「JBC」トップに高まる退陣要求 ボクシング連続死亡事故の報道されない闇

片岡亮(紙の爆弾2026年1月号掲載)

月刊「紙の爆弾」1月号から一部記事を公開。独自視点のレポートや人気連載の詰まった「紙の爆弾」は全国書店で発売中です(毎月7日発売。定価700円)。書店でもぜひチェックしてください。最新号の記事タイトル一覧はホームページをご覧ください。

ボクシングが危険なスポーツであることは誰もが知っている。ただし、選手が命を落とす原因は試合中のダメージだけとは限らない。

2025年8月2日、東京・後楽園ホールの大会で、セミファイナルとメインの出場者である浦川大将(帝拳)と神足茂利(MT)が試合後に急性硬膜下血腫で倒れ、8日と9日に亡くなった。試合そのものよりも、その後の対応が死を招いた可能性が指摘され、安全管理を担うコミッションに「退陣要求」まで噴き上がっている。マスコミが黙殺した舞台裏を明かす。

◆死亡事故へのJBCの対応

浦川は日本ライト級挑戦者決定戦(8回戦)で逆転KO負けし、リング上で意識を失ったまま救急搬送。神足は東洋太平洋スーパーフェザー級戦(12回戦)で判定負け後、控え室で体調が急変し、別の病院へ搬送された。2人の急死後、日本ボクシングコミッション(JBC)は緊急会見を行ない、安河内剛事務局長は「原因を究明して、可能な手をすべて打ちたい」と語った。

しかし発表されたのは、東洋太平洋タイトルマッチを12回から10回に短縮するという不可解な措置だった。重大事故の発生事例が、長いラウンドの試合に偏っているという医学的・統計的根拠はない。むしろ海外の研究では急激な減量やスパーリングの蓄積ダメージなど、試合前の段階でリスクが高まる指摘がある。

そもそも浦川の試合は8回戦だった。また世界戦(12回戦)は対象外で、イギリスでは国内戦も12回戦のまま行なわれている。その後JBCは「緊急事故防止委員会」を設置し、「当日体重10%超増加で強制転級」「尿比重検査」などの案を並べるも、多くはすぐの実施が難しいか、事故と直接の関係が薄いものだ。

大手ジム関係者は言う。

「とりあえず目に見える変更で、私たちは動いていますというアピールをしているだけ。原因究明をしていない」

事故が起きれば、まず原因を徹底的に調査・検証するものだ。医療現場や交通事故まで、あらゆる分野の基本中の基本である。JBCの対応は、この当たり前のプロセスを無視していた。ラウンド数短縮に本当に効果があるというなら、過去の事例を分析し、「事故の〇〇%が10回以降に起きている」といったデータを提示すべきだが、それもない。JBCが本気で責任を果たす気があるなら、まず外部の専門家を含む独立した検証委員会を設置し、調査結果を公表すべきだ。

「それをしないのは、自分たちの落ち度が露になるからでしょう」と話すのは元JBC職員のB氏で、こう続ける。

「今のコミッションの仕事は呆れるほど低水準です。なにしろ穴口一輝さんが亡くなったときの検証だってろくにしていないのですから」

◆前年にも起きた死亡事故

穴口はアマ高校王者からプロ転向、日本バンタム級3位の有望選手だったが、7戦目で挑んだ日本タイトルマッチで4度のダウンを奪われる判定負け。試合後に足が痙攣する異常が見られても、担架すら準備されずに自力で退場。その後控室で倒れ、右硬膜下血腫と診断。長い昏睡状態を経て、2024年2月、23歳で亡くなった。 

しかし、JBCの下で検証委員会こそ置かれたものの名ばかりのチームにすぎず、調査報告すら「誰も見たことがない」とB氏。

当時の取材において、水面下で聞こえてきたのが「搬送先病院」への疑問視だった。

「搬送先のA病院は、緊急の脳外科手術を依頼するにあたり、決して優先度が高いとはいえない病院でした。開頭手術は経験を積んだ医師が担当するのが基本なのに、手術実績が突出して高いとはいえません。もちろんA病院が悪いわけではありませんが、JBCの対応は不可解で、自らの責任が問われるのを恐れて踏み込んだ検証をしなかったのでは」(B氏)

この疑問が挙がった背景には、試合の半年ほど前に、安河内事務局長が職員に「今後の事故搬送はすべてA病院」と指示していたことがある。

「たしかにA病院はコロナ禍の厳しい状況でもボクサーのPCR検査をしてくれるなど協力的だったので、連携相手としてはわかります。しかし、緊急の手術先に指定するのは適切と思えず、他の脳外科医やリングドクターからも同じ声が挙がっていました」(B氏)

筆者が取材した複数の脳外科医からも「なぜA病院?」という反応が返ってきた。こうした専門家の声こそ、検証委員会が調査すべきではないか。しかし問題は放置され、1日で2件の死亡事故が発生した8月の大会でも、浦川はJBCの指示どおりA病院に運ばれていたのである。

それが、さらに別の問題も生んでいた。現場にいた興行スタッフの証言だ。

「試合時には医務室に2人の医師が待機しています。最初の事故でひとりの医師が浦川選手に同行し、所属のA病院へ向かったことで、2件目への対応体制が弱くなってしまったのです」

試合中の事故では、会場から近距離で緊急手術が可能な提携病院を確保することが重要となる。しかし穴口のケースでは、会場の有明アリーナからA病院まで一般道で35~40分と決して近くはなかった。8月の後楽園ホールはさらに遠く20キロ以上、45~55分を要する。これは、JBCの搬送方針に課題があったことを示唆している。少なくとも、穴口の事故後に十分な検証が行なわれていれば、搬送先に別の選択肢もあり得た。

ここから先は https://note.com/famous_ruff900/n/n5d9e530ea4c9

米中日の新局面 高市政権とアメリカ新国家安全保障戦略

東郷和彦/文責・本誌編集部(紙の爆弾2026年2月号掲載)

