東京ビックサイトにて9月23日から25日にかけて行われた「第23回東京国際ブックフェア」に行ってきた。

これは、出版社たちが力を入れている本や、印刷技術の最先端を展示するフェアであり、年々、参加する出版社が減っているで今年はどんなものだろうと気になっていたものだ。

◆ 講談社の猫本に見る「一点突破主義」

気になったのは、まずあの天下の講談社が、小説からノンフィクションまであらゆるジャンルの本を出しているのに、「猫関連本」にしぼって、猫本ばかりを展示して勝負してきたことだ。もはやこうした「一点突破主義」でないと出版社は生き残れない。その証拠に、趣味本から旅行本までカバーしている枻出版が横で展開していてそれなりに客を集めていたが、猫本ほどは売れていなかった。

◆「自由価格競争」時代に入った雑誌・書籍

つぎに、特筆すべきは、もはや雑誌や書籍の価格が「自由競争」の時代に入ったのではないか、という点だ。第二出版販売と八木書店が「自由価格本」のコーナーを作っていたが、2、3割安い本が飛ぶように熟れていた。

もはや八木書店が展開しているような自由価格競争は地方のスーパーなどでは常識で「本や雑誌は固定価格」の時代は過ぎようとしている。一部では「時限販売」などと呼ばれているが、たとえば、取り次ぎの日本出版販売は、この夏、「時限販売」と称して、一部の雑誌をテスト的に値引き販売したが、好結果に終わっており、この先も期待できる商売のやりかただ。

このフェアで配布された資料によると、もはや書籍を電子販売している出版社は4割を超えたようだ。
そのわりに「電子書籍は紙の書籍の売上げを埋めない」とする出版関係者が多い。

だが希望はある。過日、山口組弘道会系のヤクザと飲んでいたが、「最近の若いやつが本を読み始めた。やはり極道とてバカじゃあいけない」と話をしていた。

ヤクザこそ、法律に精通し、なんとかして暴力団排除の情勢の中を生きなくては、ならない。

◆出版の世界は「まだまだ喰えるのではないか」と錯覚すらしてしまうフェア

またこの日は、「告白」でデビュー、もはや「イヤミスの女王」となった湊かなえさんが講演、ふだんから世話になっている出版社の担当編集、取り次ぎ担当者、そして営業担当者を呼んで「本ができるまでのプロセス」を参加者にわかりやすく展開していた。

なんと双葉社は、「告白」の映画が決定してきたときに、文庫本が80万冊売れたという前提で膨大な予算の宣伝費をつぎこんでいた。もちろん文庫本は210万部を超える大ヒットとなり、映画も大当たりで38億円を稼ぎ、日本アカデミー賞でも4冠を達成、2010年の興業収入で7位となった。

かくして、出版の世界では「まだまだ喰えるのではないか」と錯覚すらしてしまうフェアだったが「本自体は昨年より売れていない」(参加した版元関係者)という声もある。

世知辛い出版不景気が続くが、やはり200万部突破するようなヒット作を生むべく努力したいものである。

▼小林俊之(こばやし・としゆき)
裏社会、事件、政治に精通。自称「ペンのテロリスト」の末筆にして松岡イズム最後の後継者。師匠は「自分以外すべて」で座右の銘は「肉を斬らせて骨を断つ」。

9月12日(月)13時、池袋サンシャイン噴水広場にて、株式会社タカラトミーアーツ主催「ディズニーキャラクターもっちぃもっちぃ」シリーズのぬいぐるみ10万個突破記念イベントが行われた。

今年4月の発売以来、1日800個以上売れている大人気の商品である。このぬいぐるみは、見て楽しむだけでなく、思わず何度でも触りたくなる。そして、ずっと抱きしめていたくなる。これまでのぬいぐるみにはあまりなかった”体験する”という付加価値の提案をコンセプトにしている。ぬいぐるみ好きな筆者は、とても興味を持って取材を開始した。

ミッキーマウス、ミニーマウス、くまのプーさんなどディズニーのお馴染みのキャラクターの面々が顔を揃えている。他のぬいぐるみと何が違うのだろうか。史上最高の触り心地を追求したというこの商品は、とにかく今までにない柔らかい触感である。例えて言えば、マシュマロのような感じである。こだわりは、中の綿にある。通常のぬいぐるみに使われている綿の13分の1から6分の1の超極細繊維を使っている。また、外側の生地も伸縮性の高いものを採用することで、より一層柔らかい触り心地を実現させた。

