《12月のことば》良心の充満したる丈夫(ますらお)となれ(鹿砦社カレンダー2023より。龍一郎揮毫)

本年のカレンダーもあと1枚となりました。

1年経つのは本当に速いものです。

新型コロナ襲撃でのた打ち回り、読者やライター、取引先の方々の力をお借りし、無我夢中で頑張ってきました。

コロナ以前には左団扇状態で蓄えも少なからずありましたが、一気に変わりました。

潰れもせずにやって来れたのは、ひとえに皆様方のご支援のお蔭、あらためて感謝申し上げます。

今月の言葉は、龍一郎や私の母校の校祖の言葉から採っています。

果たして私たちは「良心」に恥じない生き方をしてきたであろうか? 今の世の中に「良心」というものがあるだろうか? 良心があれば、ウクライナやパレスチナ問題は起きないでしょう。あらためて想う。

来年のカレンダーが出来上がってきました。

毎年楽しみに待っておられる方々が多くおられます。

まずは『紙の爆弾』『季節』定期購読者の皆様には新たな号と一緒に送りますので今しばらくお待ちください。

本年一年、どうもありがとうございました。

(松岡利康)

尾崎美代子『日本の冤罪』

鹿砦社編集部編『ジャニーズ帝国 60年の興亡』

山下教介著『[復刻新版]ドキュメント タカラヅカいじめ裁判 ── 乙女の花園の今』

 

《11月のことば》冬が来る前に まだ間に合う(鹿砦社カレンダー2023より。龍一郎揮毫)

ついこの間までの猛暑が嘘のように秋が深まって来ました。

やがて冬がやって来るでしょう。

今月の言葉をそのまま読めば、やがてやって来る「冬が来る前に」、資金繰りなどいろいろ準備したら、年越しにも「まだまにあう」ということでしょう。

しかし、11月の言葉を揮毫した龍一郎や私たちには、“もうひとつの意味”があるのです。

2011年3月、東北を襲った大震災は多くの尊い犠牲者を出し、あろうことか福島の原発事故を引き起こしました。

この年の11月、鹿砦社常連ライターの佐藤雅彦さんが急遽出されたブックレットが『まだ、まにあう!』でした。

佐藤さんは、かの旧ソ連、今のウクライナに在ったチェルノブイリ原発事故の翌年に福岡在住の主婦、甘蔗珠恵子(かんしゃ・たえこ)さんが原発の危険性を訴えて出版された『まだ、まにあうのなら ── 私の書いた いちばん長い手紙』(地涌社)に触発され、これから書名を採っています。同じ福岡在住の書家・龍一郎も、これに感銘し揮毫したのが11月の言葉です。まだ少し在庫がありますので、ぜひご一読お願いいたします。

ちなみに佐藤雅彦さんにはこの他にもいい本がありますが、私たち版元の力不足もあり、なかなか評価されません。書名だけ挙げておきます。どれも博覧強記な佐藤さんらしい本です。

『もうひとつの憲法読本 ── 新たな自由民権のために』
『もうひとつの反戦読本』
『イラク侵略のホンネと嘘 もうひとつの反戦読本2』
『爆発危険! テロ米国「トモダチ」安保 もうひとつの反戦読本3』
『もうひとつの広告批評1 消費者をナメるなよ!編』
『もうひとつの広告批評2 選挙民をナメるなよ!編』
『食べたらあかん! 飲んだら死ぬで!── 食の安全読本』
『ロックはこうして殺された』
『芸能スキャンダルの闇を読む』
『現代語訳 幸徳秋水の基督抹殺論』
『ハリウッド犯罪調書マグショット』(ジョージ・セミナラ=著 佐藤雅彦=訳)

(松岡利康)

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年11月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2023年秋号

《10月のことば》それでも山は赤く染まる……(鹿砦社カレンダー2023より。龍一郎揮毫)

彼岸が過ぎ、ようやく秋の気配となりました。
今年もはや4分の3が過ぎました。
これから年末まで大変だなあ。

おそらくここ3年ほどではないとは思いますが、せっかく皆様方のご支援で乗り越えてきたわけですから、ここもなんとしても乗り越えたい。

書家・龍一郎の眼差しには常に原発によって「汚されちまった故郷の山里」があります。龍一郎や私は福島出身ではありませんが、いつ何時(なんどき)も福島と共にあります。政府による強権的な棄民政策と原発再稼働 ── 汚染水垂れ流しもそう、あれだけの被害を出しながら、なんでこんなことができるのか、ひとりの人間として許せません。「汚染水」じゃない、「処理水」だ、とかスコラ談議はよせ! 汚染水は汚染水だ。汚染水排出の影響は、仮にすぐに出ないにしろ、1年、2年……年を経るごとに必ず出てくるでしょう。水俣病もイタイイタイ病もそうでした。

