デジタル鹿砦社通信をご覧の皆様、こんにちは。愛煙家の原田卓馬です。

百害あって一利なしと声高に喧伝されるタバコ。2005年にWHO(世界保健機関)によって発効された国際条約の、通称『たばこ規制枠組条約』。それ以降の愛煙家に対する逆風は猛烈に吹き荒れている。

たばこ税の値上げをきっかけに、『わかば』や『エコー』など200円台の旧三級品タバコに切替えた人もいれば、やむを得ず禁煙という選択肢を選んだ人もいる。喫煙が習慣化しただけで、旨くもないのに吸ってしまっていたという人にとっては好機だっただろう。コストアップを理由に嗜好品の質を下げるというのは人間としての品性を欠いた低俗なことのように想えて不愉快なことが多い。タバコがニコチン摂取のためのツールに成り下がってしまっては文化が廃れる。

そこで、たばこの健康被害説の裏に隠れている真相を暴きだし、安心して美味しく楽しくエレガントにタバコを嗜むのが本連載の目的の一つである。

前回に引き続き、タバコの巻紙と巻紙のりのお話であります。JT(日本たばこ産業)のホームページにある材料品添加物リストは何回も紹介しているが、化学的な成分表示ばかりで何がなんだかさっぱりわからない。

「こいつは参った!」

お手上げして、JTに電話して直接聞いてみた。ちなみに原田は某カード会社でコールセンター勤務歴5年であります。

「はい、JTお客様センターのYが承ります。」

── もしもし、原田です。タバコの巻紙の添加物のことを詳しく聞きたいです。
「はい、マキシのことですね。」

JTではホームページでも、電話対応でも一貫してタバコの巻紙をマキシと呼称しているらしい。社内用語としてマニュアルがしっかり整備されているのだろう。Yさんは発音が綺麗で落ち着いた声のお姉さん。

── はい、巻紙の添加物リストの内容について解説をお願いしたいです。

「少々お待ちくださいませ」

突っ込んだ質問には咄嗟の返答ができない様子だ。こういった案件はコールセンターでの通常業務には盛り込まれていない特殊対応のようだ。

── 今、ホームページにある材料品添加物リストを閲覧しながら電話してるんですが、どれがどんな目的で添加されているのか知りたいです。

「全部ですか?」

── とりあえず巻紙の添加物について全部。

「全部、、、ですか。」

・セルロース 16.3
・炭酸カルシウム 7.2
・水酸化マグネシウム 0.4
・クエン酸カリウム 0.4
・クエン酸ナトリウム 0.4
・塩化カリウム 0.3
・リンゴ酸 0.08
・水酸化カリウム 0.08
・グァーガム 0.07
・カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.07
・酢酸カルシウム 0.06
・酢酸カリウム 0.02
・酢酸マグネシウム 0.005

これが巻紙の添加物一覧であります。右横の数字は紙巻たばこ1本に対する最大使用割合(%)です。シガレット100gあたり、最大で16.3gのセルロースが巻紙に使用されているということですね。

13種類もあるのでコールセンターのYさんもびっくり。心の中では、「うわ~、こいつ、めんどくせ~」とつぶやいたことだろうが、そこはプロのJT企業戦士のYさんだ。

「どの添加物についてお知りになりたいですか?」

── じゃあ、上から順にいくとしてまずはセルロースってなんですか?

「はい、セルロースはマキシとフィルターに使用されており、フィルターのアセテートは植物由来のため生分解が可能で、うんぬんかんぬん」

なんかフィルターの話とごちゃまぜになってしまった。

── すいません、フィルターのことは別の機会にということで、巻紙のセルロースことを詳しくお願いします。セルロースって何でできているんですか?

「木材パルプや麻、穀物の繊維で紙の主成分です。」

── 具体的に原料とか産地とかはわかりますか?

「申し訳ありませんが、こちらの部署ですとすぐにはお答えできません。よろしければ折り返しご連絡いたします。」

── はい、お願いします。

折り返し対応になってしまった。電話の向こうでYさんは上司に助けを求めていることだろう。過去の対応経験から、マニュアルには載っていないイレギュラー情報にも詳しい上司よ。

10分程経って、折り返し連絡を受けた。

「先ほどのYの上席のNと申します。マキシの添加物についてご質問ということですが、どういったことでしょうか?」

── 添加物のことがよくわからないので、もっと詳しく知りたいんです。たとえばタバコには燃焼促進剤として火薬が入っているという都市伝説みたいな噂がありますけど、実際それって本当はよくわからないなーと思ったので、お電話しています。

「燃焼促進剤ですか?それはクエン酸塩でございます。」

── クエン酸ですか?

