NJKFに初登場のクン・クメール実力発揮。大田拓真は実力上回るも倒し切れない判定勝利。
吉田凛汰朗vs基山幹太は興行MVPとなる激戦を吉田凛汰朗がノックダウン奪って判定勝利。

 

大田拓真のヒジ打ち、切られたら切り返すもインパクトあるが惜しくも切れず

◎NJKF CHALLENGER 2024.3rd

6月2日(日)後楽園ホール17:20~21:30
主催:TAKEDA GYM / 認定:ニュージャパンキックボクシング連盟

◆第9試合 58.0㎏契約 5回戦

NJKFフェザー級チャンピオン.大田拓真(新興ムエタイ/1999.6.21神奈川県出身/ 57.9kg)
37戦28勝(8KO)7敗2分
      VS
オウ・テリット(カンボジア/ 58.05→57.9kg)103戦77勝(20KO)21敗5分
勝者:大田拓真 / 判定3-0
主審:多賀谷敏朗
副審:児島50-47. 少白竜50-48. 中山50-47

初回、オウ・テリットとのパンチと蹴りのオールラウンドな攻防は、大田拓真が手数と的確差でやや優るもオウ・テリットは下がらない。

第2ラウンドには大田拓真がパンチ中心に攻勢を掛けるが、オウ・テリットは攻められても体幹がブレない。アグレッシブな展開は続くが、第3ラウンドにはオウ・テリットが左ヒジ打ちで大田拓真の左瞼をカット。オウ・テリットが勢い増すも大田拓真も応戦。ヒジでも切り返そうとする。

第4ラウンド以降は両者失速した感があるが、ラストラウンド終了まで互角の攻防が続き、試合全般で見れば大田拓真のテクニックが優った流れだが、オウ・テリットを捻じ伏せるには至らない無念さが残った。すでにクンクメールの実力は高いレベルにあることは広く知られているが、NJKFでも荒々しさと迫力が証明された試合だった。

大田拓真が前蹴りで頑丈なオウ・テリットのリズムを崩す

 

激戦を制した大田拓真、次はより倒せる躍進を見せるか

大田拓真は「映像でオウ・テリットはタフなのは分かっていたんですけど、1ラウンドから飛ばして2~3ラウンドで結構詰めたので倒したい気持ちが強くて、効いていた様子で倒しに行こうと何回も攻めても倒せずに自分が疲れちゃって、やっぱり倒し切れるようになりたいですね。タフな選手にも倒し切れるよう頑張ります。」

5回戦については「ちょっとは様子は見ようかとは思ったんですけど、やっぱりメインイベンターなので、そういう訳にもいかないと思って攻めたんですけど、そんな倒しに行く姿勢は良かったかなと思います。」と語った。

やっぱり昨年から続く武田幸三興行でのメインイベンターとしての自覚が強かったのと、3回戦の戦いが身に付いてしまっている感じはありました。

◆第8試合 64.0㎏契約3回戦

NJKFスーパーライト級チャンピオン.吉田凜汰朗(VERTEX/2000.1.31茨城県出身/ 63.75kg)25戦12勝(3KO)9敗4分 
      VS
SB日本ライト級2位.基山幹太(BELLWOOD FIGHT TEAM/2001.12.24兵庫県出身/ 63.85kg)20戦13勝(1KO)7敗 
勝者:吉田凜汰朗 / 判定3-0
主審:椎名利一        
副審:児島29-27. 多賀谷29-28. 中山29-28

蹴りとパンチの攻防から吉田凛汰朗の右ストレートヒットで足が揃ったタイミングの基山幹太があっさりノックダウン。すぐに立ち上がり、ダメージは小さいがやや驚いた表情。その後も蹴りを交えたパンチの打ち合いが繰り広げられ、手数足数減らない両者のアグレッシブな攻防はノックダウンを奪っているポイント差で吉田凛汰朗が判定勝利。

吉田凛汰朗の右ストレートヒットで基山幹太がこの直後ノックダウンする

打ち合いの中、基山幹太の左ストレートヒット、一進一退の攻防が続いた

吉田凜汰朗は「右ストレートはずっと狙っていたんですけど、2ラウンド目は巻き返されましたが、でも集中切らさずに勝つというところでリズムがバッチリ嵌って行きました。基山選手は気持ちが本当に強くて戦っていてもメチャメチャパワーもあって強かったです。また絶対再戦もあると思うので、基山選手がシュートボクシングでチャンピオンに成った時、自分もずっと上に行ってシュートボクシングのリングでも戦いたいと思います。」と語った。

接近戦の中、吉田凛汰朗の一瞬のヒザ蹴りヒット

◆第7試合 ライト級3回戦 

NJKFスーパーフェザー級チャンピオン.龍旺(Bombo Freely)脱水症状により棄権、中止
      
代打出場:テーパプット・シンコウムエタイジム(タイ)
VS
KNOCK OUT-BLACKライト級チャンピオン.久井大夢
(TEAM TAIMU/2005.9.23大阪府出身60.9kg)11戦9勝(3KO)2敗
勝者:久井大夢 / 延長判定1-2
主審:少白竜
副審:椎名29-29(9-10). 多賀谷29-29(9-10). 中山30-29(10-9)

積極的に前に出てパンチと蹴り、後ろ蹴りも見せる久井大夢。テーパプットは組み技とヒザ蹴りで対抗し、まともに貰わない老獪さを見せる。互いのインパクトあるクリーンヒットは無く引分けとなり延長戦。

「テーパプットは同日別興行で2試合こなしての代打出場で、懸かるタイトルも無い試合で延長戦は必要か?」と思わせた。

延長戦は手数増やし、攻めて出た久井大夢と下がるテーパプットはロープを背にするシーンが増えるも組み合った際のヒザ蹴りがあって延長戦は2-1のスプリットデジションで久井大夢が勝利者となった。

テーパプットの内股の腫れは昼興行の傷、久井大夢も果敢に攻める

◆第6試合 61.20㎏契約3回戦(延長1R)

NJKFスーパーフェザー級1位.山浦俊一(新興ムエタイ/ 61.3→61.23→61.19kg)
34戦17勝(3KO)15敗2分
      VS
スックワンキントーン・ライト級チャンピオン.小林司(sports24/ 1997.05.16千葉県出身/ 61.1kg)11戦9勝1敗1分 
勝者:小林司 / 判定0-3
主審:児島真人
副審:椎名27-29. 多賀谷27-29. 少白竜28-29

初回、蹴りとパンチの主導権争いから小林司の長身を活かした強い右ロングフックが山浦俊一の顔面にヒットしグラッと来る山浦俊一。やや攻勢を維持した小林司は第2ラウンドにも右フックで山浦俊一をバランスを崩させるヒットの後、飛びヒザ蹴りやコーナーに詰める流れでパンチ連打でノックダウンを奪った。

しかしここからしぶとくジワジワ前進して来たのは山浦俊一。ラストラウンドはやや巻き返して終了。ノックダウンが勿体無かった。

小林司の右フックが何度かヒットも踏ん張った山浦俊一

◆第5試合 女子(ミネルヴァ)52.0㎏契約3回戦(2分制)

女子S-1世界ライトフライ級チャンピオン.真美(Team ImmortaL/1990.2.19神奈川県出身/ 51.5kg)21戦16勝(4KO)5敗 
      VS
ノヴ・スレイ・ポヴ(カンボジア)怪我の影響で欠場
代打出場:サーオムアンペット・ポー・ムアンペット(タイ/52.85→52.65kg=650グラムオーバー)計量失格、減点1
勝者:真美 / TKO 1ラウンド 3分7秒
主審:中山宏美

代打出場のサーオムアンペットはミドルキックやヒザ蹴りの上手さは見せたが、真美はその勢いを殺してコーナーに詰めてパンチ連打からヒザ蹴り、更にパンチ連打で第1ラウンド終了と同時にスタンディングダウンを宣せられた。そのままカウント中のレフェリーストップ。この興行唯一の完封TKO勝利。真美の圧勝となった。

欠場のノヴ・スレイ・ポヴは、5月上旬に膝を負傷して1試合のキャンセルがあったが、今回の試合までにも回復しなかった模様。

この日の唯一のノックアウト(TKO)決着となった真美のパンチ連打

◆第4試合 スーパーフライ級3回戦

NJKFフライ級9位.悠(吉仲悠/VALLELY/2003.10.25北海道札幌市出身/ 51.9kg)
11戦4勝(1KO)6敗1分
         VS
柚子貴(京都野口/ 2008.2.3京都市出身 51.85kg)3戦2勝1敗 
勝者:柚子貴 / 判定0-3
主審:多賀谷敏朗
副審:児島29-30. 少白竜28-30. 中山29-30

柚子貴のやや上回る攻撃力とヒザ蹴りが目立った攻勢。第2ラウンドにはジャッジ三者とも柚子貴に付ける勢いがあった。悠もアグレッシブに攻めたが巻き返しならず。

◆第3試合 59.0㎏契約3回戦

匠(KING/ 58.65kg) 6戦4勝(2KO)1敗1分 
       VS
脩真(Y’s glow/ 58.9kg)5戦3勝(1KO)2敗
勝者:匠 / 判定3-0 (30-29. 29-28. 30-29)

◆第2試合 56.0㎏契約3回戦

藤井昴(KING/ 55.4kg)3戦2勝(1KO)1分
      VS
井原駿平(ワイルドシーサーゴザ/ 55.65kg)10戦2勝6敗2分 
勝者:藤井昴 / 判定3-0 (30-29. 30-28. 30-28)

◆第1試合 女子(ミネルヴァ)48.0kg契約3回戦(2分制)

杉田風夏(谷山・小田原道場/ 47.65kg)2戦1勝(1KO)1敗
      VS
堀田優月(闘神塾/ 47.3kg)1戦1勝
勝者:堀田優月 / 判定0-3 (27-30. 28-30. 27-30)

《取材戦記》

予定されていたNJKFウェルター級タイトルマッチはチャンピオンの青木洋輔(大和)が体調不良による欠場で中止。

挑戦者だった1位.小林亜維二は城戸康裕(元・MA日本ミドル級Champ/谷山)とエキシビジョンマッチ2回戦(2分制)を行なった。計量をパスし、NJKF規定でチャンピオンに認定された亜維二は「タイトルマッチという形で試合していないので、チャンピオンとは思っていないし、資格も無いと思っています。なので、次の防衛戦でチャンピオンに相応しい選手になるよう頑張って行きます。」とコメントした。

エキシビジョンマッチについては、「これまでずっと対戦相手ばかりを意識した試合で、今回は周りの観てくれる人を意識して本当に凄く楽しんで出来ました。」
更に「次は防衛戦でチャンピオンの実力証明したいと思います。」と語った。

やはり勝って王座戴冠したい気持ちは強かった。それが防衛戦を強く意識している様子が窺えました。

エキシビジョンマッチを戦った亜維二と城戸康弘

坂上顕二代表は、「今回は土壇場でマッチメイクが幾つか変更になり、サーオムアンペット選手も2日前のオファーで無理に来てくれたのに減量失敗で減点というのも可哀想で、反省しています。大田拓真が無難に勝ってくれて、彼はその時その瞬間やるべきことをやれるから結果が良かったのかなと。吉田凛汰朗選手が良い試合してくれて、セコンドの指示どおり2ラウンドに右ミドルキックを蹴っていれば3ラウンド目で倒せたかもしれないですね。やっぱりパンチを当てる為に蹴りを出していればね。でもメインクラスが充実して皆勝ったので興行として良かったですね。」と語った。

久井大夢と対戦したテーパプット・シンコウムエタイは、同日新宿フェースでのスックワンキントーン興行昼の部(12:00~)で、在日タイ人選手4人制ワンデートーナメント、初戦3回戦判定勝利、決勝戦3回戦を判定負けした後、後楽園ホールへ移動。久井大夢と延長第4ラウンドまで戦い、1日で10ラウンドを戦った。5回戦にしても2試合分。新宿フェースで足に蹴られた傷を負っての出場だった。

真美と対戦したサーオムアンペットも代打出場で、以上の亜維二へのチャンピオン認定、テーパプットの2試合後の代打出場などは、興行的に苦しい裏事情があったとは推測できますが、正規に機能するプロボクシングのコミッション管轄下では認められない事象だったでしょう。ここは公正な競技として、クン・クメールやONEに負けない体制が欲しいところです。

小林亜維二選手は2019年のWBCムエタイジュニアリーグ当時からセンスある戦いで成長してきた選手です。今後、更なる上位王座も勝って獲得してくれることを期待したいものです。

◇     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇

4月19日、ルンピニースタジアムで行われたONE Championship「ONE Friday Fights 59」に於いて、NJKFフェザー級チャンピオン、大田拓真はコプター・ソー・ソンマイ(タイ)に右ヒジ打ちで第2ラウンドKO勝利。昨年9月に続きONE Championshipでは2連勝となっています。

ONE Championshipはムエタイルール、キックボクシングルール、総合格闘技(MMA)ルール等の試合も行なわれているアジア発祥の総合格闘技の団体です。

カンボジアのクン・クメールは、現地で毎週6~7回の興行数とテレビやSNS配信を行なって人気上昇中。興行の多さから選手の試合間隔も短いという。オウ・テリットは5月5日にカンボジアのKrud Kun Khmer 57㎏級王座戦で判定負けを喫しているという情報。

オウ・テリットが大田拓真と激戦をこなせるほどのレベルの高さが感じられるクン・クメールでした。

クン・クメールは“カンボジアのムエタイ” と訳すのが分かり易いでしょう。ルールはそれぞれ違いはありますが、ラオスでは“ムエラーオ” 、ミャンマーでは“ラウェイ”と言われる競技名となっています。

