柴咲コウが同調し、小泉今日子も後押し?──小栗旬「俳優労組」結成への道

過去を隠して人気キャスターと「契約結婚」し、幸福を求める自分と、旦那の成功を天秤にかけて苦悩する女を描いたドラマ「○○妻」(日本テレビ)の撮影は昨年内に終了。早めに終わらせたドラマの場合、番組のプロモーション活動に力を入れることが多いのだが、主演の柴咲コウはそんな番宣にイヤな顔をしていたという話が聞かれる。

「ある番組出演でドラマをPRするコーナーを設けてもらったんですが、おおよそ8分の尺を用意してもらったところ、柴咲が“長い!”と急きょその半分ほどに変更させたという話です」と番組関係者。

「もっともドラマ本編の撮影でも、柴咲さんの不機嫌はあったようで、共演者の遅刻で待たされた際、罪のないスタッフを怒鳴り散らしたと聞きます」(同)

◆噂に翻弄される柴咲コウの憂鬱

その原因は定かではないが、関係者間では諸説が乱れ飛ぶ。

「過去の過ちを引きずりつつも明るい未来を目指していく難しい役作りにピリピリしていた」「脚本の遊川和彦が撮影現場に来て、演技について口出し、それをスタッフが鵜呑みにしたことでギクシャクした」「来年のNHK大河ドラマの出演オファーを本人の意向と違ったところで断ったことが理由」「単に花粉症だったらしい」などなど。

柴咲といえば、元サッカー日本代表の中田英寿との仲が噂されるが、当然ながら、この話は関係者間でもタブーとなっていたという。「そんな話を持ち出したら不機嫌どころか仕事をひっくり返す騒ぎになりそうだった」と同関係者。
それでも柴咲は昨年8月に三池崇史監督の映画『喰女─クイメ─』、12月に小栗旬主演で人気を集めたドラマの映画版『信長協奏曲』と、立て続けに出演し女優としては脂がのった状況で、少々のご乱心も許されているという。

「本人はギャラで仕事を選ばず、中身で選ぶところ、所属事務所はやはりギャラ優先にしますよ。そこは食い違いが出て柴咲の不機嫌につながっているという話ですが、撮影の打ち上げひとつでも『打ち上げに行く、行かない』で揉めたり、彼女の機嫌を取るのもスタッフの仕事になりつつあります」(同)

一部で柴咲はヘビースモーカーだといわれるが、番組関係者によると「たばこを吸ったところは見ていないし、喫煙室を用意しろとも言われていない」という。演技の世界では演技中にタバコの口臭が出てしまうのはマナー違反といわれることから、柴咲がそれを守ってイライラしているのかもしれないが、日本テレビ広報は柴咲の不機嫌自体を「掌握していません」と否定している。

◆昔よりも裏の圧力が弱まっている

一方、そんな柴咲が「芸能界の悪しき風習をぶち壊さないといけない」と言い出している小栗旬に同調して、俳優の組合作りを支持するというウワサもある。

小栗は昨年、現在の芸能界に不満を持って俳優の労働組合を作りたいと雑誌の対談でほのめかしている。「みんなけっこう、いざとなると乗ってくれないんですよ。やっぱり組織ってとてつもなくでかいから“自分は誰かに殺されるかもしれない”くらいの覚悟で戦わないと、日本の芸能界を変えるのは相当難しいっすね」と言いながらも「本格的にやるべきだなと思っています」と業界ではタブーとなっている権利独占ビジネスへの戦いの旗振り役となることを宣言した。

そこに「信長協奏曲」で共演した柴咲も同調し、大手芸能プロのキャスティング寡占に反旗を翻すのではないかというわけだ。

ただ、この話には伏線がある。それ以前に業界を牛耳るバーニングの大物タレント、小泉今日子も『芸能界の裏の帝王』こと周防郁雄社長に背を向けるように業界批判をしており、一部の人気タレント連合ができつつあることで名乗りを上げやすくなっていると見られる。小栗発言は業界内でも物議を醸し、決まりかけていた映画出演が白紙になったというウワサもあるのだが、それでも何の影響もなくテレビ新CMに起用されたりもしている。昔よりも裏の圧力が弱まっていることを示したともいえる。

「小栗は共演者がバーターで起用された演技力のないアイドルだったりすることにいら立っての発言で、今後は自腹で稽古場を作って政治力に左右されない俳優養成所を持ちたいようです。これは柴咲も同じで、自分にはるか及ばないアイドル女優と肩を並べることに腹を立てたという話」(芸能ジャーナリスト)

◆小泉今日子が独立すれば業界秩序は一変する

言われてみれば、福山雅治主演の大人気のドラマ「ガリレオ」は最新シリーズではヒロインの柴咲コウが降板して、福山と同じ事務所の吉高由里子に変更したことがあった。このあたり柴咲の不愉快な思惑があったとしてもおかしくはない。とはいえ、自分自身の力では芸能村の掟に逆らえるわけもなく、現場での不機嫌でうっぷんを晴らすしかなかったのかもしれない。ただ、小泉今日子がバーニングから独立するような動きが本当にあれば業界は一変する可能性もある。

