『紙の爆弾』3月号の冤罪報告「平野母子殺害事件」 ぜひ一読を!

尾﨑美代子

◆『紙の爆弾』3月号に冤罪「平野母子殺害事件」を寄稿

『紙の爆弾』最新号を徳島刑務所などに服役中の方に送った。今回、ここの日本の冤罪シリーズに「平野母子殺害事件」について書いた。ずっと気になっていた冤罪事件。人間関係が複雑で、被害者は、犯人とされた林さん(仮名)の再婚相手の女性の息子が、のちに結婚した女性と子供。事件当初、被害女性の夫が疑われたが、夫には不倫女性と食事などしてたアリバイがあった。そののち疑われたのが義理の父親の林さん。めっちゃよくある話だが、犯行当日、被害女性のマンション近くに行っていた。しかも同マンション踊り場の灰皿に林さんの吸う煙草の吸殻が1本あり、そこから検出された唾液のDNA型が林さんのそれと一致した。

捜査機関は林がマンションを訪ねた→林が被害女性の部屋に入った→林が被害女性と子供を殺したにもっていった。任意の取り調べで、大阪府警が林に加えた拷問がえぐい。事件当時大阪拘置所の刑務官だった林は、その前に警官も経験していた。いわば「元同僚」からうけたえぐい拷問のせいで入院までした。それでも林は否認し続けた。

一審は無期懲役、二審は「反省してない」として求刑通り死刑判決。が、最高裁は「審理が尽くされていない」として差し戻し、1、2審で無罪判決がくだされた。林を無罪にしたのは、林を犯人にしたてた1本の煙草の吸殻だった。あとは本編を読んでね。

◆井戸謙一弁護士と樋口英明元裁判官の対談本

本を送った2人には、手紙とともに井戸謙一弁護士と樋口英明元裁判官の対談本『司法が原発を止める』の中のある個所をコピーしたものを一緒に送った。対談本でお二人が冤罪に触れている個所がある。樋口さんは、裁判官時代に「私は無実だ」という人はいなかった。「酔っていた」や「殺す気はなかった」という人はいたが、「犯人ではない」と言い切る人はいなかった。「私は犯人ではない」と法廷で言っていた人が、次から次に無罪になるということは、いかに冤罪率が高いかを示していると……。

これに対して井戸弁護士はこう言った。「日本人は結構正直。公判で『自分は本当に無実だ』という人は、かなりの確率で言っていることが本当に正しいとみるべき。しかし、現実の刑事裁判では、それがほとんど通らない。だから次々と冤罪がうまれていく」と。

樋口英明元裁判官との対談本『司法が原発を止める』の共著者、井戸謙一弁護士

そういえば、亡くなった桜井昌司さんが、何十年も無罪を訴え再審、国賠を闘ったが、ある裁判長は「何十年も無罪を主張して悪質だ」と言ったそうだ。無罪だから言い続けるんだよ。それこそ何十年も。

◆5通の手紙をくれた受刑者の事件

暮れから正月にかけて5通の手紙をくれた千葉刑務所の受刑者の事件の概要もまとめなくてはならない。ある弁護士さんがどんな事件か一応みてくれることになったためだ。じつは、そのあとにもう一人の無期懲役の受刑者から手紙が届いた。「日本の冤罪」を読み、両親に頼んで「はな」の住所を調べてもらったといい、手紙にはぜひ僕の事件の判決文などを読んで欲しいと書かれていた。まずは返事をくださいと封筒、切手が入っていた。少なくとも返事は書かねばならない。こういう人は、名前で検索すればどのような事件かわかる。ただ、そこまでで、確かに判決文など読みたいが、果たしてそれ以上のことはできるかどうか?

また、次に書きたいと考えてる「恵庭OL殺人事件」についての資料集めもはじめないと。弁護人だった伊東秀子さんの本は明日届く予定。昔一度読んだが手元にないので再度注文した。そう、この事件、かなり前から気になっていた。いろんな状況証拠から、真犯人(たち)は明らかに当時彼女と被害女性が勤務していた会社の関係者だ。つまり、冤罪が作られたせいで、真犯人(たち)は野放し状態。ほかの事件でも思うが、逮捕されない真犯人はどんな心境なのだろうか?

◆2月28日大東市で冤罪のお話をします!

昨日の選挙でこちら側は惨敗したので、再審法問題はどうなるのか心配だが、原発問題、日米安保問題、パレスチナ問題、スパイ防止法、大阪でいうたら三度目の都構想もカジノも……お先は真っ暗だ。ここまで真っ暗になったら、もうため息もでない。目の前のやることを1つ1つこなしていくだけだ。

2月28日、大東市で呼ばれた「冤罪はこうして作られる」の講演会のレジュメとパワーポイントも作らねば……。パワポ、京都の部落解放同盟の方に呼ばれた時のパワポは、初めて作ったのと、レジュメとパワポをどう使いこなすか、うまく出来てなくて、猛省してます。今回は、なるべくわかりやすく、そして変な言い方だが、面白く興味深い話にしたいと考えてます。終了後に近くの「バナナハウス」で食事会(700円)もあるそうです。一人でも多くの方に参加して欲しい。

尾﨑美代子(おざき みよこ
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315304/

[ご報告]「しばき隊」暴力の権化=エルネスト金(略称・エル金)こと金(本田)良平による、「前科の公表」なる「プライバシー侵害」を理由とする民事訴訟(一審・東京地裁立川支部)の控訴審(東京高裁)判決、被告とされた鹿砦社と森奈津子さんの控訴を棄却の不当判決! 鹿砦社と森さんは、直ちに上告! 俗に「しばき隊リンチ事件」といわれる黒社会運動に対する闘いに圧倒的なご注目とご支援を!

株式会社鹿砦社代表 松岡利康

2014年12月に、大阪屈指の飲食街・北新地で起きた、俗に「しばき隊リンチ事件」といわれる「カウンター大学院生リンチ事件」から11年余りが経ちました。詳しい内容と経緯については、私たちが血の滲む想いで取材し編纂した6冊のムック本(『紙の爆弾』増刊号)をぜひご一読ください。「しばき隊」なる黒百人組組織が、11年余り経った今、野間易通はじめとする活動家が生き残り、さらに新たな活動家を増殖させ社会に悪印象を持って注目されていることで、このリンチ事件が全く反省も総括もされていないことを想起していただきたいと思います。

そのリンチ事件の主たる直接的下手人・金(本田)良平(自称エルネスト金、略称エル金)は、しばらく消息を絶ち、大阪から関東に居を移し、コロナ明けと共に復活し、のうのうとカウンター行動の現場に現われ活動している姿が見られ、またX(旧ツイッター)で暴言を発信しています。

激しい暴言は相変わらずで、キャンキャン吠えているのを私は静かに傍観していましたが、М君リンチ事件支援活動で知り合い懇意にしてきた森奈津子さんに対し粘着しているのを見て、さすがに私も、かつて彼らが起こした大学院生М君に対する凄惨なリンチ事件を想起し、危機感を持ちました。これに対しては、すでにリンチに連座した伊藤大介が暴行・傷害事件を起こしていることもあり、甘く構えていてはみたび事件は起きると確信し早急に何らかの手を打たないといけないと考えた次第です。これが、今回問題になった、金良平らが起こした事件で彼が罰金刑を受けた「略式命令」書を森さんに送り、「毒には毒をもって制す」べきで、これを公開してでも自分の身を守ったほうがいいとアドバイスしました。いくら綺麗言を言っても身は守れません。森さんがこれをXで晒すと、すぐに金良平は黙りました。効果があったということです。これで黙らなければ、私は次の策として、誰かが寄せてくれた「しばき隊」の活動家名簿(住所等明記)などバクロする策に出ることさえ考えていました。今でもその用意はあります。以前に、親しばき隊・香山リカが、私たちがリンチ事件についての質問状を送ったところ、自分はいくつか住まいをもっているのでどこに送ったか言えというので私のフェイスブックで明らかにしたら慌てて神原弁護士に泣きついて削除を要請したことがありましたが、私は冗談で言ってはいません。やる時にはやります。

