さんざん報道されているので、ここでは殺害された川崎の中1、上村遼太さん(13)について「事件の概要」については省く。私が注目したいのは、この事件は、中心者や仲間、そして「仲間に引き入れる手法」、やたら弁護士をあてにする主犯、とにかく登場するキャラや筋書きが、関東連合を彷彿とさせることばかりだという点だ。

◆10代「半グレ」カラスの仕事が山のようにある多摩川沿い

つまり、これは「半グレ」が起こす典型的な事件だということ。事件が起きた川崎大師線沿いの半グレは、とにかく凶暴のようだ。

取材にあたった事件記者の藤堂香貴が言う。

「事件の起きた現場はかなり治安の悪い場所で、暴走族や不良がらみの事件が珍しくありません。最近では関東連合など暴力団と一線を画す連中が、準暴力団として動いていますが、逆にいえば組織の拡大で、目的は金稼ぎにシフト、小中学生をいじめるような意味のない悪さをするチンピラは減る傾向にありますが、ここらでは地元の暴力団関係者と顔見知りになって、我が物顔で繁華街に繰り出す、昔ながらの不良も見かけます。川沿いの工場で働く低所得者の家庭で育った不良少年が多く、そういった連中が歩いていても違和感のない日常があり、大人も関心を示していないです。避けています」とのこと。

オレオレ詐欺の出し子、クレジットカードのスキミング詐欺、違法オンラインカジノの運営、闇金の取立てなどなど、10代の半グレの仕事は山のようにある。

「とくに川崎あたりの不良が伝統的に評価されるのは『短期間で金を稼ぎ、人に奢る』奴がビッグになるってこと。ケンカが強いのは、そうだな、二の次だな」(川崎の元愚連隊)

この中1殺害事件と平行して、多摩川沿いでは、少年によるレイプ事件が続発しており、防犯パトロールを有志が毎日のようにしていたとされる。

「ナイフを突き付けられて、レイプされそうになった未遂事件が昨年の末から5件くらい連続で起きました。まあ、表にはあまり出ていない情報ですけどね。なんでも黒いジャージの集団で、地元では『カラス』と呼ばれている不良軍団のようです。高校生が中心のようですね」(川崎市住民)

◆「町田派」VS「川崎派」の抗争──いじめが文化のように育っていった

川崎の半グレ、不良たちは、実は、町田の不良たちとケンカばかりしている。川崎の連中は「町田をとってやる」と息巻き、町田の連中は「あいつら、多摩川に沈めてやる」と息巻く。川崎も町田も、昔から不良の巣窟としてつとに有名だ。

今回の殺人において、あまり報道されていないが、町田と川崎の意地の張り合いが影響していないとも限らない。リーダー格で主犯の男を、川村君に紹介した男が「町田派」と言われているからだ。

「そもそも、町田の治安が悪くなって、町田の不良たちが居場所を求めて川崎に進出して抗争を繰り返したことが、『これはなんとかして返り討ちしないと』とかえって川崎の不良たちの数を多くした感があります。そうした抗争の中で、『いじめが文化のように育っていった』と見るのが正しい分析の仕方だと思いますよ」(暴力団員)

もっとも、川崎や町田が荒れてくれたほうがヤクザにとってはラッキーだ。警察の目がそちらに行くし、イキのいい若者は、手下にして集団を仕切らせて風俗でも詐欺集団でもなんでもいいから金を作らせれば儲かるのだ。

そして、今回、関東連合を彷彿とさせるのが、やたら犯人が弁護士を頼る点だ。これもヤクザの入れ知恵か。捜査段階なのに、主犯の男には父親が手配し、早々に弁護士がついて、マスコミ対応していた。こうしたことを誘導するのは、その筋しかいない。そう、背後にヤクザがいると見たほうが妥当だろう。

「今回の件は、弁護士から接触した面もあります。また、そうした不良のしがらみの中で独特の活動をする弁護士もいるのは確かで、不良のトラブルがあると不良少年側として、お約束で得意げに出てくるおなじみの弁護士もいます。そういう弁護士は着手金は高いのですが、平気でウソの口裏合わせをしてくれる不良少年を証人として担ぎ出すこともあると聞きます」(前出・藤堂香貴)

◆まったく機能していなかった「学警連」

新聞などによれば、事件で、地域の公立校、市教育委員会、神奈川県警が集まる会合の中で1月と2月に、上村さんが通う中学校が「最近、登校できなくなった子がいる」と上村さんについて報告していたようだ。市教委などによると、上村さんが暴力を受けているとの情報を把握していなかったため、不登校の報告にとどまり、特別な対応は取らなかった。(2015年2月26日朝日新聞

上村さんは冬休み明けの1月8日から学校を欠席していた。市教委によると、市内では8地域に、公立小中高の指導担当教諭や、市教委の指導主事、警察署の少年事件担当者らでつくる「学校警察連絡協議会(学警連)」があり、定期的に情報交換して非行防止などに取り組んでいたが、まったく機能していなかったということだ。(2015年3月11日神奈川新聞

◆朱に交われば赤くなる──悲しみは、川のせせらぎの中に

不登校は、実は1日が2日に、2日が1週間に、1週間が1ヶ月に、1ヶ月が1年と、あっという間に時間がすぎていく。そして「暇をつぶすために」悪い仲間がつぎからつぎへと誘いに来る者だ。筆者も実は高校を数えながら休んだ。進級できるぎりぎりの日数を登校していた。僕にとって幸運だったのは「そんな狡をしてはいけない」と怒ってくれる友人がいたことだ。もし怒られなければ、僕は高校をおそらく辞めていた。

「朱に交われば赤くなる」ではないが、やはり仲間を選ぶ、ということは中学生とて重要なことだ。そして、そうした「友を選ぶ」慧眼が身に付く前に不良たちと交わり、抗争の中心にいつしかいる。それは、関東連合や巷の暴走族やギャングのメンバーにも言えることだ。

今でも殺害現場には、花がつぎつぎと供えられている。上村さんの悲鳴は川のせせらぎの中に消えて、友達の悲しみも川が吸い込んでいくようだ。これを機に、少しでも川崎、とりわけ多摩地区の治安がよくなることを願う。

(ハイセーヤスダ)

◎機動戦士ガンダム──人はなぜ「シャア」という生き方に惹かれるのか?
◎《格闘技“裏”通信01》意外にもギャル層が激増、キックボクシング大会
◎ひとつの不安が大きな風穴を開ける──イスラム国が仕掛ける乾坤一滴のテロ

12歳「ヘリウム事故」──少女アイドルビジネスの凄惨現場を『紙の爆弾』最新号が暴露!

