水面下で囁かれ始めている『SMAP×SMAP』最終回のゲストはだれになるのか?

「SMAP」解散の報を受けて、タレントたちがさまざなな感想を寄せている。

 
SMAPアーカイブス コンサート編(ジャニーズ研究会)

「大物がその話題に触れると大きくメディアに扱われるが、松本人志が『ワイドナショー』(フジテレビ)で、『まあ〈世界で一つだけの花〉になぞらえるわけではないけど、ドライフラワーや押し花になるよりもいっそ散ったほうがいいというのは理解できる』と解散に一定の理解を示した後、中居と連絡を取り『できることがあったら何でもするよ』と告げたのを明かしたのは、さまざまな裏読みと憶測を呼んでいます」(芸能関係者)

その「裏読み」とは、「さんざんぱら〝メンバーどうしがギクシャクしていて雰囲気が悪く、いまや観客を入れることもできなくなり、出演したくない人が増えている……〟と囁かれている『SMAP×SMAP』の最後の回(12月26日放映)で、SMAPがゲストに料理をふるまう『BISTRO SMAP』のコーナーゲストについて。これに松本人志が出演する可能性がこの擁護発言ででてきた…」というフジテレビ関係者の指摘だ。

実は同番組は関西テレビとフジテレビの共同制作。吉本興業に近いがジャニーズ事務所との〝微妙な距離感や空気〟をつかんでいない関西テレビと、ジャニーズ事務所に気を遣いすぎるフジテレビでの意見の食い違いも見られる。

「要は、関西テレビとしては松本を推薦したいが、フジテレビが難色を示しているというわけです。松本が仮に中居に気を遣って、『SMAP』の元マネージャーの飯島三智氏を擁護でもしようものなら、フジテレビは大打撃を喰らう。まあまずそんな放送事故みたいなことはないと思いますが、松本の発言はほかの二流タレントとはちがい、簡単に編集できない。気を病むところでしょう」(放送作家)という見方もある。

長く続いてきた「国民的人気番組」の幕引きをはかるには、松本がうってつけだが、「炎上発言」の危険も避けられないというわけだ。

「じつは、2014年3月で終了した『森田一義アワー笑っていいとも!』(フジテレビ)の『テレフォンショッキング』の最後のゲストは北野武で〝大団円〟を迎えました。『笑っていいとも!』は32年続いた〝お化け番組〟で、最後のゲストは明石家さんまか北野武かスタッフが悩む程度(さんまは、特別番組『笑っていいとも! グランドフィナーレ』で北野武の紹介を受けて『テレフォンショッキング』の〝おまけ〟ゲストとして登場)キャスティングは苦しみませんでした。だが、『SMAP×SMAP』も96年から21年続いており、やっているグループがこれが最後のメンバーでの出演となるかと思うとそうそう簡単にキャスティングできないし、ゲストが重い雰囲気に耐えられる胆力も備えていなければならないのでスタッフは頭を悩ませているようです」(関西テレビ関係者)

最終回のゲスト候補として明石家さんまや「爆笑問題」の太田光もあがったが、スケジュールが合わないようだ。

「どちらにして明石家さんまは毎年、正月に放映される定番の『さんタク』で木村拓哉と昵懇でこのところ木村よりの発言が目立ち、ほかのメンバーのことを思うとフェアではない。太田は、解散のときにラジオで『ある意味このことはジャニーズ事務所の恥ずかしい部分として記録されちゃうんじゃないかなっていう気はする。もちろんジャニーさんなんかは一生懸命やったんだろうけどさ、フォローしきれなかったっていう罪は大きいかなと思う』とだいたんにもジャニーズ事務所批判発言を展開、ネットを炎上させた〝前科〟があり危険だ。北野武はいまひとつ『SMAP』と交流がないので案にもあがらない。消去法的に松本に落ち着くのだろうな」《同》

吉本興業に「松本人志が最後の『SMAP×SMAP』のゲストだという話が出ているが」と聞いてみたが「すみませんがお答えできせん」とのこと。

フジテレビに『SMAP×SMAP』の最後のゲストは決まったかどうか問い合わせると「まだ調整中です」(番組広報)という答えが返ってきた。

「そもそも、あのメンバーどうしがお互いに視線を合わせないというギクシャクとした関係で 『BISTRO SMAP』自体が成り立つかどうか。ゲストのキャスティングに苦しむく らいなら、コーナー自体をやめて過去の映像を流して時間を稼ぐ可能性もある」(同)

「いっそのこと、ジャニーズ事務所の利となるが〝KinKi Kids〟でいいんじゃないの? だってあと番組は彼等がやるので〝バトンタッチ〟という意味あいもできるし、フジテレビとしてはつぎに繋がるじゃないですか」(芸能プロダクション関係者)という声も。それでも、この8月29日のゲストで呼ばれた平井堅や金メダリストの柔道男子90キロ級のベイカー茉秋が「出演できて幸せ」と周囲に自慢しているように、国民的長寿人気番組であるのはまちがいない。腐っても鯛、なのだ。はたして『SMAP×SMAP』の最終回で、中居が叫ぶ「オーダー」の声を聞くゲストはだれなのか。注目したい。

(伊東北斗)

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《本間龍07》 電通社長が新入社員自殺を謝罪しない訳

電通のイメージ悪化が止まらない。9月末の不正請求事件から新入社員自殺の労災認定、そして労働局による全社一斉強制調査がほぼ一週間おきに発生し、日頃電通に関する報道を極力控えるメディアも、さすがに手の施しようもなく報じている。

NHK2016年10月20日

◆「電通タブー」の呪縛が解けて本格追及の兆し?

