【カウンター大学院生リンチ事件(別称「しばき隊リンチ事件」)検証のための覚書14】 闘いはまだ終わってはいない!(12) 平気で嘘をつく人たち(5) ~ 香山リカの場合 鹿砦社代表 松岡利康

私は、このかん標記の「カウンター大学院生リンチ事件(別称「しばき隊リンチ事件」)」の検証と総括作業に取り掛かっています。このブレーンストーミングを兼ねて、くだんのリンチ関連本5冊や「デジタル鹿砦社通信」の記事などを読み直し、資料を整理してきました。この作業の一端として4月からこの連載をやって来ました。

誰が撮ったか、ネットに出回る香山リカの雄姿!怖い!

今「平気で嘘をつく人たち」について記述していますが、やはり忘れてならないのが香山リカでしょう。彼女が鹿砦社に対して行った誹謗中傷ツイートはひときわ多いです。

本来なら名誉毀損で提訴するところ、今のところは対李信恵、対藤井正美との訴訟に集中するためにペンディングにしていますが、決して諦めたわけではありません。

「売られた喧嘩は買う!」「挑発には乗る!」を信条としてきた「棺桶に片足を突っ込んだ爺さん」(by藤井正美)としては、このままでは終われません。ここでは、香山のツイートを幾つか挙げてコメントしておくに留めます。

「ガチャ切り」されたとの大ウソ!

◆鹿砦社取材班が電話を「ガチャ切り」した!?

香山には、他のリンチ隠蔽に関わったと推認される者らと同様、質問書を送っています。当初は、自宅住所が把握できませんでしたので大学宛に郵送し回答がないので、彼女が業務委託している事務所に電話しました。ところが、「ガチャ切り」されたなどとの事務所の者の言葉か、香山自身が盛った言葉かわかりませんが、そうツイートしています。

しかし、これはウソです! 取材者は「ガチャ切り」などしていませんし、終始慇懃丁寧に対応しました。これは音声データがありますので、香山のツイートがウソだとわかります。

だってそうでしょう、相手が録音しているかもしれないのに「ガチャ切り」などするわけがありません。取材者は鹿砦社本社から電話しましたが、この場に私もいて聞いていましたので間違いありません。あまりに稚拙なウソです。

◆質問書を「どこに送付したか、ちょっと書いてみては?」というから素直に書いてみましたが……

次は、鹿砦社のツイッターアカウントが一時止められ有名になりましたが、質問書を「どこに送付したか、ちょっと書いてみては?」というから、素直に応じ送った住所を答えました。この頃には、各方面からの情報提供もあり自宅住所も把握でき直撃取材するかと思っていたところでした。

ところが香山は、自らの挑発に私たちが率直に対応したことに慌てふためき、神原元弁護士に連絡し助けを求めたのでした。香山先生、あなたが「どこに送付したか、ちょっと書いてみては?」と言ったんじゃなかったんですか!? 

[左]「どこに送付したかちょっと書いてみては?」というから書いてみました。[右]慌てふためいて守護神・神原元弁護士に事態収拾を依頼

◆鹿砦社が裁判を起こし「小口ビジネスモデルに活路を見出した」という大ウソを捏造した香山の「責任は重い」!

「小口ビジネスモデルに活路を見出した」?

さらに香山は、創業50年にわたり一貫として出版社としての矜持を堅持して出版活動を継続してきた鹿砦社に対し、あろうことか、「『裁判を起こす→支援者からカンパで費用を集める→本を出して支援者に買わせる』という小口ビジネスモデルに活路を見出したのだろうか」などと倒錯した記述をしています。

「カンパで費用を集める」? 「本を出して支援者に買わせる」? M君裁判は、あえて鹿砦社は費用は出さず、広く心ある皆様からのカンパで賄いましたが、そのカンパを鹿砦社が流用し、これで本を出したことは断じてありません。会計報告を出さず資金の行方に疑問譜が付く「李信恵さんの裁判を支援する会」と違い、M君裁判支援会では、弁護士が管理し、皆様方の前に収支を報告しています。

作った5冊の本の費用は鹿砦社が出しカンパ金は1円も使ってはいません。また、本は、広く関心のあるみなさんには任意で買っていただきましたが、(半)強制的に「支援者に買わせる」ことなどしてはいません。むしろ、取材や支援会運営に協力してくれた者には献本しました。さらに鹿砦社 vs 李信恵/藤井正美訴訟の費用は、M君訴訟へのカンパは1円も流用せず、全て鹿砦社自身の資金で遂行しています。

「小口ビジネスモデル」? いい加減なことを言わないでください。香山による、このツイートは鹿砦社に対する度し難い名誉毀損です。

◆私たちに「しつこく嫌がらせをされ続けている」とウソを公言している香山の「責任は重い」!

「お金取り尽くしたらそれで終わり」? 失礼なことを言わないでください!

香山の“毒舌”は続く──「その後しつこく嫌がらせされ続けている。私だけではない。今日、高裁でそれは『リンチ』ですらなかったと確定した。鹿砦社の責任は重い。」

私たちにいつ、どのような「嫌がらせされ続けている」のでしょうか? 具体的に明らかにしていただきたいものです。私たちは、あくまでも取材の範囲内でのアプローチであると認識していて「嫌がらせ」などやったことはありません。このかん特ダネを連発している「文春砲」の足元にも及びません。

裁判所は、判決文のどこに「『リンチですらなかった」と書いていますか? リンチがあったからこそエル金こと金良平らに罰金(刑事)や賠償金(民事)を課したのではないですか? リンチ被害者M君のリンチ直後の写真をしかと見よ! リンチの最中の音声データを聴け! 凄絶な殴る音を聴いて、香山先生、どう感じますか?

「鹿砦社の責任は重い」だって?── 私たちは(少なくとも私は)出版社(者)としての「責任」から、このリンチ事件の被害者救済/支援と真相究明に乗り出しました。これはリンチという現実に直面した時に、一人の血の通った人間として、また出版人の末席を汚す者として、私(たち)の選択は正しかったと今でも思っています。みなさん、そうではないですか? 私の言っていることは間違っていますか?

香山こそ、リンチ事件の隠蔽に加担し、逆に私たちの真相究明の作業に茶々を入れたり、「小口ビジネスモデル」など、ありもしないことを公言したりし、私たちを誹謗中傷し名誉を毀損しました。その「責任は重い」と断じざるを得ません。

「しつこく嫌がらせされ続けてる」というウソをつく香山先生の「責任は重い」!

◆高橋直輝こと添田充啓の死についても香山らの「責任は重い」!

同志・安田浩一と(沖縄にて取材班撮影)

最後にもう一言。高橋直輝こと添田充啓が、死因不明で亡くなり2年が経ちました。香山先生、三回忌はされましたか?

高橋(添田)は、執行猶予中で沖縄に、まさに“鉄砲玉”として送られ逮捕、勾留されました。精神的に追い詰められていたとも耳にしましたが、事実はどうなのでしょうか? 

高橋(添田)の死因が、彼を精神的に追い詰めたことにあるのならば、香山やしばき隊界隈の者らの「責任は重い」と言わざるをえません。

香山は精神科医として、精神的に病んだとされる高橋(添田)に親身になって寄り添うべきではなかったのか、この意味でも香山の「責任は重い」と言わざるをえません。(本文中敬称略)

この連載は今後も続きます。次回は、最近明らかになった“あること”に対し怒りを持って糾弾します。

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【カウンター大学院生リンチ事件(別称「しばき隊リンチ事件」)検証のための覚書13】闘いはまだ終わってはいない!(11) 平気で嘘をつく人たち(4) ~ 師岡康子の場合 鹿砦社代表 松岡利康

朝日新聞・北野隆一編集員渾身の連載、6月19日は第5回目で、これでお終いということです(やれやれ)。

師岡康子弁護士

最後を飾るのは、カウンターの東の理論的支柱で『ヘイト・スピーチとは何か』(岩波書店)の著書もある師岡康子弁護士です。

師岡登場となると、私としては、やはり一言申し述べておかねばならないでしょう。

師岡、外面的なイメージは悪くはなく、カウンターのスポークスマンとして記者会見にもよく出ています。

しかし、M君リンチ事件について取材班からの質問書はことごとく無視、やむなく電話取材を試みたところ、記者会見での堂々とした態度とは異なり、逃げの一手でした。

師岡との電話のやり取りを再録しておきましょう。──

朝日新聞6月19日夕刊

師岡 はい、もしもし。
── お邪魔いたします。師岡先生の携帯電話で間違いございませんでしょうか?
師岡 はい、師岡です。
── お忙しいところを申し訳ございません。先生に鹿砦社から、郵送で『ご質問』を送らせていただいていると思うのですが、ご覧いただきましたでしょうか?
師岡 あの~、この携帯電話番号は、どちらで聞かれたんでしょうか?
── 取材の情報源は秘匿しなければいけないので、申し訳ございませんが、それは申し上げられません。
師岡 ああ、そうですか。
── はい。
師岡 ちょっと、あの~対応する気はありませんので。
── (『ご質問』は)ご覧はいただいているのでしょうか? 郵送したものは。
師岡 それについてもちょっとノーコメントで。
── 一応レターパック便で送らせていただいておりますので、こちらで届いたという記録は残っているのですけれども(注:レターパックは質問者の誤認で、正確には普通郵便)。
師岡 ええと、あの~私のほうでちょっと対応する気がありませんので、失礼します。
── 対応なさるおつもりがないと……。」(第3弾『人権と暴力の深層』より)

リライトは全然改ざんなどしていません。これを見て読者のみなさんは、私たちがいかに丁寧かつ穏やかに取材したかがイメージできるでしょう。どこに「恐怖」を感じるというのでしょうか?