その成立から不安定な経緯を辿りつつも、2025年10月に始まった高市早苗政権で、さっそく勃発したのが「台湾発言問題」だった。

11月7日の衆院予算委員会で高市首相は、いわゆる「台湾有事」が、日本の自衛隊が参戦する「存立危機事態」に該当しうると答弁。台湾問題は、日中外交において最もセンシティブな位置を占めるテーマである。中国政府は「核心的利益中の核心」、つまり、どんな代償を払っても譲れないと表現している。日中両国政府が合意してきた「1つの中国」の原則に反する内政干渉として発言の撤回を要求した。

もちろん、台湾に関する日本と中国の立場は必ずしも同じではない。しかし、両国の歴史的経緯において、日本の歴代首相は日中関係に害を及ぼさないように、慎重に対応してきた。ところが高市首相はその慣例を破り、「核心的利益中の核心」に正面から触れて個人的意見を述べたのだ。

では、高市首相はこの炎上を予期して、あえて発言したのか。予期していたら言わなかったはずである。周囲から注意を受け、自身も言いすぎたと感じたのだろう。三日後の国会で「今後の反省点として、特定のケースを明言することは慎む」と弁明した。

しかし、高市首相が発言した事実は残っている。発言を撤回しない限り、中国は経済面・交流面をはじめ敵対的な対応を続け、日中関係の悪化が底を打つ見通しはまったく立っていない。

◆靖国と台湾

高市首相が首相に就任したのは10月21日。その直後から、列国首脳との重要な会談が立て続けに行なわれた。

25日から開催のマレーシアでのASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議、およびオーストラリア・マレーシア・フィリピン首脳との会談をはじめとして、28日には東京で米トランプ大統領と会談し、30日からは韓国でAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議およびカナダ・韓国・中国との首脳会談が続き、外交ウイークを走り抜けた。

首相就任前から決まっていたスケジュールであるものの、これを奇貨とし、各国首脳に好意的な印象を残せるかが問われた。そして、総じて良い結果を残したとの評価が大勢を占めた。

最も象徴的だったのは28日、トランプ大統領との会談で、日本の防衛力の抜本的強化と、地域の安定への積極的貢献を宣言した後に、在日米軍横須賀基地で米原子力空母ジョージ・ワシントンに乗艦し、トランプ氏の隣で、満面の笑顔で腕を高く上げて兵士たちにエールを送ったことだった。このジェスチャーに、良くも悪くも驚きを禁じえなかった国民は多くいたはずだ。

30日、高市首相と韓国・李在明大統領との会談も、ともに就任したばかりの首脳同士の新鮮さをアピールした。

こうして高市外交デビューはスマートに始まったかに見えた。しかし、翌31日の習近平国家主席との首脳会談は、異なった結果に終わった。

そもそも、この会談は実現自体が最後の瞬間まではっきりしなかった。中国側が高市首相を、保守色がきわめて強く、日中関係において危険な政治家と評価していた可能性があるからだ。

理由の第一は、高市首相が靖国神社の定期的な参拝者であったことだ。閣僚としても「祖国のために命を捧げた人に参拝しない理由はない」と言って参拝を続けた。

もう一つは、親台湾派を標榜し、幾度も台湾を訪問していたことである。靖国参拝と親台湾。言うまでもなく、この二つの政治姿勢は中国にとって非常に危険に映る。靖国参拝は「合祀されたA級戦犯の正当化」と解釈されるし、親台湾は「一つの中国」という最もデリケートな問題について、国交回復以降の日本政府の認識を揺るがすおそれがあるからだ。

習主席としては、高市首相とあえて今、会談をする理由はなかったかもしれない。それゆえ実現は難しいと見る識者もいた。

しかし、背景にどのような交渉があったかは承知しないが、会談は行なわれ、就任時に祝電を送らなかった習主席が首相就任への祝意を表明。「画竜点睛を欠く」になりかねなかった高市外交は、日中会談を実現したことで面目を保った、かに思えた。

問題が表面化したのは、会談を終えた直後である。高市首相が同行した日本の報道陣に対し、自らブリーフィングを行なった。普通は同行の官房副長官が仕切るものである。そこで高市首相は会談内容を総括し、日中が「戦略的互恵関係を包括的に推進」「建設的かつ安定的な関係を構築」する方向性を確認したと語った。

続いて、高市首相が習主席に対し提起した〝一連の問題〞を列挙した。日本でその様子を中継するテレビ番組に出演していた柯隆・静岡県立大学特任教授(東京財団政策研究所主席研究員)はこれらの問題の中に、「人権問題」「少数民族問題」が入っていることを聞き、一瞬顔色を変え「最初の会談でとり上げるには中国内政上あまりにもセンシティブな話題だ」と述べた。11月7日の日本の国会での台湾有事発言は、これらに続くものだった。習主席にすれば、新任首相と面会すると、いきなり刀を抜かれたわけで、斬り返さなければ、それ自体が中国国内において大問題になり得る。

しかし中国側は、とりあえずは、高市総理の記者会見発言を問題視する対応をせずに、翌日の朝には日本側に望むこととして「村山談話の尊重」と「日中間の4つの基本文書が定めたルールの遵守」を挙げた。これは、高市首相の政治姿勢をふまえ、過去の日中外交の道のりを踏み外さないことを念じ、日本に注意を促すものだった。

ここから先はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n47d4df67a3d5

月刊「紙の爆弾」1月号から一部記事を公開。独自視点のレポートや人気連載の詰まった「紙の爆弾」は全国書店で発売中です(毎月7日発売。定価700円)。書店でもぜひチェックしてください。最新号の記事タイトル一覧はホームページをご覧ください。

https://kaminobakudan.com/

千葉刑務所に服役中の男性から届いた手紙

尾﨑美代子

◆『日本の冤罪』を出版して以降

千葉刑務所に服役中の男性から届いた手紙、昨年12月頭からはじまり、先日で5通目となった。殺人、遺体損壊、遺棄の容疑で懲役30年。複数の共犯者がいるが、彼が首謀者とされた。もとは青木恵子さん(東住吉事件冤罪犠牲者)に手紙がきて、そのうち事件の全貌を詳しく書いたノートが送られてきた。その青木さんから「事件の詳しいことはわからないから。読んで」と頼まれた。

