台風6号が沖縄から九州へ接近しそうだ。強い台風なので被害が出ないことを願うばかりだが、台風6号が通り過ぎたあとには、沖縄から熊本へ素敵な「風」がやってくる。

7回目を迎える「琉球の風」が今月17日(日)「フードパル熊本」(熊本市北区)で行われる。昨年の実施が延期となり1年おいての「琉球の風」となるが、沖縄音楽ファンには一足早い「夏」の訪れとなろう。

5月17日熊本「琉球の風」2015

◆宇崎竜童、宮沢和史、ネーネーズなど強力多彩な出演者

大御所、知名定男がプロデュースする「琉球の風」には50代以上の方なら誰でも御記憶であろう「あんた、あの娘のなんなのさ」の歌詞が印象的だった「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」で一世を風靡した宇崎竜童が友情出演、元THE BOOMの宮沢和史、新良幸人withサンデー、大島保克、下地勇、かりゆし58、金城安紀、AFEE、ネーネーズ、川畑さおり、SHY with 古見健二、國吉大介というそうそうたる顔ぶれが登場する。琉球國祭り太鼓九州支部の演奏も楽しみだ。


◎[参考動画]熊本に流れる「琉球の風」(2012年NHKニュース)Published on Sep 26, 2012 TOSHIRO Kikuchi

◆沖縄の唄と踊りと指笛と泡盛の香りが溢れる日

琉球(沖縄)音楽は日本のポップス界に限らず世界の音楽へも影響を与える独自文化であり、特に「平和」や「命」、「幸せ」を歌い上げる歌詞やメロディーが人々の心に響く。「歌謡曲」というジャンルが実質消滅した日本の音楽シーンで、量産される所謂「J-POP」は一時ヒットチャートの頂に立っても、そのほとんどは数年もすれば忘れ去られる。他方琉球発の楽曲は色あせることなく残り続け、若者だけでなく、幅広い年齢層の心を掴む。

距離的にも近い台湾でも琉球出身歌手は大人気でコンサートが開かれる時は大通りに日本語そのままの幟(のぼり)が何千本もはためく。

「琉球の風2015実行委員会」主催のフェスティバルには全国からファンが駆けつける。今年も熊本に南からの「風」と泡盛の香り、そして指笛と踊りがあふれることだろう。

五月晴れの空の下で「琉球の風」に吹かれ聴きなれたあの曲や、初めて耳にする新鮮さにオリオンビールを飲めば、日常のごちゃごちゃから離れウチナーに旅行した気分に浸れることは間違いない。まだ、若干だがチケットが残っているそうだ。チケットぴあ(セブンイレブン/サークルKサンクス≪Pコード:257-279≫、ローソンチケット≪Lコード:84197≫などで入手できる。お問い合わせは琉球の風2015実行委員会「島風(Shimakaji)」http://www.felicia.co.jp/shimakaji/まで。

そうそう言い忘れてはいけない。鹿砦社は「琉球の風」を協賛し応援している。鹿砦社本社の窓から見える甲子園では今季だらしなく見る影もない阪神タイガース。甲子園では「六甲おろし」が聞かれないが、熊本では「琉球の風」を吹かすのに一役買っている(笑)。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ

『島唄よ、風になれ! 「琉球の風」と東濱弘憲 特別限定保存版』

◆5.17「琉球の風」2015強力多彩な出演ミュージシャンyoutube動画リスト[順不同]


◎知名定男「ジントヨーワルツ」


◎宇崎竜童「沖縄ベイブルース」


◎宮沢和史(THE BOOM)「島唄」20周年記念 ver PV


◎新良幸人withサンデー「パピル節」


◎大島保克「流星」


◎下地 勇「民衆の躍動」


◎かりゆし58「アンマー」


◎金城安紀 ヒヤミカチ節~カリーの唄 by 金城安紀&ありあり娘


◎ネーネーズ「黄金の花」


◎川畑さおり「永遠の碧 (あお)」 2011 奄美紅白歌合戦より


◎SHY with 古見健二
SHY「 君にファンキーミュージック 君とファンキータイム」


◎國吉大介「どうぞよろしくございます!」


◎玉城満[司会]出演作=映画「ウンタマギルー」でのワタブーショー

岩清水愛[司会](エフエム熊本パーソナリティ)

内田樹氏と鈴木邦男氏の対談がファン待望の中、実現し書籍となった。『慨世の遠吠え 強い国になりたい症候群』が鹿砦社から3月16日発売になり、それを記念してのトークショーが4月20日ジュンク堂難波店で行われた。

会場には立ち見が出るほどの盛況ぶりで内田、鈴木両氏の人気と同書への関心の高さが伺われた。

意外と言えば意外なのだが、両氏の対談は鹿砦社の福本氏が持ち掛けるまでどの出版社からもオファーが無かったという。

鈴木邦男氏と内田樹氏(2015年4月20日ジュンク堂難波店)

巻頭で鈴木氏が「これはもう、対談本ではない。『対談本』の概念・領域を超えている。これだけお互いの全存在を賭けて話し合い、闘った本は他にはないだろう」との告白で始まる同書は映画館や、会議室など幾度も場所をかえての対談が行われ、その真骨頂として鈴木氏が内田氏が師範を勤める道場に乗り込み合気道で闘う。

その貴重な「闘い」の場面を記録した写真も収められているので、両氏の愛読者には欠かすことのできない貴重な「対談本を超えた対談本」となろう。

◆武道家で読書家の二人が織りなす「しなやか」な言葉の織物

この様に紹介すると誤解されるおそれがあるが、本書の対談は「右・左」といった位相から語るのではなく、共に武道家でもあり驚異的な読書家で博覧強記のお二人が織りなす言葉の織物のように「しなやか」に進んでいく。ある種の芸術作品のようだ。