なぜ、私たちは師岡に対して質問書を送り回答を求め、リンチについての意見を求めたのでしょうか──それは、カウンター運動の理論的支柱として著書もあり、そのスポークスマンとしての役割をし、たびたびマスコミに登場していること、それから、例の「師岡メール」といわれる書面の存在がささやかれていてリンチ事件隠蔽活動の一端を担っていたと推察されたこと、隠蔽のための会議(例えば辛淑玉文書への対応のため)を師岡の事務所で行ったとの情報が入ったこと等によります。「ヘイトスピーチ」を糾弾しながら、それでいてリンチ被害者M君への、カウンターやしばき隊メンバーらによる、まさに〈ヘイトスピーチ〉やネットリンチ、村八分行為を是認(黙認)してきたキーマンとして、ここはぜひ師岡の意見表明を求めなければならないと考えたのです。

「師岡メール」は、第5弾本を出すまで遂に見つけることができませんでした。存在の真偽もあやふやでしたし、『もうないのか』と思っていたところ、第5弾本出版直後、メールの相手・金展克みずからが暴露したのです。

予想した以上の衝撃でした。『やはり本当だったんだ』と思い、金展克はなんでもっと早く公にしてくれなかったのか、と金展克が秘してきたことを嘆いたものです。「師岡メール」がもっと早く公になっていたならば、リンチ事件をめぐる転回もM君の訴訟も、もっと違ったものになっていたとさえ思いました。こういうA級資料は、タイムリーに出さないと効果半減です(金展克さん、聞いてるか?)。

師岡は「人権派」の看板とは裏腹に、トンデモないことを金展克に求めています。歴史に残るほどの内容です。すでにこの連載の「7」(6月8日掲載)でも掲載し私見を申し述べておりますが、あらためて再録しておきますので、とくとご覧ください。これが「人権派」と持て囃される弁護士がやることか!?(喝)

いわゆる「師岡メール」

ヘイトスピーチ規正法の成立のために、凄絶なリンチ被害者M君を黙らせ泣き寝入りするように金展克に説得させようとしています。師岡は、リンチの被害者が刑事告訴すれば、「これからずっと一生、反レイシズム運動の破壊者、運動の中心を担ってきた人たち(注:李信恵ら)を権力に売った人、法制化のチャンスをつぶしたという重い批判を背負いつづけることになります。そのような重い十字架を背負うことは、人生を狂わせることになるのではないでしょうか。」と言っています。

頭の中が倒錯していると言わざるをえません。「重い十字架を背負う」のはリンチ加害者の李信恵らでしょう。盛り上がってきた反ヘイトや反差別の運動に水を差したのですから。リンチ事件は、そうした運動の盛り上がりを「破壊」するに足る蛮行ですから、リンチの加害者が「反レイシズム運動の破壊者」というのならまだしも、なんでリンチ被害者が「重い十字架を背負」い「反レイシズム運動の破壊者」になるのでしょうか? そうならないために泣き寝入りを求めるとは常識的には到底考えられません。

この「師岡メール」、李信恵の「まぁ殺されるんやったら店の中入ったらいいんちゃう?」という“名台詞”と同じぐらいの歴史的“名文”だと思います。みなさん、心して熟読されたい。

私は、この4年余り、全くの白紙の状態から、カウンターとかしばき隊とかいう人たちの「反差別」運動、その主な担い手の言動を見てきました。差別問題については、私なりに若い時から体験したり見聞きしてきました。いつかあらためて書き綴っておこうとも思っていますが、例えば、学生時代1年下の在日の学友と深夜飲んで騒ぎ自転車に二人乗りして警官に呼び止められ、私はすぐに解放されたのに、彼は延々長時間拘束され、幸いそれ以上にはなりませんでしたが、釈放後の彼の悄然とした表情が忘れられません。

また、これもこれまで公には話してはいませんでしたが、かの「八鹿高校事件」に先輩が巻き込まれたことがありました。彼は解放同盟(以下解同)側にも逆の側(共産党系)にもつかない立場を取り、どちらからも責められています(かつて共産党系のライターが書いた、この事件についての本に解同による暴行の被害者に実名で記されていたのを発見し驚きました)。これ以降、解同による激しい糾弾闘争が先鋭化していきました。

こうした事件から、私なりに差別について長年考えてきました。悩んでいた時期にアドバイスいただいたのは、師岡佑行(故人。歴史学者、元京都部落史研究所所長。同じ「師岡」でも師岡康子とは関係がないと思われますが、一時、師岡佑行の父親か縁者ではないかと思ったこともありました)と土方鉄(故人。作家、『解放新聞』元編集長)でした(お二人には対談していただき、これは記録として残っています)。お二人は、いわゆる「糾弾闘争」を批判されていました。

そうした中で、くだんのリンチ事件に遭遇し、現今の「反差別」運動の実態を具体的に知り、驚くと共に義憤、悲哀を感じました。全然進歩していませんし、逆行しているではないか、というのが長年、私なりに差別について考えてきたことからする感想でした。さらに悪いことには、このリンチ事件が起きたことを、真正面から真摯かつ主体的に対応するのではなく、事件をなかったものにしようと隠蔽活動に精を出しています。

本来なら、師岡康子らのような中心的な人物が率先して、人間的な解決の指揮を執るべきではなかったのか? 前田朗の言葉を借りれば、「今からでも遅くない」、真正面から真摯かつ主体的に対応することが必要ではないのでしょうか? 何度でも繰り返します、私の言っていることは間違っていますか?

この朝日の5回連載の執筆者の北野隆一、ちょっと調べてみると“確信犯”だったことが判明しました。けっこう執拗な取材もやり、かの小林よしのりのマンガにもなっているそうですが、北野さんもこれをお読みなっているのなら決して逃げないでください。関西の朝日の記者らは、都合が悪くなると「広報を通してくれ」と逃げましたが、北野編集委員についてはそういうことはないと信じます。今、調査・取材を始めましたので、後日、あらためてこの「通信」にて記述したいと考えています。(本文中敬称略)

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【カウンター大学院生リンチ事件(別称「しばき隊リンチ事件」)検証のための覚書12】闘いはまだ終わってはいない!(10)平気で嘘をつく人たち(3)~ 再び李信恵の場合 鹿砦社代表 松岡利康

6月18日の朝日新聞夕刊は北野隆一署名記事で、性懲りもなく李信恵らを持ち上げています。安田浩一、上瀧浩子といった、いつもの名(笑)もありますが、これまでのこの連載との関連で、ここでは李信恵のみを採り上げます。

リンチ直後の被害者M君の写真。血の通った人間なら、これを見て恐怖を感じませんか?

人を正確に評価するには、その人の表面だけでなく裏面、光だけでなく影、陽の部分だけでなく陰の部分、上辺だけでなく暗部なども採り上げ検討しないと評価が不正確で偏頗なものになってしまうのではないでしょうか? ジャーナリズムの世界では基本中の基本です。そうですよね?

北野編集委員の一連の文章を読んでみると、表面のみ、光のみ、陽のみ、上辺のみをキレイごとにまとめ掲載しているだけで、私如き地方小出版社のオヤジが批判するまでもなく、不正確で偏頗なものになっています。これが現在の、わが国を代表する大新聞社の編集委員ともいう者のレベルというのなら嘆かわしい限りです。みなさん、そう思いませんか?

そうすると、李信恵という人を評価する場合、彼女が連座した大学院生M君リンチ事件という暗部にも触れずに「彼女は差別されてきた」ということばかりを殊更に強調すると、読者に不正確な人物像を伝えることになるのではないでしょうか? 
特に、くだんのリンチ事件は、カウンター運動に関連して、その中心メンバーによって惹起されたのですし、北野の記事にある裁判後に、懇親会のみならず5軒も飲み歩き「日本酒にして一升」(李信恵談)余りも泥酔した中で起きました。

さらに、リンチ被害者M君は、李信恵の仲間やカウンター運動に関わる者らによって激しいネットリンチをなされ村八分にされます。私たちは、この事件を知るまで1年余りも一部の知人ぐらいがM君をサポートするぐらいでM君は孤立していました。

李信恵が発信したツイートの数々
朝日新聞6月18日夕刊

確かに民事訴訟や刑事手続きで李信恵は賠償金も罪も課されませんでした。李信恵や神原元弁護士らは「正義は勝つ」とか狂喜乱舞し酒場でのバカ騒ぎをネットで発信(別掲)していますが、これは、裁判所がよく使う言葉「一般読者の普通の注意と読み方」によれば、明らかに〈誤判〉だと思います。激しいリンチで冒頭の写真のような重傷を負ったM君の気持ちを更に傷つかせた判決でした。ひとりの生身の人間に激しい物理的暴力を加えることは、加えられた人の人権を蔑ろにすることですよね? 裁判所は「人権の砦」ではなかったのではないでしょうか?

