関西電力に「原発再稼働で料金を値下げした」という根拠を問うてみた〈後〉

添付のチラシが拙宅に入っていた。どうも内容が怪しい。そこで8月18日関西電力のコールセンターに電話をして質問をした。なお、対応いただいた方は関西電力の正社員ではなく(電力会社や原子力規制委員会は正社員や正職員を使わずに、非正規労働者を質問や批判の矢面に立たせている。卑怯な態度だ)誠実にご対応いただけた。会話の終盤に本音が聞けた。前回に続き今回はその後編を公開する。

「関西電力はお客様の電気料金を8月1日から値下げいたしました」というチラシ

関電 ええ。あと一つだけ申し上げておきたいことがございまして、先程27年6月の原油価格の水準というふうにおっしゃっていただいていたんですけれども、原油価格の算定につきましては、例えば今8月ですので8月分の燃料費調整単価の適応期間というのがありまして、今月分は今年の3、4、5月の平均をしたものが当たるようでして、ですので8月分と言っても8月の市場価格とは異なるのですね。

田所 それは調整でお返し頂いたりするものですよね。ですから今話題にしている「基準燃料価格」とは別の問題ですね。お尋ねしたいことは極めてシンプルです。40,700円がなぜ、1月で20,500円まで下がるかということです。その理由は文章で書かれているわけです。「原発を動かしたから値下げができたと」。だけれども「燃料調達費」が「基準燃料価格」に反映するというご説明と、関係のない説明じゃないですか? 原発が動けばウラン燃料が新たに必要になりませんか?

関電 そのあたりになるとこちらではわからないですよね。

田所 コールセンターの方にお尋ねをするのは酷かとは思うのですが。「基準燃料価格」にウラン燃料が入っていない。高浜でしたらMOX燃料を使っていますから、高浜原発が動き出したということは、その分の燃料を新しく買って燃やしているはずですよ。ですからこれまでの火力発電の燃料以外に原発の燃料が追加されていなければおかしいですよね。

関電 はあはあはあ。

田所 と、素人ながらに感じるのですが。

関電 私もそのあたりはかなり技術的なところで……。

田所 いえいえ極めてシンプルですよ。水力発電、水はタダですから。燃料費はいりませんよね。しかし、火力発電や原子力発電は、なにかを燃やすので燃料費がかかってくる。燃料費の「基準価格」になぜウラン燃料が含まれていないのか?

関電 私もウランが燃料と言われれば、そう言えばそうだなと今思たんですけど。確かにそういわれてみれば、そのあたりはちょっとどう答えていいかわからなくて……申し訳ないです。

田所 丁寧にご対応いただいていますので結構ですよ。ただ「基準燃料価格」の算出基準が怪しいなと感じざるを得ないです。

関電 お客様は「基準燃料価格」にウラン燃料も普通であれば含まれているんであろうという考え方でしょうか。

田所 それが1つですね。原発の燃料はウラン燃料ですからウラン燃料の価格が含まれていなければおかしいとなりますし、含まずに現在算定されているものが高浜原発が動いたら半額近くに下がるのは、いったいどういうからくりなのかと。原油も天然ガスも石炭もこの数カ月で下落しているという事実はありません。逆に平成27年6月の段階で、40,700円/キロリットルという高い値段で買わなければならなかった理由がわかりませんし、料金体系の基準は原発が止まっている時はとても高い設定をしていて、原発が動き出すと途端に半額近くに下げてしまう。

関電 ただ一応手元の使用にある分では2016年の9月が最も安い時期でして、この時の平均燃料価格が21,500円ですね。

田所 そうでしょ。ですからいずれにしても40,700円は高すぎる設定なんですよ。40,700円を超えたことはないんでしょ?

関電 そうですね。27年6月1日以降は41,100円。

田所 41,100円!ほー。

関電 それ以降は下がっていますね。

田所 暫時下がってきているということですね。27年の6月、7月は原子力規制委員会などで原発を動かそうと関電が苦戦していた時期なんですね。感想だけで結構ですが「基準燃料価格」に入っているのは火力発電所で燃やす燃料費ですね。

関電 そうですね。先ほどお客様がおっしゃったように、原発でも燃料を燃やすというのは、私も見取り図でタービンとかあるのは見たことがありましたので、何かしら燃料は燃やしているのではないかと思いますけれども。

田所 燃やさないことにはお湯を沸かせませんから。ウラン燃料をお使いになるわけですよね。一部の報道ですが燃料1本あたり、1億円すると言われているんですね。これを数百本入れて燃やしている。ということは数百億円燃料費がオンされなければおかしいですね。

関電 ウランを燃料という基準で考えるのであればということですね。

田所 高浜の3号機はプルサーマルといってプルトニウムを混ぜて燃やしていますが、基本的にはウラン燃料を燃やすわけですよね。その費用はなぜ加算されないのでしょう?

関電 うーん

田所 原発が動き出せば当然そこで燃料が要るわけですよね?

関電 はい。

田所 その燃料費がどうして計算されず値下げされるのか。値下げしていただくことはあいがたいんですよ。でも、火力発電を止めた分原発を動かすのであれば、原発の燃料費が生じなければおかしいですね。「基準燃料価格」にも入っていないですね?

関電 そうですね。先ほど確認したら3つ以外入っていないと聞いていますので。

田所 この算定はちょっと「変だな」とは思われませんか?

関電 いやー。そうですね。そこまでシビアにこれが、燃料がいくらでと私自身が追い求めてなかった部分もありまして。

田所 市場原理によって燃料調達にかかるお金が高くなれば、電気料金が高くなる、ということはわれわれに分かるわけです。ですが、頂いているチラシでは「大飯発電所3、4号機の本格運転が実現しましたら、さらに電気料金の値下げを実施し」と書かれているわけです。いまご説明頂いた「基準燃料価格」云々関係ないわけですよ。「原発が動けば値下げします」と明言しているわけです。これは理に合わない説明ではないでしょうか?

関電 すいません私ピンとこなくて、ちょっと申し訳ないんですけれども。

田所 燃料価格やその他の経費とは全く関係なしに、「とにかく原発が動けば電位料金は下げますよ」と書かれているわけです。そうであるならば「基準燃料価格」は全く意味をなさないとなるわけですよ。例えば原油や天然ガスが高騰する可能性はありますね?

関電 ありますね。

田所 そんなことは関係なしに「大飯原発が動けばさらに値下げをする」と言っているわけですから。「原発が動けば値下げしてやる」と。それ以外に理解の仕方があるのであればご教示賜わりたいと思います。

関電 すいません。大飯原発について値下げがどの部分になるのかの落とし込みはされていないんですけど、ただ「検討はしてまいりたい」とご案内はしていましたので。

田所 どういう根拠でですか?

関電 それと燃料価格の因果関係はなくですね。

田所 そう! 今おっしゃったとおり、ないんですよ。燃料費と電気代関係ないんですよ。燃料が上がろうが下がろうが、原発を動かしたら電気料金は下げますよと、仰っているわけですよね。それがおかしい、と申し上げているわけです。逆に言えば原発を動かさないと、本当はそれほどかかっていない料金でも取るよと。原発を動かさてくれたら、値段は下げてやるよとしか読めないですね。

関電 はー。私の方でお答えできる範囲ではないので申し訳ございませんが。今のことはなるべく私も理解しようとしているんですけど。たしかにここまでシビアに考えてみると、ちょっと私の方でも説明できない部分がありますので。

田所 原発を動かせば燃料費がかかるはずですが、そのことについての言及がどこにもないんですね。それは合理性を欠いていますね。またドイさんもお調べいただいて検証いただければと思います。

関電 この分はご意見としてまとめさせていただければと思います。

田所 長時間ありがとうございました。 

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

7日発売!『紙の爆弾』10月号!【特集】安倍政権とは何だったのか
多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』

関西電力に「原発再稼働で料金を値下げした」という根拠を問うてみた〈前〉

添付のチラシが拙宅に入っていた。どうも内容が怪しい。そこで8月18日関西電力のコールセンターに電話をして質問をした。なお、対応いただいた方は関西電力の正社員ではなく(電力会社や原子力規制委員会は正社員や正職員を使わずに、非正規労働者を質問や批判の矢面に立たせている。卑怯な態度だ)誠実にご対応いただけた。会話の終盤に本音が聞けた。その質疑応答を2回に分けて公開する。

「関西電力はお客様の電気料金を8月1日から値下げいたしました」というチラシ

関電 お電話ありがとうございます。担当のドイでございます。

田所 恐れいります。「関西電力はお客様の電気料金を8月1日から値下げいたしました」というチラシを入れて頂いておりまして、そこにこの番号があったので教えて頂きたくお電話を差し上げたのですけれども。

関電 はい、どうぞ。

田所 その文章の2行目に「弊社はこのたび、高浜発電所3、4号機の本格運転の再開を受け、平成29年8月1日から、関西のすべてのお客さまの電気料金を、平均4.29%値下げすることといたしました。」とご説明をしていただいています。ちょっと馬鹿な質問で恐縮なんですが、原発が本格運転をするとどうして値下げをしていただけるということになったんでしょうか。

関電 平成25年(2013年)に原発を全て停止して、それから原発が稼働するまでの間どのように発電してたかというと、火力発電とかそういったものに頼ってたんです。今回原発を再稼働させていただくに伴って、火力発電で必要だった燃料をある程度抑える形にできましたので、その分をお客様に値下げをするという形で還元させていただくというような形になるんでございます。ただ完全に火力が止まったというわけではないんですけれども、元々10基動いていた原発のうち、今高浜の3、4号機の2基だけで賄っている状態ですので、まだ値下げ幅としてまださほど大きな下げ幅はない。平均でご家庭であれば3%前後にはなるんですけど、そちらの値下げをさせて頂きましたという内容になりますね。

田所 ということは、火力発電の方が原子力発電よりも燃料が高いという理解で。

関電 もちろん燃やす燃料に応じて発電させて頂いてますんで。原発が動くことによって原油を使う量が大幅に削減できるといった解釈でいいかと思いますね。

田所 原油ですか? 最近の火力発電所の7割以上が原油ではなくて天然ガスで発電をしていると。
(関西電力保有火力発電所(12箇所)の出力合計は1941.94kw。そのうち停止中の発電所もあるが、原油を燃料としない発電所の総発電能力は1,119kw)

関電 ちょっと詳しい内容に関しては私も存じ上げないんですけれども。

田所 お電話に出て頂いている方は関西電力の社員の方でいらっしゃいますか?

