【カウンター大学院生リンチ事件(別称「しばき隊リンチ事件」)検証のための覚書[番外篇]】《取材班座談会》対李信恵訴訟に完勝し次のステージへ進もう!「反差別」の美名の下にやりたい放題やってきた徒輩に断罪を!鹿砦社特別取材班

 
リンチ直後の被害者大学院生M君

松岡 お久しぶりです。取材班の皆さんとは一応お願いした仕事が終わりましたので、コロナもありお声がけしていませんでした。近く鹿砦社が勝訴した名誉毀損裁判で、反訴が認められなかった李信恵が別訴となった裁判の証人尋問があります(11月24日)。今回は発行人である私ではなく、取材班キャップの田所敏夫さんに証言していただくことになりました。田所さんは、あとで触れますが、このかん体調不良で、きょうは欠席です。皆さん思うところもおありだと思いますので、この問題の総括に向けてのお話ができれば、と思います。

A  まず確認しとかなきゃいけませんね。この裁判は李信恵が鹿砦社や松岡社長を誹謗中傷する書き込みをツイッターに多数書き込み、それを「やめてくれ」という弁護士さんを通じての要請も無視され、やむにやまれず訴訟に至った。もちろん原告が鹿砦社で被告が李信恵です。大阪地裁で李信恵の不法行為が認められ全面勝利し、双方控訴した大阪高裁でも鹿砦社が勝った。李信恵は上告しましたが、どういうわけか、それを取り下げ判決は確定した。このいきさつ、結構知らない人多いと思いますよ。

B  そうですね。でも大阪司法記者クラブ(大阪地裁、高裁の記者クラブ)は鹿砦社が「記者会見を開きたい」と申し入れてもすべて門前払いでしたね。だから鹿砦社が勝っても大手メディでは報道されないから、知らない人が多いのは仕方ない面はありますね。

李信恵の暴言の一部。ほんの一部でも、よくこんなにも暴言を吐けるものです(『真実と暴力の隠蔽』巻頭グラビアより)
松岡と裁判前に喫茶店で「偶然の遭遇」をしたという李信恵の虚偽のツイート

C  まったく不公平やな。「記者クラブ」が日本の報道を骨抜きにしてきたことはもはや議論の余地もない。記者クラブに入り浸っている連中は「御用メディア」「情報カルテル」の推進者ですわ。もうここまで来たから言うけど、じつは知り合いの現役朝日新聞記者(司法とは無縁)に事情を話したら、「そんなひどいことをやってるんですか! 載せたくなければ書かなきゃいいだけですよ。求めがあったら少なくとも会見の場所は確保しないと。記者クラブが恣意的に運用されればますますメディアは信頼失いますよ」って怒ってたし、同様に共同通信の記者も「最悪の対応ですわ。言葉ありません」って内緒でメッセージくれたもんな。せやから鹿砦社が自力で「事実」を伝えなあかんかった。ゆうたら失礼やけど、これでは限界がありますわ。

D  ぜんぜん反論はないな。最初の頃、取材班のメンバーの「軽さ」に、俺はしょっちゅうキレてたけど、最近はそんなこともなくなった。突然違う話のようだけど、日本学術会議への菅の介入も広義には同根なんだろうと思う。もうあちらこちらで問題が煮詰まりすぎて、鍋の底に「コゲ」が出来てる状態じゃないかと思う。もうすぐ底に穴が開くだろうよ。コロナが冬になったらまた活性化するのは、インフルエンザの流行をを見ればわかると思うけど。この国は何をやった? 「GO TOトラベル」でしょ。あとは個人の「お行儀任せ」。冬に向かって手を打たないと大拡散するのは素人でもわかる。この「素人でもわかる」常識(?)が通じないのが2020年の現実だな。だから鹿砦社の仕事を追うメディアは、今まで出てきていない。

松岡 そうでしょうか。われわれの問いかけに対しては、少数ながらも手ごたえのある反応はあったと思いますよ。元読売新聞の山口正紀さん、『週刊金曜日』元編集長・元社長の北村肇さん(故人)、大手新聞の「押し紙」告発で有名な黒藪哲哉さん、人民新聞の山田洋一さん…。企業ルポで有名な立石泰則さんも応援してくれていますね。北村さんや立石さんは少しご存知だったようですが、他の方々は私が知らせて初めて知るに至った次第です。

D  社長!

松岡 なんでしょうか?

D  そこが社長の甘さ、と言っては失礼だけど、優しさなんですよ。現状認識の上ではね。

A  ボク、ちょっと、バイトあるからこのへんで失礼します。

D  ド阿呆! こっからが本論やんか、逃げんと最後まで座っとけ!

A  は、はい(内心:やっぱりきょう来るんじゃなかったなぁ。松岡社長とDさんが議論し出すと、入っていかれへんもん)。

松岡 Dさん。続けてください。

D  少々失礼に当たるかもしれませんが、言いますよ。われわれはこの「リンチ事件」を通して「リンチはいけない」、「暴力はいけない」以上の思想的基盤を創造しえたか、否か。私の関心はそこにしかないんです。社長の純粋な思いというか、義侠心からリンチ事件・被害者M君支援は始まりましたよね。私は全く同感だしこの仕事には価値があったと今でも思っています。だけれども、5冊も本を出したわけでしょ。大手メディアには全く無視されながら。そのことに現代というか、今日この社会が包含する問題の本質が、奇しくも出たと思う。こういう仕事をやっていてこんなことを言うと、罰当たりだけど、私は大方の組織ジャーナリズムをほぼ信用していません。それがしっかり証明されたのが、李信恵の裁判では盛大に記者会見を開くけれども、リンチ被害者M君や鹿砦社が提訴しても、勝訴してもどこも取材に来ないし、記者会見すら開かせないマスメディアの姿勢。これはどう考えても〈差別〉だし〈村八分〉です。2005年に社長が「名誉毀損」容疑で逮捕された状況よりも、個別の事情はともかく、全体では明らかに悪化している。ちなみに、その「名誉毀損」事件を神戸地検からリークされて“スクープ”した、朝日の平賀拓哉という記者は、社長からの面談要請からも逃げ回ってます。自分の記事に責任を持てないのか、と言いたいですね。

B  Dさんちょっと待ってください。お説ごもっともとワシも思うし。けど今の話には重たい課題がごちゃ混ぜになってるように思うんですわ。かといって「ほなお前、わかりやすうに説明せい!」言われてもでけへん。それも事実です。