秋風が吹き始めました。故郷の山里も赤く染まり秋風が吹いているでしょう。齢を重ねるにつれ望郷意識が高まります。これは否定できないことです。

唯一の反原発雑誌『季節』冬号(12月発行)の準備に取り掛かりました。同時に毎年恒例の龍一郎揮毫の鹿砦社カレンダーも製作進行中、『季節』冬号と共にお送りいたします。

(松岡利康)

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年10月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2023年秋号

《9月のことば》がらがらぽん(鹿砦社カレンダー2023より。龍一郎揮毫)

自民党が政権与党になって11年が過ぎようとしている。
国民は幸せになっているだろうか。
国民は決して戦争を望んではいない。
国民が望んでいることは争いが起こらぬように政治家が話し合うことであろう。
日本の政治家が争いを起こさないように誰と何処で話し合いをしているのかわからない。
そのためなら国民は資金を出し惜しみをしないだろう。
ところが日本の政治家はどうだ。
あそこの国が攻めてくるぞ。日本が侵略されるぞ。ミサイルが飛んでくるぞ。
核爆弾が撃ち込まれるぞ。等々。不安と危機を煽り立てるだけじゃないか。
そして。戦う武器が必要だ。ミサイルを買おう。戦艦を買おう。
暴力には暴力で!戦う覚悟はあるか!と勇ましいことをいう政治家が出てきた。
こんな政治は「がらがらぽん」だ。国民を幸せにする政治を創るんだ!

今夏の超猛暑とコロナ襲来後の苦境脱出にくたくたになった私に代わり、龍一郎が上記のように書き送ってくれた。

9月かあ~、今年も3分の2が過ぎ、逆に言えば、あと3分の1を残すのみだ。

今年の秋もなにかと慌しいですが、せっかく皆様方のご支援で上向いてきましたので、愚直に頑張って乗り切るしかありません。闘争勝利!

(松岡利康)

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年9月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2023年夏号(NO NUKES voice改題 通巻36号)

《8月のことば》忘却 人間生まれてきたら…… (鹿砦社カレンダー2023より。龍一郎揮毫)

猛暑8月です。

人には「忘却」してもいいことと、そうでないことがあります。

8月といえば「忘却」してはならないのがヒロシマ、ナガサキです。

私たちにとって反戦の原点です。

昨年から続くウクライナ戦争の激化、泥沼化……それは“対岸の火事”ではなく、いつ日本に飛び火するかわかりません

人類史上初めて人間の頭上に落とされた原爆の惨状……決して「忘却」してはなりません。

軍靴の音が聞こえてきそうな時代の予感が強くなる今、あらためてヒロシマ、ナガサキに想いを馳せたい──。

この国は、世界で唯一の被爆国です。

アメリカはこの国に原爆を落とした国です。

日本は唯一の被爆国として、アメリカに従属するのではなく、そのことをもっと強くアメリカに、世界に訴え平和の騎士となるべきでしょう。

若い頃に体得した反戦の意志を、先が短くなった人生、このまま持続して死んでいきたいと思う昨今です。

(松岡利康)

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年8月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2023年夏号(NO NUKES voice改題 通巻36号)

《7月のことば》人生に無駄なものなどなにひとつない(鹿砦社カレンダー2023より。龍一郎揮毫)

今年も半分が過ぎ折り返しました。速い速い!
今月の言葉は一番好評で、これでみたびの登場です。
私たち一人ひとりの人生で成功もあれば失敗もあります。栄光も挫折もあります。
成功や栄光ばかりの人は一人もいないでしょう。
しかし、失敗や挫折は決して「無駄」なことではありません。
いや、失敗や挫折の中にこそ次の成功や栄光の種が潜んでいます。

偉そうに、かく言う私も失敗と挫折の繰り返しでした。
その都度、みなさんに心配と迷惑をかけてばかりで助けられました。
再起不能と言われたことも何度もあります。

しっかり反省や教訓化しているとは言えませんが、これも与えられた試練だなと思い頑張ってきました。コロナ前は、もう失敗することもなく後進に道を譲れるなと思っていましたが、そうはいきませんでした。よもやのコロナ来襲と転落、正直苦しかったですが、皆様方のご支援でなんとか耐えれました。
この経験は「無駄」だったとは思いません。

私も齢70を越え、これからどれだけ仕事をできるかどうかわかりませんが、コロナ来襲による打撃を決して「無駄」にせず、もうひと踏ん張りするつもりです。

これを書いた書家・龍一郎は、「ゲルニカ事件」(関心のある方は調べてください)という挫折を経験して今があります。

「人生に無駄なものなどなにひとつない」── なかなか言いえて妙です。

(松岡利康)

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年7月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2023年夏号(NO NUKES voice改題 通巻36号)