テレビメディアは基本的には第一報しか報じていないが、ここに来て雑誌メディアは週刊文春、AERA、フライデー、週刊朝日が記事を掲載した。また、ネットでは特に新入社員自殺事件が猛烈な勢いで拡散している。10月18日には、昨年8月に三田労基署が電通に対し是正勧告を出していたこと、さらに20日には、3年前にも男性社員が死亡して労災認定されていたとNHKが報じ、いよいよメディアも長年の呪縛が解けて本格追及に乗り出して来た感がある。

東京新聞2016年10月21日
東京新聞2016年10月21日

◆電通社長の公式謝罪なき社内緊急メール

そんな中、10月17日に電通は残業時間の上限を70時間から65時間へと引き下げ、24日からは社員の退社を促すため、22時に全館消灯すると発表した。また、石井社長が全社員に対しメールで緊急メッセージを発していたことも明らかになった。「社の経営の一翼を担う責務を負っている者として慚愧(ざんき)に堪えない」とし、「今私たちには具体的な行動を起こすことが求められている」などと記していたという。

これらの動きの中で私が非常に不自然に感じるのが、亡くなった高橋まつりさんの遺族に対し、いまだに電通が正式な謝罪を発表していないことだ。各メディアの取材に対し、「ご遺族との間で協議を継続中ですので、個別のご質問についてはお答えいたしかねます」と広報部は判を押したような返答しているが、死亡から既に1年近くも経っているのに、一体何をいまだに「協議」しているというのか。そもそも多くの場合、労災認定されても遺族は記者会見など開かない。電通に対する不信感、または対立点があるからこそ、遺族は批判や嘲笑覚悟で記者会見したのだ。

産経新聞2016年10月22日
産経新聞2016年10月22日

◆12月25日夜、社内で飲み会の予定あり?

では一体、何を揉めているのか。どのメディアも報じていないが、実は今回の件で、電通に初動対応のまずさがあったという。高橋さんに近しい方の情報では、当初電通は高橋さんの自殺は過労ではなく、恋愛問題のこじれが原因だとの社内調査結果をまとめ、今もその見方を崩していないというのだ。そのため、通常は亡くなった社員遺族に支払っている見舞金も出さなかったのだという。つまり電通はあくまで過労死を認めなかったため遺族と強く対立し、納得できない遺族側は弁護士を立て、独自調査結果も踏まえて労災認定を申請したのだ。

高橋さんの労災が異例の早さで認められた背景には、彼女が遺したツイートが大きな役割を果たしたと思われる。そこには過酷な残業によって消耗し、精神的に追い込まれていく様子がはっきりと見て取れる。そのような中に、確かに恋愛相手について書かれていると思われるものもいくつかある。電通側としては、それらのツイートや社内情報を根拠にして過労死を否定しているのだろう。さらに、自殺がクリスマスの日であったことも、恋愛のもつれの理由にしていたらしい。

しかし、恋愛を伺わせるツイートは、残業の多さ、仕事の過酷さを嘆くツイートに対し、実に僅かしかない。また、12月25日夜には社内での飲み会が予定されていたという情報もある。今の時代に、クリスマスの夜に新入社員を強制参加させて宴会を行う企業があるというのも実に驚愕するが、そうした会の司会進行や宴会芸を立案するのも新入社員の役目であり、高橋さんはそういう社内宴会を嫌っていたという。積もりつもった精神的・肉体的疲労と苦悩が、強制的な出席を求められる場から逃れるために爆発してしまった、と考える方が自然ではないだろうか。

結果的に、当初電通は高橋さんの自死を過労によるものとは認めず、遺族と揉めたことによって労災申請され認定されてしまい、しかもその過酷な労働実態が主にネットを介して非常な勢いで拡散、遂に労働局の強制調査まで招いたのだから、初動が完全に誤っていたとしかいいようがない事態に陥っている。

◆「コンプライアンスの徹底」を説く資格があるか?

電通は多くの企業広報に対し、「企業コンプライアンス徹底の仕方」や「事故や事件などの危機に際しての広報戦略」をパッケージにして売り込んでいる。その中では、危機に瀕した企業広報で最も大切なのはきちんと情報を開示すること、そして責任が明確な場合は責任者(社長)が一刻も早く謙虚な態度で謝罪することが何より重要、と教えているはずだ。それなのに、自社社員の自殺と労働局の強制調査に対し電通はいまだに謝罪会見も開かず、HPなどにも公式発表もしていない。これだけ社会で問題になっているのに、説明責任すら果たしていないのだ。得意先には「情報開示の徹底、すみやかな謝罪」が何より大切だといっておきながら、自社は全くその逆の姿勢を示している。これだけ社会問題化して電通のブランドイメージがズタズタになっても、なおも自分たちだけは特別だと思っているのなら、もはやコミュニケーションを語る資格など全くないと言うべきだろう。


◎[参考動画]「電通」過労死・・・過去にも 本社勤務の30歳男性(ANNnewsCH16/10/21)

▼本間龍(ほんま りゅう)
1962年生まれ。著述家。博報堂で約18年間営業を担当し2006年に退職。著書に『原発プロパガンダ』(岩波新書2016年)『原発広告』(亜紀書房2013年)『電通と原発報道』(亜紀書房2012年)など。2015年2月より鹿砦社の脱原発雑誌『NO NUKES voice』にて「原発プロパガンダとは何か?」を連載中。

  『NO NUKES voice』第9号 好評連載!本間龍さん「原発プロパガンダとは何か?」
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キムタク主演の医療ドラマ『Get Ready!!(仮題)』いまだヒロイン選びに難航中

TBSで来年の1月からスタート予定、日曜夜9時枠の木村拓哉主演の医療ドラマ『Get Ready!!(仮題)』は、いまだにヒロイン選びが難航しているという。一説には木村側から要望が出ていた綾瀬はるか、満島ひかりといった人気女優からは難色を示されているともいわれる。当然ながらSMAP解散騒動の影響と見られる。

 
SMAPアーカイブス イベント編(ジャニーズ研究会)

「もともとキムタク主演ドラマは、SMAPのマネージャーだった飯島三智さんによる要求が山ほど出るもので、それに合わせなきゃいけない“厄介モノ”だったんですが、視聴率が高かったときにはみんな我慢して出ていた。でも、いまやキムタクはSMAP内の裏切り者みたいに言われて人気も低下、喜んで受けたい人気女優は少なくなって当然でしょう」(テレビ関係者)

ある情報によると、共演相手探しは、国外にも目が向けられ、木村がPRキャラクターをつとめている縁で、台湾の人気女優もリストアップされているという話だ。聞けば、2010年のドラマ『月の恋人』で共演したリン・チーリンの所属事務所ほか、複数の芸能プロを通じての話があるそうだが、台湾女優起用だとストーリーの大幅修正も必要になるので、ドラマ制作サイドはあまり乗り気ではないともいわれる。