トークショーでは主として内田氏のパワーが炸裂していた。立て板に水の語り。しかも対談者は聞き出すことにかけても天才的な才能を持つ鈴木氏となれば、時間がいくらあっても足りない印象を受けた。

内田 樹 氏

戦国時代に日本人はかなり世界に広く出かけて行っていて、今で言うところの「グローバル」の先端を行っていたこと、源平の戦いは水を司る者と陸を司る者の闘いであったこと、水を司る勢力が権力を握った時代、日本は外国に開かれていた……。と興味を誘う話題は尽きない。

同書のエッセンスをお伝えすることは出来るにしても、やはり読者諸氏が実際に手に取ってお読みいただきたい。そして受動的な「読者」としてではなく、この「対談本を超えた対談本」への更なる知的格闘の参加者として挑まれれば「書籍」の域を超えた刺激が待っていることだろう。

 

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ

◎廃炉は出来ない──東電廃炉責任者がNHKで語る現実を無視する「自粛」の狂気
◎『人間の尊厳』をめぐる浅野健一、小出裕章、松岡利康らの関西大講義に履修者殺到!
◎基地も国民も「粛々」と無視して無為な外遊をし続ける安倍の「狂気と末期」
◎マクドナルド最終局面──外食産業が強いる「貧困搾取」ビジネスモデル

 

内田樹×鈴木邦男『慨世(がいせい)の遠吠え 強い国になりたい症候群』大好評発売中!

 

 

4月7日午後6時30分から、鹿砦社が主催しての『月刊「紙の爆弾」創刊10周年記念の集い』が東京・水道橋のたんぽぽ舎で催された。一般の読者の方も参加し、90人を超える参加者たちで会場は熱気にあふれていた。

中川志大「紙の爆弾」編集長

中川志大「紙の爆弾」編集長

冒頭、この10年をふりかえって中川志大編集長がこう話した。

「創刊から一貫して約束していることは、『自粛をしない』ということです。松岡社長の逮捕が創刊直後(2005年7月12日)にあり、さまざまな方に助けていただいてやめるにやめられなくなりました。助けていただいた方に感謝していますし、これからも雑誌の方向性として『自粛していかない』というスタンスをとりたいと思います」

◆「コンビニに置いてもらえるように部数増を!」(ミサオ・レッドウルフさん)

また、この日のメインゲストである反原発活動家のミサオ・レッドウルフさん(首都圏反原発連合)は、反原発活動の現状をつぶさに語る。とりわけ、出版関係者が多いからか、「メディアと運動論」という話になっていく。

ミサオ・レッドウルフさん(首都圏反原発連合)

ミサオ・レッドウルフさん(首都圏反原発連合)

「インターネットの使いかたがこれから大切になってきます。みんながメディアになれるので、誹謗中傷だけしている人もいれば、まっとうな意見もある。これからネットは改革しだいでテレビや新聞を超えるメディアになっていく可能性があります。使いかたしだいでは、おもしろいと思うのです。自分たちでは、何もできないことがある。みんなで声をあげていくことが大切なのです。一番、大切なのは『意志の力』です。それと、いつも思うのは、新聞などで選挙前に『どの党を支持していますか』と聞く世論調査を止めてほしい。あれこそ誘導だと思います。あれで(多勢に無勢と)諦めて選挙に行かないという人が増えていると思います」

また「NHKはダメだ、などメディアをひとくくりにしてはいけないと思う。大手の新聞記者なども隙間を縫ってなんとか反原発について書こうとしている人もいる」とした。さらに『紙の爆弾』については「なんとかコンビニエンスストアに置いてもらえるように部数増を」とエールを飛ばしてくれ、喝采が起きた。

◆「事件を乗り越えて、鹿砦社も『紙の爆弾』もむしろ元気になった」(松岡利康社長)

松岡利康鹿砦社社長

この日、鹿砦社の苦境を支えた業界人や弁護士、ライター、印刷業者などたくさんの心ある方が集まっていたが挨拶にたった松岡利康社長は、

「私が逮捕されるという事件がなければ、今『紙の爆弾』はなかったかもしれない。あの事件を乗り越えて、鹿砦社も『紙の爆弾』もむしろ元気になった。今『紙の爆弾』から派生している反原発雑誌『NO NUKES voice』も一層の充実を図っていきたい。あんな事件を起こして、なおかつ再稼働させようというのは常識外だし、子供を安心してプールで泳がせることもできない事態にしてはいけない』と気を吐いた。

また、レッドウルフさんの講演が終わってから、鹿砦社を支えた人たち、鈴木邦男さんや、元赤軍派議長の塩見孝也さん、ライターの板坂剛さんや星野陽平さんなどが次々とスピーチを述べていた。

◆10年前の7月12日──「これは不当逮捕だ」と直感した

鹿砦社を支える人たちに囲まれつつも、僕は2005年7月12日を思い出していた。

「松岡社長が逮捕されたみたいよ」と、テレビのニュースを見て妻が僕に伝えたのは午前10時を少し回ったくらいだった。

いくつか原稿を受注していたので、中川編集長にあわてて電話したが、あとで聞くと検察が東京支社に来ていたせいか、なかなか繋がらず、ようやく11時30分頃、「大丈夫ですか」と聞くと「ありがとうございます。とりあえず状況が把握できていないのであらためてお伝えします」という答えが返ってきた。

様々な情報をかき集めると、パチンコ会社のアルゼ(現ユニバーサルエンターテインメント)、プロ野球チーム・阪神タイガースの元職員を中傷したというのが容疑の内容で、名誉毀損で逮捕された、という。

