8月11日、共産党の小池晃政議員が平和安全法制特別委員会で、自衛隊統合幕僚監部がスーダンへの追加派遣決定前に部隊配置などの資料を作成していたと指摘、「国会を無視した行動だ」と批判した。さらに中谷防衛大臣も「資料の有無を確認する」などと明確な返答を避け、委員会は中断した。共産党からデータが出たからには、中国共産党が関与しているとの噂もある。「国会の審議中に法案の内容を先取りするようなことは、控えなければならないと考えている」(中谷元防衛相)「南スーダンPKOを年明けから今度の法制に基づく運用するって書いてある。こんな検討をしているということが許されるんですか」(共産党・小池晃参院議員)「防衛省としては、法案の内容を十分に分析研究しつつ、隊員によく 理解してもらうといううえでの検討だと認識しています」(中谷元防衛相) などなど白熱している。

議論はいまも続き、右派左派ともに「首相は自衛隊を把握できていない」などと論を繰り広げているが、当の自衛隊は政府の、法案に対する無理解に頭をかかえているだろう。


◎[参考動画]2015.8.11参院安保法制特別委員会での小池晃議員(日本共産党)の質問(約16分)

◎[参考資料]小池議員が提出した「自衛隊統合幕僚監部資料」より(日本共産党HP内PDF)

自衛隊の目的は「有事」の際の対応であり、事前に想定して準備しておかないと本番で隊行動の遅れが生じる。この「有事」がたとえば「ブラジルへ派兵する」などのようにまず生じないであろうものを省き、できるだけ多く(国難に陥ることも含めて)想定と対策を練って「想定外」のことが起きないようにする。そして、本当に何か起こった場合に事前検討データを元に作戦を実行する。もっとも、なかなか「想定外」をなくすのは難しく、昨年7月、自衛隊が韓国軍に銃弾を貸して問題となったのもスーダンだ。自衛隊も、韓国軍も国際世論までは考えつかなかったらしい。

国会で検討されている以上、自衛隊ではスーダン追加派遣は「起こりうる可能性が高い」と判断する。国会で決まれば、自衛隊では国内のどの部隊を派遣するか、輸送方法も海自が担当するのか、空自になるのか、大量の内部調整が必要になる。スーダン第一次派遣では自衛隊はロシア機をチャーターしている。外国政府との胃がきしむような折衝も必要なのだ。法案が通過してから検討していてはロスが生じる。もちろん、自衛隊では「PKO法案が破棄された」想定での検討も行っているはずだ。自衛隊が通常業務を普通に行っていたら、共産党が鬼の首でも取ったように騒ぎ立てる。そもそも兵力の展開予定は国家機密である。防衛大臣も「機密だから答えられない」と、当たり前のことを返せば済むのに、自衛隊の出動条件については、答えを濁している。

たとえば、外務省のHPには、こうある。

国連PKOの基本三原則

国連PKOの活動は,失敗や挫折を経ながらも,現在は基本三原則を順守して行われています。一つ目の原則は「主要な紛争当事者の受入れ同意」です。これは,国連PKO自体が紛争当事者となってしまう事態を避けるためのものです。二つ目の原則は「不偏性」です。これは単に国連PKOが中立の立場を貫くということではなく,国連PKOは特定の紛争当事者を優遇することも,差別することもなく,その任務を実施しなければならない,ということを表したものです。文民に危害を加える紛争当事者がいれば,国連PKOは見て見ぬふりをせず,文民を保護する任務を全うしなければなりません。三つ目の原則は「自衛及び任務の防衛以外の実力の不行使」です。国連PKOにおける実力行使は,他の手段が尽くされた場合の最終手段であり,かつ国連が定める武器使用基準に従って自衛や任務遂行のために必要最低限の範囲で行われます。ここでの実力の行使は,国連憲章第2条4で禁止されている「武力の行使」には当たらないとされています。(外務省ホームページより

そう、PKOは原則的に「武力行使」にはあたらないのだ。なぜ論戦でそうしたコメントが出ないのか不思議だ。

もっといえば「なぜスーダンに自衛隊が行くのか」の議論も欠落している。防衛省のホームページにはこうある

Q3.南スーダンへ自衛隊を派遣することの意義は何ですか。

A3. 南スーダンは、長年の南北スーダン間の内戦と、和平合意の履行を経てようやく2011(平成23)年7月に独立を果たしました。しかしながら独立から3年半経過した今、国内における政治的混乱の解決が南スーダンの国造りの大きな課題となっています。豊富な資源を有する同国の平和と安定は、アフリカ全体ひいては国際社会の平和と安定のため重要であり、国際社会全体が協力して取り組む必要があります。

我が国は、国際社会の責任ある一員として、主要国と協調して、南スーダンの平和と安定に積極的に関与すべきであり、特に、UNMISSの下、施設作業などの得意分野において行う人的貢献は、国連の期待に応えながら南スーダンの平和と安定に貢献するとの観点から、大きな意義を有しています。諸外国などに自衛隊の能力を示す機会にもなり、我が国に対する信頼向上にも資するものです。(防衛省のホームページより

この騒動は海外在住の、特に軍事関係者に日本の政治家が「自国内での自衛隊の通常業務を知らない」そして「PKOについて知らない」さらには「スーダンで何が起きているか知らない」という三重のバカさ加減を世界中に知らしめることとなるだろう。政治が大きく劣化し始めたのだ。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。

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月刊『紙の爆弾』──タブーなきスキャンダルマガジン!

 

キックボクシングの「BLADE.2」は8月1日、大田区総合体育館で15時から行われたが、実は開場は13時30分。正午には、もはや37度を超えている猛暑の中、大田区総合体育館の入り口には、ケバブ、カレー、パン、ホットドックの売店が並んでいた。

◆食事処「不毛地帯」の大田区総合体育館が会場なのだからフード店充実を願う!

このあたりの地域は格闘技ライターなら知っているが「地図から食事処が、ほぼ消えたエリア」だ。たとえば大田区総合体育館のすぐ横にはラーメン屋があるが、このほかに歩いていける食事処を探すのは至難の技だ。第一京浜を歩き、ローソンで右折、JR蒲田駅方向に歩くとレストランや食堂の選択肢が広がるが、遠すぎる。ローソンで買うにも、もはや早く来た客が弁当を買って売りきれるケースも多い。

「実は、正午から体育館入り口でフードを買えるといったって、開場は13時30分だから、食べる場所は13時30分までないんだよ。だから、みんな食べてから来るか、体育館の中で、あらかじめコンビニで買ってきた弁当なんかを食べるのでしょう。ここの体育館入り口付近のフードはいつも売れないよ」(格闘技雑誌ライター)

なるほど、正午から13時30分まで見ていたが、4つの店でフードを買ったのは、わずかに25人だった。ただし、パン屋で販売していたかき氷は、つぎからつぎへと客が「レモンください」などと押し寄せていた。

正午ごろ、カレーショップに「この時間に買っても食べる場所はありませんよね」と聞いてみたが、「開場したら、中で食べられると思います」とのこと。そもそも、この猛暑の中をケバブも、カレーも、焼きたてとはいえパンも、ホットドッグも食べる気にはならないのがたいていの大衆の嗜好ではないのか。

「駅前で冷やしうどんを食べました。そうですね。冷やし中華とか、冷やしそばとか、冷えたサンドイッチとかが体育館入り口にあったら買ったかもしれませんがまずないですからね」(40代の男性)

僕は、体育館横のラーメン屋に入り、つけ麺をオーダーした。なかなか独特のコクがある鰹節風味だ。

確か5月に別の格闘技のイベントで来たときも、正午近くで食事に困った記憶がある。会場が開くまで食べる場所がないのに、なぜ売店でフードを売るのだろう。このあたりの「かゆいところに手が届かない」運営のいたらなさが、キックボクシングのファンがいまひとつ集まらない原因のような気がする。

◆『BLADE FC JAPAN CUP』は「無敗の16歳」那須川天心が予想通り優勝!

