MuayThaiOpenもついに50回目、与那覇壱世は更なる頂点へ! 堀田春樹

注目の与那覇壱世が熟練の技、臨機応変にステップワーク使って右フックで倒し切った。
矢島直弥はONEに向けてのステップとなるタイトルは惜しくも僅差で逃がす。
大森弘太は主導権奪って大差となる戦略で王座獲得。

◎MuayThaiOpen.50 / 3月22日(土)ひがしんアリーナ / プロ興行17:00~20:50
主催:センチャイジム / 認定:ルンピニージャパン(LBSJ)

戦歴経歴は主催者側のデータによるものです。前日計量はセンチャイ中野ジムにて21日13時より行われています。

◆第13試合 ムエタイオープン・スーパーバンタム級王座決定戦 5回戦

KNOCK OUT(RED)スーパーバンタム級チャンピオン壱・センチャイジム
(=与那覇壱世/センチャイ/1997.8.15沖縄県出身/ 55.05kg)
          VS
シンクロン・コーイ・ヌムパグディー(2007.5.23タイ国出身/ 54.95kg)
勝者:壱・センチャイジム / TKO 2ラウンド 1分33秒
主審:神谷友和

壱世はミドルキックで前進。シンクロンにプレッシャーを与えロープ際に詰める。シンクロンも蹴り返すが、壱世が先手を打った流れで攻勢気味。

第2ラウンドも壱世が様子見ながらやや前進し、いきなりの右フックでノックダウンを奪うと、何とか立ち上がったシンクロンに距離を詰め、ミドルキックからパンチ連打、ロープ際に詰めている中、再び右フックで失神ノックアウト(TKO)に繋げた。

壱世がシンクロンをロープ際に追い詰めKOに繋げる間合いに入った
壱世が右フックカウンターで倒し切った

壱世は「5ラウンドある中で、敢えて早いうちに倒しに行きたいなという思惑があったので、僕が行き過ぎたんですけど、それで相手が警戒していた感じでしたが、1ラウンド後のインターバル中にセンチャイ会長がアドバイスをくれて、その指示どおり、スローペースでゆっくり溜めて入ってスッと素早く右フック入ってダウン取って、二度目のダウンも右フックで倒せました。」と狙いどおりのクリーンヒットだった様子。

グローブについてはタイ製の6オンスで、「当然オープンフィンガーグローブと違う感じでしたけど、これでも僕自身に倒す力が付いてきたのかと今回思いました。」と語った。

壱世が保持する二つのチャンピオンベルトを掲げてメインイベントを締めた

壱世は昨年12月までに行われたJAPAN CUP 55kg級トーナメントで準優勝ではあったが、今年2月28日にONE Championship(Friday Fight)でKO勝利してONEでは2戦2勝(1KO)となっています。

◆第12試合 ムエタイオープン・バンタム級王座決定戦 5回戦

矢島直弥(元・WPMF日本フライ級Champ/TSK Japan/1990.8.18神奈川県出身/ 53.35kg)
        VS
イティポン・シット・ポー・チョー・ウォー(2001.1.6タイ国出身/ 53.3kg)
勝者:イティポン・シット・ポー・チョー・ウォー / 判定1-2
主審:和田良覚
副審:ピリカ49-48. 河原48-49. 谷本48-49

初回、矢島直弥はローキックで牽制。イティポンをロープ際に詰めてパンチへ繋いで、プレッシャーを与える。イティポンは下がりながらも蹴って来る勢いと組み付くとイティポンの体勢が有利に動き、バランス良くヒザ蹴りを蹴って来る。

イティポンがヒザ蹴りで矢島直弥に圧力を掛けスタミナを奪っていく
矢島直弥も攻勢に転じたラッシュも光った

矢島直弥は後半に入ってもパンチ、蹴りで攻める勢いはあるが、イティポンの身の躱し、蹴るタイミングは上手い。ラストラウンドもパンチで行くしかない矢島直弥は倒すしかないという流れも、イティポンの躱す構え、逃げ凌ぐ上手さでイティポンのペース崩せず終了。判定は分かれる結果でイティポンの際どい判定勝利となった。

◆第11試合 ムエタイオープン・ライト級王座決定戦 5回戦

弘・センチャイジム(=大森弘太/センチャイ/2001.11.14東京都出身/ 61.1kg)
        VS
JKIスーパーフェザー級チャンピオン.新田宗一朗
(クロスポイント吉祥寺/1996.4.2沖縄県出身/ 61.0kg)
勝者:弘・センチャイジム / 判定3-0
主審:大澤武史
副審:ピリカ49-47. 河原49-47. 和田49-47

初回早々はローキックの攻防。上下の蹴り中心にパンチも加わるが、徐々に弘太が前に出る圧力が強まる。第3ラウンドにはパンチ中心の打ち合い増えるも、弘太はヒザ蹴りも加え攻勢を強め、劣勢に陥る新田は逆転狙ってパンチ打っても弘太の勢い止められない。弘太が中盤から主導権奪った攻勢を維持して内容的には大差となる展開で判定勝利。

弘太の勢いが増した終盤の圧倒の蹴り
終盤、弘太が圧力掛けて出ると新田宗一朗は劣勢から逃れられず

◆第10試合 58.0契約3回戦

稔之晟(=じんのじょう/マイウエイスピリッツ/2000.4.11山梨県出身/ 57.6kg)
        VS
チャイヤンレック・モー・コー・チョー・チェンマイ(2004.6.27タイ国出身/ 56.9kg)
勝者:稔之晟 / 判定3-0
主審:谷本弘行
副審:リカ30-28. 大澤30-28. 和田30-27

稔之晟はチャイヤンレックを上回る先手打ち、前蹴りや上下の蹴り、組み合ってのヒザ蹴りもそれぞれの間合いを上手く取って徐々に攻勢を強めてチャイヤンレックを後退させ、稔之晟が圧倒の展開で判定勝利。

稔之晟が前蹴りでチャイヤンレックの前進を止めムエタイ技で優った

◆第9試合 63.0kg契約3回戦

錦和道(FIGHTBASE都立大/1989.12.2京都府出身/ 63.15kg)
        VS
テレカ(NEXTLEVEL渋谷/1990.5.7東京都出身/ 63.1kg)
勝者:テレカ / TKO 2ラウンド 2分37秒
主審:河原聡一

両者、パンチの威嚇からローキック、更にミドルキックへ。錦和道のハイキックや後ろ蹴りも見せる中、テレカは冷静に打ち返し打ち合う中、連打から左フックか、錦和道がノックダウンし、カウント中のレフェリーストップとなる。

テレカが攻勢を維持して右ストレートヒット

◆プロ第8試合 ウェルター級3回戦

中村漣(BOUNCER/2000.8.26東京都出身/ 66.3kg)
        VS
ムン・ソンチョル(2005.1.7韓国出身/ 66.25kg)
勝者:ムン・ソンチョル / 判定1-2
主審:神谷友和
副審:ピリカ30-28. 大澤28-29. 谷本28-29

ムン・ソンチョルは韓国でプロ戦績は接戦の2戦2敗だが、アマチュアでは好成績を残している模様。“バシッ”と中村漣を捉える強い蹴り。中村漣も劣らぬ強い蹴りで返し互角に進む展開。採点が分かれる明暗はムン・ソンチョルの手が挙げられた。

韓国のムン・ソンチョルはアグレッシブに攻め続け、僅差ながら勝利を掴んだ

◆第7試合 アマチュアフェザー級3回戦

駒木根稔和(TSK Japan/2009.5.7神奈川県出身/ 55.15kg)
        VS
渡辺悠斗(センチャイムエタイ錦糸町/2008.3.9東京都出身/ 56.65kg)
勝者:駒木根稔和 / TKO 2ラウンド31秒
主審:和田良覚

後ろ蹴りも柔軟に多彩な蹴り技で前進する、まだ15歳の駒木根稔和がミドルキックで倒し、カウント中にレフェリーストップが掛かった。

駒木根稔和は昨年8月4日のWBCムエタイジュニアリーグ× EXPLOSION全国大会で、男子中学生クラス-55kg級優勝。

◆第6試合 アマチュア47.0kg契約3回戦

大久保海成(橋本道場/2010.8.10東京都出身/ 46.55kg)
        VS
姉帯心(ノーナクシン/2010.5.14東京都出身/ 46.2kg)
勝者:大久保海成 / 判定3-0 (29-28. 29-28. 29-28)

◆第5試合 アマチュア40.0kg契約3回戦

宮城壮一朗(FREEDOM@OZ/2012.2.17千葉県出身/ 39.9kg)
        VS
浦田七斗(CLIMB/2011.7.9宮崎県出身/ 39.0kg)
勝者:宮城壮一朗 / 判定3-0 (30-28. 30-27. 30-28)

◆第4試合 アマチュア32.0kg契約3回戦

川原さくら(橋本道場/2012.1.14福岡県出身/ 31.8kg)
        VS
小貝春喜(拳伸/2013.6.18千葉県出身/ 30.95kg)
勝者:川原さくら / 判定3-0 (29-28.30-28. 30-29)     

◆第3試合 アマチュア69.0kg契約3回戦          

志賀野真人(TSK Japan/2007.6.17神奈川県出身/ 69.1kg)
        VS
神山聖(トイカツ道場/1983.4.22埼玉県出身/ 69.35kg)
勝者:志賀野真人 / TKO 3ラウンド 1分3秒

◆第2試合 アマチュア34.0kg契約3回戦
        
林田海(橋本道場/2012.12.4中国出身/ 32.5kg)
        VS
富高蒼大(CLIMB/2013.7.21宮崎県出身/ 34.0kg)
引分け 1-0 (29-29. 30-29. 29-29)

◆第1試合 アマチュア28.0kg契約3回戦

鈴木翔大(CYCLONE/2012.10.30東京都出身/ 27.45kg)
        VS
佐藤蒼壬(CLIMB/2014.11.11宮崎県出身/ 27.0kg)
勝者:鈴木翔大 / 判定3-0 (30-28. 30-28. 30-28)

《取材戦記》

プロモーターのセンチャイ氏は興行について、「今日もまあまあ上手くいった興行と思います。お客さんはムエタイファンらしさがあって最後まで居て頂いて盛り上げてくれました。壱世もしっかり魅せてくれて良かったです。」と、いつもながらの穏やかな回答。

今回のタイトルマッチ、当初の確認ではルンピニージャパン王座決定戦でしたが、本場ルンピニースタジアム最高責任者が交代して今回のタイトルマッチ認可まで間に合わなかった模様で、センチャイ・トーングライセーン会長が務めるムエタイオープン王座決定戦に落ち着きました。

ルンピニージャパンは本場スタジアムの認可が下りないと行えないタイトルと言うだけでも任意のローカルタイトルよりは権威は高いところであり、今後の交渉でタイトルマッチ認可が下りれば開催へ向かうという状況です。

ただ、ルンピニージャパンという日本国内タイトルになぜタイ選手が出場出来るのか。センチャイ氏に聞いたところが、「ハイ、タイ選手でも大丈夫です!」と、意図するところが伝わり難い。

大雑把に纏めると、「“ムエタイオープン”という興行タイトルどおり、団体も国境も垣根の無いオープンな戦いです。」というところからルンピニージャパンに於いても国内に限らないインターナショナル的タイトルという解釈となる模様。

タイトルマッチについてはラウンドマストシステムで採点し、延長戦については規定を超えるラウンドは行なわないというシステムは本場タイの規定どおりで正論だった。

しかし、「マストシステムでも引分けは起こり得る」など、まだツッコミどころはあるが、選手が練習成果をしっかり発揮できるイベントとしては、更なるビッグイベントへ向けたステップとなるムエタイオープンでしょう。

次回興行は今のところ未定ながら、今年もあと3回開催予定の模様です。

センチャイ会長のコメントによると、壱世は4月18日にルンピニースタジアムでのONE Championship(Friday Fight)に出場し、6月の「KNOCK OUT」イベントにも出場希望していると言い、壱世は現在存在する世界のビッグイベントへの飛躍が続きそうである。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

女子だけのマッチメイク第三弾 美しく激しい魅惑の超格闘技! 堀田春樹

幼い顔した若い選手から主婦クラスまで幅広い世代が入り混じった女子だけの興行第三弾は、ノックアウト勝利は一つも無く、ノックダウンも一つも無かったが、諦めない鬩ぎ合いで盛り上げを見せた。

NANAが昨年のGODDESSで対戦した上野hippo宣子を再び判定で下し初防衛。
NaoがWMC日本ピン級チャンピオンのMIREYを大差判定で下す。

◎GODDESS OF VICTORY Ⅲ / 3月16日(日)GENスポーツパレス16:15~19:47
主催:NJKFミネルヴァ実行委員会 / 認定:ニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)

◆第13試合 ミネルヴァ・スーパーフライ級タイトルマッチ 3回戦

選手権者初防衛戦 NANA(エス/ 52.16kg)24戦16勝6敗2分
        VS
挑戦者同級3位上野hippo宣子(ナックルズ/ 51.8kg)27戦7勝(1KO)17敗3分
勝者:NANA / 判定3-0
主審:中山宏美
副審:岡田30-27. 児島30-27. 梅下30-27

昨年4月14日のGODDESSに於いてのミネルヴァ・スーパーフライ級王座決定戦で、上野hippo宣子に判定勝利も、計量失格により王座奪還成らなかった元・チャンピオンNANAは、10月6日に新日本キックボクシング協会での王座争奪4人制ワンデートーナメントに於いて王座奪還。今回の初防衛戦は上野hippo宣子との再戦となった。両者のどんな成長が見られるかが注目された。

初回のパンチ中心の交錯からヒザ蹴り、前蹴り加えて出るNANA。上野の打って来るタイミングを見計らって身体を躱し、上野に肩透かしでバランスを崩すなど経験値で優り、蹴りが少ない展開の中でもNANAの蹴るタイミングが上手く、組み合ってのヒザ蹴りも技の多彩さで大きく優ったフルマークの判定勝利。

重いパンチの上野宣子を上回ったNANAの攻勢
NANAの蹴り技、ヒザ蹴りも攻勢を維持、試合運びの上手さが目立った

NANAは試合後、「本当はもっとキックを出したかったんですけど、脚が全然動かなくて、ウォーミングアップ不足でしたね。それでパンチだけに切り替えて、取り敢えず守ることに集中しました。上野さんは昨年よりパンチが重くなってて2ラウンド目から心折れかかりましたが、皆の応援の声があったから頑張れました。」

