サヨナラいいとも、サヨナラテレビ

笑っていいともの最終回は、久しぶりに笑った。ビートたけしが表彰状を読み上げると言いつつ、悪いことばかり言って随分笑わせてもらった。これだけ笑ったのはいつ以来だろう。

笑いにも人によって好みがあるから、たけしのような笑いの取り方を毛嫌いする人がいるのも理解できる。私のような天邪鬼は、もうテレビ画面の向こうでちょっと面白い話をされたぐらいでは、ちっとも笑えなくなってしまった。会話で最も盛り上がるのは人の悪口であるし、人が隠そうとすること、汚点となっているところをあえてネタにするのは、お笑いの常套手段だ。だからお笑いが他の芸能より一段下に見られていたというのもある。しかし今はそんな毒気の微塵も無いバラエティ番組ばかりだ。だからテレビはつまらなくなった。

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THE BOOM解散で、歌う思想家・宮沢和史はどんな道を進むのか

「島唄」や「風になりたい」などの名曲を世に送り出した、THE BOOMが、年内で解散すると発表された。
筆者は昨年、ボーカルの宮沢和史さんと、お会いするという幸運に恵まれた。
『島唄よ、風になれ! 「琉球の風」と東濱弘憲』(鹿砦社)に収録するインタビューのためである。

以前から、宮沢さんの楽曲には親しんでいて、ソロやGANGA ZUMBAのアルバムも聴いていた。
ソロアルバムに入っている「ゲバラとエビータのためのタンゴ」では、こんなことが歌われている。

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タレントのおっぱいを品評してスラップ訴訟という、世知辛い世の中

「スラップ訴訟反対 被害者支援の会」のホームページ管理人としては、見逃せないスラップ訴訟が起きた。
前田敦子ら女優8名らが所属するプロダクションおよび関連会社5社が加盟する一般社団法人日本音楽事業音楽協会が3月25日、無断で写真を合成・掲載されパブリシティ権を侵害されたとして『週刊実話』の発行元、日本ジャーナル出版などを相手どり、総額8800万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。
原告は他に篠原涼子(40)、国生さゆり(47)、綾瀬はるか(29)、石原さとみ(27)、深田恭子(31)、優香(33)。

訴状によると、同誌2013年11月21日号の記事 「勝手に品評!! 芸能界妄想オッパイグランプリ」で、「アーティストの写真に人格を 傷つけるような加工を施した」とのことだ。同誌編集部は「まだ訴状が届いていないのでコメントできません」としている。確かに、記事は妄想でタレントの裸を想像しているが、シャレで笑う度量はなかったのだろうか。

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時代の変化で、ジャニーズ女性アイドルの出現か?

最後のジャニーズグループ「ジャニーズWEST」の人気がダダ滑りしている。
「そもそも、売れ残りをかき集めて、グループを作った感が否めません。デビュー組で14ものグループと、ソロ活動タレントを7人抱えるジャニーズ事務所では、彼らを宣伝するところまでは、金が回らないというのが実状でしょうね。テレビ局もジャニーズ離れが目立つようになりましたし、『ジャニーズWEST』に関しては、少しずつメンバーが抜けて、自然に解散という流れになるのではないでしょうか」(芸能プロダクション関係者)
今、ジャニーズは大所帯だ。新グループの「ジャニーズWEST」がデビューし、近藤真彦、少年隊からジャニーズWESTまで計83人のタレントを擁することになる。さらに、その下に控えるジャニーズJr.を含めれば、かなりの人数にもなる。

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うちな?噺家、立川志ぃさーの笑いにひそむ、沖縄の真実

3月15日、立川志ぃさー(たてかわ しぃさー)の公演が、渋谷のリエゾンカフェで行われた。
立川志ぃさーは、立川志の輔の番外弟子の、うちな?噺家(はなしか)だ。
落語の本拠は、江戸(東京)と上方(大阪)。地方出身者はそのどちらかで修行するが、地方の持ち味を芸に現すということはない。
だが、立川志ぃさーは、沖縄の語り口を活かし、笑わせながら、私たちの知らない沖縄を伝えてくれる。
それで、うちな?噺家なのだ。

この日、第1席で語られたのは、昔から沖縄にいるハブと、ヤマトンチューが持ち込んだマングースとの闘い。
第2席で語られたのは、美ら海水族館の近くにある「美ら海水族館」という名の鮨屋のおばぁと観光客とのやりとり。
抱腹絶倒しながら、きれい事ではないウチナーンチュのしたたかさ、その底流にある哀しさまで伝わってくる。