関電 こちらの方でコールセンターはさせて頂いてますけれども。

田所 社員の方ではいらっしゃらないということですね。

関電 そうですね。ただ、一応値下げに関しては、値下げ幅に関するお問い合わせは受けさせていただくようになってます。

田所 (値下げ)幅についてはお答えいただけるけれども詳しい内容については厳しいということでしょうか?

関電 そうです、申し訳ない、その辺りの知識不足はありますけれども、わかる範囲では原発の再稼働に伴って使う燃料に関しては大幅に削減できた分が今回の値下げになってるという説明はこちらの方でさせて頂いております。

田所 それ事実に反しますね。

関電 と言いますと。

田所 関西電力も公表してますけれども、先程申し上げたように今大雑把に言って、全国では7割強天然ガスを燃やしてるんですね。ですから原油の値段が上がろうが下がろうが天然ガスの値段はずっと下げ止まりしています。原油よりずっと安い天然ガスを燃やしていらっしゃるんですね。これは関西電力さんだけではなくて全国の電力会社のもう主流になってる。天然ガスです。安くて原油よりもエネルギー効率よく発電できますから。そうなりますと冒頭にご説明いただいた、燃料費が安くなったから値下げができるというそもそもの根拠が崩れてしまうんではないかと思うんですけれども。

関電 その辺りになってくると、こちらでご説明させていただく範疇はちょっと超えてしまいますので。

田所 ちょっと難しいですね。

関電 すいません。

田所 例えばですが、火力発電、水力発電それから原子力発電と発電方法はいろいろありますが、1kwあるいは1Wあたりを発電するにあたって、それぞれの発電に費用がどのくらいかかるかということはそちらに資料お持ちでいらっしゃいますでしょうか?

関電 そちらの計算式というのは頂いてますけれども、例えば7月31日までの値下げ前の基準の燃料価格というのは、40,700円を基に料金単価を算定しているものとお聞きしています。

田所 40,700円は、どれだけの料の値段ですか?

関電 こちらは1キロリットル当たりの基準燃料価格ですね。この中には先程申し上げて頂いた天然ガス、原油、石炭、こちらの分をキロリットルに直した分をまとめての金額と聞いてます。

田所 つまり1000キロリットル当たり40,700円ですね。それが値下げ後は?

関電 値下げ後は25,500円。

田所 ここに含まれるのは、天然ガスと原油と石炭ですね。

関電 それをキロリットルに直したものになるようです。

田所 どうして原発を動かすことによって、原油などの市場価格は変わらないのに燃料価格はそのように安くなるのですか?

関電 値下げ前に関しましては、毎月々平均燃料価格という形で金額を出させていただいてるんです。そのため毎月々のご請求の中に燃料調整費と言った形で、7月31日まではマイナス請求がずっと続いてたかと思うんです。一応その分が、例えば40,700円の時に例えば先程申し上げた25,500円で買えてる様な状態だと、それだけ燃料が安くなってる、関西電力ではお金が浮く状態になりますので、そちらの分を燃料調整費として毎月々返させて頂いていたのがずっと続いていたかと思うんです、ここ最近なんですけれども。それが8月1日以降、25,500円といった形で基準燃料を出させていただいてますので、今までみたいに燃料調整費でマイナス分、結構多かったと思うんですが、これが出にくくなるといった感じになりますね。

田所 ということは「石油・石炭・天然ガス」を調達される時の、買われる時の価格が前よりも安くなったと。

関電 この辺りは、毎月々変動費になってはいるので……。

田所 いやいや、ものすごい減額でしょ。40,700円から25,000円。そんなに原油とか天然ガスとか石炭が市場で下落しているということは、価格を見ている限り無いのですけれども。ご説明いただいた通り「高浜発電所の3、4号機の本格運転の再開を受け」と書いてあるわけですよね。高浜原発が動いたから燃料の調達費が40,700円から25,000円に落ちてるということなんでしょうか?

関電 ま、そうですね。ただ8月にいたってはこちらの燃料価格が1キロリットルあたり25,900円になってますので400円高くなりますよね、その分の燃料調整費はプラスで請求されて、8月分は1kwあたり0.08円をプラス請求させていただくような形になってますね。

田所 値下げしたけど上がるわけですか?

関電 これは燃料調整費の分でプラス請求されるといった内容になっています。

田所 恐れ入ります、先程ご説明いただいた「基準価格」とおっしゃいましたか?

関電 基準価格は今回料金改定に伴って25,500円そのままでずっと行くんですけれども……。

田所 その前は25,500円じゃなかったわけですよね。

関電 その前は40,700円でした。

田所 そこなんです。私が今お尋ねしてるのは。40,700円から25,500円、なんでこんな急激に4割ぐらい安くなるのですか? 調達先の値段はそんなに下落してないと思いますけれども。

関電 一応こちらの方で聞いているのは、原油価格の大幅な下落と聞いているのですけれども。元々市場価格で取引されているのが、1バーレルあたり100ドルを超えてたものが、今では50ドルを切るような状態になってるというふうには聞いてるのですが。

田所 それは別にここ数か月ではなくて去年からずっと40ドル台ですよ。

関電 そうです、ですから去年も含めて燃料調整費をマイナス請求させていただいてたかと思うんです。

田所 だけども基準の燃料価格は40,700円だったんでしょ。

関電 基準燃料価格ですね。おそらく今、お手元にある資料に、こちらの価格が書いてあると思うんですが、多分同じものを見てると思うんですけれども。

田所 これ拝見しますと、1ページ目は電気料金水準のイメージという図表が出ていまして、開くとお得な料金メニューでのご案内ということでこれはあまり値下げ値上げとは関係なしに宣伝と言いますかサービスの案内が出てるんですね。最後のページに値下げ額例というのが出ていまして……。

関電 そうですね、それの半分よりちょっと下あたりに書いてあるのを私読み上げたのですけれども。

田所 なるほど。「基準燃料価格」と「基準単価」というものの定義をもう一度教えて頂けますか。

関電 こちらは毎月々燃料調整費として今までお返しさせていただいていた燃料調整費の1kwhあたりの単価を計算する上で、こちらの基準単価というのが必要になってくるのですけれども。

田所 いえいえ、私は「基準単価」がどういうものなのかということをまず教えて頂きたいということでお尋ねしているのです。そもそもその前に「基準燃料価格」の正しいところを教えて頂けますでしょうか。

関電 基準燃料価格はですね、こちらのホームページ上に詳しい内容が載っているのですけれども、今もう更新されて25,500円を基準にした内容になっているのですが、毎月々の燃料調整費を計算する上で25,500円から高かったのか安かったのかによってマイナス請求する分のkwhあたりの……。

田所 現状のプラスかマイナスかということを今ご説明いただいているのですが、それがいくらかっていうことではなくて、「基準燃料価格」というのはどういった性質の金額なのか、これは /キロリットルになってますよね、だから1000リットルあたりいくらかということなんだろうなと推測はするわけなんですけれども、これはどのように決められて、どのようなものは含まれて、どのようなものは含まれないのか。そういったことを教えて頂けないかということでお尋ねをしてるのです。

関電 まず含まれるものについて説明しますと、先程申し上げた原油と天然ガスと石炭ですね。この三つが含まれています。

田所 では、ウラン燃料は含まれていない。

関電 ウランですか? 原発のウランですか。これは私の見る限りでは書いていないんですけれども、これはお答えするのはちょっと確認させていただければと思うんですが。少々お待ちいただけますか(相談に数分)。お客様、お待たせいたしました。こちらウランは含まれていないということです。

田所 ウラン燃料は含まれていない。ほお。では含まれているのは原油、天然ガス、石炭の三つですね。

関電 この三つになります。

田所 そうするとですね、これは再度同じ質問で恐縮なのですけれども、値下げ前というのは7月のことですよね、7月40,700円であったものが、8月なぜ半額近く25,500円まで下がるのでしょうか?

関電 元々この基準燃料価格というのは、過去に2回目の値上げをさせて頂いた時があったと思うんですけれども、平成27年の6月に決めさせていただいたこの基準燃料価格40,700円というのは7月31日までずっと変わらずそのまま続いたんです。

田所 ずっと40,700円だったわけですね。

関電 40,700円に対して安くなってる分を毎月々燃料調整費としてお返しさせて頂いてたものになるんです。

田所 マイナスになってる分は返していただいてたという訳ですね。それが先月、今月あるいは去年から今年、先物取引の値段を見ても原油にしろ天然ガスにしろ大幅な下落の傾向は見られないのですが、なぜ基準額がこれ程極端にさがることになったのでしょうか?

関電 これはまず40,700円という基準価格が平成27年6月に決めさせていただいた値段で、その後この基準燃料価格に対して実際いくらの燃料価格だったかというのが、今手元にあるのが28年になって申し訳ないんですが、28年1月にいたっては33,200円になってました。ですのでこの時に1kwhあたりマイナス1.58円というマイナス請求をさせて頂いてたということになります。それが2月になったら31,900円、3月が30,500円、4月が28,700円といった形で、なんか見た感じだと毎月々コンスタントに下がっていってる傾向にありまして。

田所 そうなんです、それが実勢価格だからですよ。つまり前に定められた40,700円という数字は市場価格からすると破格に高い額で設定されていたわけですよね(著者注:2015年原油価格は1バーレルあたり48ドル)。私の疑問は、なぜこの平成27年6月に市場価格はそんなに高くもないのに40,700円という基準価格を設定したかということです。

関電 ちょっとその辺りはちょっと詳しく……。

田所 その答えはここに書いてあるんですよ。次のところに「弊社といたしましては、引き続き、高浜発電所3、4号機の安全・安定運転に努めるとともに、大飯発電所3、4号機をはじめ、安全性が確認された原子力プラントの再稼動に、安全最優先で取り組んでまいります」と。これを読むと、要するに「原子力発電所が止まってしまったから基準燃料価格を上げた」んだと。だけども実勢価格はそれより低いから私たちにお返しいただいていて、8月1日から何かと言ったら、高浜原発が営業運転始めて発電始めてるわけですよね。それで25,500円に下げていると私たちは理解してしまうんですけれども、それは誤りでしょうか?

