月刊『紙の爆弾』の最新号記事がnoteで一部公開・購読可能となりました。記事単位での購入も可能になりましたが、『紙の爆弾』はあくまで紙がメインのメディアです。興味を持っていただけましたら、ぜひ書店でお手にとっていただければ幸いです。定価700円(税込)、年間定期購読7700円(1号分お得です)。ここでは8・9月合併号(7月5日刊行)の注目記事2本の一部を紹介します。

◆米国債を売れば50兆円利益と円安是正 植草一秀解説「米官業日本政府支配」
 構成・文責◎編集部

 

 

 つくられた中国漁船衝突事件

最初に振り返るのは、2010年9月7日に尖閣諸島近海で起きた中国漁船衝突事件です。海上保安庁が中国漁船の船長らを違法操業として取り締まり逮捕。これをきっかけに日本で中国脅威論が一気に高まっていきます。

この事件はなぜ起きたのか? 日本と中国の間にはもともと「棚上げ合意」がありました。たとえば、読売新聞1979年5月31日付の社説には、「尖閣諸島の領有権問題は1972年の国交正常化の時も、昨年夏の日中平和友好条約の調印の際にも問題になったが、いわゆる『触れないでおこう』方式で処理されてきた。つまり、日中双方とも領土主権を主張し、現実に論争が存在することを認めながら、この問題を留保し、将来の解決に待つことで日中政府間の了解がついた。(中略)約束した以上は、これを遵守するのが筋道である」とあります。

これに基づいて日中漁業協定(2000年6月1日発効)が結ばれ、尖閣諸島がある北緯27度以南の水域には新たな規制措置を導入しないことになりました。現実的には、両国は自国漁船のみを取り締まり、相手国漁船の問題は外交ルートで注意喚起を行なうとしていました。

ところが2010年6月8日、菅直人内閣が発足初日に「尖閣諸島に関する我が国の立場は、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在しないというものである」と閣議決定して、「棚上げ合意」を一方的に破棄したのです。

これに基づき、国土交通省は尖閣海域の漁船取り締まり基準を、日中漁業協定から国内法に転換。そして、冒頭の事件が起きます。すなわち、従来であれば漁船を追い払うだけだったのが、この日の海上保安庁巡視船は一隻の中国漁船を接触するほど追い上げ、あげく漁船と他の巡視船がぶつかり、さらに3時間も追い回した末に漁船と乗組員を確保し船長を逮捕した。要するに日本が作り出した事件だったのです。

では、この事件の主演・企画者は誰か? それを示す事実経過がウィキリークスで暴露されており、当時の国交大臣・前原誠司氏だったことが明らかになりました。鳩山由紀夫内閣の2010年2月2日、カート・キャンベル国務次官補(当時)が来日しました。彼は小沢一郎氏と面会し、ソウルを訪問した後、米国政府に「日本での重視を、鳩山・小沢ラインではなく菅・岡田ラインに変える」旨を報告しました。

この報告をする前に、キャンベル氏は前原氏と面会していました。前原氏は「小沢さんは相手によって話の内容を変えるから注意した方がいい」とキャンベル氏に進言。さらに彼は、「このまま行くと沖縄県知事選で伊波洋一候補が勝ってしまうかもしれない」とも米国側に警告しています。

その後、キャンベル氏の報告通りに、鳩山氏と小沢氏は政権の中枢から外されて、菅直人氏と岡田克也氏を中心とする菅内閣が同年6月に組閣されました。また11月の沖縄知事選では伊波氏ではなく現職の仲井眞弘多氏が再選されています。

 ウクライナ戦争と台湾有事

この中国漁船衝突事件の経緯は、実はウクライナとロシアが戦争に至る経緯と、非常によく似ています。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/nfc528fb7024e

◆まともな科学者は誰も信じていない CO2温暖化説の嘘ともたらされる被害
 語り◎広瀬 隆(作家)

 

 

「脱炭素」を掲げながら原発を推進する自公政権は明らかな「悪」だ。しかし、原発廃絶を訴えながら、二酸化炭素(CO2)の削減も強調する環境活動家らの主張にも、心から納得できない読者は少なくないのではないか。現に、メガソーラーや風力発電施設がもたらす環境破壊が大きな問題となっている。

7月号で、リニア新幹線の目的が原発復活であることを明快に暴いた作家・広瀬隆氏が「CO2地球温暖化説」の嘘を解説する。広瀬氏のユーチューブ動画「気候変動の宇宙物理学」シリーズ(https://youtu.be/JSD2PyaOEmw)には、本稿で掲載しきれなかった多くの「証拠」図版が掲載されている。あわせてご覧いただきたい。(構成・文責/編集部)

 「CO2地球温暖化説」はこうして始まった

私は早稲田大学で学んだ後、企業で半導体材料などの研究開発に従事しました。日本で高度経済成長が始まった1970年代は、公害の時代でもあり、水俣病、イタイイタイ病などに加え薬害問題が発生しました。そこで私は退職し、公害問題と医学に取り組む道を選びました。特に力を入れたのが放射線被曝の危険性です。

原子力を止めるために重要なのは、被曝の危険性を知るとともに、原子力を廃絶後、どんな方法で電力供給を行なうか、つまりエネルギー問題です。

私はそこで、2つのテーマに突き当たりました。ひとつは地震と原発の危険な関係で、私は地質学者の生越忠(おごせすなお)先生に師事して本格的に地震学を学びました。

もうひとつが気候変動問題でした。原発に反対する人の中にも「CO2気候変動論」を真に受けている人が大勢いたからです。重要なエネルギー問題に通じるので、社会に正しく伝えなければいけません。30年以上の研究の過程で、『二酸化炭素温暖化説の崩壊』(集英社新書)『地球温暖化説はSF小説だった』(八月書館)などを出版しましたが、今回、ここでも話を始めます。

まず、皆さんにお尋ねします。地球の気温を変動させている要因とは何でしょうか? 人間が排出する二酸化炭素(CO2)だと多くの人が信じているようですが、本当でしょうか? 実は、自然界の変化が地球誕生以来の気温変化を支配してきたのであり、CO2とは無関係だと考える科学者の方が、圧倒的に多数派なのです。

私たち人類は太古の昔から、気候を司るのは太陽と月だと考え、それらの動きを観察しながら暦を作ってきました。自然界への敬意をもとに、様々な自然現象や天変地異が起きても、それは太陽が支配する出来事だと考えて、生きてきたわけです。
ところが今から100年ほど前、スウェーデンのアレニウスという物理学者が、そうではなく、大気中の温室効果(グリーンハウス・エフェクト)ガスが地球の気温を上昇させる。つまり、CO2によって気温が上昇するという「仮説」を報告しました。

これにより大混乱が始まりました。1988年、国連に「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が設立され、その「仮説」をあたかも真実であるかのように大々的に宣伝し始めたからです。結果として現在、人々の多くが、主に工業界が排出するCO2によって気温上昇が起きているという「仮説」を妄信しています。

この「温室効果」とは何か。地球には毎日、太陽光と紫外線が降り注ぎます。それを地球が反射して赤外線が放たれます。この赤外線で熱が宇宙に放出されるメカニズムがあります。ところが、上空のCO2やメタン(CH4)などの温室効果ガスが放出を遮って、熱を大気中に閉じ込めてしまい、地球全体がビニールハウスのように温まってしまうというのが、アレニウスの言い分です。

こうして温室効果ガスが気温を支配するとの説は、本当なのでしょうか?

それを考えるにあたり、まず私たちは、CO2と気温が本当に関係しているのかを確認しなければいけません。

 地球の気温の変化を追ってみる

では本論に入ります。もしCO2が気温上昇を推進するならば、それが自然界から出ようと、工場や自動車から排出されようと、大気中のCO2の変動と気温の変動が、あらゆる期間において一致していなければいけません。これが科学的な出発点です。

ところが、結論をいえば、長期的にも中期的にも短期的にも、CO2と気温の変化は一致していません。

まず長期的とは、6億年~1億年前。古生代~中生代を指します。古生代は地球上に原始的な魚類や昆虫が出現した時期です。次の中生代は恐竜が全盛したジュラ紀の時代です。

アメリカの科学雑誌『ジャーナルサイエンス』に掲載された「ジオカーブ3」というグラフをもとに作ったのが下の[図1]です。気温の線とCO2濃度の線に、どういう関係があるでしょうか。CO2が増えたら気温が上がっていますか? 上がっていません。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n907ca9003b68