『日本の冤罪』を出版して以降5、6名の方から「私の事件も冤罪です」と連絡がきている。出版元の鹿砦社のほうに郵便物がきたり、「集い処はな」で外の人に調べてもらったのか、直接店に届く郵便物もある。必死に冤罪を訴える方に共通しているのは、「なんでも聞いてください。なんでも答えます」という姿勢だ。

この本を出す前からも「服役中の方に会ってほしい」と依頼されたことがあった。例えば東京のジャーナリストの方から「大阪の都島に服役中なので、尾崎さん会ってきて」とか。何回か接見して話をきくが、あるときから「その件はしゃべりたくない」というような人もいた。仕方ないが、そこで面会は止まってしまう。桜井さんも常々言っていたが、恥ずかしいことでも例えば不利になることでも、なんでも素直に話さなくてはならない。 

◆「ワル」だからといって、事件に関与しているとは限らない

男性にはノートを読んでから、多くの質問を送っていた。彼は5通の手紙(便箋7×5通)で、私の質問に必死で答えようとしている。「この説明でわかりますかね」「この件の詳しいことは次の手紙で書かせてもらいます」と丁寧に書いてくる。

正直、この事件は「福井女子中学生殺害事件」と似ていて、登場人物が非常に多く、また関係も複雑に絡み合っていてわかりにくい。実際、彼は仲間と詐欺行為をやっていた、いわば「ワル」だった。しかし、詐欺をやるような「ワル」だからといって、容疑をかけられ実刑判決を食らった事件に関与しているとは限らない。多くの冤罪犠牲者が「部落出身だから」「ボクサー崩れだから」「地元のワルだったから」との理由で、冤罪犠牲者にさせられ、無罪を勝ち取るまでに長期間不当に拘束されたり、「殺人者」の汚名をきせられてきたではないか。

詳細は言えないが、この男性には地方で殺人が行われた日に、東京都内にいたというアリバイがある。それも家族ではない第三者とある意味「商談」のような話をしている。だから関係種類などもあるだろう。男性はその相手を証人申請してが、認められなかった。それと彼が主導し、仲間と共謀し、殺人事件をおこし、その遺体をバーベキューコンロでバーベキュー用の炭で焼き、バーベキュー用のトングで突っつき、粉々にして廃棄したという判決文がある(何故バーベキューコンロ?と思ってたが、5通目で理由がわかった。その別荘へ家族、仲間と行ったのは事実。昼間バーベキューをやった。その事実から、そのバーベキューコンロで家族が寝静まった深夜、遺体の骨を焼いた、となったようだ)。

が、そんなことできるのか、不可能だろうと私は考え、それを手紙で伝えた。ちょうど「埼玉愛犬家殺害事件」に関係する書籍や関係書類を読んでいたときだからだ。それに対して彼は「逮捕後、初めて僕の主張を信用してくれる人と会えた」と青木さんのほうへ手紙してきたという。長い間、誰にも信用されず、孤独に冤罪を訴え続けた犠牲者は多数おり、その多くが声を上げられずにいる。青木さんは数年前、徳島のある支援者に頼まれ、青木さんと同じ放火殺人で服役中の平野義幸さんと面会してきた。そのときのことを思い出し、「平野さんのことがあるから、尾崎さんが初めて自分の主張を信用してくれたと男性が書いてきた手紙に涙が流れた」とラインがきた。

男性の5通の手紙を何度も読み返し、また判決文を読み返し、男性がいうように「またわからないこと、不明な点なんでも聞いてください」にこたえるようにしようと思っている。

◆警察、検察は必死で「冤罪」を作ってくる

冤罪事件で無罪判決がでた場合、「人間誰にでも間違いはあるよね。(冤罪を作った)警察、検察、裁判官も人間だもの……」という人もいる。しかし、私はとりわけ殺人などの大事件の場合、警察、検察は必死で「冤罪」を作ってくると確信している。

必死のパッチで最初に犯人と仕立てた被告を犯人にしたてる。それしか頭にない……というような話を、2月28日(土)10時~大東市立野崎人権文化センター(JR野崎駅下車)でお話させていただきます。参加費は無料、終了後近くの「バナナハウス」で昼食会(700円)もあるようです。奮ってご参加を!

尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315304/

〈1.17〉に想う ──

鹿砦社代表 松岡利康

一年に何度か厳かな気持ちになる日がある──〈1.17〉もそんな日です。1995年1月17日の阪神・淡路大震災から31年になります。月日の経つのは本当に速いものです。

当日私は兵庫県西宮市の自宅にいました。ダンプがマンションにぶつかったような衝撃で目を覚ましました。31年経った今でも思い出します。当日被災地にいた人ならみなそうでしょう。

この震災について、語ろうと思えば語り尽くせないですが、いまだに怪訝に思うことがあります。

【1】阪神・淡路大震災の被災地は神戸だけではない

さすがに関西の方は、この震災が神戸だけが被災地ではなく、芦屋、宝塚、西宮など広い範囲に渡っていることは知っていますが、関西以外の方は、神戸という狭い地域に起きたものだと思われているようです。東京で聞いても郷里の熊本で聞いてもそうでした。

震災直後に神戸市内の小学校に勤める先生が作り、今でも広く歌われている『しあわせ運べるように』という歌がありますが、この歌詞に「傷ついた神戸を~」「生まれ変わる神戸のまちに~」というフレーズがあります。1.17にはこの歌がマスメディアを通じて流れますが、こうしたことも、震災=神戸のイメージを強くしているようです。

ところで、阪神・淡路大震災の総死者数は6434人とされます。確かに、このうち神戸市は4564人で7割を占め、圧倒的に多いです。しかし、神戸市以外でも、100人以上の死者があるのが、西宮市1126人、芦屋市443人、宝塚市117人です。私の故郷・熊本地震の死者数は276人なので、西宮の被害がいかに大きいかが判るでしょう。

また、神戸市内で1000名以上の死者を出しているのは1469人の東灘区だけです。神戸市は範囲が広いので、それだけ多くの方が亡くなられたのは不思議ではありませんが、西宮と、これに隣接する芦屋と宝塚を合計すると1700名ほどになります。さらに、100名以下でも尼崎、伊丹、川西なども各々数十人の死者を出しています。「傷ついた」、「生まれ変わる」のは、決して神戸だけではありません。

特に私が住む西宮市は、関西以外の方には、宝塚、芦屋、また尼崎、伊丹ほどの知名度はないようで、西宮で1100人余りの方が亡くなられたことを言うとみなさん異口同音に驚かれます。甲子園球場は西宮に在りますが、これも関西以外の方は大阪にあるものと思われています。そんな地味な町=西宮市で、1000名以上の死者を出しているのを知っている方がどれほどおられるでしょうか?