小泉は、もともとアイドル時代に事務所に無断で髪をショートにし、恋愛を繰り返す「やんちゃ姫」で、そのうちに「社長になるのが夢だった」と公言、バーニングの次期社長に抜擢されるという仰天情報が乱れ飛んだこともある。そんな中、雑誌『AERA』で「私みたいに事務所に入っている人間が言うのもなんだけど、日本の芸能界ってキャスティングとかが“政治的”だから広がらないものがありますよね。でも、この芸能界の悪しき因習もそろそろ崩壊するだろうという予感がします」と発言。古いタイプの芸能コメンテーターはバーニングに気をつかって、ここぞとばかりに小泉の発言を批判的に取り上げていたが、逆に「よくぞ言った」という声も少なくなかった。

長い間、芸能界の闇を追ってきた芸能ジャーナリストの藤堂香貴氏は言う。

「通常なら干されてもおかしくない発言ですが、一説にはキョンキョンが芸能界のドン、バーニングの周防郁雄社長の顔を立てるために一肌脱いだことが何度もあり、それで彼女は何をしてもお咎めなしだといわれています。小泉は30年以上もバーニングを支えてきた功労者である一方、周防社長の裏の裏まで知り尽くしているとも言われていますし、タレント以上の力があるのは事実」

小泉の後押しで小栗、柴咲といった俳優が悲願の労働組合結束につながるのか、それとも過去の例に倣って潰されるのか、裏の動きに注目だ。

(ハイセーヤスダ)

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《誤報ハンター01》芸能リポーターらが外しまくる「福山雅治」の結婚報道

どうやら週刊誌やスポーツ新聞、ネットニュースというものは、どうにも現実とはほど遠い「誤報」をしても許されるものらしい。そして、たいがい外した誤報は「検証」されない。しかし、私は執拗に「なぜ記者が外し、ガセとなったのか」をいやらしくも検証してみたい。私のもとには昨年も大きな見出しで「今、振り返れば誤報となっている」週刊誌やスポーツ新聞やネットニュースのプリントが山となって積まれているが、ターゲットは無数にある。まずは、芸能リポーターらが必ず外す「福山雅治結婚」の誤報について検証する。

◆「本当のことを隠すために、誤った情報を平気で流す」アミューズ

まず、福山雅治が所属する事務所、アミューズの特異な体質として「本当のことを隠すために、誤った情報を平気で流す」ことがあげられる。こうした「あえて違う情報を流す」ことを業界用語では「煙幕」とか「誘導弾」などと呼ぶが、とにかくアミューズはあえて事実とちがう情報を流す誘導が多い。

ネット番組の「芸能番リターンズ」では、昨年の8月、松本佳子という芸能記者が「福山と吹石一恵が年内(2014年内)にも結婚する」と断定的に話していたが、これこそが煙幕であり、毒牙である。福山は写真週刊誌にも吹石との関係が暴かれていたが、これも誘導で、本当に隠したいのは、二十代の一般人の女性だ。

もっとも一般人の女性と福山の関係を知っている、もしくは掴んでいるとされるのが、日刊スポーツの芸能記者だ。

「福山は、家庭をかえりみなかった父親の記憶がトラウマになっており、結婚そのものをしない可能性がある」とする報道もある。

これもまた、誤報である。

「福山は、昨年の夏ごろから、結婚のタイミングについて、芸能界の『大物』にこっそり相談しています。結婚するからには、事務所もタイミングについては了承しないといけませんし、福山が計画している『海外移住』をどうするかという話ともリンクしてきます」(芸能ジャーナリスト)

前々から、福山は「海外に拠点を移して、音楽活動したい」と事務所や側近に相談を繰り返していた。こうした中で、「すわ、結婚して海外移住か」と浮き足立つのはよくわかる。そうなるのは、芸能記者の勇み足だ。

「何ヶ月くらいか知らないが、実際に吹石と福山が交際していたのは事実。だがこのあと、吹石は、アミューズに頼まれて福山の本命を隠すための『スケープゴート』にされた。つまり、吹石にマスコミの目が向いている間は、『本命の相手』を隠せるというわけです」(同)

◆芸風とはいえ、芸能番としては痛すぎる松本佳子記者

なぜ、そうまでして、アミューズは記者に「煙幕」を張るのか。

「それは、結婚して人気が急落するのは困るからです。今や福山のコンサートやCDの売り上げは、サザンオールスターズと並んでアミューズのドル箱です。試算では、結婚すると売り上げが4割近く減ると見る音楽業者もいますよ」(同)

かくして、前出の通り、松本佳子記者が「煙幕」に引っかかることになる。

そんな福山には、低迷するNHK大河ドラマ「花燃ゆ」で、坂本龍馬役のオファーが来ていると報道があった。視聴率が13%前後で低迷している同大河ドラマのカンフル剤としてはうってつけだが、これは断ったようだ。