「飯島さんがいなくなっているのに、木村側がストーリーにいちゃもんをつけるのは変わっていないようだとも聞きます。木村演じるドクターが病院を汚れた問題を粛清していくプロットや、自閉症だが天才医という変わり種の医者の物語もプロットがあがりましたが、どれも木村サイドが蹴ったようです。ドラマのタイトルが『ドクター×ドクター』とか『その男、医師・平幸太郎』とか変化したのも木村側の都合と聞きます」(同)

情報筋によると、木村は典型的な正義感の強い医師という役柄には難色を示し、93年に織田裕二がワル医者ぶりを演じた『振り返れば奴がいる』(フジテレビ)を参考にした話をしているという。

「その話が事実なら、これまでの『キレイごとばかり言うキャラ』を脱したいということかもしれないですね。やたらと優等生ぶっているところが嫌われている感じもありますからね。ただ、腹黒い役をやっても、それはそれでSMAP解散騒動に重ねて見られそう。いずれにせよ相手役がハッキリしないことには進みにくい話だとは思います。最悪、AKB48のメンバーとか無名の新人女優を起用なんてこともありえるかも」

このあたりTBSに質問してみたが、「まだ番組内容は発表しておりません」という回答でしかなかった。

現在、医学関係者がドラマのネタ出しのために集まって脚本を練っているが、もしかして医者にかかりたいのは、スタッフ一同かもしれない。

(伊東北斗)

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キックボクシング新イベント「KNOCK OUT」開催に向けた2試合追加発表!

12月5日開催のキックボクシング新イベント「KNOCK OUT」の対戦カードの2試合追加が9月30日の記者会見で発表されました。

リング上に描かれたKNOCK OUTロゴマーク

◆契約ウェイト未定5回戦

宮本啓介(橋本) vs 工藤政英(新宿レフティー)

森井洋介(ゴールデングローブ) vs ヨードワンディー・ニッティサムイ(タイ)

◆9月14日に発表された契約ウェイト未定5回戦2試合

T-98(今村卓也/クロスポイント吉祥寺) vs 長島☆自演乙☆雄一郎

大月晴明 vs スターボーイ・クワイトーンジム(タイ)

初回興行出場の4名、左からT-98、梅野源治、森井洋介、長島☆自演乙☆雄一郎

メインイベント出場予定の梅野源治選手については、10月23日(日)のREBELS興行に於いて行なわれるタイ国ラジャダムナンスタジアム・ライト級王座挑戦試合の結果を以って発表予定です。

RIKIX代表、小野寺力氏
キックスロード社長、花澤勇佑氏
メインイベント出場の大役を担う梅野源治選手
司会進行とテレビ実況担当の村田晴郎氏

ヨードワンディー・ニッティサムイ選手は6月25日、ローキックで梅野源治選手を苦しめた選手で、スターボーイ・クワイトーンジム選手は3月12日に、梅野源治選手からヒジ打ちでダウンを奪い、それぞれのNO KICK NO LIFE興行で引分けた選手で、梅野源治との絡みで実力が測れるのも、ファンが興味を持ち易い理想的な傾向でしょう。

ヒジ打ち有りルールの試合で今後、地上波テレビで放送されることに、「これで地上波に乗るのかな」という不安もあるという声があり、一般視聴者から見れば今迄と違った(ヒジ打ちの無い競技を見慣れている感覚)危険な見方をされる懸念について、小野寺力氏は「大流血になってもドクターとレフェリーが判断して試合が止められることや、UFCでもヒジ打ちの出血でも全然止めないですし、プロボクシングにおいてもパンチで顔面が切れることがあるので、そこまで心配する事案ではなく、格闘技としてある程度の出血は仕方ないところと思います。」といった回答をされました。

梅野選手も、「ヒジ有りがメジャーになり難いという懸念と、今後大きい舞台でのヒジ有り試合を驚く人もいましたが、ムエタイはヒジ打ち有りだから面白いと言う人も多く、僕もヒジ有りのムエタイの面白さというのは、どうにかして伝えたいなというのは以前から思っていたので、今回KNOCK OUTが始まるということで凄いチャンスと思うので、とにかく自分が激しい試合をしてムエタイの面白さを伝えられたらなと思います。」という内容の回答。

そしてまず梅野選手の、10月23日のラジャダムナン王座挑戦に関して「トレーナーや仲間たちがサポートしてくれて、目標にしていたラジャダムナンタイトルに挑むことができるので、10月23日はしっかり結果を残して、チャンピオンベルト巻いて12月5日に『ムエタイは本当に凄いんだぞ』という試合をしたいと思います。第1回大会ということでメインイベントを務めさせて頂けるということで、みんなの期待に応えられるような激しい試合をしてKNOCK OUTの名前どおり、ノックアウトでキッチリメインの大役を果たしたいと思います。」と抱負を語りました。

宮本啓介 vs 工藤政英戦は、8月のREBELS興行に於いての3回戦で、持ち味を出し切った引分けで、小野寺氏がその場で、両方のジムとプロモーターに交渉して、すぐ決定に至った経緯がありました。この辺は正に若い世代のジム・プロモーターの交渉で弊害が無く、纏まりが早いところです。

森井洋介選手も9月14日の発表会見試合で高橋一眞(真門)を豪快にKOして、初回興行出場を希望し、願い叶って強いタイ人のヨードワンディーと対戦が決定。

また会見に参加していたT-98(タクヤ)選手も、6月に後楽園ホールでラジャダムナンスタジアム王座を奪取した時のチャンピオン、ナーヴィー・イーグルムエタイと10月9日に、ダイレクトマッチで初防衛戦が予定されていましたが、挑戦者がプーム・アンスクンビットに変更となった模様。記者会見時点で「6月に奪取して防衛戦のことだけを考えてきたので、現役ラジャダムナンチャンピオンとして12月5日の出場を約束します。」と宣言していました。

9日のラジャダムナンスタジアムでの結果は、初回から右ローキックで徐々に圧力かけていたT-98(タクヤ)が3Rに右ローキックでプームが崩れるように倒れTKO勝利、日本人として初の現地での防衛に成功。外国人としては昨年の、ウェルター級チャンピオン.ジョイシー・イングラムジム(ブラジル)に次ぐ快挙となります。
これでT-98は晴れてラジャダムナン・スーパーウェルター級現役チャンピオンとして「KNOCK OUT興行」に出場することになりました。