NJKF次回興行は6月16日(日)に大阪府堺市産業振興センター・イベントホール(開場12:30)でNJKF 2024 west 3rdが開催。
8月4日(日)にはGENスポーツパレスに於いてDUEL.31が開催。
9月14日(日)には後楽園ホールに於いて本興行NJKF CHALLENGER 4thが開催予定です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

昼はアマチュアキックボクシング、EXPLOSIONの戦い、夜はプロ興行DUEL.30。

宗方888はパンチと蹴りの前進で古庄洋将を圧し切る判定勝利。

JUN DA LIONはスタミナ切れもノックダウン奪ったポイント勝ち。マリモーは飛びヒザ蹴りでJUN DA LIONを追い詰めた。

◎DUEL.30 / 5月26日(日)GENスポーツパレス19:00~20:43
主催:VALLELY / 認定:NJKF
前日計量は12時よりVALLELYジムにて実施。

◆第6試合 65.0kg契約3回戦

NJKFウェルター級5位.宗方888(KING/31歳/65.0kg)12戦5勝6敗1分 
   VS
古庄洋将(正心会/31歳/64.7kg)14戦6勝7敗1分 
勝者:宗方888 / 判定3-0
主審:多賀谷敏朗
副審:少白竜30-29. 椎名30-28. 宮沢30-28

パンチと蹴りの攻防は宗方の勢いが増して行く展開。最後は古庄洋将のヒザ蹴りも目立ったが、宗方が蹴りとパンチで圧し切って第2ラウンドはジャッジ二者、最終第3ラウンドは三者とも10対9での流れで完勝。

宗方888のハイキックで古庄洋将を追い詰める

◆第5試合 65.0kg契約3回戦

NJKFスーパーライト級3位.マリモー(KING/39歳/64.75kg)38戦14勝(6KO)23敗1分 
      VS
NJKFウェルター級3位.JUN DA LION(=松本純/E.S.G/37歳/64.35kg)
39戦9勝(1KO)23敗7分 
勝者:JUN DA LION / 判定0-3
主審:中山宏美
副審:少白竜27-28. 椎名27-29. 多賀谷27-28

マリモーは評判どおりのガンガン前に出るアグレッシブな前進を見せるが、JUN DA LIONは長身を利したパンチと上下の蹴りが攻勢を維持。第2ラウンドには右フックがタイミングよくマリモーにヒットしノックダウンを奪った。しかしあまり効いていないマリモーはジワジワ前進。第3ラウンドにはJUN DA LIONが失速。度々スリップダウンするが、スタミナ切れで立ち上がりが遅くなる。ノックダウン扱いされても仕方無い展開で10対8を付けるジャッジが二名。それでも逃げ切った形のJUN DA LIONが僅差判定勝利した。

JUN DA LIONのハイキック、前半は攻勢を維持したが……

マリモーも攻められてもガンガン前に出る体勢

◆第4試合 68.0kg契約3回戦

風成(エス/ 67.5kg)3戦1勝1敗1NC
     VS
兼山宏武(正心会/ 67.55kg)1戦1敗
勝者:風成 / 判定3-0
主審:宮沢誠
副審:中山30-28. 椎名30-27. 多賀谷30-28

初回から風成が蹴りでやや優り、攻勢を強めた第2ラウンド、ヒザ蹴りの圧力が優ったが、兼山宏武のヒジ打ちで眉間辺りを切られた。第3ラウンドは風成がローキックで兼山宏武を追い詰める展開で終始主導権を奪った流れで大差判定。

風成のミドルキック、パワフルな攻めが続いた

 

梅沢遼太郎の右ストレートはノックダウンに繋げていく

◆第3試合 65.0kg契約3回戦

上杉恭平(VALLELY/ 64.65kg)4戦2敗2分
      VS
梅沢遼太郎(白山道場/ 64.4kg)7戦3勝(1KO)1敗3分
勝者:梅沢遼太郎 / 判定0-3 (27-30. 27-30. 27-30)

パンチと蹴りの攻防はやや梅沢遼太郎のヒットが目立つ中、徐々に攻勢を強め、第3ラウンドに右ストレートでノックダウンを奪い大差判定勝利となった。

上杉恭平も打ち返すパンチヒットもあったが巻き返すに至らず。

◆第2試合 72.0kg契約3回戦

長岡巧真(VALLELY/ 70.8kg)1戦1敗
      VS
翁長将健(真樹ジムオキナワ/ 72.0kg)4戦2勝(1KO)2敗
勝者:翁長将健 / KO 3ラウンド1分11秒 /

初回に翁長将健が右ストレートでノックダウンを奪いパンチで攻勢を維持するが、長岡巧真も粘って蹴りで距離を保つも、第3ラウンドに翁長が蹴りから再び右ストレートでノックダウンを奪い、カウント中にタオルが投入されるとレフェリーが認め翁長将健のKO勝利となった。

翁長将健が航空便遅延で上京遅れも、KOに繋げる攻勢を維持

◆第1試合 56.0kg契約3回戦

山本龍平(拳粋会宮越道場)1戦1敗
      VS
久住祐翔(白山道場)3戦1勝2敗
勝者:久住祐翔 / 判定0-2 (29-30. 29-29. 29-30)

アグレッシブな攻防ながら初回にやや優勢だった久住祐翔がポイントで逃げ切る形で僅差判定勝利。手数が減らない両者のアグレッシブな展開に第1試合からボルテージが上がった会場内だった。

第1試合からアグレッシブな展開を見せた山本龍平vs久住祐将

 

風成のヒザ蹴りはノックダウンに繋がるような勢いがあったが倒すに至らず

以下2試合は板谷航平、紗彩の練習中の怪我による欠場により中止
・62.5kg契約、須貝孔喜(VALLELY)vs板谷航平(チームゼロス)
・女子(ミネルヴァ)51.0kg契約、松藤麻衣(C吉祥寺)vs紗彩(Dシャカリキ)

《取材戦記》

午前は9時より、NJKFのアマチュア部門、EXPLOSIONが行われました。「WBCムエタイ ジュニアリーグ&EXPLOSION」全国大会代表者決定トーナメントが、小学校低学年(22kg以下)からU15中学生までと、一般男性はヘビー級まで、一般女性枠も設けられています。

小学生レベルも実力向上が見られ、先日、王座獲得祝賀会が開かれた坂本嵐(キング)もEXPLOSION出身でしたが、実行委員長の米田貴志氏に「将来有望な選手はいますか?」と尋ねてみると、アマチュア時代の坂本嵐レベルはザラに居て、特に誰が一番とは言い難いという。昭和や平成初期には考えられないほど、幼少期から鍛えられたテクニシャンが今後プロデビューすることでしょう。

プロ部門では、セミファイナルで対戦したマリモーとJUN DA LIONは、両者とも40戦近いベテラン対決ながら、大きく負け越す戦歴を持つ。あまり注目を浴びる存在ではないが、大きな声援を受けるインパクトある展開を見せた。

 

古庄洋将のヒザ蹴りも効果的にヒット、宗方もパンチを合わせる

メインイベントで勝利した宗方888はリング上で、「自分のリングネーム、皆さん覚えて帰って欲しいんですけど、数字の8三つで“ハチミツ” と言います。覚えて頂けたら凄く嬉しいので宜しくお願い致します。」と勝利での初めてのマイクアピールは何を話せばいいか考えていなかったと言い、名前の紹介で終えた様子。

リングを下りてから勝因については、「セコンドの言うことに従って、それがバッチリ当て嵌まったということですね。パンチに対して古庄選手はヒザ蹴りとかで来る想定と、最初の1ラウンドで打ち合う気が無さそうで蹴る方向でシフトした感じですけど、もっとKO狙ってパンチ出したかったですね。」と語った。

対する古庄洋将は元・J-NETWORKスーパーフェザー級2位という肩書き。現在は不動産会社に勤めるサラリーマン。5年ぶりの試合という。

古庄洋将はリングを下りた後、応援団の声援に感謝と、「このままじゃ終われないので、また頑張るのでお願いします。」という語り掛け。

作戦については、「ヒザ蹴りで倒すはずだったんです。最後にヒザ蹴り出せて宗方選手は効いた様子でしたけど、手が痛くて組みに行く力が足りなかったですね。」と5年ぶりの試合を振り返ってくれました。

NJKF次回興行は次週6月2日に後楽園ホールに於いて「NJKF CHALLENGER 2024.3rd」が開催されます。

今回のメインイベンターはNJKFフェザー級チャンピオン,大田拓真は、4月19日、タイ・ルンピニースタジアムで行われた「ONE Friday Fights 59」に於いて、大田拓真(新興ムエタイ)はコプター・ソー・ソンマイ(タイ)に右ヒジ打ちで2ラウンドKO勝利。35万バーツ(約150万円)を獲得。

6月2日はカンボジア・クンクメールとの対戦。東南アジア競技会(SEA Games)アマチュアボクシングで金メダルも獲得しているオウ・テリットを迎え撃ちます。連続KO勝利に期待が掛かります。

勝利した宗方“ハチ三ッツ” ラウンドガールとツーショット

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

王座戴冠初戦は判定ながら完勝の皆川裕哉。

ビクトリージムにやって来た輸入ムエタイボクサー、プーパカーンも判定で完勝。

ジャパンキックイノベーションから参戦の15歳の裕次郎はベテラン興之介を倒す圧勝。

◎Road to KING2 / 5月19日(日)市原臨海体育館 16:00~19:08
主催:市原ジム / 認定:ジャパンキックボクシング協会(JKA)

◆第9試合 57.5kg契約3回戦  

JKAフェザー級チャンピオン.皆川裕哉(KICK BOX/ 57.3kg)26戦14勝(2KO)10敗2分
        VS
JKAバンタム級2位.樹(治政館/ 57.3kg)13戦6勝(3KO)6敗1分
勝者:皆川裕哉 / 判定3-0
主審:少白竜
副審:勝本29-28. 中山30-28. 西村30-28

開始早々はローキックで様子見も次第にアグレッシブに先手を打って出る皆川裕哉。パンチと蹴りで樹をロープ際やコーナーに詰めてパンチ連打からヒザ蹴りを蹴り込む。チャンピオンの経験値が優るゆとりが感じられる。樹も劣勢になりながらも倒されない意地とアグレッシブな巻き返しを図るが、皆川裕哉は焦り無く攻勢を維持して判定勝利。

皆川裕哉の崩し技、投げられているのは上になっている樹、プロレス技のような派手さ

皆川裕哉
「樹選手は想像どおりのメチャメチャ良い選手でした。対樹選手だったから練習も一生懸命頑張りましたし、気合い入れて練習出来たのでまた一段階強くなれたと思います。樹選手もより強くなっていくでしょうし、僕も強くなっていくので、また防衛戦で対戦もあるかもしれませんが、その時はまた僕が勝ちます!」と笑顔で語った。

皆川裕哉のボディブローがヒット、技の多彩さが目立った


「皆川さんはやっぱり粘り強さはありましたね。対策は前に出ることだったんですけど、やっぱり下がってしまって良くなかったと思います。もう一回、更に体力付けて挑みたいですね。」とリングを下りた直後で、まだ落ち着かない中、涙ながらに語った。

皆川裕哉のミドルキック、フェザー級の洗礼を受ける樹

◆第8試合 スーパーフライ級3回戦

WMC日本フライ級チャンピオン.キリョウ・シリラックムエタイ(シリラック/ 51.9kg)
8戦3勝(2KO)3敗2分
        VS
プーパカーン・ビクトリージム(元・BBTVフライ級2位/タイ/ 52.0kg)
69戦51勝16敗2分
勝者:プーパカーン / 判定0-3
主審:椎名利一
副審:勝本27-30. 少白竜27-30. 西村27-30

初回から積極的だったプーパカーン。ムエタイテクニックも発揮し、第2ラウンドにはロープ際に追い込んでパンチかヒジか、キリョウからノックダウンを奪う。ラストラウンドはプーパカーンは守りに入ったか、キリョウも攻め倦んで手数減って、レフェリーに「アグレッシブに攻めよ!」と注意を受ける両者だったが、最後は攻め合うもキリョウの逆転は成らず。ビクトリージムにやって来たムエタイテクニシャンは今後も日本選手の壁となりそうな存在である。

プーパカーンがキリョウからノックダウンを奪う。プーパカーンも技が多彩だった

遠い所からでも伸びて来るようなプーパカーンのミドルキック

◆第7試合 ライト級3回戦

JKAライト級1位.興之介(=青木興之介/治政館/ 61.0kg)24戦12勝(4KO)11敗1分
      VS
裕次郎(JKI/拳伸/ 60.7kg)6戦4勝(1KO)1敗1分
勝者:裕次郎 / KO 1ラウンド2分26秒 /
主審:中山宏美

裕次郎は弱冠15歳という情報。興之介は35歳。様子見の蹴りから、裕次郎は先制のパンチでスピーディーに飛びヒザ蹴り、左ストレート、飛びヒザ蹴りで3度のノックダウンを奪ってノックアウト勝利。興之介は何も出来ずに終わった感じ。

二度目のノックダウンとなったの左ストレート、興之介はダメージ深い

◆第6試合 ウェルター級3回戦

JKAウェルター級4位.山内ユウ(ROCK ON/ 66.45kg)9戦4勝(2KO)5敗
        VS
ゾンビ勇伸(JKI・拳伸/64.5kg)37戦13勝(4KO)19敗5分
勝者:山内ユウ / TKO 1ラウンド1分27秒 /
主審:勝本剛司

開始早々はノーガードのゾンビ勇伸に山内ユウの左フックがヒット。更にヒザ蹴りの猛攻。一旦は離れるも山内ユウの右フックでゾンビ勇伸が脚に来てグラつくと追撃を喰らう前にスタンディングダウンを宣せられた。再開後も単発ながら山内ユウに連続で攻められたところでスタンディングのままノーカウントのレフェリーストップ。

