キックボクシングの新イベント「KNOCK OUT」開催決定!

キックボクシング創設50年の過去において、数年毎に一人は革命を起こす輩が現れてきました。大きな節目では、キックボクシングを創った者、衰退から脱する為、統合団体を興した者、そして有り触れた新団体ではなく、新展開に打って出たのが元・日本フェザー級チャンピオン、小野寺力氏でした。

記者会見での那須川天心18歳のコメント風景

2005年10月、小野寺氏自身の引退興行から始まったNO KICK NO LIFE興行を今年6月まで継続し、これを基盤として始まったKNOCK OUTですが、新日本プロレスの業績をV字回復させたことでも有名な (株)ブシロードの強力なパートナーを得たことが最大の原動力となりました。

会見で顔を並べる木谷高明氏、花澤勇佑氏、小野寺力氏

9月14日(水)に渋谷のTSUTAYA O-EASTで行なわれた「KNOCK OUT発表記者会見」ではステージ上に(株)ブシロード代表取締役社長・木谷高明氏、ブシロードから新たに立ち上げた興行会社(株)キックスロード代表取締役社長・花澤勇佑氏、RIKIXジム代表・小野寺力氏、スペシャルサポーター・紗綾氏、初回興行出場予定選手・那須川天心、梅野源治、両選手が並びました。

設立経緯については、2年ほど前に、木谷高明氏が友人から紹介されたという小野寺氏との交流から始まり、NO KICK NO LIFE興行のTOKYO MX TVでの放送に至り、その結果、高評価を得たことに繋がります。

梅野源治の公開ミット蹴り

初回興行は12月5日(月)、東京ドームシティ(TDC)ホールに於いて、梅野源治、那須川天心、T-98(今村卓也)、大月晴明が出場予定となっています。来年は年間6回の興行が予定されており、TDCホール、大田区総合体育館を中心に開催。出場選手は各団体、ジム・プロモーションの協力体制を作り上げていくというものです。来年1月より、TOKYO MX TVにて毎週レギュラー放送も決まっています(時間枠は未定ながら、30分枠が妥当の模様)。

記者会見で木谷高明氏が語られた中、インパクトある重要点を簡潔に纏めますと、

3日後の試合を控えての減量中のミット蹴りを終えて、KNOCK OUT出場への抱負を語る梅野源治

「日本は今、国を挙げてスポーツビジネスのGDPを上げようとしており、アメリカのスポーツマーケットは60兆円ある反面、日本は5~6兆円しかなく10対1以下です。KNOCK OUTは最初の2年くらいは赤字だと思いますが、いずれスポーツコンテンツとして世界に売れて、大きなビジネスになると信じています。そうなれば選手のギャラも上げることができます。」

「今、キックボクシングは上位概念が無く、プロレスならWWEがあり、総合格闘技ではUFCがありますが、キックは世界でも団体が乱立していて、可能性の話としてしっかりした上位概念が作れればとんでもないビッグビジネスになるということです。」

「選手のチケット手売りをやめさせ、誰が出るか発表しなくてもチケットが売れるようにしたい。手売りをやってる限り先は無く、手売りは供給側の事情で、お客さんの需要側に立ってないことです。」など。

この発表記者会見後、1試合のみの公式試合、実質KNOCK OUTの最初の試合となります。森井洋介はタイトル歴も豊富なベテラン選手。高橋一眞は4月にNKBフェザー級王座決定戦で村田裕俊(八王子FSG)に敗れているところ、村田でなく高橋一眞が選ばれたところに、このイベントに相応しいと判断された期待感があります。

2度目のダウンを奪うラッシュを掛ける森井洋介

◆59.5kg契約 5回戦

全日本スーパーフェザー級チャンピオン.森井洋介(ゴールデングローブ/59.4kg)
.VS
NKBフェザー級1位.高橋一眞(真門/59.5kg)

勝者:森井洋介 / TKO 1R 2:50 / カウント中のレフェリーストップ

開始早々からパンチとローキックの激しい攻防でした。高橋のパンチが森井の顔面を捕え、蹴り負けない展開。「なかなかやるなあ」と思わせたところ、森井も高橋の出方を読めた頃、高橋のヒザ蹴りに左フックを合わせ、スリップダウン裁定ながら高橋にダメージ与えました。更にパンチ連打で2度のダウンを奪い、高橋は立ち上がろうとするも、足に来てフラつき崩れ落ちたところをレフェリーストップ。勝負に急ぎ過ぎの感がありました。昔の5回戦慣れした選手ならKO率高い選手でも初回からラッシュしなかったと思いますが、KNOCK OUTを意識せず、初回は様子見に進めてもよかったと思います。

森井洋介が高橋一眞をKNOCK OUTした瞬間
森井自身もKNOCK OUT出場をアピール

12月5日(月)東京ドームシティホールにて開催の「KNOCK OUT 」での決定カードは、
スーパーウェルター級超 5回戦
T-98(=今村卓也/クロスポイント吉祥寺)vs長島自演乙雄一郎(魁塾)
&
5回戦(ライト級超を想定)
大月晴明vsスターボーイ・クワイトーンジム(タイ)

他、那須川天心、梅野源治が出場予定で、今村卓也は現・タイ国ラジャダムナンスタジアム・スーパーウェルター級チャンピオンであり、10月9日(日)に現地・ラジャダムナンスタジアムで初防衛戦が予定されています。また梅野源治は10月23日(日)にディファ有明でのREBELS興行で、タイ国ラジャダムナンスタジアム・ライト級王座挑戦試合が控えており、こちらも王座奪取して、KNOCK OUT主催者としては二人の日本人ラジャダムナン現役チャンピオンを揃えたいところでしょう。

スターボーイは元・WPMF世界スーパーフェザー級チャンピオンで、今年3月12日のNO KICK NO LIFEで梅野源治にヒジ打ちでダウンを奪って引分けた選手。

森井洋介も高橋一眞をKOし、12月5日出場を希望、「打倒ムエタイで強い選手とやらせて貰えれば激しい良い試合ができます」とアピールしました。

KNOCK OUTテーマソング制作したBRAHMAN(の一人)、ハリー杉山氏、石井宏樹氏が紹介される

公式リングアナウンサーに選ばれたのはNO KICK NO LIFEでも登場したハリー杉山氏、テレビ解説者に元・ラジャダムナン・スーパーライト級チャンピオンの石井宏樹氏が務めます。