10月9日、ラジャダムナンスタジアムで日本人初の防衛を果たしたT-98選手

取材戦記

追加カード発表会見ながら興味を引いたのは、ヒジ打ちに関する世間の意識と時代の流れでした。

昭和40年代にTBSで毎週月曜夜7時から放送されていたキックボクシングはヒジ打ちも頭突きも投げもありました。後楽園ホールでは、昔は後方の固定テレビカメラで南側と東側からだけの撮影で、ハンディカメラが使われるようになったのは昭和50年代に入ってからだったと思いますが、ヒジ打ちがあること自体、当時は放送が懸念される事案では無かったと思います。

現在のような解像力良く鮮明に映すカメラやハイビジョン大型画面とデジタル放送がある上、ラウンド外ではハンディカメラがリング内に入ってまで撮影し、ドクターチェックされる顔面アップまでカメラが追っていることもあり、ヒジ打ちで切れた顔面を捉える機会は多いに有り得ることで、「地上波に乗るのか」という心配が出るのも仕方ないかもしれません。

とはいえ、そこは放送の仕方、映像の捕え方で守れるように思います。ヒジ打ちが懸念材料になることに意外な印象を受けるのは年配者だけかもしれませんが、ヒジ打ちで眼球破裂という事態が起こりうる危険はあります。しかし、キックボクシングやムエタイは元から危険な競技で、ヒジ打ちは必要な技術であることは50年経っても変わらないと思います。キックとムエタイの技の多彩さと躍動感をテレビで伝えられたら喜ばしいことでしょう。

9月30日の記者会見第二弾は(株)ブシロードが入る住友中野坂上ビルの“2階”の予定が、前日に“6階”に変更発表されました。これは取材陣が増えて広いスペースに変更かと思いましたが、取材陣はいつもと変わらない格闘技専門サイト記者中心の10人未満のスペースでした。

マスコミの数というのも今後、どれほど一般誌やスポーツ新聞が関わってくるかも興味を引くところ。これから始まるKNOCK OUT、決して楽観的には見ていられない問題も起こるかもしれませんが、まずは第1回目の「KNOCK OUT」に期待したいと思います。

[撮影・文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

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裁判傍聴「並び屋」バイトの労賃急落でわかるテレビ新聞雑誌のスポンサー離れ

注目される裁判で抽選券を求めて並ぶアルバイトは、「並び屋」と呼ばれ、5年ほど前までは週刊誌やテレビ局が「当たらなくても5000円」は約束されていた。当たれば1万円~1万5000円が相場。オウム真理教の代表だった麻原彰晃被告の初公判があった96年4月には、48席の傍聴席に1万2292人が殺到し、当選した抽選者には「10万円」の報酬が出た。

だがそれはもう過去の話で、このところ価格破壊が起きている。価格の下落はメディアの不況と連動しているといえるだろう。雑誌は部数を落とし、テレビはスポンサーが離れて制作費が激減している。

◆高知東生裁判でも『最小限対応』のテレビ局

8月31日、元俳優の高知東生(本名・大崎丈二)被告と、知人の飲食店従業員の五十川敦子被告の初公判が東京地裁で行われた。これに先立ち、傍聴希望者が18席の一般傍聴席を求めて1198人が並び、約66倍もの抽選となった。抽選場所となった中庭では、無言でガッツポーズをする女性が抽選券を握りしめて裁判所に入っていく。

「番号がありました」とテレビ局クルーが数人待つ場所に中年男性が駆け込む。

男性に話を聞くと
「腕にタグがバチッと貼られる清原和博さんのときみたいな抽選だと人に譲れないのですが、今回は抽選券は紙なのでテレビ局のスタッフに売れるのです。ギャラは並ぶだけで1000円、当たれば7000円です。週刊誌はもっと渋いですよ。並んで800円、当たれば5000円です。ネット媒体は僕はやったことがないですが、たぶん当たってもあたらなくても2000円くらいじゃないでしょうか」とのこと。

それにしても、暑い中、当選番号の発表を待っていると、戦後に食料の配給を待っているか。もしくは大学受験時の合格発表のようであり、情けなくなってくる。写真を撮影しようとすると「裁判所の敷地内では撮影しないでください」と警備員の怒号が飛ぶ。

やってきた媒体はテレビ、新聞で11社、記者は40名前後。

「今回は高知と五十川だけが来ることがわかっていたので、スタッフは減らしています。いわゆる『最小限対応』。清原とかASKAに比べればそんなにマークすべき相手じゃないってことですよ。高島礼子が来れば、抽選での『並び屋』も今日の倍くらいはつくかもしれませんけどね」(テレビ局スタッフ)

◆裁判自体に全く無関心な「並び屋」たちの増加

ネットニュースの場合は、並んでも相場は「500円+交通費」で、当たっても「特別報酬」が出るケースは少ない。

こうして「注目される裁判の抽選の並びバイト」の価格は、破壊されるいっぽうで、在日の中国人や韓国人、ベトナム人、インド人たちも進出。本来は日本人しか傍聴できないが、別にパスポートがチェックされるわけじゃない。在日外国人で大学生も多く来ている。

「だって並べばいいわけだから、健康で時間を守れば成り立つバイトですよ。ただし、何時から抽選が始まるかわからないので、時間が自由に使える人たちの仕事にちがいありませんが」(並んでいた中国人男性)

そして裁判そのものに「並び屋」たちはまったく興味を示さないのも特徴。
抽選で外れた20代男性は「高知ってテレビに出ていたのですか? 見たことがないですね。まあ有名人が犯罪を犯せば僕らは金になるから被告さまさまですけどね」と言う。

有名人が逮捕されて歓喜する職業、汝の名は「裁判抽選の並び屋」。しかしその職業すらも、廉価で外国人に奪われようとしている。

(伊東北斗)

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《冤死の淵で》阿佐吉廣氏(山梨キャンプ場殺人事件) 母との再会を一途に願って

外部との交流を厳しく制限され、獄中生活の実相が世間にほとんど知られていない死刑囚たち。その中には、実際には無実の者も少なくない。冤罪死刑囚8人が冤死の淵で書き綴った貴重な文書を紹介する。8人目は、山梨キャンプ場殺人事件の阿佐吉廣氏(67)。