◆くまのプーさんになりきって登場した「もちもちクィーン」渡辺直美

さて、イベントのゲストに登場したのは、インスタグラムで人気ナンバー1のお笑い芸人、渡辺直美だ。もっちぃもっちぃのイメージにぴったりということで「もちもちクィーン」に選ばれたという。確かに、体型といい、人気者という点で納得する。くまのプーさんになりきって登場した渡辺直美は、全身黄色のワンピースを身にまとい頭には、くまのプーさんの小さいぬいぐるみを4個つけていた。ビヨンセの「crazy ln love」の曲に乗り愛嬌たっぷりのダンスで観客を釘付けにした。

 

タカラトミーアーツの社長より世界にひとつしかない本人の顔で作られたもっちぃもっちぃのぬいぐるみをプレゼントされ大喜びだった。続いて、150センチの大きなくまのプーさんのぬいぐるみがソファーに座り登場した。「こんな素敵なぬいぐるみが家に居たら淋しくないですね」と抱きしめながら笑顔で話していた。

イベント終了後、ぬいぐるみ購入者と写真撮影ができるサービスも行われた。撮影後の女性にインタビューを試みた。てっきり、渡辺直美のファンかと思いきや「もっちぃもっちぃのぬいぐるみを今日初めて知り、思わず可愛かったのでくまのプーさんを買いました。渡辺直美さんとも握手できて嬉しかったです」と答えてくれた。

 

◆「ぬい撮り」にはまる人たち

最近では「ぬい撮り」がブームとなっているのをご存知だろうか。これは自分のお気に入りのぬいぐるみを旅行や、飲食店などあらゆる場所に同行させ、景色などと一緒に写真撮影を楽しむ。ぬいぐるみがあたかも人間のように動いているようで可愛いと、ぬい撮りにはまる人が増えている。

さらには、ぬいぐるみの旅行代理店が登場した。自分愛用のぬいぐるみを宅配便で送り、旅行先の風景をバックにぬいぐるみたちが旅を楽しむ。写真を撮影したら、facebookにアップされる。ぬいぐるみの持ち主には、リアルタイムでその様子を見て、自分もその場に参加しているような気分を味わうことができる。

 

その目的は多種多様で、病気や、障がいがあって旅行ができない方、日本の文化に興味のある海外の方、家族や友人に楽しいサプライズを仕掛けたい方などがいるという。また、オランダの研究グループが、ぬいぐるみには、精神状態を落ち着かせ、癒しをもたらす効果があると分かったと発表している。

ストレス社会の現代において、これからもぬいぐるみの癒し効果を求める人が増えていくことだろう。実際にこのもっちぃもっちぃのぬいぐるみを触ってみると、その柔らかい感触に病みつきになり、くまのプーさんをむぎゅと抱きしめていた。癒されてみたい方はぜひ一度お試しあれ。

取材・文/林雅子 プロデュース/ハイセーヤスダ

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター/NEWSIDER Tokyo)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、書籍企画立案&編集&執筆、著述業、漫画原作、官能小説、AV寸評、広告製作(コピーライティング含む)とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。

 

10月2日(日)熊本「琉球の風2016」開催!

出直しとなった「琉球の風2016」が、いよいよ10月2日(日)に開催! 鹿砦社も協賛企業として出資、さらに先着1000名に特製エコバッグと、抽選で100名に『島唄よ、風になれ!~「琉球の風」と東濱弘憲』を提供!

当初、5月15日に開催予定だった「琉球の風2016」が、いよいよ10月2日(日)に開催の運びとなりました。

今回で8回目、4月の熊本地震で休止(延期)を余儀なくされましたが、実行委員長が経営する結婚式場も被災を受けながら、地元熊本の方々、沖縄のアーティストの方々のご支援にて、出直し開催の運びとなりました。

◆内田勘太郎さん(元・憂歌団)、南こうせつさん、島袋優さん(BEGIN)、宮沢和史さんらも駆けつけ出演決定!

5月には予定になかった、沖縄に移住されている内田勘太郎さん(元・憂歌団)南こうせつさん島袋優さん(BEGIN)、お馴染みの宮沢和史さんらが急遽駆けつけてくださることになりました。当初からの予定の夏川りみさんかりゆし58ネーネーズも駆けつけます。

昨年5月の「琉球の風」開催風景

また、沖縄からは、なんと100人でツアーを組んできてくれることになりました! 義に篤い琉球人の友情を感じさせます。義援金も集めていただき、持参いただけるとのことです。

鹿砦社関係も、100人には到底及びませんが(笑)7人+αが駆けつけます。また、例年好評の特製エコバッグを先着1000名にプレゼントするのみならず、今年は5回までの記録集『島唄よ、風になれ!』(通常版)を抽選で100名にプレゼントします。太っ腹やで!