リング上のマイクでは、「35歳で引退するつもりでやって来ました。あと3ヶ月で35歳になります。あと一年で動きが無ければ進退を考えようと思っています。」とも語っており、この一年が新たな展開、上を目指す勝負となるだろう。

その今後については「ONE Championn Shipとか世界戦とか、国外でもやってみたいです。負けてもいいから強い人とやりたいですし、挑戦したいです。」とすぐ先を見据えた回答。

ミネルヴァ王座については「“防衛しろ”と言われているので浅井さん(スーパーバンタム級前ChampionのV2)に追い付かないといけませんね。」

引退までの目指す方向と、デビュー戦を終えた長女の応援アピールするNANA

今や親子で活躍する選手も増えた中、NANAの娘さんも第1試合でプロデビューしているという応援を促していた。

◆第12試合 ミネルヴァ・ピン級(100LBS)ノンタイトル3回戦(2分制)

アトム級チャンピオン.Nao(AX/ 45.3kg)10戦8勝(3KO)1敗1分
      VS
WMC女子日本ピン級チャンピオン.MIREY(WSR・F三ノ輪/ 45.15kg)20戦9勝10敗1分
勝者:Nao / 判定3-0
主審:マット(=テーチャカリン・チューワタナ)
副審:中山30-27. 児島30-27. 梅下30-27

Naoの蹴りの圧力、前蹴りで突き放し、組み合ってのヒザ蹴りも優った。MIREYも打ち合いに出るが巻き返すには至らない。終始圧倒したNaoがフルマークの判定勝利。

NaoのハイキックがMIREYの顔面を掠める、終始圧倒の展開へ
Naoのミドルキック、蹴り足を掴むMIREYだが効果なく

◆第11試合 ミネルヴァ・アトム級(102LBS)3回戦(2分制)

ピン級1位.祥子JSK(治政館/1983.12.3埼玉県出身/ 45.9kg)29戦9勝19敗1分
       VS
アトム級3位.Marina(健心塾/ 45.85kg)10戦4勝(1KO)6敗 
勝者:祥子JSK / 判定2-0
主審:岡田敦子
副審:中山29-29. 児島30-28. マット30-29

初回、蹴りから首相撲の展開は互角の攻防。祥子はパンチで出るMarinaにやや圧されるも、この日は蹴り数多く、パワーで巻き返し、徐々にペースを掴んで僅差ながら主導権奪った攻勢で判定勝利。

祥子は蹴る圧力が優った流れを維持した

◆第10試合 ミネルヴァ・ペーパー級(95LBS)3回戦(2分制)

ペーパー級2位.AIKO(AX/1987.2.10生/ 43.05kg)19戦9勝9敗1分
      VS
沙緒里(ワイルドシーサー前橋関根/ 42.95kg)3戦2敗1分
勝者:AIKO / 判定3-0
主審:梅下湧暉
副審:中山30-27. 岡田30-27. マット30-27

開始早々の威嚇の飛びヒザ蹴りを見せた沙緒里だが、AIKOは慌てずパンチとヒザ蹴りで優って行く。組み合う展開が多く、コーナーに詰めたり身体を預けてスタミナ削るAIKOの攻勢。沙緒里はバックハンドブローを見せるも的は外れるのみ。圧倒したAIKOがフルマークの判定勝利。

AIKOがヒザ蹴りで沙緒里を圧倒、組み合っても離れても攻撃力が優った

◆第9試合 ミネルヴァ・スーパーフライ級3回戦(2分制)

スーパーフライ級5位.紗耶香(格闘技スタジオBLOOM/ 51.95kg)
17戦5勝(1KO)11敗1分
        VS
同級7位響子JSK(治政館/ 51.9kg)11戦4勝4敗3分 
勝者:響子JSK / 判定0-3
主審:児島真人
副審:中山28-30. 梅下29-30. マット28-30

パンチで出る紗耶香が響子をコーナーに追い詰めるも、長身の響子は蹴りでリズムを作り紗耶香の攻撃を封じていく。ヒザ蹴りも距離の取り方上手くヒット。いかに自分の距離を維持するかの戦いで響子が上手く攻めて判定勝利。

響子もヒザ蹴りヒット、距離に応じた蹴りが上手く攻勢を維持した

◆第8試合 ミネルヴァ・ライトフライ級3回戦(2分制)

ライトフライ級7位.堀田優月(闘神塾/ 48.55kg)4戦3勝1分
        VS
ラジーナ・ビスタ(エラワンムエタイ/ 48.9kg)6戦3勝3敗
勝者:堀田優月 / 判定3-0
主審:岡田敦子
副審:中山30-29. 梅下30-28. 児島30-28

ラジーナ・ビスタの長身に対し、距離に応じて戦い方上手かった堀田優月。組んでも離れても先手打ち、ラジーナのパンチも蹴りも上手く躱し、攻めを封じた堀田優月が判定勝利。

ラジーナ・ビスタを追い詰めた堀田優月、蹴られても動じなかった

◆第7試合 ミネルヴァ・ペーパー級3回戦(2分制)

ペーパー級4位.Uver∞miyU(T-KIX/ 43.09kg)15戦5勝9敗1分
        VS
港町なぎさ(ワイルドシーサー前橋元総社/ 42.7kg)2戦1勝1敗
勝者:Uver∞miyU / 判定3-0
主審:マット(=テーチャカリン・チューワタナ)
副審:岡田30-29. 梅下30-29. 児島30-29

パンチと蹴り、組み合ってヒザ蹴りのアグレッシブな攻防が続く中、パンチで圧していくUve・miyU。港町なぎさも打ち返すが、第3ラウンドに蹴りを加えた圧力が優ったUverが判定勝利。ジャッジ三者が揃ったラウンドは無く、激しさあっても差が付き難い攻防だった。

◆第6試合 ミネルヴァ55.0kg契約3回戦(2分制)
 
スーパーフライ級10位.松藤麻衣(クロスポイント吉祥寺/ 54.55 kg)7戦3勝4敗
       VS
妃芽奈(ワイルドシーサー高崎/ 54.35kg)2戦2勝
勝者:妃芽奈 / 判定0-2
主審:中山宏美
副審:岡田29-29. マット28-29. 児島28-29

初回の蹴りの攻防から妃芽奈が蹴りで攻勢を維持する流れも、松藤麻衣が右ローキックで妃芽奈の脚を殺し始めた。妃芽奈の左太腿は真っ赤に腫れ上がっていき、やや失速も蹴りの攻勢を維持して判定勝利。第3ラウンドは採点が分かれるなど、松藤のローキックを評価したと見られる蹴りの攻防となった。

◆第5試合 ミネルヴァ47.5kg契約3回戦(2分制)

山崎希恵(クロスポイント吉祥寺/ 47.7→47.5kg)3戦2勝(1KO)1敗
        VS
杉田風夏(谷山ジム小田原道場/ 47.4kg)3戦2勝(1KO)1敗
勝者:杉田風夏 / 判定0-3
主審:梅下湧暉
副審:中山28-30. マット28-30. 児島29-30

杉田風夏が組み合っての攻防でヒザ蹴りから身体を預ける圧力で崩すパワーと、離れて戦っても蹴りで優っていき判定勝利。山崎希恵は劣勢でも懸命に蹴り返す踏ん張りが見られた。

◆第4試合 ミネルヴァ・フライ級3回戦(2分制)

紗彩(ドージョー☆シャカリキ/ 50.5kg)8戦2勝5敗1分
      VS
二ノ峰かなこ(KFG URAWA/ 51.05→50.8kg)4戦1勝(1KO)3敗
勝者:紗彩 / 判定3-0
主審:岡田敦子
副審:中山30-28. 梅下30-27. 児島30-28

パンチとヒザ蹴りの攻防。主に組み合ってのヒザ蹴りが続き、紗彩が主導権支配して判定勝利。

◆第3試合 ミネルヴァ・ピン級3回戦(2分制)

ロウ・イツブン(NEXT LEVEL渋谷/ 45.05kg)6戦2勝4敗
        VS
鈴木萌(クロスポイント吉祥寺/ 45.05kg)2戦1勝1分
勝者:鈴木萌 / 判定0-3
主審:マット(=テーチャカリン・チューワタナ)
副審:中山28-30. 梅下28-30. 岡田29-30

パンチと蹴りの攻防。徐々に鈴木萌がリズムを掴み、柔軟に距離をコントロールし攻め優った。ロウ・イツブンはやや動きが硬く、攻める力が足りなかった。

◆第2試合 ミネルヴァ・スーパーバンタム級3回戦(2分制)

朱乃(CORE/ 55.25kg)2戦1勝1敗
    VS
あきなZLS(チームゼロス/ 55.1kg)2戦2勝
勝者:あきなZLS / 判定0-3
主審:児島真人
副審:マット28-30. 梅下29-30. 岡田28-30

初回は蹴りとパンチ、ヒザ蹴りも加えた互角の攻防から、第2ラウンドからあきなZLSが徐々に優ったヒットで判定勝利。

◆プロ第1試合 ミネルヴァ・ライトフライ級3回戦(2分制)デビュー戦同士

MOMO(エス/ 48.5kg)vsあゆな(笹羅/ 48.45kg)
勝者:MOMO(1戦1勝) / 判定3-0
主審:中山宏美
副審:マット30-28. 児島30-29. 岡田30-27

NANAの愛娘デビュー戦。アグレッシブなパンチヒットが優って判定勝利。

NANAの愛娘、MOMOがパンチで攻勢、デビュー戦を飾る

◆アマチュアEXPLOSION第5試合 50.8kg契約2回戦(90秒制)

塩谷薫(VERTEX/ 50.0kg)vs山下実穂(クロスポイント大泉/ 50.3kg)
勝者:塩谷薫 / 旗判定3-0    

「3月16日はこれまでより新しいスタイルで練習して来たことを全部出し切りたいと思っているので頑張ります。」と2月9日のDUEL興行後に語っていた塩谷薫。練習して来たことを出し切ったか、先手を打った蹴りで優って赤と青の旗判定はジャッジ三者とも赤(塩谷薫)に上がった。

◆アマチュアEXPLOSION第4試合 35.0kg契約2回戦(90秒制)

野本かれん(WIVERN/ 34.95kg)vs久田愛心(TEAM SBS/ 34.65kg)
勝者:野本かれん / 旗判定3-0

◆アマチュアEXPLOSION第3試合 33.0kg契約2回戦(90秒制)

夢々(KANALOA/ 32.0kg)vs苑田優月(AX/ 32.0kg)
勝者:夢々 / 旗判定2-1

◆アマチュアEXPLOSION第2試合 30.0kg契約2回戦(90秒制)

木村有那(キング/ 30.0kg)vs清水舞羽(TRASH/ 28.5kg)
勝者:木村有那 / 旗判定3-0

◆アマチュアEXPLOSION第1試合 48.0kg契約2回戦(90秒制)

中島瑠花(X-PLOSION/ 48.0kg)vs三橋暖愛(士道館ひばりヶ丘道場/ 46.0kg)
勝者:中島瑠花 / 旗判定3-0

《取材戦記》

女子だけの興行も試合の展開がすばらしい。諦めたりスタミナ切れして失速する選手はいなかった。それはラウンド数の少なさ、2分制に救われている影響もあるだろう。これが本来の3分制5回戦だったらそうはいかないかもしれない。プロボクシングにおいても男子と比べて女子の試合はラウンド数少なく、2分制であったりするから男子と同じにする訳にもいかないが、身体へのダメージを考慮しつつ、女子に5回戦は難しいのか追求してみたいものです。

NANAの娘さん、MOMOが第1試合出場で判定勝利。NANAが試合後、マイクで語るまで気付かなかった。振り返ればMOMOのセコンドにわずかに写っていたNANAが居た。やっぱり参考までにセコンドの動きも撮っておくべきものである。興行に於いてはとにかく使わなくても撮っておくことでの画像を振り返り、気付かされる人の動きや変化は多いのである。

次回、NJKF興行は4月27日(日)にNJKF CHALLENGER 8(2025.2nd)が後楽園ホール夜興行に於いて行われます。

バンタム級とスーパーバンタム級で各4名参加のトーナメント準決勝戦の他、伝説のキックボクサー、立嶋篤史がNJKFに復活(20年ぶりか)。国内100戦目をNJKF三階級制覇の前田浩喜(CORE)と対戦します。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

聖地を揺るがせたMAGNUM61は4名の挑戦者が王座奪取! 堀田春樹

新スター誕生、青コーナーから出場の4名の新チャンピオン。
木下竜輔はジョニー・オリベイラを失神ノックアウト。二度目の担架搬送に。
赤平大治は王座決定戦だったが、格上・瀬戸口勝也に連打で圧倒ノックアウト。
珠璃は浅井春香のV3を阻む。若さと圧力で優った
撫子が小さな身体で二階級制覇、適正階級で上真を破る。

◎MAGNUM.61 / 3月2日後楽園ホール 17:30~21:16
主催:伊原プロモーション / 認定:新日本キックボクシング協会、WKBA

◆第15試合 WKBA世界フェザー級王座決定戦 5回戦

日本フェザー級チャンピオン.瀬戸口勝也(横須賀太賀/1983.8.1鹿児島県出身/ 57.0kg)
45戦31勝(14KO)11敗3分
        VS
NJKFフェザー級4位.赤平大治(VERTEX/2001.10.31栃木県出身/ 57.05kg)
9戦6勝(4KO)2敗1分
勝者:赤平大治 / TKO 1ラウンド 2分47秒 /
主審:椎名利一

瀬戸口勝也の強打を上回る赤平大治の重かったパンチで先手を打った。瀬戸口のパンチを躱し、距離を詰めロープ際で右ミドルキックとパンチ連打でノックダウンを奪った。ダメージ残る瀬戸口に最後は左フックで仕留め、ノーカウントのレフェリーストップが掛かり、タオル投入も同時だった。

瀬戸口勝也は打ち合いに屈した。赤平大治はアウェイで初めての王座奪取
赤平大治が連打で瀬戸口勝也を倒すとレフェリーストップが掛かり、タオルも舞った

試合後のマイクアピールでは、「これからが自分のスタートだと思ってますので、今後の活躍を楽しみにして、もし赤平大治のことちょっとでも気になったら、インスタグラムで調べれば出て来るので、今後の試合も注目宜しくお願いします。」と語った。