自分ら取材通じて、だいぶ勉強させてもらいました。本100冊読むよりいろんなことが頭に入ったし。あっ、本も読みましたよ。で、ワシはあれこれ言われへんから、やはりこの問題について再度問い直したいんです。そこはDさんと同じなんですわ。

D  B、おまえどっかの寺か大学院でも入って、修行したのか? どうしたんだよ、その鋭さ! 嬉しいな。若いスタッフの成長は何よりもエネルギーになりますよね社長。

松岡 そうですね。今、BさんとDさんから重い問いが投げかけられました。私もまだ不消化な部分があるので、できるだけ早い時期に“総括本”を出そうと考えていたところです。すでに賛同してくれた5人の方が寄稿してくれています。田所さんは広島被爆二世としての症状が出たのか、療養中で、先の5冊の本で、田所さんが草稿を書いてくれたのですが、今回はそれができなくて私が草稿から書かなくてはなりません。なので、すでに寄稿してくれた5人の方には申し訳ありませんが……。必ず“総括本”は出しますよ。

一同 異議なし!(拍手)

「反差別」運動の女帝の素晴らしいツイート
同上
同上

D  おいB。久しぶりに気持ちいいから、これ終わったら、お前の好きなキャバクラ連れって行ってやるよ。

B  なにゆうてるんですか! 東通り商店街も、曽根崎も、北新地も、ワシの好きやった店どこもやってませんがな!

D  そうなんかあ……

A  本当に飲食店や接客業の方々の苦労は言葉にできませんね。ところで24日、田所さんが証言するんですよね。体調大丈夫でしょうか?

松岡 田所さんには「無理をしないでください」と伝えてありますが、田所さんが「最後の仕事をしたい」と言ってくれましたので、あとは彼に任せます。責任感の強い人だし、これまでの彼の取材や記事の実績を見れば、いくら体調が悪くても、それなりの仕事をやってくれるものと信じています。それに彼は、広島原爆投下75周年の8月6日、みずからが被爆二世であることをカミングアウトされ、これまで受けてきた差別は想像を絶するものと察します。が、確かに体調は悪くても、最近の彼には鬼気迫るものがあります。「反差別」の美名の下に散々やりたい放題の李信恵やその守護神・神原弁護士らに堂々と対峙し断罪するものと信じてやみません。少なくとも私が尋問されるよりもいいと思いますよ。私なんか、ある銀行を訴えた裁判の本人尋問で、頭に血が上って書類を投げて「なんばしよっとか!」と郷里の言葉で怒鳴るほどですので(苦笑)。彼は、そんな私と違い、意外と冷静に対処する人だよ。

C  対李信恵裁判を完勝して、来年からは新しいテーマに取り組みたいですね。

松岡 そうですね。私も来年70歳になりますのでそろそろ引退を考えています。どなたか私の後継者に名乗り出てくれる人はいないでしょうか?

(一同無言のまま帰り支度を始める)

大学院生リンチ加害者と隠蔽に加担する懲りない面々(『カウンターと暴力の病理』グラビアより)

【お知らせ!】11月24日、 対李信恵第2訴訟(大阪地裁)、いよいよ最大のヤマ場、李信恵さんと田所敏夫(取材班キャップ。鹿砦社側証人)の尋問!

対李信恵第2訴訟(大阪地裁)、つまり李信恵さんが鹿砦社に「クソ鹿砦社」「鹿砦社はクソ」等々と散々誹謗中傷した訴訟(鹿砦社の勝訴)に対し、訴訟の最終局面になって反訴してきた訴訟(裁判所は別個の訴訟として処置)について次のように本人(証人)尋問が行われます。これまで、論点整理として非公開で審理が進められてきましたが、次回期日は公開の本人(証人)尋問です。多くの皆様の傍聴を要請します。

〈1〉尋問期日(11月24日火曜午前11時)
〈2〉法廷番号は1007号です。10階の法廷はちょっと大きめだったような気がします。
〈3〉裁判所書記官(24民事部合議2ニ係)yによれば、「整理券を配ったりする予定はない。」とのことでした。
〈4〉当日の予定は下記のとおりです。
  午前11時~   田所敏夫(取材班キャップ。鹿砦社側証人)尋問
  午後1時20分~ 李信恵本人尋問

李信恵さんが法廷に出て来るのは、おそらくこれが最後かな、と思います。
ぜひ傍聴お願いいたします。

《関連過去記事カテゴリー》
 M君リンチ事件 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=62

『紙の爆弾』12月号、本日11月7日発売! 執拗に自公政権追及! 「士農工商ルポライター稼業」問題も継続的に議論! 冤罪問題も! 鹿砦社代表 松岡利康

『紙の爆弾』12月号、11月7日発売!菅首相は「令和のヒトラー」

月刊『紙の爆弾』12月号が本日発売になりました。このかん『紙の爆弾』は、執拗な自公政権追及で部数を伸ばしてきました。今月号もさらに鋭く追及の矢を放ちます。小さくても存在感のある雑誌を自認する『紙の爆弾』ですが、号を重ね創刊15年余り経ちました。『紙の爆弾』は、ご存知のように創刊直後に「名誉毀損」に名を借りた出版弾圧を食らいました。この壊滅的危機を皆様方のご支援で乗り切り現在に至っているわけですが、「ペシャンコにされてもへこたれないぞ」という気概は衰えていないつもりです。

また、本誌の継続的企画として冤罪問題があります。今月号は、労働者の町・釜ケ崎に根づき、仲間と共に不正を追及している尾崎美代子さんが「神戸質店事件」を採り上げています。詳しくは記事をお読みいただきたいですが、一審無罪が、新たな証拠もないのに控訴審でなんと無期懲役に、そして最高裁もこれを追認し確定しています。怖い裁判です。

さらに、先月号から始まった「士農工商ルポライター稼業」についての検証作業、今月号も6ページを割き行っています。今月号は松岡に加え黒藪哲哉さんに寄稿いただきました。本誌を紐解いてお読みいただきたいですが、誤解しないでいただきたいのは、私たちは解放同盟と敵対するものではなく、共同作業として〈差別とは何か?〉について公開で議論していく中から問題の在り処を探究する所存だということです。幸いに解放同盟の方も寛容の心を持って対応していただいています。半年、1年と議論をしていく過程で問題の〈本質〉を抉り出し、ゆくゆくは共同声明としてまとめたいと願っています。

「士農工商ルポライター稼業」問題も継続的に議論検証していきます!