 

機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ 青い瞳のキャスバル」を映画館で見た。ガンダムシリーズを語るのに欠かせない重要なキャラクターである「シャア・アズナブル」(本名はキャスバル・レム・ダイクン)の生い立ちを描いた同作品について、語り部が少ない。とりわけ、ふだんはしたり顔でいわゆる「ガンダム」について語る芸人、つまり「ガンダム芸人たち」もしくは「にわかガンダム文化人」も圧倒的に少ない。

それもそのはずで、シャアを語るには、シャアについて描かれた小説、アニメ、そして「ガンダム」の生みの親である富野由悠季 (原案は矢立肇)の世界観を深いところまで掘り下げて理解しなくてはいけない。くわえて、シャアが背負っている、あるいは主張している「人類の革新について、人類の価値について、あるいは未来図について」深く考察しなくては、やけどをするようなキャラクターなのだ。かろうじて語っている芸人たちも、誰とは言わないがシャアの世界観についてわかっていない。シャアを論じるということは、しつこいようだが、己の哲学が問われるのだ。

人は、「ガンダム」について語りたがる。戦争について、人類の未来について、あるいは愛について、平和について語る。これは、「宇宙戦艦ヤマト」や「ドラえもん」にもなかったアニメの現象だ。したがって、この映画にも見た人は100通り解釈があると思う。

◆人間は人間を粛正できるか? ──シャア VS アムロの命題

「機動戦士ガンダム」の骨格をなしている世界観はこうだ。

地球の人口が増えすぎて、なおかつ汚染された。だから一部の人たちは、宇宙へと移民せざると得なくなった。スペースコロニーで暮らすこの移民を「スペースノイド」と呼ぶ。この、地球から追い出されたはずの「スペースノイド」たちは、しだいに地球圏からの支配を嫌い、自治区になる道を選択し、地球圏と戦争に突入する。

「腐った地球圏の人類を根絶やしにする」との目的に立つシャアは、人類の革新ともいうべき「ニュータイプ」(認識力と知覚力に優れたもの)であると自身を自覚した。同じく「ニュータイプ」である地球連邦軍のアムロ・レイは、「人間が人間を粛正できない」として、ことごとくシャアに敵対する。これが「機動戦士ガンダム」ファーストの物語の骨格だ。

「スペースノイド」の独立を訴える為政者、シャアの父が、ザビ家の陰謀によって暗殺されて、ジオン公国ができあがる。父の復讐に燃えるシャアは仮面をかぶり、本名を隠してザビ家に復讐していくのだ。「機動戦士ガンダム」を見た者は、なぜシャアがあれほどまでに、ストイックに自分しか信じぬ乾いた男になっていったのかわからなかっただろう。だが、ようやくこの映画を観て、シャアが幼少期に陰謀により翻弄されて、人のやさしさに対して懐疑的になっていったのかが納得できるだろう。

シャアを理解するのには、膨大な資料の読み込みが必要だが、やはり漫画を読むのが早い。ビギナーには『ガンダムエース』に連載された北爪宏幸の漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』をオススメする。だがアニメ作品ではないためサンライズにおける公式設定ではない。

さて、この映画は1時間を少しオーバーするほどの短い尺だが、冒頭の戦闘シーンは迫力満点だ。監督が、人物を描いた安彦良和(漫画も描いている)なので、当然、人物描写は細かい。幼いシャアが気高い復讐心を保つことができのはなぜかファンならずとも興味があるだろう。若いドズル・ザビやランバ・ラルなどもファンを喜ばせるだろう。

◆「ガンダム」を見た時からアニメを卒業できなくなった

この映画はガンダムの35周年企画だそうだが、僕自身は、この作品(機動戦士ガンダムのファースト)を見たときからアニメを卒業できなくなった。

なにしろ、美しいメカニックデザイン(デザイナーは大河原邦男)だけでなく、そこかしこに哲学や人類の欲求が業深く描かれているのだから。

僕自身は、シャアの声を演じている池田秀一にインタビューしたことがある。
「シャアのように男らしく生きてみたい」という点で僕と池田さんの意見は一致した。そして、シャアには独特の言い回しがあり、有名な台詞として「若さゆえの過ちか。認めたくないものだな」というのがあるが、「認めなくないもんだな」ではなくやはりかたくなに「認めたくないものだな」と語尾で言い切る気高さがあるという。

もともと、手塚治虫の弟子であった富野監督は、その世界観はものすごく奥深い。細かい台詞も後々、伏線となってくるから見逃せない。ガンダムの新シリーズとして、今は『ガンダム Gのレコンギスタ』を手がけている。これは、富野由悠季監督が手掛ける、『ガンダム』シリーズの最新作で人気を集めている。本作では、『機動戦士ガンダム』で描かれた宇宙世紀(U.C.)のつぎの世紀にあたる“リギルド・センチュリー”が舞台となる。宇宙エレベーターを守る組織“キャピタルガード”のパイロット候補生、ベルリ・ゼナムの冒険が描かれていくものだ。

これこそ「新世紀の哲学」が問われる作品だが、この作品について語れる「自称ガンダム芸人」「自称ガンダム好き文化人」を見ないのは、ついに馬脚を現したと見ていいのだろうか。それともガンダムを「卒業」したのだろうか。

(ハイセーヤスダ)

◎「福島の叫び」を要とした百家争鳴を!『NO NUKES Voice』第3号!
◎《格闘技“裏”通信01》意外にもギャル層が激増、キックボクシング大会

やっぱりカギは「原発」だった──安倍首相中東訪問の真相

 