阿佐氏が綴った手記の原本計16枚

◆「虚偽証言だけで死刑が確定」

〈今、私は、山梨キャンプ場殺人事件で共犯と呼ばれる、元社員達の、自分の罪を軽くしたい、あるいは逃がれたいと思う虚偽証言だけで死刑が確定いたしました。他に証拠は何ひとつありません。〉

これは、今年2月に発売された私の編著「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(鹿砦社)に、阿佐氏が寄稿した手記の一節だ。

事件が発覚したのは03年の秋だった。山梨県警がタレコミ情報をもとに都留市のキャンプ場で、3人の遺体が埋められているのを発見。3人は阿佐氏が営む会社「朝日建設」の元従業員だった。阿佐氏は、部下らと共に殺人などの罪に問われ、「自分は無関係」と無実を訴えたが、12年に最高裁で死刑が確定。現在は死刑囚として東京拘置所に収容されつつ、甲府地裁に再審請求中である。

阿佐氏が収容されている東京拘置所

◆冤罪を疑う声が多い理由

専門筋の間では、阿佐氏の冤罪を疑う声は非常に多いのだが、その最大の理由は、裁判で共犯者とされる元部下がこんな証言をしたことである。

「取り調べや裁判の最初の頃には、阿佐社長が被害者らを殺し、私たちも手伝ったと証言していましたが、あれは嘘です。本当は、阿佐社長は殺害の現場にいなかったのです」

この元部下によると、殺害行為を実行したのは、事件発覚時にはすでに死去していた「副社長格のY」だった。Yは被害者らとトラブルになり、首を絞めて殺害したが、その時に元部下も被害者の足を押さえるなどして手伝った。しかし警察の取り調べでは、阿佐氏が主犯だというストーリーを押しつけられたという。

「私は朝日建設を辞める際、阿佐社長に見捨てられたように感じて恨んでいたので、阿佐社長が被害者を殺害したとみていた警察に、話を合わせてしまったのです。でも、自分の嘘で阿佐社長が死刑にされたことに耐えられなくなり、本当のことを話したのです」(同)

一方、東京拘置所で収容中の阿佐氏は、前掲の手記で、自分を貶めるウソの供述をした共犯者たちへの思いも次のように綴っている。

〈彼らの虚偽「供述」や虚偽「証言」は決して彼らが意図して言ったものでは無く、取調官に誘導され、強要されて出来上ったものです。その冤罪の被害者は私だけでなく、彼らも被害者なのです。私は、だからこそ一日も早く、真実を明らかにして、楽な気持にさせてやりたいとの思いで一杯なのです。〉

この文章からは、凶悪殺人犯として死刑判決を受けた阿佐氏が本来、暖かい人柄の人物であることが窺える。

阿佐氏の再審請求が審理されている甲府地裁

◆一目でいい、母に会って・・・

徳島県出身の阿佐氏には、裁判中から遠路はるばる面会に来てくれていた母親がいる。80代後半になり、現在は認知症に陥っているというが、前掲の手記には、その母親への思いも綴られている。

〈私の大切な、たった一人の母も、ときどきは正気に戻る時には、私に会いたいと切望していることでしょう。私も一目でいい、母に会ってこの胸、一杯にある感謝の言葉を伝えたいと思っております。〉

人は極限的な状況に置かれた時、何より心の拠り所にするのはやはり肉親ではないか。阿佐氏の手記はそんな感想を抱かせる。前掲書に掲載された手記全文には、母との思い出や阿佐氏の半生、事件の経緯などが克明に綴られている。
 
【冤死】
1 動詞 ぬれぎぬを着せられて死ぬ。不当な仕打ちを受けて死ぬ。
2 動詞+結果補語 ひどいぬれぎぬを着せる、ひどい仕打ちをする。
白水社中国語辞典より)

▼片岡健(かたおか けん)
1971年生まれ、広島市在住。全国各地で新旧様々な事件を取材している。

 「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(片岡健編/鹿砦社)
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《本間龍06》 綻びはじめた「電通タブー」──強制調査でイメージ悪化が止まらない

前回は電通の女子新入社員自殺事件について書いたが、10月14日、この事件を契機として東京労働局が電通に対し、抜き打ちの強制調査に乗り出した。本社だけでなく大阪や名古屋の支社に対しても一斉に実施しており、これは異例のことだ。朝日新聞は14日夕刊、15日朝刊共に1面で報道。15日の朝刊では2面も全部割いて詳報し、労働局は刑事責任を視野に入れていると踏み込んだ記事を書いている。

また、今回の調査にはブラック企業を専門に調査する東京労働局の「かとく」(過重労働撲滅特別対策班)が入っていることから、東京労働局や厚生労働省の本気度がうかがえる。


◎[参考動画]電通に東京労働局が立ち入り調査 新入社員の過労自殺受け(共同通信社2016年10月13日)

NHK2016年10月14日
毎日新聞2016年10月14日

◆電通のイメージが地に堕ちた

今回の抜き打ち調査には、正直少々驚いた。電通をはじめとする広告代理店業界の残業依存体質は昔からよく知られており、実際に自殺者も出ている状態が長い間放置されてきたからだ。

前回紹介した女子新入社員の労災認定と、その一連の報道や世論の動向を非常に的確に捉えた動きであろうし、業界トップ企業を狙い打ちにした「一罰百戒」としての意味もあると思う。そして今回の件で、揺らいでいた電通のイメージはすっかり地に堕ちた。圧倒的な業界首位であり、いわゆる「勝ち組」でもある有名企業で、短期間でここまでイメージが悪化した企業も珍しいのではないか。同社の手がけたCMやプロモーションを毎日紹介しているツイッターアカウント「電通報」は10日以降更新されておらず、「コミュニケーションのプロ」を自認する同社でさえ、もはや何をどう発信していいのやら苦悩している様子がうかがえる。