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年8・9月合併号

『紙の爆弾』2024年 8・9月合併号

科学者は誰も信じていない CO2温暖化説の嘘ともたらされる被害 広瀬隆
植草一秀解説 米国債を売れば50兆円利益と円安是正 米官業「日本政府支配」
災害や感染症を利用し地方自治を破壊 地方自治法“戦前回帰”の大改悪 足立昌勝
WHOの公衆衛生全体主義を許すな!「パンデミック条約反対」日比谷公園2万人集会 高橋清隆
本当にワクチンを打つべきなのか? ウィルス「不存在」をめぐる科学的議論 神山徹
学歴詐称・事前運動疑惑、裏金自民援護 東京都知事選で露呈した小池都政の正体 横田一
フィリピン元大統領報道次官が訴える日比米安全保障の罠と日本との連帯 木村三浩
モディ政治の光と影 グローバル・サウスの盟主・インドの実相 浜田和幸
日本もパレスチナ国家承認を拒否 ガザ停戦を阻む米欧大国と日本の「論理」 広岡裕児
重信房子さんに聞く世界と日本の学生運動が証明するパレスチナ抵抗の正当性 浅野健一
政権交代に向け見極めるべきもの いま日本政治の転換を迫る負と正の力 小西隆裕
「岸田続投だけはありえない」「裏金国会」がもたらした自民党内の暗闘 山田厚俊
「社会貢献活動」法人設立の目的 ジュリー前社長が離さないジャニーズ最大利権
被害額は昨年から倍増 オンライン詐欺の実態と“野放し”の理由 片岡亮
世界史の終わりとハードボールド・ワンダラランド 佐藤雅彦
シリーズ日本の冤罪 特別編 西成女医変死事件 尾﨑美代子

連載
あの人の家
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け:西田健
「格差」を読む:中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座:東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER:Kダブシャイン
SDGsという宗教:西本頑司
まけへんで!! 今月の西宮冷蔵◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0D8PP3BNK/

今こそ、鹿砦社の雑誌!!

月刊『紙の爆弾』の最新号記事がnoteで一部公開・購読可能となりました。記事単位での購入も可能になりましたが、『紙の爆弾』はあくまで紙がメインのメディアです。興味を持っていただけましたら、ぜひ書店でお手にとっていただければ幸いです。定価700円(税込)、年間定期購読7700円(1号分お得です)。ここでは8・9月合併号(7月5日刊行)の注目記事2本の一部を紹介します。

◆学歴詐称・事前運動疑惑・裏金自民援護 東京都知事選で露呈した小池都政の正体
 取材・文◎横田一(ゲリラジャーナリスト)

 

 

東京都知事選(7月7日投開票)が6月20日に告示され、三選を目指す小池百合子知事と蓮舫前参院議員の実質的な一騎打ちとなったが、戦う姿勢は対照的。「反自民党・非小池都政」を掲げて神宮外苑再開発を争点とする“攻め”の蓮舫氏に対して、小池氏は出馬会見も開かずに第一声の街頭演説さえ行なわない“逃げ”に徹した。

19日、翌日(告示日)の小池氏の予定が明らかになると、報道関係者に驚きが広がった。10時半に新宿区の選挙事務所で出発式をするだけで、街頭演説はなし。「現職知事として公務に取り組みながらの活動になります」とも強調していた。現職の第一声を有権者が聞くことができないという前代未聞のスタートとなったのだ。

一方、挑戦者の蓮舫氏は11時過ぎから中野駅前で第一声。応援弁士には立憲民主党の枝野幸男前代表、辻元清美代表代行、長妻昭政調会長がそろい踏みする通常のスタイルで臨んだ。初日から有力2候補の違いが際立った。

小池氏の出馬表明も前代未聞だった。蓮舫氏の電撃的出馬表明(5月27日)で後れを取った小池氏が6月12日、都議会本会議で三選出馬表明をした後、囲み取材に応じたが、学歴詐称関連質問がテレビ朝日の島田直樹記者に遮られて質疑応答が打ち切られるという異例の事態となった。

誰もが蓮舫氏と同様、「小池氏も出馬会見を開いて質疑応答をするに違いない」と思っていたのに、代表質問だけの短時間の囲み取材で終わらせてしまったのだ。

歴史に残る珍問答が行なわれたのは12日14時半すぎ。本会議終了後に都議会各派への挨拶を終えた小池知事が本庁舎との連絡通路に現れると、囲み取材に入る前に小池氏は立ち並ぶテレビカメラを指差して「いまリアル(生中継)でやっているのはどこ?」と聞いてカメラ目線をまず確認。

続いて幹事社(代表質問役)の島田記者が政策発表の時期などについて連続質問した後、フリーの佐藤章氏が「昨日、お世話になられた朝堂院大覚(ちょうどういんだいかく)さんが……」と学歴詐称問題について質問し始めたとたん、再び島田記者が「すいません、代表(質問)で。知事、まずお願いします」と割り込んで佐藤氏の質問権を奪取。そして「いつも勝負服のカラーで緑色の服を着られるが、本日はそういった服を着られていませんが、何か服に対する思いは?」と聞いたのだ。

すると、小池知事は笑顔を浮かべながら「今は公務をしっかりしておりますので、それはそれでメリハリをつけた対応をしていきたいと思っています」と答えて突然、囲み取材を打ち切り、立ち去り始めたのである。すぐに記者団から抗議の声が上がる中、追いかけながら私は「カイロ大卒と書くのか。自民党の支援を受けるのか。確認団体(方式での支援)、萩生田(光一都連会長)さんと相談したのですか」などと声を張り上げたが、小池氏は一瞬視線を向けただけで、無言のまま立ち去った。

この後、現場では質問を遮った島田記者に抗議が殺到。「口裏を合わせて代表(質問をする記者)だけ質問させようとしていたのではないか」「もう一回、囲み取材をやり直して下さい。テレ朝で質問を独占したのだから」などと問い質し、再度の囲み取材開催を迫った。これに対して島田記者は「私ももっと質問できるものだと思っていた。幹事社と相談する」と回答。

そこで「今すぐ知事と交渉して、ここに連れて来てください。滅茶苦茶な会見をした責任をとってください」と囲み取材の再設定を要望したが、実現することはなかった。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/nc52321500d83

◆WHOの公衆衛生全体主義を許すな!「パンデミック条約反対」日比谷公園2万人集会
 取材・文◎高橋清隆(反ジャーナリスト)

 

 

世界保健機関(WHO)総会で「パンデミック条約」と国際保健規則(IHR)改定案の採決を目前に控えた5月31日、両案などに反対する「WHOから命をまもる国民運動大決起集会」が東京の日比谷公園で開かれ、2万人が気勢を上げた。野外音楽堂では近代史研究家の林千勝氏ら8人が基調講演した後、池田利恵日野市議の音頭で出陣。「WHOの公衆衛生全体主義を許すな」などとシュプレヒコールを上げながら、銀座までデモ行進した。

しかし、IHR改定案は詐欺的手法で採択され、パンデミック条約は交渉期限が延長された。これが目指すのは〝世界統一政府〞である。覚醒した国民がどれだけ増えるかが問われている。

 林・柳澤両氏ら識者が不服従を誓う

集会の主催は「WHOから命をまもる国民運動」と「一般社団法人ワールドカウンシルフォーヘルスジャパン」(WCHJ)。デモ行進の起点は厚生労働省前、終点近くにはレプリコンワクチン(mRNAワクチン)の製造元となるMeiji Seikaファルマがある。

はじめに「WHOから命をまもる国民運動」共同代表でもある林氏が開会宣言。「われわれは全体主義を排除する。自由と勇気を胸に、世界の人々と手をつなぎ、日本を取り戻す。5月31日を新たな日本の独立記念日としようではありませんか」と呼び掛けた。
 
WCHJ代表で医師の柳澤厚生氏は、「WHOが何をしたかといえば、日本政府を操ってワクチンを打ち、多くの被害者を作ってきた。皆がだまされた。国の言うことに間違いはないと思った」と指摘。新型コロナワクチンの副反応による死亡者が、従来のインフルエンザワクチン死亡者の100倍以上であることを挙げ、「今、僕はこのワクチンを医者として打つことはできない」と訴えた。

「国民運動」共同代表でノンフィクション作家の河添恵子氏は開口一番、「政府、WHO、厚労省全て悪魔だと考えてください」と問い掛けた。「私たちは不服従を貫きます」と宣言すると、大きな拍手を浴びた。「今、生きるか死ぬかの闘い。ユースレスイーター(無駄飯食い)はワクチンで死んでもらうというのが、彼らの考え。その手足となっているのが日本政府。絶対許してはなりません」と続けた。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/nbfb6eaa264cd