山内ユウのパンチですぐ止められたゾンビ勇伸、早めのストップは止むを得ない

◆第5試合 51.0㎏契約3回戦

花澤一成(市原/ 51.0kg)8戦1勝(1KO)5敗2分
      VS
上遠野寧吾(POWER OF DREAM/ 50.9kg)2戦2勝(2KO)
勝者:上遠野寧吾 / TKO 1ラウンド2分59秒 /

上遠野寧吾のハイキック、前蹴りが花澤一成の顔面を襲う。すぐボディブローから右フックでノックダウンを奪った上遠野。更にパンチの打ち合いで花澤は打たれ脆さを突かれたか。右フックで2度目のノックダウンで立ち上がるもカウント中のレフェリーストップ。「まだやれる!」と訴えるも続行は認められず。

花澤一成も闘志はあったが、打たれ過ぎてはストップも止むを得ない

◆第4試合 59.0㎏契約3回戦

隼也JSK(治政館/ 58.95kg)6戦2勝3敗1分
      VS
紫音(JKI/拳伸/ 58.6kg)3戦2勝1敗
勝者:隼也JSK / 判定3-0 (29-27. 29-27. 29-28) 隼也JSKに減点1有

首相撲からのヒザ蹴りは股間ローブローが当たり易い体勢だが、その強いヒットで中断が2度も有っては減点は止むを得ないか。隼也JSKはそれでもテクニックとヒット数で上回り判定勝利。

◆第3試合 ミドル級3回戦  

白井大也(市原/ 72.3kg)3戦1勝(1KO)2分
      VS
西田紘佑(ビクトリー/ 72.4kg)4戦1勝2敗1分
勝者:白井大也 / TKO 2ラウンド2分1秒 /

蹴りと首相撲の攻防の中、ローキック貰った後、膝あたりを捻った形で負傷した西田紘佑。ノックダウンとなってカウント中に陣営からタオルが投げ込まれる棄権をレフェリーが認め、白井大地のノックアウト勝利。

◆第2試合 ライト級3回戦 

菊地拓人(市原/ 60.8kg)4戦2勝2敗
      VS
中山裕登(JKI/花澤/ 59.9kg)1戦1敗
勝者:菊地拓人 / 判定3-0 (29-28. 30-28. 30-28)

 

裕次郎のノックダウン前の飛びヒザ蹴り、この後コーナーで飛びヒザでノックダウンを奪う

◆第1試合 フェザー級3回戦  

西湧輝(市原/ 56.8kg)1戦1敗
       VS
海士(ビクトリー/ 56.85kg)1戦1勝
勝者:海士 / 判定0-3 (28-30. 28-30. 28-30)

《取材戦記》

ツイキャスでライブ配信されたRoad to KING2で解説を務めた元・WKBA世界スーパーフェザー級チャンピオン蘇我英樹(市原)氏は、

「ビクトリージムのプーパカーン選手は若くて、日本に来て初めての試合でも技術も凄く見えたので、今後どういう活躍をしていくのかが楽しみなところです。」

「メインイベントの皆川裕哉選手は多彩に結構何でも出来るし、今日は接近戦の首相撲の攻防も強くて技術面上がっていて、まだまだ伸びるといった部分で今後が楽しみです。」

「樹選手はバンタム級から階級上げて、今回フェザー級としての洗礼を受けて、チャンピオンといきなり一発目というのも期待値が凄くあったと思いますけど、フェジカル面でちょっと分が悪かったのかなと見えました。」

と放送直後ながら、よくこんな私(堀田)にしっかり応えてくれるなあと思うほど明るく丁寧に応えてくれました。

 

山内ユウがパンチからヒザ蹴り連打、ゾンビ勇伸は防戦一方

市原臨海体育館での興行は昭和から続く中、コロナ禍後では2回目の興行となりました。昨年は睦雅(ビクトリー)がメインイベンターとしてチュ・ギフン(韓国)にヒジ打ちでTKO勝利。今年は皆川裕哉がしっかりメインイベンターを果たしました。

この会場で蘇我英樹がメインイベンターを務めたのは2016年の引退試合で、大月晴明にぶっ倒された完全燃焼でした。そこから市原ジム所属のメインイベンターが育っていない現状。期待の花澤一成は脆さが出るKO負け。ミドル級の今野顕彰は引退。かつては須田康徳、長浜勇といった名チャンピオンが存在した市原ジム。メインイベンターが育つのはいつになるでしょうか。

今回のメインイベンター皆川裕哉は名門目黒ジムを継承する鴇俊之氏経営のKICKBOXジム所属。チャンピオンはこれからも誕生する期待は出来ますが、目黒ジムのオーラがあるのは皆川裕哉が最後かなあ。2020年1月に目黒藤本ジムも閉鎖され、そんな時代の流れを感じます。

次回ジャパンキックボクシング協会興行は7月28日(日)に後楽園ホールに於いて、KICK Insisr.19が開催予定です。

3月24日に完勝し、7月は世界と名の付くタイトルへの挑戦をアピールしていた瀧澤博人と、同じく3月24日に完勝し、5月3日にはルンピニースタジアムでのONE Friday Fights 61に出場し、パンチ連打でKO勝利した睦雅も出場予定です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年6月号

今興行タイトル「フェザー級の至宝が揃い踏み、甦る老舗の底力」に際し、前回に続いてのメインイベンターは、無くてはならない存在となった瀬戸口勝也。ベテランのガン・エスジムにはテクニックで敗れるも強打は優った。

ジョニー・オリベイラの王座戴冠後の初戦はムエタイテクニシャンに惜敗。

NJKFからやって来たTAKAYUKIと庄司理玖斗ともにインパクトあるTKO勝利。

◎TITANS NEOS.34 / 5月12日(日)後楽園ホール17:15~20:03 
主催:TITANS事務局 / 認定:新日本キックボクシング協会

(戦績は興行部データより、この日の結果を加えています。第4試合以降はプロ試合。)

◆第12試合 58.0kg契約3回戦

日本フェザー級チャンピオン.瀬戸口勝也(横須賀太賀/ 57.85kg)43戦31勝(14KO)9敗3分
        VS
ガン・エスジム(元・ラジャダムナン系フェザー級5位/タイ/ 58.0kg)107戦78勝26敗3分
勝者:ガン・エスジム / 判定0-3
主審:椎名利一
副審:勝本29-30. 宮沢28-29. 中山28-29

ガンエスジムは2022年9月、馬渡亮太にはヒジ打ち相打ちでKO負けしているが、2022年7月、ジャパンキック協会の睦雅に判定勝利、2023年6月、NJKFスーパーフェザー級の龍旺に判定勝利、2023年8月、NKBライト級の棚橋賢二郎にTKO勝利しているベテランムエタイ戦士。

初回早々は両者ともローキックで牽制、徐々にミドル、前蹴りなど高めの蹴りからパンチの距離に移る。ガンエスジムは重いパンチで牽制。ジャブを幾らか瀬戸口にヒット。瀬戸口勝也も得意の強打でボディーから顔面へ打ち返す。

蹴りはガン・エスジムが優る。ヒジ打ちで斬られた瀬戸口勝也は苦戦

第2ラウンド、瀬戸口はパンチ、ガンエスジムは重いミドルキック、接近した際にガンエスジムは左ヒジ打ちで瀬戸口の眉間をカットし、そのまま組み合ってヒザ蹴りで攻勢を強める。一旦ドクターチェックに移るもすぐ再開。ガンエスジムは余裕が出てきた流れ。

パンチは瀬戸口勝也が優る。しかし凌ぐのが上手いガン・エスジム

第3ラウンド、瀬戸口のパンチを蹴りと首相撲へ導いて凌ぐガンエスジム。瀬戸口はガンエスジムのテクニックに躱されるまま終了。

駆引き勝負はガンエスジムが優った勝利、無念の瀬戸口勝也

◆第11試合 60.0㎏契約3回戦

日本スーパーフェザー級チャンピオン.ジョニー・オリベイラ(トーエル/ 59.8kg)
62戦16勝(1KO)28敗18分
       VS
ペットボーライ・チュワタナ(タイ/ 59.6kg)129戦86勝38敗5分
勝者:ペットボーライ / 判定0-3
主審:少白竜
副審:椎名28-30. 宮沢28-30. 中山29-30

チャンピオンに成ればやって来るムエタイ路線。3月に王座に就いたジョニー・オリベイラも然り。今回の対戦相手はペットボーライ。タイではペッチンチャイというリングネームらしい。文字をカタカナ読みすれば“ペットチンチャイ”。パンチとローキックが強いテクニシャンという情報だった。

ペットボーライのローキック、頑丈なジョニー・オリベイラは崩れない

パワーで優るジョニー・オリベイラのパンチの攻勢

ペットボーライの体幹良いミドルキック。パンチで行きそうなジョニーは重心が前足に掛かるスタイル。テクニックでは敵わずもパンチのパワーで圧し優りたいジョニーと、ムエタイテクニック発揮のペットボーライ。危機感あったジョニーの劣勢感は無く、ペットボーライのテクニックを凌ぎ切った。

ジョニーは「ペットボーライは上手かったです。」と一言。

セコンド陣営の中川卓氏は「ペットボーライはテクニック有りましたけど、大差を付けられることは無いと思っていて、ジョニーはリーチあるのでもっとジャブも出せればいいけど、練習では出るのに試合では力んでしまって出さないから勿体無かったです。離れ際にハイキックも出せればよかったですね。」と語った。

体幹、テクニック優って勝利のペットボーライ、無念のジョニー・オリベイラ

◆第10試合 フェザー級3回戦

NJKFフェザー級2位.TAKAYUKI(金子貴幸/K crony/ 57.05kg)
29戦16勝(1KO)12敗1分
        VS
KAZUNORI(元・DEEP KICK 53㎏級3位/REAL/ 56.9kg)40戦14勝26敗
勝者:TAKAYUKI / TKO 3ラウンド46秒
主審:勝本剛司

序盤は互角も次第に的確に隙を見て空いたところを打ち込む金子貴幸のリズムが上回って行き、ローキックでバランス崩させたり、パンチ蹴りでも攻勢を強め、ノックダウンへ繋いだ。KAZUNORIはノックダウンを喫した後、そのままドクターチェックに移り、ヒジ打ちによるカットと見られたが、そのままドクターの勧告を受け入れたレフェリーストップとなった。

TAKAYUKIが組み合ってのヒザ蹴り、徐々にベテランの技で圧倒した

◆第9試合 56.0kg契約3回戦

NJKFスーパーバンタム級6位.庄司理玖斗(拳之会/ 55.9kg)12戦8勝(5KO)3敗1分
        VS
玉城慧(真樹ジム沖縄/ 56.35→56.3→55.95kg)9戦5勝4敗
勝者:庄司理玖斗 / TKO 3ラウンド44秒 / カウント中のレフェリーストップ
主審:椎名利一

第1ラウンドはアグレッシブに蹴りがヒットしていた玉城慧だが、徐々に庄司が調子を上げ、ヒジとパンチで逆転していくと玉城慧は後退気味。第3ラウンドにはラッシュをかけた庄司がパンチからヒジ打ちを玉城の頭部へ落としてノックダウンを奪った。蹲った玉城はそのまま横たわり、テンカウント間近ではあったが、カウント中のレフェリーストップで庄司理玖斗がTKO勝利した。

庄司理玖斗が多彩な攻めで成長を見せた巻き返しの勝利

◆第8試合 70.0kg契約2回戦 義人欠場につき磯村真言に変更

ヴェジー・チョル(伊原/ 68.9kg)1戦1分
    VS
磯村真言(グラップリングSB名古屋/ 68.95kg)6戦5敗1分
引分け 0-1 (19-19. 19-20. 19-19)

ヴェジーは蹴りが速く、重くヒットするインパクトを与えた初回。磯村真言も対抗し、打ち合い蹴り合って巻き返しに掛かるとヴェジーのパワーがやや失速、磯村が巻き返した第2ラウンドによって、取って取られた採点の0-1ではあるが引分けとなった。

中国出身のヴェジー・チョルとシュートボクシングから出場の磯村真言の意地の攻防

◆第7試合 63.5kg契約2回戦

宇野澤京佑(伊原/ 63.3kg)2戦1勝1敗
    VS
今野龍太(笹羅/ 62.5kg)5戦1勝3敗1分
勝者:宇野澤京佑 / 判定3-0 (20-17. 20-18. 20-17)

パンチの交錯はやや打ち優った宇野澤京佑が判定勝利。

宇野澤京佑がパンチの攻防を優って判定勝利を導いた

◆第6試合 OVER FORTYFIGHT 60.0㎏契約2回戦(2分制)

長友亮二(KING/ 59.5kg)3戦2勝1敗
      VS
伊興田翔(Team lmmortaL/ 59.6kg)3戦3勝(1KO)
勝者:伊興田翔 / TKO 2ラウンド52秒 /

伊興田翔がパンチでラッシュ掛け、長友亮二はスタンディングダウンを奪われるが、更に打たれながらもカウンターの右ストレート数発繰り出し、伊興田翔をグラつかせるも一発のみで、伊興田翔の勢いが優り左ストレートでノックダウンを喫した長友亮二。立ち上がるもしっかりファイティングポーズをとれず、カウント9でレフェリーストップとなった。

◆第5試合 女子(ミネルヴァ)44.0kg契約3回戦(2分制)

ミネルヴァ・ピン級11位.UveR∞miyU(T-KIX/ 43.85kg)8戦3勝4敗1分
       VS
友菜(Team lmmortaL/ 44.0kg)6戦1勝3敗2分
引分け 0-1 (29-29. 29-29. 29-30)