国内王座は数ある中、いきなり世界という称号の王座奪取となったが、本人がマイクで語ったとおり、ここからがチャンピオンロードのスタートで、本当の世界最高峰へどこまで這い上がれるか。

赤平は試合後、「最初ジャブから繋げていくと、瀬戸口さんがカウンター合わせようとして来たので、一発当たってちょっと揺らいだんで、そこを連打して倒しました。早めに倒そうとは思っていました。」と語った。

赤平大治を囲むVERTEXジム陣営とNJKF坂上顕二代表

◆第14試合 日本スーパーフェザー級タイトルマッチ 5回戦

初代選手権者.ジョニー・オリベイラ(トーエル/ブラジル出身46歳/ 58.75kg)
65戦16勝(1KO)31敗18分
        VS
挑勝者:2位.木下竜輔(伊原/1996.2.12福岡県出身/ 58.75kg)12戦5勝(3KO)7敗
勝者:木下竜輔 / TKO 3ラウンド 2分46秒 /
主審:少白竜

初回からローキック中心に圧力掛けた木下竜輔。対して下がり気味だったジョニー・オリベイラ。この様子見ではまだ先の展開はわからなかったが、パンチの強打より鋭いローキックで木下ペースは続いた。

第2ラウンドには木下は飛びヒザ蹴りでジョニーによりプレッシャーを与えた。余裕と威圧の笑顔が見え始めた木下。ジョニーの蹴りのタイミングが合わず、木下の距離の掴み方が優った。

笑いは威嚇でもあるが、余裕が出て完全に主導権支配した木下竜輔のローキック

第3ラウンドにもプレッシャーを与えた飛びヒザ蹴りに続けて更に飛びヒザ蹴りでノックダウンに繋げ、更にタイミングを計って飛びヒザ蹴りがジョニーのアゴを突き上げると仰向けに倒れノーカウントのレフェリーストップ。立ち上がれず担架で運ばれたジョニー・オリベイラだったが、意識はすぐ回復。帰りはしっかり歩いて会場を後にした。

木下竜輔が飛ぶ毎にジョニー・オリベイラを圧倒、KOへ結び付けた

木下竜輔はジョニー・オリベイラと2勝1敗となったが、2勝はいずれも担架が必要となる完封勝利だった。ジョニー・オリベイラは初防衛成らず。木下竜輔は第2代チャンピオン。

木下竜輔は「作戦というのは特に無くて、伊原越谷道場での新しい環境で周りの方々の指導や助言が後押しとなりました。僕一人だと弱いので、そんな伊原道場の皆さんの協力の御陰です。」と謙虚に語った。

伊原越谷ジム会長は「こいつ元々武器あるじゃないですか。パンチの当て方、準備出来るものやれるだけやらせたので、3ラウンドで決めると言ってちゃんと3ラウンドで決めて、試合を完全に支配したので本当に人生で一番練習した結果ですね。」と圧勝を称えていた。

ジョニー・オリベイラ陣営のセコンド、中川卓氏は「最初は手数出して相手を軸に回っていくという戦略も手数足りなかったですね。いつものことながら練習ではバンバン強く出るのに試合では出ないですね。」と語った。

新チャンピオンとなった木下竜輔を囲む伊原ジム陣営とチント・モルディージョ氏

◆第13試合 ヘビー級3回戦

ISKA日本ライトクルーザー級チャンピオン.佐野克海(拳之会/岡山県出身23歳/ 101.65kg)
22戦14勝(7KO)6敗2分
        VS
工藤勇樹(前KROSS OVERヘビー級Champ/エス/宮城県出身40歳/ 89.3kg)
56戦29勝(18KO)25敗2分
勝者:佐野克海 / 判定3-0
主審:宮沢誠
副審:椎名30-27. 中山29-27. 少白竜30-26

ローキックからパンチで顔面からボディーブローも効果的にヒット。圧倒していく佐野克海。早々に攻勢を維持し右ストレートでノックダウンを奪った。

工藤勇樹はダメージは少なそうだが、巻き返そうと攻めて来るも、佐野がクリーンヒットする攻勢は変わらず。工藤は攻められて横向いたり俯いたりと不利な体勢を作ってしまうも、佐野が倒し切れないもどかしさはあったが、圧倒の展開で判定勝利。

終始圧倒した佐野克海。ガード固める工藤勇樹の空いたボディーを攻める

◆第12試合 76.0kg契約3回戦

マルコ(伊原/イタリア出身34歳/ 75.55kg)12戦6勝(1KO)3敗3分
      VS
TOMO JANJIRA(ジャンジラ/京都府出身33歳/ 75.6kg)10戦4勝5敗1分
勝者:マルコ / 判定3-0
主審:勝本剛司
副審:椎名29-28. 宮沢30-28. 少白竜30-28

パンチとローキックの攻防はマルコのローキックが重く鋭くTOMOにヒット。ヒザ蹴りもハイキックもインパクトを与えるマルコ。TOMOも果敢に攻めるがマルコのヒットの正確さが優り、内容的にも大差となるマルコが判定勝利した。

◆第11試合 女子(ミネルヴァ)スーパーバンタム級タイトルマッチ 3回戦

選手権者.浅井春香(無所属/1987.1.22愛知県出身/ 55.15kg)33戦17勝(2KO)10敗6分
        VS
挑戦者4位.珠璃(=安黒珠璃/闘神塾/兵庫県出身18歳/ 54.85kg)6戦5勝(1KO)1分
勝者:珠璃 / 判定0-3
主審:中山宏美      
副審:勝本28-29. 宮沢27-30. 少白竜29-30

いつもより蹴りが出ていた浅井春香だったが、パンチと蹴りで前進する圧力は珠璃が優っていく。組み合ってのヒザ蹴りは浅井の得意技であっても流れを引き寄せられない。

やや不利な展開ながら、微差が付かないとしたら、また引分け防衛も有り得るかという中、的確差が優った珠璃が順当な判定勝利で王座奪取となった。浅井春香はV3成らず。

浅井春香をロープ際に追い詰めた珠璃
珠璃を囲む闘神塾陣営と坂上顕二氏、伊原信一氏、竹越義晃氏

◆第10試合 女子(ミネルヴァ)ペーパー級(95LBS)タイトルマッチ 3回戦

選手権者.上真(ROAD MMA/1985.10.16石川県出身/ 42.4kg)16戦6勝10敗
        VS
挑戦者1位.撫子(GRABS/2000.7.7北海道札幌市出身/ 42.05kg)16戦11勝(1KO)4敗1分
勝者:撫子 / 判定0-3
主審:椎名利一
副審:宮沢28-29. 勝本28-29. 中山29-30

撫子(なでしこ)が上真の技を封じて王座奪取。手数は互角も的確差で撫子が優った。撫子が先手を打った多彩に蹴って出た前蹴りの効果も出てヒットを増やし、判定勝利で最軽量級の新チャンピオン(第2代)。上真は昨年10月13日に初代王座獲得となりながら5ヶ月足らずで陥落となった。

撫子の前蹴りが上真の顔面にヒット、先手を打つ技の素早さが優った

◆第9試合 女子ミネルヴァ 52.0kg契約3回戦(2分制)

鈴木咲耶(チーム鈴桜/静岡県出身17歳/ 51.85kg)6戦4勝(1KO)2敗
      VS
RUI・JANJIRA(ジャンジラ/東京都出身24歳/ 51.95kg)10戦3勝(1KO)6敗1分
勝者:鈴木咲耶 / 判定3-0
主審:少白竜
副審:椎名30-27. 勝本30-28. 中山30-27

長身を活かした的確な蹴りのヒットを続けた鈴木咲耶。距離を上手くコントロールし、組み合ってもヒザ蹴り、離れて前蹴りのヒット、RUIも果敢に攻めたが的確差で鈴木咲耶が上回った。

◆第8試合 ライト級3回戦

崇斗(HAKUBI/香川県出身28歳/ 60.7kg)5戦2勝3敗
      VS
金沢ごりちゅう光輝(AX/ 61.1kg)2戦2勝
勝者:金沢ごりちゅう光輝 / 判定0-3
主審:宮沢誠
副審:椎名25-30. 少白竜24-30. 中山25-30

カーフキックが鋭くヒットさせた金沢光輝。ヒザ蹴りも圧倒し、初回に頭部ヒットと最終ラウンドにもヒザ蹴り連打で崇斗からノックダウンを奪い、ノックアウトに近いほど圧倒し大差判定勝利。

◆第7試合 48.0kg契約3回戦

植田琥斗(E.S.G/埼玉県出身18歳/ 47.2kg)3戦1勝2敗
      VS
庄司翔依斗(拳之会/岡山県出身17歳/ 47.2kg)2戦2勝(1KO)
勝者:庄司翔依斗 / KO 1ラウンド 1分36秒 /
主審:勝本剛司

スピード、鋭さで優った庄司翔依斗、ローキックからの右ストレート、更に右ストレートで開始早々30秒ほどでノックダウンを奪った。更にパンチ連打で圧力掛け左フックで二度目のノックダウンを奪った。

蹴りで距離を取りたい植田琥斗も自分の距離を保った庄司がニュートラルコーナーに詰め右ストレートの3ノックダウンで圧勝。兄の庄司理玖斗と競っての成長が期待される。

◆プロ第6試合 女子ミネルヴァ55.0kg契約3回戦(2分制)

MEGU(KICK SPARK/ 54.75kg)9戦2勝7敗
      VS
MIO La Reyna(TEAM REY DE REYES/ 54.4kg)6戦1勝5敗
勝者:MIO La Reyna / 判定0-3
主審:中山宏美
副審:少白竜28-29. 勝本28-29. 宮沢28-29

※第1試合から第5試合のアマチュアジュニアキックは掲載枠都合で割愛します。

《取材戦記》

木下竜輔は2022年5月15日にジョニー・オリベイラを右ストレートでぶっ倒し脚光を浴びるも、その後は負けが込む中堅クラスに埋もれた感じだった。昨年3月3日の王座決定戦では、ジョニー・オリベイラの“倒されない頑丈さ”に阻まれ王座奪取成らず。「このままでは終われない」と語っていた木下竜輔は、今回見違えたような切れのあるローキック、飛びヒザ蹴りで蘇った。

伊原越谷ジムは2023年春に誕生した支部で、木下竜輔も今回のトレーニングは本部も支部もトレーナーが入り混じって、主にこちらで鍛え上げられた模様。「竜輔やるじゃん!」そんな声も聞かれそうな伊原ジム陣営だろう。

赤平大治は昨年12月8日、DUELで大岩竜世に僅差2-1の判定負け。そこからWKBA世界挑戦に繋がるとは意外だったが、瀬戸口勝也に挑むコンテンダーとして技量は備わっていたと考えられる。そしてニュージャパンキックボクシング連盟の新鋭が一気に新日本キックボクシング協会のトップを喰ってしまった。

最初のノックダウンを奪った際、“やった~!”と舞い上がってニュートラルコーナーに行かず、カウントが中断された際、瀬戸口を回復させてしまう事態に若林直人会長は「何やってんだ、バカ!」と感情むき出しの怒り心頭も、その後倒して勝ったら満面の笑みで赤平を抱き締め褒めていた感情の急変が面白かった若林会長であった。

時代は移り変わり、今回の新しいチャンピオンが誕生。交流戦の在り方も変わりつつある現在である。

昨年10月、瀬戸口勝也を倒した辰樹(Y’ZD)がWKBA世界挑戦を懇願していたが、今後も辰樹が絡んで来る公算もあり、新日本キックボクシング協会にとっては人材不足の今後も交流戦も活発に、他団体選手が注目されることも拒まず、迎え撃つのは木下竜輔が中心となっていくでしょう。

新日本キックボクシング協会次回興行は5月11日(日)に後楽園ホールに於いてTITANS NEOS.36が開催されます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

3月後半開催のキックボクシング   4つの興行の見どころ! 堀田春樹

◆女子だけの試合 第3弾

戦績不振の選手は多い女子選手だが、選手層は厚くなってきた現在、女子だけの興行も成り立つ時代となりました。

昨年4月14日のGODDESS OF VICTORYⅡに於いてのミネルヴァ・スーパーフライ級王座決定戦で、上野hippo宣子に判定勝利しながら計量失格により王座奪還成らなかったNANAは、10月6日の新日本キックボクシング協会TITANS NEOS 35での同王座争奪4人制ワンデートーナメントに於いて、準決勝を3位.YURIKO SHOBUKAI(尚武会)に判定3-0勝利、決勝を5位.鈴木咲耶(チーム鈴桜)に判定3-0勝利し、遠回りしながら王座奪還。

そのNANAの今回の初防衛戦は上野hippo宣子との再戦。経験値からNANAの勝利は堅いところ、この一年間、上野がどんな研究をし、新たな戦略でいかに巻き返すか。

◎GODDESS OF VICTORY Ⅲ / 3月16日(日)GENスポーツパレス16:15~
主催:ミネルヴァ実行委員会 / 認定:ニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)

●第13試合 ミネルヴァ・スーパーフライ級タイトルマッチ 3回戦
 選手権者.NANA(エス)vs 挑戦者3位上野hippo宣子(ナックルズ)

●第12試合 ピン級(100LBS)ノンタイトル3回戦(2分制)
 ミネルヴァ・アトム級チャンピオン.Nao(AX) 
       vs
 WMC日本女子ピン級チャンピオン.MIREY(WSR・F三ノ輪) 

●第11試合 アトム級(102LBS)3回戦(2分制)
 ミネルヴァ・ピン級1位.祥子JSK(治政館)vs ミネルヴァ・アトム級3位.Marina (健心塾) 

●第10試合 ペーパー級(95LBS)3回戦(2分制)
 ミネルヴァ・ペーパー級2位.AIKO(AX)vs 沙緒里(ワイルドシーサー前橋関根)
●第9試合 スーパーフライ級3回戦(2分制)
 ミネルヴァ・スーパーフライ級5位.紗耶香(格闘技スタジオBLOOM) 
       vs
 同級7位.響子JSK(治政館)

●第8試合 ライトフライ級3回戦(2分制) 
 ミネルヴァライトフライ級7位.堀田優月(闘神塾)vs ラジーナ・ビスタ(エラワンムエタイ)

●第7試合 ペーパー級3回戦(2分制)
 ミネルヴァ・ペーパー級4位.Uver∞miyU(T-KIX)
        vs
 港町なぎさ(ワイルドシーサー前橋元総社)