李信恵らは、くだんの対ネトウヨ裁判後、飲み歩き泥酔した勢いで日付も変わった深夜、M君を呼び出し、M君が到着するや、李信恵は「なんやねん、お前! おら!」(「反差別」や「人権」の旗手はこんな汚い言葉を使うようです)と胸倉を掴み一発手を出し、これをきっかけにして主に「エル金」こと金良平を実行犯として長時間のリンチが続きました。李信恵はリンチの最中も悠然とワインをたしなみ、なんとそれをSNSで発信しています(別掲記載右側中)。殴られ続け、リンチ直後の写真(別掲)を見れば誰もが恐怖を感じるように、リンチ最中のM君の恐怖はいかばかりだったでしょうか? M君はその後、現在に至るまでPTSDに苦しみ深夜に知人に電話してくるほどだといいます。それはそうでしょう。

さらに、リンチも時間が経ちM君がぐったりしているところで、
「まぁ殺されるんやったら店の中入ったらいいんちゃう?」
と、一躍有名になった“名台詞”を吐いています。「反差別」の旗手で「人権」を声高に叫ぶ人は、こんな残酷な言葉を吐くのでしょうか。

李信恵が賠償を免れたことで狂喜する李信恵と神原元弁護士ら。不法行為と賠償金を押し付けられた格好になったエル金(金良平)の浮かぬ表情が印象的。エル金は、この後、賠償金支払いに苦慮した

本稿では、李信恵がリンチ後、被害者M君に出した「謝罪文」を全文挙げておきます。これはその後、M君が孤立しているのを見計らってか撤回しますが、「反差別」の旗手で「人権」意識の高い(ん?)人は、時に常人には理解できないことをなされるようです。

李信恵「謝罪文」(P01-P02/全7枚)
李信恵「謝罪文」(P03-P04/全7枚)
李信恵「謝罪文」(P05-P06/全7枚)
李信恵「謝罪文」(P07/全7枚)

李信恵が連座した大学院生M君リンチ事件は、李信恵に連携する徒輩による隠蔽活動にもかかわらず、知る人ぞ知ることになりました。

上瀧浩子弁護士が、李信恵がネトウヨを訴えた件の訴訟に「意見書」執筆を依頼し、これに応じた前田朗東京造形大学教授は、鹿砦社の本で、このリンチ事件を知り李信恵に対し「唾棄すべき低劣さは反差別の倫理を損なう」とまで批判しています。

李信恵が「唾棄すべき低劣さ」から脱するには、まずこの「謝罪文」に立ち返り、M君に心から謝罪し、真に主体的に反省するところから始まると思います。

私の言っていることは間違っているでしょうか?(本文中敬称略)

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【カウンター大学院生リンチ事件(別称「しばき隊リンチ事件」)検証のための覚書11】 闘いはまだ終わってはいない!(9)平気で嘘をつく人たち(2)~ 野間易通の場合  鹿砦社代表 松岡利康

朝日新聞6月17日夕刊

帰宅し夕食前に朝日新聞6月17日夕刊を見て驚きました。われらが野間易通が写真入りで登場しているではありませんか。一気に食欲を失くしました。朝日は、いまだにこういう記事を書くのか――「北野隆一」名の署名記事です。なんだ駆け出しの記者かと思いきや、なんと編集委員だということです。

記事を読むと、目新しい内容はなく、私たちから見れば、どうということもない記事ですが、逆に綺麗事で粉飾されているからこそ、事情を知らない人が読めば、野間易通という人に良いイメージを抱き、“ヘイトスピーチと闘う正義の人”と誤認するでしょう。

この北野編集委員は、野間が、ヘイトスピーチと見紛うような汚い言葉を、自らの意に添わない人たちに浴びせ、リンチ被害者M君や某地方公務員から提訴され、裁判所は野間の不法行為を断罪し賠償金を課したこと(2件とも確定)や、あるいは何度もツイッターでアカウントを変えたりして汚い言葉(言葉の暴力!)で相手を攻撃したり誹謗中傷したことで相次いでアカウントを閉鎖され、「永久追放」されたとも聞きますが、こういうことを知った上で、こんな歯の浮くような記事を公にしているのでしょうか。「在日コリアンを助けるためではなく、自分たちの問題として取り組む」(本文より)──失笑せざるをえません。少しは事情をご存知の方なら、私と同じく感じられることでしょう。

私が「しばき隊」とか「カウンター」とかいわれる人たち、さらにはこれに繋がる「反原連」「SEALDs」に疑問を持ったのは、2015年、彼らによる、韓国から親子で日本に研究に来ていた京都大学研修員(当時。現在も日本で大学の非常勤講師を務め滞在)だった鄭玹汀(チョン・ヒョンジョン)に対する激しい攻撃、誹謗中傷、ネットリンチでした。詳しい内容は、野間らによる「誹謗中傷・罵倒の限りをきわめ、彼女の全人格を根本的に否定するものでした。果ては名誉毀損や脅迫とおぼしき行為にまで至り」、鄭の研究者仲間が鄭を守るために奮闘し支援者らが作ったサイト「社会運動上の人権侵害を許さない」(https://www.facebook.com/groups/1612146335704041/1618038885114786/?notif_t=group_activity)をご覧ください。野間は「闇のしばき隊@kdxn」なるハンドルネームで先頭になって鄭攻撃を行い、カウンター/しばき隊/SEALDs関係者がこぞってこれに倣っています。これこそ、言葉の真の意味で、まさに〈ヘイトスピーチ〉そのものだと思いました。

リンチ本第5弾『真実と暴力の隠蔽』(2018年5月28日発行)P79~83

それまでは深い事情も知らず「反原連」(首都圏反原発連合)に毎月相当の資金援助も行っていました(1年間で300万円余り!)が、私が『NO NUKES voice』誌上に書いた記事(6号「解題 現代の学生運動──私の体験に照らして」2015年11月25日発行)が彼らの意に添わないということで有無を言わさず公に絶縁宣言を出され、そうこうしているうちに(2016年2月~3月頃)彼らと連携する者(李信恵ら)によるM君リンチ事件を知り、「いくらなんでも、これは酷いだろ」とM君救済と真相究明に取り掛かり、それまでの蜜月関係から一気に対立関係へと転換しました。一時は多額の経済的支援をしたのなら、少しは感謝してもよさそうなものですが、感謝の気持ちなどなく、国会周辺では「たんぽぽ舎」に委嘱した『NO NUKES voice』のチラシの配布は妨害されるということです。まあ、これが彼らの人間性でしょうが……。

野間は、一貫して加害者側に立ち、このリンチ事件の被害者M君を執拗に攻撃し、M君から提訴され敗訴しています。朝日の編集委員ともいう者が、こういうことはちょっと調べればすぐに判るはずなのに、全くスルーしています。いや、知っていてスルーしているのなら、さらに悪質と言わねばなりません。こうしたことをスルーして、歯の浮くように野間を美化する記事を書くことに問題はないのでしょうか? 社会の公器としての大手新聞人がやることではありません。

野間らは言う、「リンチはなかった」! まさに「南京大虐殺はなかった」、あるいは「ガス室はなかった」などというに等しい三百代言です。

野間による〈言葉の暴力〉=〈ヘイトスピーチ〉は数限りなくあります。リンチ本第5弾『真実と暴力の隠蔽』で、ほんの一部を掲載してみました。「糞チョソン人」「南洋土人」──沖縄で機動隊が現地住民に「土人」と詰(なじ)りマスコミに大きく報じられ問題になったことがありましたが、野間が言ってもマスコミはなぜ黙っているのでしょうか? 大いに疑問です。北野編集委員、どう思われますか? ぜひお答えいただきたいものです。

リンチ本第5弾『真実と暴力の隠蔽』(2018年5月28日発行)P79~83
リンチ本第5弾『真実と暴力の隠蔽』(2018年5月28日発行)P79~83

◎翌日の6月18日夕刊にも安田浩一、李信恵、上瀧浩子といったリンチ事件加害者(擁護者)が登場しています。もうこの人らのしらじらしい言説には飽き飽きしました。後日、この記事に対してもコメントいたします。(本文中敬称略)

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【カウンター大学院生リンチ事件(別称「しばき隊リンチ事件」)検証のための覚書10】 闘いはまだ終わってはいない!(8) 平気で嘘をつく人たち 鹿砦社代表 松岡利康

ずいぶん前に話題になった『平気でうそをつく人たち~虚偽と邪悪の心理学』(M・スコット・ペック著、草思社刊、1996年。現在は草思社文庫)というタイトルの本を思い出しました。出版直後、タイトルに惹かれて購読した記憶がありますが、書棚に見当たらず、今は文庫になっているというのでアマゾンで取り寄せました。思ったように分厚い本で、今読み直しているところです。「平気で嘘をつく人」の心理や気持ちを知るために。

松岡と裁判前に喫茶店で「偶然の遭遇」をしたという李信恵の虚偽のツイート

先の李信恵の「陳述書」でも、例えば「李信恵さんの裁判を支援する会」事務局長の要職にありリンチ事件直後に加害者らに対する事情聴取の場に同席した岸政彦教授が「『リンチ事件』と称する暴行事件に関して、事実関係も何も全く知らないのです」という記述は誰が読んても嘘だと判ります。

私たちが事情を知らないと思ってか、李信恵という人は、こうした嘘を平然と書く──取材などで会った多くの人から、李信恵が「平気で嘘をつく人」だとたびたび言われました。当初は半信半疑だったのですが、別掲のツイートで、「ああそうか、こういうふうにして、この人は物語を作り嘘をつくのか」と思った次第です。

ここで李信恵は、「月曜日の裁判の日、早く到着したので入った喫茶店で。ずっとこっちを見て立ち上がったり、辺りを見回したり、近くまで来る男性がいて。怖いし何だろうかと思ったら、鹿砦社の松岡氏ってことを後で知ったり。」とツイートしています。

残念ながら、こういう事実はありません。虚偽のツイートで、まさに名誉毀損ものです。私松岡が初めて彼女の顔を拝したのは、この裁判の本人尋問ででした。それまでは一面識もありませんでしたし、当日の尋問の前に喫茶店で会ったこともありません。顔かたちも知りません。何という名の喫茶店ですか?この件をネットで批判しましたが、李信恵からの反応はなく、沈黙し逃げています。よくこんな見え透いた嘘が平気でつけるものです。