関電 これは、ちょっと私の方では……。

田所 難しいですね。私の申し上げてる疑問についてお分かりいただけますでしょうか?

(つづく)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

7日発売!『紙の爆弾』10月号!【特集】安倍政権とは何だったのか

8月9日長崎原爆の日に放影研(放射線影響研究所)の閉鎖廃止を求める

下記は今年6月17日付けの毎日新聞の記事だ。ここでの放影研の丹羽太貫(にわ・おおつら)理事長の発言は、一見殊勝にも見間違いかねないほど、悪意に基づいた「ごまかし・欺瞞」に溢れている。

毎日新聞2017年6月17日付け記事より)
毎日新聞2017年6月17日付け記事より)
毎日新聞2017年6月17日付け記事より)

原爆による放射線被ばくの影響を追跡調査している日米共同研究機関「放射線影響研究所」(放影研、広島・長崎両市)の丹羽太貫(おおつら)理事長(73)が、(著者注:6月)19日に被爆者を招いて広島市で開く設立70周年の記念式典で、前身の米原爆傷害調査委員会(ABCC)が治療を原則行わず研究対象として被爆者を扱ったことについて被爆者に謝罪することが分かった。放影研トップが公の場で直接謝罪するのは初めてとみられる。丹羽理事長は「人を対象に研究する場合は対象との関係を築くのが鉄則だが、20世紀にはその概念がなかった。我々も被爆者との関係を良くしていかなければいけない」としている。

ABCCでは被爆者への治療は原則行わず、多くの被爆者の検査データを集めた。被爆者たちは「強制的に連れてこられ、裸にして写真を撮られた」などと証言。「モルモット扱いされ、人権を侵害された」と反発心を抱く人が少なくなく、「調査はするが治療はしない」と長く批判を浴びてきた。 (中略)

一方、被爆者を裸にして検査をしたり遺体の献体を求めたりしたことについて、丹羽理事長は「米国側が日本の習慣などを十分理解しておらず、文化摩擦があった。だがサイエンスとしては必要だった」との見方も示した。

放影研歴史資料管理委員会委員の宇吹暁・元広島女学院大教授(被爆史)は謝罪について「放影研は被爆2世、3世の研究を今後も続けるには、組織として謝った方が協力を得られやすいと判断したのだろう」とみている。

丹羽太貫放(にわ・おおつら)放影研理事長の略歴

◆広島・長崎・福島を繋ぐ「放射線マフィア」本流

放影研もしかし、こんな経歴の男に「謝罪の真似」をさせるのだから、逆効果が出てもしかたはあるまい。放影研理事長、丹羽太貫の経歴を見て頂こう。

京都大学医学部 1975-1984年 放射線基礎医学教室助手
広島大学原爆放射能医学研究所
 1984-1991年 病理学教室助教授
 1991-1997年 病理学教室教授(1994年の改組により分子病理分野と改名)
京都大学放射線生物研究センター
 1997-2007年 教授
 1999-2003年 センター長
(独)放射線医学総合研究所重粒子医科学センター 2007-2009年 副センター長
バイオメディクス株式会社 2009-2012年 代表取締役社長
福島県立医科大学 2012-2015年 特命教授
放射線影響研究所 2015-現在 理事長

丹羽太貫放影研理事長は一貫して「放射線マフィア」の中心街道を歩んでき来た人間であり、ことに2012年に福島県立医大の特命教授に就任したあと、2015年から現職にあることが、この男の素性すべてを物語る。そして、京都新聞の8月6日朝刊では、丹羽は6月、「批判を重く受け止め、心苦しく思う」と放影研の「設立70周年式典」で被爆者に「謝罪」したと報道されている。「心苦しく思う」のどこが、謝罪なのだ。

「『調べるだけで治療せず』非難なお根強く」との見出しの通り、放影研はその前身のABCC(Atomic Bomb Casualty Commissionは「原爆傷害調査委員会」と)発足時より被爆者の調査を行い、そのデータを収集するという明確な目的はあったが、他方被爆者への治療などは「まったく」眼中になかった。その歴史は長くにわたり批判の対象となっていたけれども、丹羽はあたかもその過去を「反省」したかのような「雰囲気づくり」に一芝居うっただけであり、丹羽の言葉のどこにも「治療しなかったことが誤りであり、申し訳なかった」という趣旨の言葉は見つからない。

◆福島で表れた丹羽太貫の本性

それどころか、下の映像をご覧いただきたい。これが丹羽の本性を現すのには最も適格な材料だろう。


◎[参考動画]委員と傍聴者が怒鳴り合い~環境省専門家会議(OPTV2014年11月27 日公開)

福島第一原発事故後の環境省専門家会議で、出席者の一人である丹羽は傍聴席に向かって、罵声を飛ばし、威嚇までしている。詳細な説明は不要だろう。この男の本性をしっかりご覧いただこう。ちなみにこの専門家委員会の委員長は長瀧重信(ながたきしげのぶ)で、丹羽以上に「放射線マフィア」界隈では大物だ。長瀧は長崎大学医学部長や、放影研理事長を歴任している。こういった連中が環境省専門家委員会で事故後に至るも平然と大きな顔でのさばり、あろうことか、丹羽は傍聴者を威嚇までしている。

毎日のように、このような場面が多数の人々の目に触れれば、彼らがどのような魂胆の持ち主かが何も知らない人びとにも伝わりやすいのだろうが、なかなかそうはいかない。一言も謝罪をしていない不思議な「謝罪」を行った丹羽が理事長に君臨する放影研は、3年前から福島第一原発事故作業員約2万名を対象にした「調査」を行っている。作業員に体調不良者や白血病が見つかっても、放影研は当然治療をしてはくれない。

原爆による被害者が調査資料を得るための「モルモット」であったのと同様に、福島第一原発事故収束のために働いた人びとも、被爆影響がどのように現れるかの「人体実験」サンプルとして調査の対象にされるだけであることは間違いない。

◆広島、長崎、福島の犠牲者を「モルモット」扱いする放影研の閉鎖廃止を求める

放影研の評議員一覧

放影研の運営(評議員)には今でもあやしい米国人の名前が複数、目につく。

丹羽は「われわれは科学を介して原爆の影響を世界に発信していきたい。そうすることが協力してくれた被爆者への恩返しになる」と述べているが、被爆者は核推進論者により捻じ曲げられ発信される「原爆の影響」などを望んではいまい。

いっそうのこと、広島市と長崎市は原爆の負の遺産である放影研の立ち退き、あるいは閉鎖を要請してはどうだろうか。犠牲者を追悼する方法には様々な手段があっていい。祈る人は祈り、精霊流しをする人はそれに思いを込め、犠牲者を「モルモット」扱いした非人道的組織、放影研の閉鎖を求める声がそのバリエーションの中にあってもよいのではないだろうか。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

8月6日広島・世界のゆがみ──安倍晋三首相に問う「大いなる背理」(田所敏夫)
 

愚直に直球 タブーなし!8月7日発売『紙の爆弾』9月号!さよなら安倍政権【保存版】不祥事まとめ25
多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』

「反原連」の中心メンバーによる「ネトウヨ御用達アカウント、鹿砦社」発言を糾す! [鹿砦社代表 松岡利康]

先に大学院生リンチ事件加害者・李信恵氏による「鹿砦社はクソ」発言に対して、日々一所懸命に働いてくれている社員や、支えていただいている取引先、ライターさんらのためにも決して看過できず、私なりの意見を表明させていただきました。これに対して李信恵氏からのリアクションは今のところありません。

◆「反原連」imai tko氏によるSNS上での誹謗中傷の数々

ところが、李信恵氏ら「しばき隊」-「カウンター」につながる「反原連」(首都圏反原発連合)の中心メンバーである、ハンドルネームimai tko氏(現時点では本名はあえて秘す)が、同様な誹謗中傷を行っていることを知らされました。普段、ツイッターやSNSの類を業務で用いることは、最小限にとどめているため、ネットパトロールが不徹底で、最近に至るまでこの事実は判りませんでした。

主なものを以下挙げますと、
○「実名出したりプライバシー暴いて挑発するっていうのは、鹿砦社が以前から確信的にやってる手口」(7月29日)
○「ネトウヨ御用達アカウント、鹿砦社」(同日)
○「鹿砦社アカウントに連なるネトウヨ、レイシストの群れを見れば、鹿砦社の本性がよく分かる」(6月10日)
○「『特定のユーザーにいやがらせをしている/脅迫行為や暴力を助長している』アカウントとして通報しました。→@digital_rokusaiデジタル鹿砦社通信」(6月9日)
○「こういう風に個人情報を晒して嫌がらせをする鹿砦社みたいなのは完全にペンの暴力で、それを見て見ぬふりする浅野健一氏などの取り巻きも本当酷い」(6月8日)
○「鹿砦社のアカウント見れば分かるけど、RTされているのは殆どネトウヨという、ネトウヨ御用達アカウントと化している」(6月2日)
などです。

◆いわゆる「阪神案件」での実名表記について、これは事実と全く異なります

さらには、12年前の鹿砦社「名誉毀損」事件の、いわゆる「阪神案件」での実名表記について、不審な亡くなり方をした阪神スカウトの長女が松岡に罪を押し付けるために陳述した箇所を探し出してきて歪曲し、「“松岡社長からは、『いっそのこと、お父さんを殺した犯人だと思う人を実名で本に掲載し、阪神球団関係者らに挑発してみてはどうでしょうか。相手が訴訟を起こしてくると、おもしろい展開になるかもしれませんよ』と…”と鹿砦社・松岡氏の常套手段」(7月29日)と書き込んでいます。