森さんは、重度障碍者の夫と二人暮らしで、過去には親しばき隊の連中に自宅周辺を徘徊されたこともありました。加えて過去には、親しばき隊関係者を批判したことで、愛猫を殺された大学教授や自宅前に汚物を撒かれた作家もいました。いずれも、なぜか犯人は捕まっていません。

私は大学院生リンチ事件における被害者М君の支援、本件原告・金良平ら加害者やこの関係者らに対する追及の活動を長年行った経験から、この悲劇が再び起こる懸念を強く持ちましたし、今も持っています。実際に、上記したようにリンチの現場に連座した伊藤大介は、深夜気に食わない者を呼び出して暴行・傷害事件を起こし有罪判決を受けているではありませんか。三度目もありえます。

金良平による執拗な粘着への、やむにやまれぬ対抗措置に対し、金良平は、鹿砦社と森さんに「プライバシー侵害」なる名目で110万円の損害賠償と当該Xの削除を求めてきました。このことについては、一昨年提訴当初に本欄にて報告し断固闘う旨、明らかにしました。凶暴な金良平の跳梁を許してはならないからです。黙っていては、必ずM君リンチ事件は再発すると確信したからです。金良平(および李信恵らリンチの場にいた者ら)はなんら反省などしていません。上記伊藤大介の事件がそれを物語っています。

ちなみに、М君ですが、当時、ある国立大学の大学院博士課程に通い、将来を嘱望されていましたが、金良平らによる凄惨なリンチ事件により、いまだにPTSDに苛まれ、学究の道を断念、日々汗して働き静かに暮らしています。

ほとんど金良平に殴られた直後のリンチ被害者M君の顔写真。森さん夫妻が、こんなことになる危険を感じないほど裁判所は神経が鈍いのか!?

■対金良平訴訟の控訴審判決と上告のご報告

さて、ご報告が遅れましたが、このかんのご報告をさせていただきます。

一審の途中の昨年1月早々、1996年、日本相撲協会から東京地検特捜部に刑事告訴(不起訴で終結)されて以来、対アルゼ3億円民事訴訟など東京での鹿砦社の裁判闘争を支えていただき、本件で鹿砦社と森さんの代理人を務めていただいていた内藤隆弁護士が急逝され、急遽同じ事務所の兄弁たる清井礼司弁護士に受任いただきました。金良平の代理人・神原弁護士は自称左翼、世間でも左翼とされていますが、これは大間違いで、左翼でも何でもありません。著書の版元からも想像がつくように親日本共産党で、左翼の世界で修正主義とかスターリン主義という言葉がありますが、まさに正鵠を射ています。内藤弁護士も清井弁護士も、俗に言う新左翼系(神原弁護士言うところの「極左」)の、バリバリの革命的左派といっていい弁護士ですが、修正主義やスターリン主義とは別世界の住人です。両弁護士とも戦闘的労働運動の拠点・動労千葉弁護団の一員です。

いささか話が逸れましたが、昨年7月14日に一審判決で賠償金11万円とX削除を下し直ちに東京高裁に控訴、この判決が年末12月24日に下されました。私たちの控訴を棄却、一審判決維持でした。

ご報告が遅れたのは、特段意味がなく、年末から年初にかけて非常に慌ただしかったという単純な理由からです。いつもなら「正義は勝つ!」だのバカ騒ぎする神原弁護士や金良平が、ひたすら沈黙しているのも不思議です。どこか後ろめたいところがあるからでしょう。

■本件判決で感じたこと

現在、私たちは上告理由書の作成に勤しんでいます。詳しい内容は、これの完成→提出を待ってご報告させていただきます。

ここでは私が感じたことを申し述べさせていただきたいと思います。

清井先生も仰っていましたが、金良平が在日であることからか、裁判所の対応や判決は「過保護」な印象が拭えません。これは李信恵らとの訴訟合戦でも感じたことです。在日であることから、彼らの傍若無人に、まるでおどろおどろしく対処している感がありました。何がそんなに怖いのか!? むしろ被害者のМ君のほうが悪いかのような裁判官の態度には驚きました。私の対アルゼ訴訟終結以来久しぶりの本格的な訴訟合戦に関わることになりましたが、率直のところ、そう感じました。誤解を恐れず言えば、裁判所には、金良平や李信恵ら不良在日に対して過保護はやめて公正な審理を求めたいと思います。リンチの被害者が、望んだ学究の道を断念し、いまだに暴力のPTSDに苛まれているのに、一方では「反差別」「人権」などの美名のもとに講演で荒稼ぎ、弁護士会や行政などもそれに手を貸すなど、世の中狂っています。

また、神原弁護士は、私たちが心血注いで出版した6冊のリンチ関連書を「ミニコミ誌に近いローカル雑誌であり、読者はほとんどいないから、極めて少数」(控訴答弁書)と宣わっています。「ミニコミ誌」とは、発行数100部から、せいぜい500部程度で、せいぜい仲間内で配布するか、ほんの一部の書店に置くもので、雑誌コード(あるいは書籍コード)を付けて取次会社を通し全国の書店で販売を試みた、『紙の爆弾』の増刊号の6冊のムック本は、普通に見ても「ミニコミ誌」ではありません。言うに事欠いて失礼な物言いです。

この神原弁護士の言を真に受けて東京高裁は、「上記書籍が広く読まれていると認めるに足りる証拠はなく~」(判決文)と記載しています。

準備書面でも書き記しましたが、これら6冊の本の発行部数は、
【1】 第一弾『ヘイトと暴力の連鎖』    初版11,200部 増刷1,000部
【2】 第二弾『反差別と暴力の正体』    12,300部
【3】 第三弾『人権と暴力の深層』     11,900部
【4】 第四弾『カウンターと暴力の病理』   3,500部(CD付きにつき費用が嵩んだのと限定版にしたため、他の本よりも部数を少なくした)
【5】 第五弾『真実と暴力の隠蔽』     10,500部
【6】 第六弾『暴力・暴言型社会運動の終焉』 8,500部

と、出版不況の中にあって健闘していると自認しています。私もすっかり忘れていましたが、第一弾の『ヘイトと暴力の連鎖』は、1000部ですが増刷しています。売れていなければ増刷する必要はないわけですから。これだけの部数の「ミニコミ誌」はまずないでしょう。

リンチ被害者М君の心情に寄り添い、地を這う取材を元に編纂、出版したリンチ関連本。【第一弾】鹿砦社特別取材班編著『ヘイトと暴力の連鎖 反原連‐SEALDs-しばき隊-カウンター』/【第二弾】同『反差別と暴力の正体 暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』/【第三弾】同『人権と暴力の深層 カウンター内大学院生リンチ事件真相究明、偽善者との闘い』/【第四弾】同『カウンターと暴力の病理 反差別、人権、そして大学院生リンチ事件』/【第五弾】同『暴力・暴言型社会運動の終焉 検証 カウンター大学院生リンチ事件』/【第六弾】同『真実の暴力の隠蔽 カウンター大学院生リンチ事件の闇を解明する!』