◎このコロナ禍で、当社も売上減を余儀なくされています。この機会に定期購読で本誌を支えてください。1年分(12号)=6600円を郵便振替(01100-9-48334 口座名=株式会社鹿砦社)でご送金ください。1号お得です。今、お申し込みくだされば、特製ブックカバーに加え、魂の書家・龍一郎揮毫の「2021鹿砦社カレンダー」を贈呈いたします。

本日11月7日発売!『紙の爆弾』12月号!

◎『紙の爆弾』12月号 https://www.kaminobakudan.com/

大菩薩峠異聞 ── 福ちゃん荘、赤軍派、浩宮(現天皇) 鹿砦社代表 松岡利康

「大菩薩峠」を知っていますか? 古く(戦前)は中里介山の長編時代小説のタイトルで、今ではほとんど読まれていないのではないでしょうか。私たちの世代では、51年前の1969年のきょう11月5日、赤軍派が首相官邸襲撃―占拠を目指し軍事訓練のために「福ちゃん荘」に集結したところを、事前に情報を入手した警察に53名全員逮捕された事件としてつとに有名です。赤軍派内に入り込んだスパイによってリークされたともささやかれています。このあたりのことは、最新刊の『一九七〇年 端境期の時代』で高部務さんが書いていますのでご一読ください。

警察に急襲され逮捕される赤軍派のメンバー
「福ちゃん荘」の看板(当時と同じものという)

ここまでだったら、激動の時代・60年代後半の一エピソードにすぎないのでしょうが、その後、浩宮(徳仁親王。つまり現天皇。以下「浩宮」と記します)が皇太子時代の2002年9月12日、登山の途中に夫妻で休憩したというのです。このことは、今では消去されていますが、数年前まで「福ちゃん荘」のホームページにも掲載されていました。

普通に考えれば、こういう因縁のある事件があったことで、たとえ浩宮が提案しても、側近や宮内庁が止めるでしょう。よほど浩宮が強く押したのではないでしょうか。浩宮の意図がどこにあるのかわかりませんが、浩宮らしいエピソードです。

さらには、その後(2006年)、かの若松孝二監督は『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』で、この福ちゃん荘を使って撮影したというのです。

「福ちゃん荘」内(当時の新聞記事など掲示)
同上(若松孝二監督のサインを掲示)

あまり知られていないエピソードですが、コアなマニアには知っている人もいるらしく、実際に福ちゃん荘に行って、山荘内を撮影してネットに上げています。山荘内には当時の新聞記事や若松監督のサインも額に入れて飾ってあるというのです(「福ちゃん荘に行ってきた」〔『ちくわブログ』〕。画像も同ブログから転載させていただきました)。いつか行きたいですね。

赤軍派は、この事件以降、翌年の70年には「よど号」ハイジャック事件、連合赤軍による銃撃戦とリンチ殺人事件、M作戦(銀行襲撃)、さらにはテルアビブ空港銃撃事件、「国際根拠地」論に基づくパレスチナでのPFLPとの共闘等々、本気で多くの闘争・事件を起こしていきます。他党派、あるいはノンセクト諸グループ/個々人が本気でなかったなどと言うつもりはありませんが、過激度やスケールが違います。

70年に大学入学以降、足元の学生運動に関わりながら、そうした闘争・事件を見てきました。その想いは、『一九七〇年 端境期の時代』に注ぎ込みましたが、今、60年代後半から70年代はじめにかけての新左翼運動のラジカリズムの在処を検証、総括していかねばなりません。多くの先輩や同級生らがどんどん鬼籍に入っていく中で、私たちは私たちにできる仕方で語るべきだと考えています。ここ数年の『遙かなる一九七〇年代-京都』(品切れ)、『思い出そう! 一九六八年を!!』(品切れ)、『一九六九年 混沌と狂騒の時代』、そして今回の『一九七〇年 端境の時代』へ続くシリーズは、そうした私たちの営為のあらわれです。ぜひご一読お願いいたします。

[追記]11月3日、大阪での「10・8 山﨑博昭プロジェクト」のイベント(映画&トーク)でチラシを配布させていただきましたが、かの東大全共闘代表(当時)・山本義隆さんがみえられていて、ご挨拶し本書を贈呈いたしました。このシリーズは、これまで全て贈呈しています。

渾身の一冊!『一九七〇年 端境期の時代』(紙の爆弾12月号増刊)

渾身の一冊! 『一九七〇年 端境期の時代』(紙の爆弾12月号増刊)、本日11月2日発売! 鹿砦社代表 松岡利康

現代史の端境期〈1970年〉とはどのような時代だったのでしょうか。個人的には、この年、私は大学に入学し、九州・熊本から京都に出て来ました。大学に入る、まさにその直前、大阪万博が開幕し、「よど号」ハイジャック事件が起こりました。70年安保の年ですが、前年の安保決戦で新左翼勢力は敗北し、全般的に「カンパニア闘争」に終始したといわれます(が、それでもかなりの数の学生や反戦労働者が逮捕されました。今だったら「武装闘争」の部類でしょう)。

大阪万博
「よど号」ハイジャック事件

また、同時に、水俣病闘争や反公害闘争が、それまでになく盛り上がってきた年でもありました。

いわゆる「内ゲバ」も、中核派が革マル派学生を殺し、革マル側も報復し、以後、血で血を洗う中核vs革マル戦争が始まった年です。

そうして、11月25日、作家・三島由紀夫が市谷・防衛庁に立てこもり決起し自決します。

6・23安保自動延長に抗議するデモ
三島由紀夫蹶起

私は私で、これまで見たことのない人たちと出会い、カルチャーショックを受けました。京都の大学に入らなければ、また違った人生だったことでしょう。

こうしたこともあり、本誌は、東京で発行される出版物と違い、同志社色の濃いものになっています。私の人脈から同大OB4人(中川、高橋、若林、中島)に寄稿いただきましたが、これだけでも東京発のものとは色合いが違っています。

昨年、『一九六九年 混沌と狂騒の時代』を出し、『一九七〇年~』は、この流れにありますが、『一九六九年~』よりも40数ページ増えていて、想像以上に苦戦しました。

私自身の体験や見知ったことを基に企画を立案しましたが、1970年の雰囲気を醸し出していると自負します。一人でも多くの方にお読みいただきたい、渾身の一冊です。発行部数も9700部と、この種の出版物としては多い部数です。今すぐ書店に走ってください!

渾身の一冊!『一九七〇年 端境期の時代』(紙の爆弾12月号増刊)、本日11月2日発売!