板橋区双葉町にある、セガサミー・ホールディングス会長兼社長の里見浩宅(写真)が銃撃を受けたのが1月14日の朝8時30分頃のこと。中板橋駅を降りて、商店街を抜けて、歩いて10分。双葉町の現場に行ってみると、まるで要塞のような威風堂々とした構えの邸宅が目に入る。

里見浩=セガサミー・ホールディングス会長兼社長宅

報道によると、「夜中に『ドン』という音がした」と、警備員から警視庁板橋署に通報があったという。里見会長宅周辺からは銃弾や薬莢(やっきょう)が見つかっており、署が発砲事件として調べているようだ。けが人はいなかった。

署によると、警備員は「午前3時半ごろに発砲音のような音を聞いた」と説明している。「朝になって銃弾のようなものを見つけた」との通報を受けて駆けつけた署員が調べたところ、門の照明1個が割れ、近くに薬莢1個や未使用の銃弾3発が落ちていたという。これまでに里見会長から脅迫などの相談が寄せられたことはなかった、と署は説明している。

◆お台場カジノ建設はなぜユニバーサルからセガサミー主導に変わったのか?

それにしても里見宅はどうして銃撃されたのだろうか。まことしやかに流れている「噂」としては、多くが推測だ。

「日本のお台場にカジノ建設がされる場合、遊技事業会社の中で、自民党にも近く、終始リードしていたのは、ユニバーサル・エンターテインメント(旧アルゼ)だったが、里見会長の娘・有紀恵さん(32)がこのほど、カジノ建設に前向きな安倍首相に近い男と結婚。この男は、経済産業省のキャリア官僚である鈴木隼人氏(36)で、先の衆議院選挙で比例区当選した。

披露宴には里見会長の肝いりで、安倍総理に加え総理経験者2人を含む多数の政治家が集まったのです。 こうしたことも手伝ったのか、カジノ建設は、セガサミー主導へと変わっていったのです」

その意趣返しで裏社会系の住人に銃撃されたと永田町のベテラン秘書が言う。だが、里見治会長は、どんなにおいしい利権の話が転がっていても、まったくヤクザとの交際の話は出てこない。

「里見会長は裏社会の輩をよせつけませんでした。出るパーティも慎重に選んでいて、『どんなメンバーが来るのか』と前もって秘書に調べさせていたほどです」(セガサミー関係者)

◆カジノ法案廃案の打撃からセガサミーと米サンズ社との間に亀裂が生じた?

そもそも、「機を見るに敏」な会長は、早くから日本にカジノが建設される場合、食い込むべく、早くから動いていた。昨年、韓国・仁川にカジノ建設を行ったがこれも日本でカジノ事業を行うときの試金石にすぎないとも言われている。

セガサミーは、韓国カジノ最大手パラダイスグループと合弁で建設した韓国初の統合型リゾート「パラダイスシティ」は、同国最大の外国人専用カジノや五つ星ホテル、韓流体験プラザなどが入り、2017年上半期にオープンする計画だ。

仁川国際空港に近接する約20万3千平方メートルの敷地に第1期の総事業費として1兆3千億ウォン(約1400億円)を投じている。航空便で1時間半圏内に集中する中国の大都市の旅行客を誘致するほか、国内客の来場も見込んでいる。

総額100億ドルに及ぶ「ライバルが太刀打ちできない」(里見氏)規模の投資方針を打ち出し、手つかずの巨大カジノ市場の日本でいち早く主導権を握ろうという思惑は、裏社会にも早くから浸透していた。すでに自民党議員らに積極的に売り込みを図っていた里見氏だが、昨年の秋に、いったんカジノ法案は廃案になり、棚あげになった。

「そこで、もっとも打撃を受けていたのが、セガサミーはもちろんだが、セガサミーに出資していたアメリカのサンズ社でしょう。もちろん、セガサミー本社も大打撃を受けた。当然、セガサミーの里見会長としては、安倍首相に『どういうことですか』と詰め寄ることになる。そのお詫びとして、娘の夫の鈴木隼人氏を、先の衆議院選挙でたいした実績もないのに、比例区の25番目にして、当選圏内に据えたのです」(週刊誌政治担当記者)

だから、見方としては(これは推測だが)サンズ社と手を組んだ闇の社会の「何者か」が意趣返しで銃弾をぶちこんだと見るのが正しい。

◆セガサミーの業績悪化はカジノ構想頓挫の余波?

セガサミーは、カジノ構想がすべったショックが響いたか、かなりの赤字のようだ。希望退職者を300名、募っている。

ZUUオンライン」では以下のように伝える。

——————————
2月12日、セガサミーホールディングスが2015年3月期第三四半期決算を発表した。売上高2,675億円(前年同期比12.0%減)、営業利益162億円(同65.1%減)、経常利益162億円(同67.0%減)、当期純利益△0.2億円となった。

同時に2015年3月期通期の業績予想を修正、売上高3,525億円(前年同期比6.7%減)、営業利益160億円(同58.5%減)、経常利益150億円(同63.0%減)、当期純利益△130億円とした。パッケージゲームの不振のほか、デジタルゲーム分野において、新作タイトルの投入時期を戦略的 に来期に変更したことなどが影響した。特別損失には、構造改革費用を含め、150億円程度見込まれている。

アミューズメント機器事業において、パチスロ遊技機が、型式試験方法の運用が変更されたことに伴い、市場全体で新タイトルの販売数が減少したことから、前年同期を下回って推移、一方、パチンコ遊技機の新台入替は比較的堅調に推移、329億円(同4.3%増)、営業利益は4億円(同2億円の赤字)となった。コンシューマ事業では、オンラインRPG『ファンタシースターオンライン2』や、『ぷよぷよ!!クエスト』、『チェインクロニクル~絆の新大陸~』等の主力タイトルの他、『アンジュ・ヴィエルジュ~第2風紀委員ガールズバトル~』、『サカつくシュート!』等の既存タイトルが好調に推移したが、パッケージゲーム分野、玩具販売事業が低調に推移したほか、広告宣伝費等が増加し、売上高は827億円(同13.5%増)、営業利益は22億円(同17.3%減)となった。アミューズメント施設事業も営業損失5億円を計上する等足を引っ張っている。