繰り返しになりますが、裁判所は、いつまでも<死んだ教条>にこだわらず<生きた現実>を見るべきでしょう。肝心なのは、過去の判例なる<死んだ教条>にこだわり、凶暴な狂犬を過保護して、人の命や危害が及ぶことを蔑ろにする態度を改めるべきではないでしょうか。森さんが重度障碍者の夫を持ち、介護に精一杯で、ほぼ無防備状態です。

森さんは、SNSでの言では“鉄の女”のイメージがありますが、実際は、結婚直後に重度の障害を負った夫を一人で守っているやさしい女性で、裁判所は、凶暴な狂犬を過保護するのではなく、むしろ森夫妻を狂犬から守ることを優先すべきではないでしょうか。

そして、原告・金良平は、大阪から関東に居を移しましたが、住所を明らかにせず(神原弁護士の所在地を「住所」としています)、職業も単に「会社員」とするだけで具体的に詳らかにせず、昼間からSNSに興じています。以前彼が書いた住所が、行ってみたら駐車場だったことがありますが、ここでも裁判所は「過保護」で許容しています。森さんにしてみたら、これほどの恐怖はありません。大阪から関東に移動し、どこに住んでいるかわからない凶暴な男が、いつ何時襲ってくるか、日々戦々恐々です。裁判所も、森夫妻の日常の情況を顧みよ!

■現代の黒百人組=しばき隊の暴力が社会問題化する中、金良平らが起こした集団リンチ事件を想起し、本件訴訟にご理解、ご支援を!

2014年師走に起きた集団リンチ事件を、姑息な隠蔽工作に耐え、事件後1年余りして私たちの元に駆け込んできて以来、裁判所、弁護士ら法曹関係者、マスメディア、「知識人」らによる、“見ざる、言わざる、聞かざる”状態に抗して、私たちは孤立無援に近い中、リンチ事件(と、この加害者、幇助者)追及、被害者支援に関わってまいりました。こうした中、山口正紀さん(元読売新聞記者。故人)や黒薮哲哉さん(ジャーナリスト)、尾﨑美代子さん(『日本の冤罪』著者)、そして森奈津子さんらが、被害者M君と私たちの必死の主張や活動に理解を示され、ご自身の意見を明らかにされました。

特に、山口正紀さんは、当初は信じられないといった態度でしたが、私たちがまとめた本を真剣に読まれ、すぐに理解され、裁判所に意見書(『暴力・暴言型社会運動の終焉』に所収。ぜひご一読いただきたい秀逸なものです)を書いてくださったり、末期がんで差し迫った死期をおして準備書面の校閲などもしていただきました。かつて、「名誉毀損」に名を借りた出版弾圧事件でも、公判や判決ごとに、わざわざ身銭を切って来阪され、その的確なレポートを『週刊金曜日』(このころは北村肇さんが発行人としておられ、まだまともでした。今はしばき隊の広報誌のような雑誌になった感があります)に寄稿されました。

その後、北村さんは亡くなられましたが、北村さん、山口さん、それに内藤弁護士、「名誉毀損」出版弾圧事件の主任弁護人・中道武美弁護士など、鹿砦社の出版活動を理解し支えてくださった方々が相次いで亡くなられ、私たちにとって大きな痛手です。

昨今、「しばき隊」の名が表立って出てきました。金良平も、堂々とカウンター活動の現場に登場し虚勢を張っています。こういう徒輩が跳梁するのは言語道断ですし、まっとうな社会運動と誤認されたりすることは遺憾としか言いようがありません。これに手を貸すマスメディアや「知識人」らも少しは反省していただきたい。名の有る「知識人」やジャーナリストらが、私たちの問いかけや質問状などに、逃げたり無視したり沈黙したりしました。答えてくれたのはほんの一部で、それも形ばかりのものであったり、きちんと答えてくれたのはほんのわずかでした。「知識人」やジャーナリストといわれる人たちの真の姿を見たような気がしました。こういう時に真正面からぶつかるのが真の知識人でありジャーナリストではないでしょうか!?

カウンター活動の現場に顔を出し凄む金良平

いい機会ですから、金良平や李信恵らが犯した「カウンター大学院生リンチ事件」(別称しばき隊リンチ事件)を想起し、この反社会性、犯罪性を社会的に明らかにしなくてはなりません。

私たちが出版し世に問うたリンチ関連本をご一読いただければ、本件原告・金良平や、リンチに連座した李信恵ら加害者らの犯罪性、彼らに対する裁判所の過保護も理解できるでしょう。裁判所を「ファシズムの出先機関」と喝破したのはL・トロツキーだったと記憶しますが、まさに言い得て妙、本来の姿に立ち返っていただきたいものです。

とりいそぎ、対金良平訴訟控訴審のご報告にて。(文中、一部を除き敬称略)

高市早苗首相の大いなる勘違い「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」とは何か

足立昌勝(紙の爆弾2026年2月号掲載)

◆「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」とは?

2025年10月24日、衆議院本会議場で行なわれた所信表明演説で、高市早苗首相は、「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」という文言を2回繰り返した。これは、具体的に何を意味しているのであろうか。

首相が政治の師と仰ぐ安倍晋三元首相と作家・百田尚樹氏(日本保守党代表)との共著のタイトルは、『日本よ、世界の真ん中で咲き誇れ』(2020年、ワック)であった。しかし、安倍氏の言葉は一つの理念を述べたもので、具体的に何をしたいのかは含まれていない。

また、安倍氏は2013年の参議院選挙の最中、「世界一を目指そうではありませんか。世界の真ん中で輝く日本をつくろうではありませんか」と演説した。これも、彼にとってのあるべき政治の姿を理念として述べたものである。

これに対し、高市首相の「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」というフレーズは、「取り戻す」という言葉に表れているように、これから行なうべき行動が示されている。つまり「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」という言葉に、彼女がこれから何をしようとしているのか、が含まれている。その言葉の意味を探り出すことは、非常に重要である。

高市首相は2025年10月21日の就任記者会見でも同じ言葉を語っていた。それ以前にも、同年7月8日に開催された安倍氏をしのぶ会で、「日本の外交力を強くするために、できる限りの力を尽くしたい」と述べ、「安倍さんが実現した、世界の真ん中で咲き誇る日本外交をもう一度よみがえらせる」と強調した。

しかし、ここに首相の大きな勘違いがある。安倍氏は「日本外交」とは述べていない。「日本外交」において「世界の真ん中で咲き誇る」や「取り戻す」と宣言したのは、高市首相である。この言葉には、一定の意味を込めているのだろう。

同11月7日の衆議院予算委員会で、立憲民主党の岡田克也議員は質疑の冒頭で、次のように問うた。

「力強い日本外交を取り戻すということは、現状から変えるということを意味しておられると思うんですが、どういう意味でしょうか」。

岡田質問については、「女性に対してしつこすぎる」とか「誘導尋問」との指摘がネット上でなされているが、これは真逆の指摘である。首相に性は関係ない。首相という地位にいる人格に対する質問を、女性に対する質問ととらえることこそが問題だ。