そして今回の「陳述書」での岸政彦教授が「『リンチ事件』と称する暴行事件に関して、事実関係も何も全く知らない」という、誰が読んても嘘と判ることを平然と、まことしやかに記述しています。

くだんのリンチ事件が発生するまで李信恵や上瀧浩子弁護士の仲間で昵懇だった凜七星(上瀧弁護士とは「友だち守る団」というグループで一時一緒に活動)は、『真実と暴力の隠蔽』(134ページ)で、「たぶんねぇ、悪いのはだいたい李信恵なんですよ。彼女は言い訳だとか、話を捻じ曲げて自分の都合のいいようにするのが得意」と私に仰いました。なるほど、合点がいきました。

さらに、このたびリンチ事件について調べ直す過程で、神原元弁護士と、しばき隊/カウンターグループのボス・野間易通のツイッターのやり取りが出てきました。

リンチ被害者M君が必死で録音した音声データを、あろうことかリンチがなかったことの「証明」だと、恣意的に事実を捻じ曲げています。この人たちの頭の構造が理解できません。この音声データが明るみに出るや、こうした三百代言を思い付き、まことしやかに公言しています。

リンチの最中の音声データが「リンチがなかった」ことの「証明」だと言い張る神原弁護士と野間易通のツイート

ナチスの宣伝相・ゲッベルスは、「ウソも百回つけば本当になる」との有名な言葉を遺していますが、いやしくも「人権」だ「反差別」だと声高く語る人がやる手法ではありません。

このように彼らにかかっては、いかなる証拠も自分らの都合のいいようにこじつけられ偽造されてしまいます。

みなさん、リンチの最中の録音(『真実と暴力の隠蔽』に付けたCD)をお聴きください。ちょっと聴いただけで吐き気がしますが、これがなんでリンチがなかった「証明」になるのでしょうか?

しかし、賢明なみなさんは、私たちが額に汗し這うように調査・取材しまとめ上げた5冊の本によって、彼らがいくらまことしやかに言い募っても、その中のウソを見抜いているでしょう。もうウソは通用しません。(本文中敬称略)

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【カウンター大学院生リンチ事件(別称「しばき隊リンチ事件」)検証のための覚書9】闘いはまだ終わってはいない!(7) 李信恵「陳述書」を批判する-04 鹿砦社代表 松岡利康

李信恵の「陳述書」は、これまで述べてきましたように、リンチ被害者M君への謝罪もなく、リンチ事件を惹き起こし反差別運動、社会運動に汚点を残したことへの反省もなく、ただ一貫して鹿砦社の出版物や「デジタル鹿砦社通信」の記事で「被害」を受けた、「恐怖」を感じたなどと臆面もなく書いています。これでは読む者には響いてきません。

李信恵「陳述書」5ページ目
同 6ページ目

全6枚の「陳述書」に対して、私はこれに沿って逐一批判しコメントを書き記してきました。果たして私の言っていることは間違っているでしょうか? 

「陳述書」の残りについて私見を述べてみましょう。──

【13】「明らかに事件について何も知らない相手に出す質問状に事実を明らかにするという目的はなく、ただただ、私が『リンチ事件』に関与しているという印象を与えるだけのものとしか思えません。」との記述について

失礼なことを言わないでください。私たちが李信恵に対して、あたかも嫌がらせでやったような発言です。断じてそうではありません。「質問状」は、まず李信恵支持者や周囲でリンチ事件を知り、また隠蔽活動に関与していると思われる人たち、国会議員や「ジャーナリスト」、研究者など社会問題に関心があると思われる人たちを中心に送りました。費用の問題もあるので、さほど多くはありませんが、心ある人の目に止まり、外に向かい報じたり発言してもらいたいという目的もありました。

当初は30人ほどに送りましたが、送った先は第2弾本『反差別と暴力の正体』に名を出しています。本も一緒に送ることで事件を知らなかった人には事件の存在を知ってもらいたいと考えました。第3弾、4弾、5弾と送付先は増えていき、80人ほどになりました。これも第5弾本『真実と暴力の隠蔽』に名を記していますので、ご一覧ください。

「質問状」を送った人の中には、鈴木邦男のように長年交流があり何冊も著書を出版してきた者、安田浩一、池田香代子らのようにイベントに招いた人、北村肇(元『週刊金曜日』発行人)、矢野宏(『新聞うずみ火』編集長)、山田洋一(『人民新聞』編集長)ら日頃交流があり広告も出している媒体の者など広く多岐に渡っています。

親密さがうかがえる辛淑玉(左)と鈴木邦男(右)

こういう時こそ、しっかりした対応をしてくれる人こそ、真の知識人、ジャーナリストだと私なりに思っていましたが、そうではありませんでした。「なぜ逃げるの?」「なぜ黙るの?」と思いましたが、特に長年付き合いがあった鈴木邦男の態度には失望し、断腸の想いで義絶せざるをえませんでした。「のりこえねと」の共同代表の一人として辛淑玉らと親交があり、私よりも著名な辛淑玉のほうを採ったと多くの人たちから言われましたが、遺憾です。

鈴木邦男は、1980年代前半、組織(正確には鈴木が代表の「一水会」を中心とする「統一戦線義勇軍」)内にリンチ殺人、死体遺棄事件があり、これを転機に言論を中心にした闘いに方針転換しました。その頃からの付き合いですが、その主体的反省から、他の軟弱な「知識人」にはない独特の智恵を出してくれるものと期待しましたが、そうではありませんでした。残念です。 

【14】「被告(注:鹿砦社)の取材していた『リンチ事件』と私の反ヘイトスピーチ裁判とは何の関係もありません。」との記述について

いい加減なことを言わないでください。くだんのリンチ事件は、反ヘイト運動、いわゆる「カウンター」運動の中で、李信恵ら5人が、それまで仲間だったM君に対し行ったものですから、大いに関係があると言わざるをえません。

そもそも李信恵ら、つまりリンチ事件に居合わせた5人、また神原、上瀧両 弁護士ら、号令一下、敵と見なした人物に一斉に攻撃をする者らは「ヘイトスピーチ」に反対して行動を起こす中で知り合い、関係性を深めた人物の集まりです。この集団はある時期「ヘイトスピーチ」を法律で規制しようとの運動に熱を入れ「ヘイトスピーチ対策法」が成立しました。この過程でリンチ事件が起き、李信恵も(おそらく一夜明け酔いが覚めた時に)、彼女の仲間ら周囲の者らも慌てふためき、当初は謝罪し和解の方向で行くことだったと思われますが、途中から方向転換を行います。

この法律については表現の自由を高らかに謳う出版人の立場からの意見があります。しかし、ここでは、あえてコメントはしませんが、李信恵らはこの法律を何がなんでも成立させようと、M君リンチ事件を隠蔽する活動に努めたと言えるでしょう。

私たちは“いかなる差別にも原則的に反対する”がゆえに、〈嘘と誇張〉を多用し事件を無かったものにしようとする李信恵らの蠢動を取材し、出版化したのであり、李信恵は「陳述書」で自身の内面について事実を曲解し縷々述べているものの、私たちが出版化した内容について、誤りがあるとの事実の摘示は行えてはいません。前述の岸政彦や木下ちがやの例と同様、李信恵が述べる物言いはいずれも事実ではありません。

【15】「被告(注:鹿砦社)の私(注:李信恵)に対する強い悪意を感じ、非常に恐ろしいと感じています。」との記述について

笑止千万です。言うに事欠いていい加減なことを言わないでください。これも何度となく言っていますが、私たちには李信恵に対して私怨や遺恨など全くありませんし、「強い悪意」などもありません。

鹿砦社、またこの代表の私がM君リンチ問題に関わっているのは、まずは彼に対する同情で、次には、この国の社会運動や反差別運動にとって、このリンチ問題をどう解決するかが問われ、真摯に反省し将来に禍根がないようにすべしということ、この点で、極めて公共性、公益目的があることなどです。

私も、40年余り出版活動をやって来て、個人に対する「悪意」や、私怨、遺恨で本を作ることなどありません。私なりに矜持があります。私は65歳を過ぎたら、以前からまとめたいと思っていたテーマをやりたいと予定していましたが、偶々このリンチ事件に出会い、放っておけなくて関わることにした次第です。全く失礼千万なことを言う前に、リンチ被害者M君に対して真摯に謝罪しろ、と言いたいです。

【16】「口では言い表せないほどの恐怖と苦痛を感じました。」との記述について

集団リンチで激しい暴行を受けた被害者M君が言う台詞です。M君がリンチの最中どれほど「口では言い表せないほどの恐怖と苦痛を感じ」たか、李信恵さん、理解できますか? 同じ台詞をあなたが言っても深刻には伝わってきません。

【17】M君が李信恵を訴えた訴訟の判決について

話が前後しますが、李信恵は、リンチ被害者M君が彼女を訴えた民事訴訟について「平成30年3月19日、大阪地方裁判所は、私は暴行もしていないし、共謀もなかったと判断しました」と、まるで鬼の首でも取ったかのように記述していますので、この判決に対して簡単にコメントしておきます。

私に言わせれば、この部分は誤判です。最近、冤罪問題がクローズアップされ、私たちも積極的に関心を持ち月刊『紙の爆弾』でもほぼ毎号採り上げていますが、裁判所が判断したからと言って、それが絶対に真実であるとは限りません。「真実はお天道様は知っているぞ」と言いたいですが、裁判所もリンチがあったことまでは否定せず、だからこそ直接手を下した2人には刑事、民事共に罰金、賠償金を課しているわけでしょう。 

少なくとも、李信恵はリンチの現場に同座し、泥酔し「まぁ殺されるんやったら店の中入ったらいいんちゃう?」との“名台詞”を吐いています。リンチの最中、M君は、この“名台詞”をどのような気持ちで聞いたのでしょうか、絶句します。表向きには「人権」という言葉で欺き、裏ではリンチを是認する李信恵の人格を象徴する言葉です。この“名台詞”、まともな人間が言う言葉でしょうか!? 