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科学者は誰も信じていない CO2温暖化説の嘘ともたらされる被害 広瀬隆
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災害や感染症を利用し地方自治を破壊 地方自治法“戦前回帰”の大改悪 足立昌勝
WHOの公衆衛生全体主義を許すな!「パンデミック条約反対」日比谷公園2万人集会 高橋清隆
本当にワクチンを打つべきなのか? ウィルス「不存在」をめぐる科学的議論 神山徹
学歴詐称・事前運動疑惑、裏金自民援護 東京都知事選で露呈した小池都政の正体 横田一
フィリピン元大統領報道次官が訴える日比米安全保障の罠と日本との連帯 木村三浩
モディ政治の光と影 グローバル・サウスの盟主・インドの実相 浜田和幸
日本もパレスチナ国家承認を拒否 ガザ停戦を阻む米欧大国と日本の「論理」 広岡裕児
重信房子さんに聞く世界と日本の学生運動が証明するパレスチナ抵抗の正当性 浅野健一
政権交代に向け見極めるべきもの いま日本政治の転換を迫る負と正の力 小西隆裕
「岸田続投だけはありえない」「裏金国会」がもたらした自民党内の暗闘 山田厚俊
「社会貢献活動」法人設立の目的 ジュリー前社長が離さないジャニーズ最大利権
被害額は昨年から倍増 オンライン詐欺の実態と“野放し”の理由 片岡亮
世界史の終わりとハードボールド・ワンダラランド 佐藤雅彦
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今月号で特集した「二酸化炭素温暖化犯人説の嘘」。これ自体は、ほとんどの科学者が「嘘」だと認識しており、関連書籍もすでに多数出ています。なかでも広瀬隆氏の本誌解説は、裏付けとなる歴史的・科学的証拠とともに、私たちが考えるうえで必要な要素を、短い紙幅でまとめたものですが、最も重要なポイントのひとつが、「それでもなぜ、多くの人がいまだ嘘を信じているのか」です。

その点において本誌記事で注目すべきは、広瀬氏の解説が、環境破壊や公害を止めるための訴えだということです。さらに、この嘘は、日本を支えてきた中小企業の優秀な労働者を追い詰めていることも指摘しています。

※本誌記事でも一部を引用した広瀬氏の講演資料パンフレット(オールカラー・六四頁)が「地球温暖化は嘘」が一部500円(送料無料)で入手可能です。郵便振替で口座名「広瀬隆文庫」口座番号00160-8-588281。注文部数と住所、氏名等を明記。

グレタさんの活躍で、「脱炭素」において、岸田首相やグローバル企業と“リベラル”で、言っていることが同じになりました。それはリベラルの勝利なのか。ここにもSDGsの罠があります。

また、こちらも今月号で特集したインドでは、生体認証・国民監視IDシステム「アドハー」は、日本のNECの技術を基盤にしているそうで、各国の注目と称賛を集めています。そのわりに日本のマイナンバーはあの体たらくなのは、あえてのことかと疑問視しています。記事では浜田和幸氏が、インドの内情とともに、BRICSの現状、報じられない世界勢力図についても解説しています。

前号の《後編》として、政治経済学者の植草一秀氏が、自民党・民主党に限らず、日本のほとんどの歴代政権が米国の支配をあえて受け入れてきた歴史を明らかにしました。それは戦争だけでなく、消費税増税・法人税減税にもはっきりとつながっています。今の日本を考えるうえで、大前提となる情報です。

前出・広瀬氏も「第一歩を間違えれば、その後は全てが誤り」と述べています。まさに「必読」です。なお、「日本のウクライナ化」ということは、各所で言及されていますが、これは日本が「巻き込まれる」のではなく、「自ら突っ込んで行っている」ということを、認識する必要があります。すでに10年以上前から、その動きが始まっていることも、植草氏は指摘しています。

MV「コロンブス」の炎上騒動。文化的な生活を営む類人猿の家にズカズカと乗り込み、満足すると崩壊したバベルの塔(「猿の惑星」の自由の女神像)に“気づかず”去っていく、というのが大まかな流れで、歌詞とあわせて意図した表現だったのだろうし、言いたいことはわからなくもありません。

それより気になるのは、本人たちがほとんど説明もせず映像を取り下げたこと。表現を読みとってもらえない絶望よりも、炎上は織り込み済みで、「やっぱり何も見ていないじゃないか」という嘲笑のように、私には見えます。もっとも、そこにはバックのコカ・コーラ社の存在もあると思われ、炎上させた側も含めて、一連の経緯に今の時代の軽薄さを感じます。

今月号では、いわゆるポリコレ(ポリティカル・コレクトネス)を利用したコンサルティング・ビジネスについても解説。あわせてお読みください。

ほか、「パンデミック条約反対」日比谷公園2万人集会レポートとパンデ条約の現況、ウィルスの「存在」と「不存在」を問う科学界の議論、パレスチナ国家承認をめぐる各国の立場と、日本でも勃興しつつある反戦学生運動、さらに小池百合子・東京都知事の分析は、都知事選を終えても記憶すべき保存版です。

全国書店で発売中です。ぜひご一読をお願いいたします。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

最新刊! タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年8・9月合併号

『紙の爆弾』2024年 8・9月合併号

科学者は誰も信じていない CO2温暖化説の嘘ともたらされる被害 広瀬隆
植草一秀解説 米国債を売れば50兆円利益と円安是正 米官業「日本政府支配」
災害や感染症を利用し地方自治を破壊 地方自治法“戦前回帰”の大改悪 足立昌勝
WHOの公衆衛生全体主義を許すな!「パンデミック条約反対」日比谷公園2万人集会 高橋清隆
本当にワクチンを打つべきなのか? ウィルス「不存在」をめぐる科学的議論 神山徹
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フィリピン元大統領報道次官が訴える日比米安全保障の罠と日本との連帯 木村三浩
モディ政治の光と影 グローバル・サウスの盟主・インドの実相 浜田和幸
日本もパレスチナ国家承認を拒否 ガザ停戦を阻む米欧大国と日本の「論理」 広岡裕児
重信房子さんに聞く世界と日本の学生運動が証明するパレスチナ抵抗の正当性 浅野健一
政権交代に向け見極めるべきもの いま日本政治の転換を迫る負と正の力 小西隆裕
「岸田続投だけはありえない」「裏金国会」がもたらした自民党内の暗闘 山田厚俊
「社会貢献活動」法人設立の目的 ジュリー前社長が離さないジャニーズ最大利権
被害額は昨年から倍増 オンライン詐欺の実態と“野放し”の理由 片岡亮
世界史の終わりとハードボールド・ワンダラランド 佐藤雅彦
シリーズ日本の冤罪 特別編 西成女医変死事件 尾﨑美代子

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◆国会答弁もアメリカ製AI利用に マイクロソフトに乗っ取られた日本政府のAI構想
取材・文◎浜田和幸(国際政治経済学者)

 

 

今年4月、アメリカのIT大手マイクロソフトは生成AIの需要拡大に向け、今後2年間で29億ドル(約4400億円)を日本に投資すると発表。生成AIに不可欠なデータセンターを増強し、研究拠点も新設するとの内容で、過去最大規模になる見込みです。

最先端の「GPU」と呼ばれるAI向け半導体を導入するともいいます。また、東京都内に研究拠点を新設し、AIやロボット工学の研究を通じて生産性の向上など日本社会が直面する諸課題の解決にも取り組む姿勢を打ち出しました。AI技術者の育成にも乗り出し、非正規雇用や女性を含めたいわゆる「学び直し」や、AIの開発者を対象にした研修プログラムを実施し、今後3年間で300万人のスキルアップを支援するとのこと。

加えて、日本政府との間でサイバー攻撃などのセキュリティ対策でも連携を強化すると発表。こうした新たな日本市場への参入強化策は、マイクロソフトのブラッド・スミス副会長兼社長が、4月10日から米ワシントンを訪問していた岸田文雄首相と面談し、直接提示したものです。

これに対し、岸田首相は日本への新規投資に謝意を示し、「デジタルインフラを持つグローバル企業との連携は日本の産業全体にとって重要極まりなく、引き続きの協力に期待する」と応じました。

 マイクロソフト頼みとなった日本政府のAI構想
 
実は、これまでもマイクロソフトは日本政府のAI政策を事前に把握し、「Azure OpenAI Service」など、先手必勝で対日投資を進めてきています。

注目すべきは、スミス社長が大の親日家であること。いわく、
「日本は巨大な技術基盤を持っているが、高齢化が進み、人口も減少している。今こそAIの力を活用する時だ。日本の未来にとって不可欠な投資になると信じている。日本ではAIの導入が急速に進んでいるものの、スキルの格差が非常に大きい。日本でより広く求められているスキルを提供できれば、日本のさらなる飛躍に貢献できる」

電子情報技術産業協会(JEITA)によれば、日本国内における生成AIに関するサービスなどの需要は2030年には1兆7700億円と予想され、2023年比では15倍に拡大する可能性を秘めているといいます。マイクロソフトに限らず、アマゾン・ウェブサービスやグーグルなども日本への進出と投資を加速させています。

とはいえ、重要なのは経済安全保障の観点から、日本発のデータがあくまで日本国内で安全に処理・活用されること。つまり、他国の技術に頼ることなく日本独自のもので対応する姿勢を保つことに尽きます。そのため、経済産業省では中国やロシアからの不正アクセスを防止する意味でも、サイバーセキュリティ対策に力点を置く政策に舵を切りました。