【2】阪神・淡路大震災公式エイド・ソングは何か知ってますか?

先に挙げた『しあわせ運べるように』が阪神・淡路大震災の公式エイド・ソングのように、毎年今の時期になると歌われます。

しかし、公式エイド・ソングといえるのは『心の糸』という歌で、ビクター、ポリドール、東芝EMI、ソニー・ミュージックという大手レコード会社の共同企画として、香西かおり、伍代夏子、坂本冬美、長山洋子、藤あや子という当時新進気鋭の女性歌手5人が歌っています。普通だったら、これで流行らないわけがないのでしょうが、レコード会社も芸能マスコミなどもさほど力を入れていなかったようで、全くといっていいほど流行りませんでした。

聴けば、耳障りの良い曲ですが、この30年余りの間に私がテレビで観たのは10回もありません。しかし、実は私もつい最近まで知らなかったのですが、日本レコード大賞特別賞を受賞しているのです。これも私が知る限り全く報じられませんでした。

当時私は事務所で毎日流していましたが、不遇な運命の曲と言わざるをえません。

「♪ そして陽が昇り 朝の幕があく
昨日までの悲しみ 洗い流すように
覚えてて あなた 私がここにいることを
忘れないで あなた 歩いた道のほとり
心の糸を たどりながら
過ぎし日を重ねてみたい
心の糸を 手さぐりながら
夢の続き 捜していたい
時を巻き戻すことが出来たなら
涙なんかみせずに生きてこれたけれど
ありふれた日々を送れることのしあわせを
まぶた閉じてひとり 今更ながら思う
心の糸をほどかないで
この街を捨てて行けない
心の糸を 結び直して
うつむかずに歩いて行くわ
心の糸をほどかないで
この街を捨てて行けない
心の糸を結び直して
うつむかずに歩いて行くわ」

最後に──

「地震(じしん)で自信(じしん)が付いた」などとほざいて顰蹙を買いましたが、私たちはあれだけの大震災を生き抜きました。その後もいろいろな困難にぶつかりましたが、そのたびに震災を生き抜いたことを想起し「あれだけの大震災を生き抜いたので、どのような困難も生き抜ける」と自らに言い聞かせ頑張ってこれました。そして今があるわけですが、震災後、地元で定点観測し歴史の証人になるという想いで、それなりに出版物も出しました。しっかり「定点観測」を続け「歴史の証人」になったか心許ないですが、以下列挙しておきます。品切れのものもありますが、在庫があるものもありますので、ご希望の方は本社までお問い合わせください。

鹿砦社の原発・震災関連書籍

https://www.rokusaisha.com/kikan.php?group=shinsai

日本だけ〝真逆〞の「令状主義」立花孝志逮捕事件が明かす刑事司法の異常

たかさん(紙の爆弾2026年1月号掲載)

月刊「紙の爆弾」1月号から一部記事を公開。独自視点のレポートや人気連載の詰まった「紙の爆弾」は全国書店で発売中です(毎月7日発売。定価700円)。書店でもぜひチェックしてください。最新号の記事タイトル一覧はホームページをご覧ください。

最初に断っておくと、本稿はNHKから国民を守る党党首である立花孝志氏の発言内容や行為を肯定・擁護するものではなく、名誉毀損を理由とする逮捕・長期勾留という「権力の使い方」の妥当性を問うものである。

◆刑事訴訟法から見た違和感

2025年11月9日、立花孝志氏が「名誉毀損」の容疑で兵庫県警に逮捕・勾留された。テレビやネットには、「さすがにやりすぎだったから当然だ」「前から嫌いだったからザマーミロ」といった声があふれた。それらは日頃、警察を含めた行政権力に肯定的な人も、否定的な人も、まさに異口同音だった。

だが、本来ここで問われるべきなのは、「立花氏が良い人か悪い人か」「好きか嫌いか」ではない。もっと単純で、しかし根本的な問いだ。

名誉毀損という種類の事件で、本当に「逮捕・長期勾留」が必要なのか?

刑事訴訟法の観点から見ると、この問いに対する答えはかなりはっきりしている。
まず、刑事訴訟法が逮捕・勾留の要件として掲げるのは、

1 罪証隠滅のおそれ
2 逃亡のおそれ

である。これに基づくと、立花氏の事件には、本来「逮捕不要」と考えるべき事情が並んでいる。

・発言内容は動画やSNSとして残っており、証拠隠滅の余地がほとんどない。
・被疑者は公人で、居場所も行動も人目にさらされている。→逃亡の可能性は極めて低い。
・実際に、任意の事情聴取には応じていたと報じられている。

これらの事実を鑑みれば、今回の事件は「在宅のまま捜査・起訴すれば足りる事件」と評価するのが素直な理解だろう。どうしても刑事責任を問いたいのであれば、在宅起訴し、公開の法廷で淡々と有罪・無罪を争えばよい。

それにもかかわらず、最も強力な人身拘束である逮捕・長期勾留が選択された。しかも逮捕から一夜明け、関西テレビ(ヤフーニュース)は次のように報じた。
「立花氏が先月ドバイに渡航していたため、警察は海外逃亡などを警戒して逮捕に踏み切った」

アラブ首長国連邦(UAE)と日本は犯人引渡条約を結んでいないことから、「逃亡のおそれ」を後づけで強調する内容だった。現在、この記事は削除されているが、当時の引用は私のブログにも一部残っている。

その後、関西テレビは、コメンテーターの弁護士を解説役とし、名誉毀損でも逮捕は珍しくないこと、今回の発言が「誰かから聞いた話」であり情報源が明らかになっていないため、取材源と関係する証拠を隠す(証拠隠滅)おそれがある―といった趣旨の説明をしていた。

しかし、冷静に聞けばこれは、「まだ明らかになっていない」→「これから隠すかもしれない」とすり替えて、現在の拘束を正当化するロジックであり、実質的には予防逮捕・予防拘束を肯定する発想に近い。