憲法21条には「表現の自由」が定められており、日本ほど言論の自由が保障される国家はないと信じてきた僕は、少なくとも直感的に「これは不当逮捕だ」と感じた。『紙の爆弾』が創刊された頃、メディアの訴訟は名誉毀損で基準が300万円となっており、これもメディアが萎縮する原因となっていた。僕自身は、「なんでも書いていい」というスタンスの『紙の爆弾』に、濁流の中に立てた旗のごとく佇む「孤立性と強さ」を感じていた。その姿は、「今が潮時」とさっさと休刊した『噂の真相』とは対称的だった。ただし、僕自身は、何度も『噂の真相』を引き継ぎたいと岡留氏に談判していたが。

その『噂の真相』の岡留編集長も(すでにリタイヤしていたが)「これは不当逮捕である」と松岡社長の逮捕時にテレビでコメントを出した。

◆「戦う意志の集積」としての言論メディアへと変貌していった『紙の爆弾』

1審の神戸地裁は松岡社長に「懲役1年2カ月、執行猶予4年」の有罪判決を言い渡している。松岡社長側は「この裁判は無罪でなければ意味がない」として直ちに控訴した。

こうした間『紙の爆弾』は単なる「タブーなきスキャンダルマガジン」ではなく「鹿砦社として戦う意志の集積」としての言論メディアへと変貌を遂げていった。

逮捕直後、「いつギャラが出るかわかりませんよ」と中川編集長はライターたちに告げた。鹿砦社は経営的にも煮詰まり、いつ再び前進するかわからぬ暗礁に乗り上げたのだ。このとき「それでもかまわない」とした人たちが、今、鹿砦社を支える人たちとなった。

僕自身も「ギャラなんかいつでもかまいませんよ」と返答した。払ってもらうにこしたことはないのでやせ我慢だ。ただ、「このままわけがわからない権力なるものに負ける」ということは、今後も言論が制限される可能性を示す。鹿砦社の戦いは、他人ごとではなかったのだ。もちろん、僕は中川編集長や松岡社長ほどの苦労は浴びていないが。

◆「人を嵌めようとすると自らも嵌められる」(松岡利康社長)

「ふざけるなよ。鹿砦社とかかわってとんでもない目にあったよ」と吹聴するふざけた輩もいた。今、思えばこのとき去っていった人たちは、業界そのものから軒並み姿を消した。そんなものだろうと思う。

「雨天の友」こそ、味方としてそばに置くべきなのだ。そしてあの逮捕は「本物」を洗い出したのだ。

あの2005年7月12日に松岡利康社長を取り調べた大坪弘道 は、後に大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件において、懲戒免職となり、大阪地裁は大坪に懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡している。また、手錠をかけた宮本健志(たけし)・徳島地検次席検事 は深夜に酔っ払って市民の車を蹴り戒告処分を受けた。

鹿砦社を追い詰めたかに見える悪徳パチンコ業者のユニバーサルエンタテイメント(旧アルゼ)はフィリピンのカジノにおける賄賂問題でFBIの追及を受けている

松岡社長は「人をはめようとすると自らもはめられる」と語る。因果応報とは、彼らのためにあるような言葉だ。

鹿砦社は事件を乗り越えて「蘇生」したのだ。その象徴が、『紙の爆弾』なのである。(小林俊之)

◎『噂の眞相』から『紙の爆弾』へと連なる反権力とスキャンダリズムの現在

◎反原発の連帯──来年4月、電力は自由化され、電力会社を選べるようになる

◎追跡せよ!731部隊の功罪──「731部隊最後の裁判」を傍聴して

自粛しない、潰されない──「紙の爆弾」創刊10周年号発売中!

 

 

編集後記(松岡利康=鹿砦社代表)より

鹿児島川内原発ゲート前(2015年1月25日)

『NO NUKES voice』vol.3をお届けします。3・11から4年の直前ということもあり、vol.1、vol.2に比べ大幅なページ増(24ページも!)となりました。それでも次号に回させていただいた原稿もあります。本来なら定価も上げるところ、えいっ、据え置きました。まだまだ知名度もなく、広く多くの方々に手にとっていただくことを最優先に考えたからです。

vol.1、vol.2は、それなりに反響があったものの、発行部数が多かったこともあり大幅な赤字でした。それでも大幅にページを増やしたり定価を据え置いたり、さらに赤字を増やす危険を冒してイカレてしまったのか!?

今のところは会社も少しは余裕もあり、ははは、大丈夫、大丈夫!(苦笑)しかし、まだ余裕があるうちに黒字化に持って行きたいところです。そうしないと続きませんからね。できるだけ早く本誌だけで採算的に独立できるように努めたいものです。

vol.1、vol.2に続き今号も力作が揃いました。特に若い時から陰ながら尊敬していた水戸巌さん、高木仁三郎さんお二人のご夫人に同じ号でご登場いただけたことは、おそらくこれまでなかったことではないでしょうか。日本の反原発運動の先駆けでありながら、いろんな妨害などで孤立無援に近い闘いを持続してこられた水戸・高木両氏、今こそ私たちはお二人の想いや意志を甦らせねばなりません。

特に(私個人としても)お二人が70年代初めに関わられた三里塚闘争の意味、これが共通項になっていることに着眼していただきたいと思います。私も当時、第二次強制収用阻止闘争前後に一時期三里塚と大学(京都)を往復したりし、この第二次強制収用阻止闘争を闘いました。この体験が今に生きている思っています。あれだけシンドい闘いをやれたのだから、あれ以上の闘いはないし、どのように苦しくても頑張れる……と自分に言い聞かせてきたつもりです。

話が逸れるかもしれませんが、経済産業省前のテントひろばこそ、“もうひとつの三里塚闘争”といえ、かつて三里塚闘争に関わった方々(“老人行動隊”!? 失礼!)が多く支えていますので、これはちょっとやそっとでは潰れないと思います。