マイクロソフトはその流れを先読みし、対日売り込みを巧みに進めています。齋藤健経産大臣も同社が日本政府の国家安全保障戦略に基づき、高度なクラウドおよびAIセキュリティサービスの分野で協力して対応するとの方針を高く評価し、「日本のAIを含むデジタル産業の促進により大きく貢献してほしい」と期待感を高めているほどなのです。

というのも、スミス社長はこれまで自民党の甘利明前幹事長、平井卓也元デジタル相、河野太郎前デジタル相らと面談を重ねており、マイクロソフトが出資している「チャットGPT」のオープンAIとの連携すら政府に提案してきているからです。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/nf65a7a3e55e9#4118e36a-996b-4658-bfa6-82b8c3700aa7

◆“憲法軽視”は政府与党だけではない 憲法違反の法律がつくられる理由
 取材・文◎足立昌勝(救援連絡センター代表/関東学院大学名誉教授)

 

 

 岸田訪米の「成果」と統合作戦司令部の設置

4月に訪米した岸田文雄首相は、11日、アメリカのバイデン大統領およびフィリピンのマルコス大統領と初の日米比首脳会談に臨み、安全保障上の幅広い協力と経済協力で合意した。

すでにアメリカは、東アジアにおける中国の影響力に対抗するために必要な多国間枠組みを形成している。すなわち、①日米韓軍事同盟 ②日米豪印の戦略対話の枠組みであるクアッド(QUAD) ③米英豪の安全保障の枠組みであるオーカス(AUKUS)だ。これらに加え、日米比の軍事的協力枠組みが形成されたことになる。
 
これにより、極東アジア・東アジア・南アジアにおけるロシア・中国および朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)に対する包囲網がより強化された。
 
会談での合意事項は、「鉄道や港湾、半導体サプライチェーン(供給網)への投資加速」「重要鉱物資源のサプライチェーン強靭化」「民生用原子力の能力構築に関するパートナーシップ拡大」などの経済協力関連が多くを占めるものの、「南シナ海での中国の危険かつ攻撃的行動について深刻な懸念を表明」「自衛隊と米比海軍との共同訓練を実施」という軍事的要素が含まれている。

会談後の共同声明では、南シナ海で中国が「危険かつ攻撃的な行動」を進めているとして「深刻な懸念」を表明。南シナ海における「埋立て地形の軍事化及び不法な海洋権益に関する主張」を懸念し、「海上保安機関及び海上民兵船舶の危険で威圧的な使用」の試みに断固反対するとした。

そのうえで、今後1年以内に3カ国の海上保安機関は相互運用性を向上し、海洋安全および保安を推進するため、インド太平洋において3カ国間海上合同訓練などを実施。さらに「日比米海洋協議」の開始を宣言した。

また岸田内閣は、3月26日には、日英伊で共同開発した次期戦闘機について、第三国への輸出を承認する閣議決定を行なった。これを受けて防衛装備移転三原則の運用指針が改正され、“歯止め”として対象を次期戦闘機に限り、輸出先を日本が防衛装備品の輸出などに関する協定を結んでいる国に限定し、戦闘が行なわれている国には輸出しないとした。

しかし、この決定は武力による侵略をも可能とする戦闘機の輸出である。それが憲法9条に合致するか否かの国会での検討を経ずに、閣議決定で済ませてしまった。それが鮮明にするのが、この内閣の持つ憲法軽視の姿勢だ。

5月10日、参議院本会議は、陸海空自衛隊の部隊運用を一元的に指揮する「統合作戦司令部」を設ける防衛省設置法改正法案を可決・成立させた。与党と立憲民主党、日本維新の会などが賛成し、反対したのは共産党とれいわ新選組だけ。これにより、本年度末に東京・市ヶ谷にある防衛省内に240人規模で発足するという。

これらの大事な決定も、与党協議だけで国民の声を代表する国会での審議が行なわれなかった。国民主権の無視である。

ここまで来ても、憲法九条の枠内にとどまっていると“解釈”するつもりなのか。

アメリカの尖兵となって、仮想敵国包囲網の形成を目指す岸田内閣や自公政権の下、ここまで来てしまった自衛隊は、もはや自衛ではなく戦争を行なうための軍隊である。外国の意志に従い、状況に応じてどこにでも展開させられることを認めざるを得ないだろう。

それは、岸田内閣や自公政権の望みでもあるのだろう。望んでいないのであれば、国会での十分な審議=熟議を求めればよいはずだ。しかし、彼らにそれはできない。国民を納得させるだけの熟議に耐えられないからだ。

防衛省は「保持できる自衛力」について、相変わらず「自衛のための必要最小限度のものでなければならない」と繰り返す。その具体的な限度は、国際情勢や軍事技術の水準、その他の諸条件により変わりうる相対的な面があり、毎年度の予算などの審議を通じて国民の代表者である国会において判断されるという。

しかし、九条そのものの議論はなされない。判例で確定されていることを根拠に、政府の勝手な主張のみが述べられるだけであり、「言葉の解釈」とすら言える代物ではない。

防衛省の主張する「予算などの審議」を通じての国会審議とは、国民の意思が反映されるものではなく、政府の主張そのものである。詭弁を弄し、逃げの一手で国会審議を避ける自公政権。それこそが国会軽視であり、憲法無視であることを忘れてはならない。

 憲法違反が濃厚な法案

毎年開催される通常国会には、数多くの法案が上程される。そのうち一番多いのは、内閣から提出される「閣法」であろう。

内閣には、法の番人としての「法制局」があり、法案は内容を含め、その妥当性が審議されている。そこでは当然のように、法案が憲法に合致するか否かも検討されているのであろう。

ところが、上程された法案の中には、憲法に抵触するおそれが強いものも存在する。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n672e3912c471

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『紙の爆弾』2024年 7月号

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「食料・農業・農村基本法」改悪「食料自給率」を捨てた農水省の愚 高野孟
感染症対策を口実にした「新型インフル対策行動計画」という新たな言論統制 高橋清隆
ウクライナとガザで実行中の「最新戦術」の正体 イスラエルAIは民間人をいかに殺すのか 青柳貞一郎
国会答弁もアメリカ製AI利用に マイクロソフトに乗っ取られた日本政府のAI構想 浜田和幸
送電線と人脈でつながる「原発とリニア」 リニア新幹線の目的は原発の復活だ! 広瀬隆
静岡県知事選で「リニア問題」は本当に問われたのか 横田一
自衛隊指揮権を米軍に委譲 日米一体化きわまる中で“日本人”を問い直す 木村三浩
公職選挙法に浮上した「別の問題」“裏金沈没”自民党の悪あがき 山田厚俊
“憲法軽視”は政府与党だけではない 憲法違反の法律がつくられる理由 足立昌勝
本格化する国家総動員体制 進む民間施設の日米軍事拠点化 浅野健一
米国覇権の終わりに日米同盟を考える「いまトラ」と岸田自公政権の大罪 小西隆裕
山根明前会長が去っても変わらない日本ボクシング連盟で起きている新たな内紛 片岡亮
続・失言バカ政治家の傾向と対策 佐藤雅彦
シリーズ日本の冤罪50 大川原化工機事件 山村勇気

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◆感染症対策を口実にした「新型インフル対策行動計画」という新たな言論統制
 取材・文◎高橋清隆

 

 

感染症対策を口実に、我々の言論が監視・弾圧されるおそれがある。
 
岸田文雄内閣が6月に閣議決定を目指す「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」(以下「行動計画」)改定案には、国が「科学的知見に基づく」一元的な情報発信を行なうだけでなく、偽・誤情報のモニタリングやSNS事業者に対策を要請できる内容が盛り込まれている。

新型コロナワクチン接種推進のため、内閣府が人気ユーチューバーに3200万円を支出していたことが発覚したばかり。同行動計画の偽情報対策の中身と背景を探る。

 コロナを受けた改定案パブコメに19万件
 
ゴールデンウィークのさなか、内閣官房の実施する意見募集(パブリックコメント)への応募を呼び掛ける投稿がX(旧ツイッター)上に盛んに飛び交った。「行動計画」改定案に言論統制を思わせる記述があるからだ。近現代史研究家の林千勝氏らがこれを問題視し、応募を提唱。5月3日には中部日本放送(CBC)が日本新聞協会加盟社で唯一報道し、にわかに知られるところとなった。

募集期間は行政手続法で30日以上と定められているが、なぜか2週間。しかも、予定の立て込んでいる人が多いゴールデンウィーク中にぶつけてきた。投稿フォームの不具合や計画書の疑問点について電話で聞こうとしても、休日のため「本日の業務は終了しました」のアナウンスが流れるだけ。それでも締め切りの5月7日18時までに、約19万件の応募があった。

「行動計画」は新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づくもので、2013年に策定された。感染症危機が発生した場合にはこれを参考に基本的対処方針が策定される。新型コロナ騒動を受けて、岸田文雄内閣が7年ぶりの抜本的改定を目指す。

今回の「行動計画」改定案は、223ページに倍増。対策項目も6から13になり、船長や機長に乗船・搭乗の拒否権限を与えることや、「プレパンデミックワクチン」の開発・生産要請、火葬体制の整備まで盛り込まれている。

概要として「平時の準備の充実」「対策項目の拡充と横断的視点の設定」「幅広い感染症と柔軟かつ機動的対策」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」「実効性確保のための取組」の5点を挙げ、具体的な取り組みを「準備期」「初動期」「対応期」の3つの期間に分けて記述している。

 政府の「偽・誤情報対策」その1 ── また税金で広報?

