仕事でいまだに年間300本近くのAVを見るが、まったくしがらみもお仕着せもなく、もしおすすめできる人妻女優がいるとすれば、3人にしぼられるだろう。

◆雪菜のお勧めは「美人妻が嵌った誘惑エステマッサージ」

雪菜「美人妻が嵌った誘惑エステマッサージ」MAXING

まずは雪菜。雪菜は、「女雀士」という肩書きで、衝撃デビューを果たした。コケテッシュで、スレンダーながらも巨乳。腹筋も締まっている。麻雀プロなのにもかかわらず、麻雀をしているAVは1作のみで、その姿こそプロならではのツモりかたをしていたが、「リーチ」のときに誰も点棒を出さない点を、雪菜は指摘しなかったのだろうか。まあ重箱の隅をつついていてもしかたがない。

AV女優は「普通に撮る」「無理めな尺八を受ける」「精子をかぶりまくる」「乱交する」「SMする」「何十発も入れられる」「黒人とする」「野外でする」という、だんだんエスカレートするコースを歩むものだが、雪菜とて例外ではない。

ただ、特筆すべきは、通常であれば、月に何作もリリースして飽きられるという売り方ではなく、それ相応に作品をリリースする間隔をあけていることだ。つまり、メーカーは、雪菜が今度、どんなセックスをするのか、首を長くして待っている「枯渇状態」を作っているのだ。

作品はすべて「マキシング」というメーカーから出ているが、「美人妻が嵌った誘惑エステマッサージ」(マキシング)がおすすめだ。エステに訪れた人妻が、エステの秘密をする。それは、イケメンの店長が、ひそかに秘部をマッサージしてくれる上に、極太の肉棒をぶちこんでくれる。もはやエステに通い、欲望を解放させるのが日課となった雪菜は、日中からエステで愛撫を受けて、愛液をしとどに垂らす。やがて欲望は究極までふくらみ、ついに雪菜はこう店長に懇願する。「主人が休みの日に、家に来てくださいませんか」と。その哀願の刹那に、男たちのリビドーは爆発するのだ。

◆『ごめんなさい、あなた…。』の林ゆな

林ゆな「ごめんなさい、あなた…。」プレステージ

さて2人目を紹介しよう。「38歳ながらも、重力に逆らう乳房と美尻」のキャッチコピーで人妻AV女優としては、スマッシュヒットを連発しているのが林ゆな。2013年12月にプレステージからデビューして、早くも37タイトル。確かデビューした作品は『パーフェクト過ぎるFカップ人妻 林ゆな38歳 AVデビュー』(プレステージ)で、「浮気している旦那への腹いせ」としてAVに出たとのことだが、セックスを繰り返すごとに、乳房も尻も張りが出てきて、どんどん艶っぽくなってくるのがすばらしい。

あえてひとつ選ぶとすれば、チョイスが難しいが『ごめんなさい、あなた…。 林ゆな』(プレステージ)だろう。なにかのまちがいで、旦那が犯罪を犯してしまう。刑務所に面会に行った帰り、旦那の同僚に励まされるが、あまりにもつらすぎて同僚の体を求めてしまう。雨の中で「同僚」の目線の温もりに耐えられず、男の温もりを求めて、旦那以外の男を初めて家にあげるゆな。そして背徳の時間が始まるのだ。

林ゆなは、挿入されると、あるいは愛撫されると、腰がびくん、とエビ反るのが特徴だ。とりわけ、後ろからインサートされている場面では、男根がちぎれてしまうのではないか、と心配するほど腰を上下にピクつかせている。まあ、林は顔がイタリアのセレブ妻のような雰囲気を漂わせているので、ダイナミックな官能と、肢体のリアクションも込みで人気の秘密なのだろう。いずれにせよ、林の年齢にあらがうかのような「若さ」には着目すべきだ。

◆『罪深き秘蜜の関係』の竹内紗里奈

竹内紗里奈「罪深き秘蜜の関係」アタッカーズ

最後に推薦したい人妻女優は、おそらくあまり知られていないだろうが(失礼)、竹内紗里奈(※現在は引退し、『竹内ゆきの』名義で女優として活躍中)とする。竹内が急浮上する理由は、ここのところ、AV市場は、人妻ものが定番で、なおかつ「ドラマ性があるもの」が売れているからだ。つまり竹内の武器は「演技」である。雪菜も、林ゆなも人気を博しているのは、それなりにドラマ性がある作品に耐えうる演技をしているからだ。