高市首相の答えが以下である。

「2016年に安倍総理が、『自由で開かれたインド太平洋(FOIP)』を提唱されました。そして、その後、第一次トランプ政権でアメリカが抜けた後のTPP(環太平洋連携協定)、これをCPTPPとして日本が主導しました。さらには2018年、日EU経済連携協定、また日米合意の枠組みなどもできてきて、ちょうど2016年から18年、19年にかけて、この頃というのは、本当に世界で咲き誇る日本外交を目に見える形で私は経験できたというか、知った時代だったと思っております」。

これは岡田質問への回答になっていない。

いくつかの外交努力を挙げてはいても、その一つ一つがどのように世界の真ん中で咲き誇っているのかについての説明は皆無だ。また、取り戻すべき外交とは何なのか、どのようにして取り戻すのかについての説明もない。

自らの発した言葉が何を指しているのか、説明できなければならないのは、当然のことである。

ここから先はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n3c4ec99d0508

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『紙の爆弾』3月号に寄せて

『紙の爆弾』編集長 中川志大

本誌発売直後に投開票される第51回衆院選。今回も情勢調査で「自民優勢」が連日報じられています。マスコミの「世論調査」の“信頼性”は今月号でも取り上げましたが、より大きな問題は、「公表数字をほぼ無批判に受け入れ、それを前提として政治評論を行なうのは、世論誘導に加担している」(「MEDIA KOKUSYO」主宰・黒薮哲哉氏)ことです。

一方、高市政権への対抗勢力の一番手とされる「中道改革連合」。「中道」ということは「右でも左でもない」ということなのでしょう。しかし、すでに「右左」の時代ではなく、「上と下」が重要であることは、一月号などで広岡裕児氏が指摘してきたとおり。高市政権は極右だから支持を集めているのではなく、極右であることが支持をためらう要因とはならないからです。その点では、まだ「生活者ファースト」の方がわかりやすく、利権者=非生活者=上との対決を打ち出せると思うのですが、消費税減税政策すらあまりにしょぼいために、争点を潰されました。なお、広岡氏記事についてはブログサイトnoteの「紙の爆弾」ページも記事を公開していますので、未読の方はご参照ください。

その結果が、争点なき総選挙。「大義なき解散」というと、はたしてこれまでに大義のある解散があったのか、との疑問がわいてきますが、「高市早苗が内閣総理大臣でよいのかどうか、主権者たる国民の皆さまに決めていただく」という、議会制民主主義を否定する解散理由は、これ自体、日本の政治の仕組みそのものを問い直す必要があることを意味しています。「首相に衆議院を解散する専権があるというのは一種の俗説」(植草一秀氏ブログ)であって、日本の「七条解散」の異常性をまず、認識しなければなりません。「争点」はなくとも高市首相の「目的」は明確なのが今回の総選挙。それゆえ、情勢分析よりも統一教会問題に焦点を当てるべきだと考え、鈴木エイト氏の「TM特別報告」分析を掲載しました。

また「高市早苗が内閣総理大臣でよいのか」とは、はまるでかつてのアイドル総選挙です。見た目重視の候補者が増えているのも、日本の政治状況をそのまま示しています。「それでも選挙になった以上、闘わなければしょうがない」は、ものわかりが良すぎるというのが正直な感覚です。AKB48ならばCDを買わないことで反対の意思表示ができました。下=市民がまとまって、政治そのものに対抗する必要を感じます。

その点で、ベネズエラに学ぶべきは日本です。年明け早々の米国によるベネズエラ急襲をきっかけに、「コムーナ」をはじめとしたベネズエラ独自の民主的政治システムに注目した人は多いのではないかと思います。今月号で掲載したエルナン・バルガス元コムーナ省副大臣の解説が、理解の助けになるとともに、ラテンアメリカの今を知ることの重要性を教えてくれます。そもそも「島国」日本人の海外情勢への関心の低さが、「嫌韓」「反中」に一気に押し流されてしまう近年の傾向の根本原因です。もちろん、解説を読むだけではベネズエラの人々の助けにはなりませんが、少なくとも入口にはなりえます。

ほか今月号では、マスコミが「3月までにマイナに切り替えなければ医療を受けられない」かの政権忖度・誤認報道を垂れ流したマイナ保険証問題、米中日対立の裏に隠された本当の関係、「子どもの自殺」が過去最高となるなかで“薬漬け医療”に誘導する教科書の問題など、今月も本誌ならではの情報をお届けします。
『紙の爆弾』は全国の書店で発売中です。ぜひご一読ください。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

『紙の爆弾』2026年3月号
A5判 130頁 定価700円(税込み)
2026年2月7日発売

「TM特別報告書」が明かした統一教会の日本政界工作 鈴木エイト
植民地主義に抗う「真の民主主義国」ベネズエラ元副大臣が語る現地の実像 エルナン・バルガス
米国CIA・NEDの情報支配 アメリカによるベネズエラ侵略の真相 黒薮哲哉
「経済制裁」とCIA工作 米国による他国政権転覆二五〇年の歴史 木村三浩
「高市発言」を利用した米国戦略 米中日対立の裏の本当の関係 浜田和幸
堤未果インタビュー マイナ保険証メディア忖度報道と“防衛策”青木泰
精神病予防学会の策謀 再び偏見を教育する保健体育教科書 野田正彰
教職員の「精神疾患休職」「性犯罪・性暴力」増加の真因 永野厚男
ただの“資源”ではない中国レアアース問題が削り取る日本の未来 片岡亮
過去の「国旗法案」を振り返る 今なぜ国旗損壊罪の新設なのか 足立昌勝
異常な“制度”と異常な“後見人弁護士”「成年後見制度」という宿痾 鈴木慎哉
LGBT問題の現在② 大学と「ジェンダー」三浦俊彦
健康な人を病気にさせる「人体実験」日本で始まるヒトチャレンジ試験 早見慶子
日本の冤罪 平野母子殺人事件 尾﨑美代子
複雑怪奇政局破局小説「令和八年二・二六事件始末記」久多葉亭四迷

〈連載〉
例の現場
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け:西田健
「格差」を読む:中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座:東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER:Kダブシャイン
「絶望ニッポン」の近未来史:西本頑司
芸能界 深層解剖

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国交省発表「旧森友学園用地から新埋設ごみ5000トン」の詐術 国有地から湧き出るごみは背任の証

青木泰(紙の爆弾2026年2月号掲載)

国有地は、国民の財産である。そこにごみが埋まっていれば、撤去に費用がかかって価値が下がり、国民の財産が失われる。第二次安倍政権時の大スキャンダル「森友事件」の現場である大阪府豊中市野田町の旧森友学園用地(以下、本件用地)は、すでに学園から返却され、国交省=国の所有地となっているが、国交省はなぜか3度目の調査を行ない、2025年10月3日に「5000トンの埋設ごみが見つかり、撤去費に6億3000万円を要する」と発表した。

森友問題に係わってきた筆者の見地からすれば、本件用地の埋設ごみはほぼ除去しており、5000トンものごみがあるはずがない。そもそも国交省自ら実施した最初の調査の時点で「1000トン」と言っていた本件用地で、なぜその5倍のごみが出てくるのか。この発表が虚偽であれば、今後国有地を買い受けた者や、斡旋した政治家が得をし、国は再び大きな損失を被ることになる。担当した国交省の役人は、国に損失を与えた背任の罪を問われることになる。