同じ時代に三里塚闘争に関わりながら、お二人の想いや意志を理解できず、結果としてお二人を孤立無援に近い情況にしてきたことが悔やまれます。

◆本誌を3号編集して、まだ3号だけですが、多くの方々にご協力賜っています。人間は統一、画一を求めるようで、同じ意見でなければ排除したり、同じ雑誌に意見の異なる人を登場させることを嫌いがちです。しかし、100人の人間がいれば100人、個性も考え方も異なります。今号に登場されている方々を見ても、脱(反)原発という点では同じでも、微妙に、いや、かなり意見が異なっています。確かに寄稿やインタビューを依頼する際、私自身の好き嫌いも否めませんが、最大限本誌は百家争鳴で行きたいと思っています。

この際、少なくとも重きを置きたいことは、まず福島の方々の生の声をできるだけ盛り込む若い世代、研究者、(ノンセクトの)活動家、アーティストら多種多彩な方々に登場いただき、まさに百花繚乱の雑誌にできれば、と考えています。ただ、政党や党派関係の方は、みずからの発表の場や媒体があるでしょうから、べつに本誌に登場いただかなくてもいいでしょう。

◆投稿欄で板坂剛さんが小出裕章先生の「私は喜んで非国民になります」との言にいたく感銘を受けていますが、これに倣って「非国民会議」を設立しようと意志一致しました。官製の「国民会議」というのがありますが、これに対抗し「非国民会議」、いいんじゃないでしょうか。しかし今、原発やオリンピックに反対したりすることは果たして国益に適うのか、むしろ逆説的に「非国民」と開き直る小出先生らのほうが、よっぽど愛国者だと思います。この期に及んでまで、美しい日本の国土をさらに荒廃させる原発推進支持者こそ、真の意味で<非国民>だ!

次号vol.4は5月発行予定です。ご期待ください!

松岡利康(鹿砦社代表)

鹿児島川内原発ゲート前(2015年1月25日)

本日発売『NO NUKES Voice』3号目次はこちら!

2月8日鹿砦社主催の「前田日明ゼミin西宮」の第1回がお馴染みの鈴木邦男さんをゲストに迎え60余名の聴衆が集散し、これまで同様cafeインティラミで開催された。「前田日明ゼミ」への関心の高さは『紙の爆弾』誌上で発表後時間をおかずに定員に達したことからも伺われたが、この日も会場へ直接申し込みなく訪れた方々が10名を超えた。

会場スペースと消防法の規定もあり、当日会場に来られた方々は入場することが出来ずにお帰り頂いたそうだが、鹿砦社の担当者の方からは「大変申し訳ないが事情を理解していただき、次回以降申し込みをして頂き是非ご参加を」とのコメントがあった。

会場には鹿砦社のロゴやカレンダーなどを手掛ける「龍一郎」さん(前田さんの大ファンだそうだ)も駆けつけ、対談開始前に会場で書を実践披露していただいた。書かれたのは「誠」。清々しいサプライズを受けて対談が始まった。

この日のテーマは「真の愛国者とは~現代日本は社会を読み解く~」であった。新右翼でありながら今や「境界なき思想家」である鈴木さんと韓国籍から日本国籍へ帰化された前田さんの間でどんな激論が交わされるのか。「愛国」を語らせたら、これ以上ないスリリングな組み合わせに会場は静かながら緊張感に包まれた。

鈴木さんは吉田松陰や幕末に活躍した人間が専ら中国の古典から教養の基礎を学んでいたことを紹介し、日本で昨今見られる排外主義に疑問を呈すると、前田さんはすかさずそれに呼応する。いわく武士の教本は「四書五経」にあったと。

◆サンフランシスコ講和条約──問題はそこから始まってる

前田さんが恐るべき読書家で、それには鈴木さんすら一目置くほどだという事実は知る人ぞ知るところだが、その後も歴史的にあまり知られていない重要な事実を前田さんはどんどん明かしてゆく。

「吉田茂と白洲次郎は売国奴ですよ」

「サンフランシスコ講和条約は何語で書かれているか皆さんご存知ですか?英語、フランス語、スペイン語、付け足しで日本語と書かれてるけど、政府答弁ではサンフランシスコ講和条約の日本語版は存在しない!」

「サンフランシスコ講和条約の中で、日本に主権を返すという記述はある。でもそれは日本国にじゃなくて”Japanese People”と書かれてる。これ日本人でしょ。日本国じゃないですよ。でも政府は日本国と偽訳で国民を誤魔化してるんです。」

「敗戦に伴う賠償請求はしないことになったると言われてるけど嘘ですよ。よく読んだら戦費以外は『いつでも、私企業にも賠償させることが出来る』て書いてある。だから日本は国連やIMFへの出資が多い。ODAもそうですよ。日米安保以前にサンフランシスコ講和条約の問題を誰も言わないでしょ。問題はそこから始まってるんですよ」

「今まで何百人という政治家に会ってきましたけど、この人は本物だなと思える人は2、3人ですね。あとは皆だめですね。私の質問にも答えられない」

◆彼ら(在特会)のやってること自体が『在日』そのもの

そして、いよいよ「愛国者」に関係の深い昨今の差別問題へと鈴木さんが話題を向ける。前田さんは実際に「在特会」のデモやヘイトスピーチを目にしたことはないというが、

「彼らのやってること自体が『在日』そのものなんですよ。『在日』にもいろんな人間いるから変な奴もいる。正に『在日』の悪い部分そのものですね」

と在特会こそ『在日』の闇の部分だと指摘する。だが、

「もし目の前であんな事言われたら、日本刀でぶった切るかもね(笑)」

とやはり前田さんにも許し難い行為のようだ。更に新井将敬(元韓国籍から日本国籍に帰化、自民党から国会議員に当選するも自殺)、中川一郎、果ては橋本龍太郎の死に対して疑いの目が向けられる。

「謀略って日本人はあまり信用しないけどあるんですよ」

前田日明ゼミ第一回は早速ダッシュで始まった印象だ。本当はゲストである鈴木さんの「聞き出し方の旨さ」も際立っていた。鈴木さんに取調官をやらせたらきっと優秀だろう。

ゼミ終了後、同じ場所で懇親会が開催された。前田日明ファンが写真を撮ったり、握手を求めたり列をなした。中には時価1千万円の価値があるという「テレホンカード」の数々を持参して前田さんにサインをもらっている方もいた。極め付けは「技をかけて!」と願い出る女性へのコブラツイスト!