同日発表された構造改革には不採算・低採算事業の整理・縮小、希望退職者300名の募集が盛り込まれている。募集人数通りの希望退職者を前提とすると、グループ全体の人件費は今期見込みと比較して年間 28 億円程度の削減効果となる。

さらにグループ内組織再編も発表、昨年10月に発表していた遊技機事業、エンタテインメントコンテンツ事業、 リゾート事業の3事業グループへの再編の一部が決定した。
(「ZUUオンライン」より引用)
————————————-

なるほど、カジノ利権を漁りたい一心で、与党にすり寄っていくわけだ。セガサミーよ、そうはうまくいかないぜ。さて、里見宅では、「周辺をうろつく黒い雨合羽の男」が目立ち始めたという。晴れているのに、雨合羽を脱がない不気味な男。まだまだ「カジノ利権とセガサミー」から目が離せない。

[ハイセーヤスダ]

より深層へ!『NO NUKES Voice』第3号!2月25日発売!

 

2月11日、大田区総合体育館で開催されたRIKIX主催の「NO KICK NO LIFE」イベントではシュートボクシングの人気選手、RENA(及川道場)やK1で実績があるアンディ・サワー(オランダ)やノブハヤシ(ドージョーチャクリキジャパン)も参戦、おおいに盛り上がりを見せたが、意外にも「20代、10代後半のギャル世代」が多々見られた。

「ダイエットでキックボクシングをしていてはまってしまい毎回、見に来ています」という二十代OLは、都内のジムに通うこと3ヶ月。ウエストは5.5センチも細くなったようだ。ジムに通っていると思われるギャルは、それぞれジム名が入ったTシャツを着ているからとてもわかりやすい。もしくは大会のスローガンである「NO KICK NO LIFE」と銘打たれたTシャツを着ている。

「火をつけたのは、May J.だと思いますよ。かなりウエストが絞れますから。昨年の1月ごろからかなり女のコの問い合わせが多くなりました」(都内ジムスタッフ)

写真はRENA選手(撮影・堀田春樹)RIKIX主催の「NO KICK NO LIFE」より。

◆キックボクシングをレッスンに取り入れる芸能プロダクションも

地下アイドルを抱える芸能プロダクションもキックボクシングをレッスンに取り入れているところが増えてきた。

「要するに、歌って踊るときに、体を一瞬、止める場面がある。体のバランスが悪いと崩れていくことになる。それを避けるためにトレーニングとしてキックボクシングの元選手に教えに来てもらっています」(芸能スクール関係者)

大田区総合体育館の西側には、いかにもジムに招待されたようなギャルの一連が十数人陣取っており、選手の下の名前を連呼していた。

もっともギャルの声援を集めていたのは、イケメン選手の宮元啓介(橋本道場)。惜しくも判定で一戸総太(ウィラサクレック三ノ輪)に敗れたが、打たれるたびにギャルから悲鳴があがる始末だ。

案外、女性にも人気があるのはRENA(及川道場)で、エリー・ エクストゥム(スウェーデン)をまったく寄せ付けず。2ラウンドでノックアウトパンチを浴びせるRENA(及川道場)に「いけいけRENA!」と割れんばかりの声援を集めていた。また試合終了後もギャルたちが記念撮影を希望しに殺到。「強い女へのあこがれ」の視線は、彼女の鍛えた二の腕と太ももに注がれていた。

◆ボクササイズ興隆の背景

ちなみに、僕は1月から市民体育館が主宰している「ボクササイズ」教室に通っているが、応募者が2.5倍もあり、あいかわらず「ボクササイズ」は大人気だ。なにしろ10代から50代まで幅広く応募してきている。記憶するかぎり、ボクササイズのブームを始めに作ったのは、輪島功一であると思う。さらに体系化して、スポーツ医学を背景に、トレーナーを育成、「ボクシングでエクササイズ」をビジネスとして成功させたのは、じつは協栄ジムだ。

僕が教わっているレッスンも、提携は協栄ジムとなっている。
ボクササイズは、両足を広げて、連続でパンチをくり広げることで、有酸素運動となるハードワークだ。ダッキングといって、よける動作も入ってくるから、「ワンツー、右ストレート、左アッパー、はい、よけて左ストレート、ワンツー」などコーチが自らも動きながら声をだす。ちょっとした「振りつけ」だ。かなりきつく、終わると体重が3、4キロはざらに減っている。ちなみに「キックボクシング」はこれに加えて蹴りが入るから、中年にとっては、つぎの日には身体が張って会社に行きにくくなっているはずだ。

ボクササイズ歴1年の主婦が言う。
「腹筋が割れそうです。ボクササイズを始めてからというもの、早く寝て早く起きれるようになりました」

知り合いの女性カメラマンも、ボクササイズで10キロ落としているし、タレントの中川翔子もボクササイズでダイエットに成功しているようだ。

このところ、気の利いた市民体育館、もしくは行政機関が主体で、ボクササイズのレッスンをしている市町村が増えてきているので、探してみるのもいいかもしれない。なにしろ、一回につきおよそ500円程度で教えてもらえるのだから、お得なのではないだろうか。[ハイセーヤスダ]

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どこもかしこもメディアはイスラム国(ISISともISILとも呼ぶ)の悪辣さを報道しており、関係者はコメントでひっぱりだこだ。

イスラム国は「国ではない」。もともとは英名でIslamic State in Iraq and al-Shamと表記される。名称に「ステーツ」を含むため「国」と訳された。USAと同じ基準である。現在では略号としてISIS、ISILと呼称するようになって来た。ある組織が「国」と認定されるには国連の承認を含めいくつかの条件を満たす必要があるがISISは「国」としての体裁をなしていない。