何度も言いますが、李信恵さん、あなたは、リンチの口火を切り、暴行が続く中でも止めもせず、リンチが終わるや救急車を呼びもせず、すぐ近くのタクシー営業所で車に乗せることもせず、師走の寒空の下に瀕死の重傷を負ったM君を放置し立ち去っていますよね? 加えて、「まぁ殺されるんやったら店の中入ったらいいんちゃう?」との“名台詞”――ここに至り、李信恵さん、あなたに人権や良心の欠片もない、と断言します。

みなさん方も、また裁判所も、李信恵の田舎芝居に騙されてはいけません。最も「恐怖と苦痛」を身をもって感じたのはリンチ被害者M君であることを第一義に考えるべきです。そうではないでしょうか?

李信恵「陳述書」への批判は、ひとまずこれで終了します。この連載は続きます。(本文中敬称略)

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【カウンター大学院生リンチ事件(別称「しばき隊リンチ事件」)検証のための覚書8】闘いはまだ終わってはいない!(6) 李信恵「陳述書」を批判する-03 鹿砦社代表 松岡利康

ハンドルネーム「こたつぬこ」こと木下ちがやとの一件については、勘違いしている向きもあるようですので、これについても事実に沿って申し述べておきます。

木下が田中を攻撃したツイート。のちに同様の攻撃をされる

木下も、自分に正直にあってほしいと思います。たかが査問されたりバッシングされたぐらいで腰砕けになったら情けないぞ。

しばらく前までは、逆の立場だったようで、例えば「世に倦む日々」田中宏和に対する攻撃的ツイートが残っていて、これを見れば、ずいぶん酷いことをやっています。逆の立ち場になると、攻撃された側の気持ちがわかろうというものです。

【12】「木下ちがやさんは『note』で、被告の『取材』の執拗さと自分がいかに追い詰められていったかを記載しています。」との記述について

木下ちがやは、清義明ともども、清が段取りし、あらかじめ約束を取り、私が上京し直接会って話を聞いた人物です。彼は終始上機嫌で自分から積極的に発言しました。

座談会での木下ちがや(奥)と清義明(手前)

最初の座談会はアルコールを入れず(飲酒なし)にコーヒーのみで真面目に行いました。彼は真正面からリンチ事件について憮然として自身の意見を率直に述べ、さらにその後、清が予約してくれた高級料理屋で友好裡に夕食を共にし、さらに三次会になるラウンジでの歓談にも夜遅くまで機嫌良く付き合っていただきました。これが「被告の『取材』の執拗さ」ですか? ちなみに、この時の費用(10万円余り)は全額は私が支払いました。

第5弾本発売直後の「無量光」なる人物からの激しいバッシング)
あえなく屈服した木下のツイート

第5弾本『真実と暴力の隠蔽』(153ページ~176ページ)にあるように木下は、私が「執拗」に「取材」したのでは決してなく、みずからの意志で積極的に発言されました。木下の見立てや歯に衣着せぬ意見には考えさせられることも多く好感を持ちました。

みなさん方も、これを「一般読者の普通の注意と読み方」で一読されたら、「被告(注:鹿砦社)の『取材』の異常さ」を感じるでしょうか? また、どこに「追い詰められていった」木下の姿があるのでしょうか? 木下を「追い詰め」ていったのは、李信恵さん、あなたたちではないんですか?

木下はM君に対するリンチ事件について、李信恵を批判する内容の発言を少なからず行ったことから、後日李信恵周辺の人物から、厳しい攻撃がありました。木下が関わるとされる政党に呼び出され査問されたのではないかとの噂もあります。この政党は、古くから反対派や批判者を激しく査問することでつとに知られています。木下を「追い詰め」たのは、李信恵と連携する者らによる、こうしたバッシングだったのではないでしょうか。

木下が発言した内容は、削っている箇所はあっても(座談会は長時間に及び、かなりの分量になりましたので、掲載したのはこの半分ほどです)、恣意的に加筆はしていません。求められれば、いつでも録音全部を公開しても構いません。もっとディープな発言もあります。

木下から鹿砦社への抗議文

編集段階から木下の発言が、出版後李信恵らの批判に晒されるであろうことは予想できなかったわけではありませんが、木下も、それなりに名の有る「知識人」で立派な著書も数冊あり、根拠のない発言はされていませんし説得力のあるものです。以後の批判も予想されていたかと思いますし、それぐらい耐えられるものと考えておられたのではないでしょうか。

繰り返しますが、私たちは公式に取材の場で木下が語ったことを原稿化したまでです。しかし残念ながら木下は周囲からの激しいバッシングに耐えられず、謝罪、発言撤回に至ります。

真っ当な政治学者で思想問題を扱う「知識人」なら「武士に二言はない」と言って突っぱねて欲しかったところです。発言は表向き撤回しても、座談会での発言は木下の本音だったと推認いたします。

以降私たちは「デジタル鹿砦社通信」で木下への言及は行っても、木下の立場に配慮し直接の接触や取材は行っていません。

ただ第5弾本『真実と暴力の隠蔽』発行後、唯一の連絡の類は、木下や私たちへのバッシングが一段落した頃に、取材協力者全員に謝礼として百貨店の商品券を簡易書留で送付しただけです。

取材協力者の中には「これは受け取る筋合いではない」と商品券の受け取りを固辞された方もおられましたが、木下は鹿砦社が送った商品券を受領されています。

伊藤大介のFB。松岡が「諸悪の根源」ということです
池田幸代(元・福島みずほ秘書。しばき隊メンバーと昵懇で福島秘書を解雇される)のツイート。「法的措置」はどうなりましたか?

上記が嘘偽りのない事実であり、木下が私たちに対し本気で怒っているのであれば、その相手から送られた商品券を受け取ることなど、常識的には考えられません。「こんなもん、受け取れるか!」と直ちに送り返せばいいだけです。

いずれにせよ、李信恵自身に不都合な事実は、歪曲や捏造で誤魔化そうとして、周囲の人間を用いてSNS上での“印象操作”を行うのが李信恵の基本的な行動パターンです。それに加担した人物として李信恵代理人の神原、上瀧両弁護士も挙げることができるでしょう。

また、「原稿チェックをさせなかった」という批判もありました。第5弾本『真実と暴力の隠蔽』には他に、この座談会を手配し参加してくれた清義明、中川淳一郎、凜七星、三輪吾郎らへのインタビューも掲載しているが、全員事前の原稿チェックはしませんでした。文句を言う方はいません。

これには、第3弾本『人権と暴力の深層』で、津田大介に電話インアビューした際、リライト原稿を見せてほしいということで送ったところ、全面的に書き換えられておりインタビューした際のぶっつけ本番のやり取りのリアリティがなくなっていたという苦い経験があったからです。時々、政治家のオフレコ発言が暴露されて問題になることがありますが、畢竟こういうことです。

くだんの座談会、私は新幹線代を使い関西から上京し、座談会からラウンジまで大金を使いましたが、遊び半分でやったんじゃないんですよ。私は思うところを責任を持って発言しました。木下も、新進気鋭の若手政治学者、「知識人」として責任ある発言をしたのではないんですか? 発言したことはみな虚言だったのですか?

ちなみに、その後木下は、木下や神原、上瀧弁護士らが支持する政党系列の出版社から著書を出版しています。発言を取り消し李信恵に謝罪した“ごほうび”でしょうか。(本文中敬称略)

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【カウンター大学院生リンチ事件(別称「しばき隊リンチ事件」)検証のための覚書7】闘いはまだ終わってはいない!(5) 李信恵「陳述書」を批判する-02 鹿砦社代表 松岡利康

私たちは、李信恵らによるM君リンチ事件を隠蔽しようとする著名人にも直撃取材や対面取材、電話取材を行ってきました。出版社として当然の取材で、長年やって来たものです。李信恵らが、批判者らにやっている恫喝ではなく、あくまでも取材として行ったもので、他の出版社や雑誌がやっていることと同類のことです。決して特異なものではありません。

李信恵「陳述書」3ページ目
同 4ページ目

ここで、李信恵らと関わる著名人らが登場します。以下、コメントしておきます。

【10】「岸(政彦)先生は、被告(注:鹿砦社)が『リンチ事件』と称する暴行事件に関して、事実関係も何も全く知らないのです」との記述について

取材班の直撃取材に狼狽し逃げ惑う岸政彦教授

完全な虚偽です。岸政彦(当時龍谷大学教授)は、「李信恵さんの裁判を支援する会」の事務局長を務めており、事件直後コリアNGOセンターが加害者に行った聞き取り調査に同席しています。李信恵さん、そうではないですか?

加害者の口から(その内容の正確性はともかく)事件についての何らかの情報を、事件後早期に知った人物の一人だということは間違いないでしょう。何より、龍谷大学の研究室で岸教授は、「事件について知らない」とは述べておらず「今ちょっと言えないんですよ」などと言葉を濁しながら、取材者を暴力的に研究室の外へ押し出しました。岸教授が事件と無関係であれば、取材者に体をぶつけるという行為までに及ばないでしょう。「私は関係ないし、知りません」と冷静に述べれば済むことです。取材者は、なんら荒い言葉を用いるわけでもなく(録音で記録していますのでいつでも公開できます)、岸教授の要請に沿ってIDの撮影にまで応じているのです。

直撃取材に狼狽し逃げ惑う岸政彦教授。「李信恵さんの裁判を支援する会」事務局長なら堂々と答えよ!