たばこの燃焼促進剤はクエン酸だったのか。とりあえず手元にあったシガレットを舐めてみたが別に酸っぱくはなかった。レモンやミカンのような柑橘類の酸味の成分はクエン酸だが、ここで出てくるのはクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムのクエン酸塩である。

「クエン酸カリウム 燃焼促進剤」でググってみたらJTの出願中特許のページを発見!

『シガレット巻紙の製造方法、その製造機及びシガレット巻紙(WO 2012131902 A1)』によれば

「近年、シガレットに使用される低延焼性巻紙が知られており、巻紙の所定領域に燃焼抑制剤が塗布されている。一般に、たばこの紙(巻紙)には抄紙工程で助燃剤が加えられている。助燃剤としては、クエン酸ナトリウムやクエン酸カリウム等の有機酸塩が付与され、これら助燃剤は燃焼を促進するため、燃焼速度の調節剤として用いられている。」

となっている。長くなったので次回に続く。

(原田卓馬)

 

デジタル鹿砦社通信をご覧の皆様ごきげんよう。政府によって推進されたタバコ・ネガティヴ・キャンペーンに対抗して、勝手に『吸って応援、タバコ・ポジティヴ・キャンペーン』を実施中の原田卓馬です。パープルヘイズレヴォリューションであります!今回はタバコの巻紙のお話です。

◆情報とは五感で感じるもの

と、本題に入る前に、情報のお話をします。21世紀に突入してからコンピュータ・ネットワークの技術革新は凄まじく、人類史に未だかつてない超高度情報化時代の到来といったような現在であります。ネットインフラの普及により、文字や音声や映像など情報と呼ばれるものなら、パソコンが一台あればなんでもすぐ手に入る時代のような感もあります。現代人が一日に得る情報量は、江戸時代の人の一生分とも云われているようですね。

ここでいう情報というのは人間の五感を通じて得られる様々な刺激のことだと思いますが、インターネットを通じて得られる情報というのは圧倒的に視覚・聴覚に特化しており、触覚・嗅覚・味覚を刺激することは難しいようです。

秋も深まりつつあり、ちょうど金木犀の花の香りがどこからともなく漂ってきて、集団感染みたいに一億総センチメンタルな時季がやって来ましたが、嗅覚を通じて引き出される記憶というのはやっぱり凄いですね。酒の席で金木犀の話題になり、「便所の芳香剤みたいな臭い木のこと?」と発言した友人が満場一致でヒンシュクを買って、非難轟々、大ブーイングの嵐が巻き起こりましたが、江戸時代から便所の近くに金木犀を植えるという文化があるので、便所と金木犀の関連付けることは鋭い嗅覚の証拠かもしれません。

さあ、強引な文脈で情報→嗅覚→タバコ、と本題に入る準備がそろそろ整いました。(とっくにバレてる)

◆匂いは情報の宝庫

好きな匂いってありますか? 天日干しした布団とか、夕立ちの前の土の匂いとか、キュウリを折った時の青臭さとか、腐りかけた牛肉とか、納豆とか、ナンプラーとか、ワキガとか、脱ぎ捨てた靴下とか、おじさんの加齢臭とか、人の好みは千差万別ですね。好き嫌いは大きく分かれるところだと思いますが、嗅覚情報に良し悪しはありません。

情報の取捨選択・価値判断というのはまさしく情報化社会で問われる情報リテラシーそのものであります。朝日新聞のでっちあげ記事謝罪騒動でマスコミはお祭り騒ぎをしていますが、情報というのは送る方も受け取る方も勝手に解釈するべき(せざるを得ない)ものだと思います。

感じたことは自分だけのものですから。

◆ある瞬間を境に、悪臭に変わる

さて、当連載の最初の記事にも書きましたが、原田は思いつきでシガーバーとういうのに行き、2時間かけてゆっくりと葉巻の香りを楽しんだ後に市販の紙巻タバコを吸ってみたらボンドのような酸っぱい匂いと紙の焦げ臭さしか感じなかったわけです。タバコの香りを邪魔するけったいな悪臭にそれまで無頓着だった原田でありますが、この時ばかりは流石に「こんなに臭いならタバコやめようかしら?」と少し悩んだであります。葉巻タバコの甘い香りとは程遠いあの悪臭はなんだったのだろうかと調べてみると、これはどうやらタバコの巻紙と、紙を接着するための糊が原因のようでした。