「2013年に『龍馬伝』で坂本龍馬として主演しているからNHKとしては安全策だろうが、福山としては、海外移住の段取り…つまり英語会話だとか、海外の音楽家にコネをつけていくとか、根回しをしておいたほうがいい仕事が山となっており、とてもドラマどころじゃない。その証拠に長年やってきたラジオの仕事をことわったほどです。そうした『人生設計』のひとつとして、結婚があるのかもしれませんが、結婚が先にあって、海外移住を考えるようなことはありません。そうした意味で、芸能記者たちが推測で話すのは危険なのです」(同)

前出の松本佳子記者は、「SMAPのメンバーがプロデューサーと乱交した」「上原多香子が芸人と公衆の面前でセックスした」などと奇想天外なネタをネット番組で話すことで知られるキャラだが、こうした奇想天外なネタを話すのも人気のうちだとされてきた。だが、「煙幕」に引っかかるとは、記者としては痛すぎる。

「まあ、そうした煙幕にやすやすと引っかかってしまったことで、『あの番組には出るか』となった芸能記者も多いはずです。福山と吹石の結婚の話は、たとえば歌舞伎町のホストでも耳に入っているほど、アミューズが広げた『煙幕情報』ですからね」(音楽関係者)

そうした中、ついに知り合いの週刊誌記者は、福山のお相手の一般人女性の住所にたどり着き、毎日のように張り込んでいる。

「もうすぐ誌面を楽しみにしておいてください。必ず、福山とその相手の2ショットを押さえてみせます」と記者は言う。

だが福山は記者を振り切るのに、同じ車種を用意してダミーとして走らせたり、カースタントばりに記者の車を「まく」ことには天才的にうまいことでも知られる。

「まあ、二十代から記者には追いかけられて慣れていますからね。ですが、絶対に気を抜いて2ショットになるタイミングはあります」(前出記者)とのこと。アミューズに「福山が結婚するのは本当か。するとすれば相手は誰か」と聞いてみたが、「担当者が不在」としている。

そんなわけで、福山の相手としてタレントや歯科衛生士などを追跡しているマスコミらは、「誤報」を今後も連発するだろう。外したネタを自慢げにひけらかすことなかれ。ウシシシシシ。(伊東北斗=芸能ライター)

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秋吉久美子長男不審死の水面下で蠢く「タレント整形カルテ」流出騒動の闇

芸能人の整形手術を数多く手がけている赤坂のMクリニックの医院長が急遽、亡くなった。2012年の夏のことだ。

「病院を継ぐご子息もいませんし、廃院になったのですが、どういうわけか何者かに芸能人のカルテが全部持って行かれていることが、看護婦の調査でわかったのです」(医学ライター)

このクリニックは、院長夫人と仲がいいのが女優の秋吉久美子。

「よく赤坂のTBS近郊のレストランで秋吉と院長夫人が仲間を集めて主婦たちとランチをしているのを見かけましたね。ただ、院長が亡くなってから、遺産相続で後妻である奥様と、院長の前妻との間に生まれた娘がかなり揉めていたそうで、娘の遺産の取り分がかなり少なかったのです」(同)

◆「表に流出したら、ちょっとした事件になりますよ」

そして今年に入り、Mクリニックで、整形した芸能人のカルテが、芸能記者たちの間に出回ることとなる。

「そうしたタイミングで、1月13日未明、秋吉の長男が大学病院で不審な死を遂げたのが発見されています。大学病院の防犯カメラには、鞄を持ち、逃げるように走っている長男の姿が映りこんでいます。死から3日間たって発見されたことといい、現場からは2つの鞄が発見されたのですが、実は発見されていない3つ目の鞄があり、その中に、整形した芸能人のカルテがあったとも推測できます」(芸能ライター)

そして、秋吉の息子はMクリニックの院長の娘と何度も会っていることは明らか。なんといっても親同士の仲がいい。

「推測で組み立ててみると、遺産を多くもらえなかった院長の娘が、秋吉の息子と一計を案じて、病院閉鎖のどさくさに紛れて、芸能人のカルテをマスコミに流して小遣いを稼ごうとしたと見ると一番スムーズです。そして、そのカルテの中に、何かやばい、たとえば外国人のスパイが整形したような『危険な事案』があって秋吉の息子は『消された』と見るべきでしょうね」(同)

確かに、秋吉の息子は、「青い三角定規」の岩久茂との間に生まれた数年はかわいがられていたが、離婚、再婚を繰り返す秋吉に翻弄されて、住む場所を何度も変えて、生活費に困窮していた。現場となった大学病院には、今も花が添えられている。

「整形したタレントたちのうち、人気アイドルグループの女性もたくさんいます。表に流出したら、ちょっとした事件になりますよ」(同)

果たして、誰かがマスコミに「有名芸能人のカルテを買いませんか」と売り込みに来るのは時間の問題かもしれない。

◆あとを立たないタレント整形疑惑の奥にあるもの

取り急ぎ、芸能プロダクション御用達の美容整形外科には当然ながら「守秘義務」がある。ところが、しばしば、約束はナースや心なき病院関係者のより破られて、マスコミにリークされてしまう。