では、実態はなにかというと、無数にあるイスラム系宗教集団の一つにすぎない。特徴としてイスラム回帰主義がきわめて強く、同時に闘争的である。

イスラムというと日本人にはなかなかピンとこないが、歴史的にはキリスト教以前、ユダヤ教から別れた一派である。ユダヤ教では旧約聖書を聖典とするのに対して、キリスト教ではイエスの言葉を集めた「新約聖書」、イスラムではムハマンドが神の啓示によってあらわした「クルアーン」(コーラン)を聖典とする。いずれもアダムとイブが人類の祖であり、呼称は異なるものの、崇める神も同一である。

イスラム教徒が住む地域はアフリカから、中東、アジアにかけて非常に幅広く、様々な宗教集団、主義主張が存在する。インドネシア、マレーシアはイスラム教国であるが、戒律は緩やかで対立も少ない。逆に激しい環境に面しているのがパレスチナであろう。イスラエルと国境を接し激しい戦闘を繰り返している。また、アルカイダなどは反米を掲げ、アメリカを攻撃の対象に据えている。その分、日本に対しては対米共闘を持ちかけるなど、寛容である。

ではISISの目的は何か? 世界中のイスラム教徒をイスラム法の下にまとめ、大イスラム帝国を再編するいわゆる「カリフ制」の復活とムハマンド時代の再建「サラフィーヤ」の実現である。誇大妄想的に聞こえるかも知れないが、現在の中東の国境線は第二次大戦後、戦勝国によって引き直された物であり、その土地に住むムスリムが合併しようとする動きはあり、なにもISISの専売特許ではない。しかし、ここにきてISISが注目されているのは、その軍事力と大きな発展、目的のためには手段を選ばない残虐性である

ISISはシリア内部で発生した。中核は旧イラク・フセイン大統領のスタッフであるという。軍人、政治家など実務経験がある閣僚級の人間が温存していた兵器、兵士を中心にして新興勢力を立ち上げたのである。正規軍として実戦経験を持ち、国家予算並みの資金、正規軍に準ずる装備があれば一時的に圧倒的な発展が期待できる。しかし、一定期間が経てば国内のインフラは不備、海外との交易もなく、経済的に追い詰められる。人心も離れる。国際的に考えても、日本は敵に回すべき国ではない。

軍隊は送ってこない。来るのは金と物資だけ、だが日本にケンカを売ったと言うことは、内部情況が相当逼迫していると見るべきである。いま、ISISは下り坂を転がり落ちている。

そんな苦しい情勢下で、彼らは乾坤一擲のテロを狙っているようだ。

オーストラリアのシドニーでテロを計画していたとして20代の男2人が警察に逮捕されたが、この2人は「イスラム国」関係者だとされている。

これだけでなく、スパイの動きは活発だ。別ラインでは、世界の各国にイスラム国関係者が潜入して、「兵器開発」のための情報を集めているようだ。
エジプトにいる外電記者は語る。

「イスラム国の幹部たちは、アメリカが地上戦を展開する情報を掴んだようです。対抗するためには、仮に自爆するにしても、『核』をもって対抗しないと、もはや空爆してくる連合軍に勝てないと判断したようです。石油でもうけた金を使って、自分たちが生き残る道を画策、あらゆるルートを駆使して探した結果、『北朝鮮の核開発チームが売ってくれる』となったようです」

もし事実なら、現在の勢力図がひっくりかえる話だが、疑問がある。本当に北朝鮮は核兵器を開発したのだろうか。一説には、パキスタンの核開発の父と呼ばれるA・Q・カーン博士が何回も北朝鮮に入り、技術協力していた。「すでに完成している」と見るむきは多い。

また、軍事評論家の青山智樹氏は言う。

「北朝鮮は間違いなく、ウラン濃縮技術を持ってます。イスラム国に供与の可能性もありますが、核兵器自体、高価であり、運用法も限られます。つまり、イスラム国が北朝鮮のようにミサイルを作れないと、普通は無理。ただし、自爆兵器としては、トラックでも使えるのです」

青山氏は、「核兵器よりも、シリアのアサド政権が化学兵器をイスラム国に売っているのではないかという疑念がぬぐえない」とも語る。

今もなお、ヨルダンやアメリカ空軍の空爆は続いているが、「イスラム国の主要なメンバーはもう海外にとっくに脱出している。残っているのは、幹部に見捨てられた若い兵士や、貧しい部族だけ」(外電記者)という情報もある。

怖いのは、「ジハード」の名目で、たとえばニューヨークあたりで、化学兵器をばら蒔かれることだ。「もしイラクの軍隊から技術が伝わっているとすれば、少なくとも1万人くらいは殺傷できる化学兵器を、イスラム国は持っている可能性は強いです」(同)

イスラム国が「石油の密輸で潤っている」と情報を聞きつけて、昨年の11月あたりから武器のブローカーが欧米や中東から大量に「セールス」にやってきていた。そうした中で「化学兵器」や「核兵器」のセールスがゼロだった保証はない。

一見して状況として「完全に不利」に見えるイスラム国は、「最高のカード」で勝負、一発逆転を狙ってくる日は近いのかもしれない。
[ハイセーヤスダ]※取材協力=青山智樹(軍事評論家)

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同時多発に事件を追う! 話題の『紙の爆弾』3月号発売中!