木谷高明氏の会見で、興味深かったのは競技時間の長さや放送時間帯についてでした。

「人が集中して試合を観ていられるのは6~7試合が限界です。通常はこの試合数でいく予定です。」

また放送時間帯についても「MX TVでの放送も深夜に至らない、サラリーマンが帰宅して何か面白いものやっていないかチャンネルを選択している時、偶然キックを見つけてチャンネルを合わせる可能性ある時間帯を目指したいところです。」と語られたところなど、帰宅後、テレビ欄も見ていない一般人がリモコン持ってチャンネルを選ぶ中での偶然性を狙うところは、さすがの感性でしょう。

ラストはいつものリング上での御挨拶の小野寺力代表

“6~7試合”も、前座からメインまで5回戦を組み合わせた全32ラウンド以内が妥当なところと感じます。

前途洋洋と船出したKNOCK OUTですが、既存の団体等がどういう反応を示すか、今は若いジム会長が増えた時代で団体の垣根もあまり感じず協力的なジムが多いので、マッチメイクもあまり難しくないでしょう。イベントとしての“大成功”率は高いと思いますが、競技として、「プロボクシングを越えられるか」という視点で見ていくのも重要なことかと思います。KNOCK OUT興行だけで克服できる問題ではありませんが、その先陣を走るKNOCK OUTがキック業界を率いることになれば新たな面白い時代に入るでしょう。

恒例の集合写真撮影で締め括り

[撮影・文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

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「琉球の風2016」が10月2日、熊本で復活開催! ふんばれ熊本! 必ず行くぞ!

 
10月2日(日)熊本「琉球の風2016」開催!

出直しとなった「琉球の風2016」が、いよいよ10月2日(日)に開催! 鹿砦社も協賛企業として出資、さらに先着1000名に特製エコバッグと、抽選で100名に『島唄よ、風になれ!~「琉球の風」と東濱弘憲』を提供!

当初、5月15日に開催予定だった「琉球の風2016」が、いよいよ10月2日(日)に開催の運びとなりました。

今回で8回目、4月の熊本地震で休止(延期)を余儀なくされましたが、実行委員長が経営する結婚式場も被災を受けながら、地元熊本の方々、沖縄のアーティストの方々のご支援にて、出直し開催の運びとなりました。

◆内田勘太郎さん(元・憂歌団)、南こうせつさん、島袋優さん(BEGIN)、宮沢和史さんらも駆けつけ出演決定!

5月には予定になかった、沖縄に移住されている内田勘太郎さん(元・憂歌団)南こうせつさん島袋優さん(BEGIN)、お馴染みの宮沢和史さんらが急遽駆けつけてくださることになりました。当初からの予定の夏川りみさんかりゆし58ネーネーズも駆けつけます。

昨年5月の「琉球の風」開催風景

また、沖縄からは、なんと100人でツアーを組んできてくれることになりました! 義に篤い琉球人の友情を感じさせます。義援金も集めていただき、持参いただけるとのことです。

鹿砦社関係も、100人には到底及びませんが(笑)7人+αが駆けつけます。また、例年好評の特製エコバッグを先着1000名にプレゼントするのみならず、今年は5回までの記録集『島唄よ、風になれ!』(通常版)を抽選で100名にプレゼントします。太っ腹やで!

◆故・東濱弘憲君が遺した「琉球の風」

このイベントは、父が沖縄・与那国島出身、戦後すぐに熊本に流れて来た父を持つ、私の高校の同級生の東濱弘憲君(故人)が、みずからの琉球の血を自覚し始めたものです。

今年は「トークゲスト」として参加してくださる宮沢和史さん(左)

東濱君は熊本で生まれ育ちましたが、高校時代は、まったくのワルゴロで、こういうことを真面目に考えるような男ではありませんでした。高校卒業後、熊本を離れ、職を転々としながら(マグロ船にも乗ったこともある)、あるいはガンに罹ったりし、そうした中で、彼なりに考えた末に、帰郷し熊本で沖縄料理店を開き、お店での小さなライブを重ね、また沖縄に何度も通いつめ現地のアーティストの信用を得ながら、遂に2008年、沖縄島唄の大御所・知名定男先生を総合プロデューサーに開始されたものです。1回目には、名曲中の名曲『島唄』の宮沢和史さんも出られ、これまでほぼ常連で出演されてきました。「琉球の風」の功労者の一人です。

しかし、1回目、2回目は大赤字、熊本という地方都市で大きなイベントを開催する難しさを思い知らされました。

総合プロデューサーは沖縄島唄の大御所・知名定男先生

◆宇崎竜童さんの男気に感謝! 

ようやく第3回目、宮沢和史さんに加え、BEGIN、われわれの世代には馴染み深い宇崎竜童さんが出演し、ようやく黒字に転化、以降、ほとんど赤字かトントンでアップアップしつつも、「黒糖ドーナツ棒」で急成長した大口協賛企業「フジバンビ」はじめ多くの支援を得て、これまで継続してきました。東濱君の想いに答え、われわれ鹿砦社も協賛企業の一角として支えてきました。

実行委員会が宇崎さんに、出演料を払おうとして口座番号を教えてほしいと連絡したところ、「教えません」と一喝されたとのこと、1回目、2回目の赤字に苦慮してきた実行委員会に配慮された宇崎さんの男気がうかがえるエピソードです。

このかん、東濱君は再度のガンに倒れ、2012年4月逝去、通夜・葬儀には500人以上の人たちが参集し、多くの人たちに愛された彼を象徴する出来事でした。

◆今年の「琉球の風」は熊本震災復興と共に!

そうして多くの心ある方々のサポートで継続してきた「琉球の風」ですが、今年は、あの熊本地震の直後でもあり、特別の意味を持ちます。復興への象徴として――。

私個人にとっても、生まれ育ち少年時代を過ごした、わが故郷・熊本が呻吟する中で、復興への記念すべき「琉球の風2016」になれば、と願います。

今からでも熊本行きのチケットを買い、駆けつけてください! 
なお、「琉球の風2016」の報告は、直後に「デジタル鹿砦社通信」で行います。

▼松岡利康(鹿砦社代表)

10月2日(日)熊本で「琉球の風2016」開催!

