すっかり秋めいてまいりました。

このたび小社は28年にわたるジャニーズ問題(創業者ジャニー喜多川による未成年性虐待と事務所の横暴など)追及の〈集大成〉として『ジャニーズ帝国 60年の興亡』を刊行いたしました。

 

鹿砦社編集部編『ジャニーズ帝国 60年の興亡』

本書は私たちにとって感慨深いものがあります。今から28年も前の1995年、ジャニーズ事務所から出版差し止めを申し立てられて以来、私たちは3度の出版差し止めにも屈せずジャニーズ問題を告発し続けてまいりました。

このかんのジャニーズ問題のヒートアップには驚くばかりですが、ずっと悲観的な想いでいたところ28年にわたる執念が実ったことだけは確かです。「蟻が象を倒すこともある」「針の一穴がダムを決壊させる」と嘯いてまいりましたが、現実のものとなりました。

現在、すべてと言っていいほどのマスメディアが日々ジャニーズ問題に狂奔していますが、「死人に口なし」で、なぜもっと早い時期、少なくとも『週刊文春』訴訟でジャニー喜多川の未成年性虐待が認定され最高裁で確定した時点からでも取り組むべきだったと思います。文春以前と以後、さらにジャニー喜多川が存命中と死後では、取材や記事の値打ちに天地雲泥の差があります。

毀誉褒貶はあるかと思いますが、まずは私たちの闘いの記録でもある本書をご覧になり、取材の参考にされたり、またご意見、ご批判などお寄せください。こういう記録書は他にはないことだけは確かであり、手前味噌ながら、これだけでも価値があると自負いたします。

まずは『ジャニーズ帝国 60年の興亡』刊行のご挨拶にて失礼いたします。

株式会社鹿砦社 
代表取締役
松岡利康

【主な内容】
Ⅰ 苦境に立たされるジャニーズ
  2023年はジャニーズ帝国崩壊の歴史的一年となった!
  文春以前(1990年代後半)の鹿砦社のジャニーズ告発出版
  文春vsジャニーズ裁判の記録(当時の記事復刻)
 [資料 国会議事録]国会で論議されたジャニーズの児童虐待

Ⅱ ジャニーズ60年史 その誕生、栄華、そして……
1 ジャニーズ・フォーリーブス時代 1958-1978
2 たのきん・少年隊・光GENJI時代 1979-1992
3 SMAP時代前期 1993-2003
4 SMAP時代後期 2004-2008
5 嵐・SMAPツートップ時代 2009-2014
6 世代交代、そしてジュリー時代へ 2015-2019
7 揺らぎ始めたジャニーズ 2020-2023

10月23日発売 鹿砦社編集部編『ジャニーズ帝国 60年の興亡』A5判 320ページ 定価1980円(税込み)

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315290/

鹿砦社にとっても、私にとっても最大の事件だった、2005年の「名誉毀損」に名を借りた出版弾圧事件の主任弁護人を務めていただいた中道武美(なかみち・たけよし)弁護士が亡くなられました。慎んでご冥福をお祈りいたします。

『救援』10月号より

中道弁護士には、『タカラヅカおっかけマップ』出版差し止め事件(民事。1996年)にも代理人を務めていただきました。

中道弁護士は、1967年10・8羽田闘争で斃れた、かの山﨑博昭さんの高校(大阪・大手前高校)の1年後輩(先輩には東大全共闘代表の山本義隆さんがいます)ですが、当時の時代の空気もあってか、反権力の塊のような方でした。また、死刑廃止の活動にも積極的に関わられました。

「名誉毀損」弾圧後、なしくずし的に音信が途絶えていきました。最後にお会いしたのは2年ほど前でした。

このところ、身近にあった方、お世話になった方、先輩,後輩らの死が続き、いささか滅入っていたところでした。

ちなみに、あまり知られていませんが、かの橋下徹は中道弁護士の弟弁の関係にあり、親弁は、かつてはRG裁判など新左翼系の弁護を先頭になって担っていた樺島正法弁護士で、光市母子殺害事件では、弟弁の橋下が兄弁の中道弁護士ら弁護団に対し懲戒請求を呼びかけ(橋下自身は請求人にならず。却下)、これに怒った樺島弁護士が,今度は橋下を懲戒にかけ(業務停止2カ月)、さらに損賠賠償請求訴訟を提訴するといったこともありました。この件についてご関心のある方はご自身でお調べください。

中道弁護士もそうですが、今後私の歳と前後する世代の方々の死が続いていくものと思われます。直近で著名人としては谷村新司もそうですし、坂本龍一もそうですね。「しんどい、しんどい」と喘ぎながらも仕事に追われているだけで幸せと思わなければ罰があたります。死んだら仕事できないわけですから。合掌。

(松岡利康)

10月23日発売 尾﨑美代子『日本の冤罪』(鹿砦社)

◇     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇
 

ジャニーズ帝国 60年の興亡 鹿砦社編集部=編

ジャニーズ帝国 60年の興亡
鹿砦社編集部=編
A5判 320ページ カバー装 定価1980円(税込み)

少年愛の館、遂に崩壊! ジャニーズ問題追及28年の執念、遂に実る!