芸能人の整形手術を数多く手がけている赤坂のMクリニックの医院長が急遽、亡くなった。2012年の夏のことだ。

「病院を継ぐご子息もいませんし、廃院になったのですが、どういうわけか何者かに芸能人のカルテが全部持って行かれていることが、看護婦の調査でわかったのです」(医学ライター)

このクリニックは、院長夫人と仲がいいのが女優の秋吉久美子。

「よく赤坂のTBS近郊のレストランで秋吉と院長夫人が仲間を集めて主婦たちとランチをしているのを見かけましたね。ただ、院長が亡くなってから、遺産相続で後妻である奥様と、院長の前妻との間に生まれた娘がかなり揉めていたそうで、娘の遺産の取り分がかなり少なかったのです」(同)

◆「表に流出したら、ちょっとした事件になりますよ」

そして今年に入り、Mクリニックで、整形した芸能人のカルテが、芸能記者たちの間に出回ることとなる。

「そうしたタイミングで、1月13日未明、秋吉の長男が大学病院で不審な死を遂げたのが発見されています。大学病院の防犯カメラには、鞄を持ち、逃げるように走っている長男の姿が映りこんでいます。死から3日間たって発見されたことといい、現場からは2つの鞄が発見されたのですが、実は発見されていない3つ目の鞄があり、その中に、整形した芸能人のカルテがあったとも推測できます」(芸能ライター)

そして、秋吉の息子はMクリニックの院長の娘と何度も会っていることは明らか。なんといっても親同士の仲がいい。

「推測で組み立ててみると、遺産を多くもらえなかった院長の娘が、秋吉の息子と一計を案じて、病院閉鎖のどさくさに紛れて、芸能人のカルテをマスコミに流して小遣いを稼ごうとしたと見ると一番スムーズです。そして、そのカルテの中に、何かやばい、たとえば外国人のスパイが整形したような『危険な事案』があって秋吉の息子は『消された』と見るべきでしょうね」(同)

確かに、秋吉の息子は、「青い三角定規」の岩久茂との間に生まれた数年はかわいがられていたが、離婚、再婚を繰り返す秋吉に翻弄されて、住む場所を何度も変えて、生活費に困窮していた。現場となった大学病院には、今も花が添えられている。

「整形したタレントたちのうち、人気アイドルグループの女性もたくさんいます。表に流出したら、ちょっとした事件になりますよ」(同)

果たして、誰かがマスコミに「有名芸能人のカルテを買いませんか」と売り込みに来るのは時間の問題かもしれない。

◆あとを立たないタレント整形疑惑の奥にあるもの

取り急ぎ、芸能プロダクション御用達の美容整形外科には当然ながら「守秘義務」がある。ところが、しばしば、約束はナースや心なき病院関係者のより破られて、マスコミにリークされてしまう。

直近で話題になったのは、前田敦子と板野友美で、ともに「AKB48」の出身だ。
前田の場合は、何度も指摘されているが、デビュー2年目の休養中に整形手術をした可能性が高いと言われている。「はれぼったいまぶたをくっきりさせるために、手術は3時間にも及んだ」とも報道された。

優香なども、デビュー当時とまるで顔がちがう。だが、重要なのは「整形手術したか」どうかでなく、「隠蔽された過去の顔を誰が流しているのか」という点だ。

流しているには、いうまでもなく、ファンか事務所関係者。ただ「うまいプロダクション」は、一気に顔を変えない。何回かに分けて、うまく整形手術する。

かつて、松田聖子が某整形手術していた証拠が、ある週刊誌編集部にもちこまれた。大きなスクープだと思うが、デスクは「タレントが整形するのは当たり前だろう」と一蹴したという。

もはや賢いプロダクションは、タレントを台湾や韓国に飛ばし、大枚を払って整形手術をひそかに行う。女優の小雪が韓国のセレブ病院で出産した報道があったが、産婦人科を紹介したのは、小雪が韓国で美容整形手術をしてもらった医者だという。その韓国では、美容整形の広告について「ビフォーアフター」の写真広告を原則として禁止にした。なんでも海外から、とりわけ中国からやってくる手術希望者に歯止めをかける狙いがあるそうだ。

ただ美容整形の場合は、定期的にオペしてからもメンテナンスが必要で、これも数十万円かかるようだ。

あまりにも金がかかるのでメンテナンスをあきらめたのは、小泉今日子だとも言われているが、それはそれで最近の劣化を見れば、納得できる話かもしれない。いずれにせよ、今日もどこかでタレントが美容整形の門を叩く。マスコミにいつか、そのリストやカルテが持ち込まれる。悪魔の連鎖は断ち切れることはない。[ハイセーヤスダ]

◎小向美奈子逮捕は警察の協力要求を蹴った意趣返し?「後ろ盾」とも決別か?
◎アギーレ解任前から密かに後任候補を探していた日本サッカー協会の本末転倒
◎「イスラム国」人質事件で暗躍──胡散臭い仲介人やブローカーたちの罪と罰

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セクシー女優の小向美奈子が覚醒剤取締法違反(所持)の疑いで3度目の逮捕となった。厚生省麻薬取締部によると、小向容疑者は6日朝、自宅マンションで覚醒剤約0.1グラムを所持していた疑い。取締部の家宅捜索で見つかった。

小向容疑者は同法違反(使用)の罪に問われ、09年に東京地裁で懲役1年6カ月執行猶予3年の有罪判決を受けている。

◆警察は小向を泳がせ麻薬流通ルート解明を狙っていた?

「この逮捕は警察が小向に対して『協力者になってルートを解明してほしい』という協力者要請をしたが、蹴った意趣返しというウワサもあった」と大手新聞記者。

「11年に2度目の逮捕のとき、証拠不十分で釈放されています。このとき警察側が持っていた証拠を引っ込め、情報提供と引き換えにしたとも言われてました。そうしたウラ交渉をしたのが警察に顔の利くウラ社会の人物で、小向の後ろ盾ともいわれてます。狙いは小向を泳がせ、麻薬流通ルートを解明をしようとしたわけですが、小向は警察との約束をいくつか破ってしまっていたらしいんです。さらに小向は警察との連絡をとだえさせてしまった。警察は1度、不起訴にした案件だけにこれを麻取に持って行って再逮捕につなげたという説があります」(同)

◆「後ろ盾」の人物が小向を見放した?