このように事あるごとに〈嘘と誇張〉を弄し事実を捻じ曲げるのが李信恵の特徴です。この点、5冊の本や他の資料の精査においても、みなさんにも裁判所にも是非充分注意していただきたく望みます。

【11】「そのほかにも金明秀関西大学教授や、師岡康子弁護士、ジャーナリストの安田浩一さんなど、私の裁判を支援してくれた人たちに対しても『取材』していました。」との記述について

一流大学教授の文面とは思えぬ金明秀教授の恫喝ツイート。恫喝ツイートを発信したり暴力を振るう者を放置する関西学院大学の罪は大きい

金明秀教授や、師岡康子弁護士、安田浩一らは、李信恵が述べるように、彼女の裁判に対する熱心な支援者であったようです。と同時にM君へのリンチ事件隠蔽についても熱心な動きをしていた人物です。

金明秀教授は「泥酔して」(本人談)リンチ被害者M君の名前をツイッターに書き込んだ人物です。このツイートで、M君、特に当時付き合っていた女性に恐怖を抱かせノイローゼにさせたとのことです。さらには勤務先の同僚教授に暴力を働き、被害者の教授はユニオンと共に闘っています。金教授は勤務先の大学から何らかの処分を受けたようです(が、勤務校が明らかにしないので詳細はわかりません)。さらには木下ちがやにも暴力を働いたことを木下本人が認めています(第5弾『真実と暴力の隠蔽』156ページ)。

師岡康子弁護士は『ヘイト・スピーチとは何か』(岩波新書)の著書もある反ヘイト・スピーチ運動の理論的支柱ともいうべき弁護士ですが、M君とも親しかった金展克に驚くべき内容のメールを送付したことが第5弾本『真実と暴力の隠蔽』刊行直後に金展克が当該メールを公開し明らかになっています。到底「人権」を語る弁護士の発言とは思えない無理筋な内容で、泣き寝入りを求め事件隠蔽を金展克に教唆した人物です。一部引用しておきます。――

師岡康子弁護士と神原元弁護士

「その(注:ヘイト・スピーチ規制法制化の)取り組みが日本ではじめて具体化するチャンスを、今日の話の告訴(注:リンチ被害者M君による加害者の李信恵らへの告訴)が行われれば、その人(注:M君)は自らの手でつぶすことになりかねません。(中略)その人は、(中略)これからずっと一生、反レイシズム運動の破壊者、運動の中心を担ってきた人たち(注:李信恵ら)を権力に売った人、法制化のチャンスをつぶしたという重い批判を背負いつづけることになります。そのような重い十字架を背負うことは、人生を狂わせることになるのではないでしょうか。」

頭の中が倒錯していると言わざるをえません。「重い十字架を背負う」のはリンチ加害者の李信恵らでしょう。リンチの加害者が「反レイシズム運動の破壊者」というのならまだしも、なんで被害者が「重い十字架を背負」い「反レイシズム運動の破壊者」になるのでしょうか? そうならないために泣き寝入りを求めるとは常識的には到底考えられません。

これが「人権」を標榜する弁護士の言い草か!? 存在を噂されながらも、ようやく公になった「師岡メール」

安田浩一は、李信恵と個人的にも昵懇で、リンチ事件の隠蔽活動の中心人物であることが、取材を進める中で分かってきましたが、事件周辺にいた人物として、また被害者・加害者双方を知る人物として重要な人物です。さらには鹿砦社主催の講演にも招いたりしたこともあり、リンチ事件を私たちが知るまでは関係は悪くはありませんでした。私たちがリンチ事件の存在を知らないうちは、水面下でいろいろ蠢き、ベロを出していたのを思うだに不愉快になります。

ですから、安田にリンチ事件への感想を聞くのは当然中の当然、取材の基本であり、安田への取材を仮に行わなければ(その結果どのような出版物や原稿が完成しようとも)充分な取材が果たされた記事とは言えません。さすがに安田も「ジャーナリスト」の端くれ、これまでの私たちとの関係を思い出したのか、回答書を送ってくれ、電話取材にも応じてくれました。この点は私たちも評価し、逃げたり回答をしない者らとは区別していることを書き添えておきます。

しかし、今回、あらためて彼の発言や回答書を読み直してみると、やはり大いに疑問を感じます。

安田は、リンチ事件をその直後から知っていたが、ずっと黙っていました。それは李信恵との個人的に昵懇の間柄もあってかどうか、あるいは李信恵周辺の人たちと事件隠蔽で意志統一していたのかどうか分かりませんが、取材班の電話取材に対し彼は、「なんでそんなことに興味を持つのですか。仮に少し暴力があっても昔の新左翼の内ゲバみたいなものではないと思います。こんな些細なことに拘っていたら運動に分断を持ち込むだけです」と言い、さらには「ひょっとしてこれ『紙の爆弾』に書かれるおつもりですか。松岡さんの意趣返しのようなつもりで」と語ったそうです(録音が残っています)。

「運動に分断を持ち込む」とか「意趣返し」とか私には理解できません。事件の真相を追及することが「運動に分断を持ち込む」とでも言うのでしょうか? 「意趣返し」? 意味不明です。 

また、回答書では、「あたかも『大事件』のごとく騒ぎ立てる意図が私にはわかりません」と書き記し私たちの活動を批判しながら、他方で「繰り返しますが、M君の被害を過少に捉えているわけではありません」と矛盾したことを言っています。

安田の矛盾した言説はまだあります。

「私自身はM君の被害を無視しているわけではありません。M君が受けた精神的、肉体的な苦痛に対し、早い段階で私から何かできることがあればと、悔やんでいるのは事実です」

としながら、「一方、加害者の側は法的処分のみならず、社会的制裁も受けてきました。仕事を失った者がいます。ネットを通じたヒステリックな攻撃により、心身の偏重をみた者もいます」と李信恵ら加害者たちを擁護することも忘れてはいません。そうして、「『ヘイトと暴力の連鎖』もまた、そうしたネットの暴力を増殖するに十分であったと考えています」と、ここでも理解不能なことを書き記しています。この時点ではまだ第1弾の『ヘイトと暴力の連鎖』を発行しただけで、これを同封して質問書を送付したのですが、李信恵の間近にいて解決のために動ける立場にいながらリンチ事件から1年以上も放置し、この程度の浅薄なことしか言えないのでしょうか。安田よ、「ジャーナリスト」である前に人間であれ!と苦言を呈しておきます。

安田はフリージャーナリストとしての道は平坦ではなかったようですが、『ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて』でブレイク、この本で日本ジャーナリスト会議賞、講談社ノンフィクション賞を受賞し、ようやくジャーナリストとしての地位を築きます。

この『ネットと愛国』、確かによく出来ていて、ネトウヨ活動家やその自宅をアポなしで直撃するという手法を採っています。なあんだ、私たちと同じではありませんか!? 李信恵らは、私たちの取材手法を「恐怖を感じた」などと非難してやみませんが、ならば安田浩一の取材手法はどうなんですか? 自分らの仲間の取材手法はよくて、鹿砦社の取材手法はダメということですか? ずいぶんご都合主義ですね。当事者に直撃取材するということはノンフィクションの取材の基本で、安田もやっているように、決して特異なことではありません。(本文中敬称略)

左から、安田浩一、松岡、浅野健一。「浅野健一ゼミin西宮」(主催・鹿砦社)にて。この時の様子は、浅野編『冤罪とジャーナリズムの危機』に収録されている

 

《関連過去記事カテゴリー》
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【カウンター大学院生リンチ事件(別称「しばき隊リンチ事件」)検証のための覚書6】闘いはまだ終わってはいない!(4) 李信恵「陳述書」を批判する-01 鹿砦社代表 松岡利康

前記しましたが、対李信恵第2訴訟で彼女は4月8日付けで「陳述書」を提出しました。これは4月28日に予定されていた期日のためですが、ご承知のように新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言によって延期されました。

これを一読し、老いて少しは丸くなったと言われる私も怒りが込み上げてきましたので、逐一批判し、事実でない重要な点に反論しておきます。これが「反差別」や「人権」を声高に叫ぶ者の陳述書かと思うと情けなくなります。「反差別」や「人権」とはこんな薄っぺらなものだったのでしょうか?

裁判関係の書面を出すことに躊躇しないではありませんが、この「陳述書」(全6枚)に李信恵の人間性が表われていることと、正確に引用していることを証するために、あえて原文をアップし、これに沿って記述していきます。

◆李信恵は反省も謝罪もなく、弁解ばかりし、鹿砦社の出版物で「被害」を受けた受けたとばかり強弁しています

まずもって前提的に押さえておくべきことは、次の点です。

《1》くだんのリンチ事件において最大の被害者はM君であること。原告の「陳述書」では、このことがすっぽり抜けています。

《2》半殺しと言っても過言ではないような激しい暴行に遭いリンチ事件後もPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされているリンチ被害者・M君の苦しみに比べれば李信恵の「被害」や「苦痛」などは取るに足りないこと、そして李信恵が言い張る「被害」なるものは上記《1》に記した、リンチ事件の最大の被害者がM君であることをカモフラージュするものであること。

《3》リンチ現場に同座した李信恵ら5人全員に連帯責任があること。

《4》このリンチ事件の中心人物は李信恵であり、彼女以外には考えられないこと。

李信恵「陳述書」1ページ目(全7ページ)

李信恵の「陳述書」に沿って以下逐次的に反論、及びコメントいたします。

【1】「『S(注:原文では実名)さん』が鹿砦社のライターである~」との記述について

李信恵のこの記述は正確な事実ではありません。彼は鹿砦社の社員でもありませんし、フリーライターで、ペンネームである「田所敏夫」あるいは本名で、当社のみならず鹿砦社以外の媒体(週刊金曜日、朝日新聞、京都新聞、あるいは韓国のネットニュースなど)でも執筆、投稿を続けてきています。正確に言っていただきたいものです。

【2】「『リンチ事件』と称する暴行事件は私が関わっている事件ではなかった」との記述について

論外です。大阪市北区北新地のワインバーにM君を呼び出し、M君が到着するや「なんやねん、おまえ!」と胸倉を掴んでリンチの口火を切り、リンチの一部始終そこに居たんじゃありませんか?

