二村さん)どのような取材からこの事件は冤罪ではないかと思えましたか」等々。次に事件について。長男には事件当日のことなど語っていただきました。

また再審については「青空の会」の坂口さんに説明して頂きました。

そして6月に亡くなった健治さんについて。ここはしおらしく悲しむところですが、なぜか笑いがいっぱいでした。それだけ健治さんがみんなに愛されていた証拠です。でも長男の一人きりの葬儀で、葬儀会社の方に「参列者は何人位ですか」と聞かれ、「僕一人です」と言った時の辛さ。棺を火葬炉に入れ火をつけるボタンを押すまでに11分かかったことなど……ひとりぽっちになった長男を支援者みんなで見守りたい思いを強く致しました。

そして最後、長男の最近の活動(松本麗華さん、広島保険金事件で死刑囚となった父親をもつ大山寛人さんと3人でトークショーなどを行っている)話、二村監督からは10月末より公開が始まる新作「京都ALS嘱託殺人事件」のお話をお聞きしました。いつもと違って長男は、サングラスもマスクもせずにお話しました。その間は写真など取らず、最後にサングラス、マスクを着けて写真を撮る予定でいましたが、私がうっかり忘れてしまいました。昨日一番の失敗、そして後悔です。なので、トークショーの写真はありません。かわりにいろんな方が撮って下さった上映中の写真があります。結果、飛びこみで当日来られた方が20名、一方予約者で来れなくなった方が10名ほどなので、全員来られていましたら、やっぱり会場には入りきれなかったようです。

映画上映の際にはいつもお聞きします。「今日この映画を始めてみる方?」。ナント半分くらいの方が初めてでした。予約を頂いた方の7、8割は、このような冤罪関連の企画は初めての方でした。それも若い方が多かった。「ネイルもきちんとしています、ええ、髪のセットもね」というような女性、「たまにDJやってます」みたいな兄さん、リーゼントをびしっと決めてきたビリーさん……。

みなさん、映画を見ての感想を送ってくださいな。私のメールに送ってくれたら、二村監督と長男にも送ります。どう感じたか、何を考えたか、そしてこの事件は冤罪と思えたかどうか。お知らせくださいね。

終了後の親睦会では、「なぜこんなに集まってくだたのかね?」と話してまいた。冤罪だけではなく、袴田事件、福井事件、そして昨日会場にきてくれた西山美香さん、青木恵子さんの事件のように、警察、検察が嘘をついたり、暴力的、威圧的な態度で嘘の自白を強いることがどんどん明らかになっている昨今、カレー事件も冤罪ではないかと考えて頂き、様々な支援に関わっていただくことをお願いいたします。

まだ少しヘトヘトなので、うまくまとめられませんが、とにかく皆さま、ありがとうございました。

昨日は埼玉、東京、神奈川、名古屋、山梨、徳島、岡山、九州から参加される方がおりました。今度は東京でやりたいねと二村監督と話しております。最新作の公開がおちついた頃になりますが、その際はぜひ関東の皆さま、ご協力をお願い致しますね。

▼尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315304/

「琉球の風」の頃 ── 2005年「名誉毀損」に名を借りた言論・出版弾圧から4年余り(2009年)、ついに勝機を掴み“第一の奇跡”の後、幾つかの企画に乗り出す!

松岡利康

これから適宜、これまでに私がやってきたことについて書き連ねていきたいと思います。何卒ご笑読ください。

すでに何度も申し述べていますが、2005年の弾圧後、会社は壊滅的打撃を被りました。しかし、読者の皆様方、ライターやデザイナーさん、取引先などのご支援により2009年秋、ついに勝機を掴みブレイク! 2010年には悲願の甲子園復帰を果たし、同時に「西宮ゼミ」を開始します。それを手始めに幾つかの企画に乗り出します。

ここでは、高校の同級生・東濱弘憲君(故人)が、みずからの出自を自覚し始めたライフワーク、島唄野外ライブ「琉球の風~島から島へ」(於・熊本)について述べましょう。

東濱君は父親が沖縄・与那国島出身、戦後ほどなくして熊本に移住し、東濱君は熊本で生まれ育ちます。熊本は沖縄から疎開したり移住されてきた方が多く約30万人ともいわれ「熊本節」という島唄があるほどです。高校の3年生の時に同じクラスでした。