直近で話題になったのは、前田敦子と板野友美で、ともに「AKB48」の出身だ。
前田の場合は、何度も指摘されているが、デビュー2年目の休養中に整形手術をした可能性が高いと言われている。「はれぼったいまぶたをくっきりさせるために、手術は3時間にも及んだ」とも報道された。

優香なども、デビュー当時とまるで顔がちがう。だが、重要なのは「整形手術したか」どうかでなく、「隠蔽された過去の顔を誰が流しているのか」という点だ。

流しているには、いうまでもなく、ファンか事務所関係者。ただ「うまいプロダクション」は、一気に顔を変えない。何回かに分けて、うまく整形手術する。

かつて、松田聖子が某整形手術していた証拠が、ある週刊誌編集部にもちこまれた。大きなスクープだと思うが、デスクは「タレントが整形するのは当たり前だろう」と一蹴したという。

もはや賢いプロダクションは、タレントを台湾や韓国に飛ばし、大枚を払って整形手術をひそかに行う。女優の小雪が韓国のセレブ病院で出産した報道があったが、産婦人科を紹介したのは、小雪が韓国で美容整形手術をしてもらった医者だという。その韓国では、美容整形の広告について「ビフォーアフター」の写真広告を原則として禁止にした。なんでも海外から、とりわけ中国からやってくる手術希望者に歯止めをかける狙いがあるそうだ。

ただ美容整形の場合は、定期的にオペしてからもメンテナンスが必要で、これも数十万円かかるようだ。

あまりにも金がかかるのでメンテナンスをあきらめたのは、小泉今日子だとも言われているが、それはそれで最近の劣化を見れば、納得できる話かもしれない。いずれにせよ、今日もどこかでタレントが美容整形の門を叩く。マスコミにいつか、そのリストやカルテが持ち込まれる。悪魔の連鎖は断ち切れることはない。[ハイセーヤスダ]

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小向美奈子逮捕は警察の協力要求を蹴った意趣返し?「後ろ盾」とも決別か?

セクシー女優の小向美奈子が覚醒剤取締法違反(所持)の疑いで3度目の逮捕となった。厚生省麻薬取締部によると、小向容疑者は6日朝、自宅マンションで覚醒剤約0.1グラムを所持していた疑い。取締部の家宅捜索で見つかった。

小向容疑者は同法違反(使用)の罪に問われ、09年に東京地裁で懲役1年6カ月執行猶予3年の有罪判決を受けている。

◆警察は小向を泳がせ麻薬流通ルート解明を狙っていた?

「この逮捕は警察が小向に対して『協力者になってルートを解明してほしい』という協力者要請をしたが、蹴った意趣返しというウワサもあった」と大手新聞記者。

「11年に2度目の逮捕のとき、証拠不十分で釈放されています。このとき警察側が持っていた証拠を引っ込め、情報提供と引き換えにしたとも言われてました。そうしたウラ交渉をしたのが警察に顔の利くウラ社会の人物で、小向の後ろ盾ともいわれてます。狙いは小向を泳がせ、麻薬流通ルートを解明をしようとしたわけですが、小向は警察との約束をいくつか破ってしまっていたらしいんです。さらに小向は警察との連絡をとだえさせてしまった。警察は1度、不起訴にした案件だけにこれを麻取に持って行って再逮捕につなげたという説があります」(同)

◆「後ろ盾」の人物が小向を見放した?

一説には小向の逮捕は、後ろ盾となってきた人物が“見放した”ことも遠因ともいわれている。AVライターによると、これは業界内でよくあることだという。

「作品数を重ねるとマンネリ打破のため、内容が次第にハードになるのがAVですが、それに嫌気がさして引退ししたがる女優も少なくないです。小向もAV引退でタレント業に戻りたいと漏らしていて、後ろ盾と方向性で揉めていたというウワサがあったんです」(同)

◆戦々恐々のAVメーカーと「共犯疑惑」のタレントたち

一方、通販サイトのAMAZONでは小向のAV作品がバカ売れ中だ。2月13日発売の作品「夫の目の前で犯されて―哀しみを背負った夫婦」(ムーディーズ)も発売中止にせずリリースされ、こちらも大ヒット。気をよくしたメーカーは過去作品のベスト版を作るかもしれないと話している。

ただ、喜ぶのはちょっと早い。実は捜査官の中には「小向が薬物をやっているのを知っていて作品が収録された可能性」を見ている者がいるからだ。ある捜査官は収録時のノーカットのマスターテープを見たがっており、そこに薬物使用が分かる場面が映っていた場合、スタッフが罪に問われるばかりかメーカー自体が摘発対象になる。