これは事実と全く異なります。実名表記については長女が主唱し、当社及び松岡は反対したものの、その強い意思と態度のためにやむなく応じたものにすぎません。事実、実名表記長女主唱については一審判決において認定され、長女が控訴しなかったためにすでに確定しています。それにもかかわらず充分な調査もせず(あるいは事実を知っていながら)事実と全く異なることを殊更にあげつらうimai tko氏の行為には、強烈な悪意があるとしかおよそ考えられません。なお、前科に関わる事項に関し、悪意をもって事実と異なる内容を公にする場合、刑事上の責任を負う可能性があることは言うまでもありません。

8月4日付けで鹿砦社がimai tko氏に送った警告書1/3頁
8月4日付けで鹿砦社がimai tko氏に送った警告書2/3頁
8月4日付けで鹿砦社がimai tko氏に送った警告書3/3頁

◆imai tko氏が誹謗中傷をくり返す2つの要因

私は李信恵氏同様imai tko氏にも一面識もありません(ひょっとしたら、反原連との短い蜜月期間〔1年半〕に1度だけ開いた懇親会で顔を合わせているやもしれませんが、名刺交換をしているわけでもなく記憶にありません)。なのに、なんでここまで誹謗中傷と名誉毀損をなされなければならないのでしょうか。

思い当たる要因は、次の2点です。

ひとつは、反原連からの絶縁声明を出された(2015年12月)後に『NO NUKES voice』で3号にわたり反論を掲載していますが、ここで「ミサオの同居人」と記したことに過大な不快感を露わにし「たんぽぽ舎」の方々に当たり散らしていたということです。imai tko氏は、反原連の女帝=ミサオ・レッドウルフ氏と同棲していますが、正確には、ミサオ氏がimai tko氏の自宅に転がり込んできたようで、「ミサオの同居人」という表現は不適切だということのようです。それならそれと、たんぽぽ舎の善意の方々に当たり散らすのではなく、なぜ直接私に言わないのでしょうか? 

ふたつ目は、この「通信」でもご報告していますように、4月15日に私はたんぽぽ舎主催の講演会で、12年前の鹿砦社「名誉毀損」事件について話させていただきました。これには90名ほどの方々にお集まりいただき大盛況でした。これに最後まで執拗に反対したのがimai tko氏でした。最終的には打ち合わせの会議に私も出席し(imai tko氏は欠席)全員一致で開催されることが決定いたしました。

imai tko氏はこの時まではたんぽぽ舎の運営委員だったということですが、私の講演の直後、みずからたんぽぽ舎を去られました。長年、たんぽぽ舎で活動されていたということですが、そうした2つの理由でたんぽぽ舎を去られるに至ったことには忸怩たる想いがあります。

◆具体的な事例を挙げていただきたい

私たちが「実名出したりプライバシー暴いて挑発する」? 「特定のユーザーにいやがらせをしている/脅迫行為や暴力を助長している」? 「個人情報を晒して嫌がらせをする鹿砦社みたいなのは完全にペンの暴力」? 「ネトウヨ御用達アカウントと化している」? …… 具体的な事例を挙げていただきたい。

私たちは一般市民の「実名出したりプライバシー暴いて挑発」したり「個人情報を晒して嫌がらせ」をした覚えはありません。あくまでも(準)公人やみなし公人に的を絞っています。『NO NUKES voice』や、3・11直後に出した『タブーなき原発事故調書』などで原発事故のA級戦犯らのプライバシーは暴いたことはありますし今後も必要に応じてやるつもりです。

◆「はすみリスト」公開や高島章弁護士への暴言攻撃はどうなんですか? 

ところで、「実名出したりプライバシー暴いて挑発する」とか「個人情報を晒して嫌がらせをする」といえば、すぐに思い出すのは、imai tko氏らにつながる「しばき隊」のメンバーで「闇のあざらし隊」を名乗る男が、勤務するセキュリティ会社のデータを取り出し暴露した「はすみとしこしばき事件」があります。はすみとしこのイラストにフェイスブックで「いいね!」した人の名前や住所、勤務先などをリスト(「はすみリスト」という)にして公にし「個人情報を晒して嫌がらせを」し大騒ぎになったことを思い出します。imai tkoさん、これはどうなんですか? 

また、これもimai tko氏らとつながる新潟日報の報道部長(のちに退職)による、高島章弁護士(大学院生リンチ事件の被害者M君の代理人の1人でもあります)に対して「弁護士の仕事やめろ。プロのハゲとして生きろ。ネトウヨ弁護士。クソ馬鹿ハゲ野郎!」という暴言攻撃、右派系女性に対する「お前の赤ん坊を豚のえさにしてやる!」攻撃は? はっきり答えてください。

さらに挙げれば、私が反原連やSEALDsに疑問を持った大きなきっかけとなった、韓国からの京都大学研修生・鄭玹汀(チョン ヒョンジョン)さんに対して、imai tko氏につながる者らによってなされた、人権侵害ともいえるネットリンチについても、imai tko氏はどうお考えなのか? それらこそ「ペンの暴力」ならぬ「ネットの暴力」ではないのか? 私たちに対して「実名出したりプライバシー暴いて挑発する」とか「特定のユーザーにいやがらせをしている/脅迫行為や暴力を助長している」とか「個人情報を晒して嫌がらせをする鹿砦社みたいなのは完全にペンの暴力」とか誹謗中傷するimai tko氏には答える義務があります。

◆imai tko氏には8月4日付けで「警告書」を送りました

ともあれ、imai tko氏による誹謗中傷と名誉毀損は、黙っていれば繰り返されると思われ、断固抗議し、謝罪と今後繰り返さないことの誓約を求めて、8月4日付けで「警告書」を内容証明郵便にて送りました。回答期限は、「警告書」到着後7日以内です。この件につきましては、今後、事の成り行きをご報告いたします。
 

愚直に直球 タブーなし!『紙の爆弾』9月号!さよなら安倍政権【保存版】不祥事まとめ25

資金も支援者も減り続ける反原連が孕む「独善性」「排他性」という宿痾

 
 

  
反原連(首都圏反原発連合)が資金不足から「ドネーション・プロジェクト」を始めている。反原連のHPには、

「2017年度初めの反原連の戦略拡大会議において、2016年度の決算を検討したところ、年間経費の約3分の1に当たる約360万円の赤字が計上され、これに2015年度の赤字額約150万円も加わり、このままではあと1年ほどで活動ができなくなることが判明しました。反原連が現在の運営状態になった4年前から大幅な経費の増加はないため、原発問題の長期化に加え、安倍政権の様々な悪政のため、人々の関心が原発問題以外にも分散したことによる、抗議参加者の減少や、口座へのカンパ額の減少などが原因であると考えています。
 これを受け、同会議で今後の方針を話し合ったところ、『金曜官邸前抗議』をはじめとする反原連の活動の必要性を訴える多くの人々がいること、安倍政権下での、3.11福島原発事故の反省も無い原発推進・原発回帰の情勢の中、道半ばで活動を止めることを考えるのは難しいことから、あと2年以上運営を継続することを目指し、目標額を1,000万円とするドネーション(カンパ)の呼びかけをすることになりました。これまで反原連では、積極的にドネーションの呼びかけをしてきませんでしたが、この度、初めて、強く訴えることを決断するに至りました。」

反原連のHPより

とカンパの訴えが掲載されている。原発問題が風化する中で、反原連に寄せられる寄付が減っているのはわかるが、鹿砦社としては「ああそうですか」と上記の文章を額面通りに受け取ることはできない。

◆反原連の内実を知れば知るほど「支援者」が減る

鹿砦社はかつて反原連に年間300万円を超える実質的支援を行っていた。上記反原連の予算規模がそのままであるとすれば、年間予算の3分の1程度を支援していたことになるが、反原連から一方的に「絶縁」を宣言されたのは、下記の通り2015年12月2日だ。当時の予算規模であればおそらく半額程度を鹿砦社の支援は支えていたことだろう。

反原連のHPより

われわれは「支援したから言うことを聞け」などと言っていたわけでもない。反原連に散見される「独善的」、「排他的」な言動に意見を伝え、出版社として当たり前に、独自の編集方針と、編集権で『NO NUKES voice』 を淡々と発行していたにすぎない。しかし反原連は、失礼千万、編集権への介入も著しい上記声明をHPに掲載した。反原連を鹿砦社が支援してはいたが、実際には社長松岡が反原連の活動に一時的に「騙されて」いたことがこの反原連による声明で明らかになる。

内実を知れば知るほど「支援者」は減るであろう。これが反原連に対するわれわれの偽らざる感想だ。
   
   
  

 
 

◆中沢けい、香山リカ、鈴木邦男、野間易通
  ── 「しばき隊」の別動隊と化した「のりこえねっと」

それは運動を中心で支えている人間の質に頭を傾げざるをえないこと、彼らが連携している他の運動体に、深い病巣を見て取れることから明らかだ。7月7日には複数の国会議員をはじめ、中沢けい、香山リカ、鈴木邦男らも演台に立ったようだが、この三人の登場が現在反原連の姿を明確にあぶりだしている。

中沢けい
香山リカ
鈴木邦男
 
 

  
この三人はいずれも「しばき隊」の別動隊と化した「のりこえねっと」共同代表であり、「M君リンチ事件」に関して隠蔽工作に手を染めた中沢けいや、「M君リンチ事件」にかんして鹿砦社をくどい程攻撃してくる香山リカ。あるいは度重なる鹿砦社、松岡からの問いかけを無視している鈴木邦男といった連中だからだ。

反原連の構成員すべて=「しばき隊」の別動隊と化した「のりこえねっと」の構成員ではなかろうが、現在もこの不健全な運動体を実質的に仕切る野間易通は反原連の一員であることからも、その密着性は明らかだ。

◆反原連よ、あなたたちの独善性は度を越えている

われわれは反原連を100%否定するつもりなどなかったし、健全な議論で問題解決を図ろうと試みた。松岡がそのために流した汗は並ではない。しかし、鹿砦社のまったくあずかり知らぬ「M君リンチ事件」が発生していたことを知るに至り、反原連への支援が、間接的とはいえ、われわれの意思と全くかけ離れた運動体による犯罪に関連していたことを突き付けられたのだ。これが一般市民であれば「ああ、なんとういうことをしてしまったのか……」で済ますことができるかもしれない。