本年(2023年)3月7日、英公共放送BBCが、わが国だけでなく全世界に放映した故ジャニー喜多川による未成年性虐待のドキュメント映像が話題を呼び、これをきっかけに、ジャニーズ問題が報じられない日はない。本年最大の大事件で2023年の重大ニュースのトップとなるだろう。

今やジャニーズ事務所に対するメディアタブーが一気に溶けた感がある。これまでジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川の未成年性虐待(性犯罪)やジャニーズ事務所の横暴を、ジャニーズ事務所に忖度し報じず、むしろ癒着しその所属タレントを重用してきたNHK、朝日新聞をはじめとする、わが国トップクラスの巨大メディアまでもが掌を返し連日大きく報じている。

しかし、これまで黙認、放置、隠蔽してきた(文春を除く)マスメディアの責任は大きい。

鹿砦社は、遙か28年も前、1995年にジャニーズ事務所から出版差し止めを食らって以降、多くの書籍でジャニー喜多川による未成年性虐待の問題やジャニーズ事務所の横暴などを報じてきた。一時期、芸能スキャンダルの一つとしてそれなりに報道されたりもしたが、ほとんどのマスメディアは無視した。わが国の代表的週刊誌『週刊文春』が1999年に追及を開始するまでに15点の告発系の書籍を出版し、今回の騒動でも、その中のいくつかの書籍が話題になった。

本書はその〈集大成〉としてジャニーズ60年の詳細な歴史、28年間の言論活動で経験してきたことなどをあますところなく記述し、これ一冊でジャニーズの歴史がすべて解るようにした。

今では貴重な資料も復刻・掲載、ジャニーズの60年の出来事を直近(10月2日の記者会見)まで詳細に記載し、ジャニーズ問題の本質をまとめた待望の一冊! ジャニーズ事務所からの3度の出版差し止めにも屈せず28年間の言論・出版活動を継続してきた鹿砦社にしかできない、類書なき渾身の書、緊急出版!

【主な内容】
Ⅰ 苦境に立たされるジャニーズ
 2023年はジャニーズ帝国崩壊の歴史的一年となった!
 文春以前(1990年代後半)の鹿砦社のジャニーズ告発出版
 文春vsジャニーズ裁判の記録(当時の記事復刻)
[資料 国会議事録]国会で論議されたジャニーズの児童虐待

Ⅱ ジャニーズ60年史 その誕生、栄華、そして……
1 ジャニーズ・フォーリーブス時代 1958-1978
2 たのきん・少年隊・光GENJI時代 1979-1992
3 SMAP時代前期 1993-2003
4 SMAP時代後期 2004-2008
5 嵐・SMAPツートップ時代 2009-2014
6 世代交代、そしてジュリー時代へ 2015-2019
7 揺らぎ始めたジャニーズ 2020-2023

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315290/

◇     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇
 

日本の冤罪 尾﨑美代子=著

日本の冤罪
尾﨑美代子=著
四六判 256ページ カバー装 定価1760円(税込み)

「平凡な生活を送っている市民が、いつ、警察に連行され、無実の罪を科せられるかわからない。今の日本に住む私たちは、実はそういう社会に生きている。」(井戸謙一/弁護士・元裁判官)

労働者の町、大阪・釜ヶ崎に根づき小さな居酒屋を営みながら取り組んだ、生きた冤罪事件のレポート!

机上で教条主義的に「事件」を組み立てるのではなく、冤罪事件の現場に駆け付け、冤罪被害者や家族に寄り添い、月刊『紙の爆弾』を舞台に長年地道に追究してきた、数々の冤罪事件の〈中間総括〉!

8月に亡くなった「布川事件」の冤罪被害者・桜井昌司さんが死の直前に語った貴重な〈遺言〉ともいうべき対談も収める!