●第6試合 55.0kg契約3回戦(2分制)
 ミネルヴァ・スーパーフライ級10位.松藤麻衣(クロスポイント吉祥寺) 
        vs
 妃芽奈(ワイルドシーサー高崎)

 他、プロノーランカー5試合、アマチュアEXPLOSION 5試合予定

昨年4月、NANA(左)は上野hippo宣子に判定勝利、今回の再戦で防衛成るか

※               ※               ※

◆コロナ禍以前の勢いに戻って来たムエタイオープン
 ルンピニージャパンタイトル始動

与那覇壱世は2019年12月1日に岩浪悠弥(橋本)に1ラウンドKO負けしてルンピニージャパン・バンタム級王座を失っているが、ノックダウンした際に反則蹴りを受けてダメージを引き摺っての敗戦でもあった。

その後のコロナ禍を経て、KNOCK OUT(RED)スーパーバンタム級王座奪取するなど飛躍を続けた壱世は、昨年11月10日、NJKFに於ける「JAPAN CUP 1st ROUND 55kg級8人制トーナメント初戦(準々決勝)」で、それまで散々挑発してきた嵐(KING)に冷静な試合運びで経験値を見せ付けた判定勝利。

12月30日の「K.O CLIMAX 2024」に於いてのワンデートーナメント準決勝では、前田大尊(マイウェイ)に延長判定で決勝進出したが、決勝戦では森岡悠樹(北流会君津)にノックダウンの応酬のKO負けで優勝は成らなかった。ワンデートーナメントは通常公式戦と違う異質なもので、休養を経て今回も好調な壱世として戻って来るだろう。

ルンピニージャパンタイトルもコロナ禍を経て復活。ジャパンタイトル戦にタイ選手起用という疑問符も残りますが、これもプロモーター主導の国境無きタイトルと認識していくべきところでしょう。

◎MuayThaiOpen.50 / 3月22日(土)墨田区体育館(ひがしんアリーナ)
主催:センチャイジム / 認定:ルンピニージャパン(LBSJ)
アマチュア大会11:00~ /プロ興行17:00~

●第13試合 ルンピニージャパン・スーパーバンタム級王座決定戦 5回戦
 壱・センチャイジム(=与那覇壱世/センチャイ)vs シンクロン・コーイ・ヌムパグデェ(タイ)

●第12試合 ルンピニージャパン・バンタム級王座決定戦 5回戦
 矢島直弥(TSK Japan)vs イティポンシット・ポー・チョーウォー(タイ)

●第11試合 ルンピニージャパン・ライト級王座決定戦 5回戦
 弘・センチャイジム(=大森弘太/センチャイ)vs 新田宗一朗(クロスポイント吉祥寺)

●第10試合 58.0契約3回戦
 稔之晟(マイウエイスピリッツ)vs チャイヤンレック・モー・コーチョーチェンマイ(タイ)

●第9試合 63.0kg契約3回戦
 錦和道(FIGHTBASE都立大)vs テレカ(NEXTLEVEL渋谷)

●第8試合 ウェルター級3回戦
 中村漣(BOUNCER)vs ムン・ソンチョル(韓国)

●第7試合 55.0kg契約3回戦
 駒木根稔和(TSK Japan)vs 渡辺悠斗(センチャイムエタイ錦糸町)

 他、6試合

壱世は他団体でビッグマッチ続きも好調を維持

※               ※               ※

◆KICK Insistの常連メンバー勢揃い

ここに何かひとつビッグなタイトルマッチが欲しいところではありますが。瀧澤博人を越えた感のメインイベンター(大トリ)としての睦雅の存在は大きいでしょう。

さらにフライ級王座を狙う細田昇吾と同級チャンピオンとして君臨する西原茉央の試合運びの比較も見どころです。

◎KICK Insist.22 / 3月23日(日)後楽園ホール17:15~
主催:VICTORY SPIRITS / 認定:ジャパンキックボクシング協会(JKA)

●第13試合 63.0kg契約 5回戦     
 ジャパンキック協会ライト級チャンピオン.睦雅(ビクトリー)
        vs
 ポムロップ・ルークスワン(元・S-1スーパーフェザー級Champ/タイ)

●第12試合 57.5契約3回戦 
 瀧澤博人(WMOインターナショナル・フェザー級Champ/ビクトリー)
        vs
 プラカイトーン・トータラヤン(元・ジットムアンノンstadium・Sバンタム級8位/タイ)

●第11試合 52.0契約3回戦   
 ジャパンキック協会フライ級チャンピオン.西原茉生(治政館)
        vs
 コウシ・ノーナクシン(WMOインターナショナル・ミニフライ級Champ/タイ)

●第10試合 スーパーフライ級3回戦   
 ジャパンキック協会フライ級1位.細田昇吾(ビクトリー)
      vs
 NKBフライ級5位.滑飛レオン(テツジム滑飛一家)

●第9試合 ウェルター級3回戦  
ジャパンキック協会ウェルター級3位.正哉(誠真)vs 梅沢遼太郎(白山道場)

●第8試合 ライト級3回戦  
 ジャパンキック協会ライト級2位.菊地拓人(市原)vs 青木大好き(OZ)

●第7試合 58.0kg契約3回戦   
 ジャパンキック協会フェザー級5位.眞斗(KIX)vs 同級6位.石川智崇(KICKBOX)

●第6試合 70.0kg契約3回戦   
 ジャパンキック協会ウェルター級5位.我謝真人(E.D.O)vs 白井大也(市原)

●第5試合 バンタム級3回戦 
 松田悠哉(誠真)vs JKイノベーション・バンタム級8位翔力(拳伸)

 他、ノーランカー4試合

ジャパンキックボクシング協会のメインイベンター睦雅も国内外で好調を維持

※               ※               ※

◆原点回帰から挑戦へ、令和の全日本キックボクシング協会の2年目!

設立2年目は新たな挑戦へ、韓国ムエタイ協会との提携、日本vs 韓国戦が開催。
オーシャン・ウジハラ連続出場で迎え撃つ。

◎挑戦 / 3月28日(金)後楽園ホール17:30~
主催:全日本キックボクシング協会

オーシャン・ウジハラは昨年12月28日、瀬川琉に僅差判定負けしているが、体幹崩れないベテランの技で瀬川を苦しめた存在。無所属ながら今回のメインイベンターとなった。

元々はセンチャイジム所属で2009年にWBCムエタイ日本フェザー級王座獲得し、その後プロボクシングに転向したり、キックボクシングに復帰したり紆余曲折を経て戦い続けています。まだ結果を残せる余力有りでしょう。

広翔と横尾空は昨年3月16日の設立興行でデビューし、「早くメインイベンターと成れ!」と期待の下、一年間一緒に戦って来た二人が、今年は王座を狙える地位へ浮上出来るか、壁にぶつかるか周囲は期待と不安の中、見守りたい存在でしょう。


●メインイベント 60.0kg契約3回戦
 オーシャン・ウジハラ(=氏原文男/無所属/1986.10.12高知県出身)27戦13勝(8KO)14敗
 vs
韓国ムエタイ協会フェザー級チャンピオン.Flash(本名=クォン・ヒョンウ/2000.11.25韓国出身)10戦8勝2敗

●セミファイナル バンタム級3回戦
 広翔(稲城)4戦3勝(1KO)1敗
      vs
 Joker(本名=パク・スンホ/2002.9.13韓国出身)5戦1勝(1KO)4敗

●フライ級3回戦
 横尾空(稲城)vs 小池空(I DEAL)

●スーパーフライ級3回戦
 HIROKI(AKIRA ~budo school~)vs 井上蓮治(パラングムエタイ)

●ライト級3回戦
 山田旬(アウルスポーツ)vs 生野逸晟(WSR三ノ輪)

●ライト級3回戦
 福僚太(健成会)vs 風間祐哉(WSR三ノ輪)

●フェザー級3回戦
 中村健甚(稲城)vs 斎藤鷹也(TRIM)

 他、4試合

氏原文男は全日本キックボクシング協会へ連続出場、メインイベントを務める

※               ※               ※

以上は3月後半の関東エリアで行なわれる一部のスケジュールです。

この中での注目度高い選手は「2025年に輝くキックボクサーたち」でも登場した睦雅と壱世で、広翔と横尾空、細田昇吾と西原茉生も今後も話題性高くなるでしょう。オーシャン・ウジハラがこの先、どこまで引っ?き回してくれるかも注目です。
4月以降の興行も展望は続いていく予定です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

NKB、今年はライト級中心に動くか! 堀田春樹

高橋一眞引退後のライト級は乱牙が担う。公式記録は引分けながら規定により延長戦を制して王座獲得。
カズジャンジラがハイキックでチャンピオンの存在感を見せて判定勝利。
片島聡志と吏亜夢は互いの持ち味発揮の末、若い吏亜夢が制す。

◎爆発シリーズvol.1 / 2月22日(土)後楽園ホール17:15~21:14
主催:日本キックボクシング連盟 / 認定:NKB実行委員会

◆第11試合 第16代NKBライト級王座決定戦 5回戦

1位.棚橋賢二郎(拳心館/1987.11.2新潟県出身/ 60.95kg)25戦12勝(7KO)11敗2分
        VS
2位.乱牙(=蘭賀大介/ケーアクティブ/1995.2.9岩手県出身/ 61.1kg)
11戦7勝(3KO)2敗2分
引分け 三者三様(=公式記録)
主審:前田仁
副審:高谷48-49. 鈴木49-48. 笹谷49-49(延長戦は三者とも9-10で乱牙を支持)

開始早々に棚橋賢二郎が牽制の右ロングフック。以降は終盤まで強打を振り回すことは少なく、やや距離を保った流れ。乱牙のローキックで下がり気味の棚橋。第4ラウンドには強打を狙っていそうな棚橋の前進が始まり、打ち合うシーンが増えた。

乱牙と棚橋賢二郎の蹴りを忘れたパンチの打ち合いが続いた

最終ラウンドも激しく打ち合うも互いの顔面を打ち抜くような決定打は無く終了。三者三様の引分けとなった公式戦はここまで。王座決定戦の為、延長戦が行われ、疲労困憊した打ち合いが続く中、前進した乱牙がヒットを上回った流れで優勢支持を受けて王座獲得となった。公式記録は昭和から続くシステムで従来どおり引分け。

新チャンピオンとなった乱牙。反省と抱負を語る

◆第10試合 66.7kg契約ノンタイトル 5回戦

NKBウェルター級チャンピオン.CAZ・JANJIRA
(=佐々木和也/JANJIRA/1987.9.2東京都出身/ 66.3kg)44戦21勝(4KO)16敗7分
        VS
どん冷え貴哉(TOKYO KICK WORKS/1988.10.15滋賀県出身/ 66.5kg)
48戦25勝(6KO)21敗2分
勝者:CAZ・JANJIRA / 判定3-0
主審:笹谷淳
副審:高谷50-48. 鈴木49-48. 前田50-48

両者は、2021年4月24日に3回戦制で対戦し引分け。今回は5回戦制で決着戦を迎えました。

どん冷え貴哉は有効打は無いが手数と圧力は優っていく。第4ラウンドには、カズ・ジャンジラが巻き返しに入り、パンチで出るどん冷えにハイキックを合わせるとアゴにヒット。チャンピオンらしさを見せたヒットで勝負を大きく引き寄せるノックダウンを奪った。そこからどん冷えの巻き返しを許さず、このノックダウンを奪ったカズジャンジラが判定勝利。

カズジャンジラvsどん冷え貴哉の攻防、レフェリーは2年前、カズと王座を争った笹谷淳

◆第9試合 スーパーバンタム級3回戦

片島聡志(元・WPMF世界スーパーフライ級Champ/Kick Life/1990.10.19大分県出身/ 55.2kg)57戦29勝(6KO)23敗5分
        VS
WMC日本スーパーフェザー級チャンピオン.吏亜夢(ZERO/2004.12.3栃木県出身/ 55.2kg)
15戦10勝4敗1分
勝者:吏亜夢 / 判定0-3
主審:加賀見淳
副審:前田28-29. 鈴木28-29. 笹谷27-30

若さからくる勢いで吏亜夢がスピードで優る前進。ベテラン片島聡志は攻められてもまともには喰わないディフェンスの上手さが目立った。

第2ラウンドには片島の蹴りに合わせた吏亜夢の右ストレートで片島がバランス崩してスリップ気味に尻もちをつくと、ノックダウン扱いとなったがダメージは無い。

ラストラウンド終盤には片島聡が前進、隙を突いてパンチヒットさせ、ただでは終わらぬ攻めの上手さを見せた。吏亜夢は長身さと手足の長さを有利に活かし判定勝利したが、互いの持ち味が発揮された展開となった。3ラウンドで終わるには時間が足らず、5回戦でやるべき勿体無いカードである。

吏亜夢と片島聡志のベテランと若さの攻防。攻めの上手さと守りの上手さが引き立った

◆第8試合 60.0㎏契約3回戦

横山典雄(不死鳥道場/1986.5.13新潟県出身/ 59.7kg)12戦7勝(3KO)5敗
        VS
JKIスーパーフェザー級8位.夢叶(エムトーン/2004.4.7神奈川県出身/ 59.75kg)
8戦4勝(2KO)3敗1分
勝者:夢叶 / TKO 2ラウンド 2分31秒 /
主審:高谷秀幸

夢叶が先手を打つ蹴りとパンチの多彩に攻める中、横山も夢叶の出方に合わせて攻防を続けるが、第2ラウンドに夢叶の右ヒザ飛び蹴り一発でノックダウン。カウント中のレフェリーストップで夢叶がTKO勝利した。

[左]夢叶がいきなりの飛びヒザ蹴りで横山典雄を倒した/[右]エムトーン南孝侍会長と夢叶。昭和と令和のテクニシャンが集う

◆第7試合 58.0kg契約3回戦

NKBフェザー級5位.半澤信也(Team arco iris/1981.4.28長野県出身/ 57.9kg)
33戦11勝(4KO)17敗5分
        VS
村上祐馬(不死鳥道場/1994.6.23長野県出身/ 57.5kg)8戦6勝(3KO)1敗1分
勝者:村上祐馬 / KO 3ラウンド 1分47秒 /
主審:鈴木義和