それを察知したか、一部のAV関係者はマスコミの取材に「そういえば酒を飲んでいるように見えるときがあった」などと予防線を張るコメントをしていた。

小向と共犯が疑われるのは夜遊びが目撃されていたタレントも同じ。戦々恐々としている遊び仲間がいる。2回目の逮捕に動いた警視庁の関係者にそのあたりを聞くと「言えるわけがない」と電話を切られてしまったが、一部ではすでにその名前が浮上している。

逮捕されるたびにストリッパー、AV女優と肩書きを変えてきた小向だが、今回はタレント業に戻るのは非常に難しそうだ。

「AVメーカーもさすがに犯罪者の復帰作を作ることは難しい。それどころか小向との関係を清算すべく、書類や仕事のロンダリングを始めた者もいる。AV業界からも追放されそう」(業界関係者)

こういうとき切り札になる暴露本もすでに1冊を出しており、内容もセールスも評判は悪かった。前著のタイトルは「いっぱい、ごめんネ。」。だが、今度こそは「ごめんネ」で済まされそうにない。[ハイセーヤスダ]

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◎《紫煙革命》発がんリスクが低い「スヌース」は煙草より健康的か?
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《書評》『ジャニーズ50年史』──帝国の光と影の巨大さを描き切った圧巻の書

『ジャニーズ50年史』(2014年12月鹿砦社)

このほど鹿砦社より、日本の男性アイドル市場に君臨するジャニーズ事務所の歴史を採り上げた『ジャニーズ50年史 モンスター芸能事務所の光と影』(ジャニーズ研究会=編著)が刊行された。

早速、拝読したが、読み応えは十分。豊富な資料と写真により、半世紀にわたるジャニーズの歴史を余すところなく描ききり、圧巻の内容だった。

私も5月に刊行された拙著『芸能人はなぜ干されるのか? 芸能界独占禁止法違反』(鹿砦社)で、ジャニーズ事務所について1章を設けている。ジャニーズの歴史についてはそれなりに調べたつもりだったが、それでも知らないエピソードが同書には多数収録され、ジャニーズ事務所の巨大さを改めて思い知られた。

2011年、ギネス・ワールド・レコーズは、ジャニーズ事務所総帥、ジャニー喜多川を「最も多くのコンサートをプロデュースした人物」「最も多くのナンバーワン・シングルをプロデュースした人物」として認定した。日本の男性アイドル市場に一大帝国を築いたジャニーズの功績は、あまりに大きい。

◆ジャニーズ=Johnny’s=ジャニーさんの所有物

だが、光があれば影がある。ジャニーズの栄光の陰で、ジャニーズ事務所所属タレントの多くは、ジャニーからホモセクハラ行為を強要され、金銭的にも搾取され、用済みとなれば容赦なく使い捨てにされた。同書は、そうしたジャニーズの闇についても、遠慮なく踏み込んでいる。

かつて芸能ジャーナリストとして活躍した竹中労は、1968年刊行の『タレント帝国』(現代書房)で、こう指摘している。

「ジャニーズ、英語で書けばJohnny’sである。Johnnyは人名で、’sは“所有”を意味する」

筆者はこれがジャニーズのすべてを物語っていると思う。ジャニーズ事務所所属タレントは、ジャニーの所有物なのだ。だからこそ、ホモセクハラや金銭的搾取が可能となる。

◆ジャニー喜多川を覚醒させた郷ひろみの独立劇

それが嫌ならば、逃げればいい。だが、ジャニーズ事務所所属タレントにはそれができない。なぜなら、ジャニーズ事務所は、日本の男性アイドル市場を完全に牛耳っているからだ。男性アイドルとして生きる道を選んだジャニーズ事務所所属タレントは、ジャニーから逃げることはできない。

ジャニーズ事務所が業界を独占する原動力となったのは、75年に起きた郷ひろみのバーニングプロダクションへの移籍事件だったと思う。

ジャニーにとって郷は理想とする少年アイドルであり、マネジメントにのめり込んでいた。だが、ジャニーが十二指腸潰瘍で赤坂の山王病院に入院している間に、郷の移籍は決まってしまった。移籍の原因は、金銭的不満とホモセクハラ行為にあったと言われる。

とはいえ、ジャニーは郷をスターにしようと全身全霊で取り組んでいたことは間違いない。それでも、郷は逃げてしまった。「主力商品」である郷を失ったジャニーズ事務所は倒産説も流れるほど経営が傾いた。

では、どうすればタレントに逃げられないようにできるか。その答えは、業界の完全支配しかない。郷の移籍事件以降、ジャニーズ事務所は矢継ぎ早に男性アイドルを世に送り出し、遂に業界を独占する力を持つに至った。

◆クライアントの商品にまで異を唱えた飯島三智×SMAPの全盛時代

ジャニーズ事務所の最盛期は、SMAPがもっとも人気を博し、今よりCDの市場規模が大きかった90年代末から2000年ごろだと思うが、当時のSMAPの力を象徴するエピソードを大手広告代理店関係者から聞いたことがある。