もちろん、台詞使いや、表情などはプロの女優には足元にも及ばないが、そのプロの女優に迫る勢いなのが竹内。白い肌も、貞淑そうなふるまいも、和風な物腰も魅力だ。しかしながらインパクトに欠けるそのたたずまいは、本来であれば、もしかしたら企画系AV女優で終わってしまうかもしれなかった。だが竹内を起用したメーカーたちは、この時代ならではの「人妻の背徳」を背景にした作品でさえを見せる竹内に太鼓判を押すだろう。監督たちは、さすがに先見の明があったのだ。

あえてあげれば、作品としては、『罪深き秘蜜の関係 竹内紗里奈』(アタッカーズ)が秀逸だと思う。ドラマ性を重要とするアタッカーズは、「いけないながらも、体が男を求めてしまう」という背徳性と、その倫理に逆らう肉欲との葛藤がテーマだ。

作品のストーリーはこうだ。竹内は、旦那の弟から衝撃の告白を受ける。旦那の遺伝子鑑定をしてみると、実は旦那と父親は実の親子でないというのだ。旦那の弟は「兄が管理しているオヤジの貯金通帳を寄越せ」と竹内に迫り、ついでに「兄貴と縁を切るのはいいが、あんたと切れるのはもったいない」としてレイプされてしまうのだ。そして、何度も犯されるうちに「女性としての悦楽」に目覚めてしまい、すべてを捨てて弟のもとにバッグひとつで駆けつけるのだ。

弟がひそかに家に遊びにきたときに驚く表情、そして弟に抱いてほしいと懇願する、そのエロチックさと大胆さ。監督の計算を超えて、竹内の白い体は男を求めてうねりだす。かくして、3人の女優は、見せ所を知っている。この時代に、輝くにはあまりにも純粋で、希有な人妻女優たち。ひとつ、このゴールデンウィークは、彼女たちの肢体を堪能するのもいいかもしれない。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)

テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。

◎川崎中1殺害事件の基層──関東連合を彷彿させる首都圏郊外「半グレ」文化

◎売り子に視界を遮られ、肝心なプレイを見逃す東京ドームのキャバクラ化

◎アギーレ解任前から密かに後任候補を探していた日本サッカー協会の本末転倒

経営権を巡る父娘の対立が激しさを増している老舗の家具メーカーの大塚家具。創業者である父の大塚勝久氏が2月25日に突然会見を開き、長女の大塚久美子社長に辞任を求める異例の事態に発展した。

「安い家具メーカーの台頭で、売上が凋落し、会社の改革を求める大塚久美子社長と、昔ながらのやりかたを求める勝久会長との確執ですよ。家族内の内紛というより、経営方針の食い違いで、お互いの弱みをマスコミに暴露する泥試合となっています」(経済雑誌記者)

◆「家具屋姫、暴虐の羞恥~欲しがりません、勝つまでは」などなど

なお、このトラブルに乗じて「久美子社長は、あの年齢にしては美人だ」というところから始まり「家具屋姫、暴虐の羞恥~欲しがりません、勝つまでは」というタイトルのAVや「お家騒動 ベッドで突いて」などという乱交もののAVも企画されているようだ。

「この女社長がやらせてくれないと、社員たちが下半身にストレスが溜まり、優秀な社員が退社してしまう」と社内が混乱したり、「父親を社長に戻して家畜にして欲しい」とOLが叫んだり、「大株主さんを肉弾で落とす女役員が出現」など、企画会社がメーカーにプレゼンするシナリオは懲っているのひとこと。問題は女優だが、「林ゆな」「雪菜」などの人気熟女が候補にあがっているという。

「こうした社会的な出来事を、すぐにAVのタイトルと企画に反映させる」手法は、AV業界ならではだ。

「年老いた会長と、熟女の社長が近親相姦するという案も出るには出たが、あまりにもリアルなので却下されたと聞いています」(AV業界関係者)

アイデア一発で、ヒットにつながるので、こうした時事ネタの企画が今はAV業界では通りやすいようだ。

「さすがにイスラム圏で拉致されて、女ジャーナリストが乱交してきたという内容の企画書がありましたが、すぐにボツになりましたね」(同)
今やAV業界を見れば世相がわかる。不謹慎ながら、川崎の中1事件になぞらえて「川崎ギャングにレイプされて」なんていう不見識なタイトルが浮上してくるのも時間の問題かもしれない。