JTのホームページで開示されている、『たばこ材料品添加物リスト』によれば、

巻紙の原料

セルロース
炭酸カルシウム
水酸化マグネシウム
クエン酸カリウム
クエン酸ナトリウム
塩化カリウム
リンゴ酸
水酸化カリウム
グァーガム
カルボキシメチルセルロースナトリウム
酢酸カルシウム
酢酸カリウム
酢酸マグネシウム
(最大使用重量順)

こ、これは、ちっとも紙じゃないじゃないか!

原田は化学の知識が中学生レベルなので、さっぱりわからないながら調べてみた。セルロースというのは木材パルプから作られる植物性繊維のことで、一般的な紙の主原料になるようだ。ふむふむ、これは紙だ。

次いで量の多い、炭酸カルシウム。これは貝殻、卵の殻、チョークのような石灰のようだ。薬の錠剤のベースや、歯磨き粉、他には食品添加物としても使用されているらしい。

巻紙のりの原料

エチレン-酢酸ビニル樹脂
ポリ酢酸ビニル
カルボキシメチルセルロースナトリウム
酢酸ビニル-ビニルアルコール樹脂

酢酸ビニル?図画工作や日曜大工でお馴染みの木工用ボンドの原料ではないか。こんなもん吸っていいのか?

JT に電話問い合わせしてみようと思ったら平日しか対応してくれない!締切が間に合わない!これは参った!次回、JTさんに電話取材の巻、乞うご期待!

(原田卓馬)

 

前回に引き続きあまりよく知られていないタバコのお話をダラダラと書いていきますよ!デジタル鹿砦社通信をご覧の皆さん、ごきげんよう。原田卓馬(愛煙家・男性・東京在住)です。

健康を考えてタバコをやめる方、やめたいけれどやめられなくて困っている方、禁煙が却ってストレスになっている方もたくさんいらっしゃると思いますが、嗜好品はあくまでエレガントに楽しもうではないかという感じでタバコのポジティヴキャンペーンをすすめて参ります。なので、タバコが吸いたくなっても私は一切責任を取れませんであしからず。

◆甘いタバコ

さて今回は甘いタバコのことを紹介しましょう。甘いタバコといえば、インドネシア産のガラムというタバコがありますね。タバコの葉だけでなく、料理に使う香辛料の丁子(クローブ)が混ぜてあるので煙は独特の甘い香りがします。線香のようだとか、バナナのようだとか、ベリーのようだとか表現されることが多いですね。フィルターにシロップが染み込ませてあるので、吸い口を舐めると舌先で感じる甘味がありますが、これは吸う人によって好き嫌いがはっきり分かれます。煙を吸い込むとパチパチと弾ける音がしますが、これは丁子の鉄分が燃える時に発生する火花によるものです。

昔はコンビニでも品揃え豊富な店なら売っていたんですが、2010年10月のたばこ増税以降はなかなかお目にかかれなくなりました。(最近、高円寺駅前のファミマにガラムが売っててびっくりした!)

インドネシアは喫煙文化だけでなく音楽も面白いので大好物なんですが、今回はガラムを紹介するわけではないんです!

手巻きタバコ(シャグ)でもフレーバーで着香した甘い香りのものはかなりの数が流通しています。色々試してみましたが、ケミカルな香料のタバコは喫煙後に石鹸で手を洗っても匂いが取れなかったりするのでなんだか不気味でありますからあまりお勧めしません。
ということで(?)、本日のテーマはタバコ本来の甘い香りの味わい方です。

◆吸い方で香りが変わる!

喫煙者、元・喫煙者のあなたはタバコを吸う時どうやって吸いますか?

タバコのフィルター部分を唇に軽く咥えて、口から煙を吸い込んで肺に落として、息と一緒に煙を吐く。紙巻タバコ(シガレット)を吸う方だと圧倒的にこのパターンが多いんじゃないかと思います。これは一般的に肺喫煙という方法ですね。

諸説ありますが、19世紀にクリミア戦争の戦場でパイプを失った兵士が代用品として火薬を包むための紙でタバコを巻いて吸ったというエピソードが紙巻タバコ発祥の一説とされています。その後第一次世界大戦の戦場での手軽な喫煙手段として、シガレットが世界的に大流行するわけですが、シガレットと共に肺喫煙が一般的になるんですねー。

◆クール・スモーキングはできますか?