キックボクシングの「BLADE.2」の今回の目玉は、「-55kg」の王者をトーナメント形式で8人が争う『BLADE FC JAPAN CUP』で、デビュー以来6戦全勝で第6代RISEバンタム級王者となった「神童」こと16歳の那須川天心を誰が止めるかに大会の話題は集中していた。おおかたが予想した通り、那須川天心が現役高校生とは思えぬふてぶてしい勝負度胸と常識離れしたスピードで圧倒、いとも簡単に賞金の300万円を手にし「いや、さすがに3戦連続は疲れました」と笑顔を見せた。その賞金の一部でぜひキックの大会の改革をお願いしたいものだ。

ただし、フードはまったくNGで残念でも、「BLADE」のスタッフの動きは機敏で、「席がわからない」と客がいえばすぐにスタッフが連れて行き、客が選手について質問すれば「戦績がこうで、得意な技はこうで」と気さくに解説してくれるし、選手と客が撮影するときも自らカメラマンをかって出る気配りを見せてくれた。このような気配りのある真摯な運営姿勢と、那須川天心のようなスターの創出、この両輪がキックボクシングを、きっと明るくするだろう。

◆「神童」那須川に負けじと黄色い声援を集めた格闘家の武蔵

この日、女子の人気を集めるという点では、アルメン・ペトロシアンと真っ向勝負して惜しくも判定で敗れたひょうきんな男、城戸康裕もいたし、ワイルドな顔つきで女子の人気沸騰中の谷山俊樹も、ジャニーズにいそうなさわやかイケメン、小笠原裕典もいたのだが、「神童」那須川に負けじと黄色い声援を集めたのは、なんと解説でやってきた格闘家の武蔵だ。
「いまだに、太い胸板と、ごついマスクで渋い男らしさを感じる。引退して5年もたつのに締まった体つきは素敵のひとことです。あのスラッとした立ち姿にしびれます」(25歳・フリーター)
「あれだけK-1を引っ張った貢献者なのに、偉ぶらないところが好きです」(28歳・OL)

武蔵は、スカイAの番組解説でやってきたが、同世代の天田ヒロミが42歳でいまだに現役で頑張っている姿に触れた。天田も一度ノックアウトされたが、最後まで踏ん張り、判定に持ち込んで30~40代の女性の「黄色い声援」を受けた。これを見て、武蔵は「熟年格闘技家として、私のかわりにガンバっていただきたい」とエール。

東側のスタンド前にカメラが映り、休憩の間に、解説陣を集めて行われた、勝者予測のコーナーでは、われもわれもとファンが撮影ポイントに押しかけて、映像の照明マンがライトを踏ん張って、照明がもてなくなり、ぶれる始末。映像カメラマンが「まったく(照明が)あたってない。しっかりあててください」と怒鳴り声が響いた。

うだるような試合会場は那須川が出てくると別な会場みたくテンションが上がる。まるで「那須川の、那須川による、那須川のための」大会となったが、ところがどっこい「まだまだ渋いおじさま格闘家」の武蔵にも女子の熱い視線が送られているのが意外だった。

記者はたった9人で、ややさみしいものがあるが、「神童」人気と、熟年パワーで「BLADE」は今後も盛り上がっていくだろう。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。

◎《格闘技“裏”通信04》BLADE.2 JC-55kg──優勝候補は16歳の那須川天心!
◎不良競馬ライター、30年ぶりに大井競馬場で勝負してみた
◎売り子に視界を遮られ、肝心なプレイを見逃す東京ドームのキャバクラ化
◎川崎中1殺害事件の基層──関東連合を彷彿させる首都圏郊外「半グレ」文化

「新国立競技場茶番劇」の大トリ 安藤忠雄の逃走──詳細はタブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』9月号で!

 

僕は、人生で3度、競馬に仕事として携わった。

一度目は、学生のときに、大井競馬場で警備のアルバイトをした。
負けた客は気性が荒く、人をつき飛ばして歩いていたり、いち早く無料送迎のバスに乗り込みたくて、ダッシュで駆け込むのを注意して、殴られそうになるなど、とても危険なバイトだった。

二度目は「東京中日スポーツ」という新聞社で記録係のアルバイトをしていたときに、記録すべき対象として見ていた。具体的な仕事としては、予想でもなく現場のルポでもなく、「その日の戦績」をひたすらフォーマットに流していくのが仕事だ。確か「武豊の恋人」と呼ばれたシャダイカグラが89年に桜花賞、ローズステークス、ペガサスステークス、そしてJRA最優秀4歳牝馬を受賞した年で、JRAは人気絶頂の中にあった。

とりわけ、なんのレースであれ、一直線に並んで突っ込んでくる前から撮影したアングルには、感動のひと言。そして、社会人になり、編集プロダクションにいた僕は『競馬の達人』という光文社の雑誌の競馬企画を作ることになった。とはいうものの、僕よりも競馬に詳しいライターが当時二人もいたので、制作進行にまわることになった。

このときにたてた企画は、おもしろかった。
「競馬で負けた客は、もしかしてくじ運まで悪いのか。帰りがけアミダくじ勝負!」
「3位が定位置、ナイスネイチャという生き様」
「土曜3時の天使、斉藤陽子に密着取材」
などなど、変化球ばかりの企画だったが、負けた人たちが本当にくじ運が悪いのには驚いた。確か20人にやってもらって、くじで勝ち抜いて図書券をもって帰ったのはひとりだけだったような気がする。

◆若いOLたちもやってきて、すっかりおしゃれになっていたナイター競馬

そして30年の時を経て、大井競馬場にやってきた。
浜松町からモノレールで大井競馬場駅へ。駅を降りるとそこはもう馬舎が連なっており、馬糞の匂いが鼻をつく。
実はナイターで競馬を一度は見てみたいと思っていた。
かつてよりは食堂も、パドック周辺もきれいに整備されて、夜になるとライトアップがとてもおしゃれだ。若いサラリーマンたちが男女混合でビール片手にゴール前に陣取っていたり、若いOLがふたりで競馬新聞を片手にやってきているのにも驚いた。

果たしてこの日、大井競馬場には、イメージキャラクターの剛力彩芽が来ており、レースの合間にファンに向けて話をしていたが、「実は競馬はよく知りません」とのたまい、ファンに「ひっこめ」とヤジを飛ばされる始末。

地方競馬だと舐めてかかってはいけない。この日もメインレースには、中央競馬の武豊が騎乗して、5番人気の馬をうまく操り、2位にすべりこませていた。

そして、8Rから11Rを100円ずつちびちびと買い、トータルではマイナス150円。感想としては「仕事ではなく、手ぶらで競馬をやるとこんなにも楽しいのか」が、正直なところだ(こうして書いているので、仕事になってしまったが)。

もしチャンスがあれば、今度はゴンドラ席に陣取ってみたいものだ。

◆ゴールドがまさかのスタート失敗

28日の阪神競馬場における「宝塚記念」をたまたま見ていたが、ものすごいことが起きていた。
————————–スポニチ・アネックスより———————–
【宝塚記念】ラブリーデイG1初制覇!ゴールドまさかの15着 スポニチ・アネックス 6月28日(日)16時10分配信
<宝塚記念>ゴール前、逃げ切り快勝のラブリーデイ(奥)
第56回宝塚記念(G1、芝2200メートル・晴良16頭)は28日、阪神競馬場11Rで行われ、川田騎手騎乗の6番人気、ラブリーデイ(牡5=池江厩舎、父キン グカメハメハ、母ポップコーンジャズ)が、直線抜け出し優勝した。勝ち時計は2分14秒4。

