2月20日あいにくの雨天下、「若狭の原発を考える会」の呼び掛けで高浜原発4号機再稼働反対デモが高浜原発前に向かい展開された。

2月20日浜岡原発ゲート前。この時、関電の中では警報音が鳴り響き1次冷却水漏れが発生していた(筆者撮影)

2016年2月21日付福井新聞

既に再稼働されてしまった3号機に続き、老朽化で危険極まりない4号機の再稼働は狂気の沙汰だ。東京や遠隔地からの参加者100余名が「ポンコツ原発動かすな!」、「若狭の自然を守れ!」と関西電力を糾弾した。

その抗議が高浜原発正面で行われていた正にその時刻、原発内では一次冷却水漏れを警告するアラームが響き渡り、現場は大混乱に陥っていたのだ。デモ参加者の危惧が現実のものとなっていたのだ。

2月21日の福井新聞は「高浜原発4号一次冷却水漏れ 再稼働作業を中断」の見出しで一次冷却水約34リットルが漏れたと報じている。関西電力は「(再稼働)工程に影響が出るかは、現段階では分からない」と述べているが、この連中に理性は無いらしい。

同日21日は地域にチラシを配るアメ―バデモが展開された。住宅街でチラシを投函していると正午丁度に「故郷」のメロディーが流れる。町内放送だろうか。高浜に限らず全ての原発立地が「故郷」でいられるためには全原発即時排炉しかない、と実感した。

高浜2・20抗議行動。デモ出発時風景(筆者撮影)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

2月25日発売!『NO NUKES voice』Vol.7!

甘利経済再生大臣が辞任してその後任者となった石原伸晃。ご存知石原慎太郎の息子にして環境大臣時代を勤めた経験もある奴は、環境大臣就任前だが2014年6月16日、首相官邸で記者団に対し、福島第一原発事故に関する汚染廃棄物を保管する国の中間貯蔵施設建設について「最後は 金目 (かねめ) でしょ」と発言したあの男だ。私から見ればまったく評価する点のない「極悪政治家」の1人であるが、一部の人たちに的外れな石原伸晃への「誤解」があるようだ。「反原発」界では「女帝」として君臨するある人物が下記のごとくツイッターに書き込みをしていた。

「石原伸晃は意外だけど護憲派。反原連のメンバーが伸晃ブログにそう書いてあるのを発見し事務所に電話したら「先生は昔から護憲派です」との答え。今ぐぐったらこんなアンケートも。http://tknottet.sakura.ne.jp/Article9/Anti9_tokyo.html?…安倍内閣に入閣、改憲についても考えを変えるのだろうか?」

え!そんな馬鹿な! こいつは以前から確信的な「改憲主義者」として知られているじゃないか。政治家が前言を翻すのは日常茶飯事だが、「昔から護憲派」は完全な嘘だ。

その証拠を示そう。2012年の衆議院選挙を控えて毎日新聞が実施した下記のアンケートだ。石原伸晃は「憲法改正賛成」、「集団的自衛権容認」、「原発再稼動賛成」、「2030年に原発をゼロにする(当時民主党政権の一時的政策)には『反対』」、「TPP反対」、「辺野古基地建設推進」を明言している。衆議院では2014年にも選挙が行われており、その際に示されたのが最新の見解、政策ということができよう。仮に最新のアンケート結果と違う政治姿勢に転じたのであれば「公約違反」ということになる。

ちなみに「女帝」様が示しているアンケートは2009年8月30日に行われたものである。直近2014年に行われた毎日新聞のアンケートでは下記の通りだ。

「憲法9条改正には反対」だが「集団的自衛権には賛成」、「アベノミクスを評価」、「原発は日本に必要」、「靖国神社に首相が参拝することは問題ない」、「村山談話・河野談話は見直すべき」、「特定秘密保護法は日本に必要」、「道徳を小中学校の授業で教え、評価することに賛成」、「カジノ解禁に賛成」が石原伸晃の最新の主張だ。このアンケートではTPPへの設問はない。

政治家の政策を判断するのは直近の情報でなければ参考に値しない。彼らは簡単に前言を翻すからだ。万が一石原伸晃が「改憲には賛成だが9条改憲には反対」であるとしても「集団的自衛権」を容認しているのだから「9条」を実質無視する政策を支持する人間であることに変わりはない。
http://senkyo.mainichi.jp/46shu/kouji_hirei_meikan.html?mid=D05001001008

なにが「昔から護憲派」だ! アホぬかせ! 2012年には告示直前に現参議院議員の山本太郎氏が石原伸晃と同じ東京8区から出馬を表明し、落選したものの、7万票を得て話題となった選挙だった。山本太郎氏は「最も全国で注目されるところ、東京最強といわれる石原おぼっちゃま」に挑んで真っ向から反対の政策を打ち出したじゃないか。たった4年前のことももうお忘れなのか「女帝」様。それに石原伸晃は「反原発集会は集団ヒステリー」と発言したこともあったし、福島第一原発を「福島第一サティアン」と呼んだこともある。脱原発陣営からすれば明確すぎるほど明確な「敵」ではないか。

ちなみに石原伸晃は「政教分離を進める会」(公明党の政教分離を問題にする議員の会)に所属していた過去があるが、現在選挙では公明党が有力な支持母体になっている。さらに本人は新興宗教の「宗教真光」の信者であり「神道政治連盟国会議員懇談会」にも所属している。一時公明党の政教分離を問題にしていたわりには神道に甘く上記のアンケートの回答どおり「靖国神社への首相参拝問題なし」と言い放つ人間である。

「女帝」様のツイッターの書き込みには呆れてものが言えない。しかし要するにこの程度の認識、感覚の人間が「専制的」に運動を仕切るのだから、テーマに何を掲げてもその運動が「翼賛運動化」していくのは頷ける。だいたい反原発を掲げる団体の人間が「再稼動容認」で自民党の中心にいる人間にいったい何を期待するのだ。河野太郎だって平議員の時は「脱原発」を口にしていたくせに、入閣するや原発への言及は一切なくなったではないか。あなたたちは「反原発」を掲げる団体ではないのか?「再稼動容認」を名言する石原伸晃に何を期待しているのだ。誤った情報を基にして。

こう指摘すれば、たとえば、
「石原氏への言及は本人のブログと事務所への確認を行った(裏を取った)ものであり、間違いはありません。ツイッターでの言及はあくまで『入閣後に改憲への意見を変えるのか』という視点を提供しているだけで、石原氏への支持を意味するものではないことは『普通の人』なら理解できるでしょう。そうでない言いがかりは根性の曲がった曲がった『ヘサヨ』的偏見です」
とかなんとか言い出すんだろう。

原発事故後に社会運動を始めた山本太郎氏は「首を取りに行く」ターゲットとして石原伸晃を見据えた。落選はしたがその視点には共感できる。石原伸晃こそ現代的な自民党議員の代表と言ってもいい人間だからだ。 

石原伸晃は4年前の選挙で「TPP反対」を明言していながら、その担当の大臣に就任するとは、まったくもってご立派な感性の持ち主ではないか。この点を「女帝」様はご存知か?もしご存じなければどうお考えになるだろう。

要するに石原伸晃は「嘘つき」だ。その嘘、しかも見え見えでこちらが恥ずかしくなるような稚拙な嘘に騙されるような人間が君臨する運動体は大丈夫か? え? どうなんだ?