【主な内容】
井戸謙一(弁護士/元裁判官) 弱者に寄り添い、底辺の実相を伝える
《対談》桜井昌司×尾﨑美代子 「布川事件」冤罪被害者と語る冤罪裁判のこれから
[採り上げた事件]
湖東記念病院事件/東住吉事件/布川事件/日野町事件/泉大津コンビニ窃盗事件/長生園不明金事件/神戸質店事件/姫路花田郵便局強盗事件/滋賀バラバラ殺人事件/鈴鹿殺人事件/築地公妨でっち上げ事件/京都俳優放火殺人事件/京都高校教師痴漢事件/東金女児殺害事件/高知白バイ事件/名張毒ぶどう酒事件
[著者プロフィール]
尾﨑美代子(おざき・みよこ)
1958年、新潟県生まれ。中央大学中退。大学生時代の80年代、山谷(東京)の日雇労働者、野宿者問題の支援に関わる。90年代初頭大阪に移住して以降は、同じく日雇労働者の町・釜ヶ崎に住みながら、フリースペースを兼ねた飲食店「集い処はな」を経営。釜ヶ崎で知り合った仲間たちと、3・11以後福島支援、反原発運動を始め、講演会、上映会、支援ライブなどを続ける。その傍ら、かつてより関心のあった冤罪事件の取材・執筆活動を続ける。

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315304/

ご承知のように、一昨日9・7、ついにジャニーズ事務所に大きな変動がありました。下記は9月7日に掲載されたという共同通信配信の新聞記事(おそらく愛媛新聞)です。ネットで流れて来ました。

9月7日に掲載されたという共同通信配信の新聞記事(おそらく愛媛新聞)

この問題、しばらく事の推移を遠くから見守ってきましたが、文春裁判以前パイオニア的に1995年からジャニー喜多川による未成年性虐待問題や、マスメディアに隠蔽される事務所の横暴やスキャンダルを告発してきた私たちとしては、いわば総決算的な書籍を出版することにしました。タイトルは『ジャニーズ帝国60年の興亡』(仮)です。A5判、320ページの大著です。ご期待ください!

それにしてもマスメディアのご都合主義には違和感を覚えます。「大学院生リンチ事件」(しばき隊リンチ事件)もそうですが、マスメディアによる隠蔽こそが、こうした事態を招いたことを思い知らねばなりません。今や中堅の40代以上のマスメディア人すべてに責任があると思います。

朝日新聞などこのかん5度も社説でご高説を掲載し、本日も大きく報じていますが、例えば20年前から報道に携わってきたメディアの記者らに対しては、「今さら何を言ってんだ!」と言いたいところです。ある意味で、ジャニー喜多川以上に犯罪的と言えるかもしれません。「死人に口なし」という言葉を知っていますか? 

週刊文春が追及する以前の90年代後半はほぼ孤立無援で、3件もの対ジャニーズ事務所との訴訟を闘いつつ、いわゆる「暴露本」を出し続けた身からすると(文春の登場以前に実に15冊も出版。以後も継続)、ジャニー喜多川が生きている内に、今のように、いやこの1割でもやって欲しかったというのが素朴な想いです。(松岡利康)

[上段左から]豊川誕半生記『ひとりぼっちの旅立ち』(97年3月)/本多圭・著『ジャニーズ帝国崩壊』(97年8月)/鹿砦社編集部・編『ジャニーズの欲望 ── アイドル資本主義の戦略と構造』(98年2月)/[中段左から]同『ジャニーズの憂鬱 ── アイドル帝国の危機』(98年5月)/ジャニーズ特別取材班・編『ジャニーズの躓き ── 壊れ始めた少年愛ビジネス』(99年4月)/伊藤彩子・著『ジャニーズ・プロファイリング──犯罪心理捜査』(99年3月)/[下段左から]鹿砦社編集部・編『ジャニーズ・ゴシップ・ワールド』(99年3月。続編あり)/同『ジャニーズ・スキャンダル』(99年6月)/同 『スキャンダルの中のジャニーズ』(99年9月。新版あり)

[左]原吾一・著『二丁目のジャニーズ』(95年11月)、同『二丁目のジャニーズ 死闘篇』(96年4月)、同『二丁目のジャニーズ 最終戦争篇』(96年7月)/[右]平本淳也・著『ジャニーズのすべて 少年愛の館』(96年4月)、同『ジャニーズのすべて2 反乱の足跡』(96年6月)、同『ジャニーズのすべて3 終わりなき宴』(96年9月)

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年10月号

昨年7月の原子力規制委員会の認可以降、トンネルを掘り進めて今年6月に完成、8月24日に東京電力福島第一原発「汚染水」の海洋放出が始まりました。マスコミは「処理水」と呼んで、中国だけが反対しているかのように強調し、放出されるトリチウムの量をフランスの再処理施設から出るなどと比較して、事態を矮小化する報道を続けています。