◆「機を見るに敏」の妙技──AVコピー大賞はないものか

その昔、「喜びも悲しみも幾年月」という映画があった。これを真似てAVは「喜びの悲しみもイク腰つき」ときた。また「インタビュー・ウィズ・バンパイア」というドラキュラの映画が受けたら、「インサート・ウィズ・バンパイア」とタイトルがつけられて、ドラキュラとAV女優の絡みのAVが受けた。

沢尻エリカが映画のキャンペーンで女子アナに「ロケーションの思い出は何かありますか」と聞かれて「別に」とぶっきらぼうに答えた場面も「別に…犯された女優のレイプ?生意気過ぎる女」などというAVも出た。
「タイトルをつけているのは監督や現場のプロデューサーです。とくにコピーライターや専門の人が入っているわけではありません」(AVライター)

小保方騒動があったときは「万能性欲ERO細胞はあります…」理系女子リケジョの性欲は激ヤバイらしい…研究ユニットリーダー小●方さんが媚薬研究しているうちに…「研究に不正はありません!私自身が臨床実験に成功、性交し効果を体感しています」との長いタイトルの作品が、また、これはボツになったが、例の水商売のアルバイトの過去により内定取り消しとなった女子アナ事件を彷彿とさせる「女子アナ面接 受かるためには過去を消してアナルで奉仕」なる作品も企画としてあがっていた。

「まさに機を見るに敏。『アナルと天国ゆきの女王』とか、タイトルが先に決まってから、内容を合わせていく撮影のやりかたもあります。ただ、このところ秀逸なものは見あたりませんね。頻繁に今、制作会社は、企画を募集していますが、それとて『おもしろいタイトルが思いつかない』からだと言えますよ。タイトルが美しく、ジャケットがエロければ作品は売れますからね」(同)

ほかには、おもしろいタイトルは「渡る世間はエロばかり」「20センチ少年」「こきせん」「となりのスカトロ」「不思議なクンニのアリス」「前戯なき戦い」などなど。

「もしもAV作品にその年の優秀なものを表彰する『タイトル賞』があれば、さぞかしレベルが高いものになるでしょうね。なにしろ、タイトルを考えるだけで一週間も連続して会議してへとへとになった制作会社もあるほどですからね」(AV業界関係者)

◆新人ADに「タイトルを100考えろ」と命じるAV業界の激しい競争力

一年目のADなど、「タイトルを100考えろ」などと上司に言われるのはもはや常識。だからこそ思いつかないで新人がビシバシ退社、常に募集しているという事態に陥っているのだが。

2000本も売れれば大ヒットと言われるAVの世界。今、無料でエロ動画が楽しめる時代ゆえに競争は激しい。メーカーのホームページを開けば、確かにどこもかしこも企画を募集している。一旗あげたい諸兄は、一度応募してみるといいかもしれない。

(伊東北斗)

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安倍政権「カジノ解禁計画」の背後にうごめく影──『紙の爆弾』4月号

ゲームというと、深夜、薄暗い部屋でパソコンやテレビ画面に向かってコントローラーを操作する印象がある。引きこもり、ニートなどと言う言葉を思い浮かべる方もいるだろう。

だが、そんな常識をくつがえすゲームが登場し、若者から中年にかけて、幅広く人気を獲得している。2013年にGoogle社が発表したスマートホン用ゲームIngress(イングレス)だ。

◆リアルな世界をスマホで遊ぶ

イングレスは基本的にはリアル陣取りゲームである。プレイヤーはゲーム内でエージェントと呼ばれ青(レジスタンス)と、緑(エンライテンド)のどちらかのグループに分かれて(登録時に選択できる)陣地を取りあうのである。

陣地はゲーム機上に設定されているわけではない。実在のリアルな世界だ。

ポータルそのものは駅前にあるモニュメントであるとか、神社仏閣であったりする。陣地を取るための基本動作はランドマーク(ポータル)まで出かけていって、そこを確保(ハック)する。三つのポータルを確保してリンクを張るとその内側が青なり緑のフィールドになる。ポータルの場所はプレイヤーのもつスマホ上に表示されている。ユーザーはその場所に行って具体的には画面をタップするだけだ。たとえば、ハチ公とモヤイと109をリンクすれば渋谷駅前はあなたのフィールドになる。