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎『原発と戦争を推し進める愚かな国、日本』出版記念で小出裕章さんを囲む会!
◎菅直人VS安倍晋三裁判──請求棄却判決の不当とねじれ過ぎた真実
◎3.11以後の世界──日本で具現化された「ニュースピーク」の時代に抗す
 

反骨の砦に集え!月刊『紙の爆弾』!

2月5日、大阪中央区谷町6丁目の隆祥館書店で「『原発と戦争を推し進める愚かな国、日本』毎日新聞出版記念イベント 小出裕章さんを囲む会」が行われた。隆祥館書店の5階にある会場には立ち見が出るほどの人が集まり、2月初旬の夜だというのに窓を開けないと熱気で息苦しいほどの満員状態だった。

◆「たね蒔きジャーナル」が報じ続けた「真実を語る原子力研究者」小出さんの声

2016年2月5日大阪谷町6丁目の隆祥館書店にて

2011年3月11日以前、原子力発電の問題に関心のない人々の間ではそれほど名前が知れ渡っていたわけではない小出さんは事故後ほどなく「真実を語る原子力研究者」として、その存在が急速に際立ちはじめる。

MBS(毎日放送)ラジオ番組「たね蒔きジャーナル」は福島原発事故の現状や課題、困難さや危険を生中継で小出さんが解説する時間を設けた。他の大手メディアには小出さんのような明確に原発に反対する研究者が登場することすらほとんどない中、日々変化する状況へ小出さんの解説や意見は別格に鋭く、人々は恐怖を感じながらも畏敬の念で彼の解説に注意を払うようになった。「たね蒔きジャーナル」における小出さんの解説は毎日放送の電波が届く関西圏だけでなく、それを録音した人々がYoutubeやSNSに投稿するなどして、全国、全世界へと広がった。

一方毎週末には全国各地で小出さんの講演会や勉強会が開かれた。常人には想像もできない猛烈な勢いで日本全国を駆け巡り、講演を行い、質問者には時間が許せば最後の1人まで丁寧に答える小出さんの姿は「反原発伝道師」のようですらあった。国内だけではなく米国、台湾、韓国などからも招かれ講演に出かけられている。

当時小出さんは「今は私にとって『戦争』ですから」と語っておられた。その「戦争」は京大原子炉実験所を定年退職され、長野県に移住された後も小出さんを「戦地」から解放してくれはしなかった。この日の会場となった隆祥館書店満員に姿を見せた小出さんは小さな鞄に「安倍政治を許さない」と書かれたバッチを付けていた。

◆『原発と戦争を推し進める愚かな国、日本』は京大退職後、初の書き下ろし

2016年2月5日大阪谷町6丁目の隆祥館書店にて

2015年3月に京都大学原子炉実験所を定年退職されてから、初めての書き下ろしとなる『原発と戦争を推し進める愚かな国、日本』では原発事故への言及ももちろん豊富だが、事故後発生した社会的な出来事、とりわけ「戦争」に向かう数々の断面をジャーナリストのように指摘されていることが際立っている。

前述の「たね蒔きジャーナル」をはじめとして小出さんが定期的に出演した番組が全て今は「無くなっている」こと。それは実質的に自分の出演が理由で番組自体が消滅させられた(可能性がある)と考えること。マスコミの退廃極まりない現状への直接の批判。そして小出さんが「原子力マフィア」=犯罪集団と呼ぶ行政、政治、企業、マスコミが画策する原発維持=核兵器製造技術保持と、福島第一原発事故の風化を目論む策動。そして文字通りの「戦争」へ邁進する安倍や自民党への容赦ない批判と警鐘。

この日の講演ではマイナンバー導入について「人が名前ではなく番号で識別される」ことを小出さんは危険視し、嫌悪することが語られた。穏やかな言葉ではあるがスクリーンに映し出された画像の中には「まことにこの国は狂っている」、「自分の身に危険が迫った時は、既に抵抗する人の可能性は奪われている」ともあった。

原子力の専門家小出さんは、依然として「原子力非常事態宣言」が発令されたままの2016年2月、「反原発」と同じほどの比重で「戦争」の到来の危機を語った。いつも通りの穏やかな語りと笑顔から立て板に水のように紡がれる言葉は、残念ながらその内容が年々悲観的に傾きつつある。

原子力研究の専門家であると同時に、小出さんはご自身が仰るとおり「徹底的な個人主義者」であり「反戦・反差別主義者」だ。でも論文でない限り小出さんの著作は、語りの様に優しい言い回しで綴られる。

◆隆祥館書店は久方振りに「書店」の意気込みを感じさせてくれる本屋さんだった!

2016年2月5日大阪谷町6丁目の隆祥館書店にて

この日の集まりが行われた隆祥館書店は決して大きな書店ではない。講演前、隆祥館書店二村知子氏は「アマゾンや大規模書店の展開により小規模の書店は経営が非常に厳しく閉店が相次いでいる。しかしテレビや新聞が伝えない事実でも書物であれば真実が書かれている。伝えられる。書店としての社会的責任を果たして行きたい」と書店の社会的責任を挨拶として述べられた。隆祥館書店はこの日のように書物の著者を招き講演や座談会などをこれまで既に100回以上行っている。小出さんも講演の冒頭「小さな気概ある書店」の存在に言及された。

言われてみればそうだ。私自身が書店に個性や魅力を感じなくなってどのくらい経つだろう。書店の魅力は売り場面積の広さではない。書架に並ぶラインナップが「ウム」と唸らせてくれるかどうかが、かつては決め手だった。大規模書店には個性が乏しい。初めて訪れた隆祥館書店は久方振りに「書店」の意気込みを感じさせてくれる本屋さんだった。だから小出さんも応援に駆け付けたに違いない。


◎[参考動画]小出裕章氏「原発と戦争を推し進める愚かな国、日本」出版記念講演会(2015年9月19日毎日ホール)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎菅直人VS安倍晋三裁判──請求棄却判決の不当とねじれ過ぎた真実
◎3.11以後の世界──日本で具現化された「ニュースピーク」の時代に抗す
◎2016年のジャパン・カオス──2026年正月に記された日系被曝難民家族の回想記

反骨の砦に集え!7日発売『紙の爆弾』!

菅直人元首相が名誉棄損で安倍晋三現首相を訴えた裁判が12月3日に行われ、東京地裁は菅元首相の請求を棄却した。この判決について毎日新聞はこう報じている。

東京地裁:菅元首相の請求棄却 「安倍首相が名誉毀損」(毎日新聞2015年12月03日付)

民主党の菅直人元首相が、東京電力福島第1原発事故の対応を巡る安倍晋三首相のメールマガジンの記載で名誉を毀損(きそん)されたとして、謝罪記事の掲載と1100万円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は3日、菅氏の請求を棄却した。永谷典雄裁判長は「メルマガの重要な部分は真実」と述べた。

安倍首相は自身の公式ホームページに2011年5月20日付で「菅総理の海水注入指示はでっち上げ」と題したメルマガを掲載。東日本大震災発生翌日の同年3月12日に実施された原子炉への海水注入について「やっと始まった海水注入を止めたのは、何と菅総理その人だった」などと記した。実際は海水注入は停止されず継続された。
判決は「再臨界の可能性を質問した菅氏の気迫に押され、東電幹部や官邸のメンバーが海水注入を再検討した経緯があった。菅氏には海水注入を中断させかねない振る舞いがあった」と指摘した。