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うちな〜噺家、立川志ぃさーの笑いにひそむ、沖縄の真実

3月15日、立川志ぃさー(たてかわ しぃさー)の公演が、渋谷のリエゾンカフェで行われた。
立川志ぃさーは、立川志の輔の番外弟子の、うちな〜噺家(はなしか)だ。
落語の本拠は、江戸(東京)と上方(大阪)。地方出身者はそのどちらかで修行するが、地方の持ち味を芸に現すということはない。
だが、立川志ぃさーは、沖縄の語り口を活かし、笑わせながら、私たちの知らない沖縄を伝えてくれる。
それで、うちな〜噺家なのだ。

この日、第1席で語られたのは、昔から沖縄にいるハブと、ヤマトンチューが持ち込んだマングースとの闘い。
第2席で語られたのは、美ら海水族館の近くにある「美ら海水族館」という名の鮨屋のおばぁと観光客とのやりとり。
抱腹絶倒しながら、きれい事ではないウチナーンチュのしたたかさ、その底流にある哀しさまで伝わってくる。

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BEGINと共同して「一五一会」を生み出した、矢入一男さんが音楽に残したもの

「ヤイリギター」の社長、矢入一男(やいり・かずお)さんが5日、多臓器不全のため死去した。81歳だった。ポール・マッカートニーも「K・ヤイリ」ブランドを愛用していた。
沖縄・石垣島出身のバンド「BEGIN」と共同して、三線とギターを融合させた、全く新しい4弦楽器「一五一会(いちごいちえ)」を開発したことでもヤイリギターは知られている。

ずっとギターを握っていたBEGIN。2000年に『ビギンの島唄-オモトタケオ-』を出してから、三線を持つようになった。
三線を弾くようになると、指は5本なのに、なぜギターの弦は6本なんだと疑問に思う。
一方、三線を弾いていると、もっと低音がほしい、音の広がりがほしい、と思う。
そこでギターを4弦にしてチューニングを三線のようにしたら、どちらの悩みも解消した。

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決して満足しないストーンズ(その2)

反体制、暴力、ドラッグ。こういったロックのイメージを決定付けた、あるいは体現したと言ってもいい。そんなローリング・ストーンズだが、ライブを観れば必ずしもそんなレッテルがくだらないことだとわかる。

音楽に対してはストイックなグループだ。ステージ上で楽器を破壊することも無ければ、暴力的に暴れることもない。以前、ミックがノリで、歌いながらドラムセットを蹴ったことがある。ライブ終了後、チャーリーがミックの元に駆け寄り「俺のドラムセットに2度と触れるんじゃねえ」と激怒したという話がある。それ以来他のメンバーの楽器に手を出すようなことはない。

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決して満足しないストーンズ(その1)

ロックバンドの代名詞とも言える、ローリング・ストーンズが日本にやってきた。1960年代結成のバンドを、今尚こうして観ることができるのは奇跡に近い。東京ドームで3日間、また演ってくれることを神に感謝したいところだが、粗暴な振る舞いや歌う曲の内容から悪魔とも呼ばれた彼らなので、悪魔にも感謝したい。

アップテンポな「Get off my cl0ud」でライブの幕を開け、数々の名曲を披露する。メンバーの殆どが70歳を越えているが、驚くべきエネルギーだ。特にミック・ジャガーはすごい。東京ドームに広く取られたステージ上を縦横無尽に走り回る。1塁側ベンチから3塁側ベンチまで、またバックネットの辺りからマウンドの辺りまで、所狭しと駆け回ってはシャウトし、踊る。「Emotional rescue」では1曲通して裏声で歌い続ける。途中上着を脱いでシャツ1枚となるが、その細い身体に年齢からは信じられない筋肉がついているのがわかる。

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どんな苦境の時でも、沖縄の人々とともにあった、三線の音色

今日は、なんの日か? 3月4日。見たまんま、「さんしんの日」なのだ。
「さんしん」とは、言うまでもなく、沖縄の芸能・文化に欠かせない楽器、三線。
元琉球放送の上原直彦さんの提唱により、1993年から、3月4日が「さんしんの日」となった。沖縄ではもちろんのこと、日本の各地、ハワイ、シカゴ、ブラジル、ロサンゼルス、南アフリカ、インド、フランス、北京、タイ、上海、ドミニカ共和国などでも、各種のイベントが開催されてきた。

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