◆第4試合 女子(ミネルヴァ)55.0kg契約3回戦(2分制)

三宅美優(拳之会/ 54.2kg)vsMIO LaReyna(TEAM REY DE REYES/ 54.05kg)
松田沙和奈欠場、三宅美優に変更
勝者:三宅美優 / KO 1ラウンド1分8秒 / 2ノックダウン
主審:中山宏美

◆第3試合 アマチュア男女混合 37.0㎏契約2回戦(2分制)

西田永愛(伊原越谷/ 36.8kg)vs永井りい(VALLEY/ 36.3kg)
勝者:西田永愛 / 判定2-0 (19-19. 20-19. 20-19)

◆第2試合 アマチュア 43.0㎏契約2回戦(2分制)

西田蓮斗(伊原越谷/ 42.7kg)vs渡部翔太(KING/ 43.0kg)
勝者:西田蓮斗 / 判定3-0 (20-19. 20-19. 20-18)

◆第1試合 アマチュア 34.0㎏契約2回戦(2分制)

武田竜之介(伊原越谷/ 33.45kg)vsヨムトュノーイ・ロークパークデーン(タイ/ 33.8kg)
勝者:武田竜之介 / TKO 1ラウンド40秒 / カウント中のレフェリーストップ

《取材戦記》

主力選手が少ない中、どうやって甦っていくかが注目され続ける新日本キックボクシング協会。閑散とした会場の静けさは、キックボクシングが最も低迷していた昭和57年頃の会場のようだった。各選手の応援団の歓声が幾らか騒めく役割を果たしたが、試合によっては歓声よりセコンド陣営の声が響く会場内。

2興行連続でメインイベンターとなった瀬戸口勝也。前回、木下竜輔との王座決定戦を制し、チャンピオンロードを歩むことになったジョニー・オリベイラの二人は今後もメインイベンタークラスとして起用されそうな流れである。

昨年10月、脳腫瘍の大病から復活宣言した江幡塁は、未だ完全復活の目途は立っていないが、仮に復活が叶うならば、新日本キックボクシング協会の「甦る老舗の底力」がより期待出来る存在である。コーチとして指導に当たる現在だが、新たな復活の展開も見えて来そうな江幡塁である(私の予想はすぐ外れるので御容赦ください)。

次回、新日本キックボクシング協会興行は7月7日(日)後楽園ホールに於いてMAGNUM.60が開催予定です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年6月号

◆NJKFの新エース、嵐とは

嵐(坂本嵐/2005年4月26日、東京都出身)は、今年2月11日にNJKFバンタム級王座決定戦で、甲斐元太郎(理心塾)を第2ラウンドにヒザ蹴りをボディーに炸裂させ倒し切るTKO勝利で王座獲得。興行MVPでNJKF(ニュージャパンキックボクシング連盟)のエース格へ頭角を現した。

チャンピオンとなって最高のチームと並ぶ(2024.2.11)

その評価で4月7日は初のメインイベンターとなったが、前日計量記者会見で語ったのは「そのうち全てのチャンピオンを倒していく。その最初の相手は桂英慈選手になる!」と宣言したが、その桂英慈に主導権を奪えない苦戦の引分け。早速壁にぶち当たった感のある中で、11月のNJKF祭り(総決算)に向けて、今年のエース格は担い続けなければならない。

桂英慈に苦戦の引分け、再戦があれば雪辱したい相手(2024.4.7)

3年前だが16歳の嵐。2戦目、悠戦(2021.6.27)

絆興行での5戦目、玉城海優に2ラウンドKO勝利(2022.4.24)

9戦目、倒れた相手に挑発、KAZUNORIに判定勝利(2023.6.4)

◆凶暴性ある心優しい子

嵐が5歳の時に入門したキングジムでは7人目のチャンピオン誕生となった中、3月17日に江戸川区のタワーホール船堀で嵐のNJKF王座獲得祝賀会が行われました。

嵐は御挨拶で「2月11日にはNJKFバンタム級チャンピオンと成っても全然こんなところで満足していないし、俺はNJKFをトップ団体に連れて行って、必ず最終目標である世界制覇を成し遂げ、キングジムという最高のチームと自分を応援してくれる最高の応援団に必ず日本のトップの景色を見せようと思っているので、御支援応援宜しくお願い致します。」と力強い宣言。

更にステージ上ではお母様に「生まれてから18年、非行に走ったり、格闘技をやりたいと言い出した時に、真剣に向き合って話し合って、見捨てることなくここまで育ててくれて有難う。」と感謝の言葉を述べた。

嵐のお母様は「チャンピオンベルト獲った時もそうなんですけど、想像も出来ないことやってくれるので、いつも胸が熱い想いをさせられています。とても心優しい子なんですけど、キックボクシングをやると決めて、今迄ずっと頑張って来てくれたので、これからも応援宜しくお願い致します。」と息子への想いを語った。

昨年11月12日のNJKF興行のセレモニーでは、今年2月11日興行の東西対決で対戦する甲斐元太郎(理心塾)と対峙し乱闘寸前の罵り合いを起こした。その東西対決の前日計量では「あいつを殺します!」と物騒なアピールをして一人先に退席する悪役っぷりを発揮。しかし試合はクリーンファイトで技量を見せ付け、「チャンピオンは俺を産んだ母!」と母の腰にチャンピオンベルトを巻いた親孝行ぶりを見せたのは、すでに試合レポートで述べたとおりである。

ここまで13戦11勝(5KO)2分……(不戦敗は加えません)

嵐と甲斐元太郎の舌戦(2023.11.12)

 

甲斐元太郎の心臓にヒザ蹴り炸裂(2024.2.11)

◆カオマンガイ嵐としてデビュー?

現・キングジム、羅紗陀会長が語る嵐について、ジムに入った5歳の頃、当時はまだ現役で、コーチでもあった羅紗陀氏に後方からカンチョーしたり、股間を殴って来たりの腕白坊主。でもキックボクシングの才能はピカイチで、同時に学校の成績も良かったが、キックボクシングに専念したいということで勉強しなくなった様子も、何をやるにも意志の強い子だったという。

NJKFで始まったアマチュア大会「EXPLOSION」で嵐は2015年の第一回から出場。大会実行委員長の米田貴志氏は、「この頃からすでに嵐選手は強くて上手いと思っていました。」と語る。

しかしアマチュア時代はトントン拍子で来た訳ではなく、小学校高学年になると、アマチュアのタイトルマッチで連敗喫して、次のタイトルマッチで負けたら辞めるという中、最後の最後でアマチュアのベルト獲った時には、嵐本人やお母さん、周囲の仲間らが皆泣いたという感動も懐かしいという羅紗陀会長。

(2018年2月4日、EXPLOSION第5代37kg級王座。2019年12月15日、第8代50㎏級王座獲得)

そしてプロに上がって試合を重ねていく毎に、キックボクシング、ムエタイ、ボクシング、それを融合したハイブリットな嵐に成長していった。

王座獲得祝賀会で貼られた4月7日興行ポスター、18歳がメインイベンター(2024.3.17)

プロデビューは2021年(令和3年)3月7日、3回戦で判定勝ち。リングネームは名前だけの“嵐”。

向山鉄也名誉会長(前会長)は、「嵐がデビューする前に、リングネームをどうするか、どうしたら名前が売れるかなと、『嵐、お前タイ料理で何が好きだ?』と聞いたら、『カオマンガイ』と言うから「カオマンガイ嵐」にしようと決めてエントリーしたのに、試合当日のプログラム見ると名前が替わっていて、この会長差し置いて連盟に直訴して“嵐”に替えていた」という。

キングジムは向山会長の趣味で、歴代からヘンなリングネームを付けられる慣習があった為、これを回避しようと先回りしたなら、嵐は試合のような相手の作戦を読んで先手を打つ才能を持ったキックボクサーであろう。

◆今後のストーリー

向山鉄也氏は続けて、

「嵐はこれからが本当の勝負で、世界平和? いや、世界制覇か、この最高峰を目指しているということで今、軽量級で世界一になっている奴、それが吉成名高(ムエタイ二大殿堂同時制覇、二階級制覇)。それがめっぽう強い奴なので、これに勝てば嵐の夢も達成出来ると思います。今はまだ早いんですけど、2~3年もすれば名高もバンタム級に上がって来るだろうと思うので、そこで名高との試合を観たいなと思いますね。そこで嵐が勝てば一番ですけど、そこまで行くのにこれから一日一日、本当に血の出るような努力が必要。まあこれから嵐は今からどんどん新たなストーリーが始まっていくので、皆さんもこいつの生き様を最後まで見届けてやって、後楽園ホールに応援に来て頂ければと思います。」

と実現可能ながらも険しい日々となるストーリーを語っていた。

キングジム前会長の向山鉄也氏とツーショット、孫の世代の歳の差(2024.3.17)

先日4月7日の桂英慈戦は格下相手かと思われる中、首相撲が強く、相手の持ち味を殺してしまう上手さがある選手だった。嵐はテクニックや圧倒的な攻撃力があるが、スタミナ的な不安が指摘された。今後はタイトルマッチを含め、ノンタイトル戦でも5回戦が増えて来る可能性も大いにあり、スター性も充分あるので我武者羅に練習して今後に繋げて貰いたいものです。

格闘群雄伝で現役選手を扱うのはプロアマ含め、嵐で二人目でした。現役選手という存在は今後の運命が全く分かりませんが、嵐はここから大きく飛躍すると見据えての御登場でした。

世界制覇にもいろいろな道程がある中、向山鉄也氏が期待する吉成名高戦の実現まで“チャンピオンの終わりなきトーナメント”を現役最後まで見届けたいものです。

祝会で披露したミット蹴りでコーチを圧倒(2024.3.17)

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年5月号

ラストファイトと引退式、訣別のリング。

海老原竜二は2021年12月11日に王座決定戦で龍太郎(真門)を左ハイキックで倒し、10月からの4人トーナメントを制しての初戴冠。2022年10月29日、初防衛戦で森井翼(テツ)に敗れ陥落したが、パンチが得意の“生粋の喧嘩屋”の異名を持ってNKBエースの一角を務めて来ました。

有終の美は飾れずも、ラストファイトに相応しい完全燃焼のノックアウト(TKO)負けは清々しい姿であった。

◎冠鷲シリーズ vol.2 / 4月20日(土)後楽園ホール17:30~20:53
主催:日本キックボクシング連盟 / 認定:NKB実行委員会

(戦績はこの日のプログラムを参照し、この日の結果を加えています。石川直樹は絆興行より参照)

◆第12試合 55.0kg契約 5回戦

 

勢い付いて来た石川直樹の飛びヒザ蹴り、更にヒザ蹴りの攻勢は続く

NKBバンタム級1位.海老原竜二(第9代Champ/神武館/1991.3.6埼玉県出身/ 54.9kg)
27戦14勝(6KO)13敗
       VS
石川直樹(元・日本フライ級Champ /Kickful/1986.8.18埼玉県出身/ 54.85kg)
47戦27勝(13KO)10敗10分
勝者:石川直樹 / TKO 3ラウンド 1分46秒
主審:鈴木義和

パンチの海老原竜二とヒザ蹴りの石川直樹。どちらが主導権を握るかが見所の攻防は、両者のローキックと前蹴りでの様子見から、次第に距離が縮まると石川直樹が首相撲から崩し転ばす流れに移っていく。海老原は蹴りからパンチを狙うが、石川はハイキックも使う蹴りでしっかり対応。

第2ラウンドには更に石川直樹の首相撲の展開に移っていくが、組み合うとすぐブレイクが掛かり、組んでジワジワ攻めるヒザ蹴りがやり難い展開に陥った。次第に苛立ち、レフェリーに「ブレイクが早い!」と訴えるも聞き入れられず、それでも至近距離でヒザ蹴りを入れ、素早く組み付いて崩し転ばす技は光った。

ボディーが効いている海老原は転ばされてからの立ち上がりも次第に遅くなり石川の飛びヒザ蹴りでロープ際に追い込まれ、更にヒザ蹴りを受け2度のノックダウンを奪われてしまう。それでも懸命に立ち上がり諦めない姿で逆転を狙う。

第3ラウンドには、石川の伸びあり突き刺す意味を持つヒザ蹴り“テンカオ”が再び海老原のボディーを捕らえると、立ち上がるもファイティングポーズを構えるに至らず、レフェリーストップが掛かった。

海老原竜二の右ミドルキック。持っている技は出し尽くした

首相撲からのヒザ蹴りや転ばしは石川直樹の技、組まれる方は苦しい

 

試合後、引退セレモニーに臨んだ海老原竜二、家族やジム関係者に感謝を述べた

試合後、ボディーのダメージは回復し、グローブとバンテージを外され、無事に引退セレモニーに移り、海老原竜二の挨拶に入った。話すことは何も用意してなかったという中、4分程の熱い語り口。

「引退試合だったんですけど、しょっぱい試合しちゃって、最後、派手に散っちゃって申し訳ないです。」と応援団が居る北側に向かって語り続けた。「16歳の時、親父死んじゃって、オカン一人で育ててくれて、ここまでやって来れたんですけど、ちょっとは親孝行出来たかなと思います。オカン有難う!」

今後、活躍する選手の皆には「やるかやられるかの試合を体現して欲しいと思います。」と想いを告げ、最後は「今迄最高の格闘技人生でした。NKB最高!」と締め括ってテンカウントゴングに送られた。