菅氏は判決後に記者会見し「重大な事実誤認があり承服できない。控訴する」と話した。安倍首相の事務所は「当方の主張が認められた」とのコメントを出した。【島田信幸】

これだけの記事では詳細が何のことやら一般の読者には充分な理解が出来ないのではないだろうか。

この問題を含めて、私たちは10月8日菅元首相に取材を行っている。そのインタビュー記事は先月25日発売されたばかりの脱原発雑誌『NO NUKES voice』第6号に掲載されている。簡単にまとめれば経緯は以下の通りだ。

◆安倍メルマガ掲載翌日の2011年5月21日、読売、産経の2紙が一面トップで報じた理由

安倍現首相は自身のメルマガに上記通り「菅総理の海水注入指示はでっち上げ」と題した文章を2011年5月20日に書いている。元首相といえども当時の安倍は野党の一議員に過ぎない。しかし翌日、読売新聞、産経新聞は1面トップでこの「恣意的誤報」を大々的に報じている。読売新聞の見出しは「首相意向で海水注入中断」だ。ご丁寧にも安倍の「首相が誤った判断で(海水注入)を止めてしまった。万死に値する判断ミスでただちに首相の職を辞すべきだ」とのコメントまでと掲載している。

菅元首相によると、この「海水注入中断造話」は東電社員が情報を大手メディア各社に配ったのだという。

このメルマガでの安倍の記述を大々的に報道したのは全国紙では読売、産経のみで朝日、毎日は掲載していない。そのことからも事実がどこにあったのかを推認することは難しくない。

2011年5月21日付読売新聞1面

◆その後、安倍側が2011年5月20日掲載記述を削除した理由

菅元首相は訴えの中で、1)メルマガ記載文章の削除、2)謝罪、3)名誉棄損の損害賠償を求めていると取材の中で明らかにした。安倍側は当初、全面的に争う姿勢を見せながら、ある時期こっそりと2011年5月20日の掲載内容を削除している!やましくないのであれば係争中の文章をこっそり削除する必要があるだろうか。

菅元首相は「傑作なのはこれから1週間経った時に吉田昌郎(当時福島第一原発所長・故人)がそんなことはなかったと言っていることです」と続けた。さらに「なんで新聞がこんなことを書くのか、私は海水注入を怒鳴って止めたことは一度もないですよ。海水注入で廃炉になるのだというのなら、それは東電が気にする事であって、私がそんなことを気にするはずもないですよ。海水に変えることを誰も反対していませんでした」と私たちの質問に明言した。

3月12日午後6時頃から官邸での打ち合わせで海水に切り替える相談をしていました。そこに東電から来ていた武黒一郎氏(当時副社長)は『切り替えに1時間半くらいかかる』というので、私は原子力安全委員会委員長の班目春樹氏に2つ質問をしました。
12日朝ヘリコプターで福島第一に向かう途中班目氏に『水素爆発は大丈夫ですか』と聞いたところ『圧力容器に水素が漏れても、格納容器内は窒素で満たされているので爆発はしません』との答えでした。でも午後3時ごろ1号機は爆発するわけです。私と班目さんは同じ場所にいて、その時も東電からの連絡は大幅に遅れました。民間のテレビ局が放送するまで連絡をしてこないのです。東電は。爆発から2時間後です。そこで班目氏が言ったのは『建屋まで水素が流れていくことまで気が回らなかった』でした。
そういうことがあったので(心配して)海水を注入した時、塩分の影響が出ると想像されるがそれはどうですかと、それが一つです。もう一つはメルトダウンしてメルトスルーすると再臨界の恐れはないか、それを非公式に外部の専門家にも意見を聞き、「懸念がないわけではない」と言われていたので『再臨界の恐れはないですか』と班目さんに聞きました。『可能性はゼロではありません』と彼は答えました。
このやり取りを誰かが「海水注入を止めた」と全く脈略の違う解釈をしたわけです。(『NO NUKES voice』6号特集インタビューより

つまり、菅元首相は一度も海水注入を止めていない。「塩分による影響」に対する質問が「海水注入停止」にすり替えられている。判決も「海水注入停止はなかった」と認定しながら安倍がメルマガで「やっと始まった海水注入を止めたのは、何と菅総理その人だったのです」と安倍の事実誤認を問題にしていない。いかに時の最高権力者への司法判断とはいえ、全くの不当判決というほかない。

「安倍晋三議員の虚偽メルマガ」(菅直人氏公式ブログ2015年12月01日付「今日の一言」より )

「安倍晋三議員の虚偽メルマガ」(菅直人氏公式ブログ2015年12月01日付「今日の一言」より )

◎「安倍晋三議員の虚偽メルマガ」(菅直人氏公式ブログ2015年12月01日付「今日の一言」より )

◆菅元首相の「承服できない判決・控訴する」は当然だ!

菅元首相は12月4日、自身の公式ブログで「承服できない判決・控訴する」と強い決意を述べている。私が電話取材をお願いしたところ、ご本人が「係争中なので公式のコメント以上は述べにくいから理解してほしい」と話されたが、周辺事情を含め丁寧なご説明を頂いた。

この裁判の背景を含み菅元首相が語る3.11──。その直後から官邸内でなにが起こったのか、何が隠されたのか、知られざる多くの事実を菅元首相は『NO NUKES voice』第6号で語ってくれている。是非ご一読を。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎「難民受け入れ」表明前にこの国が顧みるべき「中国残留日本人」帰国政策
◎大阪ダブル選挙──「安倍と橋下どっちを選ぶ?」の選択肢しかなかった不幸
◎挙句の果ての「1億総活躍」──狂気、矛盾、悪意、恫喝づくしの安倍暴走政権
◎隣のクルド人──「国を持たぬ民」が日本社会で暮らすということ

「脱原発」×「反戦」の共同戦線誌『NO NUKES voice(ノーニュークスヴォイス)』第6号!

この夏は熱かった。11月も後半になり記憶が薄れかけている向きもあろうが、安保法案をめぐる抗議行動は国会周辺だけでなく全国で多彩に闘われ、そこではこれまで少なかった若者の姿があった。その中心としてメディアの寵児にのし上がった感すらある「SEALDs」。中心メンバーの奥田愛基さんは国会でも発言するなど多くの注目をあつめた。「本当に止める」、「民主主義ってなんだ」といたフレーズがネット上でも飛び交い、大きな話題となった。

だからこそ、本日11月25日発売の『NO NUKES voice』(NNV)第6号の特集は「脱原発と反戦・反安保」だ。

◆菅直人元首相の「告白」から見えてくるマスメディアが伝えてこなかった真実

まず、特集の頭を飾るのは、当時首相であった菅直人さんの激白だ。「いまこそ、私の話を聞いてほしい なぜ、あの時、情報が正しく伝わらなかったのか?」は、反原発運動に長年携わってきた槌田敦さん(物理学者)が聞き手となることにより、他媒体では決して実現できない踏み込んだ事実をいくつも掘り起こしている。首相官邸内でどのような思案がめぐらされたのか、情報は正確に伝わっていたのか、最高責任者として事故直後福島に飛ぶ決意をした理由とは……。息をのむような事実がこのインタビューでは明らかにされている。

少しだけ種明かしをすれば、「菅インタビュー」は今日のマスメディアが重要な事柄を全くと言っても過言でないほど「伝えていない」ことを示す証拠を読者に提供してくれる。

◆「SEALDs」奥田愛基に鹿砦社松岡社長が挑む激論生録インタビュー!