次回以降も何が起こるかわからない。期待を寄せる刺激に満ちた初回スペシャルだった。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ

◎渡辺昇一の「朝日憎し」提訴原告数が「在特会」構成員数とほぼ一致
◎粗悪な食文化の伝道企業=マクドナルドの衰退は「自然の理」
◎人質事件で露呈した安倍首相の人並み外れた「問題発生能力」こそが大問題

あらゆる事件は同時多発で連関する──『紙の爆弾』3月号発売中!

 

日付が一つ進んだからといって、自然界に何ら変化があるわけではない。我々が今日世界の支配的時間軸として使っているのはグレゴリオ暦こと「太陽暦」である。他にも「太陰暦」や「ヒジュラ暦」など世界にはいくつもの時間の物差しがある。「暦」によって祝賀の日も当然異なる。

まあ、そういった面倒くさい話は抜きにしよう。昔ほどではないにしろ、日本にとって「お正月」は現在でもやはり一年を通して特別に違いない。

喪中の方々を除いては、とにかく「おめでとうございます」だ。今日に限っては「口うるさい」私も邪魔くさいことは言わない。

新年あけましておめでとうございます!!

さて、お正月である。柄にもなく読者の皆さんに私からのささやかなプレゼントをお届けしたい。といっても人からの借り物だけど・・・。

生徒諸君

諸君はこの颯爽たる
諸君の未来圏から吹いて来る
透明な清潔な風を感じないのか
それは一つの送られた光線であり
決せられた南の風である

諸君はこの時代に強ひられ率ゐられて
奴隷のやうに忍従することを欲するか
今日の歴史や地史の資料からのみ論ずるならば
われらの祖先乃至はわれらに至るまで
すべての信仰や特性は
ただ誤解から生じたとさへ見え
しかも科学はいまだに暗く
われらに自殺と自棄のみをしか保証せぬ

むしろ諸君よ
更にあらたな正しい時代をつくれ

諸君よ
紺いろの地平線が膨らみ高まるときに
諸君はその中に没することを欲するか
じつに諸君は此の地平線に於ける
あらゆる形の山嶽でなければならぬ
宙宇は絶えずわれらによって変化する

誰が誰よりどうだとか
誰の仕事がどうしたとか
そんなことを言ってゐるひまがあるか

新たな詩人よ
雲から光から嵐から
透明なエネルギーを得て
人と地球によるべき形を暗示せよ

新しい時代のコペルニクスよ
余りに重苦しい重力の法則から
この銀河系を解き放て
衝動のやうにさへ行はれる
すべての農業労働を
冷く透明な解析によって
その藍いろの影といっしょに
舞踏の範囲にまで高めよ

新たな時代のマルクスよ
これらの盲目な衝動から動く世界を
素晴らしく美しい構成に変へよ
新しい時代のダーヴヰンよ
更に東洋風静観のキャレンヂャーに載って
銀河系空間の外にも至り
透明に深く正しい地史 と
増訂された生物学をわれらに示せ

おほよそ統計に従はば
諸君のなかには少くとも千人の天才がなければならぬ
素質ある諸君はただにこれらを刻み出すべきである

潮や風……
あらゆる自然の力を用ひ尽くして
諸君は新たな自然を形成するのに努めねばならぬ

ああ諸君はいま
この颯爽たる諸君の未来圏から吹いて来る
透明な風を感じないのか

宮沢賢治

私は宮沢賢治の宇宙観と透明感が好きだ。押しつけがましかったらご容赦頂きたい。

たぶんかなわないだろうけども、読者諸氏に災禍少なく爽やかな1年でありますように。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ

いつも何度でも福島を想う

 

昨年は「デジタル鹿砦社通信」のご拝読、ありがとうございました。

本年も、皆様方のご期待に応え、もっと激しく展開したいと思っております。
既存のメディアが権力のポチ化し劣化していく中で、私たちは独立独歩、
タブーなき言論を堅持する決意を更に固めています。

旧年に倍するご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

2015年1月1日

「デジタル鹿砦社通信」編集部/執筆者一同

ほとんど想像するのが不可能である人々の群れがある。その方々はたぶん、世間で言われる「普通」より敏感な感性の持ち主で、個性が強い人達だろう、というくらいは見立てがつく。しかし、正直なところその方々の真の「属性」のようなものが掴めない。

私がその姿をあれこれ思い浮かべているのは、ほかでもない「デジタル鹿砦社通信」の読者、つまり「あなた」のことだ。勘違いしないでほしいが私はあなたの年齢や思想傾向、性別などを個人的な趣味で知りたがっているわけではない。

本コラムを読むにあたって、鹿砦社トップページをまず開くと、「デジタル鹿砦社通信」と並んでいるのがいかにも似つかわしくない「ジャニーズ研究会」の見出しが目に入る。どうにも奇異なこの組み合わせだが「ジャニーズ研究会」の読者数はここだけの話、腰を抜かしそうな数にのぼるそうだ。そしてその読者像はだいたい見当がつく。