この発表を受けて、マスメディアは「従来の約2万トンの推計量の4分の1に減っている」と報道した。しかしこれは、本質ではない。これらマスメディアが情報欠落しているのは、国交省がこれまで本件用地を表1のように、時期的にはⅠ~Ⅲの3度にわたり調査し、そのたびに報告書を作っていることである。

その最初の調査は2010年であり、森友学園が借地する2015年より5年前のことだった。その調査は、今回と同じくレーザ探索によるもので、約1000トンの埋設ごみがあると報告していた。つまり、もともと埋設ごみが1000トンの土地から20倍の2万トンが出て、今度は5倍の5000トンが見つかったのである。もちろん、これらはもちろん事実に基づかない数字である。

この5000トンのごみは、地中から湧き出るように出てきた。その架空の話を科学的に調査し、真実を明らかにする。それが、今回の5000トン発表への核心的視点である。国有地を、次々と埋設ごみと利権が発生する土地にさせてはならない。2017年、本件用地の売却価格を調べた木村真豊中市議の情報公開をきっかけに、森友学園の小学校名誉校長が安倍晋三首相の妻の昭恵氏であり、安倍氏に忖度して鑑定価格の10分の1で売却したとの疑念が持ち上がった。国会での追及に対し、官僚たちが値引きの理由として挙げたのが、2万トンの埋設ごみであった。

森友事件として数年にわたる大騒動になったこの犯罪行為は、国会での虚偽答弁だけでなく、都合の悪い公文書を改ざんする不正まで行ない、善良な職員を自死に追いやった。国と国交省は、いま再び赤木俊夫さんのような犠牲者を出そうとするのか。それをさせないために、本報告を届けたい。

◆「2010年調査」とそれに基づく土壌改良工事

本件用地は、もともと1960年代に大阪国際空港(伊丹)の騒音公害訴訟を提起した住民が住んでいた住宅地である。しかし最高裁は、空港の離発着の騒音が、住民の受忍の限度を超えると判断しながらも、離発着時間の制限を求める住民の請求を棄却した。その判決を受けて、国交省大阪航空局は、本件用地―大阪国際空港豊中市場外用地(野田地区)を買い上げ、住民の転居を進めた。

その結果、住宅地は歯抜け状態となっていたが、1995年の阪神・淡路大震災の発生を受けて、仮設住宅が造られ被災者を受け入れた。国交省は仮設住宅が撤去された後、同住宅地を震災避難公園として利用すると発表し、全ての住民が転居した。跡地の約半分を、豊中市が公園用地として国から約14億円で買い上げ、残った半分が本件用地である。

一方で、日本の平野部の田んぼや畑地は、河川の浸食作用によって数千年~数万年かけて土砂が堆積した堆積層を基礎にしており、戦後すぐには90%以上が農地として開墾されていた。戦後の工業化や都市化によって、農地は住宅地や商業地、工業団地に変えられていったが、その際、農地に岩石やコンクリート片、アスファルト片を投入し、土砂を加えて打ち固め、5~6年は養生を図り、安定させてきた経過がある。

そのため、地表面から3mほどの深さまでが盛り土層で、3m以深(それより深い)の層は堆積層である。本件用地もそのような構造となっていた。この盛土層は、公園として利用するのなら、埋設ごみはあまり気にならないが、建築物を建てようとすると、コンクリートや岩石などの除去が必要とされる。

国交省は、本件用地を、建築物を建てられる土地として活用を図るためであろう、2010年に埋設物を調査する本格的なレーザ調査を行なっていた。その結果が「平成21年度大阪国際空港豊中市場外用地(野田地区)地下構造物状況調査業務」報告書(表1「Ⅰ-①」)。

2010(平成22)年1月作成で、作成者は国交省大阪航空局と大和探査技術株式会社となっていた。調査した面積は、本件用地(8770㎡)を含む、豊中市に売却して残った区画整理前の土地で全9492㎡である。GL(地表面)から深度3.0m、59カ所で地中レーダ画像を解析し、地下埋設物の可能性があると判断した時には、その形状・材質・埋設量などを把握するために試掘した。

報告書には、この59カ所の埋設物の種類や量が記載され、総量を1151.2トンとしていた。

その後、国(国交省・財務省)は、2015年5月、森友学園と本件用地の賃貸借契約を結んだ。そこには、第5条(土壌汚染および地下埋設物)で契約前に国交省が調査していた4つの報告書に記載された土壌汚染と埋設物の実態を確認し、第6条で賃貸中に森友学園が、前記5条で記載されている汚染や埋設物を除去した時には、除去費用は有益費として、国が森友学園に支払うことが約束されていた。
 
国交省は、レーザ探索した2010年の報告書のほかに、本件用地のボーリング調査など合計4つの調査を行なっており、森友学園に賃借するにあたって、本件用地に「土壌の汚染や地下埋設物」があることを契約双方が確認した。

賃借した森友学園は、2015年夏、(有)中道組に委託して、5カ所の鉛やヒ素の重金属で汚染された部分の土砂、合計1000トンを運び出し、重金属を取り除いた上で元に戻し、同時に埋設物953トンを撤去する土壌改良工事を行なって、中道組に代金(ごみの撤去8700万円、除染4500万円)合計1億3200万円を支払った。

前出の契約に基づき、2016年4月に森友学園は国から「有益費」としてその代金の支払を受けた(表1「Ⅰ-②」)。この経過を見ると、本件用地の埋設ごみを、国はⅠ-①の調査で1151トンと測定し、Ⅰ-②では森友学園がその84%にあたる953トンを撤去したことを確認して、その分の費用を国家予算から支払っている。

つまり本件用地に、もうほとんど埋設ごみがないことは、国(国交省・財務省)もわかっていたはずである。

◆「埋設量2万トン」は「8億円値引き」に合わせた数字

ところが、国交省は2016年4月に、森友学園に本件用地を貸し付けから切り替えて売却した(表1のⅡ)。その売却価格は鑑定価格9億5600万円より8億円安く、約10分の1の1億3400万円であった。その時に財務省と国交省が発表したのが、埋設ごみが2万トンあるという説明だった。

当時、産廃1トンの処理費は約4万円が相場であり、2万トンで8億円。つまり、2万トンは8億円を値引きするために使った架空の数値でしかなかった。そして、今回の5000トンである(表1のⅢ)。この5000トンを処理するのに6億3000万円の撤去費がかかるという。

つまり、次の売却先には、鑑定価格9億5600万円からこの金額を差し引いた3億32600万円、鑑定価格の約3分の1で売却するというのである。

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《2月のことば》信念を貫く 不動 まっすぐ進むだけ

鹿砦社代表 松岡利康

《2月のことば》信念を貫く 不動 まっすぐ進むだけ(鹿砦社カレンダー2026より。龍一郎揮毫)

2月になりました。本年も年が明けたと思っ たら、あっというまに1カ月が過ぎてしまいました。「1月は去ぬ(いぬ)、2月は逃げる、3月は去る」といいますので、2月、3月も、過ぎるのは速いのでしょうか。

さて、どなたでもそうでしょうが、私にも毎月凛と背筋を伸ばす日があります。1月だったら〈1・17〉、3月だったら〈3・11〉です。

これらに加え私個人にとっては、2月だったら〈2・1〉であり、7月だったら〈7・12〉です。この欄を従前からお読みになっている方ならこれらの日の意味はおわかりでしょう。