「SEALDs」奥田さんへのインタビューは発行人である松岡社長自らが敢行した。このインタビューは「提灯持ち」視点からのそれではない。よってこれまで他のメディア(一部右派メディアを除く)で紹介されたのとは全くことなる角度から遠慮なく疑問がぶつけられており、「SEALDs」現象が一体何だったのかを理解するためには必読だ。

同時にやはり松岡社長自ら斬り込んだミサオ・レッド・ウルフさんへのインタビューも「激論」と表現しても過言ではないだろう。「反原連」の指導者として、これまでもNNVに登場したミサオ・レッド・ウルフさんへの松岡直撃は予定調和と対極に位置する。反・脱原発運動が今後進むべき道筋、3・11後これまで歩んできた道程を振り返り、成果と問題点を浮かび上がらせる示唆に富んでいる。「反原連」支持者、「反原連」に違和感を抱く方双方にとって読み逃すことが出来ない。

◆「SEALDs」現象と対を成す「ハンスト実行委員会」の学生たちの座談会実現!

若者の活躍では「ハンスト」を戦術に闘った「ハンスト実行委員会」の座談会は内容において「SEALDs」現象とは一線を画す「硬派」のそれと言えよう。僅か10数人のメンバーが4人のハンスト実行者を支え、最長149時間のハンストを戦い抜いた学生たちが見据える未来は「現状肯定」ではなかった。「SEALDs」現象との対比は必ずや読者に強い刺激となるだろう。

◆鹿砦社が執念で実現した武黒一郎=元東電副社長のおっかけスクープルポ!

そして、鹿砦社といえば名物「直撃取材」だ。今回のターゲットは元東電副社長で検察審議会により強制起訴が決定した「武黒一郎」だ。我が取材班の執念は果たして実ったのか……。捕捉した! 武黒の変わり果てた姿を長時間の張り込みの末に自宅で激写に成功!武黒と取材班のやりとりも執念のなせる技。NNV取材班の執念恐るべしである。

◆上野千鶴子さん、鎌仲ひとみさんの熱きインタビュー、各地の運動報告もますます充実!

他にも社会学者の上野千鶴子さん、映画監督の鎌仲ひとみさんなど熱きインタビューが盛りだくさんだ。そして、特集を締めるのは今号で編集長を降りる松岡社長による「解題 現代の学生運動―私の経験に照らして」である。自ら「SEALDs」や「ハンスト実行委員会」に接触し、語った松岡社長にとって「学生運動」は他者のそれではなく、現在の彼を規定している一部である。自らの経験とこんにちの「学生運動」を解析し若い世代へ送る辛口のエール。この文章は「ヘサヨ」、「ブサヨ」といった語彙を持つ方々からはたいそうな顰蹙を買うであろうし、賛否両論激論を喚起すること必至だ。

運動報告では経産省前テント広場裁判「被告」の淵上太郎さんが東京高裁の不当判決を糾弾し、高木久美子さん(笑顔でつながろ会代表)、本間龍さん(元博報堂)、渋谷三七十さん(ライター)、納谷正基さん(『高校生進路情報番組ラジオ・キャンパス』パーソナリティー)、中村通孝さん/松浦寛さん(FB9条の会)など全国各地の情報が満載だ。

雑誌は「総力特集」、「全力取材」をキャッチコピーに多用するが、NNV6号は誇張抜きに取材班が「総力」を挙げた濃密な報告と思想と行動が詰め込まれている。今すぐ書店へ! (田所敏夫)

タブーなき総力取材!「脱原発」×「反戦」の共同戦線雑誌
『NO NUKES voice (ノーニュークスヴォイス)』 第6号
11月25日発売!

●主な内容●
秋山理央(映像ディレクター、フォトジャーナリスト)
ALL STOOD STILL Vol. 6『冬ニモマケズ』
[報告]淵上太郎さん(経産省前テントひろば裁判「被告」)
経産省前テント裁判控訴審 東京高裁不当判決に抗議する!
[報告]本誌特別取材班
福島原発事故A級戦犯=武黒一郎(東電元フェロー=副社長)を直撃!

[特集]脱原発と反戦・反安保―世代を超えて
[インタビュー]菅直人さん(元内閣総理大臣)
いまこそ、私の話を聞いてほしい なぜ、あの時、情報が正しく伝わらなかったのか?
[インタビュー]上野千鶴子さん(社会学者)
知っていたのに 何もしなかった私も 共犯者だった
[インタビュー]鎌仲ひとみさん(映像作家)
映画と一緒に旅しながら民主主義のエクササイズ続ける
[インタビュー]Misao Redwolf さん(首都圏反原発連合)
再び脱原発のコールの爆発を!──今後の超党派市民運動の行方
[提案]佐藤雅彦さん(ジャーナリスト)
うたの広場
[インタビュー]奥田愛基さん(「SEALDs」メンバー)
デモするたびにパクられてたら 俺、国会行ってないすよ
[座談会]学生ハンスト実行委員会
私たちは直接行動で状況を切り開こうとした
[報告]松岡利康(本誌発行人)
解題 現代の学生運動―私の体験に照らして
[報告]高木久美子さん(笑顔つながろ会代表)
3・11 放射能汚染に負けない! 笑顔でつながり、みんなで立ち上がろう!
[報告]本間龍さん(元博報堂社員、作家)
原発プロパガンダとは何か?(第四回) 福島民報・福島民友(三)
[報告]渋谷三七十さん(ライター)
地獄への道案内は罪! もはやつける薬がない「原発推進メディア」を斬る!
[報告]納谷正基さん(『高校生進路情報番組ラジオ・キャンパス』パーソナリティ)
反原発に向けた想いを次世代に継いでいきたい(5)
このシリーズの連載を始めた真の意味を、そろそろ打ち明ける時がきた……
[運動情報]中村通孝さん/松浦寛さん(FB憲法九条の会)
原発をゼロにしてから死ぬのが、大人の責任だと思う
ほか

「貫くべき信念があります」河野太郎HP

まさに罪と×(バツ)だろう。
日刊スポーツを見ていて、頭にきた。血液が沸騰し、体温が40度以上になりそうだ。

こんな記事だ。タイトルは「河野太郎氏、原発批判封印 入閣した途端ブログ閉鎖」
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「脱原発」は封印か─。第3次安倍改造内閣で初入閣した河野太郎・行革担当相が自身のホームページ(HP)で公開していたブログ「ごまめの歯ぎしり」や「主張・政策」などの項目が8日までに、閲覧できない状態になった。
「メンテナンス中」と書かれ、これまで公開してきた過去記事などは読めない。河野氏は一貫して脱原発を訴え、安倍政権の原発政策を批判。先月3日のブログでは、自身が共同代表を務める「原発ゼロの会」の活動も紹介した。閣僚となり、持論と政府の政策が「閣内不一致」と批判される可能性もあり、一時的に「封印」した可能性がある。
7日から閲覧できなかったブログは8日深夜、更新され、「入閣に当たり」と題した文章が掲載された。
「これまでは政府の外から自らの主張を訴えるだけでしたが(略)政府の中で主張を訴えることができるようになった」とした上で、「私のすべての主張がそのまま政府の政策になるわけではないが、1つ1つ、実現に向けて努力をしていく」と釈明。「政府の一員になる以上、政府の外に向かっては、政府の政策を擁護していく」と、持論の「封印」に理解を求めた。
ただ、河野氏の持ち味は歯に衣(きぬ)着せぬ物言いだ。初入閣と引き換えに発言にブレが出れば、政権のアキレスけんになる可能性もあり「もろ刃の剣」といわれた河野氏の初入閣は、改造内閣船出早々、早速、波紋を広げた。
野党は今後、国会審議で河野氏を追及する。民主党の岡田克也代表は「これまでのはっきりした発言と整合性が問われる。内閣の一員としてどう折り合いを付けていくか、よく見ていきたい」と、けん制した。(日刊スポーツ2015年10月9日)
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『原発と日本はこうなる』(講談社2011年)