13項目のうち「④情報提供・共有、リスクコミュニケーション」には、準備期の対応として「偽・誤情報に関する啓発」がある。

〈国は、感染症危機下において、偽・誤情報の流布、さらにSNS等によって増幅されるインフォデミックの問題が生じ得ることから、AI(人工知能)技術の進展・普及状況等も踏まえつつ、国民等のメディアや情報に関するリテラシーの向上が図られるように、各種媒体を活用した偽・誤情報に関する啓発を行う。(総務省、文部科学省、厚生労働省、関係省庁)〉

この章には「各種媒体を利用し」「利用可能なあらゆる情報媒体を整備・活用し」など、さまざまなメディアを駆使する旨がうたわれている。ここで連想するのが、有名人を活用したテレビやインターネットなどでのなりふり構わないワクチン広報だ。サッカー日本代表の森保一監督や歌手のさだまさしらの誠実そうなせりふが繰り返しお茶の間に流れた。

内閣府から3200万円がユーチューバーに流れていたことは冒頭に触れた。人気ユーチューバーのはじめしゃちょーは河野太郎ワクチン担当相(当時)をインタビューし、「アメリカで2億回打ってるんですけど、ワクチンで死んでる人は1人もいない」との発言が広く流布された。こちらの方が偽情報ではないか。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n78971adb9bf2

◆静岡県知事選で「リニア問題」は本当に問われたのか
 取材・文◎横田 一

 

 

勝平太前知事の辞職に伴う静岡県知事選(5月9日告示・26日投開票)は、JR東海が県内でトンネル工事を始めようとしているリニア問題が最大の争点だった。3年前は「大井川の水と南アルプスの環境を守る」と訴えた川勝氏が自民支援の岩井茂樹・元参院議員に約30万票の差をつけて圧勝、3選を果たした後もJR東海や国交省と対峙し、トンネル工事を認めてこなかった。しかし4月3日に突然辞意を表明したことで、新知事が川勝路線を引き継ぐのか否かが注目されることになった。与野党激突の構図にもなった県知事選挙の結果は立憲民主と国民民主が推薦する鈴木康友・前浜松市長が、自民党が推薦する元副知事の大村慎一氏を破って初当選。岸田政権にさらなる打撃を与えることになったのだ。

 取り返しがつかないのは、失言ではなく
 トンネル工事による「水枯れ」

川勝知事の辞意表明は、メディアの“言葉狩り”が発端だった。新人職員への訓示で「県庁というのは別の言葉で言うとシンクタンクです。毎日野菜を売ったり、牛の世話をしたり物を作ったりとかと違って、基本的に皆さんは頭脳・知性の高い方たち」と述べた部分だけを切り取り、「職業差別とも捉えられかねない」と報じたことが引き金だったからだ。

一週間後の4月10日に辞職届を提出した川勝知事は、同日の定例会見でこう反論した。「職業差別というのは悪なのです。人を弾劾することができる言葉です」

「区別と差別とは違う。ジャーナリストの仕事と私の仕事は違います。どちらが上か下かというのはない。『そういう意味で申し上げた』といっても『職業差別だと捉えられかねない』というふうに報道されたとたん、『職業差別』という言葉をもって、特に第一次産業に対する差別だと広がった。しかも農水大臣までが強い憤りを感じられるということで本当に驚いた」

そこで会見終了後、川勝知事を追いかけて「デッチ上げ報道に屈するのか」と声かけ質問をしたが、エレベーターに乗り込んだ川勝知事は無言のままだった。

メディアによる川勝知事への集中砲火に対応すべく、「リニア新幹線を考える静岡県民ネットワーク」共同代表の林克氏は昨年7月から「川勝平太がんばれキャンペーン」を始めており、今回の辞職をこう残念がっていた。

「川勝さんは本当に、地場の農業の振興に奮闘してきた方だと思う。ただ非常にサービス精神が旺盛で、目の前の人を持ち上げるために、いろいろな比喩を使ったのかというふうに思う」

「農家の水不足、トンネル工事で大量の水が出てしまうおそれを川勝知事はちゃんとわかっている。かつて丹那盆地は非常に豊かな水田だった。丹那トンネル(後述)を掘ったら水が抜けてしまって、そこで田んぼが出来なくなってしまった経緯があった」

目の前にいる新人職員へのリップサービスで川勝知事は誤解を招く失言をしたものの、大井川流域の農家のために奮闘してきた姿こそ実態に違いない。静岡県で再出馬を求める署名活動が行なわれたのは、このためだ。

そんな川勝知事と共通点を持つのが、子ども関連予算を2倍以上にして10年連続人口増を達成した前明石市長の泉房穂氏だ。両者とも、失言はするものの住民のために奮闘し、言葉狩りをするメディアの標的になった。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n1642ec6bab0f

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感染症対策を口実にした「新型インフル対策行動計画」という新たな言論統制 高橋清隆
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国会答弁もアメリカ製AI利用に マイクロソフトに乗っ取られた日本政府のAI構想 浜田和幸
送電線と人脈でつながる「原発とリニア」 リニア新幹線の目的は原発の復活だ! 広瀬隆
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“憲法軽視”は政府与党だけではない 憲法違反の法律がつくられる理由 足立昌勝
本格化する国家総動員体制 進む民間施設の日米軍事拠点化 浅野健一
米国覇権の終わりに日米同盟を考える「いまトラ」と岸田自公政権の大罪 小西隆裕
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続・失言バカ政治家の傾向と対策 佐藤雅彦
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植草一秀が暴くニッポン戦争経済体制
大企業優遇と庶民搾取の先に待つもの

本誌5月号で昨年来の急激な円安、物価高、そして株高が示す日本の実態を解き明かした政治経済学者・植草一秀氏に、岸田文雄自公政権の経済政策が指し示す近未来について、再び話を聞いた。(構成・文責/編集部)

 

 

◆実質賃金が低下し続ける根本的原因

まず、大幅な円安と株高が毎日のように取り沙汰された2024年上半期の日本経済を振り返ってみましょう。5月16日に今年1~3月期(第1四半期)のGDP(国内総生産)統計が発表され、前期比で0.5%、年率で2.0%のマイナス成長となりました。

コロナ・パンデミックで落ち込んだGDPが、ようやくその前の水準を回復したのが昨年4~6月(562.6兆円)。しかし、続く7~9月から再び落ち込み前期比マイナス0.9%(558.0兆円)。10~12月期はゼロ成長で、今年1~3月期は再びマイナス0.5%です。

米国では、四半期で2度連続マイナス成長になると「景気後退」と表現します。ですから日本経済は、「昨年後半から景気後退の局面に移行している」と言って差し支えない状態です。

特に問題なのが国内需要で、昨年第2四半期の4~6月以降、マイナス0.6%、マイナス0.7%、マイナス0.2%、マイナス0.2%と、4四半期連続でマイナス成長が続いています。株価が上がったことで好調なイメージがあっても、実態は非常に悪いのです。

さらに物価の指標(GDPデフレーター)では、昨年度はプラス4.1%と、物価が激しく上昇しています。

こうした中で、実質賃金指数の伸び率は、今年3月がマイナス2.5%。2022年4月から24カ月連続のマイナスです。これは統計比較ができるようになってからの最長記録です。

3年前の2021年5月の実質賃金はプラス3.1%で、同年秋(10月4日)に岸田文雄政権が発足して以降、実質賃金指数はつるべ落としのようにマイナスが続いているわけです。

その大きな要因は、インフレの進行です。

5月号で指摘したことですが、1995年以降の28年間で5回だけ実質賃金が小幅に増えたことがあります。この5回は全て、物価が下がった年でした。日本において実質賃金を左右するのは物価であり、一部企業で賃上げがあっても、インフレにより物価がそれ以上に上がれば、差し引きで計算される実質賃金は減り続けていきます。
ならば、岸田首相が叫ぶべきは「賃上げ」ではなく、「インフレ抑止」であることは明白です。

日銀が「デフレからの脱却」を目指し2%のインフレターゲットを導入したのが2013年1月。そして、特にこの2~3年、インフレ率は日銀の目標値を大きく超えて4%も上昇しました。ある意味で、今の状況は日銀が目論んだ姿です。そもそもインフレ誘導の淵源をたどると、企業の賃金コストを減らすために提案された政策なのです。