 

9月7日発売! タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年10月号

これは汚染水海洋放出の実態を隠すと同時に、日本国内の反対の声をもかき消しています。しばらくすれば、そんな報道すら消えるかもしれません。ただし、鈴木達治長崎大学教授は「処理水の中にはまだ放射性物質が入っており純粋なトリチウム水とは違うもの」と語っています。ちなみに、農林水産省の発表によれば、今年1-6月期「農林水産物・食品 輸出額 国・地域別」は、中国(1位)、香港(2位)・台湾・韓国が前年同期比10%~20%増だったのに対し、アメリカ(3位)は−7.9%(6月は−11.0%)。気になるところです。

本誌9月号では海洋放出の目的が、原子力政策の維持であると指摘しました。「もし福島のトリチウムを海に流してはいけないということになれば、使用済み核燃料の再処理工場の運転もできなくなり、日本の原子力は根本から崩壊する」と小出裕章・元京都大学原子炉実験所助教が解き明かしています。海洋放出に向け「原子力マフィアの総元締め」IAEAのラファエル・グロッシ事務局長が、日本政府の代弁人を担い、各国を渡り歩いた理由もここにあるものと思われます。 

前号で登場の「全国有志医師の会」藤沢明徳代表が、6月に「一般社団法人ワクチン問題研究会」を設立し、8月にはホームページを公開(https://jsvrc.jp/)、本誌発売の9月7日に記者会見を開きます。「コロナワクチン惨禍は全世界規模の人体実験」とし、会見の理由を「ワクチン後遺症の患者さんの記者会見に対する医師側の正面からの意思表明」と語っています。会見の模様はHPでも公開予定とのこと。本誌インタビュー記事では、WHO(世界保健機関)を内部で批判してきた専門家らによる組織WHC(世界保健評議会)にも触れています。WHOについては、来年5月の総会に向けて「パンデミック条約」の策定を目指していることにも注意が必要です。同条約は、WHOの「緊急事態宣言」により、各国の憲法を超えて、WHOの決定を優先するという内容。事実上、国家が主権をWHOに預けるものです。

今月号では、ジャーナリスト・堤未果氏がマイナンバーカードの危険性と、中国に限らず世界各国で現出しつつある「デジタル監視社会」を解説。マイナ保険証については、持たない人に向けて「資格確認書」を交付、有効期限を5年に延ばしたものの、一方で資格確認書を利用した場合、医療機関での窓口負担が割高になるペナルティが政府で検討されているといいます。前号ではワクチン接種に次ぎ、マイナカードの旗振り役を務める河野太郎デジタル相の“本質”に迫りましたが、政府がその先に見据える「デジタル社会」とは何なのかを考える必要があります。

そんな自公政権に迎合し、馬場伸幸代表が自ら「第2自民党」を公言した維新。大阪・開催万博、そして大阪カジノの実態については本誌記事をお読みください。万博・カジノとともに、維新の「地盤沈下」が始まっています。そのほか「木原事件」をめぐる報道管制など、多彩なレポートをお届けする『紙の爆弾』は全国書店で発売中です。ぜひご一読をお願いいたします。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

『紙の爆弾』2023年10月号
ジャーナリスト・堤未果が語る 危険な「マイナカード」とデジタル監視社会
万博・カジノが“共倒れ”に「地盤沈下」する維新
大阪・関西万博は延期&会場変更するしかない
岸田訪米に同行した“影の総理”「木原事件」報道管制の大問題
目指すは「国家によるサイバー攻撃」 経済安保法の危険な蠢動
際限なき「軍事同盟」拡大路線 米国ネオコンが仕切る日本・NATOパートナー宣言
ロシア・ウクライナ問題に便乗「NATO東京事務所」構想が示す岸田凡愚政権
それでも岸田文雄を降ろせない“安倍派”迷走と自民党弱体化
ビッグモーター事件で露呈した日本社会の劣化
芸能界“一〇〇〇億円企業”の錬金術 ジャニーズ性加害問題の“元凶”
2024パリ大会が改めて浮き彫りに 東京五輪汚職の根本原因
自民党議員の収賄疑惑 利権化する「洋上風力発電」
アベ暗殺の地政学——米国の極東「新冷戦」戦略のもと統一教会は「粛清」対象となった
シリーズ 日本の冤罪42 米原汚水タンク殺人事件
「週刊金曜日」書籍広告排除事件にみる「左派」言論の落日