彼は高校卒業後、ファッション業界を志し、桑原デザイン研究所に入りますが中退、その後、職を転々とし、マグロ船にまで乗ったということです。

やがて熊本に戻りブティックを開店、その際にデパート勤務していたのを辞めさせ引っ張ってきたのが、奇縁というか私の中学の同級生だった有田正博君で、有田君はのちに、今や世界的ブランドとなったPaul Smithを初めて日本に持ってきたことで有名です。有田君については以前に少し述べていますので、ここでは省きます。

この店もすぐに頓挫、東濱君はみずからの出自を悟り沖縄料理店を開き、ここでミニライブをやっているうちに大きなイベントをやる夢を持ち、大阪で開催された「琉球フェスティバル」を観て奮起し、ようやく開始したのが「琉球の風」というわけです。彼はこれをライフワークとし、沖縄民謡のレジェンド知名定男先生を総合プロデユーサーとして開始します。詳しくは、この記録『島唄よ、風になれ!~「琉球の風」と東濱弘憲」をご一読ください。

「琉球の風」全景
「琉球の風」全景
鹿砦社の大きな看板が目立ちます
鹿砦社の大きな看板が目立ちます

第1回、2回は大赤字、満を持してBeginや宇崎龍童さんを招いた第3回になってようやく黒字化、しかし財政は安定しません。側で見てひやひやしていました。宇崎さんは、「ギャラを振り込みたいので銀行口座を教えて欲しい」と電話を入れたところ、事情を知った宇崎さんは教えてくれなかったということです。これぞ男宇崎! この話を聞いた私は宇崎さんの人間性を垣間見た気がし感激しました。

宇崎さんとネーネーズのジョイント。こんな場面は「琉球の風」ならでは
宇崎さんとネーネーズのジョイント。こんな場面は「琉球の風」ならでは
宇崎さんと
宇崎さんと

東濱君の志に感銘を受けた私は、会社も再興し資金的余裕が出来たこともあり、一枚噛むことにいたしました。広告宣伝費として毎回300万円を出し、プログラムを入れるため先着1千名に特製エコバッグを提供することにしました。今では到底できませんが、当時は太っ腹でした。

知名先生、かりゆし58の前川真吾さん
知名先生、かりゆし58の前川真吾さん
第1回から参加され続けた宮沢和史さんと
第1回から参加され続けた宮沢和史さんと

しかし東濱君はガンに侵され志途上の2012年4月24日、60歳の若さで亡くなりました。「10年は続けたい」という彼の遺言に従い、その後も続き、第10回を最後に幕を閉じました(第10回は台風のためやむなく屋内でミュージシャンと一部観客で開催)。

こんなイベントは、現実問題、もうできないでしょう。この記録も第5回までで、以後の回のものは出来ていません。残念です。いつかまた、儲け出すことがあれば、ぜひまとめて上梓できれば、と望みます。

『[特別限定保存版]島唄よ、風になれ!』
『[特別限定保存版]島唄よ、風になれ!』

Ж『[特別限定保存版]島唄よ、風になれ!~「琉球の風」と東濱弘憲』はA5判・上製240ページ、DVD付き、定価2640円(税込み)です。ぜひご購読お願いいたします。
https://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000356

ЖЖ「琉球の風」の際の画像を数点掲載しておきます。もう一度でいいからまたやりたいです。

ワシントンの主張を覆すコンテナの中身

セサル・ゴメス・チャコン

米国の圧力を受けて大手海運会社がキューバ向け輸送を停止し、食料や医薬品、医療機器などを積んだ数千個のコンテナが各地の港で足止めされている。そのために、がん・結核治療薬や小児集中治療室向けの太陽光パネルなどが届かない。米国は、キューバに対する経済封鎖は国民を対象としていないと主張しているが、実際には市民生活に深刻な影響を及ぼしている。