◆故・東濱弘憲君が遺した「琉球の風」

このイベントは、父が沖縄・与那国島出身、戦後すぐに熊本に流れて来た父を持つ、私の高校の同級生の東濱弘憲君(故人)が、みずからの琉球の血を自覚し始めたものです。

今年は「トークゲスト」として参加してくださる宮沢和史さん(左)

東濱君は熊本で生まれ育ちましたが、高校時代は、まったくのワルゴロで、こういうことを真面目に考えるような男ではありませんでした。高校卒業後、熊本を離れ、職を転々としながら(マグロ船にも乗ったこともある)、あるいはガンに罹ったりし、そうした中で、彼なりに考えた末に、帰郷し熊本で沖縄料理店を開き、お店での小さなライブを重ね、また沖縄に何度も通いつめ現地のアーティストの信用を得ながら、遂に2008年、沖縄島唄の大御所・知名定男先生を総合プロデューサーに開始されたものです。1回目には、名曲中の名曲『島唄』の宮沢和史さんも出られ、これまでほぼ常連で出演されてきました。「琉球の風」の功労者の一人です。

しかし、1回目、2回目は大赤字、熊本という地方都市で大きなイベントを開催する難しさを思い知らされました。

総合プロデューサーは沖縄島唄の大御所・知名定男先生

◆宇崎竜童さんの男気に感謝! 

ようやく第3回目、宮沢和史さんに加え、BEGIN、われわれの世代には馴染み深い宇崎竜童さんが出演し、ようやく黒字に転化、以降、ほとんど赤字かトントンでアップアップしつつも、「黒糖ドーナツ棒」で急成長した大口協賛企業「フジバンビ」はじめ多くの支援を得て、これまで継続してきました。東濱君の想いに答え、われわれ鹿砦社も協賛企業の一角として支えてきました。

実行委員会が宇崎さんに、出演料を払おうとして口座番号を教えてほしいと連絡したところ、「教えません」と一喝されたとのこと、1回目、2回目の赤字に苦慮してきた実行委員会に配慮された宇崎さんの男気がうかがえるエピソードです。

このかん、東濱君は再度のガンに倒れ、2012年4月逝去、通夜・葬儀には500人以上の人たちが参集し、多くの人たちに愛された彼を象徴する出来事でした。

◆今年の「琉球の風」は熊本震災復興と共に!

そうして多くの心ある方々のサポートで継続してきた「琉球の風」ですが、今年は、あの熊本地震の直後でもあり、特別の意味を持ちます。復興への象徴として――。

私個人にとっても、生まれ育ち少年時代を過ごした、わが故郷・熊本が呻吟する中で、復興への記念すべき「琉球の風2016」になれば、と願います。

今からでも熊本行きのチケットを買い、駆けつけてください! 
なお、「琉球の風2016」の報告は、直後に「デジタル鹿砦社通信」で行います。

▼松岡利康(鹿砦社代表)

「琉球の風?島から島へ?」facebook
フードパル熊本(開催会場)
『琉球の風2016』チケット情報
チケットぴあ
イープラス
ローソンチケット
熊日プレイガイド
 

森村誠一、野沢尚、東野圭吾、池井戸潤などを輩出した“売れっ子作家製造器”とも呼ばれる「第62回江戸川乱歩賞贈呈式」(日本推理作家協会主催・後援・フジテレビ/講談社)が9月9日18時から帝国ホテルで行われたが、この手の文学賞を彩るために呼ばれる「銀座の艶っぽいホステス」が群がったのは、フジテレビ社長の亀山千広社長や講談社の野間省伸ではなく、大御所作家で選考委員の有栖川有栖、池井戸潤、今野敏氏らでもなく、337名の中から大賞に選ばれ、『QJKJQ』で受賞した新人作家、佐藤究(きわむ)だった。

佐藤究氏

「例年、念入りにフジテレビの亀山社長や野間社長や大御所作家に挨拶するのですが、今年、招待された銀座のホステスたちは、挨拶は数分程度で、さっそく『金の卵』と化ける可能性もある新人作家、佐藤のところに並ぶ編集者の列に入ってきたのはびっくりした」(文芸雑誌記者)

とくにフジテレビの亀井社長は活気あふれる受賞式とは正反対でどんよりとした雰囲気。日帯(6~24時)視聴率で、TBSに抜かれて民放4位に転落、破棄がないフジテレビの亀山千広社長は「年々、受賞作が映像化しづらい作品になっておりまして。特に今回の受賞作は、本の帯に『私の家族は全員、猟奇殺人鬼』とある。テレビでは絶対できません」と冗談交じりに、あいさつの弁。その声には張りがなく「体調が悪いのか」とささやかれる始末。負のオーラがばらまかれているのか、近寄るのは男ばかりで、ポツネンとひとりたたずむ姿も。