しかし、小なりとはいえど出版を通じて社会に発信を行ってきたわれわれに「沈黙」は許される選択肢ではなかった。反原連よ、「反原発・脱原発」は結構だが、あなたたちの独善性は度を越えている。特定党派を「排除」する声明など出す権利が、公道上で集会を行っている団体にどうしてあるのだ。あなたたちの仲間は「過激派だからこいつら逮捕してくださいよ」と警察に詰め寄った。あの発語は偶然でも、例外的な過ちでもなく、反原連の行動原理の根底に共有されているものだとわれわれは了解する。われわれは反原連のこのような姿勢を断じて容認しない。

それにしても、「M君リンチ事件」とは無関係の登壇者もいるが、中沢けい、香山リカ、そして鈴木邦男の登場には愕然とさせられる。鈴木邦男よ! あなたは松岡の度重なる心の叫びを無視するのか! 鈴木を称して松岡は「八方美人」、取材班は「無節操・ボケたか?」と評したが、ここまで来ると鈴木の妄動は「蝙蝠(コウモリ)」にたとえざるを得ない。

反原連は反原発、脱原発を目指しているはずだろう。その目標に異議はない。しかし、あなたたちのような「3・11」後の運動ではなく、それ以前から石にかじりついて活動してきた人びとへの嫌がらせは目に余る。そしてあなたたちは、なにより「傲慢」にすぎる。

反省など期待できない団体とは知りながらも最低限、鹿砦社として意思表示をしておく。それが一時的とはいえ、「支援」をしたものの責務であるからだ。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

『NO NUKES voice』12号【特集】暗い時代の脱原発──知事抹殺、不当逮捕、共謀罪 ファシズムの足音が聞こえる!
多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』

電事連の無茶苦茶な虚構広告──その真意を広報に問うてみた〈後〉

 
 

  

『NO NUKES voice』12号【特集】暗い時代の脱原発──知事抹殺、不当逮捕、共謀罪 ファシズムの足音が聞こえる!

『NO NUKES voice』や本コラムで本間龍氏が、原発と広告については毎号連載でその暗部を明かしてくれている。たまたま新聞を見ていたら石坂浩二が深刻そうに「エネルギー自給率6%」を指さした写真が大写しの電事連(電気事業連合会)の広告を目にした。

一言で言えば無茶苦茶な虚構である。しかしこの広告のために一体いくらの電気料金が使われたのかを考えると、むかっ腹が立ってきたので、電事連に6月20日電話取材をした。応対者は広報の「オオフサ氏」(男性)だ。前回に引き続きそのロングインタビューの後編を公開する。

石坂浩二が深刻そうに「エネルギー自給率6%」を指さした電気事業連合会の新聞広告

◆この自給率6%の中にウランも入ってるわけですか?

── 先ほど明確に(エネルギー自給率)6%というのは水力だとおっしゃっていただきましたけれども、この6%の中にウランも入ってるわけですか?
電事連 ここは入っていないです。
── だから私が申し上げているのは、エネルギー自給率6%というのは確かに深刻だということは同意しますが、その6%の中にはウランが入っていないのであって、ウランは残り94%の中に最初は入ってるわけですよ。それをあなたはリサイクル可能な燃料だという表現でご説明いただきましたよね。それはプルサーマルできるからということでそういう様な表現なさってるかもわからないけれども、そんなこと言うんだったら石炭を燃やした後の燃え屑を使うことだってリサイクルなんだから「準国産」に組み入れないと不合理でしょ。ところで原子力発電所の発電効率は何10%なんですか?
電事連 すみません、ちょっとそれは即答できないんです。
── 約30%です。だから3分の2は温水にして捨てるわけですよ。非常に効率が悪い。でもこの広告は極めて恣意的に原子力発電がいかにも有効であるかというような意識を植えさせようとしていますね。私たちが払ってる電気代でこんなことしないで欲しいんですよ。虚構ですよ、この数字も説明も。

 
 

  
── それから再生可能エネルギーという言葉はあるけれども、あなたは先ほどから「リサイクル」という言葉を何回かおっしゃいましたね。リサイクルできるプルトニウムというのは猛毒だということはご存知ですね。この間茨城県で事故があってプルトニウムを事故で吸い込んだ人がいましたね。
電事連 私がですか?
── あなたではなくて、大洗でプルトニウムを吸い込んでしまった事故があったでしょ、プルトニウムを吸い込んだ方は大変な健康被害の懸念があります。過去の研究結果からいったらそうなんです。そういう毒性の高い物を使って、運転しても大丈夫だということは確信持っていらっしゃるわけですね、電事連の方々は。
電事連 はい。
── 大丈夫なんですね。大丈夫だったけれど不思議なことに福島では黒煙が3号機からだけ上がったということですね。1号機、2号機、4号機爆発しましたけれども。黒煙が上がってあれほど高い所までに燃料棒が吹きあがったのは3号機だけですね。でも大丈夫なんですね。あなた方それ保証できるんですね。安全性を保証できるんですね?
電事連 その100%というところは、福島の事故を受けまして事故が起こったという反省に立ってわれわれも安全対策をしっかり取り組んでますし、それはこれからもやっていくことにはなると思いますけれども。

◆原発が動こうが動くまいが自給率は変わらないじゃないですか?

── なんであそこまで取り返しのつかない事故を起こしてまで、まだやろうと平気で考えられるのですか? 原子力緊急事態宣言というのがまだ発令中だというのはご存知ですよね。政府の。
電事連 はい。
── 終わってないんですよ。わたしの意見ではなくて。原子力緊急宣言というのはいまだに出っぱなしなんですよ。政府によればいまも緊急事態なんですよ。緊急事態の中でなぜ原因究明とか原状復帰もできない中でこういった嘘の広告が打てるんですか、あなたたちは。
電事連 われわれとしては嘘だとは思っていませんし。
── 嘘じゃないですか。だってまずは6%というところ。あなたが正直に教えてくれたけれども日本にウランはないんだから、ウランは輸入しなければいけませんてことでしょ。それならば原発が動こうが動くまいが自給率は変わらないじゃないですか。
電事連 …………
── 違います? ちゃんと説明していただいたら私も意見変えますから。教えていただければ。
電事連 冒頭申し上げた通りでして。
── あなた冒頭冒頭言ってるけれど、原発が動いたら6%という数字がどのように変化するんですか?
電事連 申し訳ないですけれども、繰り返しになってしまいます。原子力が動くことで準国産エネルギーというふうに位置づけられてる原子力が動くことで自給率向上というところを目指していると。
── 今プルサーマルで動いてるのは伊方と高浜と二つだけですね。これが営業運転を始めたら自給率はどれだけ上がるんですか?
電事連 すみません、その数字は手元には今ございません。
── それくらい準備しときなさい。
電事連 申し訳ありません。

◎[参考動画]「家庭生活×エネルギー自給率」篇(電気事業連合会2017年2月22日公開)
 
 

  

◆42基の原発をフル稼働させたら自給率どこまで上がります?

── プルサーマルをやったって、プルトニウムを高い濃度で入れられるわけないから、上がったって1%も上がりませんよ。だからこの広告は、最初の6%という数字を石坂浩二が示してることによって大きく読者をミスリードしているということを私は疑問視しているわけです。仮にですよ、日本に今、商業用で使える原子炉は42基ありますね。それをフル稼働したら自給率どこまで上がります?
電事連 この新聞広告に出てるエネルギーミックスを達成することで、おおむね25%程度ですね。
── 25%、フル稼働すると。というのはそれはプルトニウムも燃やしてということね。42基で、だけどその中でプルサーマルの炉は何基あるんですか?
電事連 現状でですか?
── そうです、今プルトニウムを入れて燃やすことができるプルサーマルの炉というのは全国にいくつあるんですか?
電事連 今3基ですね。
── 3基? 高浜の3号と、伊方と、もう一つは?
電事連 玄海ですね。
── 3基だったら、どうしてさっきあなたがおっしゃたように20何%まで上がるの? 説明が全然比率としておかしいでしょう。そりゃ20基、30基プルサーマル燃やせる炉があったら数%上がるかもしれないけれど、プルサーマル燃やすときにプルトニウム混ぜる割合ってウランに対して、ウランとプルトニウムを何対何で入れて燃料作るんですか?
電事連 …………。

◆違うでしょ、私は原子力だけを聞いてる!

── そもそもウラン燃料は一本当たり、プルサーマルでなくてですよ、一本当たりの重量はどのくらいですか?
電事連 すみません、ちょっと今それは……。
── そんなことも知らないのか君は! だいたい1トンですよ。ジルコニウムで包んであって中にペレット状のウランが入ってるわけですよ。そのペレット状のウランを特殊加工してその中にプルトニウムを混ぜる。その資料はありますか?
電事連 ちょっと今手元にはないです。
── だからね、あなた何にも資料手元になくて、何にもご存知なくて、なんでそこに座って私に応対できるの? 素人の私の方が知っていてどうするんですか? プルサーマル燃料を燃やせる炉は3基しかないわけでしょ。3基しかなくて1年動いたら定期検査で止めなければいけないでしょ。だから3基の原子炉が仮にあなたのおっしゃるようにリサイクルしながら動いていても24時間365日ずっと動くということはないわけですね。それで何で3基だけ動いて自給率が6%から25%にまで上がるんですか。
電事連 そこはすみません。そういうふうに申し上げたつもりはなかったんですけれども。新聞広告に書いてある2030年の電源構成という円グラフが描いてあると思うんですけれども、この電源構成を達成すれば25%程度と……。
── 達成すればと、もう少しわかりやすい言葉で言っていただくと?
電事連 この電源構成を実現していくと自給率が25%程度に達成すると……。
── 電源構成を実現するとは具体的にどういうこと?
電事連 その広告に書いてある……。
── つまりプルサーマルを新設するということなんですか?
電事連 いえ、今止まってる発電所でも設置許可の申請をしてるところもありますし……。
── 違うでしょ。私、あなたに聞いたのは日本の中でプルサーマルができる炉はいくつあるのって聞いたら、あなた3基しかないっておっしゃったじゃない。
電事連 そこは申し訳ありません。
── 他にもあるの?
電事連 今手続きを取ってるところもありまして。
── いやいや、止まってる所も含めて日本の中でプルサーマルができる炉はいくつあるのですか?
電事連 実績としては3基ですね。福島第一原発3号機を除くと3基という形になります。
── じゃあ3基で間違いないわけでしょ。これ以上燃やしようないわけでしょ。玄海はまだ止まってるけど伊方と高浜はもう動き出したからそこで燃やしてるわけでしょ。で玄海が動き出したらいきなり6%が25%になるんですか?