 

 『島唄よ、風になれ! 「琉球の風」と東濱弘憲』(「琉球の風」実行委員会=編)
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SMAP紅白出場を強弁し、会長職続投に執着する籾井NHK会長の醜態

 
SMAPアーカイブス イベント編(ジャニーズ研究会)

9月8日に定例会見でNHKの籾井勝人会長が、会見で今年の「第67回NHK紅白歌合戦」に、年末での解散を発表したSMAPの出場を「当然、出てもらいたい」と熱望したのには「裏」がある、とNHK関係者は指摘する。なにせ自らジャニーズ喜多川社長を説得してもいいとすら発言した。

これは来年の1月に行われる「NHK会長選」に続投するための好感度とりパフォーマンスとみるむきが多いが、実は「本気だ」という局内の声。「1月に会長選があるので、続投したい籾井会長としては、少しでも点数を稼いでおかないとならない。このままでは籾井会長は辞任、経団連が推薦する人材に交替で落ち着きそうな気配だ」(放送ジャーナリスト)

籾井会長は、独善的な人事を断行する「強硬派」として知られる。今年の4月に発表された人事では、理事10人のうち、空席だった2人を含めて合計6人が入れ替えとなった。会長側近ながら、事業計画について意見画異なる理事を再任しないなど、独断専行がNHK内の反発を招く。 実際、ありとあらゆるルートを辿ってジャーニー喜多川社長との「接見」を探っているようだ。籾井会長は、2013年12月に経営委員会で選出された。三井物産、ユニシスと大企業を渡り歩いた手腕が期待された。

「ですが、尖閣・竹島問題で『日本の立場を国際放送で明確に発信していく、国際放送とはそういうもの。政府が『右』と言っているのに我々が『左』と言うわけにはいかない』と偏った発言をして物議をかもすなど、『舌禍』問題がついてまわりました。そのたびに側近は火消しに奔走。局内では〝自演炎上会長〟などと揶揄される始末です」(同)

SNSでは「NHK籾井会長が辞任するまで受信料不払いします」というスレッドが立つほどに嫌悪している視聴者も一部いる。NHKの歴代会長は経営委員会で決まるが、政府・与党幹部の胸先三寸で選ばれてきた面がある。自民党長期政権の時代には内閣のポスト配分と同じようなものだったと指摘され、実際、九州旅客鉄道(株)相談役の石原進委員長をはじめとして元・三菱商事(株)代表取締役副社長執行役員だった上田良一や阪神高速道路株式会社取締役会長など自民党のシンパで委員も固まっている。

NHK会長の座は「実質的に閣僚と同義」という見方も。今、NHKへは風当たりが強い。ワンセグ受信料も払うようにとの見解でさいたま地裁で裁判をしている。石原進経営委員長は9月13日、将来的にテレビ放送をインターネットで同時に見られるようにする方針を示しつつ「公共放送を維持していくためには、ネット配信であっても何らかの受信料をいただく必要がある」と話している。

 
SMAPアーカイブス コンサート編(ジャニーズ研究会)

続投となると籾井会長が打つ奇手「SMAPの紅白出場」は続投へのバネとなるか。それとも滑るのか。NHKに「スポーツ新聞等で、籾井会長が『SMAPに紅白に出てほしい』としてジャニーズ事務所と交渉すると言っていたが、すでに交渉したのか」と聞いたが、「スポーツ新聞等の報道は承知していませんが、NHKの公式ホームページで発表されたことがすべてです」とした。

またジャニーズ事務所に「その後、NHKからSMAPに対して紅白歌合戦への出演オファーはあったのか」と聞いたが、コメント依頼書を送ってもファックスでの回答はなかった。SMAPが紅白に出場という期待を持たせて失敗したときの風あたりは強い。「ファンは冷めていて、『SMAP』の今のギクシャクとした共演ぶりを見て『5人が歌うのは無理』と見ている。先日、ファンに150ページ以上のボリュームがあるメンバーの盛りだくさんな写真集が送られたそうだが、これが〝最後のファンサービス〟となるだろうね」(芸能記者)

さて1月、NHKの会長のイスに座っているのは誰だろうか。

(伊東北斗)

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 投稿日: カテゴリー 伊東北斗, 社会問題一般, 芸能

原発推進インチキ・メディアを斬る!《5》『週刊新潮』の呆れたもんじゅ座談会

『週刊新潮』(2016年1月28日号)特別読物原子力の専門学者座談会第12弾「御用学者と呼ばれて」

ずいぶん以前の話だが、「反・反原発」路線で売っている『週刊新潮』の1月28日号で、「特別読物 第12弾 原子力の専門学者座談会 御用学者と呼ばれて」の連載で「高速増殖炉もんじゅと日本の核燃料サイクル」と題して、東京工業大学・澤田哲生助教授、東京都市大学大学院・高木直行教授、東京大学大学院・岡本孝司助教授、北海道大学大学院・奈良林直教授らが「もんじゅ」をテーマに語っていた。
なんてことはない。掲載当時は「もんじゅ」の運営を原子力規制委員会が、日本原子力研究開発機構(JAEA)にかわる主体にゆだねるように馳浩文部科学大臣に勧告した頃だ。要するに、「もんじゅが必要」という論調にもっていきたいのが見え見えの呆れた座談会だ。日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を再稼働させると、少なくとも5800億円の費用がかかると文部科学省が試算していることがアナウンスされている。冗談も休み休み言ってくれよ、週刊新潮! 吐き気すらするこの記事を抜粋しよう。