いっぽうで吉本興業の警備員だったという異色の受賞者、佐藤は「私も今回応募した337名と同じくただ書き続ける日々を送ってきました。書くことは私の古い友人です。作家は、サーカスの曲芸師です。ここはトランポリンやブランコなどを行うサーカスをする楽しい場所です。楽しんでいってください」といっぷう変わった挨拶で聴衆を引きつけていた。

和服姿の美女ホステスがこっそり教えてくれる。「今時の出版社社長や落ち目のフジテレビの社長や、ベテラン作家などに営業しても、もうひいきの店は決まっているし、新人作家は大化けしてベストセラー作家になって大枚をお店に落とす可能性があるのです。だから店どうしの争いも激しいのです」(同)

佐藤への挨拶の順番を巡って割り込む和服ホステスもいて、「ちょっと、私たちが並んでいたのです」と押し返される場面も。いっぽうで野間社長も旧知の男性とばかり話しており、あまり女性を受け付けない雰囲気をかもしだしていた。

「さながらこの会場は現在の不況が凝縮されていた。出版社もテレビ局も銀座の店で遊ぶ余裕がなく、結局、当たれば億単位で稼ぐ“作家”のほうが銀座ホステスにとって“くどくべき相手”だということです。その証拠に、夜8時ごろはもう例年だとほぼ解散なのに,佐藤の“出待ち”をしているホステスもいた」(同)

同賞は、講談社の編集者ががっちりと佐藤をプロテクトしており、佐藤のほうは挨拶してきた連中に名刺を渡さない。

「佐藤が気に入った相手がいれば出版者の編集者であれ、銀座のホステスであれ、広告代理店スタッフであれ、佐藤のほうから連絡するのが受賞式でのマナーであり、ルールです」(同)

さて、凋落のフジテレビ亀井社長は、つぎの予定があるのか早々と会場をあとにした。
「江戸川乱歩賞は賞金が1000万円だが、かつて東野圭吾が『1000万円なんてはした金』と第60回の江戸川乱歩賞贈呈式で言い放ったことがあるように、売れっ子になれば『一晩に数百万を銀座に落とす』のも夢じゃないからね」(同)

この作品は、一家全員がシリアルきらーというかなりエキセントリックな作品だが、ふたりが推薦したようだ。 池井戸潤の選評を紹介する。

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現実と幻想が交錯するストーリーで、その境界線が曖昧なことが読み味なのかもしれない。小説は自由なのだから主人公を含め家族全員が殺人鬼という設定があってもいいし、殺人鬼が犯人を追って密室殺人に挑むというのなら、それはそれでおもしろい。

だが、その謎解きは肩すかしだ。その後の展開も、この小説世界を支える枠組みやルールを後だししている印象を受け、果たしてこれが周到に準備された小説ともいえるか、という疑問を最後までぬぐえなかった。

だが、これはあくまで私一己の読み方である。選考委員のうちふたりがこの小説に最高点を与えて評価するというのであれば、それを拒むものではない。受賞者の今後の活躍をおおいに期待したい。

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いい選評だ。審査委員の今野敏は、「終盤の主人公の少女と実父とのエピソードには思わず涙しそうになった」と語っている。

このところ「文学賞」は、最初からテレビドラマ化しやすい作品に受賞させるようになった。さらに同じおもしろさなら「現代劇よりも時代劇」を、「笑える話よりも泣ける話」を選ぶようにトレンドが変化してきた。ゆえに「本来なら受賞する作品も、落選する可能性がある」と日本推理作家協会のわが師匠も話していた。

さて、「家族全員が殺人者」というストーリーで羽ばたく佐藤氏は、もともと吉本興業の警備員をしていたという変わり種だ。

もともと江戸川乱歩がポケットマネーでつくったこの賞は、森村誠一、東野圭吾、西村京太郎、鳥羽亮ら偉大な作家たちを生み出してきた。この賞の存続を強く望む。

そして92年から後援で参加しているフジテレビよ! 亀山社長よ! 
ドラマ化しにくいのはわかるが、てめえの挨拶が終わるやすぐ帰るという姿勢はいかがなものか。

現在、不況にあえぐ出版社は無名の作家は初刷り1000部なんてザラ。ファンが確実に集まる江戸川乱歩賞受賞作家に「夜の女」がなびき、凋落の出版社やテレビ局らは相手にされない時代が到来したのだ。

(伊東北斗)

「クライマーズ・ハイ」などで知られる横山秀夫の原作は、「正義と悪」が必ずしも軸にはならない。立場により「悪が正」となり、また逆もしかり。 ヒットした横山氏の原作を基に、『感染列島』などの瀬々敬久監督と『ザ・マジックアワー』などの佐藤浩市主演で映画化した犯罪ドラマが作られた。