リングを下りた後は「蹴られてもアバラを折られても勝ちたかったので、もうちょっと打ち合えればと思いましたが、まあ全部出し切ったので悔いは無いです。」と語った後、石川直樹の控室を訪れた。海老原竜二のヒジ打ちも石川直樹の額を掠めており、その互いの狙った技の感想を言い合ったり、石川直樹は「引退試合に選んでくれて有難う。」といった戦った者同士の爽やかさが広がっていた。

◆第11試合 66.7kg契約3回戦

石川直樹に「前回3月31日の絆興行から2週間(実際は20日間)の間隔でしたけど、調子はどうでしたか?」と問うと、「調子は良かったです。脛はちょっと痛かったですけど、試合となれば関係無くて、また2週間程度で試合やれと言われても全然出来ますし、何なら明日にでも出来ます」と意欲的。海老原竜二を倒した、いずれのノックダウンもヒザ蹴りで実力発揮。組み合うとすぐブレイクが掛かることには納得していない様子だった。

NKBウェルター級チャンピオン.CAZ JANJIRA(JANJIRA/1987.9.2東京都出身/ 66.35kg)
43戦20勝(4KO)16敗7分
          VS
テーパプット・新興ムエタイ(元・BBTV 7chスーパーフェザー級Champ/タイ/ 64.8kg)
引分け 0-0
主審:高谷秀幸
副審:加賀見30-30. 前田30-30. 鈴木30-30

ムエタイテクニシャンのテーパプットに対し、蹴られても蹴り返すカズ・ジャンジラ。組み技やヒザ蹴りで優るテーパプットの上手さは発揮されつつ、カズ・ジャンジラはパンチの圧力で優ったが、採点は全く差が付かずの引分け。もう少し振り分けるならば29-29になりそうな展開ではあった。

カズ・ジャンジラも果敢に攻めたテーパプットとの攻防、ムエタイ路線は続くか

最終ラウンドはカズ・ジャンジラがテーパプットを追い込んだパンチヒット

◆第10試合 63.0kg契約3回戦

NJKFライト級3位.TAKUYA(K-CRONY/1993.12.31茨城県出身/ 62.85kg)
16戦7勝(1KO)8敗1分
        VS
NKBライト級3位.蘭賀大介(ケーアクティブ/1995.2.9岩手県出身/ 63.0kg)
9戦6勝(3KO)2敗1NC
勝者:蘭賀大介 / 判定0-3
主審:笹谷淳
副審:鈴木28-29. 前田28-30. 高谷28-29

蹴り技で圧力掛けたTAKUYAは組み技でのヒザ蹴りも優った。蘭賀大介はパンチの圧力で優り、下がるTAKUYAを追いかける展開に大振りになりながらもパワフルなパンチで追い続けて判定勝利。

蘭賀は試合後、「勝ったんですけど倒しに行こうとし過ぎて大振りになって、かなり雑になったことが多くなって反省しています。次は6月も出場予定なので頑張ります。」と応えた。

蘭賀大介の右ストレートがTAKUYAにヒット、勢いが増して行った

KO出来ず、マットを叩いて悔しがる蘭賀大介

勝利した蘭賀大介、アグレッシブな試合は好感度上昇中

 

後藤啓太のヒザ蹴りが大月慎也にヒット、新潟から期待のスター誕生

◆第9試合 ウェルター級3回戦

大月慎也(TEAM Artemis/1986.6.19埼玉県出身/ 66.6kg)23戦9勝(4KO)10敗4分
      VS
後藤啓太(拳心館/1997.8.29新潟県出身/ 66.55kg)4戦4勝(2KO)
勝者:後藤啓太 / 判定0-3
主審:加賀見淳
副審:鈴木27-30. 前田28-30. 笹谷26-30

上背で優る後藤啓太の伸び有る蹴りが大月慎也に圧力を掛け、第2ラウンドには右ミドルキックでロープ際に追い込んで右ストレートヒットからヒザ蹴り連打でグロッギー気味の大月にパンチを浴びせたところでスタンディングダウンを奪った。更に離れてハイキックやミドルキック、組み付けばヒザ蹴りで攻勢を維持し判定勝利した。

◆第8試合 ミドル級3回戦

土屋忍(kunisnipe旭/1986.12.11千葉県出身/ 72.25kg)18戦9勝6敗3分
      VS
夏空(NK/1999.7.24大阪府出身/ 72.45kg)5戦4勝(2KO)1分
引分け 0-1
主審:高谷秀幸
副審:鈴木29-29. 前田29-29. 笹谷28-29

アグレッシブにパンチと蹴りの互角の攻防も、第3ラウンドには疲れ果てたような攻防で最後までせめぎ合った。第2ラウンドは土屋忍がやや優勢。第3ラウンドには夏空がロープに詰めてのパンチ連打が優勢を保った流れで引分け。

◆第7試合 バンタム級3回戦

シャーク・ハタ(秦文也/テツ/1987.10.20大阪府出身/ 52.45kg)10戦4勝4敗2分
      VS
ベンツ飯田(TEAM Aimhigh/1997.4.17群馬県出身/ 53.35kg)16戦3勝(1KO)9敗4分
引分け 1-0
主審:加賀見淳
副審:鈴木29-29. 前田30-29. 高谷30-30

両者の蹴りがアグレッシブな攻防を見せたが、的確な有効打は無く、差が出難い展開で終わった。

◆第6試合 ライト級3回戦

KEIGO(BIG MOOSE/1984.4.10千葉県出身/ 60.75kg)23戦7勝10敗6分
      VS
山本太一(ケーアクティブ/199512.28千葉県出身/ 61.0kg)16戦6勝(4KO)7敗3分
勝者:山本太一 / 判定0-3
主審:笹谷淳
副審:高谷29-30. 前田29-30. 加賀見28-30

両者のアグレッシブな攻防も、やや消極的なKEIGOの動きに対し先手を打つ山本太一の攻勢で判定勝利。

◆第5試合 52.5kg契約3回戦

田嶋真虎(Realiser STUDIO/2002.6.28埼玉県出身/ 52.35kg)5戦3敗2分
      VS
荒谷壮太(アント/2006.2.3千葉県出身/ 52.3kg)4戦1勝2敗1分
勝者:荒谷壮太 / 判定0-3 (27-30. 28-30. 28-30)

◆第4試合 57.50kg契約3回戦

KATSUHIKO(KAGAYAKI/1975.11.13新潟県出身/ 57.3kg)6戦2勝(2KO)3敗1分
      VS
堀井幸輝(ケーアクティブ/1996.11.7福岡県出身/ 57.1kg)5戦3勝1敗1分
勝者:堀井幸輝 / 判定0-3 (28-30. 28-30. 28-30)

◆第3試合 ウェルター級3回戦

健吾(BIG MOOSE/1993.10.10千葉県出身/ 66.35kg)4戦3勝(1KO)1敗
      VS
皓太(TEAM Aimhigh/1997.9.21栃木県出身/ 68.6→68.4kg=1.72kg超/減点3)2戦2敗
勝者:健吾 / KO 2ラウンド 2分56秒

健吾が徹底したヒザ蹴り連打で皓太を倒し3ノックダウンによるノックアウト勝ち。

◆第2試合 バンタム級3回戦

磯貝雅則(STRUGGLE/1986.11.29東京都出身/ 53.35 kg)4戦2勝2敗
      VS
杉山海瑠(HEAT/2009.6.5静岡県出身/ 52.9 kg)1戦1勝(1KO)
勝者:杉山海瑠 / TKO 2ラウンド2分13秒 /

杉山海瑠のヒジ打ちによる磯貝雅則の左目瞼をカット、ドクターのチェックの後、パンチによるものか、負傷箇所の悪化で、ドクターの勧告を受入れレフェリーストップ。

◆第1試合 ライト級3回戦

龍志(テツ/1995.12.12大阪府出身/ 60.95kg)5戦2勝3敗
      VS
樋口雄生(ケーアクティブ/1995.4.14東京都出身/ 60.9kg)1戦1敗
勝者:龍志 / 判定3-0 (29-27. 28-27. 29-27)

《取材戦記》

「勝って引退は許さない。引退する奴は負けて行けばいいので、これで良かったです。」と言う興行関係者も居て、華やかさより完膚なきまで倒されて燃え尽きた方が、去り際の感動や格闘技の厳しさが表れるという考え方だろう。過去のテーマでも触れていますが、引退試合(即引退式)も、倒されて現役生活を終える選手は多かった。担架で運ばれるほどのダメージを負ったら引退式どころではなくなりますが、公式戦直後の引退式は感動が強く残るものでしょう。

勝って華々しい引退式は、「まだまだ出来るじゃないか!」と言われるのも仕方無いところで、チャンピオンのまま引退や無敗のまま引退も「惜しい!」と言われることを理想に想う選手はいるかもしれません。

今回の引退セレモニーは海老原竜二の御挨拶とテンカウントゴングだけという簡潔なものでした。セレモニーは終了した後に、家族がリングに上がって花束を贈り記念撮影、ジム関係者が上がって記念撮影とスケジュールに無い自由な振る舞い。これはセレモニーの一環としてやるべきだった。更に渡邊信久代表と興行部担当の竹村哲氏の贈る言葉があれば引退式としてのグレードも上がったでしょう。或いは会場の事情で21時を越えたくなかったのかもしれませんが。

次回、日本キックボクシング連盟「冠鷲シリーズ」は6月29日(土)に後楽園ホールに於いて開催されます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年5月号

前半にノックアウト(TKO)が集中、女子だけでも活気ある興行となったが、計量失格が三名、欠場一名、王座決定戦はチャンピオン誕生成らずで、プロモーターにとっては悔しい興行。

◎GODDESS OF VICTORY Ⅱ / 4月14日(日)GENスポーツパレス16:30~19:55
主催:エスジム、ミネルヴァ実行委員会 / 認定:NJKF / 前日計量12:00

(戦績はプログラムより今回の結果を加えています。試合順は中止カードを省いています。生年月日は割愛します。)

◆第13試合 女子(ミネルヴァ)スーパーフライ級王座決定戦3回戦

1位.NA☆NA(元・Champ 2022.6.5~11.13防衛無/エス/ 53.46→53.3kg=1.14kg超、計量失格/減点2、8オンス)18戦11勝5敗2分
        vs
2位.上野hippo宣子(ナックルズ/ 52.05kg/6オンス)22戦4勝15敗3分
勝者:NA☆NA / 判定3-0
主審:岡田敦子
副審:児島28-27. 中山28-27. 少白竜28-27 

上野hippo宣子が勝利した場合のみ王座認定となる試合。

パンチの攻防から組み合うとNANAのヒザ蹴りと崩しが発揮され、上野宣子は転ばされる。離れてもNANAが先手を打つパンチと蹴りが優る。中盤以降も組み合うとNANAのヒザ蹴りと崩しで圧力を掛ける。

余裕無い上野はパンチ中心に攻めるが、NANAは打ち合いに応じ蹴りを加え主導権を支配し実質フルマークの判定勝利も王座は空位のままとなった。

NANAが上野hippo宣子を振り落とした首相撲の技

NANAの右ミドルキック。終始圧倒して減点を巻き返した

◆第12試合 女子46.0kg契約3回戦(2分制)

ミネルヴァ・アトム級チャンピオン.Nao(AX/ 45.9kg)6戦6勝(2KO)
        vs
ミネルヴァ・ピン級5位.上真(ROAD MMA/ 45.5kg)13戦4勝9敗
勝者:Nao / 判定3-0
主審:椎名利一
副審:児島30-28. 中山30-27. 岡田30-27 

ローキックから前蹴りなどNaoが上手さを見せ、更にハイキックと組んでのヒザ蹴りで優り、ヒザ蹴りに行く体勢から振り回して転ばせる。力の差は明らかだが、上真も諦めず蹴りを返していき、Naoはノックアウトには至らないが、テクニックで上回って大差判定勝利となった。

チャンピオンの上手さが光ったNaoの左ミドルキック

Naoの蹴り足をキャッチした上真だが、Naoの勢いを止められず

◆第11試合 女子48.0kg契約3回戦(2分制)

ミネルヴァ・ライトフライ級5位.青木繭(take1/ 48.0kg)9戦5勝(1KO)4敗
        vs
ミネルヴァ・アトム級5位.Marina(健心塾47.4kg)8戦3勝(1KO)5敗
勝者:青木繭 / 判定3-0
主審:少白竜
副審:児島30-29. 椎名30-28. 岡田30-28 

Marinaはパンチで出るも、蹴りから組み合ってのヒザ蹴りは青木繭が優る。離れた距離ではMarinaの蹴りも活きるが、次第に青木の圧力が増していき判定勝利。

33歳対17歳の戦い、青木繭の連打でMarinaを突き放す

◆第10試合 女子46.0kg契約3回戦(2分制)

ミネルヴァ・アトム級2位.祥子JSK(治政館/ 45.15kg)25戦7勝17敗1分
        vs
ミネルヴァ・ピン級1位.斎藤千種(白山/ 45.9kg)8戦4勝4敗
勝者:斎藤千種 / 判定0-3
主審:中山宏美        
副審:少白竜29-30. 椎名29-30. 岡田28-30 

パンチと蹴りから組み合う両者。離れてパンチと蹴りの斎藤千種が徐々に圧力掛けて出る。蹴りが少ない祥子。パンチのヒットと積極性で斎藤千種が上回り判定勝利。

斎藤千種の左ストレートが祥子JSKにヒット、我慢比べは斎藤千種が優った

◆第9試合 女子ピン級超3回戦(2分制)

ミネルヴァ・ピン級6位.世莉JSK(治政館/49.1→48.81kg=3.45kg超/減点2、8オンス)10戦3勝5敗2分
        vs
AZU(DANGER/46.1→45.61kg=250グラム超/減点1、6オンス)10戦2勝7敗1分
引分け 0-1
主審:児島真人
副審:少白竜28-29. 椎名28-29. 中山28-28 