缶コーヒーの新CMの打ち合わせの席上、大手広告代理店の社員がSMAPのチーフマネージャーである飯島三智に今度、売り出すことになった缶コーヒーを試飲してもらったところ、飯島がこう言い放ったという。

「これはSMAPの味じゃない!」

大手広告代理店関係者は、こう言う。
「その後、缶コーヒーの味を変えたかどうかは分かりませんが、飯島さんの要求を受け入れて変えたとしてもおかしくないぐらい、当時のSMAPには勢いはありました」

有力タレントを擁する大手芸能事務所が番組のキャスティングや内容に口を出すという話はよく聞かれるが、CMで売り出す商品にまで口を出したのは、後にも先にも例がないのではないだろうか。

だが、そこまでSMAPが力を持っていたとしても、SMAPのメンバーが権力を持っていたわけではない。あくまで、SMAPを“所有”する飯島とジャニーズ事務所が力を持っていたということだ。

◆中居正広が木村拓哉よりも高所得である理由

そうした事務所による支配に嫌気が差したのか、SMAPでもっとも人気を獲得していた木村拓哉は90年代後半にジャニーズから別の大手事務所に移籍を画策し、騒動になったことがあった。そして、ジャニーズ事務所の意向を体現し、SMAPの分裂を抑えつけていたのが、SMAPのリーダー、中居正広だったと言われる。2005年に公表された芸能人長者番付によれば、前年の推定年間所得は、木村が2億7100万円、中居が5億1300万円だった。ジャニーズ事務所が査定で評価したのは、日本を代表する男性アイドルの木村ではなく、ジャニーズ事務所にとって都合のよい中居だった、ということではないだろうか。

タレントの盛衰は、単に実力で決まるのではなく、所属事務所の政治力や事務所間の談合がモノを言う。その象徴の1つがジャニーズ事務所による男性アイドル市場の独占だ。

だが、そうした不自然なシステムは、いつまでも続かないと筆者は考えている。日本の芸能界に変化が訪れるとしたら、ジャニーズも必ず激震が走るだろう。現在、83歳のジャニーが、いつまで事務所経営の陣頭指揮に当たれるか、という問題もある。今後もジャニーズの動きを注意深く観察してゆきたい。(評者=星野陽平)

 

『ジャニーズ50年史』(鹿砦社2014年12月1日発売)

『ジャニーズ50年史 モンスター芸能事務所の光と影』
2014年12月1日発売!!
ジャニーズ研究会=編 B6判 / 288ページ / カバー装 定価:本体1380円+税
【主な内容】
第1章 ジャニーズ・フォーリーブス時代 1958-1978
第2章 たのきん・少年隊・光GENJI時代 1979-1992
第3章 SMAP時代前期 1993-2003
第4章 SMAP時代後期 2004-2008
第5章 嵐・SMAPツートップ時代 2009-2014

▼[評者]星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。

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私が二度とタカラヅカを観にいかなくなった理由

これまでに一度だけ、思い立って宝塚の舞台見に行った経験がある。2001年のことだ。

何の予備知識もないままにヅカファンだった友人に連れられて見たのは、たまたま上演していた雪組轟悠主演『猛き黄金の国』。三菱の創始者、岩崎弥太郎の生涯を描いた作品である。始まる前に友人は、この舞台はイマイチで、初めて見るなら違うものが良かったんだけど・・・と、少し顔を曇らせた。そう思いながらも彼女が足を運んだ理由は、共演の紺野まひるを応援するためだった。

確かに『猛き黄金の国』はそれまでテレビで見たことがあったものに比べると冴えなかった。その最大の理由は、台本が、つまらないというわけではないが地味で、主人公の役柄に全く華がなく、宝塚の持ち味を生かしきれないことにあった。

当時、宝塚は男性ファンを獲得しようと思考錯誤し、男性の興味を引きそうな歴史ジャンルにも題材を求めていたようだ。しかし、歴史上の人物にしても、もっと宝塚にマッチした華と人気のあるヒーローはいくらでもいる。それなのに、何故岩崎弥太郎なのか?

誰でもピンとくるのは、阪急と三菱の間に何かあるのだろう、ということだ。そして、案の定、当時の阪急電鉄社長小林公平は、三菱系の三村家から、小林家に婿養子に来ている関係だ。つまり、『猛き黄金の国』は社長にゆかりの三菱グループへのはなむけであり、ファンを喜ばせるための作品ではなかった。そういうものを平気で金を取って見せるのは、いかにも殿様商売に思われ、なめられているような気がして不愉快だった。生の舞台の魅力はわからなくはなかったが、それ以上に宝塚に対する大きな違和感が刻まれ、二度と舞台を見に行くことはなかった。

◆読んでわかった違和感の構造

こういった伏線をふまえて『タカラヅカスキャンダルの中の百周年』を読むと、当時の違和感の理由がいろいろと納得できる。

本書によれば、『猛き黄金の国』の主演だった轟悠は、歌劇団やプロデューサーに大金を貢ぎ、資産家の実家の経済力でトップスターの地位を手に入れた女優だった。どおりで実力もそれなりのはず。もし仮にまっとうに選ばれたトップスターが演じたならば、もう少し惹きつけられるものがあり、ヅカファンまではいかなくてもリピーターにはなっていたかもしれない。