ところで、この書を揮毫してくれた書家・龍一郎は、まさに不動の人であり、若き日に彼が偶然に(いや、運命的に)遭遇した「ゲルニカ事件」の精神をずっと持続しています。いや、それ以前の学生時代からの志を。

先に挙げた〈2・1〉は、私にとっての〈原点〉でもあり、過ぐる半世紀余り前の2月1日、学費値上げを断固阻止するという意志を最後まで貫徹すべき行動で示そうと多くの学友と共に闘い抜き逮捕された日でした(ここでは詳しくは省きます。関心のある方はこの欄の過去記事をご覧ください)。若かったな。

龍一郎が今でも「ゲルニカ事件」の精神を不動のものとして持続しているように、私も〈2・1〉の精神を不動のものとして持続しているかと問われれば、正直わかりませんが、時に母校を訪れ、私たちが屋上に拙い砦をこしらえ立て籠った建物を見上げると感傷的になり涙が出てくると共に、あの時の志を忘れてはいかんと自らを叱咤いたします。

不動の男・龍一郎は、昔から抱えている糖尿病、一時は生死を彷徨った大動脈解離に加え、今度は肺ガン……このかん幟を揮毫している極真会館中村道場・中村誠総帥はじめ多くの方々から激励と闘病費用カンパが寄せられています。

今後共応援よろしくお願いいたします。頑張れ、龍一郎! 闘争勝利!

《表紙》『原子力明るい未来のエネルギー』 紆余曲折を経て 今は文字盤だけが倉庫に眠る(絵=鈴木邦弘)

鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/

「押し紙」裁判の現在地 ── 司法が見逃してきた新聞業界の構造問題

黒薮哲哉

全国で行われている「押し紙」裁判の実態を報告しておきたい。筆者が把握している限りでは、2026年1月時点で2件の「押し紙」裁判が進行している。ひとつは福岡高裁を舞台に、西日本新聞を被告とする裁判、もうひとつは大阪地裁における毎日新聞を被告とする裁判である。

これら2件以外にも「押し紙」裁判が行われている可能性はあるが、少なくとも筆者の耳には入っていない。

「押し紙」をめぐる裁判は、1970年代後半に始まった、毎日新聞と神奈川県内の販売店との係争が最初とされている。ただし、この裁判は毎日新聞側が「押し紙」の未払い代金の支払いを求め、元店主を提訴したものであった。

その後、産経新聞、朝日新聞、読売新聞、日経新聞、西日本新聞、岐阜新聞、京都新聞、山陽新聞、佐賀新聞などが法廷に立たされてきた。このうち、山陽新聞と佐賀新聞の裁判では「押し紙」の存在が認定されている。もっとも、山陽新聞のケースでは、発行本社側が「押し紙」の存在を認めたことが、販売店勝訴の決め手となった。

中央紙に対して販売店が全面勝訴した例は存在しない。しかし、産経新聞や毎日新聞のケースでは、複数件で和解が成立している。また、読売新聞のある裁判では、販売店は敗訴したものの、判決文の中で読売新聞による独占禁止法違反が認定された。

このように見ていくと、「押し紙」裁判では新聞販売店側にほとんど勝ち目がないかのような印象を受ける。しかし、裁判を通じて明らかになった重要な事実がある。それは、販売店に大量の新聞が恒常的に余っているという現実である。それが「押し売り」の結果であるとの司法判断は得られていなくとも、過剰な残紙の存在自体は否定しようがない。

さらに、その残紙によって新聞社が莫大な利益を得てきた事実も浮かび上がっている。中央紙の場合、搬入される新聞の2割から5割が残紙になっていることが、複数の裁判記録から明らかになっている。

◆中央紙が得ている収入規模

「押し紙」による新聞社の不正な販売収入は、一般に想像されている以上に巨額である。2025年8月時点で、中央紙(朝日・毎日・読売・産経・日経)の発行部数は約1180万部とされている。

仮に「押し紙」の割合を20%とすると、約236万部が実配部数を超える新聞となる。新聞1部あたりの卸価格を月額1500円(朝刊単独版と仮定)とすれば、1か月あたりの「押し紙」販売収入は約35億4000万円、年間では約424億8000万円に達する。

もし「押し紙」率が40%に及べば、年間収入は約850億円規模となる。販売店に対して各種補助金が支出されているとはいえ、新聞社が莫大な「純利益」を得ている構図に変わりはない。

しかも、この試算は控えめな前提に基づいている。朝・夕刊セット版の場合、卸価格は2000円前後となり、収入規模はさらに膨らむ。以上の点から、筆者の試算が誇張であるとは言えないだろう。

このような不正収入の存在は、自由なジャーナリズムの足かせとなる。なぜなら、「押し紙」制度を黙認してきた政府、裁判所、公正取引委員会を、新聞が厳しく批判することが困難になるからである。

この構図は、戦前・戦中に政府が新聞用紙の配給権を握ることでメディアを統制した構造と本質的に同じである。筆者が「押し紙」問題を新聞ジャーナリズムの根源的問題だと指摘してきた理由は、まさにここにある。

◆裁判所の判断は何を誤っているのか

裁判所の役割は、法律に照らして特定の行為が違法か否かを判断することである。「押し紙」行為も例外ではない。

独占禁止法に基づく新聞特殊指定では、「押し紙」は明確に禁止されている。あまり知られていないが、同指定における「押し紙」とは、単に「押し売り」された新聞だけを意味しない。その定義はきわめて明確で、「新聞の実配部数に2%の予備紙を加えた部数を超えて搬入された新聞」を指す。

したがって、「押し売り」を示す直接的な証拠がなくとも、過剰な残紙が存在すれば、それは「押し紙」に該当するはずである。

ところが、実際の裁判では判断基準が歪められ、「押し売り」の明確な証拠があるかどうかに論点がすり替えられている。

たとえ販売店側が「押し売り」を示す証拠を提出しても、裁判所はさまざまな理屈を用いて販売店を敗訴に導く。たとえば、京都新聞の「押し紙」裁判では、販売店主が発行本社宛てに送付した10数通の内容証明郵便が証拠として提出された。しかし裁判所は、内容証明送付後に両者が話し合いを行ったことを理由に、「押し売りには該当しない」とする不可解な判断を示した。

筆者は、「押し紙」裁判の判決には、公権力が何らかの形で介入し、司法判断に影響を及ぼしているのではないかという疑念を抱いている。もしそれが事実であれば、決して許されることではない。

新聞社そのものが、日本の権力構造の中に組み込まれている可能性が高い。当然、世論調査の数字などは絶対に信じてはいけない。

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年1月7日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

「JBC」トップに高まる退陣要求 ボクシング連続死亡事故の報道されない闇

片岡亮(紙の爆弾2026年1月号掲載)

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ボクシングが危険なスポーツであることは誰もが知っている。ただし、選手が命を落とす原因は試合中のダメージだけとは限らない。

2025年8月2日、東京・後楽園ホールの大会で、セミファイナルとメインの出場者である浦川大将(帝拳)と神足茂利(MT)が試合後に急性硬膜下血腫で倒れ、8日と9日に亡くなった。試合そのものよりも、その後の対応が死を招いた可能性が指摘され、安全管理を担うコミッションに「退陣要求」まで噴き上がっている。マスコミが黙殺した舞台裏を明かす。