1番人気のゴールドシップが大きく出遅れる波乱のスタートからレッドデイヴィスが先頭に立ち、2番手にラブ リーデイ、その後はトーセンスターダム、ネオブラックダイヤなどがつける展開。

4コーナーから直線に入り、逃げたレッドデイヴィスが苦しくなると、2番手でレースを進めたラブリーデイが 一気に抜け出す。直線半ばを過ぎ、外からデニムアンドルビーが猛追するが、最後までしぶとく粘ったラブリーデイが首差抑えてG1初制覇を 果たした。

2着デニムアンドルビーから1馬身1/4差の3着にはショウナンパンドラが入った。なお、史上初JRA同一 G1・3連覇に挑んだゴールドシップは15着に敗れた。

◆ラブリーデイ 5歳牡馬、父キングカメハメハ、母ポップコーンジャズ。北海道安平町のノーザンファーム生 産。馬主は金子真人ホールディングス。戦績は23戦7勝、重賞4勝。獲得賞金は4億2806万1千円。

————————–スポニチ・アネックスより———————–

こう見ると、いかにもスタートが遅れただけという感じがするが、じっさい、ゴールドシップは、前足をそろえてスタート時点で立ち、「スタートしたくない」という意志を示したのだ。

「まさかとは思うが、同じレースを3年連続で制覇した、初めてのケースとなる期待が多すぎたと馬が感じたのだ ろうね。賢い馬は、そうしたことをちゃんと感じ取るのさ」(競馬ライター)

買わなくてよかった。そもそも、栗東や美浦のトレセンに行き、早朝から馬を見て、調教師や厩舎関係者たちにも話を聞いているプロの競馬記者たちが当たらないのに、素人が当たるわけがない。

ましては日刊スポーツの表紙を飾っていた「馬券勝負師」は大外しだ。誰とは言わないが。

かくして、僕は再び競馬の世界に戻ってきた。
不良競馬ライターとして、もし伝えることがあれば、ここで展開しよう。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
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8月1日(土)東京・大田区総合体育館で開催される『BLADE.2 JAPAN CUP -55kg』の記者会見が、6月8日(月)都内にて行われたのでいってきた。

概要と一部対戦カードが発表された。 注目の55kg級トーナメント、REBELSの山口元気代表によれば、「誰が天心選手を止めるのか、止められる存在になれるのか」と、天才にして、優勝候補である16歳高校生キックボクサー、6戦無敗のRISEバンタム級王者・那須川天心(TARGET)をメインファイターとして指名。テーマを「ストップ・ザ・天心」とした。那須川は「中心選手と思われて光栄です。誰が来ても勝てるように練習したい」と強気に発言をしていた。

中央が那須川選手(グレーのスーツ)

6戦無敗のRISEバンタム級王者、那須川天心選手は16歳の高校生

WBCムエタイ日本・INNOVATIONの2冠王・宮元啓介、UKF世界スーパーバンタム級王者ユウ・ウォーワンチャイ(大田原友亮/ウォーワンチャイムエタイジム)、REBELS王者工藤政英、REBELS推薦・小笠原裕典の5選手出場が発表、他は調整中としている。

とりわけ城戸康裕がペトロシアン弟に挑むが、アウェイの外国で「わけがわからない、自転車をこぐ健康診断をやらされて疲弊した」とぼやいていたが、リベンジなるか。

本格的なキックを見たいなら、今現在は、見るイベントは限られる。なにしろキックボクシングは、それぞれの団体が仲がよろしくなく、ひじ打ちがあったりなかったりするのでルールも統一されていない。くわえて、誰もがキックのムエタイの王者になりたがるので、さっぱり意味がわからない。そもそもキックとムエタイは別物で、ムエタイは技を競うスポーツ。ムエタイは、キックとちがってノックアウトを美しいものだとはみなさない。相手の攻撃をうまくかわして勝利することが「もっとも美しい勝利」とされているからだ。

また、このところ「キックボクシングエクササイズ」なるものもできた。音楽に合わせてエアロビのようにパンチやキックを繰り出す。これは全身運動なので、かなり引き締まる。

かくいう僕も月に2、3度行くが、ひとりでやる気にはなれない。周囲には二十代、三十代の男女が踊ってパンチを繰り出しているが、やはりみんなで楽しむものなのだろうと思う。市の、もしくは区のスポーツジムでもクラスとしてやっているので、運動不足のむきは、探してみるのもいいだろう。

◆元K-1世界王者ピーター・アーツ、またもや正式引退を発表

またもか、という気がするがこの会見では、昨年12月29日に開催された『BLADE.1』のリング上で、次回大会に出場することを表明していた元K-1世界王者ピーター・アーツ(オランダ)だが、負傷の回復が思わしくなく正式に引退することが発表されていた。

アーツはビデオレターの中で、「ケガの回復が思わしくなく自分は引退することを決めました。もう試合は出来ません。今後は指導者として選手を育てていきます」と語っている。

「いったい、何度目の引退なのか。大会のたびに目玉として呼ぶのはいいが、客寄せ選手としては、疲れたのではないか」と関係者はささやいている。

2013年12月、東京・有明コロシアムにて開催された『GLORY 13 TOKYO』で引退試合を行ったアーツだが、その後、引退を否定。数試合を行ったが今回は本当に現役引退のようだ。

とにかく5月に村越優汰(湘南格闘クラブ/RISEバンタム級王者)をKOで倒した那須川の俊敏な動きとハードなパンチ、キックに注目したい。ドラマは8月1日に必ず起きるであろう。

[BLADE] http://blade.jp.net/

■BLADE.2 JAPAN CUP -55kg
日時:8月1日(土)開場13:30 本戦開始15:00
会場:大田区総合体育館 最寄り駅京急線「京急蒲田」駅・「梅屋敷」駅
中継:ニコニコ生放送で生中継 7時間全試合CS放送「Sky・A sports+」8/4(火)18時~25時(9月に選手インタビュー・バックステージを網羅した完全版放送)
チケット料金:SRS席 (1~3列)  20,000円、RS席 (アリーナ指定)  12,000円、S席 (1指定席)  8,000円、A席 (2自由席) 5,000円

●主なカード
<ISKA世界スーパーウェルター級(70kg級)タイトルマッチ 3分5R>
アルメン・ペトロシアン(イタリア/チーム・レオネ・ペトロシアン/王者)vs.城戸康裕(谷山ジム/挑戦者、WBKF世界70kg級王者、元Krush -70kg級王者)
<61kg契約 3分3R(延長1R)>
SHIGERU(新宿レフティージム/BLADE FC JAPAN CUP 2014 -61kg準優勝)vs.花田元誓(リアルディール/RISEフェザー級(57.5kg)王者)

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◎「THE OUTSIDER 第35戦」観戦記──朝倉海の強さと佐野哲也の安定感に注目
◎格闘技にエロスと笑いを共存させた美戦士達のCPE「キャットファイト」が凄かった!
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『紙の爆弾』──タブーなきスキャンダルマガジン

5月17日、ディファ有明で行われた「THE OUTSIDER 第35戦」に行って見た。冒頭、前田日明代表は「本日はお忙しい中、たくさんのご来場ありがとうございます。これからもOUTSIDERの選手、いろんなところでプロとの試合、他流試合を続けていって実力を発揮してもらいたいと思います。今OUTSIDERにいる選手は本当に…OUTSIDERはじめて8年目になりますが、ちょっと今までと違った可能性を持った選手が多いように思えます。どうぞ皆さんこれからも変わらぬご支援よろしくお願いします」と挨拶。(http://battle-news.com/?p=9066