河野は、以前から原発に依存する危険性を、自民党にいながらして訴えていた。

J-CASTはこう伝える。
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脱原発派の河野氏は、九州電力川内原発1号機の再稼働についても批判的だった。14年7月のブログでは、「再稼働する前に、使用済み核燃料とどう向き合うか、国民を巻き込んでしっかり議論するべき」だとして「核のゴミには目をつぶり、やみくもに再稼働しようというのは無責任です」と主張していた。
だが、実際には放射性廃棄物に関する議論は深まらないまま、川内原発1号機は15年8月に再稼働。9月には営業運転に移行した。
こういった主張が書かれた河野氏のブログは入閣が決まった10月7日には「メンテナンス中」になり、過去の書き込みは削除されてしまった。
もちろん、こういった過去の発言との整合性については記者会見でも問われることになる。河野氏は、安倍首相が2012年自民党総裁選で、「長期的には原子力への依存度を下げる」と打ち出していたことを理由に、「ベクトルとしては同じ方向を向いていると思っている」と苦しい釈明をした。
「今までは外から言っているだけだったが、今度は政府内の議論に参加できるようになった。政府内の議論で、しっかり言うべきところは言っていくと思っているが、政府の一員である以上、決まったことについては、それを誠実に実行するということだと思う」などと説明した。記者はブログの記事が見られなくなった理由も質問していたが、河野氏は直接答えなかった。(J-CASTニュース2015年10月8日)
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週刊誌の政治記者は言う。
「行革担当大臣として、かつての主張をキープすることはできた。つまり『核のゴミが解決されない限り、原発は再稼働するべきではない』という主張だ。反原発の方向へ、原子力保安員や経済産業省にも意見ができる立ち位置だからだ。ところが閣僚入りで慌ててブログを閉じているということは、エネルギー関連の利権を官邸にちらつかせられた、もしくは『脱原発』を封印するかわりに、なんらかの将来的なポストを約束した、と見られてもしかたがない」

『「原子力ムラ」を超えて』共著(NHK出版 2011年)

「河野太郎の『変節』については、支持者からも絶望の声が上がっています。地元の神奈川の反原発活動家もあきれた。権力の中枢に入ると、急に『原発推進』が正しいことになってしまうのだろうか。それとも安倍が反乱分子をとりいれて『リベラルさ』を見せているのだろうか。いずれにせよ、安倍政権の傲慢さがちらつく人事だね。閣僚入りさせたからブログを閉じろと銘じたのは、菅官房長官だという話も出てる」(同)

ともあれ、そこまで変節するなら河野よ、原子力ムラを切り捨てたかつての著書 『「原子力ムラ」を超えて―ポスト福島のエネルギー政策』 (NHKブックス/共著)はどうする? 今すぐ、「変節してすみません」と言いつつ全国の書店をまわって丁寧に頭を下げて回収せよ。
あんたの脱原発は、しょせん大衆受けを狙った、時局によるパフォーマンスだ。ちがうというなら、脱原発の政策を、首相に突きつけろ、大衆を舐めるなかれ! だ。

※河野太郎公式HP=http://www.taro.org/

(小林俊之)

◎山口組が分裂した本当の理由──マスコミが注目する「内部抗争」の真実
◎「工藤會壊滅ありき」で福岡県警が強引に人権を無視し続ける邪な理由
◎警察が「ぼったくり」を刑事事件化したことでヤクザのさらなる地下潜行が始まる

独裁者を撃つ反骨の砦『紙の爆弾』11月号絶賛発売中!

するな戦争!止めろ再稼働!『NO NUKES voice vol.5』創刊1周年記念特別号!

「貫くべき信念があります」河野太郎HP

まさに罪と×(バツ)だろう。
日刊スポーツを見ていて、頭にきた。血液が沸騰し、体温が40度以上になりそうだ。

こんな記事だ。タイトルは「河野太郎氏、原発批判封印 入閣した途端ブログ閉鎖」
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「脱原発」は封印か─。第3次安倍改造内閣で初入閣した河野太郎・行革担当相が自身のホームページ(HP)で公開していたブログ「ごまめの歯ぎしり」や「主張・政策」などの項目が8日までに、閲覧できない状態になった。
「メンテナンス中」と書かれ、これまで公開してきた過去記事などは読めない。河野氏は一貫して脱原発を訴え、安倍政権の原発政策を批判。先月3日のブログでは、自身が共同代表を務める「原発ゼロの会」の活動も紹介した。閣僚となり、持論と政府の政策が「閣内不一致」と批判される可能性もあり、一時的に「封印」した可能性がある。
7日から閲覧できなかったブログは8日深夜、更新され、「入閣に当たり」と題した文章が掲載された。
「これまでは政府の外から自らの主張を訴えるだけでしたが(略)政府の中で主張を訴えることができるようになった」とした上で、「私のすべての主張がそのまま政府の政策になるわけではないが、1つ1つ、実現に向けて努力をしていく」と釈明。「政府の一員になる以上、政府の外に向かっては、政府の政策を擁護していく」と、持論の「封印」に理解を求めた。
ただ、河野氏の持ち味は歯に衣(きぬ)着せぬ物言いだ。初入閣と引き換えに発言にブレが出れば、政権のアキレスけんになる可能性もあり「もろ刃の剣」といわれた河野氏の初入閣は、改造内閣船出早々、早速、波紋を広げた。
野党は今後、国会審議で河野氏を追及する。民主党の岡田克也代表は「これまでのはっきりした発言と整合性が問われる。内閣の一員としてどう折り合いを付けていくか、よく見ていきたい」と、けん制した。(日刊スポーツ2015年10月9日)
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『原発と日本はこうなる』(講談社2011年)

河野は、以前から原発に依存する危険性を、自民党にいながらして訴えていた。

J-CASTはこう伝える。
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脱原発派の河野氏は、九州電力川内原発1号機の再稼働についても批判的だった。14年7月のブログでは、「再稼働する前に、使用済み核燃料とどう向き合うか、国民を巻き込んでしっかり議論するべき」だとして「核のゴミには目をつぶり、やみくもに再稼働しようというのは無責任です」と主張していた。
だが、実際には放射性廃棄物に関する議論は深まらないまま、川内原発1号機は15年8月に再稼働。9月には営業運転に移行した。
こういった主張が書かれた河野氏のブログは入閣が決まった10月7日には「メンテナンス中」になり、過去の書き込みは削除されてしまった。
もちろん、こういった過去の発言との整合性については記者会見でも問われることになる。河野氏は、安倍首相が2012年自民党総裁選で、「長期的には原子力への依存度を下げる」と打ち出していたことを理由に、「ベクトルとしては同じ方向を向いていると思っている」と苦しい釈明をした。
「今までは外から言っているだけだったが、今度は政府内の議論に参加できるようになった。政府内の議論で、しっかり言うべきところは言っていくと思っているが、政府の一員である以上、決まったことについては、それを誠実に実行するということだと思う」などと説明した。記者はブログの記事が見られなくなった理由も質問していたが、河野氏は直接答えなかった。(J-CASTニュース2015年10月8日)
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週刊誌の政治記者は言う。
「行革担当大臣として、かつての主張をキープすることはできた。つまり『核のゴミが解決されない限り、原発は再稼働するべきではない』という主張だ。反原発の方向へ、原子力保安員や経済産業省にも意見ができる立ち位置だからだ。ところが閣僚入りで慌ててブログを閉じているということは、エネルギー関連の利権を官邸にちらつかせられた、もしくは『脱原発』を封印するかわりに、なんらかの将来的なポストを約束した、と見られてもしかたがない」