【3】「『リンチ事件』の首謀者であると断定的に書かれていた」との記述について  

李信恵は、彼我の関係から「一般読者の普通の注意と読み方」=常識的に見て、M君リンチ事件の中心にあり「首謀者」としか言いようがありません。李信恵が「首謀者」でなければ、誰が「首謀者」でしょうか? 

【4】「この『リンチ事件』は事実とは違う」との記述について

どう「事実とは違う」のでしょうか? こちらから問います、ぜひお答えいただきたい。私たちは5冊の本を出す過程で、これまでの鹿砦社の出版にはないほどに、真相究明のために取材と調査を重ね事実を積み上げてきましたので、記述は真実であり、真実と見なすに相当の自信と自負を持っています。みなさん方も「一般読者の普通の注意と読み方」をされたら、きっとそうだと思います。

【5】「書籍の記事では、直接暴行を加えた人のことにはほとんど言及していません」との記述について

本当に5冊の本を読まれたのでしょうか? 「直接暴行を加えた人」=「エル金」「凡」についても可能な限り詳細に「言及」しています。

【6】「私の名前が繰り返し本に載っていました。」、「私は最初から本名で記載されていました。」との記述について

当たり前です。李信恵はこのリンチ事件の中心にいる人物と見なされますから「名前が繰り返し本に載ってい」るのは当然です。また、諸々の社会活動や運動、執筆に「李信恵」の名で積極的に行っていますし、メディアにも頻繁に登場しています。社会的にも言動に責任を持たねばならない著名人、いわば準公人ですから本名で記載されるのも当然です。これが嫌なら本名で活動したり発言しなければいいでしょう。

ちなみに、「エル金」「凡」に対して、日本では生きにくい在日であること、すでに刑事事件で前歴があること、これらが公になれば不利益を蒙る等を私たちなりに配慮して、出版物では、当初は本名は使いませんでしたが、私たちの配慮など考えることなしに全く反省のない言動を続けるので、そこまで配慮する必要はないと考えるに至り、後々になって本名も使うようになりました。

同 2ページ目

【7】「いつ何時自宅に突撃『取材』がくるのか分からないという恐怖に苛まれました。」との記述について

伊藤大介の恫喝ツイート

語るに落ちるとはこのことです。李信恵の支持者や周辺の仲間らは、李信恵が敵と見なした人物や意に添わない人物らの自宅を突如襲ったりしてはいませんか? 特にこのリンチ事件に連座した伊藤大介はどうですか? 恫喝目的で四国の自動車販売会社・合田夏樹社長宅には伊藤大介の指示で有田芳生参議院議員の宣伝カーで訪れて(直撃しようとして)いましたが(『ヘイトと暴力の連鎖』88ページ~98ページ、『反差別と暴力の正体』巻頭グラビア2ページ~3ページ、同143ページ~156ページ参照)、これについて李信恵さんのご意見をお聞きしたく思います。

【8】国会議員などに出した「質問書」(あるいは取材依頼書)について

李信恵は、私たちが当時民主党党首だった岡田克也や蓮舫らに「質問書」を出したことを詰っています。確かに「質問書」は郵送しました。それは、直接には李信恵に強く協力的で前出の四国の自動車会社販売会社合田社長宅を威嚇訪問しようとした者らに宣伝カーを貸したとされる有田芳生参議院議員が所属する政党の代表者(党首)だったからですし、日本共産党の志位和夫(委員長)、吉良よし子(参議院議員)、池内さおり(当時衆議院議員)らに「質問書」を送り電話取材を試みたのも、李信恵らと集会やデモなどで連携していたからです。

「質問書」(取材依頼書)はこの方々だけでなく、全員ではありませんが、少なくない国会議員にも送付しました。それは、この非人間的なリンチ事件を知ってもらい、調査し国会で採り上げて欲しかったからです。残念ながら全く無視されました。

この「質問書」(取材依頼書)は、国会議員のみならず「ジャーナリスト」や「知識人」らにも、本を出すごとに、この本を付けて複数回送付しました。そのどこが悪いというのでしょうか? 逆に、ふだんは「暴力はいけない」などと言いながら、実際にみずからが知る者らがリンチ事件に連座していることを突き付けられればこれを無視したり蔑ろにしたり逃げたり沈黙したりした人たちこそ問題ではないでしょうか? 誠実に答えてくださった方がいなかったわけではありませんが、大方は無視しました。仕方ありません、一人ひとり直接当たっていくしかありません。それはそうでしょう、返事もくれなく無視したわけですから。

【9】「被告(注:鹿砦社)は、私の裁判に関しても、『李信恵という人は在特会・ネトウヨと闘うに足る人格を持っているのか?』など、私の在特会らを相手取った裁判も正当性がないように書いていました。」との記述について

李信恵の恫喝ツイート

李信恵が差別言辞を発した相手に対して提起した損害賠償訴訟にはコリアNGOセンターを中心とする多くの支援者が集まり、裁判に関する支援金(カンパ)も呼びかけられています(このカンパの収支報告が行われた形跡を私たちは見つけることができません)。さらにテレビ、全国紙の記者や弁護士、大学教員らが支援に加わっていました。当然でしょう。私たちも、この所期の目的を否定するのではなく、むしろ“一切の差別に原則的に反対する”という立場から積極的に評価します。

しかしながら、上記のカンパの会計報告が一切なされていないことや、裁判ごとに懇親会を開くのはいいとしても、その後4軒も5軒も飲み歩き、挙句の果てにM君リンチ事件まで惹き起こしたこと、善意で支援会に結集した人が李信恵を批判したり、彼女の意に添わないと嫌味を言ったり度を越したバッシングをしたりしたこと(例えば別掲ツイート。その他にも多くの証言があります)等々、彼女の不遜な態度はいかがなものでしょうか。はっきり申し上げれば、もっと人格的に優れた人が神輿に乗っていれば、運動はもっと広がりを持ったでしょうし社会的にも理解されたと思います。

まともな指導者なら、少なくとも、泥酔の挙句、リンチ事件を惹き起こしたりしないでしょうし、これに弁解や言い訳ばかりすることもないでしょうから。

「これら記事を読みながら泣き崩れました」?――下手な田舎芝居はやめていただきませんか。激しいリンチを受けたM君の涙に比べれば何のことはありません。同じ泣くのなら、M君の身になって泣いていただきたいと思います。
(本文中敬称略)
 

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 M君リンチ事件 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=62

【カウンター大学院生リンチ事件(別称「しばき隊リンチ事件」)検証のための覚書5】闘いはまだ終わってはいない!(3) 真実を偽造させない!鹿砦社代表 松岡利康

大学院生M君に対する凄絶なリンチがあったことは厳然とした事実です。これが、あたかもなかったかのように偽造されようとしています。M君が必死で録音したリンチの一部始終の音声データも、李信恵らによるリンチがなかった証拠のように偽造されようとしています。三百代言という言葉がありますが、古人はよく言ったものです。

◆私たちは短期間に集中的に取材し5冊の本を世に出し真実を確信した

この写真を見て、「リンチはなかった」「ただの喧嘩」と思う人はいないでしょう。「反差別」「人権」を語る者がやることではない! なんとも思わない人は人間の血が通っているのか!?(『カウンターと暴力の病理』巻頭グラビアより)

李信恵や、彼女の周囲の人たちは、私たちが精魂込めて取材し編集、製作した出版物に対して、きちんと論評したり批判するのではなく、「デマだ」「嘘だ」「ゴミだ」「クソだ」等々と、まともに批判にならないレベルの悪罵を投げつけ誹謗中傷してきました。李信恵や代理人の神原元弁護士らは、いわば“あら捜し”をするために熟読したでしょうが、李信恵の仲間や周囲の人たちは、それら5冊の本をきちんと読んだ形跡はさほど感じられません。

私たちは、全くの白紙の状態から、また李信恵らやリンチ被害者M君に対する利害関係もなく、取材、調査に取り掛かりましたが、白紙の状態から始めたのが良かったと思います。李信恵には私怨、遺恨などなく(今でもありません)、むしろ、李信恵に繋がる団体(首都圏反原発連合。略称「反原連」)やカメラマン(秋山理央)には毎月相当額の金銭的支援をしてもきましたし、さらに李信恵に繋がる元当社社員には李信恵ら関係の裁判の傍聴には申し出があれば早退を許可するなど便宜も図ってきました。このリンチ事件や李信恵らの背後関係も知らず、「差別に反対する」という大義名分に私なりに理解を示してきたつもりでした。

そうした私なりの、いわば“良心的な”振る舞いも、李信恵らによる蛮行を知ることによって打ち砕かれました。さらに取材すればするほど、調べれば調べるほど、李信恵やこの周囲の人たちの運動に強い疑問を抱かざるをえませんでした。前出の前田教授が「脱力感に襲われる」と嘆いたのは理解できます。