蹴りでタイミングを掴みながらパンチ中心の攻防。互角の展開が続く中、第2ラウンドから続く村上祐馬のローキックが徐々に効いていた半澤信也は第3ラウンドにノックダウン。更に村上にコーナーに詰められ猛攻を受けたパンチとローキックで2度目のノックダウン。更にパンチ連打されたところでタオルが投入された様子で、レフェリーが割って入り3ノックダウンとなる形で試合終了。村上がKO勝利。

村上祐馬が半澤信也をコーナーに詰めての猛攻で2度目のノックダウンに繋げた

◆第6試合 ウェルター級3回戦

大月慎也(Team arco iris/1986.6.19埼玉県出身/ 66.65kg)25戦11勝(5KO)10敗4分
        VS
天雷しゅんすけ(SLACK/1984.10.23新潟県出身/ 65.35kg)12戦5勝(1KO)6敗1分
勝者:大月慎也 / 判定3-0
主審:高谷秀幸
副審:前田30-27. 笹谷30-27. 鈴木30-28

初回から大月慎也が徐々に上下の蹴りで圧力掛け、組み合うとヒザ蹴りで圧倒。天蕾しゅんすけは攻められながらパンチで追うも敵わぬまま、大月がローキックやハイキックで圧倒した展開となった。

大月慎也が天蕾しゅんすけを圧倒。カズ・ジャンジラに指名された大月、王座に近付けるか

◆第5試合 64.0kg契約3回戦

小磯哲史(元・J-NETWORKライト級Champ/TESSAI/1973.8.8神奈川県出身/ 63.55kg)
53戦18勝(6KO)30敗5分
        VS
ちさとkiss Me!!(安曇野キックの会/1983.1.8長野県出身/ 63.9kg)
42戦7勝(3KO)31敗4分
勝者:小磯哲史 / 判定2-1
主審:加賀見淳
副審:前田30-28. 笹谷29-28. 高谷29-30

負けが大きく先行する両者の蹴りとパンチの一進一退の攻防も決定打が無い展開が続き、終盤には小礒哲史のパンチでちさとは鼻血を流すも打ち返す踏ん張りを見せた。

ちさとは倒される覚悟も懸命に互角に戦った。小磯哲史もベテランの上手さを見せた

◆第4試合 58.0kg契約3回戦

杉山茅尋(HEAT/2001.11.30静岡県出身/ 57.7kg)10戦3勝6敗1分
      VS
樋口雄生(ケーアクティブ/1995.4.14東京都出身/ 57.8 kg)4戦2勝(1KO)2敗
勝者:樋口雄生 / 判定1-2
主審:前田30-28. 高谷29-30. 加賀見29-30

杉山三兄弟の長男、茅尋登場。初回は殆ど蹴り中心の攻防。パンチや首相撲は少ない。第2ラウンドにはパンチと首相撲の展開も増えるが、樋口雄生がやや優った展開。杉山は兄弟揃ってのテクニシャンではあるが、茅尋は樋口にやや圧された流れで終了。採点が分かれる結果となったが樋口雄生が攻め優った判定勝利。

テクニックは互角ながら樋口雄生は杉山茅尋に圧力掛けて勝利を導いた

◆第3試合 ライト級3回戦

鈴木ゲン(拳心館/1973.6.5新潟県出身/ 60.7kg)12戦6勝(4KO)5敗1分
      VS
坂根卓弥(クロスポイント吉祥寺/1993.7.11京都府出身/ 61.1kg)6戦3勝2敗1分
勝者:坂根卓弥 / 判定0-3 (26-30. 26-30. 26-30)

初回に坂根卓弥の左ハイキックがヒットするとグラついた鈴木ゲン。坂根が手数とスピードが優っていき、鈴木は最後まで耐え忍び、坂根が大差判定勝利した。

◆第2試合 65.5kg契約3回戦

健吾(BIG MOOSE/1993.10.10千葉県出身/ 65.15kg)5戦4勝1敗
      VS
清水和也(アルン/2003.9.22新潟県出身/ 64.65kg)4戦2勝(2KO)1敗1分
勝者:健吾 / 判定2-0 (30-27. 29-29. 30-29)

◆プロ第1試合 バンタム級3回戦

TAKUMI(Bushi-Doo/1989.12.8新潟県出身/ 52.85kg)7戦7敗
       VS
早川曜平(ケーアクティブ/1994.1.13千葉県出身/ 52.8kg)2戦1勝1敗
勝者:早川曜平 / 判定0-3 (29-30. 29-30. 29-30)

◆アマチュア・オヤジキック第3試合 61.5kg契約2回戦(90秒制/延長1分)

オヤジキック関東スーパーフェザー級王者.アニマル・タケ王
(D-BLAZE/テツジム東京/61.1kg)
        VS
オヤジキック関西スーパーフェザー級王者.ゆきすぎて釜江(テツジム関西/ 60.4kg)
勝者:アニマル・タケ王 /
判定0-1 (19-19. 20-20. 19-20)
延長判定2-1 (9-10. 10-9. 10-9)

◆アマチュア・オヤジキック第2試合 70.0kg契約2回戦(90秒制/延長1分)

中條ミノル(D-BLAZE/ 69.5kg)vsヒロタカ(RIKIX百合ヶ丘/ 69.55kg)
勝者:中條ミノル / 判定3-0 (20-18. 20-17. 20-18)

◆アマチュア・オヤジキック第1試合 61.0kg契約2回戦(90秒制/延長1分)

ハリケーン吉野(TOKYO KICK WORKS/ 60.4kg)
      VS
藤元”ガンビット”ダイスケ(sports24荻窪/ 60.2kg)
勝者:ハリケーン吉野 / 判定2-0 (20-18. 20-18. 20-20)

《取材戦記》

イエスかハイで!?

カズ・ジャンジラは試合後のマイク挨拶で、「今年10月、NKBウェルター級タイトルマッチ(予定)で大月慎也選手、やりたいようでしたら、イエスかハイで!」と回答を求めた。決定権は選手ではなく、NKB実行委員会とマッチメイカー次第だが、前振りから盛り上げて行くにはマイクアピールも必要な時代でしょう。

更にカズ・ジャンジラは来年の2月興行で引退をすることを宣言。「それまでしっかりチャンピオンとしてNKBを盛り上げたいと思います。」と締め括った。

NKBライト級新チャンピオンとなった乱牙は「棚橋選手は滅茶苦茶強かったです。今後チャンピオンベルトを背負う者として、今日はあまりいい内容じゃなかったので、リングで言ったとおりですが、もっと練習して強くなってチャンピオンとして相応しい存在になりたいです。」と語った。ライト級戦線、他団体にも強力なチャンピオンが存在します。睦雅とか吉田凛汰朗とか。今比較すれば乱牙は見劣りしますが、今年一年で急成長出来るかが勝負。

竹村哲マッチメイカーは今回の興行に付いて、「KOが少なかったのがちょっと残念でしたが、メインイベントの棚橋賢二郎vs乱牙は正に死力を尽くして戦ってくれたので、あんなド突き合いは“これぞNKB”という試合を見せてくれたので良かったですね。」と感想を語った。

いろいろな選手や関係者に話を聞けばいろいろな応えが返って来ました。

会場入りしたばかりの吏亜夢は「絶好調です!」と笑顔で応え、ウォーミングアプする片島聡志は「いつもどおりですが絶好調です。相手を呑み込んでやろうという心構えです!」とリップサービスがありました。

更に開場前にリングサイドに居たエムトーンジム南孝侍会長とBIGMOOSEジム小林健二会長とは昔話に花が咲きました。アジア太平洋キック連盟の初期の頃など。

「こんな昭和から関わる話をまたしたいですね。」という南会長。彼のエピソードも奥深いのである。いずれ人物伝で拾う予定です。

日本キックボクシング連盟爆発シリーズvol.2は4月26日(土)に後楽園ホールに於いて開催予定です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

新鋭もロートルも、DUELで輝くRORD TO CHAMPION! 堀田春樹

前日計量は2月8日、12時よりVALLELYジムにて、全員一回でパス。
DUELのリングでNJKF 2024年の年間表彰式が行われました。大田拓真が2年連続最優秀選手賞獲得。

◎DUEL.33 / 2月9日(日)GENスポーツパレス 18:00~20:10
主催:VALLELYジム / 認定:ニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)

戦績は興行プログラムを参照し、この日の結果を加えています。

◆第7試合 67.0kg契約3回戦

NJKFスーパーライト級3位.マリモー(=沼耕平/KING/ 66.5kg)39戦15勝23敗1分 
        VS
ソムプラユン・ヒロキ(=緑川広樹/DANGER/ 66.5kg)7戦2勝5敗
勝者:マリモー / 判定3-0
主審:児島真人
副審:宮沢30-27. 中山29-27. 多賀谷30-27

両者パンチとローキックの攻防。ソムプラユン・ヒロキは長身を利した前蹴りやハイキックも使うが、マリモーはガードを固めて回避し我武者羅にパンチで攻める。

第2ラウンドには蹴りから首相撲の展開も見られ、マリモーはソムプラユンをロープ際に追い込んで、パンチ連打でより一層追い詰めて更にパンチからヒザ蹴り、左ボディーブローでノックダウンを奪った。第3ラウンドに入っても仕留められなかったが、優勢を保ったマリモーが判定勝利を飾った。

マリモーのハイキックがソムプラユン・ヒロキの顔面を襲う
マリモーのハイキックがソムプラユン・ヒロキの顔面を襲う
マリモーの前蹴りがソムプラユン・ヒロキの喉元にヒット
マリモーの前蹴りがソムプラユン・ヒロキの喉元にヒット

マリモーは「全然駄目だったんで出直して来ます。前蹴りとか対策して来たんですけど何も出来なかったんで」と反省点を振り返っていた。

ソムプラユン・ヒロキも似た反省点で「全然駄目でしたね。ヒザ蹴り貰ってしまいました。」と言葉少なに反省を語りました。

ラウンドガールとツーショットはなかなか無いぞ、マリモー

◆第6試合 フライ級3回戦

NJKFフライ級6位.愁斗(Bombo Freely/ 50.75kg)11戦6勝(3KO)3敗2分 
        VS
NJKFフライ級9位.明夢(新興ムエタイ/ 50.8kg)14戦4勝(1KO)7敗3分
勝者:愁斗 / 判定2-0
主審:梅下湧暉
副審:宮沢29-29. 中山29-28. 児島30-29

愁斗は前回11月10日にNJKFフライ級9位.永井雷智(VALLELY)にTKO負け。

明夢は前回、12月8日にNJKFフライ級7位.悠(=吉仲悠/VALLELY)と対戦し引分け。

初回早々から蹴りの交錯が始まり、愁斗がスピードで優る。離れた距離から接近してのヒザ蹴りも鋭い愁斗。明夢は出遅れ気味でも我武者羅に前進し、首相撲の展開では明夢も踏ん張り愁斗を崩し転ばす場面もあり。愁斗はテクニックの差は魅せたが、粘った明夢も善戦した。

愁斗の鋭いハイキックが明夢を翻弄
愁斗のヒザ蹴りが明夢のボディーにヒット
フライ級戦線、期待が掛かる愁斗

◆第5試合 スーパーフェザー級3回戦

パヤヤーム浜田(KING/ 58.75kg)16戦2勝(1KO)14敗
          VS
翔吾(DANGER/ 58.6kg)3戦1勝1敗1NC
勝者:翔吾 / 判定0-3
主審:多賀谷敏朗
副審:宮沢29-30. 梅下28-30. 児島28-29

初回早々は翔吾がパンチ連打と蹴りも合わせてパヤヤーム浜田をロープに詰めたが、浜田もミドルキックやローキックで態勢を立て直すも、翔吾がやや攻勢を維持。
しかし、浜田の左ミドルキックが冴えた。翔吾のパンチの攻勢も浜田の返す左ミドルキックが強くヒットした。

両者、主導権を奪うに至らずも終盤は打ち合う流れで終了。僅差で翔吾が判定勝利を掴んだ。

翔吾のハイキックがパヤヤーム浜田にヒット、手数で優った
パヤヤーム浜田も左ミドルキックで翔吾を苦しめた

◆第4試合 女子ミネルヴァ 45.0kg級契約3回戦(2分制)

ミネルヴァ・ペーパー級4位.Uver∞miyU(T-KIX/ 44.95kg)14戦4勝9敗1分
      VS
杉田風夏(谷山ジム小田原道場/ 44.75kg)3戦2勝1敗
勝者:杉田風夏 / 判定0-3
主審:中山宏美      
副審:多賀谷28-30. 梅下29-30. 児島29-30

蹴りとパンチは一進一退も、接近戦で組み合うとヒザ蹴りが優った杉田風夏。ジャッジ三者が揃ったラウンドは無かったが、ヒザ蹴りで優った杉田が僅差判定勝利した。

杉田風夏は組み合ってのヒザ蹴りがUver∞miyUに優る展開に導いた

◆第3試合 フライ級3回戦

西村心(菅原道場/ 50.4kg)2戦1勝(1KO)1敗
VS
手塚瑠唯(VERTEX/ 50.5kg)4戦2勝(1KO)2敗
勝者:手塚瑠唯 / 判定0-3
主審:宮沢誠
副審:多賀谷24-30. 梅下24-30. 中山24-30

初回、アグレッシブに多彩な攻防を魅せた両者。手塚瑠唯はパンチからハイキックでロープに詰めパンチからヒザ蹴りでノックダウンを奪った。

第2ラウンドも攻勢維持した手塚だが、西村心もパンチで攻め心折れないアグレッシブな攻め。手塚は組み付くいてヒザ蹴り連打を続けるとレフェリーはスタンディングダウンを宣した。更にヒザ蹴りで猛攻の後、崩し転ばすとダメージあることからノックダウン扱いとなって2度目となるダウン。

第3ラウンド、手塚も勢い落ちたが攻勢を維持し圧倒した展開で終了。

◆第2試合 フライ級3回戦

高橋大輝(エス/ 50.45kg)6戦3勝3敗1分
     VS
トマト・バーテックスジム(VERTEX/ 50.4kg)5戦4敗1分 
勝者:高橋大輝 / 判定3-0
主審:児島真人
副審:多賀谷30-28. 宮沢30-29. 中山30-29

◆第1試合 55.0kg契約3回戦

上原心汰(MWS/ 54.9kg)3戦1勝2敗
      VS
堤昇之(DANGER/ 54.75kg)2戦1敗1分
勝者:上原心汰 / 判定3-0
主審:梅下湧暉
副審:多賀谷29-28. 児島29-28. 中山29-28