他方、毎日(毎日ではなく、「時々」であっても)本コラムを読んでくださっている「あなた」の姿は、こちら側からは想像するのがひどく難しいのだ。

毎日更新ながら一貫した主張があるわけでもなく、極めて深刻な冤罪事件から、週刊誌では読めない芸能ネタ、またパロディーや、アジビラかと見まがう内容までを拝読いただいている「あなた」。「あなた」はいったい、どんな方々なのだろうか。

こんな疑問が湧いたのにはそれなりの理由がある。本コラムは2011年に開始され、幾度か執筆陣の入れ替えなどを経て、本年8月から現体制で再スタートしている。現体制での発足後半年にも満たないわけだが、無事年を越せることについて、「あなた」をはじめとする関係各位に年末のご挨拶を申し上げたいのだ。

不肖私ごときが他の執筆者の方々になり替わわるのははなはだ僭越と分かりつつも、本年このコラムをご拝読頂いたことに対して御礼を申し上げたい。

「鹿砦社」というアナーキーな出版社が許容してくれているから本コラムは成立しているが、それにもまして拝読頂ける「あなた」があってのことである。

だから、私は「あなた」のことに興味がある。「あなた」がわかれば、来年はもう少し「あなた」に興味を持っていただけるように、「あなた」に知って頂けるように、「あなた」に怒ってもらえるように、そして「あなた」に笑っていただけるように工夫が出来るのではないかと。

でも、誤解なきようお断りしておかなければならない。仮に「あなた」が分かっても、私は(きっと他の執筆陣も)工夫することはあれ、主張を変えることはないだろう。

自由な言論の領域がみるみる狭まる時代の中で、何のタブーもなく、方針もない本コラムは世間から「尊敬」される存在でありたいなどという勘違いは端から微塵も持ち合わせていない。むしろ権力者や大きなツラをした連中から「鬱陶し」がられ「顰蹙を買う」存在を貫徹したい。

本年は大変お世話になりました。皆様にとりまして幸多き2015年となりますよう祈念いたします。来年も「デジタル鹿砦社通信」をより一層よろしくお願いいたします!

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ

いつも何度でも福島を想う

 

田所敏夫の《大学異論》──もうひとつの大学を求めて
○140819《01》「度を越した」改革で立命館が一線を越える日(前編)
○140820《02》「度を越した」改革で立命館が一線を越える日(後編)
○140821《03》職員の7割が「非正規」派遣・契約のブラック大学
○140822《04》志ある「非正規」は去り、無責任な正職員ばかりが居坐る
○140823《05》私が大学職員だった頃の学生救済策
○140824《06》「立て看板」のない大学なんて!
○140826《07》代ゼミと河合塾──予備校受難時代に何が明暗を分けたのか?
○140904《08》5年も経てば激変する大学の内実
○140922《09》刑事ドラマより面白い「大学職員」という仕事
○140929《10》公安警察と密着する不埒な大学職員だった私
○141007《11》「草の根ファシズム」の脅迫に抗した北星学園大学にエールを!
○141016《12》大学ゴロ──学生確保の裏で跋扈する悪徳業者たち
○141025《13》学園祭で「SMショー」は芸術か?ワイセツか?
○141030《14》学園祭のトラブルは大学職員が身体を張って収束させる
○141104《15》北星学園大学を追い詰めた「閾下のファシズム」
○141106《16》京都大学が公安警察の構内潜入を拒否するのは100%当たり前!
○141112《17》学園祭の「ミスコン」から芸能界へ、という人生
○141114《18》「過激派」は学生でなく今の日本・安倍政権!──京大集会見聞記
○141115《19》警察が京大に160倍返しの異常報復!リーク喜ぶ翼賛日テレ!
○141119《20》過去を披歴しない「闘士」矢谷暢一郎──同志社の良心を継ぐ
○141210《21》本気で学ぶ大学の選び方─「グローバル」より「リベラルアーツ」
○141220《22》真っ当に誠実さを貫く北星学園大学の勇断に賛辞と支援を!
○141226《23》青山学院大学──経営者自らがぶち壊す「青学ブランド」

創刊号の興奮さめやらぬ中、『NO NUKES voice』第2号が11月20日遂に発売となった。鹿砦社特別取材班は、「アホ」否、安倍政権が再稼働策動を進める中、断固たる決意と闘争心をみなぎらせ読者諸氏に第2号をお届けできることを誇りに思う。

我々、取材班は福島原発事故後、それぞれ個別に闘っていた戦士が『NO NUKES voice』創刊に際して奇しくも出会うこととなり、様々な戦闘員がそれぞれのアプローチで「敵=原発再稼働、推進勢力」と全面的に対峙し、革命的に「ペンと行動力」のみを武器として敵を打倒する戦線を構築することで合意した。

◆鹿砦社の真骨頂! 原子力規制委員会の田中俊一委員長を自宅までおっかけた!

第2号での革命的「ペンと行動力」の筆頭は、原子力規制委員会委員長=田中俊一おっかけ直撃報告だ。田中俊一のすべてが明らかになるこの総力特集は下手をすれば「出版停止」を食らう懸念もあったほど内容が濃密だ。加えて、田中俊一への電撃取材、インタビュー。「鹿砦社」が最も得意とする直撃、おっかけ、追求の全要素を織り込んだこの記事は必ずや世間の顰蹙を買うことだろう(いや、喝采を浴びるか?)。これまでジャニーズを、タカラジェンヌを、全芸能人を震撼せしめてきた鹿砦社の「スキャンダリズム」。その境地が悪の権化原子力規制委員会委員長田中俊俊一へ容赦なく浴びせられている! この記事を読まずして反原発を語ることはできない!