《11月のことば》 無心 鹿砦社代表 松岡利康

《11月のことば》無心(鹿砦社カレンダー2020より/龍一郎・揮毫)

今年のカレンダーもあと2枚を残すのみとなりました。──

今年は、年頭から新型コロナウィルスが一気に蔓延し、まさに無心でなんとしても生き延びることに必死で過ごしてきました。

当社も、一時はデスペレートな気分になりましたが、なんとか持ち直してきました。売上減には違いがありませんが、売上80パーセント、90パーセント減という小売業や飲食業などに比べればまだマシです。諸経費や広告を削減し、保険を一部解約し、さらに私の報酬を半減したりして、売上減を最大限カバーしてきました。社員ファーストで、雇用を守り社員の給料には触らないことを優先して、この急場をしのいできました。さらに、取引先には支払いの遅れがないようにし、特に個人営業のライターさんらには早め早めに支払うように努めて来ました。あと残す2カ月をなんとしても乗り切る決意です。

今年のカレンダーを引き継いで来年2021年のカレンダーの制作も大詰めです。もうすぐ師走、皆様方に「2021鹿砦社カレンダー」をお届けいたします!

月刊『紙の爆弾』2020年11月号【特集】安倍政治という「負の遺産」他
〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』Vol.25

ふたたび、さらば反原連!秋風に吹かれたゴミは歴史の屑箱へ!── 反原連の「活動休止」について【後編】 松岡利康&『NO NUKES voice』編集委員会有志

◆大学院生リンチ事件加害者と繋がる反原連

さらに、偶然(必然か?)とはいえ、鹿砦社には「しばき隊/カウンター」内で発生した、極めて深刻な大学院生リンチ事件が持ち込まれました。反原連とリンチ事件は当初、別個の事案のように思われましたが、取材を進める中で反原連の人間と「しばき隊」の幹部連中が、相当数重なっていることが判明しました(今では常識ですが)。

結語から述べれば、その人々は“「リベラル」を纏った権力別動隊”でした。思慮に乏しく、排他的で、政治・行政権力との緊張関係に欠ける。この集団はリンチ事件発生時、「ヘイトスピーチ規制法」の立法化に力を入れており、それ故にリンチ事件が社会に知れ渡ることを、過剰に警戒しました。その数々の証拠はこれまで5冊の出版物(雑誌増刊号4冊+リンチ最中の音声CDを付けた書籍1冊)として上梓してきた中で詳述してありますが、とりわけ悪質であったのは、集団暴行被害者をあたかも「加害者」のように扱うメールを金展克氏に送付した師岡康子弁護士でしょう。すでに本通信6月25日号でも述べていますので、ここでは詳しくは述べませんが、師岡弁護士こそ、危険なイデオローグだと断じます。

もう一つ注目していただきたいのは、このリンチ事件が2014年12月に起き、加害者側の隠蔽活動で1年余りも隠蔽されてきたことです。この間、安保法制問題が大きく盛り上がり、リンチ問題など世間に公になりませんでした。この実態が公になっていたなら、反原連もSEALDsも、また安保法制反対の運動も、かなりの影響を受けたものと思われます。隠蔽は成功しました。しかし、こういうことはいつか露見します。実際に2016年3月以降露見しました。

◆必要以上に横文字を使い、なにかしら目新しさで人をごまかす反原連(~界隈)の人々

 
ミサオ(2015年6月7日福岡にて)

私たちは、このように人間の尊厳や多様性を無視し、集団暴行を容認・隠蔽する人々を人間として全く信用できません。反原連は横文字が好きで、今回も「ステートメント【活動休止のご報告】」と銘打った文章が公開されていますが、こういった言葉の使い方は使用者の自由であるものの、思考傾向を表わす特徴として捉えることも可能です。カンパと言えばいいものの「ドネーション」と馴染みのない言葉を意気揚々と使ったり……よほど頭のいいことをひけらかせたいのか!?

ラップを採り入れなにかしら目新しさを出し、マスコミの恣意的な報道により世間では評価が高かったSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)について、憲法9条改憲派としての本性を出し、私たちは次第に首を傾げざるをえなくなりましたが、このSEALDsがいまだに反原連にとっては「成果」であったように記されています。SEALDsは、「民主主義って何だ!」と叫んだだけで、その、憲法9条改憲を志向していた団体でした。SEALDsは9条改憲派だったのだ!! 世間の人たちも私たちも、このことに気づくのが遅過ぎました。

これまでの学生運動のイメージを覆したことで錯覚してしまいますが畢竟エセ学生運動としか言いようがありません。詰まる所、この学生たちは何がしたくて、何が言いたかったのか全く理解できません。理解しようとして松岡はSEALDsを代表する人物、奥田愛基君にインタビューしましたが(『NO NUKES voice』6号掲載)、松岡も年甲斐もなく、結局は目くらましにあったようです。唯一はっきりしていることは、SEALDsがしばき隊や、時には親御さんに見守られながら展開された事実でしょう。こんなもの評価するのも馬鹿らしい。

SEALDs奥田とミサオ(2015年9月22日帝国ホテル地下の和食屋にて)

◆活動をやめるためにカンパを集めるだって!?

そうして今回の反原連の「活動休止」声明(ステートメント)には以下のくだりがあります。いみじくも彼らの本音が表われています。

〈それは脱原発運動が市民運動の中心から外れてくるに従い寄付金が減少し、これまでの多岐にわたる活動内容に対し、運営資金の捻出が難しくなってきたことがあげられます。〉

福島原発事故の被災者は、金銭を理由に「被害者」であることをやめられるでしょうか。広島・長崎の被爆者や被曝2世、3世は経済理由から「被爆者」であることから自由になれるでしょうか。

私たち(鹿砦社)とて、会社がいつまで存亡できうるか、あるいは出版業界の今後は、コロナ禍の今日見通せません。ですから「未来永劫『NO NUKES voice』の発刊を死守する」などと宣言はできません。しかし、現編集委員会が生存している限り、何らかの方法で反・脱原発運動を微力ながら支えるべく『NO NUKES voice』を発行し続ける所存です。

反原連は活動の休止を告知しながら同時にこれまで通りカンパ(彼らの言葉でいえば「ドネーション」)を求めています。活動をやめるためにカンパを集めるなど聞いたことがありません。幹部の“退職金”にでもしたいのでしょうか!? 活動休止するのであれば、カンパ募集はやめるべきではないでしょうか。「脱原発運動が市民運動の中心から外れてくる」から活動をやめる? こういったジコチューな物言いはみっともないとしか表現できませんね。

反原連「活動休止のご報告」ステートメント(2020年10月2日)