年間表彰選手、前列は左から基山幹太、吉田凛汰朗、大田拓真、真美、小林亜維二

《取材戦記》

負けが込んでいる者同士の戦いでも、いかに目立った試合が出来るか、埋もれた実力を発揮できるかが勝負のDUEL興行。

アグレッシブにノックダウン奪って勝利したマリモーは、マイクアピールで「これだけは言わせてください」と何やら動物愛護のアピールをしていたようですが、応援ファンも「マリモー、聞こえねえぞ!」と野次られるほどマイクに声が響かない。

リングを下りたマリモーに聞いてみると「僕は動物虐待とか殺処分とか大嫌いなんです。動物たちを見守ってあげて欲しいです」と訴えていた。

以前も動物愛護精神を持ったマリモーということを聞いたことがあり、キングジムでも蛙とヘビが飼われていた時の生き物係はマリモーだったと思うが、そんな、顔に似合わない優しさを持つマリモー。もっとリング上で訴えるには今後も勝利して後楽園ホールのリングで語って貰いたいところです。

GENスポーツパレスに於いてDUEL興行でNJKF年間表彰式とは珍しいパターンでした。ちょっと規模縮小の感も拭えずも、先週2月2日興行は終了時間制限の事情もあったでしょう。昨年は後楽園飯店で行なわれましたが、後楽園ホールで興行の際の年間表彰式はリング上で最も注目される場所でしょう。プロボクシングでの年間表彰式は東京ドームホテルで開催が多く、競技組織のスケールの違いを感じます。

以下はニュージャパンキックボクシング連盟の年間表彰選手です。昨年の表彰式で「来年は俺がMVP」と宣言していた嵐は努力賞に留まるも、努力の成果が出るのが今年となるか。大田拓真のMVPは内外で活躍した結果で順当なところでしょう。

年間最優秀選手=大田拓真(新興ムエタイ)

年間最高試合(2024年6月2日開催64.0kg契約)

吉田凛汰朗(VERTEX)vs基山幹太(BELLWOOD FIGHT TEAM)

女子ミネルヴァ優秀選手=真美(team lmmortaL)

殊勲賞=吉田凛汰朗(VERTEX)

敢闘賞=小林亜維二(新興ムエタイ)

技能賞=宮越慶二郎(拳粋会宮越道場)

努力賞=嵐(KING)

新人賞=永井雷智(VALLELY)、藤井昴(KING)

ゴング格闘技賞=小林亜維二(新興ムエタイ)

Fight&Life賞=谷津晴之(新興ムエタイ)

イーファイト賞=大田拓真(新興ムエタイ)

バウトレビュー賞=大田拓真 (新興ムエタイ)

先週の次回興行予定にこの2月9日のDUEL興行が抜けていましたが、次回NJKF関連は3月16日(日)に女子ミネルヴァ興行、「GODDESS OF VICTORY Ⅲ」がGENスポーツパレスで開催されます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2025年3月号

昭和のビッグイベント、オープントーナメントのその後! 堀田春樹

◆お祭り騒ぎ後の静けさ

前回までに語りました、キックボクシング界の見事な結集力を見せた活気ある1000万円争奪オープントーナメントも終わってしまうと閑散とした寂しさが残りました。その後は藤原敏男に続いて富山勝治も引退し、テレビに育てられたキックボクシングは終焉を迎えた1983年(昭和58年)で、このオープントーナメントの勢いもままならず、スターは居ない、テレビは付かない、再び沈静化した時代でした。

後の52kg級域頂上決戦は松田利彦が制した(1983.5.28)
暫定的日本統一ランキングは錚々たるメンバーが揃っていたが実現せず(1983.6)

◆タイガー大久保と鴇稔之らの運命

三階級優勝者の長浜勇、松本聖については過去に格闘群雄伝でも語っており簡略しますが、松本聖は興行の不安定さから出番が無くなり、長浜勇は翌1984年5月に優勝候補の一人ながら怪我で不参加だった斎藤京二に第2ラウンドKO負け。

52kg級の優勝者、タイガー大久保はその2ヶ月後、1983年5月28日の士道館興行で、こちらも優勝候補ながら準決勝で敗れ去った松田利彦と対戦。なんと第2ラウンドあっけなくKO負けしてしまいました。混沌としていた52kg級域でしたが、松田利彦株が急上昇。優勝者が崩れ落ちるのも、まだトップスターとして定着していない中での真剣勝負の厳しさがありました。

この後、タイガー大久保はプロボクシングに転向。「キックボクシングではもっと戦う場が欲しかった」という転身でした。

当時、京成小岩駅近くの西川ジムからも近かったロイヤル川上ジムからデビューし、数戦した後、アメリカのロサンゼルスに渡るも、アメリカでの試合は不遇な目に遭ったことも後に語られていて、紆余曲折した渡米のようでした。

3回戦トーナメントは後のチャンピオン、鴇稔之、渡辺明、鹿島龍、飛鳥信也も出場していた新人トーナメントでした。52kg級に出場した鴇稔之は初戦を勝利し、「これは決勝まで行けるな!」と思ったというものの、前回述べましたとおり、トーナメントはその後、立ち消えとなりました。

56kg級においては当初の10名トーナメントの開催が遅れたまま、6名に縮小となり立ち消え、62kg級においても欠場者が増え、いずれもその後の各団体に担った運営では日程も儘ならず、新人トーナメントは当初から計画性も進んでいなかった模様である。

後の62kg級域、ライト級頂上決戦は斎藤京二が制した(1984.5.26)

◆日本統一ランキング制定

同年6月半ば、オープントーナメント実行委員会は、トーナメント(5回戦)の結果を基に暫定的日本統一ランキングを発表されました。当時としてはなかなかの層の厚い名前が連なっていたものでした。

オープントーナメントは各階級を跨る変則的3階級で行なわれましたが、ランキングは当然の正規7階級制。トーナメントに参加していない選手名もランクされていますが、それまでの実績が考慮されての反映でした。

不参加だった伊原信一は新たに開拓していた香港興行が忙しくなった時期でした。先に述べました藤原敏男の後輩、斎藤京二は1982年7月のヤンガー舟木戦で負った顎骨折の影響で不参加でした。

またトーナメント戦から外れている、同シリーズ内で行なわれた重量級交流戦も対象となっており、向山鉄也(北東京キング)vsレイモンド額賀(平戸)戦とシーザー武志(東海)vs福島晃平(高葉)戦の4名はウェルター級とミドル級に分かれてランキングされています(勝敗結果は割愛します)。

正に画期的な日本ランキングでした。なかなか興味深いカードが期待され、これが真の日本統一王座制定へ進めば理想的でしたが、すぐの実現には至りませんでした。

しかし、1000万円争奪オープントーナメントも無駄ではないその後の流れでした。このトーナメントが在ったから辞めず踏み止まる選手やジムがあり、次の時代へ活かされたことでしょう。

◆オープントーナメントの裏側

元々、低迷期脱出と再浮上を狙っての二度に渡ったオープントーナメントでした。

500万円争奪戦はテレビ放映継続へ、1000万円争奪戦は業界全体の低迷からの底上げへ。欲を出せば裏目に出る傾向から、この時はテレビ放映復活の売り込みはしなかった模様。

また、優勝賞金は500万円争奪戦も1000万円争奪戦も資金調達が間に合わなかった様子も窺えました。ここにも苦しいやり繰りがありつつ、いずれも遅延しながらも円満に支払われた模様です。

1000万円争奪オープントーナメント開催前の5回戦組み合わせ抽選では、52kg級優勝者のタイガー大久保においては、新人戦の鴇稔之同様、「これは案外楽に決勝まで行けるぞ!」と思ったところが、抽選やり直しを強行されたという話もありました。56kg級、62kg級においては決勝戦で争うカードが予想され、優勝候補がブロック分けされている工夫が読み取れます。番狂わせもありましたが好カードは幾つも実現しました。

後々に第3回オープントーナメントが行われなかったのは、高額優勝賞金調達が難しいことや、当初の企画発案者、野口プロモーションの衰退に対し、業界が低迷期を脱し、定期興行が安定した中、業界が一致団結するイベントは難しくなったことでしょう。

その後は昭和から平成、令和にかけて小規模の幾つものトーナメントは開催されて行く中、今年(2024年)11月10日のNJKF祭から2ヶ月間で行なわれているJAPAN CUP 55kg級最強決定トーナメントは錚々たるメンバーが揃っているところ、チャンピオンクラスが3回戦制とか、準決勝と決勝はワンデートーナメント(12月30日横浜武道館K.O CLIMAX)というアマチュアのような在り方に疑問点はありますが、このイベントが成功すれば他のウェイト、階級でも開催が見込まれており、来年以降もそんな規模が大きくなるトーナメント戦は増えていくと予想されます。また昭和の1000万円争奪オープントーナメントを超える開催に期待したいものです。

時代は令和へ、JAPACUP 55kg級トーナメント、昭和のオープントーナメントを知らない世代たち(2024.11.9)

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2025年3月号

武田幸三率いるNJKF CHALLENGERは今年も過激に前進! 堀田春樹

今年もエース格、大田拓真は圧倒のKO防衛。世界へ大きく前進。
吉田凛汰朗は薄氷の初防衛、課題は残るも世界へは一歩前進。
女子試合、SAHOは攻勢を保って判定勝利。

◎NJKF CHALLENGER 7(2025.1st) / 2月2日(日)後楽園ホール17:15~21:31
主催:(株)オフィス超合筋 / 認定:ニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)

戦績は興行プログラムを参照、この日の結果を加えています。

◆第9試合 NJKFフェザー級タイトルマッチ 5回戦

第14代選手権者.初防衛戦.大田拓真(新興ムエタイ/1999.6.21神奈川県出身/ 57.0kg)
41戦31勝(10KO)8敗2分
      VS
挑戦者1位.TAKAYUKI(=金子貴幸/K-CRONY/1988.11.18茨城県出身/ 56.95kg)
33戦17勝(7KO)15敗1分
勝者:大田拓真 / KO 4ラウンド 30秒 /
主審:児島真人  

ローキックとパンチの様子見から大田拓真が先に仕掛け、パンチ連打で金子貴幸をコーナーに詰める攻勢。

第2ラウンドも大田が攻勢を強め、金子をロープ際に追い込み首相撲からヒザ蹴りも加えていく中、俯く金子に右フックかヒジ打ちか、側頭部にヒットさせノックダウンを奪う。圧倒する大田が蹴りから追い詰めてヒザ蹴り、コーナーに詰めると右ストレートで2度目のノックダウンを奪う。

終始圧倒した大田拓真は飛びヒザ蹴りで金子貴幸にプレッシャーを与えた

第3ラウンド、劣勢でも巻き返したい金子に、太田はペースを乱さない。右ボディーブローから右フックでノックダウンを奪い、仕留めに掛かる大田はロープに詰めて組んでヒザ蹴り、右フックで通算4度目のノックダウンを奪う。更に攻める大田はヒジ打ちで金子の右頭部をカット。インターバル中の金子は陣営に止血されながら目を瞑り疲労困憊の様子。

人生一番苦しい時間かもしれない第4ラウンド、絶対優勢の大田がパンチからヒザ蹴りでノックダウンを奪うと、レフェリーはカウントする中、終了のゴングが打ち鳴らされた。セコンドはタオルを投げてはおらず、WBCムエタイルールをNJKFルールにも起用していたということで、全ラウンドを通じての5ノックダウン制で自動的KO勝利となって初防衛となった。

大田拓真の右ハイキック、懸命に戦う金子貴幸にヒット

リング上で大田は王座返上を告げ、6月8日のNJKF興行でWBCムエタイ世界タイトル挑戦の意向を示しました。

大田拓真は金子貴幸の印象を「覚悟を持ってチャンピオンベルト狙いに来ているなという目と気迫を感じていました。僕も本当に油断せず、世界を狙って行くには誰が相手とか関係無く、しっかり追い込んで来たので、結果がしっかり出せて良かったです。」

今後については「ONE(Championship)もそうですし、WBCムエタイ世界戦もNJKFでやらせて頂きたいと意向を伝えました。」と内定したWBCムエタイ世界フェザー級王座挑戦は実現に向かう模様である。

金子貴幸は「もっといけるかなと思ったんですけど、大田選手はあまりにも強過ぎて、こんなに差があるのかビックリしちゃいました。」と完敗を認めていた。

愛息子とツーショットに収まる大田拓真

◆第8試合 NJKFスーパーライト級タイトルマッチ 5回戦

第7代選手権者.初防衛戦.吉田凜汰朗(VERTEX/2000.1.31茨城県出身/ 63.2kg)
28戦13勝(3KO)10敗5分
       VS
挑戦者.健太(E.S.G//1987.6.26群馬県出身/ 63.2kg)122戦68勝(21KO)47敗7分
勝者:吉田凛汰朗 / 判定2-0
主審:多賀谷敏朗
副審:宮沢49-48. 児島49-49. 中山49-48

距離を取ってのパンチとローキックで出方を探る様子見の両者。徐々に経験値優る健太が前進。ハイキック、右ストレートヒットとパンチでわずかに上回ったかに見える攻勢。

第3ラウンドには、健太のパンチか、吉田の左目尻から出血。このラウンドまでの公開採点でジャッジ三者とも第3ラウンドに差を付け30-29で健太が優勢。第4ラウンドも一進一退な展開は変わらずも、健太の手数がやや落ちたか。

流血の吉田凛汰朗が健太と打ち合う

最終第5ラウンドも倒しに行こうと吉田はパンチを振り回してもヒットしないが健太も同様に吉田を止められない。互角の展開で終了も判定は逆転した流れで吉田凛汰朗が勝利した。第4ラウンド以降はジャッジ二者は吉田にポイントが流れた模様。一者は第5ラウンドのみ吉田に与えドロー裁定。微差も振り分けるなら採点が不可解とは言えないが、見極めの難しい試合だった。

初防衛に成功した吉田は、勝ったらいろいろ言いたかったことがあった様子も、出直しを誓っていた。

健太と吉田凛汰朗、微妙な判定に明暗分かれた両者の表情

◆第7試合 53.0kg契約 ノンタイトル3回戦

S-1女子世界バンタム級チャンピオン.☆SAHO☆(闘神塾/1999.10.15兵庫県出身/ 52.85kg)
21戦19勝2敗
        VS
ダンコンファー・キヤペットノーイジム(タイ/23歳/ 52.65kg)52戦38勝14敗
勝者:SAHO / 判定3-0
主審:少白竜
副審:多賀谷30-28. 児島30-28. 中山30-28