 
 

  
電事連 いえ、そこは違いますね。
── じゃ、どういう計算になるんですか。教えて下さい。あなたの説明では前提となる数字と結果の間に大きな齟齬があって理解できない。
電事連 申し訳ありませんでした。
── 「ありませんでした」じゃなくて、3基がフル稼働したら今の6%の自給率が25%に上がるというのはどんな根拠に基づくんですか?
電事連 いえ、そうは申し上げてないです。
── じゃあわかりやすく教えてください。どうしてそうなるのかということを。
電事連 ですので、2030年の電源構成というのを達成すれば自給率としては25%程度まで改善すると。
── だから具体的にどういうことを意味するわけですか。私がさっきお尋ねした通り新たにプルサーマルで燃やせる炉を新設するということを意味するわけなんですか?
電事連 いえ、それだけではなくて再生可能エネルギーの導入拡大ですとか……。
── 違うでしょ、私は原子力だけを聞いてる。ここのグラフにも実際に20~22って書いてあるじゃないですか。再生可能エネルギーの話は聞いてないですよ。原子力にフォーカス絞ってお尋ねしてるんです。できようないでしょ、そんなものは。再生可能エネルギーはどんどん上がるかもわからないですよ。プルサーマルの今ある3つの炉で思いっきり燃やしたところで、あなたたちリサイクルと言うかもしれないけれども事故の危険が増すだけの行為ですよ。それを「準国産」というのは「産地偽装」と一緒ですよ。あなただってアメリカで作られた牛がスーパーで売っていて佐賀県産とか何とか県産とか書いてあって高いお金出して買ってきて食べて後でそれが報道でアメリカの安い肉だったと聞いたら怒るでしょう。それと一緒のことじゃない。何が準国産ですか。そんな乱暴かつ無茶苦茶な概念を平気で使ってるということ自体が常軌を逸しています。そんなこと言ったらね、ごみも全部「準国産」ですよ。焼却ごみも。燃えるごみって出すでしょ。燃えるごみは中にいろんなものが入ってるけど、あなた方の理屈で言えば「準国産」のエネルギーってことになりますね。ごみ焼却場で燃やされたエネルギーは室内プールやお風呂とか暖房とかに現実に利用されていますよね。けれども可燃ごみを「準国産エネルギー」というような馬鹿な人は日本中探したってどこにもいないですよ。聞いたことないでしょ、あなただって。さらに言えば、ごみの中には毒性のあるものも含まれているけれども、プルトニウムほどに毒性の強いものは家庭からのごみにまずないですよ。電事連が主張なさっているリサイクルエネルギーという概念は私が今ご提示したように家庭から出る焼却ごみを「準国産」称して、しかも家庭から出るごみの中にはそれほどの毒性の強いものは含まれていないにも関わらず、プルトニウムという猛毒を混ぜて事故が起きたら破局的なことを迎えることが証明されているにも関わらず、それを強行しようとしているということを私はお話を聞きながら理解をするのですが、それに対するこちらが安心できるようなご説明は一切いただけないですね。残念ながら。私の疑問点はおわかりいただけました?
電事連 はい。

◆プルサーマルの炉だけでなんで6%が25%に跳ね上がるのか?

── この表示の仕方はどう考えてもおかしいですよ。それから政府の2030年の電源構成予定というのも完全に絵に描いた餅です。お考えになったらわかると思うけれどもね、これから予定して新しく作るプルサーマルの炉といったら大間ぐらいでしょ。
電事連 建設中のものと言ったら、はい。
── それができて燃やしたところで、なんで25%に跳ね上がるかということです。あなたそこに座っていらって、こういう質問が出た時にはその積算根拠がパッと答えられるように準備していないのであれば、要するにそれは「答えられないこと」だなと質問者は取りますよ。答えられないことなんです実際にね。すみません、お忙しい中時間取らせて、恐縮です。ごめんなさいお名前何とおっしゃいます?
電事連 オオフサと申します。
── オオフサ様。電気事業連合会の広報のオオフサ様。いろいろ教えていただくというか、長い時間恐縮でしたが。
電事連 いえ、とんでもないです。
── ちょっとオオフサさんもご自分でお調べいただけると有難いですね。よろしくお願いいたします。
電事連 はい、わかりました。どうも有難うございます。 (了)

◎[参考動画]エネルギーバランス(電気事業連合会2017年2月13日公開)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

愚直に直球 タブーなし!7月7日発売『紙の爆弾』8月号! 安倍晋三 問われる「首相の資質」【特集】共謀罪を成立させた者たち
『NO NUKES voice』12号【特集】暗い時代の脱原発──知事抹殺、不当逮捕、共謀罪 ファシズムの足音が聞こえる!
多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』

電事連の無茶苦茶な虚構広告──その真意を広報に問うてみた〈前〉

 
 

  

『NO NUKES voice』12号【特集】暗い時代の脱原発──知事抹殺、不当逮捕、共謀罪 ファシズムの足音が聞こえる!

『NO NUKES voice』や本コラムで本間龍氏が、原発と広告については毎号連載でその暗部を明かしてくれている。たまたま新聞を見ていたら石坂浩二が深刻そうに「エネルギー自給率6%」を指さした写真が大写しの電事連(電気事業連合会)の広告を目にした。

一言で言えば無茶苦茶な虚構である。しかしこの広告のために一体いくらの電気料金が使われたのかを考えると、むかっ腹が立ってきたので、電事連に6月20日電話取材をした。応対者は広報の「オオフサ氏」(男性)だ。そのロングインタビューを2回に分けて公開する。

石坂浩二が深刻そうに「エネルギー自給率6%」を指さした電気事業連合会の新聞広告

◆日本に原発の燃料になるウランの埋蔵はあるわけですか?

── 新聞広告について教えていただきたいのですけれども。
電事連 はい、どのようなことでしょうか?
── 石坂浩二さんが「エネルギー自給率6%」を示している新聞広告を見ました。これ電力安定供給のためにはエネルギーミックスが必要だと考えますということが書かれているのですが。この広告は何を主張していらっしゃるのでしょうか?
電事連 電力の安定供給を行っていくために、いろんな電源さまざま特徴がございますのでそういったものを組み合わせて使っていくというようなことを申し上げているつもりなんですけれども。
── 2030年の電力構成政府案という円グラフがありますね。最初に20~22%で原子力で、次に27%が天然ガスで、26%が石炭と順番になってるんですが、原子力の燃料は国産できるんですか?
電事連 いったん輸入をすればリサイクルができるという観点で、いわゆる準国産エネルギーというふうに言われてます。
── エネルギー自給率6%というのを石坂さんが示してるわけでしょ。
電事連 はい。

 
 

── 準国産は国産ではなくて、もとは輸入しなければいけないということをおっしゃってるわけですね?
電事連 うーんと、まあそうですね、はい。
── 日本に原発の燃料になるウランの埋蔵はあるわけですか?
電事連 ないです。
── ない! だったらこの広告ミスリードじゃないですか。
電事連 うーん、と申しますと?
── エネルギー自給率6%。6%自給できているものは何ですか?
電事連 日本で出せるものです
── 「資源の多くを輸入に頼る日本のエネルギー自給率は原子力発電の停止によってわずか6%にまで落ち込んでいます」と書いてありますけれども、今のご説明ですと、原子力発電の燃料も輸入に頼ってるわけでしょ、ここにも書いてあるけれども、原発が止まろうが動いていようが自給率の割合は変わらないじゃないですか、輸入してるんだったら。
電事連 ただ、リサイクルできるという観点で……。
── リサイクルというのは要するに核燃サイクルでしょ。核燃サイクルは「もんじゅ」をやめるから破綻したじゃないですか。
電事連 まあ、プルサーマルということで進めていくということもありますし。
── それは輸入して一端ウラン燃料を燃やした後でしょう?
電事連 それはそうですね。

◆原発が停止していなければエネルギー自給率はもっと高かったんですか?

── この日本にある6%は何なのですか?
電事連 水力発電とかがありますね。
── ああ、水力で。全部水力ですか?
電事連 ではないですね。再生可能エネルギーですとかそういったものもありますし。
── この広告の言う、「原子力発電所の停止によってわずか6%にまで落ち込んでいます」というのは、事実と反しますよね。原子力発電所が停止していなければエネルギー自給率はもっと高かったんですか?
電事連 そうですね、はい。
── どうして?
電事連 そこは準国産エネルギーというふうに位置づけられてますので。
── なんで?あなたおっしゃったじゃない、「日本にはウランの埋蔵はないから輸入しなきゃといけない」と。それがどうして国産になるんですか?
電事連 先程申し上げたつもりなんですけれども。
── 日本にはないんでしょ? 燃料になるウランは。
電事連 そこはない、はい。
── ないのに何で原子力発電が止まったら自給率が下がるんですか? もともとないものが動いていようが止まっていようが関係ないでしょ。
電事連 うーん、そこは繰り返しになってしまいますけれども、リサイクルできるという観点で準国産エネルギーというふうに位置づけられてまして。
── そんな馬鹿な理屈が通るのはあなたたちの頭の中だけです。準国産というのは、そんなこと言ったら石炭だって石炭燃やしたカスをまた使えば準国産になるっていう解釈だって可能になりませんか。
電事連 うーん。

◎[参考動画]「社会生活×エネルギー自給率」篇(電気事業連合会2017年2月22日公開)
 
 

 
◆古い原発はプルサーマルを想定して作られていますか?