現在、轟悠は歌劇団に残り、ジェンヌ出身としては珍らしい幹部になっているという。企業の事情がにおう舞台の主役としては、実にふさわしい配役ではあったのだ。

歌劇団が殿様商売をしているという印象も、間違ったものではなかった。本書に詳述されている、ファンがマネージャーの役割を肩代わりした上、歌劇団に上納金まで納めているという、ファンクラブの奇妙なあり方を見ると、一体客はどちらなのかわからなくなってくる。このように長い間ファンに甘え、利用するのが当たり前という慣習にどっぷりつかってきたのであれば、ファンのため、観客のためという発想が欠落するのも当然だろう。
本書を通じて強く感じられるのは、歌劇団組織の腐敗のようなものである。掲載されているジェンヌの不祥事は、上納金を始めとした、ジェンヌに負担を強いる歌劇団のシステムのしわ寄せから生じたものが多い。歌劇団がそれを知らないはずはないのだが見て見ぬフリで、事が起こればジェンヌを切り捨て終わりにする。そういうことをずっと続けてきたのだ。

◆歌劇団に刃向かった者は芸能界で干される

2008年のいじめ事件も、音楽学校職員のダメっぷりがいかんなく表われていた。いじめはひどいものだが相手はまだ未成年の少女であり、学校側の権限をもってきちんと対応すれば、ことの真偽を見極め、被害者を救うことはできたように思う。しかし職員は事件に対して全く真剣に向き合わず、てっとり早く被害者を切り捨てて幕引きをはかろうとする。そこには、被害者生徒のことはもとより、宝塚歌劇団の将来を考える気持ちもみじんもない。そして、順調に育てば歌劇団にも大きな利益をもたらしたであろう類まれな資質の逸材を、あっさりとつぶしてしまうのである。なんとももったいない話である。

この事件はたまたま被害者が訴訟という勇気ある行動に出て明るみになったが、同じようなことはほかにも起こっているように思えてならない。

被害者Sさんは、残念ながら、今後もう芸能界での活躍は難しいように思われる。せっかくの勇気ある行動が、歌劇団に刃向かった者は芸能界で干される、という前例を生んでしまったとしたら、本当に残念なことである。

(遠藤サト)

《書評》訴訟顛末も暴露した宝塚カゲキ100周年記念本!

タカラヅカ スキャンダルの中の百周年

 

宝塚歌劇100周年ということで、久しぶりに鹿砦社から宝塚に関する書籍『タカラヅカ スキャンダルの中の百周年』が上梓された。鹿砦社では、過去に多くの宝塚書籍を出版してきたが、本書は、宝塚の歴史が通観できるよう、それらをわかりやすくまとめたものである。

百周年ということで、テレビや雑誌などでも、宝塚に関する明るく華やかな話題には事欠かないが、それは宝塚の一面に過ぎない。

何事も、表があれば裏があり、宝塚もその例外ではない。しかし、宝塚の裏の部分は、90年代に鹿砦社が書籍を通じて報じるまでは、ほとんど表立って語れられることはなかった。それは、宝塚歌劇団が阪急という大資本の傘下にあったからだ。

首都圏在住者には実感しづらいかもしれないが、関西圏での阪急資本の力は絶大で、阪急に睨まれるようなことは絶対的なタブーなのである。

そのタブーを侵した鹿砦社は、当然ながら無傷ではいられず、出版差し止め訴訟を争うことになる。その経緯は、本書補章「『タカラヅカおっかけマップ』出版差し止め始末記」に詳しい。ネズミが象に挑むような厳しい戦いの中で一矢報いたことで、鹿砦社は、宝塚の批判書を出しても阪急に見て見ぬフリをされるという「特権」を手に入れ、今日もこういった書籍を出すことができている次第である。

◆「清く正しく美しく」の裏側を真っ当に検証した独自情報も満載!

本書は以下のような構成となっている。

まず、一章「タカラヅカのオモテとウラ」では、宝塚の全体イメージがつかめるように、宝塚とはどんなところかということを記している。

鹿砦社の出版物というと、批判ばかりと誤解されがちだが、決してそんなことはない。他がアゲ記事ばかりに著しく偏向しているのでそのように見えてしまうだけであり、ここでは、問題点は提起しつつも評価すべき点は評価し、いたって中立の立場で宝塚を論じている。宝塚の歩みから、お金のかかり続ける構造、特異なファンクラブの実態など、宝塚を理解する上で欠くことのできない基本事項が一通り網羅され、バランスの取れた「宝塚観」を得ることができるであろう。

第二章「タカラヅカいじめ裁判」は、2008年に起こった、音楽学校でのいじめ事件をたどったものである。これに関しては2010年、鹿砦社が出版した『ドキュメント タカラヅカいじめ裁判─乙女の花園の今─』(山下教介)に詳しいが、本書では、事件の経緯を簡潔にまとめ、事実関係だけなら、こちらよりもシンプルに把握しやすくなっている。