「脱原発運動が市民運動の中心から外れてくる」にしてもしなくても、福島現地で頑張って日々生きている人々や、故郷から遠く離れて避難している人々は生きていかねばなりませんし、多くの方々が裁判闘争を頑張っておられます。私たちは、こういう人たちを見捨てて「活動休止」するわけにはいきません。反原連のみなさん、あなた方も、曲がりなりにも「反原発」の声を挙げたわけでしょう。ならば、「ステートメント」でも記しているように、口先だけではなく真に「初心に戻り」初志を貫徹していただきたいものです。

反原連に私たち鹿砦社は、多額の資金支援をしましたが(少しは感謝しろ!)、にもかかわらず、みずからの意に沿わないならば「絶縁」するぐらいなら、他力本願な「ドネーション」に頼らず、みずから汗を流して働いて資金を集めるという運動の原点に立ち帰ったらどうですか?(ちなみに、ミサオが言うところでは、当時活動をやるために共産党に頼んで生活保護を受けた人物がいました。共産党も、こんなことをやっていいのか!?)反原連の連中の、人の厚意を蔑ろにするような態度から、今日の姿はイメージできましたがね。

私たちは反原連的な社会運動に(それが社会運動であれば)、強烈な違和感しか感じませんし、こんな運動体が大手を振って歩くようになれば、日本のファシズム完成を早めるだけでしょう。

私たちは時に激しい言葉を使うことはありますが汚い言葉を使うことは滅多にありません。しかし今回はあえて使わせていただきます。やはりゴミはゴミでしかありませんでした。秋風に吹かれたゴミは歴史の屑箱に放り込まねばなりません。「お前はただの現在にすぎない」(トロツキー。テレビマンユニオン創設の頃の書籍のタイトルにもなっています。初版田畑書店刊、のちに朝日文庫)── むべなるかなです。

◎ふたたび、さらば反原連! 秋風に吹かれたゴミは歴史の屑箱へ!── 反原連の「活動休止」について(松岡利康&『NO NUKES voice』編集委員会有志)
【前編】http://www.rokusaisha.com/wp/?p=36691
【後編】http://www.rokusaisha.com/wp/?p=36698

月刊『紙の爆弾』2020年11月号!【特集】安倍政治という「負の遺産」他
『NO NUKES voice』Vol.25

『NO NUKES voice』Vol.25
紙の爆弾2020年10月号増刊
2020年9月11日発行
定価680円(本体618円+税)A5判/132ページ

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総力特集 ニューノーマル 脱原発はどうなるか
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[グラビア]〈コロナと原発〉大阪、福島、鹿児島

[報告]小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教)
 二つの緊急事態宣言とこの国の政治権力組織

[インタビュー]水戸喜世子さん(「子ども脱被ばく裁判」共同代表)
    コロナ収束まで原発を動かすな!

[座談会]天野恵一さん×鎌田 慧さん×横田朔子さん×吉野信次さん×柳田 真さん
    コロナ時代の大衆運動、反原発運動

[講演]井戸謙一さん(弁護士/「関電の原発マネー不正還流を告発する会」代理人)
    原発を巡るせめぎ合いの現段階

[講演]木原壯林さん(若狭の原発を考える会)
    危険すぎる老朽原発

[報告]尾崎美代子さん(西成「集い処はな」店主)
    反原発自治体議員・市民連盟関西ブロック第四回総会報告

[報告]片岡 健さん(ジャーナリスト)
    金品受領問題が浮き彫りにした関西電力と検察のただならぬ関係

[報告]おしどりマコさん(漫才師/記者)
「当たり前」が手に入らない福島県農民連

[報告]島 明美さん(個人被ばく線量計データ利用の検証と市民環境を考える協議会代表)
    当事者から見る「宮崎・早野論文」撤回の実相

[報告]鈴木博喜さん(ジャーナリスト/『民の声新聞』発行人)
   消える校舎と消せない記憶 浪江町立五校、解体前最後の見学会

[報告]伊達信夫さん(原発事故広域避難者団体役員)
    《徹底検証》「原発事故避難」これまでと現在〈9〉
    「原発事故被害者」とは誰のことか

[報告]山崎久隆さん(たんぽぽ舎共同代表)
    多量の放射性物質を拡散する再処理工場の許可
    それより核のゴミをどうするかの議論を開始せよ

[報告]三上 治さん(「経産省前テントひろば」スタッフ)
    具体的なことと全体的なことの二つを

[報告]板坂 剛さん(作家/舞踊家)
    恐怖と不安は蜜の味

[報告]山田悦子さん(甲山事件冤罪被害者)
    山田悦子の語る世界〈9〉普遍性の刹那──原発問題とコロナ禍の関わり

[読者投稿]大今 歩さん(農業/高校講師) 
    マンハッタン計画と人為的二酸化炭素地球温暖化説

[報告]再稼働阻止全国ネットワーク
    コロナ下でも萎縮しない、コロナ対策もして活動する
《北海道》瀬尾英幸さん(脱原発グループ行動隊)
《石川・北陸電力》多名賀哲也さん(命のネットワーク代表)
《福島・東電》郷田みほさん(市民立法「チェルノブイリ法日本版」をつくる郡山の会=しゃがの会)
《規制委・経産省》木村雅英さん(再稼働阻止全国ネットワーク)
《東京》柳田 真さん(たんぽぽ舎、とめよう!東海第二原発首都圏連絡会)
《浜岡・中部電力》沖 基幸さん(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
《読書案内》天野恵一さん(再稼働阻止全国ネットワーク)

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ふたたび、さらば反原連!秋風に吹かれたゴミは歴史の屑箱へ!── 反原連の「活動休止」について【前編】 松岡利康&『NO NUKES voice』編集委員会有志

◆反原連から「絶縁」された鹿砦社

10月2日、「反原連」(首都圏反原発連合。以下反原連と記します)は同団体のHPで、実質上の「活動休止」(口では「解散せず」と言っていますが、事実上の「解散」と見られます)を告知しました。

反原連「活動休止のご報告」ステートメント(2020年10月2日)

鹿砦社と反原連は、日本での初めての反・脱原発雑誌である『NO NUKES voice』発刊以来6号までは良好な関係を保っていましたが、2015年12月3日、一方的に反原連からの「絶縁宣言」により、関係を途絶していました。これには、反原連、いわば弟分的存在のSEALDs、「しばき隊」「カウンター」の全盛期、これに対し理路整然と批判した、韓国から母子で来日した研究者・鄭玹汀(チョン・ヒョンジョン。当時京大研修員。日本キリスト教史、木下尚江研究)さんへの非人間的暴言攻撃、ネットリンチを複数の人たちから聞いた松岡が、2015年9月以降(これ以前は、いわば「金は出しても口は出さない」のスタンスでした)、この他の疑問などと併せ反原連のリーダー、ミサオ・レッドウルフに問い質してきたことが伏線としてありました。