伝えられるところでは、会場の「ディファ有明」を使用するのに、地元の自治会が違法駐車やタバコの投げ捨て、車の騒音などを問題し、会場使用が危ぶまれたが、しっかりと警備をして違法駐車は限りなくゼロ、周辺にも気を遣う運営となった。

◆7年目のアウトサイダー──朝倉海を筆頭に世界に打って出て勝負している選手たちが出て来た

まあ、ボクシングやキック、プロレスリング、空手、シュートなどプロの格闘技を山ほど見てきた僕にとっては、もはやアウトサイダーに敵がいなくなった朝倉海は、プロの格闘技ライターとしては、センスがあふれる選手ゆえに凝視の対象だ(ほかの選手がダメと言っているわけではない)。それほどに、朝倉のキックやパンチなどの攻撃のコンビネーションと防御は冴えている。この日は、蹴りで相手が場外に飛び出すほどだったが、「これだけ相手が守りに入っている中でよくぞ、崩した」とプロ格闘技の記者たちをうならせた。

アウトサイダーは7年目だが「不良どうしのケンカで金をとってどうする」と揶揄された。だが、今では、選手たちが世界に打って出て勝負している。これは非常にいいことだ。

朝倉(右)と前田代表

◆格闘技を続けるために警察学校をやめた佐野哲也の安定感

実は、もうひとり注目しているのが、プロの総合格闘技家の佐野哲也だ。佐野は、埼玉大学教養学部卒の秀才で、格闘技を続けるために警察学校をやめたという異色の経歴。実は「格闘技ブログ」のライターでもあり、「書く側」と「書かれる側」でもあるのだ。 佐野は33歳とやや全盛期をすぎたきらいはあるが、やはりバウンド(寝技)でよし、打撃もよし、打ち合いもよしと三拍子そろっていて安定感がある。

次戦は7月19日に、「70-75王者」のランボルギーニ・ヨシノリとタイトルマッチを行う。

はっきりいって年齢ゆえにきついだろうが、がんばっていただきたい。

このほかにも今後は、見所がある選手がたくさん出てくるだろう。だが今の時点で、プロの格闘技ライターたる僕が注目しているのは、この2人だけだ。僕に注目されたかったら、選手よ、いい試合をやってみせよ。

◆「総合格闘技を通じて人生を正しく素晴らしいものに出来る」(前田日明代表)

さて、アウトサイダーのもうひとつの魅力は、「スペシャル・バウンサー」として、格闘家の村上和成と2ショットが撮れたり、握手したりもできるという点だ。村上の魅力をひとことで表現するもの難しいが、「PRIDE.1」時代やや佐竹と死闘を繰り広げた試合、そしてプロレス結社魔界倶楽部を知る人にとっては、「レジェンド」である。さらに、ラウンドガール(アウトサイダーではDIVAと呼ぶらしい)のレベルもかなり高いといえる。

話を試合に戻すと、表彰式が終わった後に、前田代表が「長い間のご観戦、本当にありがとうございます。冒頭にも述べましたようにですね、新選手がいろいろな地方の大会、海外の大会……まぁ勝手に出た選手もいるんですけど(苦笑)、結果良ければすべてヨシってことで。まあ知らない間にですね、どんどんOUTSIDERのリング上も実力伯仲みたいで、これからもどんどん新しい、いろいろな交流をさせていきたいなと思います。ただ世間から見たらOUTSIDERは何か不良の危険な大会って思っているようですけど、そうじゃなくてですね。本当に総合格闘技を通じて人生を正しく素晴らしいものに出来る、そういう大会にしていきたいと思います。これからも選手たちを温かく見守ってくれるよう、よろしくお願いします」と挨拶した。

また、女性選手が声援を集めたことに触れて「盛り上がったね(笑)。試合自体はなんてことない試合なんだけど、女の子のほう募集がいまいち伸びないんですよね、なかなか。一番最初女子を企画した時女の子ですごいレベルが高いジム集団みたいのがあって、そこが事務所同士で試合したくないって組めなくて、その子達が出てきたらそれはそれであるなと。でもその子達ジム生同士試合しないんで、相手になる子達がちょっとね、レベルっていうとちょっとどうなんかなって。女の子の選手の層がどれぐらいあるかってイマイチ掴めない、情報がない」と話した。(http://battle-news.com/?p=9066

今度の大会では、千両役者の吉永啓之輔も帰ってくる予定だ。

さて、夏の大会では誰がヒーローとなるだろうか。

○リングス公式サイトhttp://www.rings.co.jp/
○[youtube]The Outsider Promotion
○[facbook]株式会社リングス

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
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売り子に視界を遮られ、肝心なプレイを見逃す東京ドームのキャバクラ化
アギーレ解任前から密かに後任候補を探していた日本サッカー協会の本末転倒

仕事でいまだに年間300本近くのAVを見るが、まったくしがらみもお仕着せもなく、もしおすすめできる人妻女優がいるとすれば、3人にしぼられるだろう。

◆雪菜のお勧めは「美人妻が嵌った誘惑エステマッサージ」

雪菜「美人妻が嵌った誘惑エステマッサージ」MAXING

まずは雪菜。雪菜は、「女雀士」という肩書きで、衝撃デビューを果たした。コケテッシュで、スレンダーながらも巨乳。腹筋も締まっている。麻雀プロなのにもかかわらず、麻雀をしているAVは1作のみで、その姿こそプロならではのツモりかたをしていたが、「リーチ」のときに誰も点棒を出さない点を、雪菜は指摘しなかったのだろうか。まあ重箱の隅をつついていてもしかたがない。

AV女優は「普通に撮る」「無理めな尺八を受ける」「精子をかぶりまくる」「乱交する」「SMする」「何十発も入れられる」「黒人とする」「野外でする」という、だんだんエスカレートするコースを歩むものだが、雪菜とて例外ではない。

ただ、特筆すべきは、通常であれば、月に何作もリリースして飽きられるという売り方ではなく、それ相応に作品をリリースする間隔をあけていることだ。つまり、メーカーは、雪菜が今度、どんなセックスをするのか、首を長くして待っている「枯渇状態」を作っているのだ。

作品はすべて「マキシング」というメーカーから出ているが、「美人妻が嵌った誘惑エステマッサージ」(マキシング)がおすすめだ。エステに訪れた人妻が、エステの秘密をする。それは、イケメンの店長が、ひそかに秘部をマッサージしてくれる上に、極太の肉棒をぶちこんでくれる。もはやエステに通い、欲望を解放させるのが日課となった雪菜は、日中からエステで愛撫を受けて、愛液をしとどに垂らす。やがて欲望は究極までふくらみ、ついに雪菜はこう店長に懇願する。「主人が休みの日に、家に来てくださいませんか」と。その哀願の刹那に、男たちのリビドーは爆発するのだ。

◆『ごめんなさい、あなた…。』の林ゆな

林ゆな「ごめんなさい、あなた…。」プレステージ

さて2人目を紹介しよう。「38歳ながらも、重力に逆らう乳房と美尻」のキャッチコピーで人妻AV女優としては、スマッシュヒットを連発しているのが林ゆな。2013年12月にプレステージからデビューして、早くも37タイトル。確かデビューした作品は『パーフェクト過ぎるFカップ人妻 林ゆな38歳 AVデビュー』(プレステージ)で、「浮気している旦那への腹いせ」としてAVに出たとのことだが、セックスを繰り返すごとに、乳房も尻も張りが出てきて、どんどん艶っぽくなってくるのがすばらしい。