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澤田 仮に、今回の勧告でもんじゅが廃炉に向かうとしたら、日本のエネルギー政策、原子力政策にどんな影響が及ぶでしょうか。核燃料サイクルはフランスのアストリッドと協力してやる話もあるようですが、国内の六カ所村などの再処理施設はどうなるのか。エネルギー小国の日本がもんじゅを捨てるのは、あまりにもったいないと思います。
岡本 エネルギーを司る役所は経産省と文科省に分かれますが、今回の勧告に監視、経産大臣は「もんじゅは文科省の所管です」とにべもなく語っている。経産省は、核燃料サイクルを推進しているはずですが、地震が多い日本では使えないフランスのアストリッドに期待しているのか。そもそも、もんじゅがつぶれたらアストリッドもありません。
高木 経産省はもんじゅに見切りをつけ、アストリッドとの協力で核燃料サイクルを進めるというのでしょうか。でも、もんじゅをやめた時点で多くの人は、日本が高速増殖炉開発をやめたと思いますよ。
奈良橋 もんじゅをやめてしまうと、日本では二度と高速炉を建設できないと思います。ナトリウムを流して高速炉を運転するのは特殊な技術で、日本は30年かけてナトリウムを使える人を育ててきた。それを絶やしてしまえば、アストリッドと協力しても、日本側から適切なアドバイスをする人がいなくなってしまう。(『週刊新潮』2016年1月28日号)
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おいおい「週刊新潮」よ、いや新潮社の諸兄よ! チェルノブイリの被害を描いてノーベル文学賞をとったベラルーシの女性作家、スベトラーナ・アレクシエービッチ氏の『チェルノブイリの祈り――未来の物語 』(岩波現代文庫)を読んで感想文を書け。そして福島の被災者住宅に個別配付し、悔い改めよ! もしくは、「もんじゅ」の再稼働を署名で止めろ!

まだまだ腐った「原発推進メディア」はたくさんある。ひとつとして許すことはできない。機会があれば、紹介しよう。

(渋谷三七十)

  『NO NUKES voice』vol.9! 特集〈いのちの闘い〉再稼働・裁判・被曝の最前線
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田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』

銀座の蝶、凋落のフジテレビ社長よりも伸びしろある新人作家へ

森村誠一、野沢尚、東野圭吾、池井戸潤などを輩出した“売れっ子作家製造器”とも呼ばれる「第62回江戸川乱歩賞贈呈式」(日本推理作家協会主催・後援・フジテレビ/講談社)が9月9日18時から帝国ホテルで行われたが、この手の文学賞を彩るために呼ばれる「銀座の艶っぽいホステス」が群がったのは、フジテレビ社長の亀山千広社長や講談社の野間省伸ではなく、大御所作家で選考委員の有栖川有栖、池井戸潤、今野敏氏らでもなく、337名の中から大賞に選ばれ、『QJKJQ』で受賞した新人作家、佐藤究(きわむ)だった。

佐藤究氏

「例年、念入りにフジテレビの亀山社長や野間社長や大御所作家に挨拶するのですが、今年、招待された銀座のホステスたちは、挨拶は数分程度で、さっそく『金の卵』と化ける可能性もある新人作家、佐藤のところに並ぶ編集者の列に入ってきたのはびっくりした」(文芸雑誌記者)

とくにフジテレビの亀井社長は活気あふれる受賞式とは正反対でどんよりとした雰囲気。日帯(6~24時)視聴率で、TBSに抜かれて民放4位に転落、破棄がないフジテレビの亀山千広社長は「年々、受賞作が映像化しづらい作品になっておりまして。特に今回の受賞作は、本の帯に『私の家族は全員、猟奇殺人鬼』とある。テレビでは絶対できません」と冗談交じりに、あいさつの弁。その声には張りがなく「体調が悪いのか」とささやかれる始末。負のオーラがばらまかれているのか、近寄るのは男ばかりで、ポツネンとひとりたたずむ姿も。

いっぽうで吉本興業の警備員だったという異色の受賞者、佐藤は「私も今回応募した337名と同じくただ書き続ける日々を送ってきました。書くことは私の古い友人です。作家は、サーカスの曲芸師です。ここはトランポリンやブランコなどを行うサーカスをする楽しい場所です。楽しんでいってください」といっぷう変わった挨拶で聴衆を引きつけていた。

和服姿の美女ホステスがこっそり教えてくれる。「今時の出版社社長や落ち目のフジテレビの社長や、ベテラン作家などに営業しても、もうひいきの店は決まっているし、新人作家は大化けしてベストセラー作家になって大枚をお店に落とす可能性があるのです。だから店どうしの争いも激しいのです」(同)

佐藤への挨拶の順番を巡って割り込む和服ホステスもいて、「ちょっと、私たちが並んでいたのです」と押し返される場面も。いっぽうで野間社長も旧知の男性とばかり話しており、あまり女性を受け付けない雰囲気をかもしだしていた。

「さながらこの会場は現在の不況が凝縮されていた。出版社もテレビ局も銀座の店で遊ぶ余裕がなく、結局、当たれば億単位で稼ぐ“作家”のほうが銀座ホステスにとって“くどくべき相手”だということです。その証拠に、夜8時ごろはもう例年だとほぼ解散なのに,佐藤の“出待ち”をしているホステスもいた」(同)

同賞は、講談社の編集者ががっちりと佐藤をプロテクトしており、佐藤のほうは挨拶してきた連中に名刺を渡さない。

「佐藤が気に入った相手がいれば出版者の編集者であれ、銀座のホステスであれ、広告代理店スタッフであれ、佐藤のほうから連絡するのが受賞式でのマナーであり、ルールです」(同)

さて、凋落のフジテレビ亀井社長は、つぎの予定があるのか早々と会場をあとにした。
「江戸川乱歩賞は賞金が1000万円だが、かつて東野圭吾が『1000万円なんてはした金』と第60回の江戸川乱歩賞贈呈式で言い放ったことがあるように、売れっ子になれば『一晩に数百万を銀座に落とす』のも夢じゃないからね」(同)

この作品は、一家全員がシリアルきらーというかなりエキセントリックな作品だが、ふたりが推薦したようだ。 池井戸潤の選評を紹介する。

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現実と幻想が交錯するストーリーで、その境界線が曖昧なことが読み味なのかもしれない。小説は自由なのだから主人公を含め家族全員が殺人鬼という設定があってもいいし、殺人鬼が犯人を追って密室殺人に挑むというのなら、それはそれでおもしろい。

だが、その謎解きは肩すかしだ。その後の展開も、この小説世界を支える枠組みやルールを後だししている印象を受け、果たしてこれが周到に準備された小説ともいえるか、という疑問を最後までぬぐえなかった。

だが、これはあくまで私一己の読み方である。選考委員のうちふたりがこの小説に最高点を与えて評価するというのであれば、それを拒むものではない。受賞者の今後の活躍をおおいに期待したい。