蜜月状態の頃の懇親会写真。松岡の左右に野間(左端)とミサオ(右)が写っている貴重なショット

そうして「絶縁」の直接の導火線となったのが『NO NUKES voice』6号での松岡稿「解題 現代の学生運動」でした。これが「内容に関して許容範囲を超える」(絶縁宣言)とのことでした。ここでは詳細は省きます(関心のある方は同誌7号「さらば反原連! 私たちはなぜ反原連から絶縁されたのか」をお読みください)。

今となっては、反・脱原発雑誌を発刊するにあたり、反原連関連の人物を多数掲載したことは、致し方のない誤りであったとはいえ、松岡はじめ私たちとしては深く反省するところです。反原連からの一方的「絶縁宣言」とはいえ、6号で関係を途絶したのは、ある意味で正解でした。皮肉なことです。

反原連は、前記しているように「首都圏反原発連合」の略称ですが、その名称から想起すると、いくつもの運動体の“連合”のように聞こえますが、実態は違います。当初は「たんぽぽ舎」など複数の運動体が名前を連ねていました。このことに、東京から遠く離れた関西にいて彼らの活動や実態を直接につぶさに見れない松岡は誤認し、「たんぽぽ舎が入っているから大丈夫だろう」と考え、特段の厚意を持って接触しましたが、数年前から反原連は単独のセクトとなったようです。「たんぽぽ舎」とも事実上断絶しています。たんぽぽ舎にいた今井丈夫(ミサオ同棲者)と原田裕史が反原連に移行しています。

鹿砦社は、反原連に一時は年間300万円余りの資金援助もしてきました。その間会計報告もありませんでした(絶縁後強く催促して、ようやく間に合わせとしか思えない会計報告を行っています)。にもかかわらず、2015年12月3日の鹿砦社への言い掛かりとしかいえない失礼千万な「絶縁宣言」をするように、極めて「排他的」「独善主義」的な集団であることが明らかになっています。松岡も人を見る目がないとボヤいていました。高い“授業料”を払いました。

鹿砦社は今は「たんぽぽ舎」に毎月一定額の支援金をカンパし、チラシ配布や『NO NUKES voice』の販売などに協力していただいていますが(鹿砦社は、ホームグラウンドが関西で東京事務所も2人しかおらず人手不足なので)、最初からこうすればよかったわけです。たんぽぽ舎は、同舎のチラシと一緒に『NO NUKES voice』のチラシを撒いてくれていましたが、官邸近くでは反原連の連中から妨害されて撒けないということでした。これからは大丈夫です(笑)。

反原連が、唯我独尊で極めて排他的であることは、多くの人たちが異口同音に語るところですが、このことを象徴する出来事でした。反原連は共産党と親密な関係にあり、ミサオらが共産党の大会でスピーチしたり機関紙『しんぶん赤旗』にたびたび登場しています。共産党のスターリン主義的体質と同じ体質です。「類は類を呼ぶ」ということでしょうか。

◆警察との親和性が強く、闘う学生を背後から襲う反原連とこの界隈の人たち

 
ミサオ(2015年8月10日鹿児島にて)

実は、『NO NUKES voice』編集委員の中に、早期から反原連の危険性を説いていた人物がいました。当該人物は国会前集会で参加者が路上に溢れた時に、反原連のミサオ・レッド・ウルフが、なんと機動隊の指揮車の上によじ登り(そのような行為は、警察の同意なしに可能なことではありません)集会に参加した人々へ「継続的な首相官邸前抗議行動」ができなくなるから「解散」を要請した現場に居合わせたのです。

これにはジャーナリストの寺澤有氏も現場に居合わせ証言されています。この事実の他にも反原連と警察の癒着を明示する記事は、他ならぬミサオ・レッド・ウルフが、『NO NUKES voice』の中で述べている通りですから、間違いのない事実です。

私たちは、いたずらに警察権力との対立を望むものでは全くありませんが、あの時、国会前に集まった、数千、数万の群衆は「継続的な首相官邸前抗議行動」ではなく、大飯原発再稼働に心底怒っていたのではないかと推測します。

反原連やSEALDsらの警察との親和性(癒着)は、2015年夏の反安保法制運動の中でも見られます。今や有名となった「警察のみなさん、ありがとう」の言葉に象徴され、一部戦闘的な学生らが警察の壁を突破しようとして国会に向かって行動するや、逆に警察と一緒になって弾圧の尖兵にさえなっています。実際に逮捕された学生もいます。これに「警察のみなさん、ありがとう」などどういう神経でしょうか。これに対しては作家・辺見庸も批判し、逆に激しいバッシングに遭い、一時ブログを閉鎖するほどでした。

相手は巨大な国家権力です。必ずしも「一点突破、全面展開」が可能な情勢ではなかったかもしれません。しかしながら、機動隊の指揮車によじ登り、集会参加者に「解散」を求める行為、あるいは「警察のみなさん、ありがとう」と言って直接的抗議行動にはやる学生らへの弾圧に加担する行為を、私たちは断じて容認できないし、今後も容認しないでしょう。そんな行為を一度でも行えば、命懸けで反・脱原発運動に携わっている皆さんや、わが身をもって反安保法制の闘いを体現しようとした先進的学生らの背後から鉄砲を撃つようなものです。彼らは闘う学生を背後から襲うことはあっても、権力と闘うことはありません。(明日掲載の後編につづく)

月刊『紙の爆弾』2020年11月号!【特集】安倍政治という「負の遺産」他
『NO NUKES voice』Vol.25

『NO NUKES voice』Vol.25
紙の爆弾2020年10月号増刊
2020年9月11日発行
定価680円(本体618円+税)A5判/132ページ

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総力特集 ニューノーマル 脱原発はどうなるか
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[グラビア]〈コロナと原発〉大阪、福島、鹿児島

[報告]小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教)
 二つの緊急事態宣言とこの国の政治権力組織

[インタビュー]水戸喜世子さん(「子ども脱被ばく裁判」共同代表)
    コロナ収束まで原発を動かすな!