現在の状況で賃上げを行なった会社のほとんどが大企業です。中小・零細企業は賃上げができないので、物価上昇分だけまるまる賃金が減少します。より一層、大企業とその他で格差が拡大しているわけです。

一方、株価を見ると、今年は日経平均が史上最高値を更新。4月22日に4万1087円を記録して、次は5万円突破が視野に入ります。

このように株価が大幅上昇した背景として、3つの要因を挙げることができます。

第1は、株価の指標から見て相対的に日本の株が割安だということ。日本企業の株の利回りは6~7%で、国債の利回り(1%)に比べると高い。利回りが高いということは、価格が安いということです。

第2は企業収益が拡大していること。日経平均採用銘柄の225社で、今年3月期の利益が予想ベースで前年比11%増。また、「マザーズ銘柄」「グロース企業」と呼ばれる新興成長企業でも、2024年3月期で56%増益という状況にあります。

第3は円安で、外国の資金が日本企業株式の取得に向かっています。

これらからわかることは、上昇する株価が反映しているのはあくまで企業利益だということです。政治の世界では株価上昇=景気好調の宣伝が盛んになされますが、株価と景気は別物で、企業収益を反映する株価は上昇していますが、冒頭で見たとおり、経済全体は超低迷が続いているのです。

経済が生み出した果実(=利益)は労働と資本に分配されます。資本の取り分が増えるほど、株価は上がります。しかし、実質労働賃金が減少し続けているように、労働者の取り分がどんどん減っています。株価の上昇は経済の好調さを示すものではなく、労働者が踏みつけにされていることの表れだと考えていいでしょう。

◆小泉内閣から始まった売国政策

アベノミクスの3つの柱は、「金融緩和」「財政出動」「成長戦略」でした。この3つのうちの核心は成長戦略です。

しかし、誰のための成長かということが重要で、真相は「大資本の利益の成長戦略」であり、「労働者の不利益の成長戦略」だったのです。結局、「大資本が栄えて民が滅ぶ」という流れが生み出されてきたことがわかります。

またアベノミクスの成長戦略には、後述する法人税減税や、経済特区という新たな利権も含まれます。ほかにも農業や医療の自由化、労働規制の撤廃というように、大資本の利益を拡張させるための様々な規制改革が次々に遂行されてきたのです。
このことは、安倍内閣が国民を騙してTPP(環太平洋パートナーシップ協定)を推進したことにも表れています。安倍晋三氏が率いた自民党は2012年末の総選挙で「TPP断固反対」と大書きしたポスターを貼りめぐらせましたが、政権奪取した選挙から3カ月も経たぬタイミングでTPP交渉参加を決め、発効に向けて突進しました。
その流れの元は、2001年に発足した小泉純一郎内閣にあります。新自由主義経済政策の旗を掲げた小泉内閣の規制改革で最も象徴的なのが、派遣労働の範囲拡大でした。

この小泉政権で政権中枢に加わった竹中平蔵氏(元経財相・金融相・総務相)は、2003年に政府によるりそな銀行乗っ取りを主導した後に郵政民営化担当相に横滑りし、2005年~06年に郵政民営化を強行しました。

彼らの裏にいたのは米国です。竹中氏は法人税減税を主張し始めた張本人の一人ですが、これは米国の巨大資本が日本で払う税金を減らすためにやらせた側面が強いのです。

後述しますが、米国を中心に、いわゆる「ワンワールド」や「ニューワールドオーダー(新世界秩序)」といった、グローバル資本による世界市場統一に向けての大きな運動が進められています。その一環として、市場原理主義を日本に埋め込み、巨大資本の利益を極大化する戦略が2001年以降に始動し、現在に至ってもどんどん拡大されています。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n9b222db7a856

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5月号に続いての登場となった政治経済学者の植草一秀氏は、本誌や著書『資本主義の断末魔』(ビジネス社)で「WPS」に警鐘を鳴らしています。すでに巨大企業や権力者への資本の集中は行きすぎるまでに進み、資本主義そのものが破綻に向かっている現在、展開されている「断末魔のビジネスモデル」を指し、その筆頭が「W=War(戦争)」。今月号は目次に目を通していただければわかる通り、またタイトルに銘打っていないものでも、「戦争」につながる話題が多くを占めました。残りの「P」「S」については、本誌や著書をお読みください。

その中でも特に、民間施設(港湾・空港)の軍事拠点化には、最大限に注目する必要を感じています。生活の中に戦闘機や軍艦が現れてもそれが日常であり、人々が“映える”とばかりSNSにアップする時代がそこまで来ています。「今からでも止めなければならない」ということは、あらゆる問題において強調すべきことです。

国会での審議を経ずに、様々なことが決定されています。また国会で審議されても、憲法違反の法律が成立しています。法律や政策に限らず、JR東海が乗客の利便性どころか自社の経営すらかなぐり捨てて進めるリニア新幹線や、カジノのための大阪・関西万博がそうであるように、その計画が経済的・科学的・論理的に破綻しているとしても、止まる理由にはなりません。

なおリニアについては、その首謀者だったJR東海の葛西敬之元名誉会長や、昵懇だった安倍晋三元首相が2年前に相次いで亡くなっても、なぜ計画見直しとならないのか。その背景に、今月号で迫っています。

6月号では半導体工場によるPFAS汚染をはじめ「健康被害」を特集。そこで採り上げた小林製薬の「紅麹」問題は、コロナワクチンによる健康被害が注目されるようになった中、免疫づくりに有効な発酵食品の危機として捉える見方が少なからずあります。

続いて、猶予期間が五月末で終了した改正食品衛生法も、食と健康の危機につながる問題です。漬物を販売するのに専用の調理場など基準が厳格化、農家や飲食店の“手作り”が食べられなくなるものです。工場でロボットにより製造された食品しか口にできなくなる、そんな時代の到来も想起してしまいます。

「食料危機」という言葉は、すでに一般化。今国会で可決・成立が目指されている「食料・農業・農村基本法」改正案では「食料安全保障」なる怪しげな言葉まで使用されています。本誌記事で執筆者の高野孟氏が、「食料をめぐる本源的な問題」について、重要な指摘をしています。

7月号ではスポーツ界の話題も採り上げました。この事例に限らず、目立って問題のある人物が放逐された後にどうなるかというのは、注視する必要があると思っています。また米国マイクロソフト頼みの日本政府「デジタル・ニッポン」構想の危険性、ワクチン強制接種と政府宣伝以外の情報を統制する「新型インフルエンザ等政府行動計画」、大川原加工機冤罪事件と経済安保法の密接関係など、必読のレポートを満載してお届けします。

全国書店で発売中です。ぜひご一読をお願いいたします。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

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タブーなき月刊誌『紙の爆弾』の最新号記事がnoteで一部公開・購読可能となりました。

記事単位での購入も可能になりましたが、『紙の爆弾』はあくまで紙がメインのメディアです。興味を持っていただけましたら、ぜひ書店でお手にとっていただければ幸いです。定価700円(税込)、年間定期購読7700円(1号お得)。

ここでは6月号の注目記事2本の一部を紹介します。

◆「大阪カジノIR」の真のリスク 水原一平事件の語られざる本質
 取材・文◎片岡 亮(ジャーナリスト)

 

 

2021年11月のある日、名古屋市の中心部に位置する高級ホテルのロビー。シャンデリアに照らされた大理石の床を歩いていたイベントプロデューサーを名乗る40代後半の男が、待ち合わせした女性に見せたのは、当時就任したばかりの岸田文雄首相とのツーショットだった。

高価そうなスーツや腕時計を身に着けた派手な外見とは裏腹に、男の詳しい経歴は不明で、インターネットにも会社名や本人の名前は見つからない。今どき特異な人物だが、自信に満ちた態度でバッグから何枚もの写真を取り出しながら、首相のみならず、今上天皇や著名な実業家、芸能タレントなどとの親交を自慢した。

「ビジネスは信用が大事ですよ。僕はホームページを作ったり、フェイスブックに写真を載せたりといった薄っぺらいことはしません。でも、首相が会ってくれるのは、僕自身に信用があるからです」

誰に対しても同じセリフを口にしているのだろう。そんな男が売り込んだのは、自らが開発に関わったという仮想通貨Lだ。

「今は、価値はありません。でも、この通貨が未来を切り拓くカギです。ほかの通貨とは別次元で、革命的な技術があります。私たちは先駆者で、社会に革命を起こす存在となります。ただの投資なら、こうして一人ひとりと会ったりしません。未来を一緒に作る仲間を集めているからです」

女性は男とのやりとりを録音しており、こうしたセリフが残っていた。

その二カ月後、60円でスタートした仮想通貨Lは、翌月に516円になり、40万円分を買った女性は300万円以上で換金できた。しかし、その後は価値が下落。0.2円前後を推移するまでになり、仮想通貨全体の7割を占める「一年以内の短命」のひとつになったと思われた。