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いい選評だ。審査委員の今野敏は、「終盤の主人公の少女と実父とのエピソードには思わず涙しそうになった」と語っている。

このところ「文学賞」は、最初からテレビドラマ化しやすい作品に受賞させるようになった。さらに同じおもしろさなら「現代劇よりも時代劇」を、「笑える話よりも泣ける話」を選ぶようにトレンドが変化してきた。ゆえに「本来なら受賞する作品も、落選する可能性がある」と日本推理作家協会のわが師匠も話していた。

さて、「家族全員が殺人者」というストーリーで羽ばたく佐藤氏は、もともと吉本興業の警備員をしていたという変わり種だ。

もともと江戸川乱歩がポケットマネーでつくったこの賞は、森村誠一、東野圭吾、西村京太郎、鳥羽亮ら偉大な作家たちを生み出してきた。この賞の存続を強く望む。

そして92年から後援で参加しているフジテレビよ! 亀山社長よ! 
ドラマ化しにくいのはわかるが、てめえの挨拶が終わるやすぐ帰るという姿勢はいかがなものか。

現在、不況にあえぐ出版社は無名の作家は初刷り1000部なんてザラ。ファンが確実に集まる江戸川乱歩賞受賞作家に「夜の女」がなびき、凋落の出版社やテレビ局らは相手にされない時代が到来したのだ。

(伊東北斗)

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《冤死の淵で》高橋和利氏(鶴見事件) 手記に綴った司法権力への満腔の怒り

外部との交流を厳しく制限され、獄中生活の実相が世間にほとんど知られていない死刑囚たち。その中には、実際には無実の者も少なくない。冤罪死刑囚8人が冤死の淵で書き綴った貴重な文書を紹介する。7人目は、鶴見事件の高橋和利氏(82)。

◆80代まで生き永らえた原動力

今年2月に発売された私の編著「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(鹿砦社)には、高橋氏も手記を寄稿してくれている。その手記は次のような冒頭の一文が非常に印象的である。

〈八十一歳。私をこの歳まで生き永らえさせているものは、足の先から頭の天辺にまで詰まり凝り固まっている司法権力への失望と満腔の怒りだ〉

横浜市鶴見区の小さな金融会社で、経営者の夫婦が殺害される事件が起きたのは1988年6月20日のこと。ほどなく殺人の容疑で検挙されたのが、現場の金融会社に出入りしていた電気工事会社の経営者で、当時54歳の高橋氏だった。それから28年。この間に高橋氏は無実を訴えながら死刑判決が確定し、再審請求も退けられているが、裁判の過程では、冤罪であることを示す数々の事実が浮き彫りになっていた。それゆえに高橋氏は、司法権力に対し、〈満腔の怒り〉を抱くに至ったのである。

髙橋氏が綴った手記の原本計20枚

◆捜査や裁判を舌鋒鋭く批判

そもそも、高橋氏がこの事件の犯人ではないかと疑われた原因は、事件の日に現場の金融会社を訪ね、被害者夫婦が殺害されているのを目撃しながら、警察に通報せず、その場にあった現金を持ち逃げしたことによる。つまり、第一発見者が犯人にすり替わってしまったのだが、この経緯を見る限り、高橋さんにも落ち度はある。

しかし裁判では、事実上唯一の有罪証拠である自白には、様々な不自然な点が見つかった。しかも、高橋さんは取り調べに対し「凶器のバールやプラスドライバーはゴミ集積場に捨てた」と自白しているにも関わらず、なぜか凶器は見つかっていない。しかも、現場の金融会社は事件の4カ月前にも窃盗に入られ、融資の借用証や不動産の権利証などの重要書類を盗まれているなど、「別の真犯人」が存在することを窺わせる事情も色々存在したのである。

高橋氏が収容されている東京拘置所

それゆえに高橋氏の捜査批判、裁判批判の舌鋒は鋭い。

〈取り調べの凄まじさは話の外で、思うだけで抑え難い怒りでむかついてくる。(略)大声で罵倒、椅子、机を蹴り、足や脇腹を蹴り、髪を掴んで振り回し、体重をかけて覆いかぶさり机に押さえ付ける。そうしたことをいくら裁判官に訴えても、証人として出廷した警察官が捜査段階での暴力や脅しはなかったと証言しているのだから、そういう事実はなかったのだ。(略)裁判官には洞察眼の欠けらもない。被告に向けるのと同じ疑いの眼を、なぜ証人の警察官にも向けて見ようとはしないのか。〉

◆妻が語る冤罪死刑囚の実像

手記だけを読むと、雪冤に執念を燃やす高橋氏について、読者は気難しい人物なのではないかという印象を持ちそうだ。しかし、妻の京子氏によると、実際の高橋氏は会社に入ってきたカマキリを追い払うことすらできない優しい性格の人だったという。前掲書では、事件の詳細のほか、京子氏へのインタビューにより高橋氏の誠実な人柄も浮かび上がっている。
 
【冤死】
1 動詞 ぬれぎぬを着せられて死ぬ。不当な仕打ちを受けて死ぬ。
2 動詞+結果補語 ひどいぬれぎぬを着せる、ひどい仕打ちをする。
白水社中国語辞典より)

▼片岡健(かたおか けん)
1971年生まれ、広島市在住。全国各地で新旧様々な事件を取材している。

 「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(片岡健編/鹿砦社)
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落ち目のジャニーズ起死回生──SMAPの後継候補はNEWSか?

