2016年3月26日 カテゴリー サブカルチャー, 伊藤太郎
選抜高校野球が始まりました。いよいよ野球の季節の到来ですね。と思ったらプロ野球では選手たちの「賭け」が明るみに出て批判を浴びているようです。「金と政治」じゃなかった「金とプロスポーツ」にはいつまでも難しい関係がつきまとうようですね。
さて、今日ご紹介するのはパチンコ「必勝法」です。ネットでは各種の「攻略法」やパチンコ、パチスロ専門雑誌も多数出版されていますが、この話を読んだらそんなもの全て「意味がない」と唖然とするでしょう。私がある「パチプロ」と知り合いそこから見出した「必勝法」です。
◆その台なら「2、3時間で5万は勝てるはずだよ」
私がパチプロ氏と知り合ったのは、とある地方のパチンコ店に、時間つぶしのために入った数年前です。どうせ時間つぶしだから少々負けてもいいやと思って適当に台に座り、私は初めて見る台を打ち始めました。隣で遊んでいたのは中年の男性です。私が着席した時に既に結構な出玉を持っていました。
打ち始めて数分で私の台に当たりが来ました。「ラッキー!小遣いが儲かった」と喜んでいたら、隣の男性が「おたく、時間あるの?」と話しかけて来ました。私は約束待ちの時間つぶしだったので「いや精々30分ですね」と答えると「もったいないなー、その台は今日爆発するよ」と男性。この人は何者なのか? 彼がいわゆる「パチプロ」なのかと不思議に思い「どうしてわかるんですか? 常連さんですか?」と聞くと「常連と言っていいかどうかはわからないけど、この店で俺が出るという台は出るんだよ」と確信に満ちたお答え。
「へー凄いですね。じゃあこの台は止めない方がいいんですね」の問いには「うん。2、3時間で5万は勝てるはずだよ」とビックリするような額を彼は口にしました。「残念だなぁ。約束があるからもうすぐ行かなきゃならないんですよ。でもどうして出る台がわかるんですか?」と核心の質問をぶつけると「それは言えないよ。でもおたくが何日かこの店に通えば黙っていても理由は解るさ」と意味深な答え。
◆勝率は8割以上!
私はその場所に数か月は滞在する予定でしたから、彼の言葉が気になり、休みの日を利用して再び同じパチンコ屋に向かうことになります。すると彼の姿がありました。こちらに顔を向けたのでお辞儀をすると彼はニッコリ笑顔を返してくれました。
その日も彼は既にかなりの箱(出た球を入れておく箱)を積んでいました。「今日も絶好調ですね」と声をかけると「俺がこの店で負けるのは10回に2回くらいだよ。それも多きな負けじゃない」と。「え!8割以上勝っているんですか? 凄い確率ですね」と私は驚きました。
パチンコで8割の勝率なんて今日の規制が厳しくなった台では考えられないことです。しかも彼が打っているのは当たりの確率が399分の1といういわゆる「マックスタイプ」です。当たれば多量の出玉が期待できますが、当たりを引くのが難しいし、負ければ大きな散財になる機種です。
何かからくりがあるに違いない。「それは言えないよ。でもおたくが何日かこの店に通えば黙っていても理由は解るさ」の言葉も気になった私は、その日自分が台には座らず、ひたすら店内の様子や出玉を見て回り1時間ほどいて帰りました。
◆「そこダメ。出ないよ」と先生口調で「指導」され続け……
学生時代以来、パチンコは時間つぶしに気まぐれに入るものとの習性しか無かった私でしたが、パチンコ店には開店前から並んで待機するお客さんが少なからずいることが気になりだしました。
次にパチンコ屋に向かった日は開店20分前でした。すでに数十人が列をなしていますが、その先頭付近に例の男性が居ました。この人毎日開店前から並んでいるのでしょうか、だとしたら会社勤めと変わらない勤勉さです。
開店時間になり私は例の男性の隣の台に座りました。「おはようございます」と声をかけると「そこダメ。出ないよ」と先生のような口調で「指導」してくださいます。
「どれが出るんですか?」と生徒が聞くと「それは見てなよ。見てればわかるよ」と先生、そう簡単に答えを教えては下さりません。「出ない」と言われた台でミスミス負けるのは馬鹿らしいから台には座らず、様子見に徹しました。彼はまた勝っています。1時間で5箱出していました。他方「出ないよ」と言われた台に座ったお客さんの台は彼の予言どおり全く当たりが来ません。
うむー。これは何かある。必勝法と言わないまでもコツのようなものを彼が知っていることは間違いありません。私はそれ以来意地になり、休みの日は開店前からそのパチンコ屋に出向くようになりました。毎日「先生」は開店前の行列に並んでいました。
そしてある日、ついに私は「ひょっとしたらこれが秘訣じゃないのか」と思われる鍵を発見します。私は躊躇せず、その日も好調な「先生」の肩を叩いて「すいません。ちょといいですか」と台から離れてもらい、店の外へ一緒に来てもらいました。「間違っていたら恥ずかしいんですが、『先生』がいつも勝てているのは『〇〇〇〇〇〇〇〇』だからではないでしょうか」とやや緊張しながら私の推論をぶつけました。
先生はニンマリとした笑顔を浮かべ「よく研究したね。明日からこれであんたも稼げるよ。うんその通りでいいよ」と私の仮説に合格を出してくれました。
◆台に座って10分も経たないで当たりが来た!
とはいえ、私は毎日朝からパチンコ屋通いが出来るような身分ではありませんから、パチンコ屋へ行くのは休みの日だけです。そこで先生にも認められた「必勝法」を実践して見ることにしました。台に座って10分も経たないで当たりが来ました。
一度止まってもしばらくするとまた当たりが来る。半日で数万円の勝利です。でも1度だけではまぐれや、たまたまの可能性もあります。次の休みの日にも朝からパチンコ屋へ向かいました。また勝利です。その日も数万円の儲けでした。
それ以来しばらくはパチンコでかなり「おいしい」思いをさせてもらいました。
その必勝法? それは簡単には教えられませんよ。でもある条件の店で、ある条件を満たした人が、ある台に座ればその必勝法に近い勝率は叩き出せるでしょう。「ある条件」はなかなか簡単ではありませんが、その方法を見つけ出せば巷に出回る「攻略法」や偽の「必勝法」のように高額で購入しなくとも高い勝率を収められることは私自身が経験したことです。
そうそう。くれぐれもギャンブルは節度を持って、のめり込まないようにしてくださいね。
(伊藤太郎)
タブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』!
抗うことなしに「花」など咲きはしない『NO NUKES voice』Vol.7