[座談会]天野恵一さん×鎌田 慧さん×横田朔子さん×吉野信次さん×柳田 真さん
    コロナ時代の大衆運動、反原発運動

[講演]井戸謙一さん(弁護士/「関電の原発マネー不正還流を告発する会」代理人)
    原発を巡るせめぎ合いの現段階

[講演]木原壯林さん(若狭の原発を考える会)
    危険すぎる老朽原発

[報告]尾崎美代子さん(西成「集い処はな」店主)
    反原発自治体議員・市民連盟関西ブロック第四回総会報告

[報告]片岡 健さん(ジャーナリスト)
    金品受領問題が浮き彫りにした関西電力と検察のただならぬ関係

[報告]おしどりマコさん(漫才師/記者)
「当たり前」が手に入らない福島県農民連

[報告]島 明美さん(個人被ばく線量計データ利用の検証と市民環境を考える協議会代表)
    当事者から見る「宮崎・早野論文」撤回の実相

[報告]鈴木博喜さん(ジャーナリスト/『民の声新聞』発行人)
   消える校舎と消せない記憶 浪江町立五校、解体前最後の見学会

[報告]伊達信夫さん(原発事故広域避難者団体役員)
    《徹底検証》「原発事故避難」これまでと現在〈9〉
    「原発事故被害者」とは誰のことか

[報告]山崎久隆さん(たんぽぽ舎共同代表)
    多量の放射性物質を拡散する再処理工場の許可
    それより核のゴミをどうするかの議論を開始せよ

[報告]三上 治さん(「経産省前テントひろば」スタッフ)
    具体的なことと全体的なことの二つを

[報告]板坂 剛さん(作家/舞踊家)
    恐怖と不安は蜜の味

[報告]山田悦子さん(甲山事件冤罪被害者)
    山田悦子の語る世界〈9〉普遍性の刹那──原発問題とコロナ禍の関わり

[読者投稿]大今 歩さん(農業/高校講師) 
    マンハッタン計画と人為的二酸化炭素地球温暖化説

[報告]再稼働阻止全国ネットワーク
    コロナ下でも萎縮しない、コロナ対策もして活動する
《北海道》瀬尾英幸さん(脱原発グループ行動隊)
《石川・北陸電力》多名賀哲也さん(命のネットワーク代表)
《福島・東電》郷田みほさん(市民立法「チェルノブイリ法日本版」をつくる郡山の会=しゃがの会)
《規制委・経産省》木村雅英さん(再稼働阻止全国ネットワーク)
《東京》柳田 真さん(たんぽぽ舎、とめよう!東海第二原発首都圏連絡会)
《浜岡・中部電力》沖 基幸さん(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
《読書案内》天野恵一さん(再稼働阻止全国ネットワーク)

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月刊『紙の爆弾』11月号、本日発売! 9月号の記事に対して解放同盟から「差別を助長する」と指摘された「士農工商ルポライター稼業」について検証記事の連載開始! 鹿砦社代表 松岡利康

月刊『紙の爆弾』11月号が本日7日発売となりました。

本誌9月号での昼間たかし氏の記事中に記された「士農工商ルポライター稼業」という言葉が「差別を助長する」との部落解放同盟からの指摘について、今月号から検証記事の連載を開始しました。

今回は簡単な経過説明、解放同盟からの通知文、これに対する私たち(松岡、本誌編集長・中川、昼間)の現時点の見解(9月15日の面談に持参)を掲載しました。

解放同盟とは、公開の議論として検証することで一致、しばらくの間、第三者、本誌や解放同盟周辺の人たちによる検証記事を掲載していくことになりました。

この問題について、皆様方のご意見をお寄せください。

月刊『紙の爆弾』2020年11月号より
月刊『紙の爆弾』2020年11月号より
タブーなき月刊『紙の爆弾』2020年11月号 本日発売!【特集】安倍政治という「負の遺産」他

《10月のことば》あきかぜに ゆれる秋桜 いのちのかぎり 咲きほこる 鹿砦社代表 松岡利康

《10月のことば》あきかぜに ゆれる秋桜 いのちのかぎり 咲きほこる(鹿砦社カレンダー2020より/龍一郎 揮毫)

今年の夏は、コロナ禍と猛暑で、これまで経験したことのない夏でした。猛暑だけなら昨年も、一昨年もそうでしたが、新型コロナの蔓延は予想もつかなかったことです。

コロナはまだ勢いを保持していますが、猛暑は、ようやく鎮まったようで、「暑さ寒さも彼岸まで」、彼岸を過ぎると一気に肌寒ささえ感じます。

コロナのせいで、ここ甲子園も例年なら全国から集まる野球ファンの歓声もなく(今は少しありますが)、また知人のお店も閉めたり世の中は苦境に喘いでいます。まるで他人事みたいに聞こえるかもしれませんが、私たちの会社・鹿砦社も売上減をいかに補うか苦慮しています。ただ、飲食関係や小売店に比べればまだマシだというにすぎません。なんとか生き延びれているだけでも幸せと言わねばなりません。これから年末が最大の山、皆様方と共に乗り越えていきたいと思っています。

10月になりました。秋桜(コスモス)が咲きほこる季節です。一日も早くコロナが退散し、気持ち良く咲きほこる秋桜を眺めたいものです。

月刊『紙の爆弾』2020年10月号【特集】さらば、安倍晋三
〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』Vol.25

【カウンター大学院生リンチ事件(別称「しばき隊リンチ事件」)続報】対李信恵第2訴訟、いよいよ天王山へ! 11・24、本人尋問決定! M君リンチ事件検証・総括本も編集開始! この4年余りのM君支援―真相究明の〈総決算〉を勝ち取ろう! 鹿砦社代表・松岡利康

この「通信」前号(7月27日)において、くだんのM君リンチ事件にまで引き続く〈差別と暴力〉について忌憚なく申し述べました。特に私の大学の先輩が巻き込まれた1974年の「八鹿(ようか)高校事件」を引き合いに出して記述しました。以前だったら、タブーの中のタブーで、こうした形で述べることなどできなかった問題ですが、李信恵さんらによるM君リンチ事件を論じる際に、どうしても避けて通れない問題です。少なくとも私にとっては……。そうは言っても、やはり構えてしまいましたが、勇気を奮って書き綴りました。〈差別と暴力〉── 45年余り経ってもいまだにはっきり総括されていませんし、加えてM君リンチ事件(被害者M君支援と真相究明)に関わることになり、私なりに悩みながら真剣に考えてきたつもりです。

しかし、M君リンチ事件を本質的に検証・総括する際には、この〈差別と暴力〉の問題は避けて通ることはできません。ひいては、反差別運動、社会運動、市民運動の内部における暴力(言葉の暴力も含め)は決してあってはいけません。それを、M君リンチ事件では、いわゆる「反差別」運動の中心とされる者らがやったということで深刻であることは言うまでもありません。この問題を隠蔽したり逃げている人たちに、人間としての真摯さを見ることはできませんし、「八鹿高校事件」のように、この問題が将来的に運動に深刻な〈影〉を与えるとは思わないのでしょうか。