連載
あの人の家
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け 西田健
「格差」を読む 中川淳一郎
ニュースノワール 岡本萬尋
シアワセのイイ気持ち道講座 東陽片岡
キラメキ★東京漂流記 村田らむ
裏から世界を見てみよう マッド・アマノ
権力者たちのバトルロイヤル 西本頑司
まけへんで!! 今月の西宮冷蔵

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年10月号

前田和男さんは鹿砦社創業に関わり、最初の出版『マルクス主義軍事論』などの編集をされました。最近では『続・全共闘白書』も編纂されています。

その前田さんが新著『昭和街場のはやり歌──戦後日本の希みと躓きと祈りと災いと』を上梓、A5判、300ページの大著です。

『マルクス主義軍事論』から『昭和街場のはやり歌』へ ── 現在の鹿砦社も硬派(社会問題書)から軟派(芸能本)まで同じ位相で出版しています。

とりいそぎ、三波春夫と美空ひばりの項目の一部を紹介しておきます。なお、ご注文の際には松岡の紹介とお書き添えください。

株式会社 鹿砦社 代表
松岡利康

前田和男さんの新著『昭和街場のはやり歌 ── 戦後日本の希みと躓きと祈りと災いと』

7月24日、新型コロナワクチンによって命を落とした男性がワクチン被害救済認定を受けたことで、妻らが大阪府庁で記者会見し、救済認定を急ぐこと、また接種後の死亡について正面から研究するよう訴えました。会見の模様は繋ぐ会(ワクチン被害者遺族の会)がニコニコ動画にアップしています(https://www.nicovideo.jp/user/22102689)。また同日には「新型コロナワクチン後遺症患者の会」も、厚生労働省で記者会見を開いています。両会見は、よみうりテレビや朝日新聞など、大手メディアも報道しました。救済制度で国は「予防接種と健康被害との因果関係が認定された方を迅速に救済する」としています。7月14日時点で8000件以上の申請に対し、約4割を認定。すでに、「ワクチン薬害」は国や大手メディアも認めるものであることは、言うまでもありません。

 

8月7日発売! タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年9月号

しかし、6月に日本小児科学会は、子どもへのコロナワクチン接種を「推奨」。今月号のインタビューで「全国有志医師の会」藤沢明徳代表が語っているとおり、子どもだけでなく大人においても、もはや接種のメリットなどないにもかかわらず、です。同ワクチンの免疫の働きを抑える仕組みが明らかになり、そのために感染症の重症感が軽減されているだけ。打つごとに副反応が出なくなるのも同じ、というのはシンプルな事実です。詳細は本誌記事をお読みください。

そんな危険なコロナワクチンの接種拡大と、これまた危険なマイナンバーの普及を担う河野太郎デジタル相。マイナンバーカードで他人の住民票が発行された、他人の年金記録が閲覧できてしまった、といったトラブルや、一体化した「マイナ保険証」により現行の保険証が廃止されれば「無保険」となる人が続出し、国民皆保険が崩壊する、といった指摘があります。こうした危険性がメディアで報道されても、政府は制度移行を強行。しかも岸田文雄首相や河野大臣は、国民騙しの詐欺的説明を繰り返しています。ワクチンにせよ保険証にせよ、人命に直接、危険を及ぼすことが、なぜ強行されるのか。その“謎”を解明するための第一歩として、河野大臣が“何でも売る営業マン”であることを本誌で指摘しました。では、彼の“雇い主”とは誰なのか——。一歩踏み込んだレポートをお届けします。

6月23日に施行されたLGBT理解増進法。その真相に迫った本誌増刊『人権と利権「多様性」と排他性』が好評です。同書の編者・森奈津子氏にインタビューした8月号とあわせて、ぜひお読みください。差別解消が、社会が目指すべき課題であることは絶対の前提ですが、それでもLGBT法には、いまだ様々な立場から“異論”が投げかけられています。今月号では成立の経緯から、米国と西側世界が迫るイデオロギーの一体化であることを指摘しました。その米国は、ウクライナにクラスター爆弾を供与、同爆弾には使用しないことはもちろん、「作らない・持たない・渡さない」ことも規定した国際禁止条約(オスロ条約)が存在します。加盟国である日本は米国・ロシア、そしてウクライナに対し、同条約への締約を求めるのが筋のはず。しかし、イギリス・スペイン・カナダといったNATO各国も使用に反対を表明する中、日本は米国の行為を追認するのみです。