《6月のことば》人生 旅の途中 夢の中(鹿砦社カレンダー2023より。龍一郎揮毫)

6月になりました。── 時の経つのは速いです。今年も5カ月が過ぎました。GWが明けてからも、あっというまに6月になりました。

短期間でもこの調子ですが、物心がついて1960年代、70年代、80年代、90年代……あっというまでした。

齢70を過ぎ、私の人生も黄昏期に入ったと感じていましたが、龍一郎が言うように、まだまだ「人生旅の途中」の気持ちで、初発の「夢」を求め果たして行きたいと思います。

まずはコロナ禍でガタガタになった会社を建て直し(かなり回復基調)、まだまだ果たせていない仕事をやり切りたい。

コロナ禍で2年遅れましたが、当面は2年後の『紙の爆弾』創刊─出版弾圧20周年を一里塚として目指し失地回復に努めます。

「人生」という「旅の途中」にはこれまでいろいろなことがありました。これからもひと山、ふた山、み山あるかと思いますが、「夢」を求め続けて行きたいと思う昨今です。

(松岡利康)

月刊『紙の爆弾』2023年6月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2023年春号(NO NUKES voice改題)

《5月のことば》欠氣一息(鹿砦社カレンダー2023より。龍一郎揮毫)

5月に入りました。今年もあっというまに3分の1が過ぎました。年甲斐もなく全力疾走してきましたので、時の流れの感覚がなくなったようです。

思い返せば、ずっと全力疾走してきました。

コロナ前には、ようやく安定し後継に道を譲り左団扇で余生を過ごせるかな、と思っていましたが、コロナ襲来によって予想だにしなかった苦境に陥り、また全力疾走を余儀なくされました。

コロナも完全終息していないとのことで、ふたたびぶり返すことも心配です。

そんな中、今年もGWがやって来ました──。

欠氣一息(けっきいっそく)てか、このかん全力疾走し少しは業績も回復しつつあることですし、龍一郎の言うように一服しましょうか。

いやいや油断大敵、そうもいきません。

とはいえ、張りつめた気分は維持しつつ、ほんの少しだけ休ませていただき、気分一新、また全力疾走の日々に戻ります。

(松岡利康)

月刊『紙の爆弾』2023年5月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2023年春号(NO NUKES voice改題)

《4月のことば》故郷の桜は……(鹿砦社カレンダー2023より。龍一郎揮毫)

4月になりました。───
1月(去ぬ)、2月(逃げる)、3月(去る)、あっというまに過ぎました。
季節は春ですが、私たちの気持ちにはまだ春到来とは言えません。

福島原発事故でいまだ多くの方々が故郷を離れることを余儀なくされました。
この季節になるといつも12年ものあいだ故郷を離れて生活しておられる方々のことに胸が痛くなります。

私たちにとっても年々望郷意識が募ります。
若い頃は一日一刻も早く「こんな田舎を離れたい」と思っていましたが、今は少年時代を過ごした故郷の日々が懐かしく想起されます。

私たちは、思い立てばいつでも帰郷できますが、被災地福島(特に立ち入り禁止区域やゴーストタウン化した区域)の方々はそうではありません。

いつも思うのですが、大学の後輩で書家の龍一郎が書く「故郷」の文字は、力強くもあり、それでいてなにか物悲しさを感じさせます。

今年は桜も少し早く咲き、早く散りそうです。

目を外に向ければウクライナ戦争は終息の目処が立たず、国内ではコロナもまだ終息せず物価も上がり続けています。明るさばかりではない今年の春です。

(松岡利康)

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年4月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2023年春号(NO NUKES voice改題)

《3月のことば》今いる場所で咲け(鹿砦社カレンダー2023より。龍一郎揮毫)

あっというまに2月も過ぎ3月になりました。
まさに「1月は去(い)ぬ、2月は逃げる」です。気づくと3月も去って行ってしまうかもしれません。
春はもうすぐやって来ます。

コロナ禍で多くの人たちの生活が変わりました。
それまでの日常が一変した方もおられます。
私(たち)もそうです。

「今いる場所」から逃げたくなることも何度もありましたが、どこに逃げたらいいのか迷うまもなく年は過ぎて行きました。
「隣の芝生は良く見える」で、「今いる場所」よりも良い所があるかのように錯覚することもあります。

しかし、「隣の芝生」も実際には、「今いる場所」よりももっと厳しいかもしれません。むしろそのほうが多いです。
それならば、「今いる場所」で頑張って花を咲かせるしかありません。
私たちに逃げる所はありませんから──。

「今いる場所」も、今は冬枯れしていますが、頑張れば必ず花は咲きます。
これまで幾度となくそうでした。
春はもうすぐやって来ます!

(松岡利康)

月刊『紙の爆弾』2023年3月号

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