我々が街を歩く時、風景は道や、樹木、建物の並ぶリアルな世界である。しかし、イングレスプレイヤーにとっては、建物にはリンクすべきポータルがそびえ、道は青と緑が交錯する支配すべきダンジョンになる。

プレイヤーが個人で新しくポータルを作って欲しいと申請もできる。スマホで写真を撮って運営に送るだけだ。当初、設置されたポータルは全世界で5000しかなかったが、現在では数十万の数に昇り、まだ増え続けている。また、プレイヤー数の増大にともない、グーグル社の負担も増え現在ではポータル申請に三ヶ月かかる情況だという。

ポータル側の事情もある。つまり、自分の店舗や、観光名所がポータルになれば人が呼べるのだ。グーグル社が日本で目を付けたのがコンビニエンスストアのローソンで、ローソンの店舗はすべてポータルである。ポータルを求めて街を歩くプレイヤーは自然、ローソンに立ち寄る。

◆ゲームで遊びながら健康になれる

観光誘致に利用したのが岩手県だ。昨年、岩手県がイングレスのイベントを開催した。参加者は50名ほどだったが、プレイヤーが岩手県内で多数のポータルを申請し、グーグル社側でも岩手県の申請を優先し、300のポータルが新設された。岩手にダンジョンが新設されたのだ。次は別のプレイヤーがポータルを求めて岩手にやってくる。岩手県庁では海岸部のポータルにやってくると、震災前の写真を受け取るようなサービスを開始して復興にも役立てようとしている。

岩手に限らない。画面上に名所が浮かび上がる。グーグルが提供しているから、当然地図つきだ。観光名所を探してガイドブック見る必要もない。スマホからポータルの情報、由来来歴を読み取ることもできる。しかも、この情況は海外に行っても同じだ。海外旅行に行って労せずして名所を見いだせる。プレイヤーにとっても、ポータル側にしても便利なゲームとなっている。

全世界対応であるため、国を超えてリンクが張られる。日本全土を押さえようと、八丈島、根室、長崎でリンクを結ぼうとしたが、グアムから攻撃があったという壮大な話もきく。海外旅行の楽しみも増える。

しかし、イングレスの基本的な動作はポータル巡りであり、プレイヤーはまずは自宅近くから初めて、次第に遠くまでポータルを求めて歩き回る。自動車でポータルを訪れることもできるが、一旦駐車してスマホを操作する必要があるので、歩いた方が有利だ。また、電車の中からハックもできない。スマホの操作が間に合わないからだ。ポータルが公園内や、建物の敷地にあることもある。

やはり、歩く必要がある。イングレスを始めた結果、それまでのバス通勤を徒歩に変え、通勤途上でハックする。いつもと違う道を歩いてみる、休日には遠方のポータルまで出かけてみる、など非常に活発に出歩くようになる。一日に五キロ十キロ歩くようになり、メダボが解消したとか、ダイエットに効果があったという話しすらある。ゲームで遊びながら健康になれるのなら、言うことはない。

しかも、完全無料である。グーグル社側では営利企業が申請する際に料金を徴収しているようだが、ユーザーには無関係だ。

イングレスのダウンロード数は全世界で1000万。しかもまだまだ増え続けている。

▼青山智樹(作家、軍事評論家)
1960年生まれ。作家、軍事評論家。著書「原潜伊六〇二浮上せり」「ストライクファイター」等多数。航空機自家用単発免許、銃砲刀剣類所持許可、保有。
HP=小説家:青山智樹の仕事部屋 http://www.din.or.jp/~aoyama/

◎輸入できても国産化はアメリカに阻止される日本の「無人戦闘機」導入計画
◎《未来小説》イスラム国日本潜入!「ISIL VS 自衛隊」もし戦わば…[前編]
◎《未来小説》イスラム国日本潜入!「ISIL VS 自衛隊」もし戦わば…[後編]

『紙の爆弾』!同時多発で炸裂発売中!