一説には小向の逮捕は、後ろ盾となってきた人物が“見放した”ことも遠因ともいわれている。AVライターによると、これは業界内でよくあることだという。

「作品数を重ねるとマンネリ打破のため、内容が次第にハードになるのがAVですが、それに嫌気がさして引退ししたがる女優も少なくないです。小向もAV引退でタレント業に戻りたいと漏らしていて、後ろ盾と方向性で揉めていたというウワサがあったんです」(同)

◆戦々恐々のAVメーカーと「共犯疑惑」のタレントたち

一方、通販サイトのAMAZONでは小向のAV作品がバカ売れ中だ。2月13日発売の作品「夫の目の前で犯されて―哀しみを背負った夫婦」(ムーディーズ)も発売中止にせずリリースされ、こちらも大ヒット。気をよくしたメーカーは過去作品のベスト版を作るかもしれないと話している。

ただ、喜ぶのはちょっと早い。実は捜査官の中には「小向が薬物をやっているのを知っていて作品が収録された可能性」を見ている者がいるからだ。ある捜査官は収録時のノーカットのマスターテープを見たがっており、そこに薬物使用が分かる場面が映っていた場合、スタッフが罪に問われるばかりかメーカー自体が摘発対象になる。

それを察知したか、一部のAV関係者はマスコミの取材に「そういえば酒を飲んでいるように見えるときがあった」などと予防線を張るコメントをしていた。

小向と共犯が疑われるのは夜遊びが目撃されていたタレントも同じ。戦々恐々としている遊び仲間がいる。2回目の逮捕に動いた警視庁の関係者にそのあたりを聞くと「言えるわけがない」と電話を切られてしまったが、一部ではすでにその名前が浮上している。

逮捕されるたびにストリッパー、AV女優と肩書きを変えてきた小向だが、今回はタレント業に戻るのは非常に難しそうだ。

「AVメーカーもさすがに犯罪者の復帰作を作ることは難しい。それどころか小向との関係を清算すべく、書類や仕事のロンダリングを始めた者もいる。AV業界からも追放されそう」(業界関係者)

こういうとき切り札になる暴露本もすでに1冊を出しており、内容もセールスも評判は悪かった。前著のタイトルは「いっぱい、ごめんネ。」。だが、今度こそは「ごめんネ」で済まされそうにない。[ハイセーヤスダ]

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ハビエル・アギーレ前監督の解任による影響は大きい。就任からわずか半年、八百長疑惑による契約解除は日本サッカー協会(JFA)の任命責任も問われている。

協会は2月2日、ハビエル・アギーレ前監督の代理人弁護士から、スペインのバレンシア予審裁判所が八百長疑惑に関する検察側の告発を受理したという事実を確認。これをもって前監督に契約の解除を申し入れた。当時メキシコにいたアギーレ前監督はその場で了承したという。

◆「密命」を受けたサッカー記者たちが後任探しに奔走

しかし、後任探しはこの解任前から始まっていた。この決定が近いことは関係者なら察知していたが、事前に表立って動けないでいたため、忙しくしていたのは一部のサッカー記者だ。

「協会に近い存在の一部サッカー記者たちが、非公式に密命を帯びた形で奔走していた」とスポーツ紙の記者。

「アギーレ前監督の二の舞は踏めないということで、次の監督候補となっているルイス・フェリペ・スコラーリ(ブラジル)やドラガン・ストイコビッチ(セルビア)、グレゴリオ・マンサーノ(スペイン)、ホセ・アントニオ・カマーチョ(スペイン)らの現在の状況や契約相場、そしてゴシップの有無を協会に頼まれて探っていたんです。特に協会が知りたがっていたのは監督候補の私生活で、マフィアとのつながりがある噂はないか、『飲む、打つ、買う』といった部分にだらしないところがあるのかどうか、潔癖さ優先で一応の身体検査をしていたんです」(スポーツ紙記者)

中でも「レッドスター会長時代に選手移籍に乗じて不正に金を得た」というウワサのストイコビッチについては有力候補として詳しく情報を集めようとしていたという。
「ある記者は仕事でもないのにセルビアに出入りしていたほど」(同)

◆アギーレ解任の決め手となったのはスポンサー企業からの不快感

そこで実際に『密命』を受けたと話すサッカー記者A氏を直撃してみた。A氏は「誰の周辺を探っているかは言えない」としながらも、匿名を条件にこう打ち明けた。

「こういうのは記者であっても易々と情報が集まるものでもないので、海外の記者や関係者に金を渡して協力してもらってます。こっちはただの橋渡しみたいなもんです」

記者はあくまで協会の意向に沿ってやっていることだと言いたげだった。4年契約で2億円もの契約金をかけながら無駄になった今回の事例とあって、経費を使ってでも慎重に動いていることが分かる。

「報酬? それは言えませんが、基本給と日当。信頼関係でやっていることなので成功報酬とかはないですよ。ただ、金よりも協会に恩を売れることの方が大きいです。ワールドカップがらみの“おいしい情報”を独占入手できたりもしますから、そっちがメリット」(A氏)

一方、選手たちの間でアギーレ前監督の損失は大きいという話もある。

「バカのひとつ覚えのように数の論理で勝つというフォーメーション優先のサッカーを捨て、個の力で突破してフィールドを縦横無尽に使う新スタイルを打ち出したばかりだった。その戦術が理解され始めた矢先だったので、ぎりぎりアジア杯まで指揮をとらせたという部分もあった」とA氏。

最終的に解任を決めたのは協会と億単位で契約するスポンサー企業からの不快感だった。八百長騒動については広告代理店が大相撲の例を持ち出し企業へのマイナス試算を提示。これを受けた企業側が協会に早期解任を求めていた。中には昨年中の解任を要求したところもあったと聞く。

「選手間ではアジア杯でいい試合を見せれば日本代表の価値が上がり、相応の優秀な監督が後任になるという思惑もあった」(A氏)

一方で後任に色気を見せる人間からはアジアチームに関心が低くとも『ホンダ、カガワには注目している』などといかにも用意してきたようなおべんちゃらを言い出す『自称、日本びいき』の監督候補も増えているという話だ。そういうところもA氏の情報収集の範疇のうちだという。