しかし、今年1月31日から少し値動きが見られた。利益を得られるほどではないが、購入者が出てきたのである。同時に、先の男が肩書きを「芸能プロ社長」に変え、再びLを勧め歩くようになった。

3月、男が主催者となって愛知県内で行なわれたショーイベントは、かなり奇妙なものだった。ろくに告知もされないまま、まったく無名のラップグループや歌手が、まるで人気アーティストのように紹介されて歌やダンスを披露。MC役の男性は「盛り上がってますかぁ!」と叫び、出演者の交代の合間には、職業不詳の高齢の男女集団がマイク前に並んでコーナー紹介をしていた。

およそ900名収容の会場の7割ほどを埋めた客層は、とても音楽や演出にマッチしない中高年が主体。いかにも慣れない様子で手拍子しつつ、MCの誘導に素直に従って立ち上がったり、両手を挙げたりしていた。実は彼らこそ、無料招待された仮想通貨Lの購入者たちだった。

つまり、イベント自体は収益を得るためのものではないということだ。イベントを手伝った関係者はこう言った。

「本業である仮想通貨の収益の節税対策らしいです。グレーゾーンな収益なので、マネーロンダリングにしているそうですよ。タレントに高いギャラを払ったことにしたり、チケットが全部売れたことにしたりしています」

刷られてもいないチケットは額面が1枚5万円。900人で満員としたなら4500万円となる。

そして、仮想通貨Lの問題は、その売り文句にある。男は「将来、カジノが合法化される時に、オンラインカジノでもLを使って遊べるようにするので何百倍もの価値を持つ。それまで静かに黙って持っておいてほしい」と購入者に説明していたのだ。

2016年にIR(統合型リゾート)推進法、いわゆる「カジノ法」が成立し、国家事業となった。だからこそ、首相との写真も営業の武器になったわけだ。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n883499cc6a7f

◆日本の冤罪〈50〉北方事件 たった一人の支援者が明かす「連続殺人事件」の深層
 取材・文◎片岡 健(ジャーナリスト)

 

 

1980年代に佐賀県で起きた「北方(きたがた)事件」は、3人の女性を殺害した嫌疑をかけられた男性が裁判で検察に死刑を求刑されながら、無罪が確定した重大な冤罪事件だ。公判では、警察のとんでもない違法捜査も判明している。

だが、重大性のわりに、冤罪事件としてはあまり有名ではなく、「犯人が捕まっていない未解決事件」として語られることが多い。無罪が確定した男性が公の場で冤罪被害の経験をほとんど語ってこなかったためだ。

この特異な冤罪事件について、「警察は面子のため、無実の人を死刑台に送ろうとしたのです。本当に恐ろしいことです」と証言する人がいる。

事件の舞台となった北方町(現・武雄市)で町議を7期務めた田崎以公夫さん(92歳)だ。田崎さんは男性の「たった一人の支援者」として奔走し、男性を冤罪から救った人で、事件の一部始終を知る人でもある。

今回は田崎さんの証言に基づき、「北方事件」の顛末を紹介したい。この事件の深層を知れば、世の中には、まだ知られていない酷い冤罪があることを改めて実感していただけると思う。

 時効成立直前の「劇的な逮捕」だったが……

佐賀県の中央部に位置する旧北方町は、人口が1万人に満たない小さな町だった。ここであっと驚く大事件が起きたのは35年ほど前に遡る。

「林に白い服を来た女性の死体が捨てられているのですが……」

1989年1月27日夕方、そんな110番通報をしたのは佐賀県内の夫婦だった。夫婦は、JR佐世保線北方駅から2キロ余りの山道脇で仏壇に供える花を摘んでいた際、北方町内の雑木林に横たわる女性の遺体を見つけたのだった。

所轄の佐賀県警大町署(現・白石署)の捜査員たちが現地に臨場すると、事案は想像よりはるかに重大だった。雑木林から女性の遺体が、ほかにも2体見つかったのだ。連続殺人事件とみた佐賀県警は、ただちに大町署に150人態勢の捜査本部を設置した。

そして翌々日までに3人の被害者は全員、失踪していた近隣の女性だと判明したが、ある奇妙な共通点があった。

①藤瀬澄子さん 武雄町(現・武雄市)の料亭従業員。87年7月8日(水)の夜に同僚との外食後に失踪。失踪時48歳。

②中島清美さん 北方町の主婦。88年12月7日(水)夜にミニバレーの練習に出かけ失踪。失踪時50歳。

③吉野タツ代さん 北方町の会社員。89年1月25日(水)夜に自宅から外出後に失踪。失踪時37歳。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/nb6176caaa94c

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年6月号

『紙の爆弾』2024年 6月号

岸田訪米の能天気は害悪だ!アメリカが狙うアジアの一兆ドル海洋資源
次期戦闘機の第三国輸出解禁 日本を「兵器産業国家」にする公明・創価学会の“貢献”
【特集】隠蔽される「健康被害」

TSMCが熊本の水を殺す半導体工場のPFAS汚染
がんを引き起こし脳の働きを阻害する遺伝子組換え食品によるこれだけの危険
小林製薬「紅麹問題」で少なくとも言えること
開業延期」ではなく「計画中止」を リニア新幹線「電磁波と白血病」
「議員も記者も排除」で答弁拒否率76% 小池百合子 暴かれた“女帝”の虚像
裏金事件でも自民党で“岸田降ろし”が起きない理由
「大阪カジノIR」の真のリスク 水原一平事件の語られざる本質
一水会50年は、対米自立実現の橋頭堡である
事業者に従業員を監視・排除させる日本版DBS法案の違憲性
“制裁ありき”の駄文判決 岡口基一判事弾劾裁判「多数決で罷免」の異常
ジュリー前社長が手放さないジャニーズファンクラブ巨額の行方
失言バカ政治家の傾向と対策
改憲派2社以外も“軍拡肯定”2025年度中学教科書 防衛省の広報誌化
シリーズ 日本の冤罪50 北方事件

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ここでは6月号の注目記事3本の一部を紹介します。

◆「議員も記者も排除」で答弁拒否率76% 小池百合子暴かれた”女帝”の虚像
 取材・文◎横田 一(ジャーナリスト)

 

 

女性初の総理大臣への道が再び見えてきた瞬間、学歴詐称疑惑を報じた“文春砲”が直撃、知事三選すら危うくなった――。目まぐるしく展開する“小池劇場”が再び開幕していた。

過去最低の内閣支持率にあえぐ岸田文雄首相と入れ替わるかのように、小池百合子都知事のメディア露出度が急増。国会議員でもないのに上川陽子・外務大臣と並ぶ「女性初の総理大臣候補」と持ち上げられ、電撃辞任して衆院東京15区補選(4月28日投開票)に出馬が取り沙汰されるなど、国政復帰の可能性も囁かれた。

「絵空事ではなさそうだ」と印象づける朝日新聞の記事が出たのが3月12日。八王子市長選(1月21日投開票)から間もない夜に自民党都連会長の萩生田光一氏と小池知事が会食し、「小池氏に対し、今夏の都知事選で3選を目指す場合は支援、また古巣の自民党に復党を望めば、後押しする考えも示したという」という関係者のコメントを報じたのだ。

八王子市が選挙区(衆院東京24区)の萩生田氏が小池知事に感謝したくなる心情は、市長選を取材した記者ならすぐにわかる。本来なら陣頭指揮をとる役割を担っている地元選出の衆院議員で、しかも自民党幹部なのに、裏金事件で表に出ることを控えざるを得なかったからだ。

今回の市長選は三期務めた現職から新人への継承という一戦にもかかわらず、萩生田氏は候補者と街宣車に乗ることは一度もなく、室内に支援者を集め支持をひっそりと訴えるだけだった。

ただし高市早苗大臣を応援弁士として呼んだ1月16日の個人演説会では、冒頭で挨拶。東京地検に対してこんな“勝利宣言”を発していた。

「ワイドショーを観ていると、だんだん私が(裏金事件の)真ん中にいる(聴衆から笑い)。『大丈夫か』と街の中で皆が話していたのだろうと思いますが、そういう問題ではなくて、『修正をきちんとする』ということになっておりますので、東京地検に連れて行かれることはございません」

それでも世間の批判を気にしてか、街頭演説で同じような訴えを堂々とすることはなかった。

そうした萩生田氏の代役を務めたのが小池知事だった。投開票日の2日前に現地入り、街宣車上で自公推薦の新人・初宿和夫候補と並んで支持を呼びかけた。世論調査では、元都民ファ都議の滝田泰彦候補(立民・共産・社民などが支持)にリードを許していたが、最終盤で初宿氏の逆転勝利を呼び込む原動力となったのだ。

政治とカネの問題で逆風にさらされる自民党に小池知事が助け舟を出したのは、八王子市長選だけではなかった。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n9e7d84b5819b

◆自創協力で次期戦闘機の第三国輸出解禁へ 日本を「兵器産業国家」にする創価学会・公明党
 取材・文◎柿田睦夫(ジャーナリスト)