前半と後半で2連作となっているのだが、新聞記者が警察の広報官とことごとく対立する。その内容は、『被疑者を匿名』としたり「誘拐犯人を匿名」としたりする警察側と記者クラブとの攻防を縦軸として、昭和時代の最後の1週間にあたる昭和64年に起きた未解決誘拐事件をオーバーラップさせていく。新たに発生した類似の事件の謎に迫る。県警の広報官を演じる佐藤のほか、綾野剛、榮倉奈々、永瀬正敏、三浦友和ら豪華キャストが集結。

僕は、「記者クラブ」というものが不思議でならない。警察に事件について問うと禅問答のようなやりとりになる。

警察 「あなたは加盟社の記者ですか」
筆者 「いえ、ちがいます。所属はエスエル出版会といいます」
警察 「原則として電話では教えていません」
筆者 「電話では教えないということは、FAXでは事件の概要を教えているということですか」
警察 「いいえ、そうは言い切れません。一般のかたに公開できない情報もあるからです。あなたがどの社に所属しているか、身分を特定しないとわけがわかりませんし」
筆者 「それでは、名刺や書いた記事など一式と社長に身分保障を書いてもらって郵送すれば事件の概要について教えていただけるということでしょうか」
警察 「いいえ、そうとは言っていません。こちらであなたの身分を特定して、公益性があると判断すれば教えるケースがあります。ただし、その結果を 担保しません。われわれとしては」
筆者 「何を言っているかよくわかりません、それでは書類を一式、FAXしますが、ご検討いただきたい」
警察 「送っていただくのはかまいませんが、それで教えるケースが生まれると保証できかねます」

いったい、何を渋っているのだろうか。ここで僕は取材依頼書と名刺、住民票までも送る。そして警察の広報に連絡を入れる。

筆者 「FAXは届きましたか」
警察 「届きましたが、検討はまだしておりません」
筆者 「どういうことでしょうか? FAXを送らせておいて検討しないというというのは、どうすれば教えていただけるのですか」
警察 「ですから、こちらに来ていただいて、事情を説明していただければお教えする可能性はありません」

ここで頭に来て電話を切った。
行かないと話にならないなら、はじめから交渉などしない。
知り合いの新聞記者にとっくに頼んでいる。
ちなみにこのバカ警察は大津警察署だ。
バカも休み休み言えとは警察のためにある言葉だ。

話をもとに戻せば、こうして「現実」を無視して理想の警察の広報官をこの映画では佐藤浩行が演じている。この誘拐事件の行く末はもちろん、警察と 記者クラブとの摩擦や警察内の対立、主人公の娘の行方など怒とうの展開に目がくぎ付けとなるだろう。

だが諸君、誤解することなかれ。こと警察の広報は、バカばかりで話にならぬ。このほか、バカ警察の広報のふざけた対応は山ほどあるが、機会があれば紹介しよう。ただし僕が仲がいい警視庁のエリートの刑事はきちんとしている。一応、フォローしておこう。

▼小林俊之(こばやし・としゆき)
裏社会、事件、政治に精通。自称「ペンのテロリスト」の末筆にして松岡イズム最後の後継者。師匠は「自分以外すべて」で座右の銘は「肉を斬らせて骨を断つ」。

映画総監督・脚本は庵野秀明だ。僕の先輩はたとえば55歳で庵野世代であり、ゴジラ世代なのでもう3回もこの映画を観たという。

まあ、いってみれば「エヴァンゲリオン」に出てくる正体不明の敵、「使徒」がゴジラになったといえばわかりやすいか。

物語は展開が早すぎて、たぶん2回見ないとわからないだろう。たとえばプロデューサーの山内章弘氏(46)はマスコミにこう話す。

──「シン・ゴジラ」には多くの人の思いが込められている

「そうなんです。1本目のゴジラ(1954年)の精神にのっとっている感じですね。平成ゴジラが大好きな方々には拒絶反応があるかもしれませんが。ハリ ウッド版を除いて日本のゴジラの製作は12年ぶり。12歳までの子供たちは『ゴジラ』なんて知らない。そういう人たちに対してどういうアプローチ でゴジラを再生して新しいものとして見てもらおうかと(総監督の)庵野(秀明)さんとも随分話しました。“今の日本でやる意味”を突き詰めると、 かなりのリアルシミュレーションというか、今の日本にゴジラという巨大生物が現れたら一体どうするのか、どうなるんだろうかという発想の集大成の ような映画。大人の鑑賞に堪えうるゴジラです」
伊藤徳裕【スクリーン雑記帖】=2016年8月11日付産経ニュースより引用