機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ 青い瞳のキャスバル」を映画館で見た。ガンダムシリーズを語るのに欠かせない重要なキャラクターである「シャア・アズナブル」(本名はキャスバル・レム・ダイクン)の生い立ちを描いた同作品について、語り部が少ない。とりわけ、ふだんはしたり顔でいわゆる「ガンダム」について語る芸人、つまり「ガンダム芸人たち」もしくは「にわかガンダム文化人」も圧倒的に少ない。

それもそのはずで、シャアを語るには、シャアについて描かれた小説、アニメ、そして「ガンダム」の生みの親である富野由悠季 (原案は矢立肇)の世界観を深いところまで掘り下げて理解しなくてはいけない。くわえて、シャアが背負っている、あるいは主張している「人類の革新について、人類の価値について、あるいは未来図について」深く考察しなくては、やけどをするようなキャラクターなのだ。かろうじて語っている芸人たちも、誰とは言わないがシャアの世界観についてわかっていない。シャアを論じるということは、しつこいようだが、己の哲学が問われるのだ。

人は、「ガンダム」について語りたがる。戦争について、人類の未来について、あるいは愛について、平和について語る。これは、「宇宙戦艦ヤマト」や「ドラえもん」にもなかったアニメの現象だ。したがって、この映画にも見た人は100通り解釈があると思う。

◆人間は人間を粛正できるか? ──シャア VS アムロの命題

「機動戦士ガンダム」の骨格をなしている世界観はこうだ。

地球の人口が増えすぎて、なおかつ汚染された。だから一部の人たちは、宇宙へと移民せざると得なくなった。スペースコロニーで暮らすこの移民を「スペースノイド」と呼ぶ。この、地球から追い出されたはずの「スペースノイド」たちは、しだいに地球圏からの支配を嫌い、自治区になる道を選択し、地球圏と戦争に突入する。

「腐った地球圏の人類を根絶やしにする」との目的に立つシャアは、人類の革新ともいうべき「ニュータイプ」(認識力と知覚力に優れたもの)であると自身を自覚した。同じく「ニュータイプ」である地球連邦軍のアムロ・レイは、「人間が人間を粛正できない」として、ことごとくシャアに敵対する。これが「機動戦士ガンダム」ファーストの物語の骨格だ。

「スペースノイド」の独立を訴える為政者、シャアの父が、ザビ家の陰謀によって暗殺されて、ジオン公国ができあがる。父の復讐に燃えるシャアは仮面をかぶり、本名を隠してザビ家に復讐していくのだ。「機動戦士ガンダム」を見た者は、なぜシャアがあれほどまでに、ストイックに自分しか信じぬ乾いた男になっていったのかわからなかっただろう。だが、ようやくこの映画を観て、シャアが幼少期に陰謀により翻弄されて、人のやさしさに対して懐疑的になっていったのかが納得できるだろう。

シャアを理解するのには、膨大な資料の読み込みが必要だが、やはり漫画を読むのが早い。ビギナーには『ガンダムエース』に連載された北爪宏幸の漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』をオススメする。だがアニメ作品ではないためサンライズにおける公式設定ではない。

さて、この映画は1時間を少しオーバーするほどの短い尺だが、冒頭の戦闘シーンは迫力満点だ。監督が、人物を描いた安彦良和(漫画も描いている)なので、当然、人物描写は細かい。幼いシャアが気高い復讐心を保つことができのはなぜかファンならずとも興味があるだろう。若いドズル・ザビやランバ・ラルなどもファンを喜ばせるだろう。

◆「ガンダム」を見た時からアニメを卒業できなくなった

この映画はガンダムの35周年企画だそうだが、僕自身は、この作品(機動戦士ガンダムのファースト)を見たときからアニメを卒業できなくなった。

なにしろ、美しいメカニックデザイン(デザイナーは大河原邦男)だけでなく、そこかしこに哲学や人類の欲求が業深く描かれているのだから。

僕自身は、シャアの声を演じている池田秀一にインタビューしたことがある。
「シャアのように男らしく生きてみたい」という点で僕と池田さんの意見は一致した。そして、シャアには独特の言い回しがあり、有名な台詞として「若さゆえの過ちか。認めたくないものだな」というのがあるが、「認めなくないもんだな」ではなくやはりかたくなに「認めたくないものだな」と語尾で言い切る気高さがあるという。

もともと、手塚治虫の弟子であった富野監督は、その世界観はものすごく奥深い。細かい台詞も後々、伏線となってくるから見逃せない。ガンダムの新シリーズとして、今は『ガンダム Gのレコンギスタ』を手がけている。これは、富野由悠季監督が手掛ける、『ガンダム』シリーズの最新作で人気を集めている。本作では、『機動戦士ガンダム』で描かれた宇宙世紀(U.C.)のつぎの世紀にあたる“リギルド・センチュリー”が舞台となる。宇宙エレベーターを守る組織“キャピタルガード”のパイロット候補生、ベルリ・ゼナムの冒険が描かれていくものだ。