この事件では、いじめ事件の当事者たちもさることながら、一番の元凶は、適切な対処を講じるどころかむしろいじめの加担に回った音楽学校職員の大人たちであったことが良くわかる。一番弱い被害者にすべてを押し付けてやり過ごした彼らは、公務員も顔負けの、無責任と事無かれ主義に徹した、悪い意味でのサラリーマン根性丸出しの人種だ。これはおそらく、阪急という企業の体質と社員のレベルを端的に示すものであろう。

事件の概要を頭に入れた上で、ぜひより詳細な『ドキュメント タカラヅカいじめ裁判─乙女の花園の今─』も併せて一読することをおすすめする。

第三章「ジェンヌの金にまつわる事件」、第四章「ジェンヌの受難」では、ジェンヌや元ジェンヌにまつわる、過去の様々な事件や事故を具体的に網羅している。特に古い事件・事故に関しては、今となっては掘り起こしの難しいものも多く、貴重な記録となっている。「自治労横領金でタカラジェンヌが接待!?」「福知山線脱線事故に遭遇したサラブレッドジェンヌ」など、時代を反映した騒動にジェンヌたちが巻き込まれる様が生々しく伝わってくる。

また、宝塚のみならず、舞台エンターテインメントの歴史の中でも最悪の事故といわれる、ジェンヌが胴体を切断されて亡くなった「宝塚を震撼させたあまりにも悲惨な事故」は、長年語られることなく埋もれていた話が、90年代の鹿砦社の書籍を通じて、広く知られるところとなったものである。

第5章「ジェンヌの結婚・家庭・家族」では、ジェンヌや元ジェンヌのプライベートな人間関係に迫っている。スターであり、人気芸能人である彼女たちもまた、一人の人間であり女性である。華やかな生活の裏に、一般人にも通じる喜びや苦悩を秘めて生々しく生きる姿は、特に女性にとっては、共感が持てる興味深いものであろう。

情報化社会にあって、宝塚が標傍する「清く正しく美しく」を真に受けている人は、もはやファンを含めてもそんなにいるものではないだろう。本書は、そんな現代人の常識にかなった、きわめてまっとうな宝塚書なのである。

(斉藤 香)

タカラヅカ スキャンダルの中の百周年

 

高座に復活した桂歌丸が語り直す「真景累ヶ淵」

横浜にぎわい座から携帯に電話がかかってきたのは6月7日だった。
チケット購入済みの桂歌丸独演会の内容に一部変更があるという。
公演の正式タイトルは「桂歌丸 語り直して 三遊亭圓朝作 怪談 真景累ヶ淵」である。
今回は第6話「湯灌場から聖天山」・第7話「お熊の懺悔」と発表されていたが、演者の体調都合により、第6話「湯灌場から聖天山」ほか1席に変更するとのこと。
大作である「真景累ヶ淵」を一夜に2席演ずるのは他の演目以上に演者への負担が大きいということで、やむなく演目変更となった。本公演は公演タイトルに演目を明示して発売したため、希望であれば払い戻しに応じる旨の連絡だった。
予定通り鑑賞させていただきますよ、と答える。

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取材魂がみなぎる「芸能番リターンズ」の収録現場

「紙の爆弾」のレギュラー執筆陣のひとりであるジャーナリストの片岡亮氏が出演するニコニコ生放送の過激な芸能スクープ番組「芸能番リターンズ」の収録現場にお邪魔した。毎週月曜日の夜9時スタートで、番組は6月9日で3回目。自らカメラとパソコンを接続しての配信は慣れない機材と悪戦苦闘。開始時間に映像が届かなかったりするアクシデントはあったが、番組では芸能界をリアルタイムで追いかける現場の記者たちの肉声が聞けた。

出演者は業界では市川海老蔵の隠し子や加藤茶の再婚など、スクープを連発しているベテランの凄腕女性記者、松本佳子氏がその人脈を駆使して集めている。ジャーナリストの山田厚俊氏、フリー記者の安彦拓郎氏、週刊女性の新鋭記者・神谷明良氏ほか、ゲストでAKB48の元ボディガードが参加した。

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『芸能人はなぜ干されるのか? 芸能界独占禁止法違反』【ブックレビュー】

「すぐに各局のプロデューサーに電話して、水野美紀はどんなことがあっても使うなと通達しろ! どんな企画でも、番組でも、紙面でもだ。そむいたらバーニンググループのタレント全部引き上げると言え、潰してしまえ! 街宣車、右翼を送り込むと言え!」
録音に残されていた、バーニングプロダクション・周防郁雄社長の怒声である。
バーニングから独立しようとする水野美紀を、周防社長は潰そうとしていた。
民族団体の大日本新政會の会長が仲介に入り、円満退社を認めさせたのだが、信用できなかった会長が、直後の周防社長の会話を録音していたのだ。

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