写真出典:La Radio de Sur「経済封鎖こそが脅威であり、キューバは脅威ではない」
写真出典:La Radio de Sur「経済封鎖こそが脅威であり、キューバは脅威ではない」

※   ※   ※   ※

経済封鎖の問題を指摘しているのはキューバだけではない。ニューヨーク・タイムズ紙もこのほど、食料や医薬品などキューバ向けの物資を積んだ数千個のコンテナが、カリブ海地域の港で足止めされていると報じた。米国による制裁の圧力や制裁措置を科すとの警告を受け、大手海運会社がキューバ向けのサービスを停止したためだ。

事態がとりわけ深刻なのは、これらの企業が食料を含むキューバの輸入品のかなりの部分を輸送していたからだ。影響は単なる貿易上の問題にとどまらない。海上輸送ルートが途絶えれば、人々の生活に必要な物資の供給網も途絶えることになる。

足止めされている一つひとつのコンテナの背後には、切迫した事情がある。ニューヨーク・タイムズ紙は、がんや結核の治療薬がキューバに届かなかった事例を報じている。また、小児集中治療室への電力供給を確保するために購入された太陽光パネルが、メキシコで留め置かれているケースも紹介している。

このほか、基本的な医療用品も足止めされている。同紙が引用したデータによると、10万人を超える患者が手術を待っているという。食料もまた、こうした封鎖の影響を受けている。キューバへ物資を運ぶために代替ルートを探し、より大きなリスクを負い、追加の輸送費を支払わなければならなくなれば、その負担は最終的に、すでに物資不足に苦しんでいる住民に及ぶことになる。

ワシントンが「人道上の例外」があると説明する際、見えなくなりがちなのが、まさにこうした人々への影響だ。その説明自体が矛盾を抱えている。

ブルーノ・ロドリゲス・パリージャ外相は、約7000個のコンテナが世界各地で留め置かれており、その多くに食料や医薬品、医療機器が積まれていると訴えている。キューバ側は、これらを個別の事例とはみておらず、封鎖の強化と第三国の企業に対する圧力がもたらした結果だとしている。

ドナルド・トランプ、マルコ(ナルコ)・ルビオをはじめとする米国の当局者は、自国の制裁はキューバ国民を対象にしたものではないと主張している。しかし、その主張は、事態の深刻さを考えれば笑い話では済まされない。

コンテナの中身を見れば、その影響が具体的な人々の生活に及んでいることが分かる。治療を必要とする子ども、手術を待つ患者、食料を求める家族、そして電力を必要とする病院がある。

まさにこの点で、「人道上の例外」という説明は現実と食い違っている。

足止めされたコンテナが示している現実を前にすれば、その説明の矛盾は国際社会の目にも明らかになっている。しかし、腕をこまねいて見ているだけの「傍観者」はあまりにも多い。また、混乱し粗暴な「北の支配者」の機嫌を損ねないよう、自分たちに都合のよい方向だけを見ている者たちもいる。

セサル・ゴメス・チャコン(César Gómez Chacón)

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年10月5日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼セサル・ゴメス・チャコン(César Gómez Chacón)
キューバのジャーナリスト、代表作にアンゴラ内戦を取材した『Cuito Cuanavale. Viaje al centro de los héroes(クイト・クアナバレ――英雄たちのただ中へ)』

Fuente:Los contenedores que desmienten el discurso de Washington

ご報告と更なるご支援の要請

中川志大新代表を中心に若返りを図り、心機一転、心ある人たちに支えられた〈独立メディア〉として『紙の爆弾』を更に拡大、発展させよう! 半世紀余り幾多の困難を乗り越えてきた鹿砦社を、堅忍不抜の〈言論の砦〉に鍛えよう! 苦境を突破し勝機を掴み“第三の奇跡”を勝ち取ろう! 中川新体制に圧倒的なご祝儀を贈ってください! 心ある皆様のご支援で新生鹿砦社の新たな船出を祝おう!

株式会社 鹿砦社 現代表取締役(10月31日まで)
松岡利康

『紙の爆弾』を愛し鹿砦社の言論・出版活動を支持・支援される皆様! 