こうしたコメントが「専門家の見解」として繰り返されることで、本来は例外であるはずの逮捕・勾留が、「よくある普通の対応」として受け止められていく。ここに、今回の事件の第一の異常さがある。

◆「令状主義」が〝行政のお墨付き〞に変質した

次に問題なのは、要件を満たさないはずの逮捕が、なぜ裁判所であっさり認められてしまうのかという点である。

そもそも、日本における「令状主義」は、世界的にみて大きなねじれを持っている。

日本語で「令状」と訳されるwarrantは、英米法においては「国家に人を捕まえさせるための命令書」というより、国家権力の行使に厳格な条件と範囲を与えることで、市民を国家の恣意的な逮捕から守るための文書である。

いつ・どこで・誰に対して・どのような理由で拘束してよいのかを細かく書き込み、その枠を一歩でも踏み越えれば違法となる。

つまりwarrantは、本来は国家権力の「剣」ではなく、市民の自由を守るための条件付きの許可証、いわば市民の「盾」としての意味合いが強い。

日本の刑事訴訟法は原則として、「逮捕には裁判官が発する逮捕状が必要」と定めており、条文だけを読むと、あたかも同じ発想に立っているように見える。

ここから先はhttps://note.com/famous_ruff900/n/ndd5c05c55837

藤田文武維新共同代表「犬笛吹いて逃亡」の責任を追及する

西谷文和(紙の爆弾2026年1月号掲載)

月刊「紙の爆弾」1月号から一部記事を公開。独自視点のレポートや人気連載の詰まった「紙の爆弾」は全国書店で発売中です(毎月7日発売。定価700円)。書店でもぜひチェックしてください。最新号の記事タイトル一覧はホームページをご覧ください。

◆「(株)リ・コネクト」マンションを訪ねる

「昨日、西谷さんが(兵庫県内にある私の秘書の)オートロックのマンションに侵入して動画を撮っていました。防犯カメラの動画を警察に通報しています。これ、犯罪行為です。建造物侵入で逮捕されますよ」

2025年11月4日の記者会見で、日本維新の会・藤田文武共同代表が、突然私を名指しして「犯罪者」と決めつけた。

そもそもこの会見は藤田の公設第一秘書が経営する会社に、自身のビラデザイン料や印刷費を発注していたこと、つまり「公金をキックバックさせて、身を肥やしていたのでは?」という疑惑に関する釈明会見だった。

まさかここで逆ギレするとは思わなかったし、私の名前を公の場でさらすことによって正当な取材活動を妨害するような〝犬笛〞を吹くとは思わなかった(犬笛とは、犬にしか聞こえない周波数で鳴る笛のこと。特定の人々を先導する発言を指す)。

勝手に「犯罪者」にされ、名誉を傷つけられた身としては当然反論せねばならない。ちなみに私は逮捕されるどころか、兵庫県警の取り調べも受けていない。代わりに兵庫県警に捕まったのはN党の立花孝志だ(笑)。

本稿ではこの事件の背景と経過について述べてみたい。

しんぶん赤旗日曜版11月2日号のスクープによると、問題の会社は兵庫県西宮市の「株式会社リ・コネクト」。藤田の第一公設秘書が経営していて、チラシ印刷など約2000万円の仕事を受注している。さらに2000万円の内訳を調べると、その約94%が政党助成金や旧文書交通費からの公金だった。

公設第―秘書は年間600?800万円の給与が支給されている国家公務員で、原則として兼業禁止。例外的に兼業届を出せば認められるのだが、この兼業届によれば秘書は(株)リ・コネクトから年間720万円の報酬を受けていた。

つまり公金を自分の秘書が経営する会社に発注し、秘書はそこから報酬を得ていた。つまり税金(秘書給与)と公金(チラシ代金)の二重取りということになる。

(株)リ・コネクトはどんな会社なのか? 7年半にわたって藤田と秘書はどのような契約を交わし、どのような印刷物を作っていたのだろうか?赤旗のスクープが間違っているのだとすれば反論も聞いてみたい。だからスクープが出た翌日の11月3日に(株)リ・コネクトを訪問した。

(株)リ・コネクトが入居するマンションは西宮市の閑静な住宅街にあって、マンション玄関の集合ポストの504号室に社名が貼り付けてある。ペラ1枚の紙がポストに貼ってあるだけ。外形上は「ペーパーカンパニー」「幽霊会社」のようだ。疑念が膨らむ。

会社訪問しようと思い、自動ドアの前に立つとドアが開いた。つまり11月3日午前11時頃の時点で、このマンションはオートロックではなかった。もしオートロックなら私は中に入れなかった。

(株)リ・コネクトが入居するマンション入り口。集合ポストの横のドアはオートロックではなかった。

5階まで上がり部屋の前まで行き会社の呼び鈴を2度押す。返答がないので1階玄関に戻り、テンキーで部屋番号を押す。やはり反応なし。祝日なので社員さんは出勤していないのかな?と思い、大阪にある私の事務所まで引き返した。

この日の夜、インターネットテレビの「アークタイムズ」に出演し、「公金2000万円を受注している(株)リ・コネクトは駅前商店街のようなところではなく、通常のマンションの1室にあって、お留守のようだった」と報告する。

そしてその翌日、藤田は記者会見という注目される公の場で、私の名前を何度か連呼した上で、不法侵入者と決めつけたわけだ。

◆逃げる藤田文武

これを見過ごすと、政治とカネの疑惑を追及する記者が萎縮する。藤田は取材に訪れた赤旗記者の名刺をさらして恫喝めいた行動にも出ている。会見では赤旗に対し「(秘書の)自宅まで行ってピンポン、ピンポン鳴らして」と赤旗を責めていたが、ピンポン鳴らしたのは私(笑)なのだ。

まずは質問状を送ることにした。主な質問は3点。1つ目はもちろん、当該マンションの「オートロック」。私が「不正に開錠して建物内に入った」と断言した根拠を示してもらいたい、と質問。