ウェイトオーバー同士は的確なヒットは少なく引分けに終わる

◆第8試合 女子43.0kg契約3回戦(2分制)

ミネルヴァ・ピン級4位.AIKO(AX/ 43.0kg)15戦7勝7敗1分
      vs
町屋杏(Bushi-Doo~武士道~/ 42.8kg)6戦3勝(1KO)3敗
勝者:AIKO / 判定3-0
主審:岡田敦子
副審:少白竜30-28. 児島30-28. 中山30-28 

◆女子スーパーフライ級3回戦(2分制) 珠璃が体調不良により中止

ミネルヴァ・スーパーフライ級6位.珠璃(闘神塾)vs YURIKO・SHOBUKAI(尚武会) 

◆第7試合 女子44.0kg契約3回戦(2分制)

ミネルヴァ・ピン級10位.UveR∞miyU(T-KIX/ 44.0kg)8戦3勝5敗
      vs
Honoka(健心塾/43.5kg)6戦3勝1敗2分
勝者:Honoka / 判定0-3
主審:少白竜
副審:岡田28-30. 児島28-30. 椎名28-30 

◆第6試合 女子スーパーフライ級3回戦(2分制)

響子JSK(治政館/ 51.9kg)7戦1勝5敗1分
      vs
鈴木咲耶(チーム鈴桜/ 51.5kg)1戦1勝
勝者:鈴木咲耶 / 判定0-2
主審:中山宏美
副審:岡田29-30. 少白竜29-30. 椎名29-29 

◆第5試合 女子ピン級3回戦(2分制)

aimi-(DANGER/ 44.8kg)7戦1勝3敗3分
       vs
友菜(Team ImmortaL/ 45.36kg)5戦1勝3敗1分
勝者:友菜 / 判定0-3
主審:児島真人
副審:中山26-30. 少白竜26-30. 椎名26-30 

◆第4試合 女子(ミネルヴァ・アマチュア特別ルール)50.0kg契約2回戦(2分制)

堀田優月(闘神塾/ 49.4kg)
      vs
QueenBee夏美(拳伸/ 49.8kg) プロ3戦3勝(1KO)
勝者:堀田優月 / 判定3-0
主審:岡田敦子
副審:中山20-18. 少白竜20-18. 児島20-18 

アマチュアながら堀田優月が先手を打つスピードとテクニカルな技で優って判定勝利。

◆第3試合 女子スーパーフライ級3回戦(2分制)

松藤麻衣(クロスポイント吉祥寺/ 52.16kg)4戦2勝2敗
        vs
Muuparまどかポンムエタイジム(ポン/ 51.55kg)1戦1敗
勝者:松藤麻衣 / TKO 3ラウンド56秒 /

初回からヒザ蹴り中心で攻め、ラストラウンドでほぼ一方的な中、スタンディングダウンを奪った松藤麻衣。更にヒザ蹴りからパンチ蹴りに繋いで2度目のスタンディングダウンとなるレフェリーストップ。

TKO勝利の一人、松藤麻衣がヒザ蹴りで圧倒して勝利を導く

◆第2試合 女子フライ級3回戦(2分制)

二ノ峰香奈子(KFG URAWA50.45kg)2戦1勝1敗
        vs
DJナックルハンマーyokko(team Almerrick/ 50.65kg)2戦2敗
勝者:二ノ峰香奈子 / TKO 1ラウンド46秒 /
主審:少白竜

蹴りから右ストレート、更に圧倒したところに右ストレートでレフェリーストップ。

TKO勝利の一人、短い時間ながら二ノ峰香奈子がyokkoを連打で勝利を導く

◆プロ第1試合 女子48.0kg契約3回戦(2分制)

小日向未結(空手道禅道会駒ヶ根道場/ 48.0kg)3戦3敗
      vs
杉田風夏(谷山・小田原道場/ 47.95kg)1戦1勝
勝者:杉田風夏 / TKO 1ラウンド1分31秒 /
主審:中山宏美

ヒザ蹴りでノックダウンを奪った杉田風夏。更にヒザ蹴りから顔面前蹴りで2度目のノックダウンを奪ったところでノーカウントのレフェリーストップ。

TKO勝利の一人、顔面ヒザ蹴りを浴びせた杉田風夏、女子としては過激だった

オープニングファイト アマチュア「EXPLOSION.40」 5試合  

◆第5試合 44.5kg契約2回戦(90秒制)

中西瀬彩(健心塾/ 43.4kg)vs 池田想夏(MIYABI/ 43.9kg)
判定:池田想夏 / 判定

◆アマチュア第4試合 40.0kg契約2回戦(90秒制)

瀬川柚子心(寝屋川TEAMBADASS/ 38.0kg)vs 野中あいら(HIDE/ 39.0kg)
勝者:瀬川柚子心 / 判定

◆アマチュア第3試合 37.0kg契約2回戦(90秒制)

菊池柚葉(笹羅/ 37.0kg)vs 西田永愛(伊原越谷/ 36.9kg)
引分け

◆アマチュア第2試合 32.0kg契約2回戦(90秒制)

SARA(Team S.R.K/ 28.9kg)vs 夢々(KANALOA/ 30.0kg)
勝者:夢々 / 判定

◆アマチュア第1試合 55.0kg契約2回戦(2分制)

松田沙和奈(拳之会/ 55.0kg)vs 安東美弥(OGUNI/ 55.0kg)
勝者:安東美弥 / 判定

《取材戦記》

世莉JSK vs AZU戦は実質、ライトフライ級vs ミニフライ級の戦い。両者ともに計量失格は珍しい。減点は相殺すれば世莉がマイナス1点だが、ペナルティーの影響を残す形で、それぞれの減点が明記。

更に第1ラウンド序盤に世莉の左グローブがスッポ抜けるアクシデントがあった。腕か脚のサポーターが落ちたかと思ったらグローブとは。誰からも抗議も正式な警告も無かったが、当然しっかり縛れば手首で固定され、紐をテーピングすれば抜け落ちることは無いだろう。世莉はウェイト差によるペナルティーの8オンスグローブだったが、軽量の女子だから手首が細くて8オンスでは大き過ぎたかという考え方もあるが、プロボクシング関係者に聞くと「規定どおりならそんなことは有り得ない。」という回答でした。しっかり縛っていなかったことに加え、チェックが成されていなかったかと思われます。

プロ第1試合から3試合はKO(TKO)決着。アクシデントはあったにせよ、他は判定結果でも活気ある試合が続きました。

その興行の印象を、ツルザップ放送局の鶴谷剛氏は、「前半は神興行、後半は熱くテクニカルな試合。首相撲有り、活気あったのは顔面ヒザ蹴り有りのミネルヴァだからでしょう!」と回答。

ミネルヴァ実行本部長の竹越義晃氏は、「今回は計量オーバーや日が迫っての欠場が有って困惑しています。上野hippo宣子選手にはチャンピオンベルト獲って欲しかったですね。テクニック的に足りなかったところは、前に出ているだけだったので、もっと蹴って欲しかったですね。」という回答には、せっかくのタイトルマッチを正規に戦い、どちらかがチャンピオンベルトを巻く姿を披露して盛り上げて興行を締め括りたかったことでしょう。

王座は獲れなかったが勝利したNANAは「取り敢えずポイント取れて良かったです。どこかで落としていたらと思うと怖かったです!」と言うように実戦的にはフルマークで行かなければ勝利とならない中の勝ちに行った展開は見事だった。

今後、タイトルマッチについては先行きは解らない様子で、「運営側とお話していくだけですね!」と漠然としながらも上を目指す意気込みがある回答でした。

上野hippo宣子は「相手は強かったです。足りなかったものは…そうですね…気持ちでしょうか。また前向きに頑張ります!」と負けて悔しい涙ながらの状態からサッと切り替えて落ち着いた回答をしてくれました。

帰り際、たまたま声を拾わせて頂いた祥子JSKは、「練習して来たことがもうちょっと出したかったのですし、用意してきたものまだいっぱいあったんですけど、なかなか出し切れなかったです。次戦はまだ確定はしていないんですけど次の試合に向けて頑張ります。1年ちょっと休んでいたんですけど、これからはコンスタントにまた試合たくさんしたいと思っているので頑張ります!」

タイトルについては遠慮がちながら「狙いたいと思います!」と語った。

負け越している選手は多いが、発展途上の女子競技。まだまだ未知の部分は多くも選手人口も増えつつある中、女子だけの興行も増えていくでしょう。

NJKF興行は5月26日(日)にGENスポーツバレスに於いてDUEL.30と、6月2日(日)には後楽園ホールに於いてNJKF本興行、CHALLENGER2024.3rdが開催予定です。 

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年5月号

メインイベンターに求められるものは何か?
ダブルメインと銘打たれた交流戦2試合は、密度濃い展開ながら引分けに終わる。

◎NJKF CHALLENGER 2024 / 4月7日(日)後楽園ホール/17:20~20:26
主催:ニュージャパンキックボクシング連盟 /

(戦績は過去データを基にこの日の結果を加えています。)

◆第9試合 54.0㎏契約3回戦

 

嵐は桂英慈を調子付かせてしまった左ハイキックを受けてしまう

NJKFバンタム級チャンピオン.嵐(KING/2005.4.26東京都出身/53.85kg)
14戦11勝(5KO)1敗2分
        VS
スックワンキントーン・バンタム級チャンピオン.桂英慈(クレイン/20歳/53.45kg)
10戦8勝1敗1分
引分け 0-0
主審:多賀谷敏朗
副審:少白竜29-29. 児島29-29. 中山29-29

試合前、「桂英慈は首相撲は強く、パンチの対応も出来るから、嵐は苦戦するかな。桂英慈が判定で勝つ可能性が高いよ」という関係者の話を聞くことが出来た。桂英慈はジュニアキックから始まったキャリア豊富な選手で、獲得したタイトルも多いという経験値も注目だった。

試合は初回、桂英慈は牽制のハイキック、嵐は勢いあるローキックとボディブローで返す。更に桂英慈は左ミドルキックのインパクトを残し、嵐はパンチ、ローキック、ハイキックで多彩に出るも、桂英慈は下がらない。

第2ラウンドも大きな変化は無いが、互いに積極的に攻めながら主導権を支配するには至らない攻防が続く。

最終第3ラウンド、桂英慈はヒザ蹴りも何度か繰り出して来る。嵐のパンチや蹴りが効かないからか、桂英慈の勢いも衰えず、アグレッシブに攻める両者。持っている技は出し切っている中、相手を一発で倒す可能性は低く、展開は変わらずの我慢比べ。嵐は焦りが出て来たか、ムキになって打って出る。桂英慈に大きなダメージを与えることなく終わった嵐にとっては敗北感が残るような不完全燃焼となった。

嵐の強烈な右ハイキック、しかし動じなかった桂英慈

試合後の嵐は「相手は上手かったです。それだけです!」と短めの回答。キングジム羅紗陀会長は「桂英慈はミドルキックのタイミングよくパワーあったので、対処が足りなかった。嵐は調子は良かったですけどね!」と応えた。陣営の向山鉄也前会長は、「練習不足。スタミナ無いもん!」と一喝。

桂英慈は「自分はダメでした。嵐選手は上手でした。練習どおりにはいきませんでした。」とこちらも反省を述べるだけだった。

結果は引分け、涙を浮かべて四方に詫びた嵐、桂英慈も残念そうな表情

◆第8試合 スーパーバンタム級3回戦

NJKFスーパーバンタム級4位.繁那(R.S/2004.1.28京都府出身/55.34kg)
12戦10勝(4KO)1敗1分
        VS
鈴木貫太(ONE‘S GOAL/1996.2.9千葉県出身/55.3kg)17戦6勝9敗2分 
引分け 0-1
主審:椎名利一
副審:少白竜29-30. 児島29-29. 中山29-29

観衆は徐々に少なくなっていっても応援団の声援が満員のように響いた。初回のやや離れた距離での上下蹴りとパンチの交錯は次第に距離は近くなり首相撲の攻防が増えるが、第2ラウンドも蹴り中心にアグレッシブな展開が続く中、鈴木寛太のミドルキックとハイキックがやや攻勢を維持したが、第3ラウンドは繁那のヒザ蹴りが鈴木寛太のアゴにヒットしてややグラついた様子。

これで鈴木寛太の勢いが弱まった感があり、最後は打ち合う激しさを見せたが、ダブルメインと言われた実質セミファイナルは繁那が盛り返して引分けに終わった。

鈴木寛太の強烈な右ハイキック、このペースなら良かったが……

目まぐるしい展開の中、繁那の左ハイキックがヒット

 

リッチデートのヒジ打ちで鼻を砕かれた波賀だが、攻める気力は衰えず

◆第7試合 57.0㎏契約3回戦

波賀宙也(元・IBFムエタイ世界Jrフェザー級Champ/1989.11.20東京都出身/立川KBA/ 56.85kg)
48戦27勝(4KO)16敗5分 
       VS
リッチデート・ゲッソンリット(元・ラジャダムナン系ミニマム級Champ/タイ/ 56.6kg)