◆死亡事故へのJBCの対応

浦川は日本ライト級挑戦者決定戦(8回戦)で逆転KO負けし、リング上で意識を失ったまま救急搬送。神足は東洋太平洋スーパーフェザー級戦(12回戦)で判定負け後、控え室で体調が急変し、別の病院へ搬送された。2人の急死後、日本ボクシングコミッション(JBC)は緊急会見を行ない、安河内剛事務局長は「原因を究明して、可能な手をすべて打ちたい」と語った。

しかし発表されたのは、東洋太平洋タイトルマッチを12回から10回に短縮するという不可解な措置だった。重大事故の発生事例が、長いラウンドの試合に偏っているという医学的・統計的根拠はない。むしろ海外の研究では急激な減量やスパーリングの蓄積ダメージなど、試合前の段階でリスクが高まる指摘がある。

そもそも浦川の試合は8回戦だった。また世界戦(12回戦)は対象外で、イギリスでは国内戦も12回戦のまま行なわれている。その後JBCは「緊急事故防止委員会」を設置し、「当日体重10%超増加で強制転級」「尿比重検査」などの案を並べるも、多くはすぐの実施が難しいか、事故と直接の関係が薄いものだ。

大手ジム関係者は言う。

「とりあえず目に見える変更で、私たちは動いていますというアピールをしているだけ。原因究明をしていない」

事故が起きれば、まず原因を徹底的に調査・検証するものだ。医療現場や交通事故まで、あらゆる分野の基本中の基本である。JBCの対応は、この当たり前のプロセスを無視していた。ラウンド数短縮に本当に効果があるというなら、過去の事例を分析し、「事故の〇〇%が10回以降に起きている」といったデータを提示すべきだが、それもない。JBCが本気で責任を果たす気があるなら、まず外部の専門家を含む独立した検証委員会を設置し、調査結果を公表すべきだ。

「それをしないのは、自分たちの落ち度が露になるからでしょう」と話すのは元JBC職員のB氏で、こう続ける。

「今のコミッションの仕事は呆れるほど低水準です。なにしろ穴口一輝さんが亡くなったときの検証だってろくにしていないのですから」

◆前年にも起きた死亡事故

穴口はアマ高校王者からプロ転向、日本バンタム級3位の有望選手だったが、7戦目で挑んだ日本タイトルマッチで4度のダウンを奪われる判定負け。試合後に足が痙攣する異常が見られても、担架すら準備されずに自力で退場。その後控室で倒れ、右硬膜下血腫と診断。長い昏睡状態を経て、2024年2月、23歳で亡くなった。 

しかし、JBCの下で検証委員会こそ置かれたものの名ばかりのチームにすぎず、調査報告すら「誰も見たことがない」とB氏。

当時の取材において、水面下で聞こえてきたのが「搬送先病院」への疑問視だった。

「搬送先のA病院は、緊急の脳外科手術を依頼するにあたり、決して優先度が高いとはいえない病院でした。開頭手術は経験を積んだ医師が担当するのが基本なのに、手術実績が突出して高いとはいえません。もちろんA病院が悪いわけではありませんが、JBCの対応は不可解で、自らの責任が問われるのを恐れて踏み込んだ検証をしなかったのでは」(B氏)

この疑問が挙がった背景には、試合の半年ほど前に、安河内事務局長が職員に「今後の事故搬送はすべてA病院」と指示していたことがある。

「たしかにA病院はコロナ禍の厳しい状況でもボクサーのPCR検査をしてくれるなど協力的だったので、連携相手としてはわかります。しかし、緊急の手術先に指定するのは適切と思えず、他の脳外科医やリングドクターからも同じ声が挙がっていました」(B氏)

筆者が取材した複数の脳外科医からも「なぜA病院?」という反応が返ってきた。こうした専門家の声こそ、検証委員会が調査すべきではないか。しかし問題は放置され、1日で2件の死亡事故が発生した8月の大会でも、浦川はJBCの指示どおりA病院に運ばれていたのである。

それが、さらに別の問題も生んでいた。現場にいた興行スタッフの証言だ。

「試合時には医務室に2人の医師が待機しています。最初の事故でひとりの医師が浦川選手に同行し、所属のA病院へ向かったことで、2件目への対応体制が弱くなってしまったのです」

試合中の事故では、会場から近距離で緊急手術が可能な提携病院を確保することが重要となる。しかし穴口のケースでは、会場の有明アリーナからA病院まで一般道で35~40分と決して近くはなかった。8月の後楽園ホールはさらに遠く20キロ以上、45~55分を要する。これは、JBCの搬送方針に課題があったことを示唆している。少なくとも、穴口の事故後に十分な検証が行なわれていれば、搬送先に別の選択肢もあり得た。

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米中日の新局面 高市政権とアメリカ新国家安全保障戦略

東郷和彦/文責・本誌編集部(紙の爆弾2026年2月号掲載)

その成立から不安定な経緯を辿りつつも、2025年10月に始まった高市早苗政権で、さっそく勃発したのが「台湾発言問題」だった。

11月7日の衆院予算委員会で高市首相は、いわゆる「台湾有事」が、日本の自衛隊が参戦する「存立危機事態」に該当しうると答弁。台湾問題は、日中外交において最もセンシティブな位置を占めるテーマである。中国政府は「核心的利益中の核心」、つまり、どんな代償を払っても譲れないと表現している。日中両国政府が合意してきた「1つの中国」の原則に反する内政干渉として発言の撤回を要求した。

もちろん、台湾に関する日本と中国の立場は必ずしも同じではない。しかし、両国の歴史的経緯において、日本の歴代首相は日中関係に害を及ぼさないように、慎重に対応してきた。ところが高市首相はその慣例を破り、「核心的利益中の核心」に正面から触れて個人的意見を述べたのだ。

では、高市首相はこの炎上を予期して、あえて発言したのか。予期していたら言わなかったはずである。周囲から注意を受け、自身も言いすぎたと感じたのだろう。三日後の国会で「今後の反省点として、特定のケースを明言することは慎む」と弁明した。

しかし、高市首相が発言した事実は残っている。発言を撤回しない限り、中国は経済面・交流面をはじめ敵対的な対応を続け、日中関係の悪化が底を打つ見通しはまったく立っていない。

◆靖国と台湾

高市首相が首相に就任したのは10月21日。その直後から、列国首脳との重要な会談が立て続けに行なわれた。

25日から開催のマレーシアでのASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議、およびオーストラリア・マレーシア・フィリピン首脳との会談をはじめとして、28日には東京で米トランプ大統領と会談し、30日からは韓国でAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議およびカナダ・韓国・中国との首脳会談が続き、外交ウイークを走り抜けた。

首相就任前から決まっていたスケジュールであるものの、これを奇貨とし、各国首脳に好意的な印象を残せるかが問われた。そして、総じて良い結果を残したとの評価が大勢を占めた。

最も象徴的だったのは28日、トランプ大統領との会談で、日本の防衛力の抜本的強化と、地域の安定への積極的貢献を宣言した後に、在日米軍横須賀基地で米原子力空母ジョージ・ワシントンに乗艦し、トランプ氏の隣で、満面の笑顔で腕を高く上げて兵士たちにエールを送ったことだった。このジェスチャーに、良くも悪くも驚きを禁じえなかった国民は多くいたはずだ。