ファイナンシャル・タイムズ2016年10月14日

◆これでテレビも報道せざるをえなくなる

ここまでくると、「電通タブー」を貫いて来たメディア各社もさすがに報道せざるを得なくなるのだろうか。9月末の不正請求事件、7日の新入社員自殺、そして今回の強制調査と電通の名は一ヶ月の間に3度も世を騒がせており、これでも報道しないとなると、逆に不自然が際立ってくる。ここでいう「報道」とは、第一報の後の追跡報道、独自取材に基づく詳細報道のことだ。9月の不正請求事件もそうだったが、電通に関する報道は、ほぼ最初の「第一報」だけで終わってしまう場合が非常に多い。記者会見などは報道するが、その後の詳細な掘り下げ、追跡調査が行われないのだ。

特に世論に影響力の強いテレビ各局でその傾向が強く、不正請求事件や新入社員自殺事件は第一報を除いて殆ど報道されていない。現在ワイドショーは必ずと言ってよいほど、どの局も東京都の豊洲や五輪施設問題を遡上に挙げ、コメンテーターや専門家が都の対応を批判しているが、普通なら話題になりそうな女子新入社員の自殺事件でさえ、きちんと時間をかけて報道したテレビ番組はない。この一週間でのネット上での過熱ぶりに比べれば、テレビ局の「完黙」ぶりは明らかに異常である。

だが今回は一部上場で広告業界におけるトップ企業への「強制調査」は異例中の異例だから、さすがにこれは報道せざるを得ないのではないか。とはいえ、ワイドショーのコメンテーターの大半は何らかの形で電通のお世話になっているから、厳しいコメントが出しにくい。これまで電通を批判的に報道したことなど無く、さらにはそういう視点で話が出来る関係者や有識者を登場させたことがないのだから、そうした点でも各局は番組制作に頭を悩ませているだろう。

 
週刊朝日2016年10月28日号

◆注目記事は「週刊朝日」

雑誌関連も動きが鈍い。先週発売の週刊誌で女子社員自殺をきちんと報じたのは週刊文春とフライデーのみだった。過労死認定の記者会見が先週7日だったので月曜・火曜発売の雑誌は締め切りが厳しかったかもしれないが、それにしても少ない。自殺した女性は学生時代に週刊朝日のレポーターを務めていたこともあり、10月18日発売の週刊朝日(10月28日号)には「電通新入社員自殺が労災認定 本誌で活躍した24歳の無念」という記事が掲載される予定で、大いに注目している。(※本稿は10月16日執筆)

さてこうなると、私に出演依頼をして直前にキャンセルしてきた東京MXテレビの「電通に関する報道は全てNG」という社内コードがどうなるのかも見物だ。ここまできてもなお電通関連の報道をやらないのなら、もはや放送免許を返上すべきだろう。

◆複雑なまなざしの博報堂

それにしても、一連の騒ぎをもっとも複雑なまなざしで見ているのが、電通のライバルとされる博報堂だろう。一般的には、ライバル社の失態は歓迎すべきだと思われるが、こと労働時間にかけては博報堂もいつ調査を受けてもおかしくない状況であり、決して対岸の火事ではないからだ。仮にスポンサー各社が電通との取引を削減したいと思っても、すぐに全て取って代われるほどのマンパワーが足りない。電通から逃げる仕事は不正請求が発覚した高度で煩雑なデジタル領域の業務だから、それらをこなすにはそれなりの体制が必要だ。そこを無視してやみくもに受注すれば、それこそ職場が今以上の残業地獄となって、次は博報堂が労働局の標的となる可能性が高まる。電通が未曾有の不祥事で窮地になっても、その屋台骨を揺るがすほど売り上げを奪えないのが現実なのだ。

▼本間龍(ほんま りゅう)
1962年生まれ。著述家。博報堂で約18年間営業を担当し2006年に退職。著書に『原発プロパガンダ』(岩波新書2016年)『原発広告』(亜紀書房2013年)『電通と原発報道』(亜紀書房2012年)など。2015年2月より鹿砦社の脱原発雑誌『NO NUKES voice』にて「原発プロパガンダとは何か?」を連載中。

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元憂歌団・内田勘太郎さんと会った夜に届いた新潟県知事選「一陣の風」

10月16日、大阪は夏の暑さが戻ったようだった。最高気温は28度。

「僕みたいな市井の人間が難しいことは解らないけど」と何度も、何度も繰り返し断った上で、内田さんは「何となく感じる気持ち悪さ」、「普通に話せるはずなのに、そうはいっていない」状況への違和感を終始紳士的に語って下さった。

内田勘太郎さん(2016年10月16日大阪にて)

◆屈指のギタリスト内田勘太郎さんと大阪で会う

内田さんとは、憂歌団のギタリスト内田勘太郎さんのことだ。次回発行『NO NUKES voice』10号のインタビューに10月16日大阪市内で応じて頂けた。憂歌団を知っている若者は少ないかも知れないが、70年代から80年代関西で(いや関西だけでなく、全国で)音楽を聴いていた人ならば知らない人はいないだろう。内田さんは世界にも名を知られたギターリストだ。

これが日本の、しかも高校を出たばかりの若者が作った曲か、と仰天半分で彼らの楽曲を聞いた記憶がある。憂歌団の楽曲は40代、いや50代くらいの齢を重ねていなければ奏でるのが不相応にも思える、ある種「老成」したかに聞こえるブルースの珠玉の数々だ。でも私より年上の彼らが実際に、楽曲を織りなし、カルピスの瓶をはめた内田さんの左手はギターが、「こうも語るんだよ」と言わんばかりに独自の味わいを70年代から奏でていた。私は観客席から内田さんの演奏を何度も聴いたことがあるけれども、直接まとまった時間お話を伺うことができる機会が訪れるとは、幸運も極まれりである。

内田さんは1995年から沖縄に住んでいる。2011年3月、初めてのお子さんをもうけた。だから「2011年3月は大変な月だった」と語っていた。いつも頭の中で幾通りもの位相が織りなされて、片意地を張るわけではないけれどもモノを深く考えている人、優しい人だなあと感じた。

10月2日熊本で行われた『琉球の風』に常連ミュージシャンとして参加していた内田さんが、打ち上げの席で(酔った勢いのためか)、「『NO NUKES voice』いいですね。何でも協力しますよ!」と鹿砦社社長、松岡に声をかけて頂いたのをきっかけにこの日インタビューは実現した。詳しい内容は『NO NUKES voice』次号でお伝えする予定なので乞うご期待!