先の中川の爽やかな抱負は多くの皆様の共感を得たようですが、これに比して以下の私の文は、いささかどろどろしたリアルな話になることをあらかじめご承知おきください。

中川の文、これに先立ち『紙の爆弾』11・12月合併号において公表しましたように、私たちは重大な決意をもって11月1日付けで鹿砦社の代表交替を決定いたしました。

そして、新たな態勢の元、若返りを図り、苦境を突破し、現在ほぼ見なくなった〈独立メディア〉として貴重な存在になった『紙の爆弾』の拡大・発展を図りましょう! 更に、1969年の創業以来半世紀余り数多の困難を乗り越えてきた鹿砦社を、心ある皆様方のお力をお借りし、その力で支えられ、いかなる権威・権力に屈しない〈言論の砦〉に鍛え上げましょう!

私松岡は去る9月25日で75歳、いわゆる後期高齢者になったのを機に、決算が終わる10月31日付けで鹿砦社の代表取締役を辞し、21年前の「名誉毀損」に名を借りた言論・出版弾圧でも、ただ一人残り会社を守ってくれた中川志大(もとひろ)に代表を禅譲し、心機一転、若返りを図り、若い発想で必ずや新型コロナによってもたらされた苦境を突破してくれるものと信じています。

だからといって、私は逃げるのではなく、日々午前8時には出社し、抱えていたり残っている仕事もかなりありますので、これまでと変わらず実務を続けます。背後から中川を支え、彼を「前門の虎」とすれは、私は、いわば「後門の狼」として後押しします。平取締役兼大株主としては当面残り“老人力”を発揮し、中川を防衛します。

世代交代は、いつかはやらなければならない課題で、どこの会社も直面し後継者不足に悩んでいます。皆様に祝っていただいた創業50周年の2019年から念頭にありましたが、その後新型コロナが襲来し、この対策に追われ手付かずでした。しかし、75歳を一つの区切りとして行うことを決断しました。

鹿砦社、また『紙の爆弾』のような〈独立メディア〉にとっては、広告も入らず巨大なバックがいるわけでもなく、頼りは読者の皆様方のご支援、浄財です。読者の皆様こそ最大のスポンサーです。

クラウドファンディングで資金を集めたらいいではないか、という声もよくあります。あまり知られていませんが、クラウドファンディングは、手続きは面倒で、集まったお金から、相当の手数料を引かれます。1円でも皆様方のご支援を出版活動に使いたい私たちには向いていないようです。

代表取締役として私の最後の仕事は、皆様方にご支援を請い、浄財をお寄せいただくことをお願いし当面の運転資金を集め後任の中川が自由に活動できる基盤を用意することです。先月からご支援をお願いしていますが、本年残りの3カ月は年末にもかかり、かなり厳しい情況を迎えます。なんとしても、ここを乗り切らねばなりません。

私たちはこれまで、当地を襲った阪神大震災前後の混乱の中、逆にこれをバネとして年間売上10億円を達成した1994年から97年はじめの頃を“第一の奇跡”とすれば、本誌『紙の爆弾』創刊直後、「名誉毀損」に名を借りた言論・出版弾圧で壊滅的打撃を被ったにもかかわらず、皆様方のご支援で再起した2009年から2010年にかけての時期が“第二の奇跡”と見なしています。

これでもう大丈夫かなと思ったところ、神はみたび私たちに試練を与えました。新型コロナの襲来です。正直、これを舐めていました。再興を果たし、せっかくの蓄えもすべて溶かしてしまいました。一時は絶望的になりましたが、心ある皆様方の叱咤激励により、なんとしても会社を維持し、本誌『紙の爆弾』、また唯一の反原発情報誌『季節』の発行を継続させ、半世紀余り続く鹿砦社の言論・出版活動を継続することを決意しました。しかし、遺憾ながら、なかなか苦境を脱しえないまま現在に至っています。

後継者不在に悩む経営者は多いですが、当社には幸い、『紙の爆弾』創刊直後の弾圧で私が逮捕・勾留された後、不在中もただ一人会社を守ってきた本誌編集長・中川がおります。彼は新卒で入社し、本誌の編集長のみならず当社全体の編集長、また東京事務所の責任者として、さらに取締役として獅子奮迅に頑張ってきました。