── あなたに教えていただいたけれども、まずは輸入してるわけでょ。
電事連 はい。
── まず日本にないわけでしょ。
電事連 はい。
── ないんですね。
電事連 はい。
── それがなんで国産エネルギーなんですか?
電事連 すみません、そこはちょっと繰り返しになってしまいますけれども。
── 繰り返しじゃなくて、それはあなたがたの解釈が間違っているということですよ。エネルギー自給率6%というのは確かに深刻だとは思いますよ。だけどその6%の中に原子力発電を動かしたらそれが向上するような要素があるようにミスリードしてるでしょ。
電事連 いや、そういうつもりはないです。
── じゃあ、どういうことなんですか?
電事連 申し訳ないですけど、繰り返しになりますけれども、リサイクルできるという観点で自給率が上がると……。
── リサイクルというのは一般的には再利用ですよね、言葉の意味からして。原子力発電所における燃料の再利用というのはいったん原子力発電所で燃やしたウランの中からプルトニウムをごみとしておけないからウラン燃料と混ぜてプルサーマルで燃やすと、そういうことではないんですか?
電事連 おっしゃる通りです。
── それはリサイクルとは言いませんよ、社会的通念から言えば。そもそも、今ある古い原子力発電所はプルサーマルを想定して作られていますか?
電事連 そこはしっかり審査いただいて。
── いえ、違います。私がお尋ねしているのは設計時にですよ。作る時にあの炉の中で燃やす燃料はその中にプルトニウムが入るということが想定されて設計されていますか?
電事連 そこはしっかり審査をいただいて使えるということで。
── 審査ではなくて、設計の段階であの炉はもともとウラン燃料を燃やすということを前提に作られた炉ではないのですか?
電事連 いや、そこは審査をいただいて。
── 審査じゃない。私が聞いてるのは審査ではなくて設計の話を聞いてるわけですよ。メーカーが設計時にどういうものを作ろうかということを聞いてるわけですよ。
電事連 はい。既存の炉でも使えるということは確認いただいてます。
── 事後的にでしょ。最初に売る時に、自動車に例えたら「この自動車はガソリンと軽油と両方入れて走れます」と売ってる自動車ないですね。それと似たようなことなさってるんじゃないですか。
電事連 そこはまあ審査いただいて。
── いや、設計時にメーカーがあくまでもウラン燃料を燃やすということを前提に作られていたものを、審査基準というものがプルサーマルするために追認をしているというのが事実関係ではないのですか?
電事連 はい。
── そうですね?
電事連 はい。
── ということは先ほど私が申し上げたように、「この車にはガソリンと軽油を入れて使えます」という車を売っていないのにガソリンと軽油を入れて使っていると。ガソリンと軽油を入れたってすぐには爆発しませんよ、車だって。
電事連 うーん。
── そういうことですね?
電事連 ただまあ安全性を確認いただくために、しっかり審査を受けて然るべき手続きを取ってやってるということにはなりますけれども。

◆安全対策を講じたらそれで絶対に事故が防げるんですか?

── その審査というのはどなたがなさっているのですか?
電事連 ……どなたというと……。
── 今だったら原子力規制委員会ですか?
電事連 はい。
 

 
 

 
── その前だったら保安院(原子力安全・保安院)。
電事連 はい、そうです。
── でも福島第一原発の3号機爆発したでしょう。黒煙揚げて。福島でプルサーマルやってたのは3号機だけですね? 1号機、2号機、4号機、それぞれ違う理由で爆発しましたけれども、黒煙を上空高くまでドーンと飛んでいったの3号機だけですよね。
電事連 はい。
── あれでも安全という審査なわけですね?
電事連 福島第一原子力発電所事故以降は電力会社としても様々な安全対策を講じてますし。
── 講じたらそれで絶対に事故が防げるんですか?
電事連 そこは常に安全を追い求めていくと言いますか……。
── 違います。私の質問は「絶対に防げるんですか?」ということです。
電事連 事故が起こらないように日々努力して行くということ以外にないと
── 違います。「絶対に防げるんですか?」とお尋ねしているのです。
電事連 そこは常に安全を求めていくということ。
── だから防げない訳でしょ、「求める」ということは。常に安全を求めるということは、安全を100%保証できるということではないということでしょう。保証するわけではないでしょう。
電事連 …………

◆ウラン燃料を輸入してるわけでしょ? 

── でね、この広告の欺瞞はやはり許せませんよ。なぜかというと私たちの電気代からこれ出てる訳ですよね、電事連が広告を出すのは。電事連というのは電気事業連合会、だから全国10電力の連合体ですよね。そこがこういう広告を出すわけですよね。「私たちが知っておきたい数字です。エネルギー自給率6%。」これどうやったら上がるんですか?
電事連 上がるというのは?
── 6%が深刻だということを知っておきましょうということでしょ。そりゃそうですよ、エネルギー自給率が低かったら心配ですよ。そこの説明の文章を見ると原子力発電所を動かせばこの問題が解決できるというような解説がなされてますよね。本当にそうなんですか?
電事連 そこはちょっと冒頭申し上げた話の繰り返しになってしまいますけれども、原子力を再稼働させる、それだけではなくて再生可能エネルギーの投入拡大ですとか、そういったものをいろいろやっていくということにはなるとは思いますけれども。
── そんなこと書いてないじゃないですか! この文章に書かれているのは、原子力発電所の停止によってわずか6%まで落ち込んでいます、と。そのことだけ書いてあって「再生可能エネルギーを増やしましょう」というようなことは一言も書いてないですよ。この広告の意図はその文章で明確です。ですから、広告であっても嘘を書かないでください。あなたがおっしゃったように、原子力発電所の原料は輸入に頼ってる訳でしょう。6%の中に入ってないわけでしょ。エネルギー自給率の。
電事連 原子力がってことですか?
── ウラン燃料を輸入してるわけでしょ。
電事連 はい。
── だから自給してるわけじゃないですか。違うんですか?
電事連 そこはすみません。お客様と私が申し上げてることは、ちょっと繰り返しになりますけれど、食い違ってることがあると思うので。 (後編につづく)

◎[参考動画]エネルギーバランス(電気事業連合会2017年2月13日公開)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

愚直に直球 タブーなし!7月7日発売『紙の爆弾』8月号! 安倍晋三 問われる「首相の資質」【特集】共謀罪を成立させた者たち
『NO NUKES voice』12号【特集】暗い時代の脱原発──知事抹殺、不当逮捕、共謀罪 ファシズムの足音が聞こえる!
多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』

6・6高浜原発3号機再稼働反対集会 ── 『NO NUKES voice』ルポ〈2〉

最新刊『NO NUKES voice』12号【特集】暗い時代の脱原発──知事抹殺、不当逮捕、共謀罪 ファシズムの足音が聞こえる!

夜行バスではあまり眠れなかった。隣がいたら休めないことは分かっていたから、割高(それでも片道4,000円)の独立3列シートを購入したのにもかかわらず、だ。

川崎を出発するまでシートを倒すな、消灯したらスマホを見るな、カーテンを開けるな、渋滞中です。繰り返されるアナウンスに嫌気がさしたまま京都に到着した。

マイクロバスに乗り換え、しばらく北上。6月6日(火)、高浜原発3号機の再稼働を阻止すべく集まった人々と共に現地へ向かった。

◆5月17日の4号機再稼働に続き、6月6日に3号機が再稼働

高浜原発3号機、4号機は、2016年3月に大津地方裁判所が下した決定により運転を停止。裁判所が稼働中の原発の運転停止を命じた初の事例として注目されていた。

しかし、今年の3月に大阪高等裁判所が大津地裁の判断を覆す決定を下したことで、5月17日に4号機が再稼働。3号機についてはこの日、6月6日の14時に再稼働が予定されていた。

◆たじろぐ警察官、近づく海上保安庁ボート

高浜原発付近では複数回の検問に足止めされた。強気の運転手にたじろぐ警察官。なんのための検問かと尋ねると、ペットボトルロケットが打ち込まれたことなどを受け原発を警備しています、と答える。ワードのコントラストがなかなか面白い。

“音海地区”から原発を眺めていると、海上保安庁のボートが近づいてきた。それにしても海は透明で、風も心地よい。原発さえ見えなければとても穏やかな環境だと言える。

◆警察らと対峙する人たち、涙ぐむ黒田節子さん

現地には、報道陣や警察官を除き、約120名が集まっていた。数こそ少なく感じるかもしれないが、あのような僻地の限られたスペースだ。警察らと対峙する人数としては迫力がある。

暑い日差しのなかスピーチとシュプレヒコールを繰り返すも、3号機再稼働の知らせが入る。以降、原発を止めろとの主張に変更し抗う参加者。

「福島はもう取り返しがつかないが、高浜ではまだまだやるべきことがある」と語る、原発いらない福島の女たち・黒田節子さんの目には涙が浮かんでいた。

◆ゲート前の騒然──途絶えた拡声器の音と抗う人たち

代表者がゲート内に入りマイクを握った際、鉄製のゲートを締め切ったことが無線の障害となったのか、拡声器から声が聞こえなくなってしまった。

申し入れ内容を聞かせてくれと頼む声を無視されたことに反発し、数名がゲートに駆け寄り制止されるという、やや騒然とした場面も見られた。

[撮影・文]大宮浩平

▼大宮 浩平(おおみや・こうへい)
写真家 / ライター / 1986年 東京に生まれる。2002年より撮影を開始。 2016年 新宿眼科画廊にて個展を開催。主な使用機材は Canon EOS 5D markⅡ、RICOH GR、Nikon F2。
Facebook : https://m.facebook.com/omiyakohei
twitter : https://twitter.com/OMIYA_KOHEI
Instagram : http://instagram.com/omiya_kohei

最新刊『NO NUKES voice』12号【特集】暗い時代の脱原発──知事抹殺、不当逮捕、共謀罪 ファシズムの足音が聞こえる!
多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』

「共謀罪」凶行の日『NO NUKES voice』12号発売【特集】暗い時代の脱原発

 
 
6月15日発売開始『NO NUKES voice』12号【特集】暗い時代の脱原発──知事抹殺、不当逮捕、共謀罪 ファシズムの足音が聞こえる!