2点目は、自動ドアから入り、会社事務所のある504号室を訪問したことを、「建造物侵入で犯罪行為である」と繰り返し発言したこと。確かに504号室の前で2回、1階玄関で2回呼び鈴を鳴らした、しかしこれは普通の会社訪問である。どこが「犯罪行為」なのか指摘してほしい、という質問。

最後に「防犯カメラに映っている。警察に通報した」「逮捕されますよ」などの発言は威嚇であって、正当な取材行為への恫喝であるから、発言を撤回し謝罪するつもりはあるか、という質問。

この質問状を大阪府寝屋川市の藤田文武大阪事務所に、11月6日に書留で郵送し、回答期限を11月14日にした。1週間の回答時間を与えて、わざわざ返信用封筒に切手を貼って同封することも忘れなかった。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n2c5522d6af9a

「月夜釜合戦」に続く、釜ヶ崎の新たな映画「Ich war, ich bin, ich werde sein!」

尾﨑美代子

昨年12月27日、九条のシネ・ヌーヴォで2本の映画を観てきた。1本目は釜ヶ崎を題材にした佐藤零郎監督の「月夜釜合戦」、これはもう6回目位見た。止めとこうかと思ったが、2本目の「Ich war, ich bin, ich werde sein!」に繋げるにはやはり久々に観ておきたいなと。

昨日改めて気づかされた点もあり、見て置いて良かったと思った。上映後レオ監督とプロデューサー梶井君のトークショー。会場は満席、補助席もでた。驚いたのは初めて見た人が結構いたこと。16ミリフィルムでの上映なので上映には映写機が必要なのだが、もっと広めて欲しい映画。

「月釜」の上映後は花束贈呈あり、フォトセッションあり、かつ2人が客と一緒に映る撮影ありでした。

休憩を挟み、2本目の「Ich war, ich bin, ich werde sein!(I Was, I Am, and I Will Be! イッヒ・ヴァール、イッヒ・ビン、イッヒ・ヴェルデ・ザイン)」の上映。この作品は、「月釜」で助監督だった板倉義之君が監督、編集した。2019年センターが閉鎖され、それまでも釜ヶ崎のあちこちで撮り続けていた板倉君とレオが、もう釜ヶ崎の人たちを撮れなくなるのでは、撮り始めたフィルムをこの作品にまとめた。釜ヶ崎を歩き、「あっあの人、気になる」と目星をつけた方にインタビューを申しこむ。レオがインタビューし、板倉君がカメラをまわす。

入場者全員にプレゼントされたポスターカードも素敵。友達がいないとハトと仲良くなったハトおじさんに群がってくるハトたち。
2番目の作品後のトークショーでは、冒頭、ビールが配られ(絶対こぼさず飲める人に?)「乾杯」が。

2人が映画のチラシを持ってきたときだ。私は普通に「へえ、山形の映画祭に応募したのね」と2人に聞いた。おとなしめの板倉君はそうでもないが、レオは「全く、ママはわかってないな」という顔をして、「あのですね。この映画祭には世界中のドキュメンタリー映画が1500もあつまるんです。その中から15の映画が選ばれ、上映されるんです」と説明した。「あらま、それは凄い」、私がそう言って驚くと、レオはまだまだあるんですとばかり、「本当は僕たちはこの映画をひとつ下のランクで応募したんです。

しかし、それを見た実行委の方々が『これはその上のランクでいくべきだ」といわゆる格上げされたというのだ。松竹梅とランクがあって、竹でいこうかなと応募したが、審査員たちが「これは松ランクでいくべきだ」と言ってくれたということか。

それもまたすごいではないか。

尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315304/

公文書偽造・公益通報つぶし事件で「延長戦」に! 広島県知事選挙奮闘記〈2〉

さとうしゅういち

佐藤周一は、2025年広島県知事選挙に副知事候補として挑戦しました。選挙戦では、呉支所における公文書偽造事件の解明と、公益通報つぶしを許さない仕組みづくりを訴えました。選挙は終わりましたが、呉支所の問題は終わりません。これは「選挙の延長戦」として、今後も取り組むべき課題です。

事件の舞台となった呉市では、「大山・佐藤連合」が5,412票(得票率7.2%)を獲得し、全県市区町別で最多・最高の得票数と率を記録しました。市民の期待に応える責任を強く感じています。

◆再調査結果とその問題点

知事選挙後、広島県は再調査結果を公表しました。しかし、そのタイミングと内容は極めて不誠実でした。再調査報告書では、「公益通報した職員のみ違法」と認定され、県側の不正は認められませんでした。

再調査を担当した弁護士は、黒い雨裁判でも功績のある人権派であり、日本共産党など野党とも近い関係にある人物です。自民・立憲・国民・公明推薦の湯崎前知事・横田現知事と、県政野党の共産系弁護士が連合して公益通報者つぶしをしているようにも見えます。与党も野党もダークサイドに…広島の闇は深いのです。

◆公文書偽造事件の概要

この事件は、広島県呉市の西部建設局呉支所において、災害復旧工事に関する国への補助金申請用の公文書が偽造されたことに端を発しています。2021年11月30日に職員がこの偽造を公益通報しましたが、県の初期調査は事実の確認が不十分で、虚偽の文書作成が見過ごされていました。

その後の調査で、実際には協議が行われていないにもかかわらず、架空の協議内容を記載した文書が作成されていたことが明らかになりました。県は2025年5月に計23件の偽造文書の存在を認め、組織的な不正の可能性を指摘し、原因究明のための調査チームを設置しています。

この事件は、県職員による虚偽文書作成が公益通報によって明るみに出たものの、県の対応が不十分であったこと、そして公益通報者への圧力や調査の不透明さが問題視されています。

◆情報公開請求と「存否応答拒否通知」

佐藤周一は2025年11月26日、以下の文書の開示を求めました:
調査記録
処理経過
再調査依頼文書
調査員人選記録

しかし、横田美香知事に交代した後の広島県は、12月11日付で「行政文書が存在するか否かを答えるだけでも保護されるべき利益を損なう」として、文書の存在すら答えない「存否応答拒否通知」を発出しました。これは県民の知る権利と行政の説明責任を根底から否定する異常な対応です。