SAHOは蹴りとパンチのリズムで距離を詰め攻勢強める。ダンコンファーは下がり気味でも怯まずチャンスを窺う。第2ラウンドも同様にダンコンファーが蹴って来てもSAHOも構わず蹴りパンチとも多彩に優っていく前進が続いた。

SAHOが圧倒したが、ダンコンファーもムエタイボクサーらしく蹴りは上手かった

第3ラウンド、首相撲になってもSAHOがダンコンファーを崩して優る。SAHOが終始圧倒する展開となったがKOには至らず、チャンピオンとして納得いく試合が出来なかったことに反省のコメントも残していた。

チャンピオンとして納得いかない内容に反省の弁もあった

◆第6試合 ミドル級3回戦

WBCムエタイ日本スーパーウェルター級チャンピオン.匡志YAMATO (大和/1993.1.29愛知県出身/ 72.25kg)28戦16勝(9KO)10敗2分 
        VS
雄也(MY/29歳/ 72.1kg)9戦2勝(2KO)7敗
勝者:匡志YAMATO / TKO 3ラウンド 1分48秒 /
主審:宮沢誠 

匡志がローキック中心の前進。更にパンチ連打で攻勢を強めていく。第2ラウンドも蹴りで雄也をコーナーに追い詰めローキックでノックダウンを奪う。更にパンチ連打で二度目のノックダウンを奪う圧倒の展開。

第3ラウンド、匡志が追ってローキックからコーナーに詰めて右ストレートでノックダウンを奪う。雄也は蹴りで反撃も疲労困憊。更に右ストレートで通算4度目のノックダウンを奪うとノーカウントのレフェリーストップとなって匡志が圧勝となった。

匡志は対戦相手(他団体チャンピオン予定)が変更された経緯もあって、雄也戦となったことに感謝の言葉を述べて、次回には他団体チャンピオンやタイ選手など強い相手を要望していた。

◆第5試合 51.5kg契約3回戦 

S-1世界フライ級チャンピオン.優心(京都野口/2002.5.28京都府出身/ 51.05kg)
17戦7勝7敗3分 
      VS
NJKFフライ級チャンピオン.西田光汰(西田/2001.2.13愛知県出身/ 51.4kg)
12戦8勝(1KO)3敗1分 
勝者:西田光汰 / 判定0-2
主審:多賀谷敏朗
副審:少白竜28-28. 宮沢28-29. 児島28-29

優心は首相撲や蹴りとパンチのコンビネーションでやや優る流れが続いた。第3ラウンドには西田光汰の右ストレートで優心がバランス崩してスリップダウンし、更に似た流れながら西田の右ストレートでスリップ気味に尻もちをつくと、レフェリーはノックダウンと見極めた。

西田光汰の右ストレートが優心にヒット、ノックダウンに至る兆しはあったか

ノックダウンではないとアピールする優心だったが、覆らぬことは分かる様子で素直に受け入れ、再開後に反撃も巻き返すには時間は少なく終了し、西田がポイント的には逆転する判定勝利となった。

“フラッシュダウン”の後の両者のアクション、レフェリーは毅然と対処した

◆第4試合 フライ級3回戦

NJKFフライ級3位.髙木雅巳(誠至会/ 50.55kg)12戦7勝(5KO)5敗
        VS
NJKFフライ級4位.永井雷智(VALLELY/ 50.8kg)7戦6勝(4KO)1分
勝者:永井雷智 / 負傷判定0-3 / テクニカルデジション 2ラウンド 1分8秒
主審:中山宏美
副審:少白竜19-20. 多賀谷18-20. 児島18-20 

永井雷智がパンチ中心にやや優勢気味に進めたが、第2ラウンドに髙木雅巳の股間ローブローを受けた永井雷智がダメージを負って立ち上がれず試合終了。偶然のアクシデントによる負傷判定となって永井雷智が望まぬ展開ながらも勝利した。

◆第3試合 スーパーフェザー級3回戦

NJKFスーパーフェザー級6位.匠(KING/ 58.5kg)9戦6勝(2KO)2敗1分
      VS
豪(GRATINESS/ 58.65kg)6戦4勝(3KO)2敗 
勝者:豪 / TKO 3ラウンド 1分21秒 /
主審:宮沢誠

第2ラウンドに豪が接近戦でのパンチでノックダウンを奪い、ヒジ打ちで匠の右瞼をカットし、第3ラウンドにも豪がヒジ打ちで匠の左目尻もカットし、流血が酷くドクターの勧告を受入れレフェリーストップ。

豪(左)のヒジ打ちで流血しながら戦う匠(右)

◆第2試合 スーパーフェザー級3回戦

Ryu(クローバー/1990.1.14茨城県出身/ 60.9→60.65kg)1.68kgオーバー、計量失格、グローブハンデ、減点2
7戦3勝(2KO)3敗1分
      VS
細川裕人(VALLELY/ 58.75kg)8戦4勝3敗1分
勝者:細川裕人 / 判定0-3 (25-30. 25-30. 26-30. Ryuに減点2が加算)

前進して蹴る勢いはあるRyuだったが、細川裕人がパンチからヒザ蹴りで応戦。ボディーを徹底的に狙った細川裕人が大差の判定勝ち。

◆プロ第1試合 60.5kg契約3回戦

高橋優(CORE/ 60.4kg)1戦1勝(1KO)
     VS
井岡巧(E.S.G/ 60.25kg)1戦1敗
勝者:高橋優 / TKO 2ラウンド 1分59秒 /

高橋のボディー蹴りで井岡巧が2度目のノックダウンでカウント中のレフェリーストップ

◆アマチュア2. オープニングファイトEXPLOSION U15 -60kg 級2回戦(90秒制)

佐藤陽平(第4代EXPLOSION60kg級覇者/TAKEDA/ 59.65kg)
     VS
田中豪 (VALLELY/ 60.0kg)
勝者:佐藤陽平 / 判定3-0 (20-18. 20-19. 20-18)

◆アマチュア1. オープニングファイトEXPLOSION U15 -45kg 級2回戦(90秒制)

堀口遥輝(TAKEDA/ 43.7kg)vs吏佐(ポンムエタイ/ 44.05kg)
勝者:吏佐 / 判定0-3 (17-20. 17-20. 17-20)

《取材戦記》

大田拓真は順当に金子貴幸を圧倒するKO勝利で初防衛。更なる上位王座を目指すことにはファンや陣営、NJKF運営関係者も新たな展開に期待したいところでしょう。
敗れた金子貴幸には戦前、もし番狂わせが起こったら。ここから金子貴幸の新たなドラマが生まれればという想定も出来ましたが、そこには至らずも、大田拓真に向かって行った闘志は、撥ね返されても悔いの残らない戦いだったでしょう。

この試合、レフェリーが止めた訳でもない不自然な試合終了だったので、試合後にレフェリーや運営部に尋ねたところが、全ラウンドを通じて5ノックダウン制だったらしく、WBCムエタイルールに倣ったという、そういった細かいルールは改訂する毎に発表する必要があるでしょう。NJKFはそんな曖昧さが少ないしっかりした団体です。今後の厳格な運営にも期待です。

吉田凛汰朗は僅差判定勝利の初防衛。2年前に敗れている老獪なテクニックの健太に雪辱出来るか、年齢や吉田の成長度で健太を圧倒しなければならないといった見所がありましたが、健太に呑まれた流れの微妙な結果と「パンチ貰っちゃいました!」と苦戦の反省もしていました。まずは“防衛してこそ真のチャンピオン” を果たして、更なる防衛か上位王座へ一歩前進でしょう。

優心にノックダウン奪って判定勝利した西田光汰は、第3ラウンドに西田の右ストレートによる優心のスリップ気味のフラッシュダウンではあったが、ノックダウン扱いとなったのは、軽くてもパンチを受けた上、尻もちダウンが2度目だったことが窺えました。要は同じパターンで尻餅ついては不利な流れとなったかもしれないことでしたが、他者の意見では「あれはノックダウンではないだろう」という意見も聞かれました。また、タイムストップはせず、ラウンド終了後に審判団で審議することも可能でしょう。

女子のSAHOは攻勢を維持し内容的には大差の展開でしたが、チャンピオンとして圧倒出来なかった、KO出来なかった悔しさはあったでしょう。試合内容に納得していないというSAHOはマイクで「また強くなって帰って来ます」とコメントを残しました。

次回、NJKF CHAKKENGER.8は4月27日(日)に後楽園ホールで開催です。バンタム級とスーパーバンタム級で各4名参加のトーナメントが発表されています。詳細はまた次回に。決勝は6月8日予定です。

他、3月16日(日)に女子ミネルヴァ興行、「GODDESS OF VICTORY Ⅲ」がGENスポーツパレスで開催。同じく3月16日、大阪で誠至会興行、4月20日(日)岡山県で拳之会興行が予定されています。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2025年3月号

2月2日、2月22日、3月2日開催のキックボクシング3興行の見どころ! 堀田春樹

今年2025年の本通信では、試合の結果だけでなく試合告知とその見どころも、限られた範囲ながら解説していければと思います。今回は2月2日、2月22日、3月2日開催の3つの興行の見どころです。


2月2日開催、NJKF CHALLENGER 7

NJKF CHALLENGER 7、大田拓真が中心に立つ堂々たるメインイベンター

武田幸三氏が2023年にニュージャパンキックボクシング連盟に移籍し、掲げていた“CHALLENGER”は今回で7回目となります。

今回の興行は王座初防衛戦が2試合、大田拓真、吉田凛汰朗が迎え撃ちます。

◎NJKF CHALLENGER 7 / 2025年2月2日(日)後楽園ホール 17:15~
主催:(株)オフィス超合筋 / 認定:ニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)

《主要5試合》

◆メインイベント NJKFフェザー級タイトルマッチ 5回戦

第14代選手権者.初防衛戦.大田拓真(新興ムエタイ/1999.6.21神奈川県出身)  
           vs
挑戦者1位.TAKAYUKI(=金子貴幸/K-CRONY/1988.11.18茨城県水戸市出身)

NJKFのエース格、大田拓真は2019年6月に新人(=あらと/E.S.G)に判定勝利でWBCムエタイ日本フェザー級王座奪取(防衛1度)。昨年2月にNJKFフェザー級王座決定戦で笹木一磨(理心塾)に大差判定で勝利し王座獲得。ONE CHAMPION SHIPには2023年9月から出場して4戦3勝(1KO)1敗の戦績を残し、日本・タイで注目される存在。ここでTAKAYUKIに負けることは考え難いが油断はならない。

TAKAYUKIは昨年10月20日の大阪府堺市で、NJKFフェザー級次期挑戦者決定戦3回戦で僅差ながら坂本直樹(道場373)を判定で破り挑戦権獲得。TAKAYUKIは2016年5月に雄一(TRASH)との王座決定戦でNJKFスーパーバンタム級王座獲得し、1年後に前田浩喜(CORE)に敗れ陥落。なかなか地道な努力でキック人生を送っている中で、8年ぶりの王座獲得を狙い、トップに立つ大田拓真と互角以上に渡り合えるか。

◆セミファイナル  NJKFスーパーライト級タイトルマッチ 5回戦

第7代選手権者.初防衛戦.吉田凜汰朗(VERTEX/2000.1.31茨城県出身)
     vs
健太(=山田健太/E.S.G/1987.6.26群馬県出身) 

両者は2023年4月に64.0kg契約3回戦で対戦し、健太が自分の距離で戦う駆引きの上手さで判定勝利しています。

吉田凜汰朗は一昨年9月に畠山隼人(E.S.G)を倒して王座獲得。

健太は2008年5月にNJKFウェルター級王座決定戦で太陽照明(インスパイヤードモーション)に判定勝利で獲得。2010年5月にも太陽照明にTKO勝利してNJKFスーパーウェルター級王座獲得2014年9月にはT-98(=今村卓也)に判定勝利でWBCムエタイ日本ウェルター級王座獲得(防衛1度)。その後、ウェイトダウンしてライト級でも戦った健太は現在のベストウェイトで王座挑戦となりました。

吉田凛太朗が健太のペースに惑わされず完全KOでもすれば一躍NJKFのトップクラスでしょう。健太は100戦を超えるベテラン技、5回戦の戦い方で吉田を上回って主導権支配出来るか。

吉田凛太朗 vs 健太、前回は健太が戦略で優って判定勝利(2023年4月16日初戦)

◆第8試合 53.0kg契約3回戦

S-1女子世界バンタム級チャンピオン.☆SAHO☆(闘神塾/1999.10.15兵庫県加西市出身)
           vs
ダンコンファー・クアットペットノーイジム(タイ/経歴不詳) 

SAHOは第3代K-1 WORLD GP女子フライ級、S-1女子日本バンタム級、WMC女子日本スーパーバンタム級、ミネルヴァ・スーパーバンタム級などの王座を獲得した女子チャンピオンとしての存在感は大きい。

◆第7試合 72.5kg契約3回戦

匡志YAMATO(大和/ 1993.1.29愛知県海部郡出身)
    vs
雄也(MY/経歴不詳) 

匡志(=まさし)は2018年5月にNJKF日本スーパーウェルター級王座獲得。2020年7月にWBCムエタイ日本スーパーウェルター王座獲得も、コロナ禍により防衛戦が長期延期された経緯があります。

◆第6試合 51.5kg契約3回戦

S-1世界フライ級チャンピオン.優心(京都野口/2002.5.28京都府出身) 
         vs
NJKFフライ級チャンピオン.西田光汰(??/2001.2.13愛知県出身) 

優心は昨年12月17日に京都でマッファン・ゲッソンリット(タイ)とS-1世界王座を争い、引分け(1-0)、チェアマン裁定で優勢を受け王座獲得。NJKFではフライ級前チャンピオンでした。

西田光汰は昨年9月に谷津晴之(新興ムエタイ)とNJKFフライ級王座決定戦を行ない、引分けも優勢支持で王座獲得。本来なら西田が優心に挑戦するNJKFタイトルを懸けた戦いがファンの観たいところだったでしょう。


2月22日開催、今年の日本キックボクシング連盟は“爆発シリーズ”!