◆繰り返される被曝事故と再稼働強行の最中で

6月6日、日本原子力研究開発機構(JAEA)「大洗研究開発センター」で核燃料の貯蔵容器を点検しようとしたところ、中にあった袋が破裂しプルトニウムを含む放射性物質の粉末が飛散し。作業員5人のうち4人が放射性物質を体内に取り込んで被曝。1人の肺からは2万2000ベクレルの放射性物質(プルトニウムと推測される)が検出される大事故が発生した。

2005年12月25日佐賀県主催のプルサーマル公開討論会で、東京大学工学系研究科システム創成学専攻教授の大橋弘忠(元東京電力社員)が「プルトニウムは飲んでも大丈夫」と発言していたが、それに対して京都大学原子炉実験所助教(当時)の小出裕章さんが、「毒物は取り入れ方により毒性が変わります。プルトニウムの場合怖いのは鼻から呼吸で吸入する場合です」と指摘したうえで、具体的な数字をあげ、肺がん発生のリスクを説明している。

この映像は今回の事故に遭われた作業員の方には、充分に配慮して知って頂く必要がある。肺の中に呼吸により吸い込んでしまった2万2000ベクレルのプルトニウムが意味するところを、私はこれ以上明確に書くことができない。

これに先立つ5月17日関西電力は高浜原発の4号機を再稼働、「プルトニウム拡散事故」と同日には高浜原発3号機を再稼動した。1機の原発あたり過酷事故が起こる可能性は「2万年に一回」と主張していた推進派の定説からすれば、54機の原発を抱えるこの国での過酷事故確率は1/20000を54回足した割合であるはずだが、その数字は完全に机上の空論であることが、数々の事故という事実で証明されてしまった。

原発の過酷事故は多くの人の生活を奪う。わかった。しかし、原発で過酷事故が起こらなくても、核関連施設で少しの「手順間違い」があっただけで、現場の人々は生命の危険にさらされる。これが核の高毒性を示す明快な証拠だ。

◆特集は「暗い時代の脱原発──知事抹殺、不当逮捕、共謀罪」

このように、またしても事故が繰り返されるなか、そして国会で「共謀罪」が強行採決されようとしている本日6月15日『NO NUKES voice』12号が発売となる。特集は「暗い時代の脱原発」だ。高浜原発再稼働の危機は、編集段階で視野に入っていたが、JAEAの事故など編集部が予想できるはずはない。特集では非常に厳しく冷徹な目前の現状を、多角的な視点から直視している。そこに希望はあるのか、打開策はあるのか。答えは本号をお読み頂き読者にご判断いただこう。

巻頭にご登場は、作家、編集者にして社会運動家でもある森まゆみさんだ。「私の《陣地戦》クロニクル」では、東京下町の魅力発掘から、日本中へ足を延ばし、さらには世界を広く「森まゆみ」の目から見てきたお話が繰り広げられる。シンプルにして実証的。そして現実に立脚した刺激に満ちている。

森まゆみさんが千駄木「記憶の蔵」で語る「私の《陣地戦》クロニクル」
 
 

  
◆泉田裕彦=前新潟県知事ロングインタビューと二人の元知事が語る対談「福島×新潟〈知事抹殺〉の真実」

森まゆみさんが、繰り出していただいた先制のジャブに連なるフックは前新潟県知事の泉田裕彦さんだ。新聞やテレビ画面の短い切り取りでは、決して伝わらない泉田さんの明晰さと穏やかなお人柄を余すところなくお伝えするインタビュー「日本はなぜ、事故検証と情報公開が徹底できないのか?」はもちろんだが、元福島県知事佐藤栄佐久さんとの対談「福島×新潟〈知事抹殺〉の真実」も極めて内容が濃密だ。短いセンテンスでは穏やかだが、総体で泉田さんの語ろうとしていることの真っ当でありながら、大胆な着眼点に読者は目を奪われるだろう。

本間龍さんの連載「原発プロパガンダとはなにか」、今号では「佐藤栄佐久知事と東電トラブル隠し」で元福島県知事佐藤さんを追い落とした広告戦略を解析する。

東電〈再稼働圧力〉を拒否し続けた泉田裕彦=前新潟県知事本誌独占インタビュー! 佐藤栄佐久=元福島県知事との公開対談「福島×新潟〈知事抹殺〉の真実」も同時掲載

◆「フェイクニュースでジャーナリズムは死んだのか?」(北村肇=『週刊金曜日』発行人)

次いで登場は『週刊金曜日』発行人の北村肇さんだ。左ストレートが炸裂する。論争盛んで右派からは叩かれることの多い『週刊金曜日』。多様な言論を目指し、異論を排さない点で鹿砦社や『NO NUKES voice』 と共通する方向性を持った雑誌発行にまつわる思想と、北村氏の現状認識に切り込んだインタビューは、闇の中に光のありかをさし示しているだろうか。

「フェイクニュースの時代は3.11を契機に到来した」(北村肇=『週刊金曜日』発行人)
 
 

  
◆山城博治さんに聞く、共謀罪を先取りする沖縄『見せしめ』弾圧

次いで浅野健一さんが不当長期勾留からようやく保釈された沖縄平和運動センター議長山城博治さんへのインタビューを中心に敵のパンチをかわし、クロスカウンターを見舞う。題して「保釈された沖縄の闘士、山城博治さんに聞く共謀罪を先取りする沖縄『見せしめ』弾圧」だ。本誌では10号でも逮捕前の山城さんへのインタビューを掲載したが、その後の弾圧について山城さんの厳しい指弾と警鐘を浅野さんが伝えている。

経産省前テント広場の三上治さんの「『いやな感じ』が増す日々の中で」と、本誌発行人、松岡利康の「ファシズムの足音が聞こえる」は、いずれも「もうあとがない」ロープを背にした体制からの起死回生を狙うアッパーカットだ。

時に怒り、時に踊る──山城博治=沖縄平和運動センター議長の抗い

◆原発社会を終わらせる──全編が全身全霊パンチの連打

後半戦は堅実なパンチを敵のボディーに集中する。山崎久隆さんの「朝鮮半島緊張と日米同盟 この道はいつか来た道 核施設を並べて戦争をするつもりか」、森山拓也さんの「改憲決定後も原発を拒否するトルコ・シノッブの人々」、中村順さんの「福島の土壌汚染を可視化する」、拙稿「4・27関電包囲全国集会と5・7高浜原発現地集会に参加して」、木村結さんは「反自連(原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟)がスタート」、納谷正基さんは「再考……『学校は、誰のために、何のために存在するのか?』着々と堅実なパンチで敵に反撃を浴びせ劣勢を挽回する。

ここで板坂剛さんが例によって変則パンチを試みる「Xジャンプが脱洗脳の合図に見える」は敵のあごにヒットするか?

日本ではほとんど報じられていないトルコ・シノッブでの反原発運動を気鋭のトルコ研究者、森山拓也さんが報告
 
 

  
脱原発・反原発は長期の闘いだが、『NO NUKES voice』 は毎号が勝負だ。判定などに持ち込めば負ける。KOしか狙わない。後半戦では秘策、書家の龍一郎さんに「希望の花―『黒檄展二〇一七』を終えて」でリングへ上がっていただく。日ごろ鹿砦社のロゴなどを手掛けている龍一郎さんは、知る人ぞ知る「ゲルニカ裁判」を闘った闘士でもあり、普段の優しい揮毫とは別人のように「非合法」スレスレのアンダーグラウンドパンチで敵の虚をつく。

伝説の書家、龍一郎さんによる「希望の花」と「黒檄展」

再び登場、松岡は「『季節』をめぐる奇妙な再会」で、『NO NUKES voice』発行後、何十年も通信がなかった人との再邂逅を紹介し、ゲリラ的連帯パンチを繰り出す。最後は全国からの運動報告で、ひとりひとりがメインイベンターになれるような有名どころが、入れ替わりリングに上がり、足を止めて敵に間隙を置かず小刻みなパンチを上下に散らしたところで、レフェリーが試合を止めた。

現実でわれわれは「勝利」できているとはいい難い。しかし本号にご登場、ご協力頂いたすべての方々のご尽力で『NO NUKES voice』12号は、言論においてはKO勝ちできたと編集部は振り返っている。決して慢心はせずに。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

6月15日発売開始『NO NUKES voice』12号【特集】暗い時代の脱原発──知事抹殺、不当逮捕、共謀罪 ファシズムの足音が聞こえる!
関電高浜原発ゲート前(2017年6月6日撮影=大宮浩平)
多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』

ファシズムの足音が聞こえる!── 『NO NUKES voice』12号 明日15日発売

 
 

『NO NUKES voice』vol.12発行にあたって

ファシズムの足音が聞こえる! ―― 先月5月は、3日の憲法記念日に安倍首相の「新憲法2020年施行」発言に始まり、「現代の治安維持法」といわれる「共謀罪」衆議院通過→参議院審議開始、そして軌を一にするかのような高浜原発4号機再稼働と、安倍政権は一気に攻めてきました。

ご承知のように、安倍政権をめぐっては、当の安倍夫妻はじめスキャンダルがどんどん噴出しています。にもかかわらず、私たちの側は有効な反撃をできないでいます。

これだけ多くの問題が出てくれば、(昔はよかったなどとは言いませんが)かつてなら国会を取り巻く人たちの数は一桁違ったでしょうし、たちまち内閣総辞職でしょう。

思い返せば、この国は1960年、70年という〈二つの安保〉をめぐり国論が二分され反対派が敗北しつつも、底流として根強い抵抗意識と運動があり、これが日本国憲法を70年も守り権力の横暴を食い止めてきました。改憲のみならず原発についても、3・11以降数年間原発稼働なしの状態にしてきました。

しかし、あれだけの甚大な被害を起こし故郷を廃墟にしながら、ふたたび原発再稼働をするという愚が繰り返されつつあります。そうして「共謀罪」、改憲へとファシズムの足音が聞こえてきています。

世界に誇るべき日本国憲法70年――いわゆる「リベラル」とか「左派」といわれる人たちの中でも、うまく(ずるく)なしくずし的に改憲に方向転換しつつあります。情けない限りです。

私たちは、みずからの持ち場持ち場で、原発再稼働阻止、改憲阻止の闘いを頑固に持続していこうではありませんか!

ささやかながら本誌はそのための〈拠点〉としてあり続けます!

2017年6月『NO NUKES voice』編集委員会

6月15日発売開始『NO NUKES voice』12号【特集】暗い時代の脱原発──知事抹殺、不当逮捕、共謀罪 ファシズムの足音が聞こえる!
多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』