日本テレビ「24時間テレビ39 愛は地球を救う」でパーソナリティとして活躍したジャニーズの「NEWS」が業界関係者に見直されている。メンバーがつぎつぎと離脱する窮地の連続を経験しながら、なんとかエンターテイメント界で生き残った「NEWS」が涙ながらに歌うテーマ曲「フルスイング」もよかったという視聴者からの電話やネットの書き込みも多数あった。

「マーケティング会社によれば、これで好感度がグッとあがりました。もしかすると今年いっぱいで終了する『SMAP×SMAP』(フジテレビ)のあとがまにもってくる候補としてのしあがったと思います」(プランナー)

 
NEWS四重奏(ジャニーズ研究会)

なぜ、ここにきて「NEWS」がクローズアップされるのか。

「とくにドラマ『盲目のヨシノリ先生』で、盲目になる国語教師を演じた加藤シゲアキを支えるリハビリ指導員を演じた小山慶一郎の演技が高い評価。これは視聴率20.5%をマーク。強姦致傷で逮捕された俳優の高畑裕太容疑者の代役で急遽、2日間で撮影したものだが、ネットでは『急遽の代役とは思えない演技で感動した』『同じNEWSのメンバーどうしだから息がピッタリ』といった絶賛の声も多数、視聴者センターに寄せられたようですし、SNSで展開されました」(芸能関係者)

そもそも「どうして落ち目のジャニーズの「NEWS」を抜擢するのか」という厳しい声があいついだのが、今回の「24時間テレビ」のキャスティング。だが『NEWS』自身にとっては『SMAP』解散の余波を受けて、ジャニーズの稼ぎ頭を争う戦国時代に売り込みには絶好の機会だったのだ。

「この『NEWS』は苦難の道を歩んできたグループです。03年に9人で『バレーボールワールドカップ2003』のイメージソングを含むシングルでデビューしたものの、すぐに森進一の息子の森内貴寛が脱退。05年は内博貴が飲酒で謹慎。06年は正月あけで草野博紀が飲酒で活動を自粛し、5月にこの事件をきっかけにグループの年内活動休止が発表されました。これに嫌気がさして内と草野が脱退。07年にようやくグループ活動を再開しますがなかなかCDは売れず。2011年にすでにソロとして活動していた山下智久と『関ジャニ∞』とかけもちしていた錦戸亮も脱退して解散の危機を迎えます。なんとか4人はグループ継続を誓い、ここまでこぎつけたのです」(同)

この間、グループとしてはなく、それぞが「個」の力をつけてグループ全体の力を押し上げた。加藤シゲアキは小説『ピンクとグレー』を執筆し、20万部を超えて映画化、手越祐也は好きなスポーツの知識を活かして『手越祐也&城彰二の『サッカーアース』(日本テレビ)でキャスターを務めたり、ファッションリーダーとしても王子キャラを確立、また小山慶一郎はニュース番組『news every.』(日本テレビ)でキャスターを務めるクレバーな立ち位置を確保。また増田貴久は舞台での演技に定評があり、ソロ曲を多数リリースし「Miso Soup」でTegomass(手越祐也とのユニット)としてスウェーデンでデビュー。それぞれ個の力を発揮して独自にファンを開拓して生き残ったきた希有なグループです。グループが売れてから『個』が売れてきた『SMAP』とは真逆の軌跡ですよ』(同)

かくして、今回の「24時間テレビ」で「SMAPのあと番組を埋める役回り」に緊急浮上してきた『NEWS』について「あの子たち、がんばっているじゃないか」とジャニー喜多川社長がテレビを見た感想を側近に漏らしたという情報もスタイリスト経由で入ってきた。

「ところがそう話は一足飛びに行かない。『SMAP×SMAP』が来年の春に終了する予定で動いていたフジテレビはジャニーズ事務所に対してそうとう不信感が残っている。あとがまのタレントは、報道されているように『SMAP』の元女性マネージャーとも、次期社長といわれる藤島ジュリー景子からも中立的な立場をとる『KinKi Kids』が有力だといわれるが24時間テレビの勢いをかって『ジャニーズ事務所』アレルギーが残る編成筋に『NEWS』を押し込めるかどうか。いちまつの不安は残りますけどね」(スポーツ紙記者)

フジテレビに「年内で終わる『SMAP×SMAP』(フジテレビ)のあとがまのタレントとして『NEWS』が浮上しているようだが」と聞いたが「まだ番組が年内に終了することしか決まっていません」とその先の予定については決まっていないと強調した。
メンバー間がゴタゴタした『SMAP』が去り、すでにメンバーのゴタゴタをひととおり乗り越えた『NEWS』が『SMAP×SMAP』に乗り出せば、「雨降って地固まる」で爽やかな印象が残りそうだが、現実はいかがだろうか。

(伊東北斗)

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レフェリーとジャッジ──採点を付ける難しさ、切磋琢磨する日常!

記入ミスは許されない公式採点結果の一部

「レフェリー(主審)の方が楽だ。この試合KOで決まってくれないかな!」

打ち合いの少なそうな試合の前、ジャッジ(副審)を務めるある審判員が冗談ながら小声で漏らした本音でした。

キックボクシングの判定結果は、陣営からよく不満が漏れる溜息や、非難、罵声が飛び交うことがたまにあり、観衆の前でかなり強烈な印象が残ってしまう光景があります。主要試合になるほど、ベテラン審判員が裁くのは当然ですが、僅差の攻防戦の場合、未熟な審判が採点しても、ベテラン審判員が採点しても、採点に現れる差は結局、非難・罵声が飛び交うのは同じことかなと思うことがあります。

プロボクシングで見かけた光景ですが、採点が読み上げられ、勝者コールをしたリングアナウンサーに水をぶっ掛けた陣営、後楽園ホールで青コーナーから控室へ引き上げる途中、レフェリー待機場所となっている北西の角の閉鎖シャッターを裏から“バシーン”と思いっきり叩いて行った陣営、世界戦で採点に加わっていない、裁いたレフェリーを突き飛ばした例もありました。業界でかなり有名なベテランの審判が加わっていてもこんな事態です。

キックボクシングでも昔から不満を当り散らす光景はよくあり、ジャッジに詰め寄ったり、採点集計を確認に来る陣営もよく見かけます。

「やっぱりキックは血の気の多い人種の集まりだな」という声も聞かれますが、そういう印象の強くなる観衆の前で騒ぎ立てるのはやはりやめておいた方がいいと言えるでしょう。

◆選手に安心して試合に集中できる公平なルール作り

ジャッジでは緊張感持った採点で、秤を見つめる眼も厳しい和田良覚レフェリー。計量の数値は秤が出してくれる明確さで安心感あり!