くだんの「通信」について、ノンフィクションライターの立石泰則氏はご自身のFBで次のように述べておられます。──

〈「目的は手段を正当化しない」とは、ずっと言われ続けてきたことだが、左右のイデオロギーに関係なく暴力に走る者は後を絶たない。「正義が暴走して何が悪い」と公然と言い放つ弁護士まで現れる始末で、世の中の腐敗・堕落が全体に進んでいるように思います。
「差別問題」はイデオロギーやどんな組織に所属しているかなどに惑わされることなく、「事実」と向き合うことがもっとも大切なことだと改めて実感させられています。〉

まったく同感です。

ところで、対李信恵第2訴訟(大阪地裁第24民事部)、この訴訟は、李信恵さんによる鹿砦社に対する止まることのない「クソ鹿砦社」「鹿砦社はクソ」等という誹謗中傷について不法行為が認定された訴訟の「反訴」として出され併合審理を求めながら裁判所に認められず独立した「別訴」とされたものです。李信恵さんは原告として鹿砦社に賠償金550万円と出版差止めを求めています。これまで非公開の弁論準備手続きが続いてきました。この間、李信恵さんはただ1回出廷したのみで、私は突然目が見えなくなるという急病で1度は休ませていただきましたが(この時、提訴の材料とされた証拠資料の原本を提出しようとして前任の裁判長は頑なに拒否するという事件が起きました。一部分のコピーでいいというのです)、こういうことが再びあってはいけないということもあり、これ以外は全回出廷し陳述書も4通も提出しましたが、ようやく来る11月24日(大阪地裁1007号法廷)に本人尋問が行われることが決まるところまで来ました。午前11時から被告(鹿砦社)側、こちらは取材班キャップ・田所敏夫さん、昼休みを挟んで午後1時20分から原告・李信恵さんの、それぞれ尋問となります。李信恵さんは、この訴訟のみならず、今さして訴訟も抱えていないようですので、おそらくこれが最後の尋問になるのではないでしょうか。

ちなみに、前任の増森珠美裁判長は、李信恵さんが在特会らを提訴した訴訟で、李信恵勝訴の判決を下した裁判長です。さすがに不公平は否めず(ですから、冒頭から証拠資料の原本を拒絶したり強権的で不可解な訴訟指揮をやったのでしょう)、私たちは裁判官忌避申し立てを行おうとした、まさに当日、急に京都地裁に異動になりました。新たな裁判長に交替になりましたが、増森裁判長のままだったら、「闘わずして敗北する」ことは必至だったでしょ

少し先になりますが、今から日程の都合を調整されぜひ傍聴をお願いいたします。おそらくカウンター/しばき隊側は、以前のようにいつもの顔ぶれを大挙動員してくるものと思われます。「俺を倒してから世界を動かせ!」(学生時代に学費値上げ阻止闘争で仲間と立て込もったバリケードに書いた言葉)という心構えで、常にたった一人ででも権力・権威や不条理と闘う気概を持った私や田所さんと違い、徒党を組まないと何もできない人たちですからね。M君裁判を支援する会も解散した今、支援されてきた皆様のどれほどが傍聴されるかわかりませんが、彼ら「反差別チンピラ」(森奈津子さんの規定)に対峙するには私と田所さんとで十分です。それでもできるだけ多くのみなさんが、李信恵さんの酒焼けした顔を見るぐらいの気持ちでご参集ください。

ちょうど田所さんは8月6日にみずからが広島原爆被爆二世であることをカミングアウトされました。被爆者やその二世、三世がどれほどの後遺症や差別に苦しめられてきたか、言うまでもありませんが、いつもは「差別」という言葉を“錦の御旗”にみずからが「被差別者」であることを殊更喧伝し、相手にカマシを入れ萎縮させる李信恵さん、あるいは彼女の熱烈支持者たる神原・上瀧両弁護士らが、在日コリアンとは違う被差別者の田所さんにどう対応するか──決戦は11月24日です。

さらには、この4年有余にわたる「カウンター大学院生リンチ事件」、別称「しばき隊リンチ事件」の検証・総括本(タイトル未定)の集稿。編集作業も開始しました。いちおう11月24日の上記尋問までの出版を目指しています。本質的に「カウンター大学院生リンチ事件」(別称「しばき隊リンチ事件」)とは一体何であったのかを広く深く探ります。加えて、M君訴訟の控訴審以降の最終報告と総括、鹿砦社vs李信恵/藤井正美訴訟の経過報告などてんこ盛りの内容です。執筆陣も特別取材班はじめ山口正紀、黒藪哲哉、森奈津子、合田夏樹、尾崎美代子さんら、もちろんM君も、多士済々の人たちによって、運動内部での激しいリンチを惹き起こした「反差別」―カウンター運動の問題を検証、総括いたします。これまでの5冊の本同様、期待を裏切りません。ご期待ください。

リンチ事件を隠蔽しても、一時的には事実をカモフラージュできるかもしれませんが、それは本来の反差別運動、社会運動、市民運動の正しい姿ではありません。私たちは、徹底した調査・取材によってリンチ事件の真相究明をなし遂げ、将来への〈生きた教訓〉にせねばなりません。私の言っていることは間違っているでしょうか? 「間違っている」と言うのであれば、「言論には(暴言・暴力ではなく)言論で」きちんと反論していただきたい。逃げても何も解決しません。

そのように春先から膨大な資料を整理してきましたが、目についた李信恵さんによる鹿砦社に対する倒錯したツイートのほんの一部をアトランダムに以下掲載しておきます。今読むと、怒りを通り越して笑止千万です。中でも、鹿砦社取材班のメンバーによる「嫌がらせ」や「妨害」で、警察に相談したとか(警察からは何の連絡もありませんし、これを李信恵さんは裁判で主張してもいません。おそらく虚言、カマシだと推察されます)、目が痛くなった、体調を崩した等々と、被害妄想もいい加減にしてほしいものです。李信恵さん、あなたの「被害」なるものよりも、酷いリンチを受けたM君の心身にわたる〈被害〉のほうが遙かに深刻です。もういい加減、血の通った人間の心を取り戻してください。

「反差別」運動の女帝の素晴らしいツイート
同上
同上

《関連過去記事カテゴリー》
 M君リンチ事件 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=62