葉巻やパイプを吸ったことのある方ならもうおわかりかと思いますが、喫煙方法でタバコの香りは変化します。一般的な肺喫煙とは異なる口腔喫煙、いわゆるタバコをふかすというやつですね。タバコの煙を肺に吸い込まないで、口腔粘膜と鼻腔粘膜で煙を楽しむということ。要するに煙を口から吸って鼻から抜くんですけど、結構コツがいります。

◆タバコは優しく吸おう

慌てて急いで喫煙所に駆け込んで矢継ぎ早に2~3本のタバコをチェーンスモーキングするニコチン中毒のおじさんとかいますけど、これはもう最低ですね。スパスパ吸ってはいけません。タバコは燃焼温度が高くなると香りの成分が消失して、そのぶん苦くなったり辛くなったり焦げ臭くなったりします。

辛くなってしまうのはタバコの乾燥し過ぎが原因の場合もあります。市販のシガレットには燃焼抑制剤のグリセリンで保湿され、燃焼促進剤で安定して燃えるようにコントロールされたものがほとんどです。なので、タバコの湿度管理に注意を払う人はほとんどいません。タバコのフィルムは濡れないためというよりは乾燥を防ぐために包装されているものみたいです。

肺喫煙をして肺にガツンとタールの重たい刺激を感じるのが好きな方は、思いっきり吸い込まないと物足りなくてタバコを吸った満足感が得られないわけですが、いうなればお腹が痛くなるまで暴飲暴食しないと気が済まないようなもんです。

味わうこともなくガツガツと餌を貪っている家畜と大差ないですね。ニコチンという麻薬を摂取することは、酒やコーヒーやお茶を摂取するのと同じく人類史における工夫の凝らされた文化的な行為ですが、嗜好品であるからにはエレガントに楽しまなければみっともないですね。

息を使わずに優しく煙を口に溜めて、柔らかく口を閉じていくと鼻から抜けて行く時に濃厚なタバコ本来の甘い香りを感じることができます。燃焼温度が高くなり過ぎないためにゆっくり吸うんですね。タバコの先端の灰はできるだけ灰皿に落とさない方がタバコを低温で燃やすのにいいです。煙を肺にいれなくても口と鼻の粘膜からニコチンを吸収できるので、口腔喫煙でもニコチン摂取による快感を得ることができます。香りのもたらす陶酔感もあるので、ある意味古代から重宝されてきた天然由来のアロマハーブであるともいえますね。

次回はタバコの香りの邪魔になる巻紙のお話でございます。

(原田卓馬)

タブーなきスキャンダリズム! 『紙の爆弾』10月号絶賛発売中!

デジタル鹿砦社通信をご覧の皆さん、禁煙してますか? 私はスイマセンなんて謝ったりしません。はじめまして、愛煙家の原田卓馬です。鹿砦社の松岡社長から「君も何か寄稿しなさい」といわれたので勝手にタバコをテーマに連載することにしました。毎週更新ということでお届けしますが、いつ打ち切りになるかわかりませんのでよろしくお願いします!

何の疑問ももたずにJTの金ヅルになっているニコチン依存症の諸君。健康推進を謳った現代医学によるのタバコ・ネガティヴ・キャンペーンに屈した嫌煙家諸君。タバコは文化であります。嗜好品はあくまでエレガントに楽しもうではないか。マナーは大切に!

◆悪者になったタバコ

2005年に世界保健機関(WHO)によって発効されたたばこ規制枠組条約に日本も参加して、義務づけられた『たばこ警告表示』。タバコのパッケージの30%の面積を費やして「○○病の危険性を高めます」や「○○病で死亡する可能性が非喫煙者に比べて○倍」などと不安を煽るようなコメントが印刷されるようになった。日本はまだましな方で外国だと喫煙によって真っ黒になった肺の写真が印刷されたタバコのパッケージも多い。デザイン性もへったくれもないじゃないか。

それ以来、喫煙所の撤去、路上喫煙の禁止、飲食店の禁煙化が進んだ。昭和のテレビドラマなんかだと学校の職員室でタバコを吸いながら生徒に説教している教師が登場したりして「そういえば昔はこんなこともあったな」と思い出す反面、今だったら2秒でクビなわけである。

日本の喫煙マナーが最低だったという件に関してはともかく、今やタバコは国際社会において悪者扱いである。

◆タバコってなんだろう?