あえてひとつ選ぶとすれば、チョイスが難しいが『ごめんなさい、あなた…。 林ゆな』(プレステージ)だろう。なにかのまちがいで、旦那が犯罪を犯してしまう。刑務所に面会に行った帰り、旦那の同僚に励まされるが、あまりにもつらすぎて同僚の体を求めてしまう。雨の中で「同僚」の目線の温もりに耐えられず、男の温もりを求めて、旦那以外の男を初めて家にあげるゆな。そして背徳の時間が始まるのだ。

林ゆなは、挿入されると、あるいは愛撫されると、腰がびくん、とエビ反るのが特徴だ。とりわけ、後ろからインサートされている場面では、男根がちぎれてしまうのではないか、と心配するほど腰を上下にピクつかせている。まあ、林は顔がイタリアのセレブ妻のような雰囲気を漂わせているので、ダイナミックな官能と、肢体のリアクションも込みで人気の秘密なのだろう。いずれにせよ、林の年齢にあらがうかのような「若さ」には着目すべきだ。

◆『罪深き秘蜜の関係』の竹内紗里奈

竹内紗里奈「罪深き秘蜜の関係」アタッカーズ

最後に推薦したい人妻女優は、おそらくあまり知られていないだろうが(失礼)、竹内紗里奈(※現在は引退し、『竹内ゆきの』名義で女優として活躍中)とする。竹内が急浮上する理由は、ここのところ、AV市場は、人妻ものが定番で、なおかつ「ドラマ性があるもの」が売れているからだ。つまり竹内の武器は「演技」である。雪菜も、林ゆなも人気を博しているのは、それなりにドラマ性がある作品に耐えうる演技をしているからだ。

もちろん、台詞使いや、表情などはプロの女優には足元にも及ばないが、そのプロの女優に迫る勢いなのが竹内。白い肌も、貞淑そうなふるまいも、和風な物腰も魅力だ。しかしながらインパクトに欠けるそのたたずまいは、本来であれば、もしかしたら企画系AV女優で終わってしまうかもしれなかった。だが竹内を起用したメーカーたちは、この時代ならではの「人妻の背徳」を背景にした作品でさえを見せる竹内に太鼓判を押すだろう。監督たちは、さすがに先見の明があったのだ。

あえてあげれば、作品としては、『罪深き秘蜜の関係 竹内紗里奈』(アタッカーズ)が秀逸だと思う。ドラマ性を重要とするアタッカーズは、「いけないながらも、体が男を求めてしまう」という背徳性と、その倫理に逆らう肉欲との葛藤がテーマだ。

作品のストーリーはこうだ。竹内は、旦那の弟から衝撃の告白を受ける。旦那の遺伝子鑑定をしてみると、実は旦那と父親は実の親子でないというのだ。旦那の弟は「兄が管理しているオヤジの貯金通帳を寄越せ」と竹内に迫り、ついでに「兄貴と縁を切るのはいいが、あんたと切れるのはもったいない」としてレイプされてしまうのだ。そして、何度も犯されるうちに「女性としての悦楽」に目覚めてしまい、すべてを捨てて弟のもとにバッグひとつで駆けつけるのだ。

弟がひそかに家に遊びにきたときに驚く表情、そして弟に抱いてほしいと懇願する、そのエロチックさと大胆さ。監督の計算を超えて、竹内の白い体は男を求めてうねりだす。かくして、3人の女優は、見せ所を知っている。この時代に、輝くにはあまりにも純粋で、希有な人妻女優たち。ひとつ、このゴールデンウィークは、彼女たちの肢体を堪能するのもいいかもしれない。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)

テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。

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◎売り子に視界を遮られ、肝心なプレイを見逃す東京ドームのキャバクラ化

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プロ野球が開幕した。3月28日、14時開始のプロ野球「巨人―横浜DeNA」 戦を、東京ドームの「内野アルプス」席で初めて見た。かなり急角度に作られた観客席は、まさに登山している途中のような席だ。3塁側だったが、内野を見下ろす感覚で、文字通り「下界で野球をやっているなあ」という感覚だ。ただし、球場全体が見渡せて、ひじょうに気持ちがいい。

東京ドーム「内野アルプス」席は球場全体が見渡せて、気持ちがいいのだが……

それにしても腹がたつのが、ビールやソフトドリンクの売り子たちが目の前の通路を横切ると、プレイが瞬間的にせよ、見れなくなる点だ。横切られると、選手たちが視界に入らなくなる。

カウントしていたが、平均すれば30秒に一度「ビールいかがでしょうか」「ワインクーラーいかがでしょうか」「アイスのモナカはいかがでしょうか」とやられる。

もちろん、ドーム球場の売り子たちは雑誌でグラビアが組まれるほどかわいいコぞろいで、とくにビールの売り子は、ほかのドリンクを売る子とは明らかに質がちがう。かわいいコ選抜で「芸能界への登竜門」とも言われる。まあ実際は大学生や専門学校生など18~22歳がほとんどだ。

売り子たちは確かにかわいいコぞろいだが……

売り子たちは確かにかわいいコぞろいだが……

◆スタンドはまるで売り子と会話をするキャバクラ

試合は、開幕第2戦で、私がお気に入りの横浜DeNAの山口俊投手が投げているというのに、売り子のせいで何度もボールを見失った。「抑え」で挫折し、「先発」へと再転向した苦労人の山口のボールは150KM近いスピードに乗り、凝視しないと玉筋がわからない。それなのに、売り子のせいでしばしばボールを見失う。

スタンドは、まるで売り子と会話をするキャバクラのごとく

スタンドは、まるで売り子と会話をするキャバクラのごとく

頭に来ることに、このスタンドは、まるで売り子と会話をするキャバクラのごとくなっていて、「大学生? 何曜日に来ているの? 今日は何時まで?」とお気に入りのギャルからしか買わない客もいるから「おまえら、何しに来ているのか」と問い詰めたくなる。

7回裏をすぎて、私はついに頭にきてスタッフに「おい、プレイ中はせめてビールの売り子に通路を通るのをやめさせろ」と怒鳴っていた。売り子のせいでロペスのホームランを見失ったのだ。もっと言えば、巨人の阿部のフェンス直撃の二累打も見逃した。

「えーと、売り子にはなるべく通路で立ち止まらないようにと指導しているのですが」とスタッフは弁解する。

もちろん、球場で酒を飲むなとは言わない。かわいい売り子を目当てに球場に来ているというのも、男としてわからなくはない。神宮球場では、「美しすぎるビールの売り子」としてアイドル顔負けに人気を集める子もいた。だが、「ボールの動きが追跡できない」という観戦環境は、もはや論外だ。

ひるがえって、先日、後楽園ホールで観たボクシングでは、視界に運営スタッフが入ってきたので「リングが見えないからどいてくれないか」と申し入れると、すぐにしゃがんでくれた。

「興業でのサービス」とは何だろう。かわいいコを集めて、これでもか、これでもかとドリンクを売りつけていくことだろうか。ちなみにハイボールが800円だったが、これも値段の根拠がわからない。もしも球場に足を運んでほしいなら、500円で売るべきである。ちなみにコーラは260円だ。

◆打線陣に30億円を浪費する金満野球の巨人にあきれてファンをやめた

さて、ドームの試合は巨人のポレダ投手が打ち込まれ、巨人が大負けした。私は、かつて巨人を応援していたが、もはや昨年から応援していない。金満野球にあきれたのだ。

今年のメンバーを見ても、ここ4年ほどと変わっていない。阿部が捕手からファーストに転向し、いまだに高橋由伸、坂本、長野、亀井だ。くわえて、セカンドが弱点と分析するや、西武から片岡をとり、中日から井端を移籍させた。相変わらず金で勝利を買おうとしている怠慢な姿勢がみてとれる。

今、野球は「走る」というスタイルに戻りつつある。楽天のデーブ大久保監督は、「走る野球」を明確に打ち出している。走ることを忘れ、ひたすら長打を待つ巨人の野球がどう終戦を迎えるか楽しみにしたいところだ。

はっきりいって、打線で30億円も使って優勝できなければ恥知らずである。ちなみに西武ライオンズは10億円も使っていない。

◆球場の選手もスタッフも「プロ」と呼べる仕事をしてくれよ!