勝者:リッチデート / 判定0-3
主審:多賀谷敏朗      
副審:椎名27-30. 児島27-30. 少白竜28-30

初回、ローキックで様子見。接近戦で組み合ってのヒザ蹴り、更に離れるとミドルキックの攻防の中、リッチデートの体幹バランスが良い。

第2ラウンドに入ると、波賀宙也が前進強め、パンチ強く打って出るが、リッチデートは冷静。波賀の前進する蹴りをいなし、蹴り返す。
 
接近戦で当て勘が鋭いヒジ打ち打つリッチデート。波賀の眉間辺りが斬れた様子。

第3ラウンドにはリッチデートの更なるヒジ打ちか、波賀が鼻血を流し、鼻が曲がっている様子が窺えた。

波賀がムキになって出てもリッチデートの距離に合わせた蹴りや首相撲の駆引き、強いヒットは無いが主導権を支配したリッチデートの判定勝利となった。

リッチデートは適材適所的確上手かった。波賀宙也はムエタイを攻略出来ず

◆第6試合 NJKFライト級王座戦出場権争奪戦3回戦 

NJKFライト級1位.岩橋伸太郎(エス/1987.6.4神奈川県出身/60.85kg)20戦7勝11敗2分
        VS
NJKFライト級2位.HIRO YAMATO(大和/2000.6.25愛知県出身/61.0kg)
29戦14勝(5KO)12敗3分
勝者:HIRO YAMATO / KO 2ラウンド2分47秒 / 3ノックダウン
主審:児島真人

トーナメントとは謳っていないが、2月11日にTAKUYA(K-CRONY)に判定勝利した祖父江泰司(理心塾)が王座決定戦出場権を奪っている。

ローキックとミドルキックでの様子見から徐々に距離を縮め、パンチやヒザ蹴りも加えていく両者。よりヒザ蹴りが増して行くのはHIRO。第2ラウンドに入ってもHIROのペースは変わらず、パンチとヒザ蹴りが優る。更にヒジ打ちで岩橋伸太郎の鼻辺りをカットし、コーナーに追い込んでパンチやローキック、ヒジ打ちでノックダウンを奪う。

更にヒザ蹴り猛攻でスタンディングダウンを奪ったHIRO。再開後もHIROの猛攻が続き、コーナーに追い込んでヒザ蹴りが入ったところでレフェリーが止めるノックアウトとなった。HIROは次期、祖父江泰司と王座決定戦を争うことが決定。

HIROがスピードと的確差で岩橋伸太郎を下した

◆第5試合 NJKFフライ級挑戦者決定戦3回戦(チャンピオンは優心)

NJKFフライ級2位.TOMO(K-CRONY/1982.10.30茨城県出身/50.7kg)
22戦7勝(5KO)13敗2分
        VS
NJKFフライ級4位.西田光汰(西田/2001.2.13愛知県出身/50.8kg)7戦5勝2敗 
勝者:西田光汰 / 判定0-2
主審:少白竜
副審:児島29-29. 多賀谷28-29. 中山28-30

ローキックとパンチで様子見から徐々に勢い増したのは西田光汰。第2ラウンドに入っても同様ながらTOMOも下がらず蹴りで衰えない反撃。第3ラウンドには西田がヒジ打ちでTOMOの眉間辺りをカットし、攻勢を強めた西田光汰が僅差ながら判定勝利を掴んだ。

西田光汰が僅差ながらTOMOを上回っていった

◆第4試合 フライ級3回戦

NJKFフライ級8位.愁斗(Bombo Freely/ 50.35kg)7戦5勝(4KO)2分
        VS
NJKFフライ級9位.悠(VALLELY/ 50.8kg)10戦4勝5敗1分 
勝者:愁斗 / 判定3-0
主審:椎名利一
副審:児島30-28. 少白竜30-29. 多賀谷30-29

ランキング入りしたばかりの悠が一歩先を行く愁斗に挑むランカー対決。スピードで優る愁斗とアグレッシブに多彩に攻める悠の攻防は愁斗のヒザ蹴りが次第に優勢を維持。小気味いい攻防だったが、経験値が優る愁斗が僅差判定勝利で上位を維持した。

ランカー対決、愁斗のハイキックが悠を襲う、経験値が上回った

◆第3試合 女子(ミネルヴァ)60.0kg契約3回戦(2分制)

日立(GRABS/ 59.75kg)
        VS
ミネルヴァ・スーパーバンタム級8位.小倉えりか(DAIKEN THREE TREE/ 59.95kg) 
勝者:小倉えりか / 判定0-3(28-30. 28-30. 28-30)
パンチと上下の蹴りと多彩にアグレッシブに戦う両者。やや調子上がっていく小倉エリカがバックハンドブローも使って日立にプレッシャーを与え判定勝利。

◆第2試合 フライ級3回戦

高橋大輝(エス/ 50.65kg)vs 永井雷智(VALLELY/ 50.75kg)
勝者:永井雷智 / TKO 1ラウンド33秒 /
主審:少白竜

永井雷智が蹴りから右ストレートで高橋大輝からノックダウンを奪った後、パンチ連打から飛びヒザ蹴りで二度目のノックダウンを奪うとノーカウントのレフェリーストップとなった。

◆プロ第1試合 フェザー級3回戦

藤井昴(KING/ 56.4kg)vs 阿部惇(アント/ 56.95kg)
勝者:藤井昴 / TKO 1ラウンド2分26秒 /
主審:多賀谷敏朗

藤井昴が飛びヒザ蹴りで阿部惇からノックダウンを奪った後、パンチで攻勢を続け連打で二度目のノックダウンを奪ってノーカウントのレフェリーストップとなった。

◆61.0㎏契約3回戦 

龍旺(Bombo Freely)vs コンゲンチャイ・エスジム(タイ)は龍旺がインフルエンザによる体調不良で中止。

◆アマチュアEXPLOSION 55kg級2回戦(1分30秒制)

加藤晴斗(新興ムエタイ/ 53.6kg)vs 晝間陽採(TAKEDA/ 54.4kg)
勝者:晝間陽採 / 判定0-3(18-20. 18-20. 18-20)

◆アマチュアEXPLOSION 37kg級2回戦(1分30秒制)

菊池柚葉(笹羅/ 36.9kg)vs 永井りい(VALLELY/ 36.35kg)
勝者:永井りい / 判定0-3(18-19. 18-19. 18-19)

《取材戦記》

プロモーターを務める興行3回目となった武田幸三氏は、「メインイベンターとして求められるものがデカく、普通の選手じゃない宿命を背負っている。その自覚が嵐選手らメインイベンターの課題ですね」と語る。

2月11日の「NJKF CHALLENGER 東西対決」で甲斐元太郎をヒザ蹴りで倒し、NJKFバンタム級王座決定戦を制した新チャンピオン嵐はその興行MVPも獲得。この評価で今回のメインイベンターとなった。先日の3月17日には王座獲得祝賀会も行なわれている嵐選手。2021年3月デビューで、今年19歳のチャンピオンに圧し掛かる期待と責任は、若くして今後も背負わねばならない。

興行を最後まで観戦した業界関係者の中では、「どの試合も選手の特徴が無いですね。“こいつのこれ(技)を気を付けろ!”というのが無い。皆上手い。パンチやヒジ打ち、ヒザ蹴り、何でも出来るけどスリルが無いね。勝つにしても当たり障りなく勝てる内容。逆転KOが無い。ちょっとつまらないですね」と言った意見が有りました。

確かに “これが当たれば絶対倒れる”といった昭和時代に多くの選手に存在した注目される技が無いなあという感じはします。昔はパンチの強い選手は多い中、特徴ある一発KOや、ローキックの申し子、ヒジ打ちの名手と言われる選手が居たり、タイの選手では、天を突くヒザ蹴り、切り裂き魔、といった驚異の選手もいました。
現在はカーフキックという脹脛狙った蹴りが流行っていますが、もしこれだけで倒せたらまた警戒される選手となるでしょう。

前回のメインイベンター大田拓真は今回、海外遠征も有って出場無し。今後もメインイベンター争いは階級も年齢も関係無く、何らかの技を以って“内容で魅せる” 闘いが続きそうです。

NJKF関連次回興行は4月14日(日)に女子だけのマッチメイク。昨年に続き二度目となる「GODDESS OF VICTORY Ⅱ」がGENスポーツパレスに於いて16時30分よりプロ全14試合が開催予定です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年5月号

15回目の絆興行、前会長の松永嘉之氏から代わって大月謙会長が率いる絆興行としては2回目になります。

メインイベンター石川直樹は、昨年のような圧倒の大差判定勝利とまではいかずとも、首相撲からのいなしとヒザ蹴りは健在だった。

◎絆 XV / 2024年3月31日(日)ふれあいキューブ 16:00~18:54
主催:PITジム / 認定:ニュージャパンキックボクシング連盟

(戦績は興行プログラムよりこの日の結果を加えています。他、経歴は不詳)

◆第8試合 54.0kg契約 5回戦 

石川直樹(元・日本フライ級Champ/Kick Ful/1986.8.18春日部市出身/ 53.1kg)
46戦26勝(12KO)10敗10分
      vs
山川敏弘(京都野口/ 53.85kg)19戦8勝(4KO)9敗2分 
勝者:石川直樹 / 判定3-0
主審:多賀谷敏朗
副審:松田50-47. 中山49-48. 児島49-47

初回の両者は距離を置いて様子見。パンチで前進する山川敏弘に対し、石川直樹は前蹴りやハイキックも牽制で繰り出す。

第2ラウンドから石川は徐々に距離を縮め、首相撲に移る展開も見られたが、ヒザ蹴りには至らない。

中盤には石川の組んでの崩し転ばせること四度と自分のリズムを作り出し、数は少ないがヒザ蹴りに持ち込む主導権を奪う流れを作り出して攻勢を維持。

接近戦では石川直樹のヒザ蹴りが活かされるヒット

首相撲からの崩しでヒザ蹴りを入れる石川直樹

最終回には勝負に出る両者。山川敏弘はパンチで勝負も石川に躱されヒットに至らない。石川直樹の主導権を奪った展開は変わらず判定勝利となった。

石川直樹はリング上で、「メインイベントを任せて頂いているのにKO出来なくてすみません。また一から練習して次こそ倒せるように頑張ります。次、4月20日なんですけど、NKBの元チャンピオンの引退試合の相手務めることになりまして、ぜひ観に来てください。今度はKO出来ると思います!」と海老原竜二戦をノックアウト宣言した。

主導権を支配し判定勝利を飾った石川直樹、KO出来なかったことを詫びていた

◆第7試合 女子(ミネルヴァ)フライ級3回戦(2分制)

MIKU(K・CRONY/ 50.8kg)6戦2勝3敗1分
      vs
RUI・JANJIRA(JANJIRA/ 50.8kg)5戦2勝3敗
勝者:RUI・JANJIRA / 判定0-3
主審:中山宏美
副審:松田28-30. 多賀谷27-30. 児島29-30

初回からローキックでアグレッシブに蹴りからパンチを加えRUIが主導権を支配。長身のMIKUも蹴りはあるがRUIの圧力に下がり気味。ヒットが優ったRUIが失点の無い判定勝利。

MIKU(左)に蹴られても前進の圧力優ったRUI(右)

アグレッシブに攻めたRUIが判定勝利

◆第6試合 71.0㎏契約3回戦

クワン・サンライズジム(元・タイ国イサーン地方ライト級Champ/タイ/ 70.95kg)約150戦 
       vs
聖域統一ウェルター級チャンピオン.佐藤界聖(PCK連闘会/ 70.35kg)
16戦12勝(4KO)3敗1分
勝者:佐藤界聖 / TKO 3ラウンド1分44秒 /
主審:松田利彦

戦歴的には150戦を越えるとされるクワンのプログラムにある写真は若く引き締まった肉体だったが、リングに上がった姿は明らかに本場ムエタイ第一線級ではない身体つきだった。だがテクニックは侮れない技を持つのがムエタイボクサー。

佐藤界聖との攻防も鋭い蹴りと当て勘が優るが、わずか15戦の佐藤が前進する蹴りはクワンに劣らない勢いがあった。第2ラウンド半ばには接近戦でのヒジ打ちでクワンの額をカット。傷は深くドクターの勧告を受け入れたレフェリーストップとなった。

クワンのヒジ打ちと佐藤界聖の右フックが交錯

佐藤界聖のヒジ打ちで額をカットされたクワンはこれで試合ストップとなった

◆第5試合 フェザー級3回戦

遠山哲也(エス/ 57.05kg)4戦2勝1敗1分
     vs
柳田竜弥(北真館/ 56.55kg)3戦3敗
勝者:遠山哲也 / 判定3-0
主審:児島真人
副審:松田30-28. 多賀谷30-28. 中山29-28

初回、柳田竜弥が先手のパンチと蹴りの勢いが増すが、第2ラウンド中盤辺りから遠山哲也のハイキックや組んでのヒザ蹴りが徐々に活きて来ると流れは逆転し、攻勢を維持して判定勝利した。

遠山哲也のヒザ蹴りが柳田竜弥にヒット、序盤の圧され気味から徐々に巻き返した

◆第4試合 フライ級3回戦

明夢(新興ムエタイ/ 50.7kg)9戦3勝5敗1分
      vs
田嶋真虎(Realiser/ 50.75kg)8戦6敗2分
勝者:明夢 / 判定3-0
主審:松田利彦
副審:児島30-29. 多賀谷29-28. 中山30-29

明夢(左)と田嶋真虎の蹴りの交錯、手数と的確差で明夢が優っていった

◆第3試合 フライ級3回戦

Lil-悠(PIT/ 49.45kg)1戦1敗
     vs
手塚瑠唯(VERTEX/ 50.25kg)1戦1勝(1KO)
勝者:手塚瑠唯 / KO 1ラウンド2分21秒 /
主審:中山宏美

蹴りとパンチの攻防は徐々に手塚のリズムが優り、右ストレートで二度のノックダウンを奪ってカウント中にダメージを見たレフェリーが試合をストップした。

手塚瑠唯の右ストレートがLil悠にヒットし、この後ノックダウンとなり試合ストップとなった

◆第2試合 アマチュア75.0kg契約2回戦(2分制)