まだ50歳にも達せず経営トップとしては未熟ですが(私が鹿砦社を引き継いだ時は30代。ずいぶん試行錯誤し失敗ばかりしました)、何卒皆様方に可愛がっていただき叱咤激励のほどよろしくお願い申し上げる次第です。私の代で“第三の奇跡”を成しえなかったことには忸怩たる想いがしますが、それを彼に託します。

私は鹿砦社の代表としての最後の仕事を、当面を乗り切り、よしんば余裕を持って中川が采配を振るえるように資金を集めることに決め、ここに皆様方にご支援、資金援助を切にお願い申し上げる次第です。

ご支援はお一人おひとりのお考えやご事情などから、無理のないところで行ってください。例えば、新態勢にご祝儀を贈る、普通にカンパ(寄付)する、『紙の爆弾』、あるいは唯一の反原発雑誌『季節』を定期購読する、すでに定期購読中の方は前倒しで更新する、会員になる、すでに会員の方は会員のランクアップをする、等々です。

事情ご賢察の上、何卒よろしくお願い申し上げます! 心ある皆様のご支援で新代表・中川体制による新たな船出を祝ってください!

※ご祝儀、会費、ご支援金は以下のどちらかにご入金お願いいたします。

① 郵便振替 01100-9-48334 株式会社鹿砦社
また、『紙の爆弾』『季節』に挟み込みの「払込取扱票」にてご送金くだされば、送金費用かからず簡便です。                

② 銀行振込 三井住友銀行 甲子園支店 カ)ロクサイシャ
 普通口座 4304399 ㈱鹿砦社 
 (お振り込みの後にお名前、ご住所をメールかファックスにてお知らせください。メールj-info@rokusaisha.com ファックス0798-49―5309.匿名寄付の方は結構です)

■上の文は『紙の爆弾』11月/12月合併号を、定期購読者・会員の皆様方らへ送る際に同封した文に加筆したものです。

■下の写真は、2020年1月18日、手弁当で全国の刑務所・少年院を回りプリズン・コンサートを続けている女性デュオ「Paix2(ぺぺ)」、その500回目(於・横浜刑務所)の後で記念品を渡しました。こののち、新型コロナ旋風が吹き荒れ、私たちを翻弄することになります。

Paix2は昨年4月、『紙の爆弾』創刊20周年の「反転攻勢の集い」(東京・日本プレスセンター)にて司会を務めてくれ、また私が逮捕されたメモリアルデー7・12の同集い・関西(西宮・カフェインティライミ)では魂を込めたミニライブを行ってくれました。Paix2はもっと社会的に認められてしかるべきだと思っています。

Meta、Google、TikTokなどがブラジル大統領選挙で規則違反 ── 他国の問題ではない巨大IT企業による選挙介入の危険性

黒薮哲哉

メキシコの「ラ・ホルナダ」紙など、ラテンアメリカの主要メディアは、10月に行われたブラジル大統領選挙の第1回投票で、Meta、Google、TikTokなどの巨大IT企業が運営するプラットフォーム上で、選挙規則に違反する広告が多数配信されていたと報じた。

これらの報道によると、ブラジルのリオデジャネイロ連邦大学(UFRJ)の研究機関NetLabは、大統領選挙の期間中、複数のソーシャルメディアで500件以上の規則違反広告が確認されたと報告した。

ブラジルの高等選挙裁判所(TSE)の規則では、投票の48時間前から投票終了後24時間まで、インターネット上で有料広告などを利用した選挙運動が禁止されている。しかし、Instagram、Facebook、WhatsAppなど、Metaが運営するプラットフォームで、規則に違反する広告568件が確認された。

さらに、高等選挙裁判所の公式通知を装い、携帯電話や自宅から投票できるという架空の投票方法を宣伝する広告も6件見つかった。これらの広告は、健康上の問題や大雨などを理由に遠隔投票を促し、一部は利用者を外部サイトに誘導して、ブラジルの納税者番号(CPF)の入力を求めていた。