30日、高市首相と韓国・李在明大統領との会談も、ともに就任したばかりの首脳同士の新鮮さをアピールした。

こうして高市外交デビューはスマートに始まったかに見えた。しかし、翌31日の習近平国家主席との首脳会談は、異なった結果に終わった。

そもそも、この会談は実現自体が最後の瞬間まではっきりしなかった。中国側が高市首相を、保守色がきわめて強く、日中関係において危険な政治家と評価していた可能性があるからだ。

理由の第一は、高市首相が靖国神社の定期的な参拝者であったことだ。閣僚としても「祖国のために命を捧げた人に参拝しない理由はない」と言って参拝を続けた。

もう一つは、親台湾派を標榜し、幾度も台湾を訪問していたことである。靖国参拝と親台湾。言うまでもなく、この二つの政治姿勢は中国にとって非常に危険に映る。靖国参拝は「合祀されたA級戦犯の正当化」と解釈されるし、親台湾は「一つの中国」という最もデリケートな問題について、国交回復以降の日本政府の認識を揺るがすおそれがあるからだ。

習主席としては、高市首相とあえて今、会談をする理由はなかったかもしれない。それゆえ実現は難しいと見る識者もいた。

しかし、背景にどのような交渉があったかは承知しないが、会談は行なわれ、就任時に祝電を送らなかった習主席が首相就任への祝意を表明。「画竜点睛を欠く」になりかねなかった高市外交は、日中会談を実現したことで面目を保った、かに思えた。

問題が表面化したのは、会談を終えた直後である。高市首相が同行した日本の報道陣に対し、自らブリーフィングを行なった。普通は同行の官房副長官が仕切るものである。そこで高市首相は会談内容を総括し、日中が「戦略的互恵関係を包括的に推進」「建設的かつ安定的な関係を構築」する方向性を確認したと語った。

続いて、高市首相が習主席に対し提起した〝一連の問題〞を列挙した。日本でその様子を中継するテレビ番組に出演していた柯隆・静岡県立大学特任教授(東京財団政策研究所主席研究員)はこれらの問題の中に、「人権問題」「少数民族問題」が入っていることを聞き、一瞬顔色を変え「最初の会談でとり上げるには中国内政上あまりにもセンシティブな話題だ」と述べた。11月7日の日本の国会での台湾有事発言は、これらに続くものだった。習主席にすれば、新任首相と面会すると、いきなり刀を抜かれたわけで、斬り返さなければ、それ自体が中国国内において大問題になり得る。

しかし中国側は、とりあえずは、高市総理の記者会見発言を問題視する対応をせずに、翌日の朝には日本側に望むこととして「村山談話の尊重」と「日中間の4つの基本文書が定めたルールの遵守」を挙げた。これは、高市首相の政治姿勢をふまえ、過去の日中外交の道のりを踏み外さないことを念じ、日本に注意を促すものだった。

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千葉刑務所に服役中の男性から届いた手紙

尾﨑美代子

◆『日本の冤罪』を出版して以降

千葉刑務所に服役中の男性から届いた手紙、昨年12月頭からはじまり、先日で5通目となった。殺人、遺体損壊、遺棄の容疑で懲役30年。複数の共犯者がいるが、彼が首謀者とされた。もとは青木恵子さん(東住吉事件冤罪犠牲者)に手紙がきて、そのうち事件の全貌を詳しく書いたノートが送られてきた。その青木さんから「事件の詳しいことはわからないから。読んで」と頼まれた。

『日本の冤罪』を出版して以降5、6名の方から「私の事件も冤罪です」と連絡がきている。出版元の鹿砦社のほうに郵便物がきたり、「集い処はな」で外の人に調べてもらったのか、直接店に届く郵便物もある。必死に冤罪を訴える方に共通しているのは、「なんでも聞いてください。なんでも答えます」という姿勢だ。

この本を出す前からも「服役中の方に会ってほしい」と依頼されたことがあった。例えば東京のジャーナリストの方から「大阪の都島に服役中なので、尾崎さん会ってきて」とか。何回か接見して話をきくが、あるときから「その件はしゃべりたくない」というような人もいた。仕方ないが、そこで面会は止まってしまう。桜井さんも常々言っていたが、恥ずかしいことでも例えば不利になることでも、なんでも素直に話さなくてはならない。 

◆「ワル」だからといって、事件に関与しているとは限らない

男性にはノートを読んでから、多くの質問を送っていた。彼は5通の手紙(便箋7×5通)で、私の質問に必死で答えようとしている。「この説明でわかりますかね」「この件の詳しいことは次の手紙で書かせてもらいます」と丁寧に書いてくる。

正直、この事件は「福井女子中学生殺害事件」と似ていて、登場人物が非常に多く、また関係も複雑に絡み合っていてわかりにくい。実際、彼は仲間と詐欺行為をやっていた、いわば「ワル」だった。しかし、詐欺をやるような「ワル」だからといって、容疑をかけられ実刑判決を食らった事件に関与しているとは限らない。多くの冤罪犠牲者が「部落出身だから」「ボクサー崩れだから」「地元のワルだったから」との理由で、冤罪犠牲者にさせられ、無罪を勝ち取るまでに長期間不当に拘束されたり、「殺人者」の汚名をきせられてきたではないか。

詳細は言えないが、この男性には地方で殺人が行われた日に、東京都内にいたというアリバイがある。それも家族ではない第三者とある意味「商談」のような話をしている。だから関係種類などもあるだろう。男性はその相手を証人申請してが、認められなかった。それと彼が主導し、仲間と共謀し、殺人事件をおこし、その遺体をバーベキューコンロでバーベキュー用の炭で焼き、バーベキュー用のトングで突っつき、粉々にして廃棄したという判決文がある(何故バーベキューコンロ?と思ってたが、5通目で理由がわかった。その別荘へ家族、仲間と行ったのは事実。昼間バーベキューをやった。その事実から、そのバーベキューコンロで家族が寝静まった深夜、遺体の骨を焼いた、となったようだ)。

が、そんなことできるのか、不可能だろうと私は考え、それを手紙で伝えた。ちょうど「埼玉愛犬家殺害事件」に関係する書籍や関係書類を読んでいたときだからだ。それに対して彼は「逮捕後、初めて僕の主張を信用してくれる人と会えた」と青木さんのほうへ手紙してきたという。長い間、誰にも信用されず、孤独に冤罪を訴え続けた犠牲者は多数おり、その多くが声を上げられずにいる。青木さんは数年前、徳島のある支援者に頼まれ、青木さんと同じ放火殺人で服役中の平野義幸さんと面会してきた。そのときのことを思い出し、「平野さんのことがあるから、尾崎さんが初めて自分の主張を信用してくれたと男性が書いてきた手紙に涙が流れた」とラインがきた。

男性の5通の手紙を何度も読み返し、また判決文を読み返し、男性がいうように「またわからないこと、不明な点なんでも聞いてください」にこたえるようにしようと思っている。

◆警察、検察は必死で「冤罪」を作ってくる

冤罪事件で無罪判決がでた場合、「人間誰にでも間違いはあるよね。(冤罪を作った)警察、検察、裁判官も人間だもの……」という人もいる。しかし、私はとりわけ殺人などの大事件の場合、警察、検察は必死で「冤罪」を作ってくると確信している。

必死のパッチで最初に犯人と仕立てた被告を犯人にしたてる。それしか頭にない……というような話を、2月28日(土)10時~大東市立野崎人権文化センター(JR野崎駅下車)でお話させていただきます。参加費は無料、終了後近くの「バナナハウス」で昼食会(700円)もあるようです。奮ってご参加を!

尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315304/