◎[参考動画]内田勘太郎「一陣の風」(2014年「DES’E MY BLUES」より)内田勘太郎さんオフィシャルサイト 

米山隆一=次期新潟県知事(NHK2016年10月16日付記事)

◆同じ日の夜、新潟県知事選で米山隆一氏当選という「一陣の風」

内田さんのインタビューを終えて帰宅後、夜は新潟県知事選の開票が気になっていた。国政選挙や知事選でも最近大手マスコミや、通信社の事前予測は与党候補有利の報道が当たり前のようになり、信用できない。また投票行動にもその影響は及んでいるだろう。しかし、新潟は先の参議院選挙で1人区ながら、野党統一候補の森裕子がギリギリ当選している。

米山隆一さん公式ブログより

保守大国、なぜか最近ちょっとした「田中角栄回顧ブーム」もあり、選挙の行方は自公が推す森民夫が有利に思われた。ところがパソコンの画面を眺めていると、予想外に早く米山隆一に「当確」が出た。

現職泉田知事は原発に関して、全国の知事の中で最も明確に「再稼働反対」を打ち出し、それが理由で元々自民党の一部も推していたのにもかかわらず、地元経済界や議会から大いに足を引っ張られていた。足を引っ張られていたなどという表現では軽すぎるだろう。「私は絶対に自殺はしませんから、遺書が残っていても自殺ではないから必ず調べてださい」とまで発言していた。

米山隆一さん公式ブログより

5月、別件の取材で新潟に出向いたとき、泉田知事はほかの地域から評価されているのと真反対に、地元では相当な窮地に追い込まれていることを人々から聞かされていた。地元紙、「新潟日報」の泉田氏攻撃が殊に激烈だと聞いた。だから泉田氏が「出馬をしない」と表明した時にも「ああ、そこまでシビアだったんだ」と残念ながらもその理由の一端は理解できた。

一方、米山候補は出馬への準備時間も短く、繰り返すがイメージとしては「保守大国」新潟でどこまで戦えるのか、当選は厳しいのではないか、と危惧していた。しかし、米山候補は「原発再稼働を止める」ことを公約とし、新潟県内に留まらず、全国の反原発陣営の応援も取り付けた。

米山隆一さん公式ブログより

反自公統一候補であると同時に「反原発」象徴候補として全国からの支援を取り付けることに成功した。広瀬隆氏(作家)、鎌仲ひとみ氏(映画監督)、佐高信氏(週刊金曜日編集委員)、山本太郎氏(参議院議員)らが応援しているのはなるほど、と頷けたが、なんと「政治は大嫌いです」と常々発言してきた小出裕章(元京大原子炉実験所助教)氏までが応援のメッセージを寄せていた。

反自公の野党統一候補が「原発再稼働反対」を公約に知事に当選した意味は大きい。新潟県民は中越地震を忘れてはいなかった。黒い煙を上げた柏崎刈羽原発事故を忘れていなかったのだろう。

もし、インタビューの後に内田さんと飲んでいればきっとこの話題で盛り上がったに違いない。


◎[参考動画]新潟県知事選 再稼働に慎重 米山隆一氏が初当選(ANN=テレビ朝日2016年10月17日)


◎[参考動画]新潟県知事選立候補者 米山隆一氏インタビュー(kenohcom2016年10月14日公開)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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日露首脳会談──心知体も経験も格下の安倍首相は故郷に錦を飾れるか?

国でも人でも「仲が良い」ことにこしたことはない。お近く同志であれば尚更のことだ。日本政府はかつての「仮想敵国」であったロシアと何故か最近やけに仲が良さそうだ。

12月15日に山口県長門市で行われる安倍とプーチンの首脳会談を前に10月7日「1兆円超の対露経済協力」が発表された。この首脳会談で、安倍は歴史的な「日ロ平和条約」締結を結実させ、一気に歴史を残す名宰相に上り詰めようとの目論見があるらしい。外務省ロシア課は大わらわで交渉準備にあたっているそうだ。

◆借金大国が気前よく他国に「経済協力」する理由

平和条約締結に異論はない。しかし素朴な疑問だが、借金大国日本は、気前よく他国に「経済協力」をばら撒いていられる場合なのだろうか。安倍は外遊に出ては行く先々で勝手に気前よく「経済支援」を約束して帰ってくる。9月23日にはキューバを訪れロシア支援に比較すれば少額ではあるが14億円の無償資金協力を約束している。

高度成長期、日本のアジアを中心とする国々へのODAは、一見当該国への純然たる資金援助に見せかけて、実は現地で日本の総合商社やゼネコンがプロジェクトを請け負い、資金は再び日本に還流してそれが与党政治家への献金に繋がるという、誠に汚い還流の構造があった。

ロシアへの経済協力にしても伊藤忠をはじめとする総合商社が石油の共同採掘にあたることが報じられており、単なる「援助」というわけではなく、それなりの先行投資的な読みがあるのだろう。しかし対ロシアでは経済と無関係に未解決の問題がある。ご存知「北方領土」問題だ。国後・歯舞・色丹・択捉の4島を占有するロシアに対して日本政府はロシア(ソ連時代)から返還交渉を呼びかけてきたが、全く進展を見ていない。

◆「4島一括返還」の可能性などありえない現状

領土問題に私が口を突っ込むのはあまり気が進まないのだけれども、こと北方領土に関しては、大日本帝国が第二次世界大戦の終結を誤り、いたずらに引き伸ばしたために、生じたことは間違いない。仮に1944年に降伏していればロシアの対日参戦はなかったのである。外交判断能力を完全に失っていた当時の日本は「日ソ不可侵条約」にすがりつき、連合国との講和の橋渡しを暗にソ連に依頼するが一蹴され、欧州でドイツを叩き終えたソ連軍が大挙して当時の満州国境に集結しているのを知りながら、本土決戦(米国を中心とする連合国に上陸されても迎撃する)を本気で敢行するつもりであり、そのために首都を長野県に移す準備に取り掛かり、各家庭には竹槍が2本以上準備されていたという。そこへのソ連参戦だった。

正気の沙汰ではないが、一度勢いがつくと、理性など吹っ飛んでしまうのがこの国の重ねていた歴史であり、その悪癖は今日も抜けることがない。ことさら対立せよなどというつもりは微塵もない。しかしいくらなんでも「1兆円」の経済支援とは破格すぎはしないだろうか。それが北方領土返還のために何らかの呼び水になるのではないか、との期待が政権や外務省にはあるのだろうが、帝政ロシア時代からソ連を経て現在のロシアに至る歴史と日本の関係を振り返れば、「4島一括返還」の可能性などほとんどありえないことは確実だ。