これまで「黒塗り県政」と批判されてきましたが、今回は「ブラックホール県政」と呼ぶべき事態です。

◆制度的対応と百条委員会の必要性

制度上、処分を行った広島県知事本人に対する不服審査請求(3か月以内)や裁判提起(6か月以内)は可能です。しかし、日本の司法制度は行政に極めて有利な構造が続いており、県民が自治を守るには、地方自治法に基づく議会の強制調査権――百条委員会の設置こそが最も現実的で効果的な手段です。

広島県民が自浄能力を発揮し、通報者を守り、行政の倫理を取り戻すために、佐藤周一は広島県議会に対し、百条委員会の設置を求めています。

どうか、この署名にご協力ください。あなたの一筆が、広島を守る力になります。

れいわ新選組呉チームの皆様とともに呉駅前でこの問題についての街宣を行う筆者

◆広島県・公文書偽造/公益通報対応問題 年表

■ 2021年
11月30日:広島県西部建設局呉支所にて、職員が文書偽造を公益通報。県人事課が通報を受理。
■ 2022年
~2022年末:まともな調査や処理が進まず、事案は1年以上放置。
■ 2023年
4月:県による最初の調査が「事実上の握りつぶし」と受け止められる形で終了。
■ 2025年
夏:マスコミ報道により問題が再注目。知事が県内弁護士に再調査を依頼。
11月21日:再調査報告書で「公益通報した職員のみ違法」と認定。
■ 2025年11月
11月26日:佐藤周一が調査記録等の開示請求を提出。
■ 2025年12月
12月11日(通知日)/12月15日(到着):広島県が「存否応答拒否通知書」を送付。

職員や県民の皆様の情報提供をお待ちしております。秘密厳守で対応いたします。また、これからの運動の進め方についてもぜひお知恵をお貸しください。連絡先は以下の通りです。

電話番号:090-3171-4437 Twitter:X:@hiroseto
メール:hiroseto2004@yahoo.co.jp

広島県議会に百条委員会設置を求める署名リンクはこちらです。

QRコードはこちらです。⇒⇒⇒

署名の一次集約は2月8日(日)といたします。二月の県議会で審議していただくことを想定しています。

◎広島県知事選挙奮闘記〈1〉 〈2〉

さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
◎X @hiroseto https://x.com/hiroseto?s=20
◎facebook https://www.facebook.com/satoh.shuichi
◎広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)https://hiroseto.exblog.jp/
★広島瀬戸内新聞公式YouTubeへのご登録もお待ちしております。

◎鹿砦社 http://www.rokusaisha.com/

《表紙》『原子力明るい未来のエネルギー』 紆余曲折を経て 今は文字盤だけが倉庫に眠る(絵=鈴木邦弘)

欧州左翼〝復活〞の時代に 日本の左派が見失った「果たすべき役割」

広岡裕児(紙の爆弾2026年1月号掲載)

月刊「紙の爆弾」1月号から一部記事を公開。独自視点のレポートや人気連載の詰まった「紙の爆弾」は全国書店で発売中です(毎月7日発売。定価700円)。書店でもぜひチェックしてください。最新号の記事タイトル一覧はホームページをご覧ください。

◆欧州における左翼の健闘

2025年7月の参議院選挙で参政党が14議席、日本保守党も2議席を獲得。自民党で高市早苗総裁が誕生し、首相になった。対して、共産党は4議席減らして3議席に、社民党はかろうじて1議席の確保に終わった。アメリカではトランプが我が世の春である。

こういう情勢だからか、欧州についても極右の台頭ばかりが報道される。

しかし、英国では、ロシアの策謀と推測されるものもあって極右が躍進したが、2024年7月の総選挙で政権を獲ったのは労働党だ。トランプのお友達のブレア元首相以来、左翼とはいえないかもしれないが、右派でないことは間違いない。

半年後のドイツ連邦議会選挙では、極右のドイツのための選択肢(AfD)が152議席を獲って第2党になったが、一方で、左翼党(Die Linke)は、前回2021年の39議席から64議席に躍進した。議員定数は前回735だったのが今回は630であるから、議席の占める割合でいえば、5%から10%に倍増したことになる。

ドイツは小選挙区と比例区の併用で、左翼党の比例区得票率は8.77%である。日本であれば参院選の日本維新の会(7.39%)を上回り、公明党(8.8%)と並ぶ。

左翼党は、ロシア・プーチン政権の侵略に対して明確にウクライナを支持したが、それに賛同できずさらにワクチンや移民政策でも意見が相違した10名の議員が分派している。今回、その分派は、比例区で4.97%を獲得した。5%の最低ラインに達しなかったので議席はないが、これと合わせると、得票率は13.74%である。

日本ならば2024年衆院選での国民民主党を上回る第3位、2025年参院選では国民民主党・参政党・立憲民主党を上回る第2位だ。

フランスにおいては、2024年の国民議会総選挙でメランション党首の左翼政党(注1)フランス不服従(LFI)は577議席中74議席、共産党は8議席を獲得。このほか、右派がマクロン大統領誕生のとき与党に鞍替えした社会党は59議席を獲っている。

欧州議会(705議席)でも同年の選挙で、極右と欧州懐疑派は2020年よりも54議席多い191議席を獲得したが、社会主義・ユーロコミュニズムの欧州統一左派・北方緑左派同盟(GUE・NGL)は、6議席伸ばして46議席を獲っている。このほか無所属の中にも共産党や新左翼がいる。

◆「右」と「左」の争いではない

極右の躍進と左翼の健闘の原因は同じである。格差の拡大。いまや世の中は「右」と「左」ではなく、「上」と「下」の争いの時代なのである。

キーワードは「ソシアル」だ。

日本とフランスで、「リベラル」という言葉はまったく反対の意味を持っている。日本では左派的なニュアンスで使われるが、フランスでは「新自由主義者」のことで右派ど真ん中。サッチャー、レーガン、トランプやテクノ・リバタリアンのような連中のことで、格差の元凶で庶民の敵である。これに対抗するのが「ソシアル」である。

フランスでは、極右のルペンは東西冷戦時代のジャン=マリーのときはフランスで言う「リベラル」の先峰だったが、娘のマリーヌの代になって「ソシアル」を前面に出している。極右の躍進の理由はけっして移民問題だけではない。もっと大きいのは、極右の「ソシアル」化である。