まだレフェリー教育が徹底していなかった過去の時代で目立った例は、ジャッジが未熟で認識が疎すぎて、主導権を握った優勢な展開でも5回戦で50-50という採点が付けられる試合がありました。有効打だけを見ていればそんな採点も可能ですが、明らかに手数、積極性が優っていたにも拘らず、主催者側を意識した偏りになったと思える採点でした。

また、接戦で三者の採点が分かれる原因のひとつは、優勢と見極めた個々の思考が違う場合や、ジャッジの位置によってはっきり見える位置と、見えなかった位置との印象点の違いがあるでしょう。

「レフェリーの方が楽だ」とすべての審判が感じている訳ではなく、リング上で裁くレフェリーの方が瞬時に機転を利かす判断が必要で、曖昧な判断は直接非難を浴びるので、楽とは言えないと思いますが、こんな大変な役割を担っているのもキックボクシングが大好きな人達なのだろうと思います。

選手に安心して試合に集中できる公平なルールの下(もと)、そんな過去の頼りないレフェリングや、罵声を浴びる身分の低いレフェリーから脱皮しようという革命を起こしたのが今ある二つのレフェリー協会なのでしょう(他団体レフェリーの参加も可能)。

◆ルンピニージャパン興行で来日したベテランレフェリー、ウドム・ディー・クラチャン氏

ムエタイレフェリー最古参のウドムさん。カメラ(スマホ?)を構える姿もベテラン級?

最近は本場のムエタイが上陸して当たり前の時代、現地プロモーターや公的試合役員が来日する中でのムエタイ・タイトルマッチなどでは、厳密な見極め解釈が一般的に分かり難い中、素人的な説明になってしまいます。

「パンチはほとんど軽視され蹴りに重点が置かれる」という昔からの一般解釈や、「ムエタイ独自の流れの中でポイントが付き難い前半はあまり動かず、中盤から優位に進めポイントを採って勝ちを確信したら最終ラウンドは流す」とか、「蹴られてもすぐより強く蹴り返せば、効いていない証明になり優勢」とか、「組み合って首相撲から転ばせれば優勢」とか、「相手のハイキックを、上体を後ろに反らすスウェーバックで避けるのは有利だが、相手のミドルキックを腰だけ後ろに引いた避け方は不利」などなど──。

これらはムエタイ駆け引きの中でよく聞く優勢を導く見方ですが、この辺の真実味のある話は、本場ムエタイのレフェリーなど、組織役員に聞かなければ分からないムエタイの難しい採点があることも事実で、仮に4人の審判とも日本人で裁いたらタイ側から非難轟々のクレームが来そうな雰囲気です。

7月17日、ルンピニージャパン興行で来日したルンピニースタジアムのベテランレフェリー、ウドム・ディー・クラチャン氏は裁く側のそんな経験値を歴史的にも長く持っている人でしょう。

1990年のMA日本キック連盟でのソンチャイ興行(山木敏弘氏主催)でもベテランレフェリーとして来日していたウドム氏は今もリングに立つことがあるという超ベテラン、驚きの最古参です。我タイ語がしっかり出来ればその経験値をいろいろ訊ねてみたい人物です。

◆どんな好ファイトもレフェリーがミスを犯せば台無しになる

ルールミーティングの様子

ムエタイやキックボクシングはボクシングより多彩な技があって複雑な見極めの採点基準です。仮にレフェリーにも大相撲の行司のような昇格・降格制度が作られ、更に衆議院議員総選挙の際の、最高裁判所裁判官国民審査の「辞めさせた方がよいと思う裁判官に×を付ける投票」のように、ファンや選手による「毎年1人辞めさせた方がよいと思うレフェリーに×を付ける投票」なんてあったらレフェリーも更に緊張感もってレフェリングすることになるでしょう。現状はレフェリー組織も纏まっていないので不可能ですが、そんなシステムもあれば競技発展への手段のひとつかもしれません。

レフェリーがミスをすれば好ファイトも台無しになる場合もあります。また見事なタイミングで試合を止めれば感動の名勝負で終る場合もあります。ラウンドガールやタイムキーパーだけではない、“最も重要な名脇役”という存在の“名レフェリー”と言われる実績を残して欲しい方々です。

1月31日の本コラム「抗議にも罵声にも屈せず闘い続けるキックボクシング界レフェリー列伝」に似たレフェリーに関するテーマとなりましたが、今回は採点の難しさ中心の話題に触れました。また近いうち、採点の振り分け(10-10から10-7の付けられ方)について触れようと思います。

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

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蓮舫民進党新代表のアイデンティティを創価学会系雑誌はどう伝えていたか?

民進党代表選が15日投開票され、蓮舫代表代行(48)が503ポイントと1回目の投票で、過半数を獲得し、新代表に選出された。日本と台湾の二重国籍でネガティブな報道が相次ぐ中、それをはねのけての当選は見事だが「隠された爆弾がまだある」と与党のベテラン議員。

蓮舫は、先月の末に台湾を日本の二重国籍問題がもちあがってから「私は昭和60年に国籍選択の宣言をして台湾籍を抜き、日本人です」と主張。その後の発言が二転三転し、苦しい弁明を続けていた。

「今話題の〝二重国籍問題〟は、かつてインタビューに『台湾籍は抜いている』と答えてきたが投票直前、郵送の党員やサポーターの投票が締め切られる13日に蓮舫はとってつけたように二重国籍を発表。これについて松原仁元国家公安委員長が『代表戦の運びとしてよくない』と話すなど、出馬辞退がくすぶっていた中の当選なので、頭に来て『ばかばかしい。こんなのは茶番だ』と選挙会場となったホテルで万歳三唱の中、捨て台詞を吐き捨てて帰る古参議員もいた」(民進党議員秘書)

過去のインタビューの発言で「だから自分の国籍は台湾なんですが」(『CREA』97年2月号)や「私は帰化しているので国籍は日本人だが、アイデンティティーは『台湾人』だ」(「週刊ポスト」2000年10月27日発行号」)、「どこも指摘していないが、隠された爆弾がある」と政治ジャーナリストは言う。

「実は創価学会系の第三文明社からリリースしている母親向け月刊誌『灯台』の2003年3月号で、学生時代をふりかえるインタビュー企画『マイ・スクール・デイズ』で、かつて『自分のアイデンティティー台湾を捨てるのが嫌だ』と父親に反対した記述があるのです」(事情通)