 

 

「私どもは、池田先生のご遺訓・ご指導を命に刻み……日々、前進してまいりたい」

昨年11月18日、この四半世紀にわたる「自公政権」の生みの親でもある池田大作・創価学会名誉会長死去を公表するにあたり、原田稔同会長が談話を発表してそう述べた。

池田氏は創価学会名誉会長、SGI(創価学会インタナショナル)会長であるだけでなく、「本会の永遠の師匠」(会憲・会則第三条)という存在である。その「遺訓」は「命に刻む」ほど重いものなのだ。

池田氏の主張の中心に、常に据えられていたのが「平和」だった。実際、その説話や著書(とされるもの)には「平和」の語が頻繁に登場する。創価学会員にとって「精神の正史」である小説『新・人間革命』(聖教新聞社)の冒頭には、こうある。

「平和ほど、尊きものはない。平和ほど、幸福なものはない」

さらに、「核兵器および一切の軍備を地球上から消滅させ、一切の戦争を廃絶する」とも書いている。

池田氏は核兵器だけでなく、一切の軍備を消滅させることこそが「平和」なのだと説く。創価学会と公明党は、この「池田遺訓」にどう向き合ってきたのか――。

開会中の通常国会で、「防衛装備移転3原則」をめぐる重要な政策変更があった。日英伊3国が共同開発する次期戦闘機の第三国輸出解禁である。「兵器産業国家」への始動というべきものだ。これを、国会決議抜きに自公両党の“密室会議”で決めた。

ちなみに「防衛装備」とは「武器」のことで、「移転」とは「輸出」のこと。安倍晋三自公政権がそう言い換えた。安倍氏が得意とした目くらましの手法である。

かつてこの国には「武器輸出三原則」があり、武器の輸出は原則全面禁止だった。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n97b6256833da

◆事業者に従業員を監視・排除させる日本版DBS法案の違憲性
 取材・文◎足立昌勝(救援連絡センター代表)

 

 

対象事業者に従業員らの性犯罪歴の確認を義務づける「日本版DBS」法案について自民党内の意見がまとまらず、国会提出が遅れていたものの、3月19日に閣議決定されて、衆議院に送付された(5月9日に衆議院で審議入り)。昨年9月5日に有識者会議からの報告書がまとめられても、自民党内の異論百出により成案化が遅れていたのである(1月号を参照)。

法案の正式名称は、「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案」というが、内容から判断すれば、職業選択の自由を定めた日本国憲法に違反する「特定性犯罪者排除法案」といっても過言ではない。

 日本版DBS法案の仕組み

性暴力が児童に与える影響が多大なものであることは、異論のないところである。そこで政府は、教員や教育・保育従事者等が特定性犯罪を過去に行なった事実があるか否かに関する情報を、国が学校設置者や当該教育保育事業者等に提供する仕組みを設け、それらの者を教育現場等から排除することを目指し、法案を作成した。

まず法案では、教育や保育等を提供する事業者は、子どもとの関係において、

①児童を指導するなど非対称の力関係があるなかで支配的・優越的立場に立つ支配性
②時間単位のものを含めて児童と生活をともにするなどして児童に対し継続的に密接な人間関係を持つ継続性
③親等の監視が届かない状況の下で預かり養護等をするものであり他者の目に触れにくい状況を作り出すことが容易である閉鎖性

という三要件を持ち、その現場では性犯罪や性暴力が発生する基盤があるとされる。

この三要件により、法案における事業・業務の範囲が定められた。自民党の要望を受け入れて、範囲を大幅に拡張した形だ。子どもたちが通う稽古事、習字教室や将棋教室は、すべてこれに含まれるものと思われる。

これらの事業において、業務従事者による児童への性犯罪・性暴力を防止しなければならないのは当然だ。しかし、その防止義務を事業者に課すことには、明らかに無理がある。国民の相互監視の一形態といえるのではないか。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/ndd097058ed36

最新刊! タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年6月号

『紙の爆弾』2024年 6月号

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次期戦闘機の第三国輸出解禁 日本を「兵器産業国家」にする公明・創価学会の“貢献”
【特集】隠蔽される「健康被害」

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ここでは6月号の注目記事2本の一部を紹介します。

◆岸田訪米の能天気は害悪だ! アメリカが狙うアジアの1兆ドル海洋資源
 取材・文◎浜田和幸(国際政治経済学者、元参議院議員)

 

 

 岸田「忖度演説」をよそに米中駆け引きの新展開

4月に国賓待遇で訪米した岸田文雄首相は同11日、米議会上下両院合同会議において「未来に向けて~我々のグローバルパートナーシップ~」と題して演説を行ないました。この演説はロナルド・レーガン元大統領のスピーチライターからのアドバイスを基に、国際秩序維持への米国の貢献を讃えつつ、民主・共和両党の分断を助長しないように配慮したもの。

岸田首相は幼少期にニューヨークの公立小学校に通った当時の思い出に触れながら、日本と米国が「最も親しいトモダチとして、世界の未来を創造する責任を分担して果たしていきたい」と訴えました。これまでの米国の指導力を称賛し、引き続き米国が国際問題で中心的役割を果たすように呼び掛けたものです。

とはいえ、これでは岸田カラーが印象に残らないどころか、「アメリカ頼み」の感はぬぐえません。11月の大統領選挙を念頭に、米国内の分裂や分断にはあえて目を向けないようにし、日米両国がAI・量子・半導体・バイオテクノロジー・グリーンエネルギーなど次世代を切り開く最新技術の発展において協力する可能性に焦点を当てることに腐心しただけでした。

注視すべきは、こうした分野で米国は中国との連携にも関心を寄せているということです。

というのも、同じ頃に中国を訪問していたイエレン財務長官は「中国と米国で世界を2分すればいい」との大胆な提案を繰り広げていました。日本はあくまで「捨て駒」としか見なされてはいないのです。

バイデン大統領は岸田首相や「ボンボン」の愛称で知られるフィリピンのマルコス・ジュニア大統領をワシントンに招き、中国包囲網の形成に力を注ぐ姿勢を見せてはいました。とはいえ、アメリカの本音はあくまで自国の産業最優先。中国の脅威をことさらに煽ることで、米国製の武器を日本やフィリピンに大量に売りつけることにあることは疑いの余地がありません。

日本では関心を呼びませんでしたが、ワシントンでの日米比3カ国首脳会談の直前には、アメリカのレモンド商務長官一行がフィリピンの首都マニラを訪問し、同国周辺の海洋資源開発のためのファンドを立ち上げることを明らかにしています。

実は、フィリピン沖合の天然ガスや石油などの資源には、中国も日本も前々から大きな関心を寄せてきました。アメリカ政府はこうした資源を中国や日本の資金と技術で開発し、自国のエネルギー企業の利権に直結するように働きかけているのです。

しかし残念ながら、岸田首相にとっては、フィリピンの資源を巡るアメリカと中国の駆け引きは関心外の模様で、情報収集のアンテナが向けられていないことが歴然としました。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/nda41dedeaeff

◆TSMCが熊本の水を殺す 半導体工場がもたらすPFAS汚染 
 取材・文◎本誌編集部(【特集】隠蔽される「健康被害」より)

 

 

 なぜ半導体工場はアジアに集中するのか

コンピュータやスマートフォン、家電から車まで、多岐に渡る製品に必要な「産業のコメ」と呼ばれる半導体が、世界で深刻な供給不足に陥っているといわれてすでに久しい。

そうした状況下、「世界最大のファウンドリ(半導体委託製造メーカー)」であるTSMC(台湾積体電路製造)が熊本県菊陽町に進出し、第1工場が竣工。2月24日に開催された開所式には齋藤健経済産業大臣や蒲島郁夫熊本県知事(当時)らが出席した。隣接地には2027年の稼働開始を目指し、第2工場の建設も決定されている。

地元では新駅や高速鉄道建設も計画され、「食堂のパートの時給が3000円」「3000万円の庭付き一戸建てが6000万円に爆上がり」といった景気のいい報道が続き、「空前の半導体バブル」ともてはやされている。

ただし、冷静になって考えれば、いくつかの大きな疑問がわく。

まず、半導体製造が、それほど重要で雇用を生み出し、利益をもたらす産業であるなら、なぜ欧米ではなく中国・台湾・韓国、そして日本に集中するのか、ということだ。

国・地域別に見た場合、半導体の生産能力は、トップの台湾が21.6%、韓国が20.9%、日本が16.0%、中国が13.9%(IC Insights、19年)。実に72%をこれらアジアの国・地域が占めている。米国は12.8%でも、欧州は全体で5.8%にすぎない。欧州は1990年代、世界の半導体産業の44%を占めていたとされる。米国も同時期は37%だった。

半導体製造の主要地は、なぜアジアに移動したのか。その大きな原因が、半導体工場に勤務する労働者を襲った健康被害だといわれる。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n474afde43b23

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