ほか今月号では、国際原子力機関(IAEA)も“お墨付き”を与えたとされる核汚染水海洋放出の“本当の目的”を解説。『紙の爆弾』は全国書店で発売中です。ご一読をよろしくお願いいたします。

『紙の爆弾』編集長 中川志大


『紙の爆弾』2023年 9月号

「全国有志医師の会」藤沢明徳医師に聞くコロナワクチン後遺症の真実とWHOの次なる策略
“売り物”は何でもいい ワクチン・マイナ営業マン河野太郎の本質
岸田・河野の国民騙し マイナ保険証強行の詐欺策動
「過大請求」はなぜ起きるのか 新型コロナ対策 コールセンターに潜む闇
低下し続ける支持率でも岸田政権を延命させる“安倍派”の内紛
IAEAと大手メディアが既成事実化 原発核汚染水海洋放出の本当の目的
「アジアの平和」破壊を中国メディアも危惧 岸田政権の軍拡とNATO急接近の愚
LGBT法は米国の日本解体策謀だ
山下達郎「スマイルカンパニー」炎上の背景 もう止まらない「ジャニーズ帝国崩壊」
三浦春馬のファンたちの抗議活動が続く理由
夏の蜃気楼(ミラージュ) 可愛かずみがいた頃
ボクシング「替え玉事件」と「井岡一翔大麻騒動」の真相
暴動は用意されていた フランス暴動勃発の裏の現実
引退帝国たちの「老老介護」の地政学
QRコードで自衛隊軍拡サイトに誘導「小学校教科書」が危ない!
シリーズ 日本の冤罪41 狭山事件

連載
あの人の家
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け 西田健
「格差」を読む 中川淳一郎
ニュースノワール 岡本萬尋
シアワセのイイ気持ち道講座 東陽片岡
キラメキ★東京漂流記 村田らむ
裏から世界を見てみよう マッド・アマノ
権力者たちのバトルロイヤル 西本頑司
まけへんで!! 今月の西宮冷蔵

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年9月号

お笑いと格闘技という語りたがりが多い2大ジャンルが誌上で激突する、お笑い語り本『お笑いファンvol.2』(鹿砦社)が7月31日に発売されました。

『お笑いファンvol.2』(鹿砦社)7月31日発売開始!

2022年12月に発売された前号は、吉本興業ホールディングスの前会長・大崎洋氏のインタビューでも話題となりましたが、今回のテーマは「お笑い×格闘技・プロレス」。ニューヨーク・嶋佐和也さんが「プロレス・格闘技」について熱く語っています。

そのほかにも、サバンナ・八木真澄さんと極真会館中村道場・松岡朋彦さんの対談や、チェリ―大作戦による極真会館体験入門や、「月刊プロレスファン」元編集長である伊藤雅奈子さんによるコラム「全女とFMWと、ときどき吉本。」など企画も盛りだくさん。

インタビューも多彩で、巻頭を飾るのは、M-1王者・ウエストランド。井口浩之さんと河本太さんが、誌面でも舞台さながらの絶妙な掛け合いを見せてくれます。マユリカには東京進出への思いなどを、あぁ~しらきさんには女芸人の生き様について語ってもらっています。

注目は、島田紳助さんとともにM-1グランプリの立ち上げに関わった“お笑い界のレジェンド”谷良一さんによるコラム『「天才列伝」ぼくの出会った芸人さんたち』。横山やすし師匠との思い出を語ってもらいました。前号にはなかった新機軸として、谷河良一さんの哀愁漂う小説『湖上の月』も必読です。

前号とはテイストを変え、パワーアップした『お笑いファン』。ニューヨーク嶋佐さんの迫力ある表紙が目印です。お求めは、お近くの書店またはAmazonでお願いします。(文=日刊サイゾーより転載)

本年も7月12日がやって来ました。鹿砦社にとっても私個人にとっても重要なメモリアルデーでした。事件があった2005年の7・12から早18年が経ちました。再来年で20年となります。会社にとっては壊滅的打撃を被りましたし、また私にとっても人生最大の苦難でした。毎年この日を迎えると、「よくぞ生き延びてきたな」と、いささか感傷的になると共に、まだこの世界でやることが残っていると思います。いい機会ですので、われわれの会社・鹿砦社の社史を簡単に振り返ってみましょう。