◆失敗の本質は「欲しがる金を出せるか出せないか」で判断するJFAの姿勢

非公式とはいえ、恥も外聞もなく記者に探偵ごっこをやらせる協会は身体検査に「想像以上の費用を投じている」ともいわれるが、A氏によると「大きな壁がある」とする。

「協会は、各監督をバックアップする各国の大物関係者の接待など根回しがないことです。こういうのは交渉をスムーズにさせることなので、他国ではもっと積極的にやっていることですが、日本ではロビー活動が苦手なんです。相手がほしがる金を出せるか出せないか、というのが、いつも日本側のやり方ですが、実際には金額だけではないものだって武器になるんですよ。私のような記者を使うこと自体、海外とのやり取りが弱い証拠」(A氏)

本来、協会がやるべきなのは、監督候補の身辺調査ではなく、日本のサッカーの方向性を具現化してくれる、論理的な日本の指導者を育てるべきだったという声は多い。そもそも著名な外国人監督を大金出して呼べばいいという姿勢が今回の失敗につながったようにも思える。成績が悪ければあっさり詰め腹を切らせるというマネーだけがつながりのアプローチはJリーグから踏襲してきた悪い慣例かもしれない。[ハイセーヤスダ]

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政府は穏やかな発言をしている一方、イスラム過激派「イスラム国」に人質2名を殺害されたことで警視庁にはっぱをかけ、千葉県警に合同捜査本部を立ち上げ、海外の情報機関と連携したテロ対策に乗り出している。

◆警視庁が追う「仲介人のニセガイド」

「殺された後藤健二さんは仲介人のニセガイドによってイスラム国に売り渡されたと見られます。それでまずはこの人物の行方を追う作業が始まっています」と警視庁を取材した大手新聞記者。

後藤氏は去年10月25日に「イスラム国」の支配地域にシリア人のガイドと2人で現れたことが確認されている。検問所で一度は制止されたが後藤氏はバスに乗り1人で「イスラム国」の中枢に入った。しかし、これがニセガイドだったとみられる。

「仲介人は自分たちに敵対する国の人間を渡せば、ひとりあたり50万円ほどの金になるといわれてます。ただ、ライバル業者が多いことから一度、仲介すればその名前が知れ渡ることも多く、その情報をまた売り渡す人間もいます。今回の仲介人は一説にはアメリカやイギリスにすでに目をつけられていた人物ともいわれ、エジプトに逃亡したという話も聞かれます」(同記者)

本来、後藤さんが手配したかった現地ガイドは「コーディネーター」とも呼ばれ、運転や通訳、宿泊などの手配を時間計算のギャラで請け負うものだが、トラブルになったときに活躍するのは現地事情に詳しい地元有力者。テロ組織とも交渉できる立場にあるため、こちらは「ネゴシエイター」(交渉人)と呼ばれることもある。今回はこうしたコーディネーターやネゴシエイターらに人脈があるとして、複数の自称記者らが政府に交渉の窓口にと名乗りを上げていた。

◆人質奪還交渉をした事実だけを作りたがる政府の弱みに付け込む

元海外駐在員のジャーナリスト、藤堂香貴氏によると「中東で人質事件があると、政府が奪還交渉した事実だけは作りたがる。それで政府から莫大な手数料を狙った中東ブローカー(交渉人)が出没する」という。

「現地では事件に乗じて金儲けしようと口利きを申し出る者がいるので、ブローカーはその仲介役として暗躍。手付金として数千万円を支払う交渉をして、政府が支払うことになれば、その2~3割をブローカーが手にする仕組み。シリア人のガイドは周囲に“ビジネスになると思って検問所まで同行したが違った”というようなことを話していたという話も囁かれていて、もしかするとガイドは後藤さんをブローカーだと思って接触したところ、ただのジャーナリストだと知って人質に売ることにしたのかもしれません」と藤堂氏。

実際、後藤氏は消息を絶つ直前、知人に「ガイドに裏切られた」と電話をしている。いずれにせよ危険地域では金目当ての自称ガイドが横行しており、これに騙されるジャーナリストが続出している。

さらに危ないのは仲介人とネゴシエイターがグルになっている場合だ。

「人質を取る側と交渉を請け負う側が出来レースをしていると、人質が返ってくる見込みがないのに手付金をもっていく」(藤堂氏)

ほかにもトラブルを装ってガイドの身元バレを防ぐ巧妙なケースもある。ガイドが運転中にわざと事故を起こして、通りがかったテロリストが助けるふりをして人質をさらっていくものだ。この場合、人質は生きて戻れてもガイドの裏切りに気付かないままだというから恐ろしい。

◆外務省に群がる報酬目当てのブローカーたち

テロリストが問題なのは当然ながら、国の混乱に乗じて儲ける連中が後を絶たないことも事態を悪化させている。最新の情報によると日本政府は今回、アドバイザーとして「中東在住の元FBI有力者」を臨時で頼ったという話もあるが、こういう人物もここぞとばかりに報酬目当てで群がってくるともっぱら。藤堂氏によると「実際に役立つのは10人に1人もいないと外務省の人間が漏らしていた」という。

「本来はブローカーに頼らず日本人の工作員がいるといいんです。こういう事態に備えて世界各国に動ける人間を置いておけば、いざという時に頼りになるし、そうしている国は後進国でさえたくさんあるんです。ただ、島国の日本はスパイなど潜入活動に遅れをとっていて、人材育成の段階にすらない」(藤堂氏)

◆世界中に露呈された「海外の危機に弱い日本政府」

結局、動いたのは国内の防犯組織である警視庁。今回はかなりの予算と人員を割いて大がかりなテロ対策に動くようだが、海外事情に精通したスペシャリストは不足していると聞く。

アメリカ政府からは今回、極秘裏に「ヨルダン政府に頼りすぎるな」というアドバイスが日本政府にあったというが、そもそも海外での犯罪捜査に弱い日本は打つ手が限られていた。

かくして、「民間」の自称交渉人が入り込む隙間があったわけだが、まったく役にたたなかったのはごらんの通り。日本政府が海外での危機に弱いことが世界中に露呈したことは、それこそ今後のテロ被害につながりそうだ。北朝鮮の拉致問題が呑気に長い歳月を費やしてしまっているのも頷ける。[ハイセーヤスダ]

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