たしかに、ゴジラは、大人向けに作られている。だが、ゴジラが登場したときの「無力な政府の対応」は、まるで原発事故が起きたときの民主党のそれにそっくりだ。責任転嫁をし、国民に嘘の情報を流す。もしくは情報を小出しにする。

ゴジラが原発で、自衛隊が唯一の希望で、あの「3.11」の事故のときに海水を原発に放水していたあのときを思い出ししてしまう。

世代によって「ゴジラ」は見方がちがうと思う。僕が見るゴジラは、すでに「正義の味方」となっており、悪のメカゴジラと戦っていた。

少なくとも、ゴジラが登場したら、本物の政府もこうした反応をとると思う。行政がどう対応するか、この映画には、都知事となった小池百合子氏がアドバイザースタッフとして参加しているのだが、そのあたりも見所だろう。

二度目を見たいが、おそらく僕には見る時間はないだろう。また、見るのに多少のためらいもあるのも事実だ。なぜならゴジラを見ると「原発事故と民主党政権のていたらく」を思い出して、情けなくなってくるからだ。

ところで庵野監督の5万文字インタビューも掲載している公式本公式記録集「ジ・アート・オブ シン・ゴジラ」が9月中旬に発売されるが、すでに予約が5万部超えているとか。

「庵野×ゴジラ」は、確実にブームとなった。第2弾を期待するが、今度はもうすこしゆったりとしたストーリー展開を望む。

▼小林俊之(こばやし・としゆき)
裏社会、事件、政治に精通。自称「ペンのテロリスト」の末筆にして松岡イズム最後の後継者。師匠は「自分以外すべて」で座右の銘は「肉を斬らせて骨を断つ」。

原宿にある「ことりカフェ」にでかけてみた(http://kotoricafe.jp/access)。 今の原宿は、外国からの観光客だらけで韓国語、中国語、ベトナム語などが複雑に入り混じっている。青山六丁目の交差点あたりでは、イスラム風の衣装の人たちが太鼓を叩いて民族音楽を奏でて通りすぎていった。そのような喧噪の中、青山六丁目の信号の近くに、インコやかわいい オウムを店内でじっくり観賞できる「ことりカフェ」に行ってみた。

普段、寝る時間すら削っている身にとっては、インコたちがお互いに毛繕いをしている仲のいい光景すら、癒される。

そして鳥といったときに僕は「池中玄太80キロ」というテレビドラマを思い出す。主演は西田敏行で、写真雑誌の敏腕カメラマンだ。だが彼が本当にカメラに収めたいのは実は鶴。休みになると出かけて鶴を追いかける。そのようなわがままを普通は妻が許さないが、許してくれていた妻が早くに逝去する。そして残された三人の娘とどうやって暮らしているのか、重要なテーマだ。このとき西田が歌った「もしもピアノが弾けたなら」はスマッシュヒットとなった。

それにしても今は猫ブームなのだが、どうしてインコにスポットが当たらないのだろうか。

「やはり、世話がかかるのが一番の理由じゃないか。猫はほおっておいて旅行に行っても餌さえ与えておけば問題がないが、インコは自力では生活できないじゃないか」とペットショップの友人は言う。

なるほど、世話がかかるからかわいいという見方もあるかもしれない。いずれにしても、毎日の煩雑さから抜け出すのに、「ことりカフェ」はいいかもしれない。ここに訪れる外国人カップルたちも、鳥たちに魅せられていた。文化交流のために、日本との橋渡しを「とり」なしてくれているってわけだ。おあとがよろしいようで。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター/NEWSIDER Tokyo)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、書籍企画立案&編集&執筆、著述業、漫画原作、官能小説、AV寸評、広告製作(コピーライティング含む)とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。

映画「ダーク・プレイス」を見た。この原作は、ギリアン・フリンという才能あふれる作家でデビュー作の『KIZU―傷―』は、英国推理作家協会が主宰するCWA賞で2つのダガー賞を受賞、40週間以上もニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーリストに選ばれた。この映画の原作となる「冥暗」は、ニューヨーカー誌の〝批評的選書〟ウィークエンド誌の「この夏で一番の本」、パブリッシャーズ・ウィークリー誌の〝2009年最高の本〟シカゴ・トリビューン紙の「おすすめのフィクション」などに選ばれている。そして続く「ゴーン・ガール」が世界的にヒットする。なんと世界で1500万部も売れているのだ。手元の文庫は、すでに7刷を突破している。