◎原子力規制委員長・田中俊一氏「答える必要がありますか。なさそうだから、やめておきます」

さあ、もう書店に走るしかないではないか! え? 書店においていない? おかしいなぁ。でも大丈夫だ。書店に見当たらなければ直接「鹿砦社」へ購入の申し込みをしよう。メール(sales@rokusaisha.com)にて簡単に注文できる。お名前、ご住所、電話番号と「NO NUKES voice 第2号購入希望」と書いて今すぐメールだ!

そうだ! 反原発を戦うにはシングルイシューでは知恵が足らないかも知れない。推進派の連中は悪知恵にかけては世界一の嘘つきだらけじゃないか。この際、推進派と闘う知恵を養う勉強のために、政治、社会問題、芸能等総合的に盛り込んだ月刊『紙の爆弾』も定期購読しよう! うんうん、いい考えだ。『紙の爆弾』を読んでいればきっと立派な人間になれることを我々は保証する?

山本太郎議員は9月初旬に解散総選挙を予見していた!

いかん。冗談のようになってしまったが、待ってほしい。第2号には反原発のビックネームだって登場が目白押しだ。我らが山本太郎君(いや、議員)は議員会館で冷静に反原発を語ってくれた。

これもここだけの話だが、彼はインタビューに応じてくれた9月3日の時点で、既に解散を予見して行動を始めていたのだ! そんな議員が他にいただろうか? 俳優から市民運動へそこから国会へ駆け上がった山本太郎の示唆に富むインタビューもこれまでのよそで見たものと一味違う。解散総選挙になるそうだが、このインタビューは明らかにそれを予見したものだ。

 

◆大阪から世界の空に吼える中川敬(ソウルフラワーユニオン)

そして、これまた関西出身のソウルフラワーユニオンの中川敬は反原発だけじゃなくて社会派ミュージシャンの日本代表! え? ソウルフラワーユニオン知らない? うーん困ったな。まあいいよ、とにかく読んでごらん。滅茶苦茶かっこいいお兄ちゃんだから(50近いけどね)、頭いいし(髪型が20年も変わらないのが羨ましい)ね。


◎ソウル・フラワー・ユニオン[Trailer] 『アンダーグラウンド・レイルロード』

◆権力者のウソを暴き続ける「おしどりマコ・ケン」!

反原発は関西勢が元気あるよね。そのシンボルとも言える「おしどりマコ・ケン」も登場!「おしどりマコってなんでいつもどこにでもいるの?」、「ケンって『うんうん』しか言わないけど本当に芸人なの?」その疑問が遂に明らかになる(かも)。


◎「おしどりマコのドイツ見聞録」(2014年6月19日たんぽぽ舎主催、ふくしま集団疎開裁判の会共催)

一転、東大からは御用学者ではない高橋哲哉さんが登場。高橋さんの本は分かりやすく歴史や差別、社会問題を解き明かしてくれるからこの記事も必見! 東大には入れない君も(僕も)東大生の受けている良質な講義の一端を経験できる。

他にも盛りだくさん。エネルギーが溢れすぎている。『NO NUKES voice』を手にすれば、再稼働なんか絶対必要ないとさらに自信が深まるだろう。(伊藤太郎)

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私たちが、多くの方々のご協力を得て、会社を挙げ総力で創刊した
脱原発情報マガジン『NO NUKES voice』vol.2発売のお知らせです!
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原発いらない!全国から最前線の声を集めた脱原発情報マガジン『NO NUKES voice』Vol.2が11月20日発売!
Vol.2では様々な立場から原発と、それを取り巻く社会情勢について考える人々の声をお届けします。

安倍政権や原子力マフィアの問題にも斬り込む高橋哲哉さんのインタビューを筆頭に、中川敬さん、おしどりマコ・ケンさん、山本太郎さん、西尾漠さんと多彩なラインナップは、示唆に富む、興味深い話が満載です。

また総力特集では、原子力規制委員会・田中俊一委員長の自宅にアポなし訪問で直撃!日本原子力研究所出身で原子力委員会委員長代理等を歴任、「問題発言」も多々取沙汰される田中俊一と原子力規制委員会を逃がすな!徹底的におっかけました! 自宅住所・地図、大公開です! 川内原発再稼働の尖兵=田中俊一に会いに行こう! 手紙を出そう!

そして、ヘイトスピーチを繰り返す排外主義団体による「テントひろば襲撃事件」についても緊急特集!経済産業省前テントひろばからの力強い声明と、ヘイトスピーチや官邸前での抗議行動に参加するミュージシャン・吉野寿さんにこの事件を読み解くヒントをインタビュー。襲撃犯の素顔も公開し、対レイシスト行動集団・C.R.A.C. WESTのITOKENが、在特会ら「右派系市民団体」による、過去から現在に至る反原発運動への「妨害と暴挙」を徹底解説します。

世代、地域を超えて「新たな脱原発情報ネットワーク」の構築を試み、闘う脱原発情報マガジン『NO NUKES voice』にご期待ください!

脱原発情報マガジン『NO NUKES voice』Vol.2は、A5判、総頁128ページ(本文120ページ+巻頭カラー8ページ)、定価680円(税込)です。今すぐ書店に走ろう!