欧州ではもともと、左翼、とくに共産党が労働者の党として「下」の受け皿になっていた。ところが、ソビエト連邦・共産圏の崩壊に加えて、移民や治安問題などについて有効な回答がみいだせないまま右翼が代替となってしまった。だが、ソ連東欧の崩壊から30年余り、左翼が復活しつつあるといえる。

ところが、日本ではまったくそうなっていない。

考えてみれば、日本の右翼にはもともと「ソシアル」のイメージがある。戦前のバリバリの右翼・革新派は、東北の貧農を憂い、大資本家を撃った。対して左翼は、弾圧が厳しかったこともあるが、コミンテルンの日本支部が象徴するように土着できないエリートでしかなかった。

歴史修正主義者によって戦前見直しの空気が醸成されたところに、〝外人〞を不満の捌け口とし、おかしな優越感をくすぐる排外主義日本主義がハマった。

さらに、極めて強いアメリカの影響下にある。

よく「欧米」というが、欧(とくに大陸)と米では全く違う。「資本主義」からして、欧州の資本主義は「ライン資本主義」といわれてアメリカ(および英国)のものとは区別される。ドイツで政権を握っている保守のキリスト教民主同盟(CDU)の創設者アデナウアーは「社会的市場経済」を唱えた。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/na5440c83507a

『紙の爆弾』2月号に寄せて

中川志大 『紙の爆弾』編集長

あけましておめでとうございます。

今月号では昨年12月号に続き、元外交官の東郷和彦氏が、高市早苗首相の「台湾有事発言」と、12月に発表されたアメリカの新国家安全保障戦略をもとに、変動する米中日関係を解説しました。まず、「台湾有事発言」より前に、中国側が高市首相に対し“念押し”をしていた事実に注目。この発言に前段があったことがわかります。一方、アメリカは新戦略文書でバイデン政権時代の「価値観外交」からの転換を表明すると同時に、安全保障の中心を“西半球”に据えると明言しました。詳細は本誌記事をご参照いただくとして、日本にとって問題は、高市氏の外交が今の世界をどう捉えているのかが不明であることです。本誌記事がわかりやすく、事態を読み解きます。

1991年のバブル崩壊を起点とすれば、2026年は「失われた35年」を数えます。経済学者の中尾茂夫氏が前号で指摘したよう、1968年から約40年間、GDP世界2位を保った日本は、2010年に中国に抜かれ3位に、2023年にはドイツに抜かれ世界4位に転落。IMFの予測では、2025年にインド、2030年にイギリスにも抜かれて6位への後退が見込まれています。かつての「中流」が「下流」に押し流される形で、貧困というより格差が拡大。日本全体の国民総生産も転落を辿っていることは、この国の進むべき方向が誤っていることの証左といえます。そのような中で、「日米同盟が日本外交の基軸」「原発は必要で排除すべきは二酸化炭素」「日本人は戦争被害者」「健康は病院と薬がつくる」といった多種多様な“神話”がはびこり、論理的・科学的・歴史的・経験的な事実をやすやすと駆逐し続けてきたのが日本の近現代史です。真実に立ち返り、これら神話をひとつひとつ打破していくことは、本誌の役割といえます。

第2次安倍政権の大スキャンダル「森友事件」の現場である大阪府豊中市の旧森友学園用地は、すでに学園から返却され、国交省=国の所有地となっていますが、国交省はなぜか3度目の調査を行ない、昨年10月3日に「5000トンの埋設ごみが見つかり、撤去費は6億3000万円」と発表。マスメディアがこれを「約2万トンとされた従来の推計量の4分の1に減った」と報道しました。しかし、事件の経緯を追えば、森友学園への「8億円値引き」の根拠とされた埋設ごみが「存在しない」のはすでに明らかであり、ならば今回の「5000トン」は、地中から湧き出るように現れたことになります。これを放置すれば、次の売却においても「不当値引き」が行なわれかねません。森友事件の核心である「埋設ごみ」はどのように偽装されてきたのか。「数字」を追いつつ、真実に迫ります。

ほか2月号では、山上徹也裁判で飛び出した安倍晋三元首相の「潰瘍性大腸炎」詐病証言の真相、アメリカの巨大メディア再編がもたらす日本への影響、「親の虐待」にばかり注目が集まる裏で根深い児童相談所の闇、「文化を守れ」では太刀打ちできない国際金融の表現規制など、2026年も本誌だけの情報と問題提起を発信していきます。

『紙の爆弾』は全国の書店で発売中です。ぜひご一読ください。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

『紙の爆弾』2026年2月号
A5判 130頁 定価700円(税込み)
2026年1月7日発売

高市政権と米国新国家安全保障戦略 米中日の新局面 東郷和彦
高市首相の大いなる勘違い 台湾有事は存立危機事態ではない 足立昌勝
デマゴーグが闊歩する風土(下)「ニチベイ」と脱亜 中尾茂夫
安倍晋三「詐病」証言から考える 山上徹也の理性と社会の狂気 野田正彰
「旧森友学園用地」で国交省「新埋設ごみ5000トン」発表 国有地から湧き出るごみは背任の証 青木泰
米メディア買収・再編 日本の報道・エンタメはアメリカ企業に乗っ取られる 片岡亮
最高裁が仕組んだ原発八百長裁判の全貌 偽装された社会の本質を見抜こう
“文化論”では闘えない 国際金融が変えた「表現規制」の地形図 昼間たかし
日本の“行政拘束”を考える 児童相談所「子どもの一時保護」の闇 たかさん
「再エネ」と「移民」世界を荒らす怪獣はどこから来たのか 広瀬隆
対米追従一辺倒に戦略はあるのか 多極化する世界に高市外交を問う 木村三浩
LGBT問題の現在「性別変更」をめぐる日本のいま 井上恵子
高市早苗が蘇らせた連合国「日本包囲網」藤原肇
米国マスコミが自主検閲で隠してきた2025年の重大ニュースTop12 佐藤雅彦

連載

例の現場
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け:西田健
「格差」を読む:中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座:東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER:Kダブシャイン
「絶望ニッポン」の近未来史:西本頑司
芸能界 深層解剖

◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0GCFDZ4P4/