◆創業の頃

当社の創業は1969年(昭和44年)、70年安保を前にして国内のみならず世界中が騒然としていた時代です。沖縄はまだ米国領、ベトナムでは戦争が続いていました。最初の出版は、マルクス経済学者、中村丈夫編『マルクス主義軍事論』、時代を象徴するような本です。鹿砦社という社名も中村丈夫先生が命名されました。「鹿砦」とは、辞書を紐解けば鹿の角などで作った「山城」、今で言えば「バリケード」(死語?)ということですが、敵の攻撃や理不尽なことに対してはバリケードをこしらえ徹底抗戦せよ、という意だと解釈しています。

その後、『ブハーリン裁判』『クロンシュタット叛乱』『マフノ叛乱軍史』『左翼エスエル戦闘史』(これらは風塵社で復刊されています)等々、ロシア革命の捉え返しを中心として革命の意味を問い直す出版を続けます。当時関係した方々はほとんど亡くなられていますが、『続・全共闘白書』を編纂された前田和男さんは今でも生き残り老戦士として頑張っておられます。この頃はまだ私は入社しておらず熱心な一読者でした。一読者が、読んでいた本の版元の代表になるとは皮肉なものです。

しかし時代が70年代、80年代と推移するにつれ、こうした本も売れなくなり経営も厳しくなっていきます。

最初の出版『マルクス主義軍事論』とその広告

◆私が経営を引き継いでから

そうした中、80年代後半に私が経営を引き継ぎ、しばらくはそうした路線を踏襲していましたが、やはりにっちもさっちもいかなくなり、ちょっとした縁で一気に芸能暴露本路線へ転換、一時はこれが成功し「暴露本出版社」として世間に名を挙げます。これが性に合ったのか芸能路線は、いわゆる暴露本のみならず今に至るまで継続しています。それまでの鹿砦社をご存知の方には驚かれましたが、私にとってはロシア革命も芸能も等価とみなしています。

今、社会的に問題となっているジャニー喜多川未成年性的虐待問題も、『週刊文春』がキャンペーン始める以前の90年代半ばからパイオニア的に相次いで出版しています。なので、今春突如日本で報道され大きなインパクトを与えた英国BBCのドキュメントも最初当社に問い合わせがあり、簡単なレクチャーと当時の多くの書籍・資料を送り協力した次第です。現在多くの日本のマスメディアが20年遅れで採り上げていますが、こうしたマスメディアの態度が性的虐待の被害を広めたといえます。遅いです! 私たちは少部数ながらどんどん出版を世に訴えていたのですから。その後、唯一、採り上げたのが『週刊文春』でした。

また、芸能暴露本と同時並行的に継続していた社会問題書もラジカルに出版を続け、あまり知られていませんが出版差し止め5度、遂には代表の私が「名誉毀損」に名を借りて逮捕されるという前代未聞の事件になります(2005年)。捜査は取次3社(トーハン、日販、旧大阪屋)や製本所、倉庫会社はじめ取引先など広範囲に及び、特に取次3社は検察の求めに軽々に応じ販売資料を提出するという愚を犯しました。平素は「言論・出版の自由」を叫びながらこの体たらく、頑と拒否してほしかったところです。いや、拒否すべきでした。

鹿砦社弾圧を報じる朝日新聞(大阪本社版)2005年7月12日朝刊

結局6カ月余り勾留され有罪判決(懲役1年2カ月、執行猶予4年)と600万円ほどの高額賠償金を課せられ(刑事、民事とも最高裁で確定)、会社は壊滅的打撃を被ります。ちなみに、これまで1億円を越す訴訟費用(賠償金含む)を使いました。

それでも読者や取引先、ライターの皆様方のご支援で奇跡的に復活し、事件前の水準を遙か凌駕する売上を上げるに至ります。べつに自慢するわけではありませんが…。一方当時本件を指揮した神戸地検特別刑事部長は別件の証拠隠滅で逮捕、失脚し、また刑事告訴し高額訴訟を提起した遊技機(パチンコ/パチスロ)メーカー創業者社長は政府高官への贈収賄容疑で海外で逮捕、遂には自らが作り育てた会社からも放逐されます。「鹿砦社の祟りか、松岡の呪いか」と揶揄される所以です。

◆新型コロナ来襲! 再び苦境に

そうして新型コロナ禍──またまたどん底に落とされました。手持ち資金数千万円をあっというまに溶かし、さらに新たな負債を積み上げながらも、ここでも読者、取引先、ライターの皆様方のご支援で、ようやく苦境を脱しつつあります。当社は土壇場に強いといわれますが、さすがに齢70を越すと、体にも心臓にもよくありません。