『「原子力ムラ」を超えて』共著(NHK出版 2011年)

「河野太郎の『変節』については、支持者からも絶望の声が上がっています。地元の神奈川の反原発活動家もあきれた。権力の中枢に入ると、急に『原発推進』が正しいことになってしまうのだろうか。それとも安倍が反乱分子をとりいれて『リベラルさ』を見せているのだろうか。いずれにせよ、安倍政権の傲慢さがちらつく人事だね。閣僚入りさせたからブログを閉じろと銘じたのは、菅官房長官だという話も出てる」(同)

ともあれ、そこまで変節するなら河野よ、原子力ムラを切り捨てたかつての著書 『「原子力ムラ」を超えて―ポスト福島のエネルギー政策』 (NHKブックス/共著)はどうする? 今すぐ、「変節してすみません」と言いつつ全国の書店をまわって丁寧に頭を下げて回収せよ。
あんたの脱原発は、しょせん大衆受けを狙った、時局によるパフォーマンスだ。ちがうというなら、脱原発の政策を、首相に突きつけろ、大衆を舐めるなかれ! だ。

※河野太郎公式HP=http://www.taro.org/

(小林俊之)

◎山口組が分裂した本当の理由──マスコミが注目する「内部抗争」の真実
◎「工藤會壊滅ありき」で福岡県警が強引に人権を無視し続ける邪な理由
◎警察が「ぼったくり」を刑事事件化したことでヤクザのさらなる地下潜行が始まる

独裁者を撃つ反骨の砦『紙の爆弾』11月号絶賛発売中!

するな戦争!止めろ再稼働!『NO NUKES voice vol.5』創刊1周年記念特別号!

すっかり秋真っ盛り。TPPは妥結、23人目のノーベル賞受賞者誕生、ラグビーはW杯で未曾有の2勝、阪神は終盤で例年通り凋落と目出度いのやら、怪しいのやら見極めにくい日替わりの新聞の見出しは横目で眺めていればよい。

今、あまり知られてはいないかもしれないけれども、書店では1つの「事件」が進行している。何を隠そう、鹿砦社が全力を傾注し季刊で発行している『NO NUKES voice』5号が俄然注目を浴び読者が拡大しているのだ。

例えば、さる9月23日代々木公園で「さようなら原発 さようなら戦争全国集会」が数万人の結集で行われたが、鹿砦社は盟友「たんぽぽ舎」ブースを拠点に『NO NUKES voice』宣伝チラシ配り闘争を貫徹した。その数1500枚。集会参加者のほとんどが快く受け取って下さり、「知ってますよ!買ってるよ」との声も多数頂いた。

◆デモの先頭で横断幕を持った板坂氏と松岡社長が渋谷の街を練り歩く!

松岡社長以下鹿砦社の街宣行動はチラシ配り闘争貫徹で勝利を見たのだが、状況はそれだけでは許してはくれなかった。なんとデモのほとんど先頭で横断幕を持って歩いてくれとの要請が!

勿論デモ程度に怯えるヤワな我々ではない。しかも何故か「あの」板坂剛氏が赤い心に赤いシャツを纏い隊列に加るのだという。板坂氏はデモ開始前に「渋谷で大暴動を引き起こす!」と不敵な宣言を小声で発する。皇室ポルノ事件で『噂の真相』を震撼させて以来、この人行くところにはなにかが起きる。果たしてどんなデモになるのだろうか・・・。



(渋谷は大混乱に陥った。数万の人民がデモ隊に合流し「安倍打倒」を連呼し、スクランブル交差点では渦巻きデモが唸りをあげ、渋谷界隈は完全な「解放区」となった)

という夢を見たが、どこまでが事実でどこからが妄想か区別がつかない。そうだ写真が残っている。どうやら「渋谷大暴動」は夢の中だけだったようだ。デモは成功裏に無事終了した。しかしデモの先頭で横断幕を持つ松岡社長の姿に違和感を覚えるのは私だけであろうか(これって彼の言う『焼香デモ』じゃないの・・・?)。

◆沖縄の書店では岩波『世界』の横に『NO NUKES voice』が並べられていた!

しかしもう一つの写真がある。読者から提供を受けたこの写真は、先月沖縄の大手書店で撮影されたものだ。

よく見てほしい。岩波の『世界』の横に『NO NUKES voice』が並べられている。この事実に「ヤマトンチュ」は震撼しなければならない。反原発の視座から「福島―沖縄犠牲のシステム」を特集した同号が、このように闘いの最前線、沖縄で「世界」の隣に平積みされているのだ。私は「『世界』の横に並んでるぞ!」と浮かれているのではない。戦いにおいて「権威」など何の役にも立ちはしない。最前線に位置する人びとが持ち合わせる繊細な感性こそが本質を射抜くのだ。それを証明しているのが沖縄における『NO NUKES voice』5号に向けられる視線である。

反原発を語るにあたり、反戦争、反差別は当然すぎる前提であって、それらを排除したいわゆる「シングルイシュー」的取り組みなど何の力も持ちえないことは、賢明な読者諸氏には語るまでもないだろう。

単視座に陥ることなく、そして「タブーなき」視点から『NO NUKES voice』は問いを、戦線拡大を訴え続ける。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎安保法採決直後に若者弾圧!ハンスト学生への「不当ガサ入れ」現場報告
◎原発・基地・戦争=「犠牲のシステム」を解体せよ!「NO NUKES voice」05号発売!
◎フジサンケイ「育鵬社」公民・歴史教科書の採択拡大で子供の臣民化がはじまる
◎橋下「維新の党」離党の茶番──マスコミが取り上げなければ橋下は終わる

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン『紙の爆弾』11月号本日7日発売です!

「大阪都構想断念」もウソだった橋下徹「引退撤回」の悪夢
「裸の王様」安倍晋三!安保法成立でさらに高まる批判
環境省の犯罪を黙認 福島・放射性廃棄物施設で「最悪の判決」
「原発稼働ゼロ」を取り戻す!川内原発ゲート前で菅直人元首相が訴え
山口組分裂の衝撃─その背景と来たる「ヤマ場」
など、
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するな戦争!止めろ再稼働!『NO NUKES voice vol.5』創刊1周年記念特別号!