さて話をプロ野球観戦に戻す。久しぶりに球場に言ったが、鳴り物が少なくてホッとした。メジャーリーグでは、打球音を楽しむために、鳴り物などもってのほか。選手の応援歌を繰り返して歌うなど、 せっかくの「野球音」が聞こえずに台無しである。

こうしてみると、自分は野球よりも、本場アメリカの「ベースボール」のほうが好みだということに気がつく。なによりもボールが動くスピードが段違いだし、選手の配置も戦略も理論だっている。ファンだって野球を知っているし、選手をリスペクトしていてブーイングはするものの、個人攻撃的なヤジはしない。

あいかわらず、日本の優秀な選手は海外へと流れているが、「どうして日本のプロ野球に残ってもらえないか」をNPBのみならず、すべての野球関係者は考えてみるべきであろう。

「野球をチームでなく、注目の選手で追跡する」タイプの私は、今年は日本ハムの大谷や、メジャーリーグから帰ってきた「ストライクしか投げない男」黒田や、実はまだ現役を続けている、今後、5年で日本でただひとり200勝を達成しそうな西武の西口、はたまたソフトバンクからヤクルトに移籍した成瀬などに注目している。

果たして、球場のスタッフも選手も「プロ」と呼べる仕事をぜひ見せていただきたくない。少なくとも私たちは、決して安くないチケットを購入して観戦に行くのだから。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。

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3月18日、午後5時半から光文文化財団が主宰する『第18回「日本ミステリー文学大賞・特別賞・新人賞」「鶴屋南北戯曲賞」贈呈式が東京・日比谷の帝国ホテルで開催された。この式典は、あいかわらず豪華で、作家、文芸評論家、編集者、装丁家、デザイナーや文芸雑誌関係者ら400人近くが会場に訪れた。

今年の日本ミステリー文学大賞に選ばれた船戸与一氏の歴史巨編『満州国演義』(新潮社全9巻)。執筆には10年の歳月を要し、第1巻『風の払暁』(2007年4月刊)に始まり、ついに今年2月刊行された第9巻『残夢の骸』(2015年2月刊)で完結

『日本ミステリー文学大賞』に輝いたのは、さまざまな外国に出かけ、辺境や少数民族、そして常に虐げられる弱者を力強い筆致で描く船戸与一氏、『日本ミステリー文学大賞特別賞』には2013年10月に急逝した連城三紀彦氏、『日本ミステリー文学大賞新人賞』には、『十二月八日の幻影』を書いた直原冬明氏が、そして優れた戯曲に送られる「鶴屋南北戯曲賞」には『跡跡』を書いた桑原裕子氏が選ばれた。どちらかといえばこの賞は、「大賞」は功労に対して贈られ、「新人大賞」には可能性に対して贈られる。大賞は佐野洋、笹沢佐保、森村誠一らの大御所が、新人賞は大石直紀や緒川怜など、後に活躍することになる新鋭が受賞してきた。

◆出版不況で軒並み廃止されていく文学賞

それぞれにめでたいことだが、このところの文学賞は出版不況のあおりを受けて「審査員を減らす」「下読みを減らす」「賞金を減らす」の三重苦時代に入っており、老舗の賞がつぎつぎと廃止されている。

たとえば、椋鳩十児童文学賞が2013年の第24回をもって廃止されることが決定、長い歴史があり、「角川三賞」と呼ばれた角川小説賞、日本ノンフィクション賞、野性時代新人文学賞も2010年に廃止となった。島清恋愛文学賞は2011年に廃止、黒川弘行を生んだサントリーミステリー大賞は、2003年にとっくに廃止されている。また、一説によると「大賞作品が売れなくなってきているので、江戸川乱歩賞も存続が危ぶまれている」(中堅作家)のだとか。

「日本ミステリー文学大賞」の受賞パーティの様子(帝国ホテル)

会場で配られた光文社の文芸雑誌「ジャーロ」春号をめくつていると『本格ミステリー新人発掘企画 「カッパ・ツー」!』の募集要項ページがあり、『応募するのに、ページの応募券が必要で、しかも先着20名しか応募を受け付けない』とある。

「これこそ、審査を最小の単位でやりたいという出版社の消極的態度の表れです。応募中が多ければ多いほど、秀逸な作品があるわけですから。まあ審査する出版側も金がないからでしょうね。下読みの人たちの人数も減らしているわけですが、人数は減っても読む応募作の分量は変わらないわけですからね」(日本推理作家協会員)

◆「作家を育てる」文学賞が「自費出版ビジネス」にシフトしかねない本末転倒

まずいな、と感じるのは、出版社たちの間で「文学賞にエントリーするのに手数料をとったらどうか」という議論がなされ始めた事実だ。その背景には、文学賞を(一義的には)募集しておいて落選者に対して「惜しい作品なので自費出版をしませんか」という『自費出版ビジネス』へとシフトしたい版元の意向が透けてみえる。

自費出版を批判したいわけではなく、文学賞が「作家を育てる」という観点から、「応募者の純粋な執筆欲を利益に変換する」ことにシフトしていくなら、もはや本末転倒である。

「作家を育てることができる編集者が減っている。作家を育てるはずの私塾は、森村誠一氏が主宰の『山村正夫記念小説講座』(略称 山村教室)やおびただしい数の作家を輩出している『若桜木虔小説教室』などが気を吐いているが、ほとんどの小説講座は金儲けのためにやっているだけで、育てようなどという気はさらさらない。はっきりいって文学というか小説は、もはや死んだも同然だね」(文芸雑誌編集者)

「賞には届かない」が、将来にブレイクしそうで、叩けば伸びる才能がある小説家を見つけたときの編集者の対応はこうだ。

まず、「次は賞がとれるように根回しするから」と言われて、小遣いを作家志望者に渡して抱え込み、個人的に「ほかでは書かないようにアドバイス」を重ねる。それで賞がとれないと「ごめん。でも次はきっと根回しをするから」と再び志望者を丸め込んで、ひたすら書かせていく。厚顔無恥とはこのことだ。
「そんなに抱え込みたいなら、毎月の生活費を払え、と言いたいですね」(中堅作家)

不景気なわりに、大手の作家の抱え込みかたはもはや尋常ではない。講談社は、大御所作家の宮部みゆきや京極夏彦などの人気作家に、毎年1月に「とりあえず、今年もよろしくという意味で(書くか書かないかわからないのに)前金を2000万円振り込みます」(事情通)という都市伝説がはびこるほど。

まあ、それは話として眉唾だが、銀座に行くと、いまだに大御所作家と編集者が数十万円を落としていった話をよく聞く。

先月も「文藝春秋ご用達の作家が300万円も銀座で落とした」と聞いた。文芸の編集者たちなど、まったくもって、金の使い道がわかっていない連中なのだ。

◆新たなプラットフォーム「E☆エブリスタ」の可能性

しかし希望もある。スマホ小説サイト「E☆エブリスタ」なるプラットフォームの登場だ。これは、携帯やスマートフォンから投稿できる新しいタイプの読み物だ。ここから「王様ゲーム」(金沢伸明)や「奴隷区」(岡田伸一)などのヒット作品が生まれた。また、文学賞を投稿する際「投稿フォームは、E☆エブリスタの形式で」などと応募要項が明記されている。