タバコとはナス科タバコ属の植物で、古くは紀元前5000年頃から南米アンデス山脈で栽培されていたと言われる。南米マヤ文明でも、北米のインディアンにおいても神聖な儀式のための重要な植物であった。

タバコという言葉はスペイン語ポルトガル語の『tabaco』だが、古アラビア語で薬草を示す『tabaq』がおおもとの語源であるとみられている。

タバコに含まれるニコチンの効用は興奮・鎮静という相反する精神作用であり喫煙時の状況や本人の目的に応じて変わると不思議な化学物質なのである。

15世紀、大航海時代にアメリカ大陸からヨーロッパに伝わり、日本には室町時代末期ごろポルトガルの宣教師によって伝来した。高価な薬草として普及したため裕福な武士や商人以外はなかなか喫煙することができなかった。当時は煙管(キセル)による喫煙が一般的だった。

現在、一般的なシガレット(紙巻たばこ)が世界的に普及するのは第一次世界大戦終結後のことだ。

◆タバコそのものは悪くないかもしれない

さて、タバコの歴史はここまでにして本題に入ろう。読者諸君は葉巻(シガー)を吸ったことがありますか? 葉巻はフィラー(中身)、バインダー(フィラーをまとめる)、ラッパー(バインダーを外側からくるむ)の三層構造になっていて、いんちきな安物でなければ100%タバコの葉っぱでできている。

ある夜ふと思いついて葉巻を吸えるシガー・バーというのに行ってみた。よくわからないので店員さんにオススメの葉巻とそれに合う酒を選んでもらった。2時間くらいかけてゆっくりと葉巻のねっとりとした煙を燻らせて、グラスを傾けたらもうとても素敵な体験でタバコの香りというのはなんともいえない恍惚感を与えるものなのだと感激した。その後、普段吸い慣れているシガレットを吸ってみたら「なんじゃこりゃ!」と、思わず嘔吐しそうな程に不味いのでびっくり。

その時感じたのは「ボンドみたいな鼻をつく刺激臭、紙の焦げる臭い、消毒薬のような臭い」であった。都市伝説のようにいわれているタバコの添加物の正体が少し見えかけたので面白いから調べてみた。すると、日本たばこ産業(以下JT)のWEBサイトで『添加物情報』なるページを発見した。

日本たばこ産業(JT)のWEBサイト『添加物情報』より

それによると『たばこ添加物』として以下の
・香料
・結合剤
・保湿剤
・保存料
・溶媒
・乳化剤
・酸化防止剤
・工程補助剤
の200種類以上の添加物が

『材料品添加物』として
・巻紙
・巻紙のり
・鋼版インキ
・フィルター素材
・フィルター巻取紙
・フィルターのり
・チップペーパーおよびチップペーパーインキ
の120種類以上の添加物が公表されているではないか!

内閣府大臣官房政府広報室のWEBサイト『政府インターネットテレビ』の『たばこの煙の恐ろしさ・吸ってる人にも吸わない人にも知ってもらいたいこと』で紹介されている以下の「たばこの煙の三大有害物質」(内閣府大臣官房政府広報室)

たばこの煙の三大有害物質(内閣府大臣官房政府広報室より)

・約70種類の発ガン物質
・約200種類の有害物質
・約4700種類の既知の化学物質
・10数万種類の未知の化学物質

これらの有害物質と、タバコの添加物の関係を少し調べてみようと思う。

最後になりますがわたくし、ナチュラル無添加のCOLTS、OCBのプレミアムペーパー、Smokingのスリムフィルターで手巻きタバコを楽しんでいまーす!
長くなってしまったので次回をお楽しみに!

 

(原田卓馬)

タブーなきスキャンダリズム! 『紙の爆弾』10月号絶賛発売中!