これこそ「新世紀の哲学」が問われる作品だが、この作品について語れる「自称ガンダム芸人」「自称ガンダム好き文化人」を見ないのは、ついに馬脚を現したと見ていいのだろうか。それともガンダムを「卒業」したのだろうか。

(ハイセーヤスダ)

◎「福島の叫び」を要とした百家争鳴を!『NO NUKES Voice』第3号!
◎《格闘技“裏”通信01》意外にもギャル層が激増、キックボクシング大会

やっぱりカギは「原発」だった──安倍首相中東訪問の真相

 

2013年はボーカロイドが発表されてから10周年を迎えた年だった。ボーカロイドと言えば初音ミク、というのは今やバーチャルアイドルと知られ、知名度は一般にも浸透するほどになった。

元々ボーカロイドは単なる「音源」であり、人声を合成して歌っているかのように作成するデータでしかない。電車内で「次は~駅です。お出口は右側です」と機械的にアナウンスする声と原理的には同じものだ。シンセサイザーで疑似的に楽器の音を作り出すのと一緒で、ボーカロイドという技術にキャラクターもなければアイドル性もない。

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映画館にて「ベイビ~大丈夫かっ Beat Child」を観てきた。映画というよりはドキュメンタリーだ。1987年8月22日夜からの、オールナイトのロックフェスティバルの模様が収められている。観客は3万人の予定が7万人まで観客が膨れ上がり、当時の国内ロックフェスとしては最大級のものとなった。それもそのはず、出演メンバーはThe Blue Hearts、岡村靖幸、白井貴子、ハウンド・ドッグ、BOOWY、尾崎豊、渡辺美里、佐野元春等々80’sを代表する豪華極まる布陣だ。

熊本は阿蘇の麓にある野外特設ステージは、突然の豪雨が一晩中降り続き、イベント続行も厳しい状態にあった。そんな中、ミュージシャンも観客もズブ濡れになりながら一夜を明かす。客席には濁流が押し寄せ、急激な気温の低下から倒れる人が続出。ステージは水浸しになり漏電の恐れもある状態だ。

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ヒット作「静かなるドン」などを連載した老舗の漫画誌「漫画サンデー」(実業之日本社)が、2月19日発売の3月5日号で休刊するニュースが、業界者ならずとも関心を呼んでいる。
「昨年末に24年も続いた『静かなるドン』の連載が終わり、ほかに目玉となる物語がなかっただけにつらかったのだろう。今、漫画雑誌の読者は40、50代が中心で、青年層を取り込むのは難しいことも拍車をかけていた」(編集者)

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8月にフィンランドに行ったのは、エアギター世界選手権のファイナルステージを見るためだった。
計画を立て始めたのは、今年の春頃。なにしろ、世界選手権のファイナルステージなのであるから、まずはチケットを手に入れないことには話にならない、と思った。
日本でも手に入る、と最初聞いたので、チケットぴあを始め各種チケットセンターで検索したが、見つからない。
フィンランド大使館の観光局に電話するが、いつも留守電だ。
フィンランドのエアギター世界選手権事務局にメールするが、返事は来ない。
これが、フィンランド流なのだな、と思った。すでに旅は始まっていた。

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週末までだったので、奈良美智展を見に、横浜美術館に行った。
今後は、青森県立美術館、熊本市現代美術館を巡回する予定のようだ。

かわいらいしいけど芯があって、迷いながらもしっかり自分を持っている、ちょっと反抗心も見えるような女の子の絵が、奈良さんの絵の特徴だ。普段はなかなか見ることができない、大きなオブジェもあって楽しめる。

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8月7~9日にかけて大麻草検証委員会主催の『まつりの祭り』という大麻の産業利用普及を促すイベントが、山梨県の西湖で開催された。

大麻、ということで、不健康なジャンキー集団による怪しい集会をイメージしていたが、すぐに誤解は払拭された。参加者の多くはオーガニック(有機農法)やロハス(健康と持続性を意識した生活)を実践する20~40歳代で、食事や環境問題について真剣に考えて生きる人が大半だった。また子供連れも多く和やかな雰囲気でイベントは進行する。

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