【内容】
《表紙&フォトレポート》
「夏☆脱原発」(秋山理央=フォトグラファー)

《インタビュー》
◎福島原発事故をどのようにイメージし、記憶すべきなのか?
高橋哲哉=東京大学大学院総合文化研究科教授)
◎大阪の路上から世界の空に吼える歌
中川敬=ミュージシャン/ソウル・フラワー・ユニオン)
◎情報と学習で、権力者のウソに立ち向かうことが必要
おしどりマコ・ケン=漫才師)
◎受け皿を作ろうとしたら議員になっていた(山本太郎=参議院議員)
◎高木仁三郎の「核なき未来図」──はじまり・つながり・変える(1)
なぜ原子力情報資料室と『はんげんぱつ新聞』は持続できたのか?
西尾漠=原子力情報資料室共同代表/『はんげんぱつ新聞』編集長)

《総力特集》原子力規制委員会をおっかけろ!
◎ヌエ男・田中俊一委員長の素顔を探る!(林健=ジャーナリスト)
◎田中俊一委員長自宅訪問記/原子力規制委員会周辺散歩記(本誌特別取材班
◎原子力規制委員会の存在と犯罪 (木村雅英=再稼働阻止全国ネットワーク事務局)

《全国からのレポート》
◎東北から反原発の声を発信し続ける意味 反原発に向けた思いを次世代に継いでいきたい
納谷正基=『高校生進路情報番組ラジオ・キャンパス』パーソナリティ)
◎安心して暮らしていける未来をつかむため(Y・T=原発事故避難者)
◎絶望と希望がないまぜの希望の牧場/ふくしま」(栗原佳子=「新聞うずみ火」記者)
◎「全面開通」したルート6を行く(栗原佳子=「新聞うずみ火」記者)
◎MCAN activity now!首都圏反原発連合中央放送誌面版
Misao Redwolf=首都圏反原発連合)
◎経済産業省前テントひろば物語(2)(淵上太郎=経済産業省前テントひろば代表)
◎たんぽぽ舎の活動(続編)(沼倉潤=たんぽぽ舎)

《緊急特集・テントひろば襲撃事件》
◎[声明]経産省前テントひろばはあらゆる攻撃に屈せず闘い続けます
経済産業省前テントひろば・運営委員会
◎「自由の敵」に立ち向かえ!(吉野寿=ミュージシャン/eastern youth)
◎在特会ら「右派系市民団体」による反・反原発活動の記録(ITOKEN=C.R.A.C. WEST)

東京・本郷で8月31日(日)、たんぽぽ舎の設立25周年集会が開催され、広瀬隆さんとアーサー・ビナードさんが記念講演を行なう。

80年代末、朝日新聞が「現代のノストラダムス」などと広瀬さんを揶揄していたが、朝日の意図とは別に広瀬さんの予言は3.11で当たってしまった。

アーサー・ビナードさんはベン・シャーンのペン画とコラボした、第五福竜丸の絵本「ここが家だ」(2006年集英社)がなにより素敵だ。松岡正剛が「千夜千冊」(1207夜)で評しているように、確かにこれは「日本人がしていないこと」だった。

◆汚染食品測定活動が起源のたんぽぽ舎

たんぽぽ舎の歴史は1989年に遡る。1986年4月26日にソ連(現ウクライナ)で起こったチェルノブイリ原発事故をきっかけに世界各地の農産物や食品への放射能汚染が問題となった。チェルノブイリから8000キロ離れた日本でも放射能の影響は出ていたし、欧州で加工生産されたパスタなどの輸入食品も日本に大量に輸入されていた。

事故からちょうど1年後の87年4月26日に刊行された広瀬隆さんの『危険な話・チェルノブイリと日本の運命』(八月書館)でもこの問題は取上げられていて、以後、日本でも食の問題を含めての「脱原発」運動がマス・レベルで高まりを見せた。

そうした流れの中で当時、東京都・区職員の労働組合有志が「都労連原発研究会」を結成し、食品放射能測定器を購入した鈴木千津子さんとともに市民に開かれた食品汚染の調査計測スペースを作った。これに小泉好延=市民エネルギー研究所代表や藤田祐幸=慶応義塾大学助教授(当時)といった多数の専門家が協力・支援し、たんぽぽ舎としての活動が89年に始まった。

その後は「脱原発法」制定、劣化ウラン弾廃止の実現をめざす市民運動も展開し、核と原発に関わる事故や事件が起こる度に、ゆるやかだが柔軟なネットワークで活動してきた。

3.11直後もいち早く東電本店前で情報公開を訴えた。同時に「地震と原発事故情報」のメルマガを日刊で発行し、いまも毎日有益な情報を発信し続けている。こうした活動の歴史については、たんぽぽ舎の沼倉潤さんが『NO NUKES voice』創刊号で報告しているのでぜひ一読してほしい。

◆フツーの人たちだって、事故の真相は正確に知りたい!

『NO NUKES voice』創刊号では、他にもたんぽぽ舎の主力メンバーの山崎久隆さん(福島原発市民事故調査委員会)と柳田真さん(再稼働阻止全国ネットワーク)が記事を寄稿している。

山崎久隆さんの報告は、福島第一原発の現況、特に汚染水と電気系統での対策不備を検証し、国と東電の現行対策がいかに駄々漏れ状態かを鋭く指摘している(「『フクイチ』の現実と未来」)。

一方、柳田真さんは国と電力側が再稼動にこだわる理由と全国各地再稼動反対運動の活動を報告している。(「再稼動は放射能汚染と原発大事故を招く」)

普段、運動に関わっていないフツーの人たちだって、事故の真相は正確に知りたい。それをきちんと公開しない国だから、たんぽぽ舎のような市民ネットワークが不可欠なのだ。

首都圏の心ある皆さん、今週日曜は広瀬隆さんらと共にぜひ、たんぽぽ舎の集会にご参加を!

《たんぽぽ舎25周年集会概要》
○会場:全水道会館(JR「水道橋」駅東口下車2分)
○日時:8月31日(日)13:15開場
第1部 13:40より 講演とお話    アーサー・ビナードさん、広瀬隆さん
第2部 懇親会 18:00から20:00まで
○参加費:記念講演 当日1200円(前売りチケット1枚1000円)
懇親会 ?  ? ?  2000円
○主催・問合せ:たんぽぽ舎 TEL 03-3238-9035 FAX 03-3238-0797
http://www.tanpoposya.net/main/index.php?id=2018

 

(本間 解)

『NO NUKES voice』創刊号8.25発売開始!

 

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