時代は大きくうねりあげて変わりつつある。もはや文学賞という概念は古いのかもしれない。その証拠に文学賞なんかとれなくても、「本屋大賞」をとった小説は「海賊と呼ばれた男」(百田尚樹)や、「村上海賊の娘」(和田竜)などはバカ売れしたし、「奴隷区」などは口込みで爆発的に広がったのだ。

いずれにせよ、文学賞はもう「権威」ではない。ただ、「商売の道具」ではなく、「レガシー」として残ることを願う。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。

◎「書籍のPDF化」を拒み、本作りを殺す──経産省の「電子書籍化」国策利権
◎セガサミー会長宅銃撃事件で囁かれる安倍自民「カジノ利権」日米闇社会抗争
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3月17日、装丁家でイラストレーターの桂川潤氏のトークライブ『改正著作権法施行!「製作」から考える「本はモノである」ということ』(池袋ジュンク堂書店池袋本店4Fカフェ)に行ってみた。

僕の中では、この時点では、桂川氏は「電子書籍をPDFにせよと主張しているデザイナー」という認識しかない。だが桂川氏は「一流の中でも一流」の装丁家・イラストレーターであり、業界では、誰もが一目置いている「雲の上の人」である。くわえて、電子書籍市場が1000億円を突破した。紙の書籍が8000億円市場だから、電子書籍がじわじわと売り上げを伸ばしている。計算すると、もうあと20年以内には、紙と電子書籍のシェアは逆転するとも言われている。ただし、電子書籍市場を支えているのは、コミックだ。

◆『大辞林』でさえ定義できていない「本」とは何か?

さて、「本が電子書籍になる」ということは、簡単にいえば「装丁の仕事がなくなる」ことを意味する。そうして仕事を失いつつある立場の桂川氏がどんな見解で発言するのか、興味があった。冒頭でつかみのトークとして、桂川氏はこんな話をした。

「本というものは、定義されていないのです。たとえば、『大辞林』を引いてみると「本」→「書籍」→「図書」→「本」と堂々巡りになっている。まさに、天下の『大辞林』でさえ定義できないのです」

桂川氏の奥方によると「カレーのルー」ですら、箱に入っているのだから、あれも『本』だという。だが、僕自身は「本」といえば、付録でバッグがついていようが、DVDがついていようが、カレンダー形式であろうが、巻物であろうが、やはり「文字の集積」だ。

『トークライブ』は、彩流社の編集担当、河野和憲氏や、日本出版者協議会の人が桂川氏のコメントを補強する形で進行した。

「平成27年1月1日から施行された著作権法の一部改正で、これまでは、中小の版元がヒットを生み出しても、文庫化するにあたり、作家が著作を大手にもっていってしまい、泣き寝入りするしかなかったのですが、今度からは、二次著作物は、版元も権利を主張できるようになったのです」と、日本出版者協議会のスタッフが声高に叫んだ。これは、大きなことだと思う。どんなに力を入れて作家を育てても、中小の出版社たちは、作家が大手にコンテンツを移動するのを、指をくわえて見ているしかない、そんな痛い過去があったからだ。

桂川氏は、参加者に「私はデザイナーですが、デザイナーの仕事がなくなると思いますが」と質問されると「そうなのです。私たちの仕事がなくなる」と桂川氏が泣きを入れるかと思いきや、実にいさぎよく、「私たちの仕事がなくなるのなら、それはそれでしょうがない。だが、デザインソフトのインデザインが出始めた当初は、書体が2種類しかなく、かえってそのことが『未来』を感じさせた。案の定、インデザインによるDTPが主流になり、写植屋は5年かけて消えていきました。電子書籍はもう少し、長く時間をかけて浸透させるでしょう。電子書籍も制約があるぶん、おもしろいと思うのです」と言う。

「本はモノである」「誰も言わないなら私が(本はモノであると)言う」と力説しつつ「電子書籍もおもしろい」と断定する。ここに、クリエイターとしての器の大きさがある。要するに桂川氏は「変化」を楽しんでいるのだ。

◆「まずデバイスありき」にこだわる経産省「コンテンツ緊急電子化事業」の利権性

桂川氏は、経済産業省の「コンテンツ緊急電子化事業」(以下、緊デジ)について、「新文化」に寄稿し、警鐘をこう鳴らしている。

『「被災地域の知へのアクセスの向上」をうたい、〝国策〟としてスタートした緊デジは、発足から半年経っても、満足に機能していない。あまつさえ、フォーマットや、デバイス(読書端末)からして定かではない。その結果、被災地・南三陸町の『知性』が『知へのアクセス』の蚊帳の外に置かれる現状がある。

疑問は、それだけではない。特定のデバイスに向けた電子書籍が、他のデバイスに向けた電子書籍が、他のデバイスやパソコン上で閲覧できないことはわかりきっているのに、なぜか『緊デジ』は、PDFを電子書籍フォーマットに加えることを渋り続けてきた。費用も手間もかからず、個人レベルで製作できる「PDFによる電子書籍化」では、なぜダメなのだろう。

PDFなら、パソコンから各種デバイス、スマートフォンまで、ほぼすべての端末で表示できる。また、リフロー型電子書籍(端末に合わせてテクストを再流し込みする主流方式)では不可能な、ノンブル(ページ番号)によるテクストの参照・引証が、書籍版/電子版を問わず可能だ。「まずはともかく具体的なモデルを」と考えた私は、自らの著作物?写真集と、単行本『本は物(モノ)である』を素材に、試作を開始した。(中略)PDFによる電子化は、書物の「乾物(ひもの)」に例えられよう。乾物はシンプルな製造工程ながら、保存がきき携行にも便利だ。そのまま食べてもいいし元の食材にも戻せる。乾アワビやナマコのように、元の食材以上の『旨味』を引き出すこともできる。一方、リフロー型電子書籍は、「食材のサプリメント化」だ。販売社は「栄養化は同じ」だというだろうが、製造に手間がかかるわりに味気なく、元の食材にも戻せない。同様に、ノンブルとページ概念を失ったタグ付きテクストは、紙の本には戻せない。PDFの何よりの強みは、印刷すればいつでも紙の本に戻せることだ。「紙の本と電子書籍の共存」を今こそ本気で考えるなら、PDFこそ、最良の選択肢といえよう。(出版業界専門紙「新文化」2012年11月29日付[第2961号]記事)

2009年に、中堅作家の小説を『文庫ビューア?』で読んで以来、久しぶりに電子書籍で読んだが、確かに、「E-PUB」などリフロー型の電子書籍では、ノンブルがなく、違和感を感じる。対して、PDFは、紙の本のテイストに近い。文字を大きくしたりもできるので、使いやすいと言える。「古い世代にやさしい」のだ。

◆経産省が復興予算10億円を計上し、約6万5千冊の書籍をむやみに電子化

「電子書籍を作るのに『PDFのほかのフォーマットとなる』ことは、本を作る協力者をないがしろにしているのと同じ意味です」

話を「すべった国策としての電子書籍事業」に戻すと、もともと禁デジの意義は、「3.11からの復興事業」だった。

「ところが、出版社には金が落ちない仕組みなので、あまり、人気のないコンテンツも大量にこの事業に提供されたのです」(経済産業省関係者)

事業は出版社が書籍を電子化する際、費用の半分(東北の出版社は3分の2)を国が補助する。総事業費は20億円で、うち10億円は経済産業省が復興予算として計上。約6万5千冊の書籍を電子化した。