そんなわけで、この「ダーク・プレイス」は、過去に一家惨殺をされて生き残った少女、リビー・デイが、成長し、もはや同情から慈善家たちから寄付がもらえなくなり,弁護士から「働くべきだ」と指摘されるところから物語は始まる。このとき「殺人クラブ」という、謎解きが趣味の集団が賞金を出すから「新犯人捜し」に協力してほしいと頼まれる。

事件当時、『悪魔教』に染まっていた兄が犯人として逮捕されるが、実は事実を掘り起こしていくと、自分が思ってもいない犯人象が浮かび上がってくるのだ。これは、主人公のリビー、兄、リビーの母親という3つの観点から描かれているので、いささかわかりにくい。

そこで、私の小説のほうの師匠、若桜木虔氏がリリースした最新書籍「ミステリー小説を書くコツと裏ワザ」(青春出版社)をもとに分析してみる。この映画はじつにわかりにくかった。原因は何か? それは、回想シーンを使いすぎたからだと僕は想う。

若桜木氏はこう綴る。

「どうしても画期的な冒頭が思いつけない、という理由で、その物語の中でもっとも劇的なシーンを冒頭に持ってくる手法がある。第27回横溝正史ミステリ大賞受賞作『首挽村の殺人』(大村友貴)や、第37回メフィスト賞受賞作の『パラダイス・クローズド』(汀こるもの)のような構成で、つまり同一シーンが作中の肝心な箇所と、冒頭と、二度と亘って出てくることになる。はっきり言って、この手法には賛成できない。物語の時系列が狂うからである。ミステリーに限らず、エンターテインメントでは回想やカットバックを可能な限り避け、エピソードを出来事の順番通りに並べる〝時系列厳守〟が鉄則なのだ。それは、なぜか。時系列に頓着しない,物語が過去と現在をいったりきたりするような作品でも、頭が混乱しないでストーリー展開を追える読者もいないわけではない。だが、頭が混乱して前後関係が把握できなくなる読者も、確実に存在する。また、時系列が狂った作品が大嫌いな選考委員も、一部には存在する。最終選考で時系列の狂いを扱き下ろされて受賞し損なった実例も、いくつかある。そもそも、ミステリーを含むエンターテインメント系の作品は『楽しみのために読む』のであって、知恵を絞って悪戦苦闘しながら読む、という性質のものではない。」

そうなのだ。この映画はたしかに頭を絞らないとなかなか時系列の流れに追いつかない。ただし主演のシャーリーズ・セロンはこの映画のプロデュースも兼務しているが、いい演技をしているし、暗闇をうまく使ったジル・パケ・ブランネール監督(脚本兼任)もなかなかいい演技を引きだしている。難解なパズルを楽しみたい諸兄には、ぜひおすすめしたい映画だ。

◎若桜木虔小説講座 http://prosakka.main.jp/kouza/

▼小林俊之(こばやし・としゆき)
裏社会、事件、政治に精通。自称「ペンのテロリスト」の末筆にして松岡イズム最後の後継者。師匠は「自分以外すべて」で座右の銘は「肉を斬らせて骨を断つ」。

昭和を代表する番組「クイズダービー」『世界まるごとHOWマッチ』(TBS)や「11PM」(日本テレビ)で昭和のテレビの制作の礎を築いたとも言われる大橋巨泉が逝去した。

大橋巨泉『ゲバゲバ70年! 大橋巨泉自伝』(2004年講談社)

ラジオ、テレビで大橋が出演したときの映像、音声が懐かしさとともにメディアに流れているが、リクエストが殺到しているものの、放映できないコンテンツがある。それが女性の裸満載、また今となってはコンプライアンス上問題がある性風俗ルポなどが満載している「11PM」(日本テレビ)の特集映像だ。

「たとえば7月22日には『「中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS)で、出演して闘病生活を語るとともに、竹下景子や北野大など往年の回答者を呼び『クイズダービー』を復活させたり、かつての映像を流して追悼。ラジオ番組『爆笑問題の日曜サンデー』(TBS)では、大橋がカナダでの移住生活を語るなど、大橋の魅力が十分、伝わるものでした」(放送作家)

ところが「もうひとつの大橋巨泉の魅力、エロスの探求者としての魅力」を伝えるのに、やはり「11PM」は欠かさせないという声は多い。

「実際、数十件の電話が日本テレビの視聴者センターに『かつての『11PM』の映像を流さないのか」と問い合わせがあったとも聞いています。やはりお色気番組のはしりとして、見ていた年代(40代以降)には強烈なインパクトがあったのでしょう」(同)

『11PM』は、深夜のお色気番組のはしり。世界の性風俗、そして最新の大人のおもちゃなど扱いつつ社会情勢の分析なども扱い「大人のおもちゃ箱」と呼ばれるほど最先端の情報が愛された。過激な水着をきせてカバーガール、かたせ梨乃を輩出、由美かおるや明石家さんまもテレビデビューは「11PM」だった。