 

8月24日午前0時50分頃、相模原市の米軍関連施設「相模総合補給廠」で起きた爆発火災事故──。事故直後の報道によれば、「米軍側の規制のため警察や消防は出火現場に近づけず」現場近くに消防車と救急車が計13台が出動したものの放水活動さえできなかったという。その後の経過情報に関しても、24日13時時点では詳細な情報が見当たらない。


◎[参考動画]相模原市米軍基地爆発(2015年8月24日mo si氏公開)


◎[参考動画]相模原・米陸軍総合補給廠で爆発火災(神奈川新聞@カナロコ2015年08月24日公開)

そこで相模原市消防署へ電話取材を行った。同消防署総務課の吉平(よしひら)氏が対応をしてくれた。

・怪我人はいないか
・相模原消防署による消火活動は行われたのか
・鎮火したか
・事故の検証は消防や警察が行うのか

を尋ねた。吉平氏によると「怪我人の報告は入っていない。詳細はわからないが相模原消防署による消火活動は行われた。現在は鎮火したと思われる。出火原因の検証などは火災現場が米軍敷地内なので、消防・警察ではなく米軍が行うことになる」そうだ。

◆沖縄であろうと首都圏であろうと、米軍基地内に手出しができない日本政府

196ヘクタールという広い敷地ながら、相模原市の住宅街に隣接する場所に位置する米軍施設内での火災(爆発?)にしては、あまりにも情報や報道が少なすぎる。そして周辺住民は不安で不安で仕方がないのではないだろうか。原因が公表されなければ、今後また同様な、いやそれ以上の火災や爆発が起こるのではないか、と心配になるのは自然な心理だ。(2015年8月24日付朝日新聞

事故原因の検証や究明が日本の行政機関によって行われないことは、相模原消防署に電話取材する前から解りきっていたが、敢えて質問をぶつけてみた。沖縄であろうが、本州であろうが米軍基地は米軍基地。その敷地内で火災や事故、爆発や核兵器の誤爆があっても、日本政府は何の手出しも出来はしないし、多くの事実が隠される。

◆日本の私有地でも米軍ヘリが墜落した現場を日本の警察は捜査できない

基地の中だけではない。2004年8月13日沖縄国際大学という明白な日本の私有地に米軍ヘリが墜落した時でさえ、初期消火以外、日本の警察は捜査に手を出す事すら許されなかった。(2015年8月14日付琉球新報

世の関心は、辺野古の基地建設問題だけに関心が集中しがちな傾向が見られる。相模原米軍基地爆発事件が示すことは、言わずもがな「米軍基地内は日本の治外法権」であるばかりでなく、周辺住民に危険が及ぶ可能性がある事故が発生しても、その実態や情報すら、日本の行政機関(いわんやマスメディア)は掴むことが出来ないという現実だ。

こういった米国と日本の関係を「主従関係」という。

日本政府は米国を「同盟関係」の国だというが、それは明らかな誤りだ。米国内で米国行政機関が強制的に立ち入ることができない「日本政府」が占有する場所は、日本大使館と日本領事館だけだ。日本は「軍隊」は持っていない(防衛省見解)から米国に日本軍基地が存在する根拠はないが、「対等な日米関係」というならば、この島国が差し出しているのと同等、もしくは等価の土地提供を日本政府は米国に行うべきだ。「対等」とはそういう実践があって初めて使える言葉だろう。しかしそのような要求は過去になされた実績はないし、未来においてもほぼ可能性はゼロに近いだろう。

◆最も身近な「戦争」の破片は米軍基地の中に眠っている

米軍基地などこの島国のどこにも必要ない。

「集団的自衛権反対」、「戦争推進法案反対」、「戦争反対」であれば、その延長戦上に「日米安保破棄」が自然に浮かび上がって来るはずだ。最も身近な「戦争」の破片は米軍基地の中に眠っている。

嘉手納基地やキャンプハンセンなど無数の基地を抱える沖縄。かつては「基地がないと経済が成り立たない」という理屈が人々を押さえつけていたけれども、美しい海・自然という人間の手では創造することが出来ない貴重な天然資源が、観光業だけで充分沖縄が自立できることを証明し、今や「基地がなければ・・・」などと言う人はごく少数派となった。

◆基地も原発も「止めるメリット」は「存在を許すメリット」よりも大きい

やってみればわかる。やらないだけだが「原発廃炉」も全く構造は同じだ。

基地があることを認めていた人たちは「経済的」理由のみによって基地の存在を肯定していた。「経済的」なうまみが無くなれば、基地は騒音を毎日振りまき、航空機やヘリコプター落下の危険性をはらむ厄介者。そして米国が戦争を起こすたびにいつ標的にされてもおかしくない存在だ。これほど危険なものはない。ただの邪魔者だ。

原発だって「再稼働したら町が活性化した」というタクシー運転手のコメントなどを新聞は紹介しているけれども、彼らには福島第一原発事故が起こったことの記憶がないのだろうか。川内原発では早速の動作トラブルが起きている。事故が怖くないのか。いつまでも「経済」、「経済」と言っているうちに事故は必ずまた起こる。目の前のちょっとした「経済」と多額の補助金中毒になった人たちは住家を失う。

馬鹿げたことはもう止めよう。原発を廃炉にしたって誰もいなくなるわけではない。「廃炉作業」が待っている。「廃炉作業」は2,3ヵ月で終わるものではない。でも廃炉にすれば永遠に「原発事故の脅威」から抜け出すことが出来る。

基地も原発も同じだ。止められる。止めるメリットは存在するメリットと比較にならない。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎原発・基地・戦争=「犠牲のシステム」を解体せよ!「NO NUKES voice」05号発売!
◎フジサンケイ「育鵬社」公民・歴史教科書の採択拡大で子供の臣民化がはじまる
◎『火垂るの墓』から考える──住み慣れた街に戦火が襲い、家族を失うということ

するな戦争!止めろ再稼働!『NO NUKES voice vol.5』創刊1周年記念特別号8月25日発売!

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するな戦争!止めろ再稼働!『NO NUKES voice vol.5』創刊1周年記念特別号8月25日発売!

酷暑は峠をこえたようですが、近い日本の将来を重大に左右する「安保関連法案」の審議が連日参議院で行われています。

また、さる11日には九州電力川内原発1号機が多くの人の反対にもかかわらず再稼働されてしましました。川内原発再稼働を待っていたように桜島周辺地下のマグマが地上に向かって動き出し、桜島には警戒情報レベル「4」が史上初めて出されました。桜島と川内原発の直線距離は50キロです。火山に詳しい専門家は「桜島で最大級の噴火が起こった場合、関西地方でも5センチ程度の火山灰が積もるかもしれない」と警告をしています。

はるかに離れた関西で5センチならば、至近距離の川内原発には一体どのくらいの火山灰が降り注ぐのでしょうか。また、川内原発では運転開始後、排水系統に異常が発生し、九州電力は出力を上げる予定を当初の計画から延期しています。

本当に原発は不安だらけです。

だから黙ってはいられない!

昨年鹿砦社が発刊した「NO NUKES voice」の第5号(創刊一周年記念特別号)が出来上がりました。

脱原発・反原発を中心に「採算を度外視しても」(編集長)も果たさなければならない役割を指向してきた同誌ですが、今号は間違いなく日本の言論界で脱原発・反原発の「エポックメーキング」となる怒涛の迫力です。

◆総力特集「福島―沖縄 犠牲のシステム」は渾身の6本立て50ページ!