それでは(前項とダブるところもありますが)私たちの取材や調査、そして出版の目的や意義は何だったのでしょうか? まずは、孤立し村八分にされネットリンチに晒され続け治療費さえもらっていなかったリンチ被害者M君の救済・支援です。弁護士さえも、断られ続けていました。そして、このリンチ事件の真相究明です。事実関係や真相を知らないと善悪の判断もつかないからです。

李信恵のツイート。このツイートひとつとっても彼女の人間性が表れています

しかし、李信恵や関係者らによる隠蔽活動はかなりのもので壁は厚く感じられました。私たちがこの事件を知るまで1年余りも経ち、隠蔽の“イチジクの葉”は幾重にも重ねられていました。綿密な取材・調査によって、これを一枚、一枚剥いでいく作業に着手しました。

手前味噌ですが、私たちの取材には、手を抜かず徹底的にやることでメディア業界、出版界では一定の評価があります。中途半端な取材をやっていては、この業界では淘汰されます。大小問わず、中途半端な気持ちと取材故に淘汰された出版社を何社も知っていますし、鹿砦社は徹底した取材をやって来たからこそ、淘汰されずに50年も生き延びてこれたのです。

それでも、近年評価が高い、いわゆる「文春砲」には敵いません。以前、文春編集部とは交流がありましたが、鹿砦社以上に人も金もかけ取材は徹底しているのに感心しました。また、他の大手雑誌とも一緒に仕事をした経験もありましたが、私たちもこれらから学んでいますし、決して特異なものではありません。

李信恵側は準備書面で長々と真実(相当)性について“講釈”を垂れていますが、長年の出版人としての経験から多くの訴訟を経験し、小出版社でありながら1億円以上もの訴訟費用を費やしてきた鹿砦社にとっては“常識”の類いで、この訴訟とは直接関係のないことに紙幅を費やす意味が理解できません。

私たちは2年ほどで5冊の本を発行してきましたが、短期間に5冊も出版したテーマや企画はこれまでにほとんどありません(例外的には4冊の本を出したパチスロ大手アルゼ告発シリーズぐらいです)。しかし、李信恵側が言う「本件では、不定期の雑誌やインターネットの報道記事であるから迅速に報道する必要はない」との認識は誤っています。本件リンチ事件は「迅速に報道する必要」があるからこそ、不定期の雑誌の増刊号(第4弾本『カウンターと暴力の隠蔽』のみCDを付けたこと等で書籍扱い)やインターネットなどで連続的に報じてきたわけです。私たちが、この忌まわしいリンチ事件を知ったのは事件からすでに1年以上経っていましたし、日毎に忘却されることを考慮すると、「迅速に報道する必要」がありました。

それに加え、M君が李信恵らリンチの現場に同座した5人を提訴し、この支援の意味からも、当初は裁判のポイントとなる期日の前後に発行することを目指し取材を徹底し真相究明に努めることが急務となりました。さらに法廷という、社会から閉ざされた空間での争いにせず広く社会に訴えるためにも雑誌の増刊号として緊急出版する必要があり、また出版物の編集・製作には数カ月かかりますから、ポイントポイントでインターネットを使い報道することも必要でした。

リンチ隠蔽に蠢いた人たち。この人たちの表情や目を見よ!(『カウンターと暴力の病理』巻頭グラビアより)

◆リタイアを考えていたところでリンチ事件を知って被害者救済・支援と真相究明を決意し早速動き始めた

私は長年出版の仕事に携わり、体もガタガタになり(特に目の疾患で一時失明の恐怖を感じたこともあり高額注射を繰り返しており、こうした長い文章を書いたり読んだりするのには難儀します)、そろそろリタイアを考えていたところで、誰もが知る著名人、研究者、国会議員、「知識人」、「ジャーナリスト」らが多く関係する隠蔽活動に対し、「相手に不足はない!」と思い、いささか大袈裟に言えば、これまでの出版人生の〈総決算〉を懸けたものとしてやることを決意いたしました。

私の呼びかけに、少なからずの人たちが取材班に結集してくれました。中には、大手消費者金融「武富士」(この時の武富士側代理人の一人は吉村洋文現大阪府知事です)との裁判で勝訴したことで有名な、ジャーナリスト・寺澤有も応じてくれ、第2弾本『反差別と暴力の正体』で、寺澤の居住地の東京から遠く四国まで遠征取材し具体的かつ詳細なレポートを寄稿してくれました。取材記録には記事にしていないこともあるということです。

これまで(本件以前)の取材活動で、本人に取材することはなかなか困難でしたが、今回は何としても李信恵本人に取材するように取材班に指示し、これはできました。李信恵もみずからの「陳述書」で記している通りです。まともに答えず逃げています。

次いで李信恵を除く4人ですが、伊藤大介には寺澤が事務所を訪問し取材を試みました(『反差別と暴力の正体』153ページ)。なぜか丁寧に対応され抱き込み策を取られたようです。松本英一には、こちらも寺澤が取材を試みました。2度ほど自宅を訪問したそうですがいずれも留守でした。その後、松本みずから連絡があり、その様子は『反差別と暴力の正体』(152~153ページ)に記載されています。寺澤は李信恵にも取材を申し込みましたが拒否されたそうです。こうした経緯について寺澤は、必要であればいつでも証言すると言ってくれています。

「エル金」こと金良平と「凡」こと李普鉉には、直接暴行の加害者ですし、すぐに暴力を振るうということもいろいろな人たちから忠告されましたので、私としては責任者として取材に動いてくれる者を危険に晒すわけにもいかず苦慮し私たちもかなり用心しましたが、なんとか直接取材を試みようと決断しました。金良平には自宅アパートを訪問しましたが、もぬけの殻で、第1回弁論直前まで住所が特定できませんでした。当初訴状も届かず裁判所も苦労したようです。もう一人の李普鉉については、そうこうするうちに裁判が始まり、裁判への影響を考慮し、リンチの中心人物でもないし、あえて取材を止めたのです。強引にやれば裁判妨害などと詰られることも懸念しました。李信恵以外にも積極的に取材を試み、私たちなりに最大限の取材・調査に尽力した次第です。今後も必要があれば取材を試みるにやぶさかではありません。

また、寺澤有が、李信恵らの仲間の石野雅之の自宅を訪れ取材を試みようとしたところ警察を呼ばれましたが(同書151~152ページ)、取材スタッフにこの懸念がありましたので、以後は直接取材の対象者をさらに絞っていきました。

もう一つ付言しておきますと、リンチの舞台となった大阪北新地のワインバーにも、取材班や寺澤も訪れ経営者に話を聞いていますし、先の前田教授も電話で話を聞かれたそうですが、この善意の市民を事件に巻き込むのは憚られ、話の内容を記事にはしていません。記事にすれば、確かにM君の訴訟でも少しは有利になったかもしれませんし現在進行中の訴訟でも有利に作用するとは思います。そうすると、これまでの経緯から、例によって李信恵らの仲間、「カウンター」とか「しばき隊」といわれる連中に店や経営者が攻撃されることもありえます。そういう理由で、あえて私たちはバーの経営者が苦労してオープン(事件当時オープン直後だったとのことです)し維持されていることを慮り胸の内に留めておいています。裁判所や読者には、このことを配慮いただきたく願う次第です。

李信恵の暴言の一部。ほんの一部でも、よくこんなにも暴言を吐けるものです(『真実と暴力の隠蔽』巻頭グラビアより)

◆総ページ800ページに及ぶ5冊の本に異議があるのなら言論には言論で反論せよ!

そうして、できるだけ多くの関係者、特に著名人、積極的に動いた人らを中心に直接取材を試みました。途中から、出来上がった本も付けて「質問書」、あるいは「取材依頼書」を郵送いたしましたが、自分から回答を寄せてくれた人はほんの少数でした。これは本に掲載している通りです。

この事件について、これまで5冊の本にまとめ世に出していますが、発行部数も少なく、隠蔽活動に関与した人たちも真摯に対応せず、李信恵や仲間らによって隠蔽された“イチジクの葉”を剥いでいく作業は困難を極めました。

それでも、私たちの粘り強い取材、調査、そして出版によって理解者や協力者も少しずつ現われ、日本の反差別運動、健全な社会運動に大きな汚点となった、このリンチ事件の真実が徐々に明らかになったと考えています。

確かに「文春砲」など大手メディアに比べれば格段に劣り、私たちの力不足もあり、まだまだ取材したい人たちすべてに取材できたわけではありませんが、これまでの私の出版人生の中で、5冊の本になるほど、これだけ取材、調査した事件は他にありません。主要な資料、重要資料は、かなり本に収録できたと自負しています(その後入手し未掲載の資料は第6弾本に収録予定です)。特にリンチ被害者M君が必死に録音した音声データをCDにして付けるなど、これまでほとんどありませんでした。CDを付けたことに対しては李信恵らも驚いたことと思います。

これら5冊の本を合計するとなんと800ページほどになります。これだけやったら「一般読者の普通の注意と読み方」をすれば、事件の真実性、あるいは真実と信じるに足ると認識できるのではないでしょうか。これだけやって、真実(相当)性がないと言われれば、どうしたらいいのでしょうか? 

李信恵らも、言うに事欠いて「クソ鹿砦社」「鹿砦社はクソ」などと、とても差別に反対し人権を語る者とは思えない汚い言葉を言い放ち裁判所に不法行為を認定(上告を取り下げ確定し賠償金を支払った)されたり、「ゴミ」だ「デマ本」だと反論にもならない言葉を連呼するのではなく、このリンチ事件が反差別運動、社会運動に与えた深刻な問題を真摯に反省し、異議があれば言論には言論で反論すべきだと思いますが、いかがでしょうか? 私の言っていることは間違っていますか? (文中敬称略)

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