「もし復活させるなら、タモリや北野たけしなどの大御所が考えられるが、まあ、あの文化的にして乱れた雰囲気の再現は無理でしょう。あの番組は曜日ごとに司会が異なっていたが、ほかの曜日担当の藤本義一や愛川欽也も故人となった。どんなに視聴者が望んでも、今のテレビ局のコンプライアンスでは、女性の裸と切り離せないあの番組の映像は使えません」(同)

となると、期待は「雑誌」での特集くらいものか。悲しき時代である。

しかし、これも誰かが流した「噂」か。「再放送への問い合わせは数件」という話も。系列のBS番組へのもちあげ情報を誰かが流したのか。行方を見守りたい。

(伊東北斗)

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今回で8回目となる、サンシャインシティ(東京・池袋)で開催される『沖縄めんそーれフェスタ2016』前夜祭イベントを取材した。

期間は5月27日(金)~6月5日(日)の10日間、展示ホールAでは、沖縄物産展、オリオンビールが飲めるビアガーデン、噴水広場ではエイサーの演舞や沖縄アーティストによる生ライブなど盛りだくさんの内容で、沖縄をアピールする催しだ。物産展では、沖縄そば、海ぶどう、もずく、サーターアンダーギー等42のお店が立ち並んでいる。なかでも、泡盛カクテル、スパム串を出しているお店の女性に取材した。

 

── 沖縄から来られたのですか?
「私は沖縄県民ですが、上京して六本木でお店をやっています。他の方々は沖縄から来て期間中はホテルに泊まっていますね」と話していた。

まさに大がかりな「出店キャラバン」だ。
また泡盛のカクテルの値段が千差万別だったので、質問した。
「一般的な ものは500円、 グレードが高いものは700円、 さらに古酒は900円 です」

── 古酒ってどういうお酒ですか?
「3年以上貯蔵したものです。こちらにはなんと入手困難な『美ら蛍』があります。古い酒はまろやかでおいしいですよ」

── なぜこの時期に「沖縄のフェスタ」を開催するのですか?
「今、沖縄は梅雨の真っただ中です。2週間後には梅雨が明けます。この時期に東京の皆さんに沖縄をアピールしてぜひ来てほしいと思います」とにこやかに話した。

 

さて、前夜祭のオープニングセレモニーのステージイベントには、具志堅用高や鈴木奈々がゲストで登場していた。

鈴木は鮮やかな黄色い沖縄の民族衣装に身を包み、かわいい笑顔をふりまいていた。いっぽうで具志堅はやはり「沖縄の顔」といえるキャラで、親しみやすく優しい性格がテレビでもお茶の間に伝わり、若い女性にも大人気だった。

 

トークコーナーで夫婦円満の秘訣を聞かれると、「誉めることが大事」と熱弁していたのが印象的だった。

ところで「沖縄そば」と「ソーキそば」のちがいはご存知だろうか?
物産展で沖縄そば店の男性に話を聞いた。

「沖縄そばは豚のバラ肉(3枚肉)を使う。ソーキそばは、豚バラの軟骨の肉を使っている違いですね」と教えてくれた。イートインのコーナーも広く充実しているので、じっくりと沖縄の味を堪能できる。ほかに「BIGIN」の「島人ぬ宝」を唄うバンドの演奏や沖縄の伝統芸能エイサーの太鼓を舞ながら叩くパフォーマンスは力強く迫力があった。

沖縄の観光客は多い月は3月、ついで8月、11月となっている。少ない月は1月、6月、9月で、9月は台風期、6月は梅雨期、1月は曇りの多い冬のためという。このオフシーズンには、修学旅行誘致に力を入れて一定の成果を出しているそうだ。近年は「沖縄美ら海水族館」が大人気で人を集めている。

元米兵による女性遺体遺棄事件や基地問題など沖縄関連で暗いニュースが飛び込む今、沖縄の青くきれいな海とこうした素晴らしい自然や海産物、歌などの文化とのギャップに心が痛む難しい問題が沖縄の人たちを苦しめている。この『沖縄めんそーれフェスタ2016』が成功し、沖縄の観光客が増えて、潤い、沖縄に元気を! と切に祈りたい。

『島唄よ、風になれ! 「琉球の風」と東濱弘憲』


文・撮影=林雅子 
プロデュース=ハイセーヤスダ

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター/NEWSIDER Tokyo)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、書籍企画立案&編集&執筆、著述業、漫画原作、官能小説、AV寸評、広告製作(コピーライティング含む)とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論! 蹴論!」の管理人。

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