第5号のテーマは「福島―沖縄犠牲のシステム」。野球に例えれば、真正面ど真ん中への直球ストレート連投です。変化球は一切ありません。本文は東大の高橋哲哉先生と映画監督三上智恵さんの対談で幕を開けますが、この「対談」の緊張感と真剣勝負は読んでいても火花が散っていて、読者までがやけどをしそうです。目指すゴールは同じでも少し考えの異なるお二人。その妥協なき「討論」(闘論)は、どなたにとっても一読の価値ありです。思想を戦わすということの「凄み」を体験できる貴重な対談です。

そして、日本を代表するフォトジャーナリスト広河隆一さんのインタビューが続きます。チェルノブイリに50回以上の取材を重ね、福島第一原発事故翌日には福島に入り、原発近くでの取材を行った広河さん。お話のテーマは「加害者は必ず被害を隠す」です。チェルノブイリ原発事故で起こった事と福島事故後に起こったこと、その対比から見えてくる意外な共通点と相違点は現地で長年取材を重ね、あわせて救援運動にも積極的に関わった広河さんにしか語りえない内容でしょう。広河さんの奥行きの深い視点は、チェルノブイリから福島、そして沖縄へと広がります。沖縄に保養施設「球美(くみ)の里」を設立した広河さんの熱意が誌面から発露され、その意思と行動は読者を圧倒するでしょう。

次いで共に元知事である沖縄の大田昌秀さんと福島の佐藤栄佐久さんによる超大物対談です。お互いが意外なほどに福島、沖縄とのかかわりがあったことがお話の中で明らかになります。和やかな語り口ながら日本政府と闘って沖縄を背負った大田さんと、政府の原発政策に苦言を呈したために「冤罪」同然の弾圧を受けた佐藤さんの対談は「NO NUKES voice」だから実現できた夢の対談です。


◎[参考動画]衆院安保法制特別委員会─沖縄地方参考人会での大田昌秀元沖縄県知事の意見陳述 (2015年7月6日那覇市:10分)


◎[参考動画]佐藤栄佐久元福島県知事講演「原発問題と地方の論理」(2015年5月10日和歌山市:92分)

巻頭3本の特集記事だけでも、誇張なく「永久保存版」の価値ありです。その他沖縄からの視点で震災に向き合う蟻塚亮二さん(精神科医)や逆に茨城県から沖縄に自主避難した久保田美奈穂さんのお話は沖縄と福島(福島事故)を交互の視点で見直すのに最上の教材でしょう。GE(ゼネラル・エレクトリック)社の技術者として福島第一原発の建設に関わった名嘉幸照さんは沖縄のご出身です。「二つの故郷原発技術者の『福島』『沖縄』」を語って頂いています。文字通り「福島―沖縄 犠牲のシステム」に翻弄されたご自身の一代記です。

◆原発推進〈戦犯〉直撃取材は八木誠=関西電力社長兼電事連会長!

そして鹿砦社といえば、名物直撃取材です。今回は八木誠=関西電力社長兼電事連会長が「ターゲット」です。果たして戦果は如何に?

◆小出裕章さんの最新講義録から全国各地の脱原発報告まで総力網羅!

更に贅沢なことに、今年3月で京都大学原子炉実験所を定年退職された小出裕章さんの登場です。退職後唯一非常勤講師を引き受けた関西大学で行われた講義の1回分、90分を全文掲載! 大学生を相手に、いつになく熱を込めて語る迫力満点の小出さん。終盤の衝撃的な内容は本誌でしか目にすることが出来ないでしょう。

他にも注目記事が満載です。福島事故の避難者加藤凛さん、第三次原発賠償関西訴原告の石塚路世さん、トルコ現地で原発反対運動を取材・研究した森山拓也さんの各報告は、ほとんどの読者には初めての目にする内容ではないでしょうか。

本誌常連の元博報堂の本間龍さん、納谷正基さんには引き続き思いを語って頂いています。こちらも重鎮、経産省前テント広場の淵上太郎さんはテントひろばの物語に加えて、国から提訴され争っている裁判を東京高裁口頭弁論陳述書の要旨を紹介しながら解説していただきました。その他全国各地の運動情報も満載。細かくは紹介しきれません。

総ページ数は176頁。これまでの「NO NUKES voice」と厚みが違います。質も量もです。今この内容の雑誌を出せる出版社があるでしょうか。宝島?無理です。岩波書店?無理です。週刊金曜日?無理です。だから鹿砦社がやるのです!

僭越ながら、今、脱原発・反原発ではこれ以上の内容はない!と鹿砦社は自信をもって世にその評価を委ねます。巻頭秋山理央さんの写真から、編集後記まで緊張感が途切れることがありません。

秋の気配が感じられるようになりましたが、熱の充満した「NO NUKES voice」5号(創刊1周年記念号)は文字通り「必読」です。今すぐ書店へ! (伊藤太郎)

『NO NUKES voice vol.5』──『紙の爆弾』2015年9月号増刊

2015年08月25日発売 定価680円[本体630円+税]
A5判/176ページ(巻頭カラー8ページ+本文168ページ)
NO WAR! ?NO NUKES!
戦後70年の2015年夏、するな戦争!止めろ再稼働!
戦後70年の夏を迎えた日本は、4年ぶりの原発再稼働と安保法案成立に抗う「新たな闘い」が始まった。
福島の復興、復旧も進まない中での原発再稼働、沖縄が日米両政府の意向に翻弄され続けての「戦争法案」
そこに共通するものとは何か。「犠牲のシステム」としての福島と沖縄が孕む根本的問題を暴く!
総力特集「福島─沖縄 犠牲のシステム」では高橋哲哉・東大教授と、
映画『標的の村』、『戦場ぬ止み』で話題の三上智恵監督による対談、
世界の最前線から真実を伝えるフォトジャーナリスト広河隆一さん(DAYS JAPAN)が語る原発事故の実態、
大田昌秀元沖縄県知事と佐藤栄佐久元福島県知事による基地、原発立地県の「闘う知事」対談をお届けします。
また、本誌特別取材班による八木誠関電社長への直撃ルポや、
原発とメディアの「不適切な関係」を暴き続ける作家・本間龍さんの連載といった“トガった”トピックや、
川内原発再稼働反対をはじめとした全国の最新運動情報も掲載!
世代、地域を超えて「新たな脱原発情報ネットワーク」の構築を試みる『NO NUKES voice』にご期待ください!

【主な目次】
《表紙・巻頭グラビア》ALL STOOD STILL Vol.5 『ローカルアイテム─プラカードと横断幕』
秋山理央(フォトジャーナリスト)

《総力特集》福島─沖縄 犠牲のシステム

フクシマ─オキナワ「犠牲のシステム」を超える加害責任の共有
高橋哲哉さん(東大教授)vs三上智恵さん(映画監督)

加害者は必ず被害を隠す 原発事故の実態──チェルノブイリから福島へ
広河隆一さん(フォトジャーナリスト)

基地、原発─「闘う知事」は語る
大田昌秀さん(元沖縄県知事)vs佐藤栄佐久さん(元福島県知事)

《講義録》核と原子力、そして人間の幸福──科学者の目、科学者の願い
小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教)

《各地の原発再稼働阻止活動情報》
東京での九電東京支社抗議をはじめ、川内、高浜、伊方、志賀、玄海の各原発をめぐる再稼働阻止運動レポート

《全国からのレポート》
本間龍さん(作家) 原発プロパガンダとは何か? 第三回 福島民報・福島民友(二)
山崎久隆さん(たんぽぽ舎) 巨大なリスクを抱えたままの福島第一原発の止まらない汚染
淵上太郎さん(経産省前テントひろば) 経産省前テントひろばの実態とは何か─東京高裁高等弁論陳述書要旨
松浦寛さん(FB憲法九条の会) 脱原発から護憲運動へ
首都圏反原発連合 MCAN activity now! 首都圏反原発連合中央放送誌面版
……and more!

するな戦争!止めろ再稼働!『NO NUKES voice vol.5』創刊1周年記念特別号が8月25日発売開始!

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