動画共有サービスのKwaiでも、投票日当日に配信されていた選挙広告18件と、掲載終了日が投票日まで延長されていた広告45件が確認された。

調査では、各プラットフォームの動画推薦システムも分析した。その結果、10月3日と4日に、TikTokは7人の候補者の動画18本を、YouTubeは6人の候補者の動画17本を利用者に推薦していたことが分かった。

◆日本でも定着したSNS選挙戦略

トランプ政権の発足以降、中南米では右派勢力が台頭し、左派政権への圧力が強まっている。チリやコロンビア、ホンジュラスなどでも、選挙をめぐる不正疑惑や政治的対立が繰り返し問題となってきた。

今回のブラジル大統領選挙では、巨大IT企業が運営するプラットフォーム上で、多数の選挙規則違反が発生していたことが具体的な数字で示された。IT企業が意図的に選挙に介入したかどうかは、さらに検証する必要があるが、選挙の公正さを揺るがしかねない重大な問題である。

今回指摘された問題は主に選挙広告に関するものだが、もう一つ、考えなければならない問題がある。それは、SNS上の情報の表示や拡散、アカウントの利用を制限する権限を、巨大IT企業が握っているという点である。

実際、SNSの運営企業は、投稿の削除やアカウントの停止だけでなく、情報の表示順位や推薦内容を決定するアルゴリズムを管理している。こうした仕組みが選挙期間中にどのように運用されているのか、外部から十分に検証することは難しい。

日本の選挙についても、今後、慎重に検証する必要があるのではないか。IT企業が情報の表示や拡散を恣意的に操作すれば、特定の候補者のSNSへのアクセス数を増やしたり、逆に減らしたりすることも技術的には可能だからだ。

選挙の公正さを守るためには、SNSの運営を巨大IT企業の裁量に任せるのではなく、厳格な規制と透明性の確保が必要である。

私は、選挙期間中のSNSの使用を禁止すべきだと考える。

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年10月10日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

「古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう」 ―― 今の心境

松岡利康

すでに鹿砦社の代表交替を公表し、おおむね受け入れられたと思っています。ふと、若い頃に馴染んだ吉田拓郎のアルバムのタイトルを想起いたしました。

「古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう」

これは広島から東京に出て自費出版した吉田拓郎のアルバム(LP)のタイトルです。「古い船」=創業57年になる鹿砦社、「古い水夫」=私松岡です。このアルバムを若き拓郎は自費出版し、次いでこの中から、私も好きな『イメージの詩』をシングルカットします。あまり知られていませんが、若き拓郎のデビュー曲です。拓郎はその後『結婚しようよ』『旅の宿』などがヒットし、これらがデビュー曲のように誤認されますが、そうではありません。

『イメージの歌』は長い曲です。拓郎の前に「フォークの神様」といわれた岡林信康の曲『それで自由になったのかい』も長い曲です。どちらも若い頃から好きな曲です。

『イメージの詩』には、
「闘い続ける人の心を誰もがわかっているのなら、闘い続ける人の心はあんなには燃えないだろう」
という歌詞があり、涙が出る想いです。

ちなみに、『イメージの詩』は拓郎の作詞・作曲ですが、初期の拓郎を支えたのは、レコード大賞受賞曲『襟裳岬』を作詞した作詞家・岡本おさみです。岡本と組んで、『襟裳岬』はじめ数々の楽曲を出します。『旅の宿』『落陽』……。思い出すなあ。

さらに、岡本おさみはネーネーズの『黄金(こがね)の花』『山河、今は遠く』(いずれも作曲は知名定男)も作詞しています。これらも私の好きな曲です。こういう話をすれば止まりません(苦笑)。
「黄金で心を捨てないで 黄金の花はいつか散る」

『紙の爆弾』最新号(11・12月合併号)に栃木の冤罪「今市事件」を寄稿しました

尾﨑美代子

鹿砦社『紙の爆弾』最新号(11・12月合併号)に久々に冤罪事件を寄稿いたしました。今回取り上げたのは栃木県の「今市事件」。事件の焦点を、無期懲役で服役中の勝又拓哉さんが「供述弱者」であった件に絞って書きました。