この事業を受託した団体の日本出版インフラセンター(JPO、東京)は、たとえば昨年の6月20日に、内容に問題のある本が含まれていたとして、相当する補助金を返納すると発表した。

事業をめぐっては、東北の情報発信を目的に掲げながら、電子化された東北関連の書籍は全体の3.5%の2287冊にすぎず、成人向け書籍やグラビア写真集など100冊以上が補助対象に含まれていたことが明らかになっている。

「出版社が、適当に自社の書籍リストを出し、真剣に震災からの復興を考えてない証拠です。くわえて、電子書籍がPDF化されないのは、そうするとデザイナーや印刷屋にも著作隣接権が派生して、ギャラを払わざるを得なくなるから。つまり、電子書籍が、『PDFのほかのフォーマットとなる』ことは、本を作る協力者をないがしろにしているのと同じ意味です」(出版社幹部)

悲しいかな、本作りを助けるデザイナーや印刷屋、校正スタッフ、装丁家など「著作隣接権」のある人たちは、電子書籍市場にとって「邪魔」な存在のようだ。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)

テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。

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過去を隠して人気キャスターと「契約結婚」し、幸福を求める自分と、旦那の成功を天秤にかけて苦悩する女を描いたドラマ「○○妻」(日本テレビ)の撮影は昨年内に終了。早めに終わらせたドラマの場合、番組のプロモーション活動に力を入れることが多いのだが、主演の柴咲コウはそんな番宣にイヤな顔をしていたという話が聞かれる。

「ある番組出演でドラマをPRするコーナーを設けてもらったんですが、おおよそ8分の尺を用意してもらったところ、柴咲が“長い!”と急きょその半分ほどに変更させたという話です」と番組関係者。

「もっともドラマ本編の撮影でも、柴咲さんの不機嫌はあったようで、共演者の遅刻で待たされた際、罪のないスタッフを怒鳴り散らしたと聞きます」(同)

◆噂に翻弄される柴咲コウの憂鬱

その原因は定かではないが、関係者間では諸説が乱れ飛ぶ。

「過去の過ちを引きずりつつも明るい未来を目指していく難しい役作りにピリピリしていた」「脚本の遊川和彦が撮影現場に来て、演技について口出し、それをスタッフが鵜呑みにしたことでギクシャクした」「来年のNHK大河ドラマの出演オファーを本人の意向と違ったところで断ったことが理由」「単に花粉症だったらしい」などなど。

柴咲といえば、元サッカー日本代表の中田英寿との仲が噂されるが、当然ながら、この話は関係者間でもタブーとなっていたという。「そんな話を持ち出したら不機嫌どころか仕事をひっくり返す騒ぎになりそうだった」と同関係者。
それでも柴咲は昨年8月に三池崇史監督の映画『喰女─クイメ─』、12月に小栗旬主演で人気を集めたドラマの映画版『信長協奏曲』と、立て続けに出演し女優としては脂がのった状況で、少々のご乱心も許されているという。

「本人はギャラで仕事を選ばず、中身で選ぶところ、所属事務所はやはりギャラ優先にしますよ。そこは食い違いが出て柴咲の不機嫌につながっているという話ですが、撮影の打ち上げひとつでも『打ち上げに行く、行かない』で揉めたり、彼女の機嫌を取るのもスタッフの仕事になりつつあります」(同)

一部で柴咲はヘビースモーカーだといわれるが、番組関係者によると「たばこを吸ったところは見ていないし、喫煙室を用意しろとも言われていない」という。演技の世界では演技中にタバコの口臭が出てしまうのはマナー違反といわれることから、柴咲がそれを守ってイライラしているのかもしれないが、日本テレビ広報は柴咲の不機嫌自体を「掌握していません」と否定している。

◆昔よりも裏の圧力が弱まっている

一方、そんな柴咲が「芸能界の悪しき風習をぶち壊さないといけない」と言い出している小栗旬に同調して、俳優の組合作りを支持するというウワサもある。

小栗は昨年、現在の芸能界に不満を持って俳優の労働組合を作りたいと雑誌の対談でほのめかしている。「みんなけっこう、いざとなると乗ってくれないんですよ。やっぱり組織ってとてつもなくでかいから“自分は誰かに殺されるかもしれない”くらいの覚悟で戦わないと、日本の芸能界を変えるのは相当難しいっすね」と言いながらも「本格的にやるべきだなと思っています」と業界ではタブーとなっている権利独占ビジネスへの戦いの旗振り役となることを宣言した。

そこに「信長協奏曲」で共演した柴咲も同調し、大手芸能プロのキャスティング寡占に反旗を翻すのではないかというわけだ。

ただ、この話には伏線がある。それ以前に業界を牛耳るバーニングの大物タレント、小泉今日子も『芸能界の裏の帝王』こと周防郁雄社長に背を向けるように業界批判をしており、一部の人気タレント連合ができつつあることで名乗りを上げやすくなっていると見られる。小栗発言は業界内でも物議を醸し、決まりかけていた映画出演が白紙になったというウワサもあるのだが、それでも何の影響もなくテレビ新CMに起用されたりもしている。昔よりも裏の圧力が弱まっていることを示したともいえる。

「小栗は共演者がバーターで起用された演技力のないアイドルだったりすることにいら立っての発言で、今後は自腹で稽古場を作って政治力に左右されない俳優養成所を持ちたいようです。これは柴咲も同じで、自分にはるか及ばないアイドル女優と肩を並べることに腹を立てたという話」(芸能ジャーナリスト)

◆小泉今日子が独立すれば業界秩序は一変する

言われてみれば、福山雅治主演の大人気のドラマ「ガリレオ」は最新シリーズではヒロインの柴咲コウが降板して、福山と同じ事務所の吉高由里子に変更したことがあった。このあたり柴咲の不愉快な思惑があったとしてもおかしくはない。とはいえ、自分自身の力では芸能村の掟に逆らえるわけもなく、現場での不機嫌でうっぷんを晴らすしかなかったのかもしれない。ただ、小泉今日子がバーニングから独立するような動きが本当にあれば業界は一変する可能性もある。

小泉は、もともとアイドル時代に事務所に無断で髪をショートにし、恋愛を繰り返す「やんちゃ姫」で、そのうちに「社長になるのが夢だった」と公言、バーニングの次期社長に抜擢されるという仰天情報が乱れ飛んだこともある。そんな中、雑誌『AERA』で「私みたいに事務所に入っている人間が言うのもなんだけど、日本の芸能界ってキャスティングとかが“政治的”だから広がらないものがありますよね。でも、この芸能界の悪しき因習もそろそろ崩壊するだろうという予感がします」と発言。古いタイプの芸能コメンテーターはバーニングに気をつかって、ここぞとばかりに小泉の発言を批判的に取り上げていたが、逆に「よくぞ言った」という声も少なくなかった。

長い間、芸能界の闇を追ってきた芸能ジャーナリストの藤堂香貴氏は言う。

「通常なら干されてもおかしくない発言ですが、一説にはキョンキョンが芸能界のドン、バーニングの周防郁雄社長の顔を立てるために一肌脱いだことが何度もあり、それで彼女は何をしてもお咎めなしだといわれています。小泉は30年以上もバーニングを支えてきた功労者である一方、周防社長の裏の裏まで知り尽くしているとも言われていますし、タレント以上の力があるのは事実」

小泉の後押しで小栗、柴咲といった俳優が悲願の労働組合結束につながるのか、それとも過去の例に倣って潰されるのか、裏の動きに注目だ。

(ハイセーヤスダ)

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