記事にはこうある。

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私は、日本と台湾のハーフです。『国籍』というか、自分のアイデンティティー(自己同一性)について考えはじめたのは小学校一年の頃です。私の名前は「謝蓮舫」なのですが、「舫」という字は常用漢字にも採用されていなくて、なかなか自分の名前を漢字で書けませんでした。このとき「自分と他者はちがう」とはっきりわかるようになり、自分のアイデンティティーを考えはじめ、父に「台湾ってどんな国なの?」と聞いたり、学校の隣の図書館で台湾に関する本を読みふけったりすることもありました。一度だけ、国籍をめぐって父と衝突したことがありました。一九八六年に、国籍法が改正され、それまでは無条件に父方の国籍に入らなければならなかったのですが、未成年でも自分の意思で父と母、どちらかの国籍を選べるようになったのです。両親の結論として「男の兄弟は、いつか結婚や就職があるから、日本国籍にしたほうがいい」ということになりました。私も日本国籍になることを勧められました。私は「自分のアイデンティティーである台湾を捨てるのはいやだ」と断固として反対しました。ですが、父親からは「そうしたほうがいいと思う」というあいまいな答えが返ってきたのです。あとにも先にも、父があいまいな答えをしたのは、そのときが最初で最後だったと思います。結局、私は帰化申請して日本人となりました。ですが、父も「謝」という姓が子どもたちの代でなくなるのはさみしかったと思いますし、本当は父の名前を私に受け継いでほしかったのではないかと思っています。
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インタビューは、出馬する前年の03年の2月に行われた。当時、インタビューしたライターは言う。

「子供を産んだばかりで産休でタレント活動を休んでいました。その中をインタビューに応じてくれて感謝しています。ところが国籍のことになると「父が(台湾籍を外す)手続きをしたので正確にはどうなったかわからない」と顔をくもらせて、しまいには「正確にお知りになりたければ、台湾に行って確認されたほうがいいと思います」と記者に確認を投げ返す始末。本当にあきれかえりましたね。取材した相手に『国籍が正確に知りたければ調べろ』と言われたのはあとにも先にもこれが始めてです」

このインタビュー記事は、一部、民進党幹部の目にとまった。

「これはまずい。公明党の支持団体の創価学会に思い切りウソをついた上に、一部の地方選挙で行っている選挙協力体制にもヒビが入る可能性がある」(前出・民進党議員秘書)

今回の民進党代表選では、とにかくネガティブな情報が流れないように大手新聞やテレビの取材ばかり優先して、「大本営発表」ばかりにしたのもげせない。記者クラブ外の記者は取材に四苦八苦して一週間ほど蓮舫の事務所は電話しても誰もでず、民進党本部に連絡して二重国籍問題について聞いても「それは事務所に聞いていただけますか」とやんわりと逃げられた。

「国会質問でとりあげられてこの雑誌が仮に出されたら、どうこたえるかだね。彼女のブレーン筋から聞くとすでに『想定問答』をしているふしもある。ただし、与党に対して辛口なキャラだけに、創価学会系のメディアに出ているのみならず『ウソをついていた』となるとかなり攻め所を残した印象だ」(同)

そして「03年の2月号の『灯台』で『台湾籍を外して日本人です』とこたえているが、本当のところはいつ外したのか」とメールで聞いたが回答は期日までになく、代表選で忙しいのか、それともこの手の質問を嫌ってか3日連続で電話には誰もでなかった。

「灯台」の版元の第三文明関係者は、蓮舫が過去、国籍を語ったインタビューについて「何も話したくない」と電話を叩ききった。

かつて「仕分けの女王」で世間を賑わせた歯切れのいい新代表が自らの国籍で永田町から「仕分け」られようとしている。

(鈴木雅久)

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原発推進インチキ・メディアを斬る!《4》反原発異論で晩節を汚した吉本隆明

膨大な知識量には感嘆するものの、「知の巨人」だとしても言説は斬るべき。間違いは間違いだ。『「反原発」異論』(論創社2015年1月)で吉本隆明は、こう綴る。故人を攻撃しているわけでもなんでもなく「間違いを正して原発を廃止する」ための方策で取り上げるので、けして吉本の人格を斬るわけでない。
吉本は「反原発で猿になる」というタイトルでこう書いている。

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 僕は以前から反核・反原発を掲げる人たちに対して厳しく批判をしてきました。それは、今でも変わりません。実際、福島第一原発の事故では被害が出ているし、何人かの人は放射能によって身体的な傷害が生じるかもしれない。そのために〝原発はもう廃止したほうがいい〟という声が高まっているのですが、それはあまりに乱暴な素人の意見です。今回、改めて根底から問われなくてはいけないのは、人類が積み上げてきた科学の成果を一度の事故で放棄していいのか、ということなんです。考えてもみてください。自動車だって事故で亡くなる人が大勢いますが、だからといって車を無くしてしまえという話にはならないでしょう。ある技術があって、そのために損害が出たからといって廃止するのは、人間が進歩することによって文明を築いてきたという近代の考え方を否定するものです。そして技術の側にも問題がある。専門家は原発事故に対して被害を出さないやり方を徹底して研究し、どう実行するべきなのか、今だからこそ議論を始めなくてはならないのに、その問題に回答することなしに沈黙してしまったり、中には反対論に同調する人たちがいる。専門家である彼らまで〝危ない〟と言い出して素人の論理に同調するのは「悪」だとさえ思えます。(中略)一方、その原子力に対して人間は異常なまでの恐怖心を抱いている。それは、核物質から出る放射線というものが、人間の体を素通りして内蔵を傷付けてしまうと知っているからでしょう。防御策が完全でないから恐怖心はさらに強まる。もちろん放射能が安全だとは言いません。でも、レントゲン写真なんて生まれてから死ぬまで何回も撮る。普通に暮らしていても放射能は浴びるのです。それでも、大体九十歳までは生きられるところまで人類は来ているわけです。そもそも太陽の光や熱は核融合でできたものであって、日々の暮らしの中でありふれたもの。この世のエネルギーの源は元をただせばすべて原始やその核の力なのに、それを異常に恐れるのはおかしい。(吉本隆明『「反原発」異論』論創社)
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おいおい吉本大先生よ、核が「ありふれたもの」だって? バカも休み休み言っていただきたい。すると北朝鮮で金正恩が核開発しているのも「日常のひとコマ」ってわけだ。天国で福島原発事故の際に亡くなった人の怒号を聞け!

(渋谷三七十)

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