勝又さんは名前も顔も日本人に見えますが、実は台湾人で、日本人男性と結婚し来日していた実母を頼って、日本に来ました。しかし、義理の父親と折り合いが悪く母らとは別居し、一緒に台湾から来た姉と住んでいたこと、日本語がうまく話せないため学校で虐められ引きこもりになったことから、日本語で話したりコミュニケーションをとる機会が奪われてきました。そんな拓哉さんが、とつぜん女児殺害、遺体遺棄で逮捕され、警察、検察にどんな取り調べを受けたのか、気になっていました。今回の取材では、拓哉さんの義理の弟さん(実母と再婚相手の男性との間にできた弟)の高瀬さんに資料を頂いたり、お話を聞くことができました。

私がなぜこの事件が気になっていたか? 実は、今市事件にかかわる金子達也検事という検事がおります。彼は、宇都宮地検に赴任前、千葉県で拙著「日本の冤罪」に収録している「東金女児殺害事件」を担当していました。このときは被疑者でのちに起訴され、有罪判決を受けたKさん(逮捕時20歳)を取り調べています。Kさんには知的障害があり、裁判になった際、弁護側がモニターに「弁護士」「黙秘」「検察官」など映し出し、本人に意味を問う場面がありました。その際、Kさんはほとんど答えることができませんでした。そのKさんは、「やってないなら黙秘しなさいよ」と厳しくいう弁護人より、毎日長時間顔をあわせ「〇くん」と下の名前で親しげに呼ぶ金子検事に「かねこさん、かねこさん」と懐き、「かねこさん」のいう通りにやってもいない殺害を認める供述をしてしまいます。

金子検事はその後宇都宮地裁に異動になり、そこで今度は日本語に不慣れな勝又さんを殺人犯に仕立てたのです。

金子はその後、あちこちの検察を回り、最後は福岡高検の刑事部長になりました。が、親睦会で女性に不適切発言を行い、減給処分を受け、その後は自身で依願退職しています。

この金子だけではなく、今市事件には、なんとプレサンス事件で山岸元社長の部下を恫喝・脅迫し、嘘の供述を強い、結果、現在「特別公務員暴行凌辱罪」で訴えられている田渕大輔検事もいました。あともう一人、悪検事がいたと思いますが、忘れました。

なお、弁護側は控訴審から元裁判長の木谷明弁護士(故人)などが加わり、強力な弁護態勢ができ、さらに一審で有罪とされた証拠を悉く弾劾していったのですが、なんと、東京高裁は、「いつ、どこで殺害したか」という一番大事な訴因を変更させ、一審判決を破棄しました。それなら、一審に差し戻すか、無罪を言い渡すべきなのに、再度勝又さんに無期懲役を言い渡しました。

弁護団の落胆ぶりを考えると胸が苦しくなるくらいです。中でも控訴審から加わった弁護人の一人今村核弁護士、私は、多くの冤罪事件で無罪判決を勝ち取ったこの弁護士の書籍を何冊も読ませて頂き尊敬しておりました。いつか、どこかでお会いできるのではと思っておりました。しかし、今村弁護士は、ご病気で一昨年逝去されました。控訴審で有罪判決が出たことがよほどショックで会ったことは、その後開催されたシンポジウムのなかで、司会者に意見を求められ、「何もありません」とボソッと言ったことからも明らかです。シンポに出て「何もありません」とは……。

今市事件、みなさん、知ってください。今回の記事は、自分で言うのも何ですが、わかりやすい内容にまとまってると思います。ぜひ、購入して頂き、読んで下さい。

11日、映画「マミー」上映会のピースクラブでも販売させて頂きます。
宜しくお願い致します。

▼尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

『紙の爆弾』11・12月合併号
A5判 130頁 定価800円(税込み)
2026年10月7日発売

米国の目標は「日本の消費量の半分」病害虫と残留農薬を運ぶ米国産生ジャガイモ輸入 八田純人(農民連食品分析センター所長)
閉幕から一年、底の見えない闇 仕組まれていた万博未払い問題 西谷文和
駐日イラン大使講演 アメリカの戦略的敗北と日本国民の役割
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◎鹿砦社 https://kaminobakudan.com/

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