 

地方に行くと、なんとなく「ここに住むことは出来るかな」と考えてみる。
大自然に包まれた素敵な土地でも、図書館もなく本屋もなくレンタルビデオ店もない、となると、やはり住むのは難しい。旅で来るのがいい、ということになる。

住めるかもしれない、と思った土地の一つが、松山だ。
愛媛県の中核都市であり、大街道や銀天街などのアーケード街があり、図書館、本屋、レンタルビデオ店などは問題ない。美術館や博物館もある。
少し車を走らせれば、瀬戸内の海、四国カルストと自然が広がっている。

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たまに、「いつも、どんな本読んでるの?」と聞かれることがある。
いつも読んでいる本というのはない。
このところ読んだ本の著者を並べてみると、清水潔、山本周五郎、ヘッセ、大城立裕、モーパッサン、姫野カオルコ、門田隆将、ドストエフスキー、池上泳一、古賀茂明、エリカ・ジョングとなっていて、やはり「こういう本をいつも読んでます」と言えるような統一性はない。ライターの読書は、だいたいこんなものだろう。

ちなみに、前からちょくちょく読んでいた姫野カオルコは、デビュー作がおもしろいと聞いたので、『ひと呼んでミツコ』を出張先のホテルで読んだのだが、笑って頭を壁に強打してしまった。要注意である。
2人の女性を股にかけるお調子者の男を、お得意の深刻な語り口で描く、ドストエフスキー『虐げられた人びと』もけっこう笑えるので、タイトルの暗さで敬遠しないほうがいい。

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なまりきった体をどうにかしようと、休日の朝にランニングをすることにした。ただ走るだけでは面白くないので、毎回目的地を決めることにした。走って行けそうな数キロ圏内の地図を見ると、神社が随分あることに気付く。

そのうちの一つ、青渭(あおい)神社まで行ってみた。さほど境内も広くはなく、参拝する人もあまりいない。地元の人ぐらいにしか知られていない神社だ。それでも伝承によると、建立は十世紀頃と伝えられている。千年以上の歴史があるのだ。多摩地区には青渭神社がいくつか建立されている。

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ワープロソフトを買い換えた、一太郎の最新バージョンである。
筆者のパソコンは今まで、だいたい3~4年で壊れて、買い換えてきた。だからOSは、Windows7だ。
毎日使っているから当然と思っていたが、知り合いのITソフト製作の会社では、いまだにWindowsXPを使っているという。
筆者の場合、音楽やビデオを再生するのもパソコンで、こき使いすぎているんだろうか。

XPサポート終了で多くの人が体験したかと思うが、Windows7になると、XPで使っていたソフトが対応していないということが、かなり多い。
これまで使っていた一太郎は、2004年版。文章を書くだけなので、レイアウトの機能など使うこともなく、それで十分だと思っていた。
だが、Windows7には対応しておらず、一太郎を起動しようとする度に、「不明なソフトがパソコンを改変しようとしています」というメッセージが出る。
起動するのにも、時間がかかるようになった。

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子供の頃はウォークマンが憧れの機器だった。今となっては、カセットテープなんて随分不便なものだったと思ってしまうが、それが普通の時代においては、その環境での楽しみもあった。まずテープに録音する曲順を考える。これが楽しい。私が本格的に音楽を聴くようになった80年代終わり頃には、既にCDがレコードにとって代わっていた。CDの曲順そのままにテープに入れるのもいいが、テープの長さの都合もあるし、好きじゃない曲を前の方に入れると早送りする手間が増える。特にテープの1曲目のヘビーローテーション率はものすごく高くなるので、相当に好きな曲を入れる必要もある。CDもテープも好きなだけ買えなかった中学生ぐらいまでは、レンタルしたCDをどのようにテープに割り振るかが、大変重要なのだ。

高校に入って、CDウォークマンを買った。といってもソニーの製品ではなかったので、正確には「ポータブルCDプレイヤー」だ。いちいちテープにダビングしなくても、その日の気分でCD2,3枚カバンに詰めて、CD音質を通学中に聴ける。片道40分ばかりの電車通学が楽しくてしょうがなかった。学校よりも、行き帰りにイヤホンで音楽を聴くために、通学をしていたような記憶すらある。

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これって、音楽だけのライブでも楽しめる。舞台の端の洞窟のようなブースにうっすら見える、シンガーや弦楽奏者の姿を凝視しながら、そう思った。
シルク・ドゥ・ソレイユの公演「オーヴォ」が、お台場に建てられた巨大テントで行われている。
カナダのベサンポールで、大道芸から育った総合芸術が、どんなものだか見てみた。

「オーヴォ(OVO)」は、ポルトガル語で「卵」のこと。虫たちの世界を描いている。
体をひねらせて宙を舞うパフォーマーたち。その妙技の質は高い。
メンバーには、シドニー・オリンピックにイギリス代表として出場した、リー・ブレアリーもいる。
ジャンプで壁面を上ってコオロギを表現する。他のメンバーの動きも、彼に引けを取らない。

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