前述の「名誉毀損」弾圧事件の直前に月刊『紙の爆弾』を創刊しましたが、モットーは「タブーなき言論」です。創刊時には「ペンのテロリスト」と自称していました。

最近では『紙の爆弾』の増刊号で森奈津子=編『人権と利権--「多様性」と排他性』を発行いたしました。「顰蹙は金を出してでも買え」とは幻冬舎・見城徹社長の名言ですが、本書も四方八方から顰蹙を買い、あっというまに完売です。「炎上商法」を意識したわけではありません。

2019年、創業50周年を皆様方に祝っていただき、年が明けたら新型コロナ襲来です。コロナが来なければ、左団扇で後進に道を譲り勇退していたでしょうが、コロナによる(だけでもありませんが)打撃で背負った負債を消していくために、まだまだ「老人力」でもって奮闘しなければならないようです。昔風に言えば「闘争勝利!」です。

当面の目標は再来年(2025年)の月刊『紙の爆弾』創刊20周年ですが、満身創痍の50年余の社史を想起するに、冒頭に記したように、よくもここまで生き延びてきたものだと、あらためて感傷的になります。

7月12日、運命的な逮捕から18年が経ちました。いろいろあった鹿砦社の歴史の一端を紹介させていただきました。

歴史の彼方に忘却されつつある〈7・12〉のことを想起いただければ幸いです。

(松岡利康)

10周年に、大学の後輩で書家の龍一郎が贈ってくれた書

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年7月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2023年夏号(NO NUKES voice改題 通巻36号)

安倍晋三元首相銃撃事件から1年。いまだ山上徹也被告の裁判も始まっていないなか、複数の“謎”が残されていることは、本誌で指摘してきたとおり。そして、岸田文雄政権下で“安倍以上”ともいわれる軍国化が進められています。今月号では元外務省国際情報局長・孫崎享氏が、安倍政権を総括しつつ、その死にまつわる“謎”とともに、これまで触れられてこなかった安倍元首相の発言についても分析しています。

 

7月7日発売! タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年8月号

岸田軍拡と同様、グリーントランスフォーメーション(GX)あるいは環境変動対策の名の下で、加速を続けているのが原発再稼働の策動です。福島第一原発の汚染水は「海洋放出せざるをえない」と説明されていますが、核のごみ問題と同様、そのこと自体が、そもそも原発が人間の手に余るものだということを示しています。海洋放出を語るときには、それを前提とすべきです。既成事実化することで、「いざとなったら海に捨てればいい」との前例にもなるでしょう。流していいかどうかの問題ではありません。

その岸田政権下で起きたスキャンダルが、首相の長男・岸田翔太郎・元首相秘書官の「公邸宴会」と、“官邸の軍師”こと「木原誠二」官房副長官の愛人問題。とくに前者の翔太郎氏は、今回の問題があっても世襲議員の道を閉じたわけではありません。その動向に注目が続けられるべきですが、首相秘書官更迭後の現職は不明です。検察出身の郷原信郎弁護士は、ジョンソン英首相が辞任に追い込まれる原因となった、2022年の公邸「パーティーゲート」と多くの点で共通していると指摘しています。

6月14日、岐阜市の陸上自衛隊日野基本射撃場で起きた銃乱射事件。その“原因”がどこまで解明されるか、あまり期待はできません。仮に、発砲した18歳の候補生自身が何らかの問題を抱えていたとしても、国内の練習場ですらこういう事件が起きたわけで、戦地の極限状況ではどうか。6月号では「イラク戦争20年」を振り返りました。その中でも触れられているとおり、イラク日報はいまだ多くが黒塗りです。そして、戦地に派遣された自衛官には、精神を病む人が多く、自殺に至るケースも少なくありません。

今月号でも複数記事で採り上げたAIをめぐる危険。メディアの「チャットGTP」礼賛を見ていて感じるのは、まずAI導入ありきで、人の生活を良くするような、需要から生まれる発明とは趣が異なることです。本誌で紹介したような、リスクに関する専門家の警告が日本で大きく報じられないのは、すでに社会が実験場となっていることを意味するのでは、とも危惧しています。さらに藤原肇氏は今回の記事で、世界の経済システムが「ポンジ金融」化していると指摘しました。だとすれば、科学技術のイノベーションも、その動機が健全なものばかりではないことがわかります。あるいは、それは科学技術に限ったことではないかもしれません。 そして、神宮外苑再開発に伴う「樹木伐採」問題。6月4日投開票の大田区都議補選で当選した元都民ファーストの会の森愛氏が、会派内で「森喜朗元首相の利権だから終わったこと」との発言があったと暴露。詳細は本誌レポートをお読みください。「紙の爆弾」は全国書店で発売中です。ご一読をよろしくお願いいたします。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

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