爆発シリーズvol.1、棚橋賢二郎と蘭賀大介が中央。新旧入り混じり盛り上げる

高橋一眞(真門)が引退返上したNKBライト級王座を、棚橋賢二郎と乱牙で争われます。

◎爆発シリーズvol.1 / 2月22日(土)後楽園ホール 17:15~
主催:日本キックボクシング連盟 / 認定:NKB実行委員会

《主要3試合》

◆メインイベント NKBライト級王座決定戦 5回戦

1位.棚橋賢二郎(拳心館/1987.11.2新潟県出身)
       vs
2位.乱牙(=蘭賀大介/ケーアクティブ/1995.2.9岩手県出身)

棚橋賢二郎は強打の右ストレート、右ローキックが得意で、過去2度、髙橋一眞が持つNKBライト級王座に挑戦をしていますが撥ね返され奪取成らず。3年振り3度目の挑戦で戴冠目指します。

乱牙は右ストレート、右ミドルキックで好戦的に展開し、プロデビューから2年8ヶ月で王座挑戦となります。

◆セミファイナル 66.7kg契約 5回戦

NKBウェルター級級チャンピオン.カズ・ジャンジラ(JANJIRA/1987.9.2東京都出身)
        vs
どん冷え貴哉(TOKYO KICK WORKS)

両者は、2021年4月24日に3回戦制で対戦し引分け。今回は5回戦制で決着戦を迎えます。

カズ・ジャンジラは2023年2月に笹谷淳(team COMRADE)とNKBウェルター級王座決定戦を行ない、判定勝利で王座獲得しています。

どん冷え貴哉は今回の試合からTOKYO KICK WORKSへ移籍しての出場です。

◆スーパーバンタム級 3回戦

片島聡志(元・WPMF世界スーパーフライ級Champ/Kick Life/ KickLife/1990.10.19大分県出身)
         vs
WMC日本スーパーフェザー級チャンピオン.吏亜夢(=松本吏亜夢/20歳/ZERO)

片島聡志が常連となった日本キックボクシング連盟興行では久しぶりの出場。若い吏亜夢に老獪なテクニックで翻弄出来るか、吏亜夢がベテランを喰う成長を見せるか。


3月2日開催、聖地を揺るがせるか、新日本キックボクシング協会興行!

MAGNUM.61、軽量級から重量級まで、聖地を揺るがせるか

現在の新日本キックボクシング協会の主力メンバー、瀬戸口勝也、ジョニー・オリベイラ、木下竜輔出場。他団体選手を含め、誰がメインイベンターに迫るインパクトを残すか。

◎MAGNUM.61 / 3月2日(日)後楽園ホール 17:15~
主催:伊原プロモーション / 認定:新日本キックボクシング協会

《主要4試合》

◆WKBA世界フェザー級王座決定戦 5回戦

日本フェザー級チャンピオン.瀬戸口勝也(横須賀太賀/1983.8.1鹿児島県出身)
       vs
NJKFフェザー級4位.赤平大治(VERTEX/2001.10.31栃木県出身)

瀬戸口勝也は2020年2月に平塚一郎(トーエル)と日本フェザー級王座決定戦を行ないKO勝利で王座獲得。コロナ禍を経て2022年10月に瀬川琉(稲城)にTKO勝利して初防衛。昨年3月に山浦俊一(新興ムエタイ)に判定勝利。5月にはガン・エスジム(タイ)に判定負け。10月に辰樹(Y’ZD)に1ラウンドで倒されるTKO負け(王座戦以外は3回戦制)。

赤平大治は昨年7月に山川敏弘(京都野口)にKO勝利も12月に大岩竜世(KANALOA)に3回戦2-1の判定負け。連敗中の瀬戸口勝也が汚名返上と、一気に新日本キックボクシング協会の最高峰に立てるか。

◆日本スーパーフェザー級タイトルマッチ 5回戦

初代選手権者.ジョニー・オリベイラ(トーエル/ブラジル出身46歳)
       vs
挑戦者2位.木下竜輔(伊原/1996.2.12福岡県出身)

木下竜輔は2021年4月デビュー。2022年年5月15日に王座挑戦経験を持つジョニー・オリベイラを第1ラウンドに右ストレートで倒すTKO勝利で一気に脚光を浴びる存在となった。両者は昨年3月3日に日本スーパーフェザー級王座決定戦で再戦し、ジョニー・オリベイラが判定勝利で王座獲得となりました。

ジョニー・オリベイラは昨年5月にペットボーライ・チュワタナに判定負け。7月に辰樹(Y’ZD)に判定0-3負け。10月に匠(KING)に判定2-0負け。チャンピオンに成ってまだ勝利を得ていない中で存在感を示さねばならない(王座戦以外は3回戦制)。

ジョニー・オリベイラ vs 木下竜輔、2戦目となった前回はジョニーが王座奪取(2024年3月3日初戦)

NJKF発祥の女子タイトル、ミネルヴァが団体の垣根を越えて広域にタイトル戦が行われる存在となって来ました。

◆女子(ミネルヴァ)スーパーバンタム級タイトルマッチ 3回戦

選手権者.浅井春香(無所属/1987.1.22愛知県大府市出身)
       vs
挑戦者4位.珠璃(=安黒珠璃/闘神塾/2006生)

二度の防衛はいずれも引分け。現在フリーだが、勝って防衛したい浅井春香は勢い有る珠璃を翻弄することが出来るか。

◆女子(ミネルヴァ)ペーパー級(95LBS)タイトルマッチ 3回戦

選手権者.上真(ROAD MMA/1985.10.16石川県出身)
       vs
挑戦者1位.撫子(GRABS/2000.7.7北海道札幌市出身)

上真は昨年10月13日に王座決定戦でAIKO(AX)と引分け延長戦で勝利し王座獲得。
挑戦権を得ていた撫子は以前の最軽量級のピン級(100LBS)チャンピオンだったが王座返上し、新たに設立された最軽量級のベストウェイトでチャンピオン目指す。

※         ※          ※

以上は協会や連盟といった団体制で行なわれている興行の一部のスケジュールです。

タイトルの価値に賛否の意見や疑問符付く試合もありますが、各団体の活性化と生き残りを懸けた戦いを長い目で見て行きたいところです。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

2025年に輝くキックボクサーたち 堀田春樹

1月下旬になって語るテーマでもないですが、昭和の隆盛期と比べて、正月松の内のキックボクシング興行は殆ど行われないのが現状です。

キックボクサーは注目を浴びるトップ選手だけでなく、不器用でも全敗でも各々に面白い個性があります。戦う場が少ない(出場出来る興行が少ない)選手も居ますが、昨年目立った中から、今年も話題を生むであろう選手を幾名か独断で選びました。

◆今年もトップクラスで輝くエース格

デビューから順風満帆に勝ち続けられる選手は殆ど存在しませんが、今年も上昇気流に乗って活躍、仮に同等以上の相手に負けても第一線級から脱落することは無いだろうと考えられるクラスには、

・ムエタイ殿堂三階級制覇、吉成名高(エイワスポーツ)

・壱センチャイジム(=与那覇壱世/元・ルンピニージャパン・バンタム級Champ)

・ジャパンキックボクシング協会の代表的エース格、睦雅(=瀬戸睦雅/ビクトリー)

・ニュージャパンキックボクシング連盟の代表的エース格、大田拓真(新興ムエタイ)等が存在します。

若干低迷しているものの、巻き返しが期待される中では、

・大田拓真の実弟、王座から落ちてはいるが大田一航(新興ムエタイ)

・IBFムエタイ世界王座から落ちて以降、奪回が待たれる波賀宙也(立川KBA)

・WMO世界王座には撥ね返されるも再浮上狙う瀧澤博人(ビクトリー)

・壁を撥ね返して再びメインイベンターとなるかNJKFバンタム級チャンピオン.坂本嵐(キング)

◆諸々の話題性増すと見込まれる選手

チャンピオンロードを歩み出して間もない選手や、ランカー以下でもこれから飛躍が臨める選手では、

・皆川裕哉を倒して王座戴冠したJKAフェザー級チャンピオン.勇成(Formed)

・一昨年9月、畠山隼人(E.S.G)を倒して王座戴冠後、激しい試合で勝っても負けても存在感増すNJKFスーパーライト級チャンピオン.吉田凛太朗(VERTEX)

2025年もメインイベンターの自覚持って戦う吉田凛太朗

・王座認定され、これから実績積み重ね勝負のNJKFウェルター級チャンピオン.小林亜維二(新興ムエタイ)

・テツジムの新エース、12月に王座戴冠したNKBフェザー級チャンピオン.勇志(テツ)

・勇志の御勧めでテツジム期待の秘密兵器、NKBバンタム級ランク入り確実、雄希(テツ)

・一昨年の王座戴冠から初防衛も果たしたNKBフライ級チャンピオン.杉山空(HEAT)

王座は初防衛果たして勢いに乗るNKBフライ級チャンピオン杉山空、他団体交流戦も期待

・令和の全日本キックボクシング協会でデビュー戦から最終試合(メインイベント)出場、ぜひとも飛躍して欲しい存在、バンタム級の北川広翔(稲城)

2024年3月16日、全日本初陣デビューからこれまで4戦3勝(1KO)1敗の広翔

・広翔同様に全日本キックボクシング協会を担う期待が掛かる野竹勇生(ウルブズスクワッド)

令和の全日本キックボクシング協会で次代のエース格候補No.1、野竹勇生

・古き時代の頑固一徹、渡邉ジムから現れた今時の新星、NKBバンタム級、4戦無敗の香村一吹(渡邉)

名門・渡邉ジムで久々のチャンピオン誕生に至るか、香村一吹

・国崇の後輩、関西で人気上昇中、NJKFスーパーバンタム級6位.庄司理玖斗(拳之会)

・与那覇壱世の後輩、センチャイジム期待の佐藤蒔音

壱世を追うセンチャイジムの期待の星、佐藤蒔音

・昨年は不振だったが、大化けしそうな存在感は大きいWMOインターナショナル・スーパーウェルター級チャンピオン.モトヤスック(=岡本基康/治政館)

・昨年3月に王座認定試合に勝利、今後もJKAメインイベンターの自覚持って戦うJKAフライ級チャンピオン.西原茉生(治政館)

・瀧澤博人、睦雅をピッタリ追うビクトリージム第3の男、JKAフライ級1位.細田昇吾

睦雅、瀧澤博人先輩の背中追って王座挑戦も近い細田昇吾

・高橋一眞に挑んだ二度挑戦の王座は敵わずも、次は豪腕で戴冠成るかNKBライト級1位.棚橋賢二郎(拳心館)

・2月22日に棚橋賢二郎と王座争うNKBライト級2位.蘭賀大介(ケーアクティブ)

・全日本キックボクシング協会を背負う責任重大のエース、スーパーフェザー級チャンピオン、瀬川琉(稲城)

・かつての名チャンピオン赤土公彦氏の御子息、まだまだ新人クラスも注目され期待値高い赤土公亮と剛琉の兄弟。

・小国ジム、かつての名チャンピオン佐藤友則、米田貴志の秘蔵っ子、吉仲悠(VALLELY)

・NKBライト3位.山本太一(ケーアクティブ)、“れいわ”の山本太郎氏並みに、耳に残る響きと、地道な努力に大器晩成型の期待感高まる存在。

今後も“太一やるじゃん”のアグレッシブな展開で魅せるか山本太一

◆ベテランの存在感

ピーク過ぎても老獪なテクニックで燃え尽きていない選手たち。メインイベンターから新人まで幅広い対戦相手と戦う元・チャンピオンが多い中、

・石川直樹(元・日本フライ級Champ/KickFul)

2023年8月に国崇からの対戦要求後にツーショットに収まった石川直樹

・国崇(=藤原国崇/元・WBCムエタイ日本スーパーバンタム級Champ/拳之会)

・片島聡志(元・WPMF世界スーパーフライ級Champ/KickLife)

・健太(=山田健太/元・WBCムエタイ日本ウェルター級Champ/E.S.G)

・藤原あらし(元・WPMF世界スーパーバンタム級Champ/バンゲリングベイ)

・オーシャン・ウジハラ(=氏原文男/元・WBCムエタイ日本フェザー級Champ)等
が若い選手の壁となって立ちはだかります。

◆生き残りを懸ける選手

第一線級を維持出来なければ引退という瀬戸際ながら、踏ん張る選手たち。

「お前、もう辞めろ!」と会長や身内から言われることはあっても、ルール的に引退勧告を受けることは無いキックボクシング界では、王座陥落や格下に連敗しても、自身のやる気次第で歳取っても、引退してもまた再起する選手も居るものです。

プロボクシング大手のジムとなると「試合の次の日、ジムに行ったら自分のロッカーが撤去されていた」という実例もあり、負ければ捨てられる厳しい世界でもある中、捨てる神あれば拾う神ありのキックボクシングは再起の道が広く開かれている業界でもあります。

そのキックボクシング界、まだ諦めてはいないという選手では、

・勝次(=高橋勝治/元・WKBA世界スーパーライト級Champ/TEPPEN)は連敗してもリベンジ精神満々でどのような完全燃焼へ進むかが見もの。

・JKAウェルター級1位.大地フォージャー(=山本大地/誠真)、政斗(治政館)に倒され初防衛成らなかったが出直しは可能、去就に注目。

・JKAフェザー級1位.皆川裕哉(KICK BOX)も初防衛成らなかったが、再浮上の期待が掛かります。

・日本フェザー級1位.木下竜輔(伊原)、現在の新日本キックボクシング協会を牽引するエース格と期待されながらジョニー・オリベイラに敗れ王座に就けずも、このままで終わるつもりは無いと闘志を燃やしています。

新日本キックボクシング協会を盛り上がられるか、右ストレートが強い木下竜輔

以上は私目線で2024年に見てきた選手たちで、今年も勝敗だけでなく、今後の試合レポートに登場することが考えられる、記録より記憶に残る話題を振り撒きそうな選手たちでした。

まだ注目株は大勢居ます。更に私が取材に行っていない大手イベントに登場する選手、去就が不明な選手も大勢居ますが、紹介しきれていないところは御容赦ください。

選手実績にはチャンピオンの肩書きが多いキックボクシング界です。それぞれはプロモーター主体の任意団体の王座で今後、国レベルのチャンピオンに成れるか、更なる上のメジャー競技に進むかも視野に入れて頑張って貰いたい2025年です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」