◆エリツィンの時代とは違うプーチンのロシア

過去それが可能だった時代はあった。ソ連崩壊後の混乱期、「独立国家共同体」と呼ばれていた時期であれば外交攻勢により返還交渉のハードルは現在よりはるかに低かっただろう。当時は経済マフィアが国内で利権の奪い合いにしのぎを削り、KGBの職を解かれた人間が民間企業に入り込み相当荒っぽい商売が目に見える形で横行していた。ボリス・エリツィンがかろうじて剛腕で群雄を抑えていたけれども、国内の混乱は極まり切っていた。あの頃日本が「1兆円援助」をちらつかせれば「4島一括返還」は可能だったかもいれない。

しかし、不思議なことに当時の外務省はそのようなアクションを起こしていない。やがてロシアとして復活する帝国はソ連時代に比すれば外交的な影響は低下したかもしれないが、驚くべき短期間で国内の新体制整備を終え、今ではかつてのボルシェビキなどなかったように装いを変えている。しかし、ロシアの国歌として一時新しい曲が使われたものの、歌詞が変更されてはいるがソ連時代の曲に戻っている通り、この国の伝統的な外交やものの考え方は再び落ち着きを取り戻し、マスメディアが報道する以上に力を蓄えてきている。

そのロシアに「1兆円」の経済支援をするから平和条約を締結して北方領土を返してくれ、と頼んでも「うん」とは言わないだろう。かつては禁句だった「2島返還」がオプションとして堂々と語られるようになったが、それすら可能性は非常に低いと私は考えている。平和条約締結は可能だろう。だがその内容は初期の前提から大幅に後退し、「北方領土」返還の前提は骨抜きにされるか、大幅な変更を余儀なくされるに違いない。

◆日露首脳の格差会談

自身もKGB出身で柔道の有段者であるプーチンと、成蹊学園の小学校から大学までエレベーター式に上がった安倍では残念ながら頭の中身も回転も、肉体的な強靭さも比較にならない。「私は行政府の長だ」と言って憚らない総理大臣安倍とは対照的に、プーチンは自らの手でかなり危うい仕事を現場で経験している。安倍は神戸製鋼から政界に進んでも、本質的に「修羅場」をくぐったことのない人間だ。格が違う。

今回の首脳会談が行われる山口県長門市には安倍の本籍が置かれている。故郷に錦を飾りたい安倍の思惑はどこまで通用するだろうか。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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AVデビューの坂口杏里はバラエティ対応のTVタレントに「成長」できるか?

坂口杏里のセクシー女優としてのデビュー作「芸能人ANRI What a day!!」が10月1日に発売され、ネット上で早速話題となっている。ところがこの作品は「使えないシーン」のオンパレードで編集に苦慮したようだ。そして、その「捨てたシーン」については箝口令が敷かれている。

「芸能人ANRI What a day!!」

「ヒップが荒れている、ヘアが剛毛でもじゃもじゃだ、とネットではさんざん叩かれているますが、実はあれでも『修正を重ねたほう』だというのが業界でもっぱら噂です」(AVライター)

というのは、「モザイクを入れるときに多少、肌の艶などがグラフィックで加工できるのです。ところが限界まで修正を重ねても、あの肌荒れだけは修正できなかったのです」(同)

さらに「あまりにも感じすぎてしまい、腰がまきつくように男優の肉棒をむさぼるシーンがあるのですが『デビュー作としては恥じらいがなさすぎる』としてカットされたようです。ほか、慣れないシーンだったのか、フェラチオの場面は男優に教わってもどうしてもじゅるじゅるとクリームソーダをストローで飲むような感じで口をすぼめてしまいNGを連発しましたから。そうしたシーンがあったことを隠したいのは、当たり前の話です」(撮影関係者)

そんなわけで「本人が緊張していて、キスや脱ぐ場面、そして挿入の場面などは力が入ってしまい。通常の倍はシュート(撮影)した」(同)という同作品は『初速の売れ行きは好調で、平均3000作しか売れないこの業界で、予約は3万入ったとも。小向美奈子がデビューした2011年のときよりも数字はいいはず』(流通関係者)という不思議さ。

「ちなみに、撮影素材マスターは、流出などしないように数人しか持っていない。もし流出しても出所が割れるようになっている」ともいうから、もはやそれらは永遠にお蔵入りだ。

早くも2作目が撮り終えているというが「通常だと乱交もの→コスプレもの→旅行もの→ライトなSM→ドラマ仕立ての監禁もの」とジャンルがエスカレートしていくのがセクシー女優の辿る道。

「杏里本人はタレントに戻り〝バラエティ番組にも対応できるセクシー女優〟として『有吉反省会』(日本テレビ)に出たいと周囲に話をしているようですが、『借金でセクシー女優になったと報道されていてイメージはよくない』とバラエティ系演出関係者は見ている。〝堅気タレントとしての復帰〟はかなり難しいでしょう」(同)

くしくも、セクシー女優が所属事務所を相手どって「出演を強要された」と裁判を起こすなどして業界そのもののモラルが問われている。セクシー系作品への風当たりが強まる中、業界では「イメージアップの星」として起用される雰囲気も漂う。
「母親の坂口良子を思うと見れないという層が四十歳すぎに多く、よほど工夫しないと2作目以降は売れないと思います」(同)

かくして、坂口の作品がレンタルショップに並びメーカーは荒稼ぎ。だが2作目以降は「覚悟した絡みじゃないとファンはついてこないはず。いつかタレントに戻るというような中途半端なセックスに満足するほどAVファンは甘くない」(同)

「どうせなら、またタレントに戻ってほしい」というファンの願いをぶっちぎったほうが、坂口は成功する。

「最悪の場合は、小向美奈子が逮捕後、メーカーがそうしたように、デビュー作の『未公開シーン』を将来売るような事態は避けたい。そのためにはAVでも成功するべきだと思う」という声もある。果たして「床上手」な杏里をファンは楽しめるのだろうか。

(伊東北斗)

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