染谷和彦(PIT/ 74.15kg)vs 小田島DAREDEVIL武志(中平道場/ 74.85kg)
勝者:小田島DAREDEVIL武志 / 判定0-3 (17-20. 18-20. 17-20)

◆第1試合 アマチュア ウェルター級2回戦(2分制)

増田康介(Realiser/ 66.1kg)vs 内田大樹(BELIEF/ 65.6kg)
勝者:内田大樹 / 判定0-3 (19-20. 19-20. 19-20)

《取材戦記》

昨年8月11日の絆XIVにおいて、石川直樹は庄司理玖斗(拳之会)に大差判定勝利した後、リング上で国崇(=藤原国崇/拳之会)が「庄司理玖斗は僕の弟子ですけど、やられたのは悔しいので、来年のこの絆興行でやりましょう!」と対戦を希望し、石川直樹とツーショットに収まる両者だったが、国崇が岡山での拳之会興行スケジュールの都合で今回は出場せず、次回に持ち越された模様。こういったマッチメイクは選手がリング上でマイクアピールして決定するものではなく、スポーツ競技としてプロモーターやジム会長の意向次第であることが窺えます。ただ、この石川直樹vs 国崇は興味深いカードで、いずれ実現するでしょう。

4月20日には日本キックボクシング連盟(NKB実行委員会認定)興行に於いて、海老原竜二の引退試合の対戦相手としてKO宣言している石川直樹。ヒザ蹴り地獄で海老原竜二にテンカウントを聞かせて更に引退テンカウントゴングを聞かせるのか、これも興味深いカードとなっています。

NJKF興行は4月7日(日)に後楽園ホールに於いて「NJKF CHALLENGER(2nd)」が開催。国崇が出場する「NJKF 2024 west 2nd」は4月21日(日)に岡山コンベンションセンターに於いて拳之会主催興行として開催予定です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年5月号

大トリを務めた睦雅はKO勝利、内容を競い合った瀧澤博人はヒジ打ちで斬るTKO勝利。
タイトル戦では大地フォージャーが打ち合いに沈み王座陥落、政斗が念願の王座奪取。
皆川裕哉も右フック炸裂での完封TKO勝利で初戴冠。
西原茉生は王座の前で立ちはだかる則武知宏に鋭いパンチでKO勝利。

第1試合開始前に2023年の年間表彰式が行われ、活躍した6名の表彰が行われました。
優秀選手賞:睦雅(ビクトリー)
精鋭賞:内田雅之(KICKBOX)
協会特別賞:モトヤスック(治政館)
KO賞:大地フォージャー(誠真)
技能賞:西原茉生(治政館)
新人賞:勇成(formd)

◎KICK Insist18 / 3月24日(日)17:15(表彰式)~20:48
主催:VICTORY SPIRITS、ビクトリージム / 認定:ジャパンキックボクシング協会(JKA)

戦績はプログラムより、この日の結果を含んでいます(タイ選手を省きます)。

◆第11試合 63.0kg契約3回戦

ジャパンキック協会ライト級チャンピオン.睦雅(ビクトリー/ 62.9kg)
21戦15勝(9KO)4敗2分
        VS
パランラック・フェロージム(元・MAX MUAYTHAI 61.5kg級覇者/タイ/ 61.7kg)約65戦
勝者:睦雅 / KO 2ラウンド40秒
主審:椎名利一

睦雅はチャンピオンになって早一年。昨年11月26日にはNJKFの健太にTKO勝利して成長著しい存在感を見せつけた。

初回、睦雅はパンチやローキックの手合わせから前蹴り、ヒザ蹴り加えて多彩に圧力を掛けて行く。第2ラウンドも同様に前進しながらKO狙ったパンチの距離で攻勢を維持し、ボディブロー連打でテンカウントを聞かせる危なげないノックアウト勝利を飾った。

睦雅は試合後、「次はビッグマッチを控えており、試合まで1ヶ月しかないので、怪我しないようにヒジで倒そうかなと思いましたが、ボディブローでいけると見て連打。最後のヒットは左でした。」と語った。

睦雅はボディブローでプレッシャーを与えていく効果的ヒット

◆第10試合 57.5kg契約3回戦

WMOインターナショナル・フェザー級チャンピオン.瀧澤博人(ビクトリー/ 57.4kg)
39戦26勝(14KO)9敗4分
        VS
コッチャサーン・フェロージム
(元・ルンピニー系スーパーバンタム級7位/タイ/ 56.9kg)約150戦超
勝者:瀧澤博人 / TKO 2ラウンド1分19秒
主審:勝本剛司

初回、瀧澤博人は距離をコントロールし、上下打ち分け、ローキック、ミドルキック、接近してヒジ打ちも繰り出し、積極的に前進。第2ラウンドには一瞬の隙を突いたヒジ打ちがヒット。コッチャサーンの額から鮮血が流れ、ドクターチェックで傷が深そうな様相が窺え、ドクター勧告を受け入れたレフェリーが試合をストップした。

7月のKICK Insist.19では世界と名の付くタイトルへの挑戦をアピール。大トリの睦雅とも試合内容で競い合うというメインイベントを盛り上げる要因ともなった。

瀧澤博人は多彩な技で勝負、強さ見せる中の隙を突いたハイキックも強くヒット

◆第9試合 ジャパンキック協会ウェルター級タイトルマッチ 5回戦

選手権者初防衛戦.大地・フォージャー(誠真/ 66.678kg)20戦9勝(7KO)10敗1分
        VS
同級2位.政斗(治政館/ 66.678kg)33戦18勝(5KO)12敗3分
勝者:政斗 / TKO 2ラウンド2分10秒
主審:西村洋

両者は2年前の3月20日に3回戦で対戦した際は、政斗が二度のノックダウンを奪って大差判定勝利しているが、終盤の大地が巻き返す踏ん張りも見られた展開だった。

今回は初回からパンチの激しい打ち合いとなる中、時折、政斗のタイミングいい左ジャブのヒットが目立つ。大地がスリップダウンした際もすでに効いている様子が窺え、大地は脚が揃ってしまう中、打ち合いを避けることなくパンチ勝負に出る。蹴りも加えた政斗のジャブから右ストレートで大地はノックダウンを喫する。立ち上がったところで1ラウンド終了。

左ジャブの突き合いは政斗が優り、大地のリズムを狂わせた

第2ラウンドも流れは変わらず、逆転狙う大地もパンチで出るが、政斗の右ストレートでノックダウンを喫し、玉砕戦法で出る大地は再び政斗の右ストレートで倒されるとノーカウントのレフェリーストップとなった。

政斗は「僕、もうジャパンキックボクシング協会の顔なので、これからどんどん盛り上げていこうと思っています。パンチでも蹴りでもどちらでも倒せるように頑張っていきます!」とハキハキと応える元気なコメントだった。

大地は帰り際、周囲の仲間内では笑顔を見せつつ、涙が浮かんだ表情が印象的。無念さが滲み出ていた。「すみませんでした。今後のことは休んで考えます!」と語った。

陣営と抱き合って喜ぶ政斗、4年待った念願の王座奪取へ

◆第8試合 ジャパンキック協会フェザー級王座決定戦 5回戦

1位.櫓木淳平(ビクトリー/ 56.9kg)25戦11勝(3KO)11敗3分
       VS
2位.皆川裕哉(KICK BOX/ 57.0kg)25戦13勝(2KO)10敗2分
勝者:皆川裕哉 / TKO 2ラウンド1分43秒
主審:少白竜

初回、両者、ローキックの様子見からパンチの距離となると皆川裕哉が攻勢に出る流れ。第2ラウンドも蹴りからパンチに繋ぐ流れは皆川裕哉のヒットが目立つ。更に皆川は櫓木淳平をロープ際に詰めた後、右フックを打ち抜くと崩れ落ちた櫓木。レフェリーは様子を見ながらカウント中のレフェリーストップとなった。

皆川裕哉の右ストレートで徐々に追い詰めていくヒット

皆川裕哉は2秒前まで号泣、小泉猛代表に促がされて瞬時の笑顔は周囲を笑わせた

◆第7試合 ジャパンキック協会フライ級王座認定試合 5回戦

(西原茉生が勝利した場合のみ認定)
ジャパンキックボクシング協会フライ級1位.西原茉生(治政館/ 50.8kg)
13戦8勝(3KO)4敗1分
VS
NKBフライ級1位.則武知宏(テツ/ 50.65kg)20戦8勝(4KO)8敗4分
勝者:西原茉生 / KO 4ラウンド1分38秒
主審:中山宏美

初回、ローキックで様子見の両者。次第にミドルキックや接近してのパンチの交錯に移り、第2ラウンドにはタイミングで西原茉生の右ジャブで則武知宏がノックダウン。

則武知宏がやや巻き返しに出て来るが、第4ラウンドには、西原の右のパンチで則武が3度ノックダウンしたところで西原のノックアウト勝利となった。則武はノックダウンの度に立ち上がり、しぶとく喰らい付いて来る感じだったが、見えなかったという西原の右のパンチを躱し切ることは出来なかった。

則武知宏も底力を見せる中、西原茉生が徐々に攻勢を強めていく中でのパンチの交錯

変則的なタイトル戦ながらKOで王座獲得した西原茉生、真のチャンピオンへ防衛戦は成さねばならない

◆第6試合 51.5kg契約3回戦 

ジャパンキックボクシング協会フライ級2位.細田昇吾(ビクトリー/ 51.4kg)
20戦12勝(2KO)6敗2分
        VS
モート・エイワスポーツジム(タイ/ 50.05kg)約180戦超
勝者:細田昇吾 / KO 2ラウンド56秒
主審:椎名利一

細田昇吾が先手を打つパンチとローキックで前進。モートはスロースターターで受け身の下がり気味。第2ラウンドに細田が右ローキックを蹴り込みと、モートがあっさり倒れ込んで立ち上がれずテンカウントを聞いてしまった。

◆第5試合 ウェルター級3回戦  

ジャパンキックボクシング協会ウェルター級1位.正哉(誠真/ 66.4kg)10戦6勝(2KO)4敗
        VS
同級3位.細見直生(KICK BOX/ 66.0kg)3戦3勝(1KO)
勝者:細見直生 / TKO 1ラウンド2分17秒
主審:勝本剛司

細見直生が正哉を上回る勢い有る蹴りとパンチで攻勢を保つ中、右フックが正哉のアゴにヒットさせ、ノックダウンを奪うと正哉は何とか立ち上がるも俯き気味でカウント中にレフェリーがストップした。

◆第4試合 ライト級3回戦

ジャパンキックボクシング協会ライト級4位.林瑞紀(治政館/ 61.1kg)
14戦7勝(1KO)6敗1分
        VS
岡田彬宏(ラジャサクレック/ 61.0kg)8戦4勝(1KO)4敗
勝者:林瑞紀 / 判定3-0
主審:西村洋
副審:椎名29-28. 中山30-27. 勝本30-29

◆第3試合 53.0㎏契約3回戦 

花澤一成(市原/ 53.0kg)7戦1勝(1KO)4敗2分
     VS
徹平(ZERO/ 52.9kg)5戦3勝2敗
勝者:徹平 / 判定0-3
主審:少白竜 / 判定0-3
副審:椎名27-30. 西村27-30. 勝本27-30

◆第2試合 ライト級3回戦  

菊地拓人(市原/ 60.9kg)3戦1勝2敗
     VS
尾形春樹(チームタイガーホーク/ 60.9kg)1戦1敗
勝者:菊地拓人 / 判定2-0 (29-29. 30-29. 30-28)

◆第1試合 フェザー級3回戦 

JOE(誠真/ 56.65kg)1戦1敗
     VS
松岡優太(チームタイガーホーク/ 56.7kg)2戦1勝1分
勝者:松岡優太 / 判定0-3 (29-30. 28-30. 28-30)

 

政斗は応援団へ感謝のアピール、多くの想いが甦って涙のアピールとなった

《取材戦記》

KICKBOXジムの鴇稔之会長は「皆川裕哉もやっと目黒一門のチャンピオンに成りましたが、先代目黒ジム会長の名言どおり、防衛しないと真のチャンピオンとして認めて貰えないので、初防衛したら先代が認める真のチャンピオン認定ですね。」と語るとおり、皆川裕哉も「次の目標は防衛です。今日のこの嬉しさを誰にも渡したくないです!」とこの快感は誰にも味わわせない覚悟と、目黒ジムの掟、防衛してこそ真のチャンピオンを果たす意気込みを語った。

大地フォージャーは勿体無い戦い方だった。ジャブの付き合いは政斗が先に当てて主導権を握った。効いてしまいノックダウンした大地に「打ち合いを避けて第3ラウンドまでフットワーク使って休め!」と言いたくなる大ピンチ。「ドン臭い試合してでも初防衛はしておいた方がいい」とは前日計量時に声掛けたが、そんな5回戦を有効に使う戦い方を出来なかったものか。厳しい現実の中、また出直しである。

勝者で新チャンピオンと成った政斗は、2020年1月5日にモトヤスックと同門対決で初代王座決定戦を争い、ヒジ打ちにより敗れ去って以来の二度目の挑戦での戴冠。政斗にとっても意地があっただろう。ジャパンキックボクシング協会の顔としての自覚もすでにあり、こちらもまた戴冠の義務、初防衛を目指して貰いたい。

次回、ジャパンキックボクシング協会興行は5月19日(日)に市原臨海体育館に於いて市原ジム興行が行われます。昨年の興行タイトルはコロナ明けからの「Road to KING」今年はPart.2となるでしょう。

7月28日(日)は後楽園ホールに於いてビクトリージム興行「KICK Insist.19」が開催予定です。

2023年の表彰された6名の選手は前列に並び、後方は役員(とラウンドガール)

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

« 次の記事を読む前の記事を読む »