官僚出身・ネオリベ広島市長の暴走が止まらない!〈続編〉条例もなく学童保育を有料化! さとうしゅういち

広島市長の松井一実さん。厚生労働省官僚のご出身で新自由主義色が濃い市政をされています。

※[過去記事]官僚出身・ネオリベ広島市長の暴走が止まらない! 中央図書館移転問題で市民の声を完全無視! 

 
広島市学童保育連絡協議会の田中富範さん

特に子どもに関する福祉に対しては完全に背を向けていると言わざるを得ない対応を取っておられます。

その一つが学童保育=広島市では放課後児童クラブと呼ぶ=の有料化です。実は広島市の学童保育は全国でも珍しく、無料です。もちろん、指導員は非正規の会計年度任用職員ばかり、使っている建物も老朽化が進んでいるなど、問題は多くあります。それでも、無料はありがたいという声は強くあります。

その学童保育の有料化を2023年度から松井市長は強行する姿勢です。年収800万円世帯で月5000円。減免される世帯でも(年収240万円の場合)月3000円の負担になります。240万円の世帯の場合、3000円でも結構負担は大きいものがあります。

それに対して、許さないと声を上げておられる広島市学童保育連絡協議会の田中富範さんのご講演を、1月22日(日)、筆者は「ひろしま自治体学校」(広島自治体問題研究所主催)でお聞きしました。田中さんのお話しなどによると、以下の市長の暴走ともいえる状況が起きています。

◆学童保育料金徴収の根拠条例がない

何事も、市が市民からお金を取る以上は、市民の代表である議会の決議を経た条例が必要です。国の場合でも、例えば「消費税率は10%」などと法律で定めています。それらと同じことです。

ところが、広島市の場合、驚くべきことに学童保育の料金の根拠となる条例がないのです。条例どころか規則さえないのです。あくまで、要綱を根拠に徴収するというのです。そして、「広島市は私人として、保護者と契約しているから条例無しで徴収できる」というのが市幹部のスタンスだったそうです。私人と言えばどこかで聞いたことがあります。辺野古の問題では、沖縄県に埋め立てを不許可にされた国(防衛局)は私人として、不服申し立てをしたのです。

一方で、国はもちろん、強大な権力を持っています。市ももちろん、学童保育の指導員の任免権を持っています。権力者があるときは私人を装う。あるときは、もちろん、強大な権力者として労働者や市民、国民を押さえつける。セコイし脱法行為としかいいようがありません。

◆国の考えを過剰に忖度

私人としてふるまう広島市は一方で、国の考えを過剰に忖度します。国は昔から予算編成にあたって、一応、学童保育の費用は、半分を保護者負担、半分を国、県、市で賄うとしています。しかし、これはあくまで国の予算編成にあたっての考えであり、市に対して「こうしなさい」という指示をするものではまったくありません。実際に広島市は独自に無料=保護者負担分を市がカバーする=を続けてきたのです。ところが2011年に松井市長が市長に就任されてから、「まるで国の出先機関のように」振舞っています。

実は、松井市長は筆者の父が厚生労働省の医系技官だった時代の部下だったそうです。父によると若き日の松井市長は非常に真面目な方だったそうです。国の官僚であるならば、それはそれでいいでしょう。さすがは労働委員会の事務局長まで上り詰められた方です。

しかし、いまの松井さんは選挙で選ばれた「市民の代表」です。いつまでも「国の官僚」のような態度では困るのです。困るのですが、現に、ネオリベ方向で国の考えを過剰に忖度し、実行しようとしておられます。

◆将来は8700円まで引き上げの構え

そして、広島市は、将来は8700円まで学童保育の保護者負担を引き上げる構えです。市側の言い分としては、「国の言う通り、半額を保護者負担にするのであれば、8700円になる。だから、現状でも高所得者家庭は8700-5000=3700円、低所得家庭でも8700-3000=5700円「配慮している」」というのです。

だが、本人がどこまで本気かどうかは別としても、地元選出の岸田総理も「異次元の少子化対策」とぶち上げておられるときです。わざわざ、それに逆行するような方向での学童保育の有料化、さらなる値上げというのもいかがなものでしょうか?実際のところ、松井市政の国を都合の良い時は隠れ蓑にして、こどもへの支援はサボタージュしたい、という本音が透けて見えます。

◆「サービス向上」が招く指導員の執行体制崩壊

さて、値上げするならサービスの向上がなければ、利用する保護者も子どももたまったものではありません。古びた施設の修繕は当然としても、そのほかのサービス向上の内容は「いままで休所していた第二土曜日を開所する」というものです。

ところが、学童保育の指導員の執行体制は現状でもボロボロです。2022年度当初は72人欠員が生じたので補充はしています。しかし、15人がすでに2023年1月現在で退職。2割以上が1年どころか10か月もたたずに退職とは筆者の勤務先の介護現場は別として、異常事態です。

安い給料でもやりがいだけでなんとかモチベーションを維持してきた指導員たちも限界です。そこへ来て、これまで休みだった第二土曜も開所しろという。しかも、労使合意もないままです。このままいけば、「有料になるわ、サービスは崩壊するわ」で保護者や子どもも地団駄を踏むしかなくなります。

◆いい加減すぎる市長、議会で追及を

今回のイベントでコメンテーターを務めた田村和之広大名誉教授は、「松井市長は就任以降細々な負担引き上げをし、それで数千万円の歳入増はするが、しかし数百億規模の事業で無駄遣いをしている。」と指摘します。

学童保育の根拠は民主党政権が方向性をつくった2015年の児童福祉法改正でできた。その第21条の10に「市町村が放課後児童健全育成を行う」と定められており「私人」扱いはない。」。

「公の施設は条例を定めないとできない。広島市は保育料も規則でさだめている。違法の疑いがある。学童保育は規則でさえなく要綱でやろうとしている。こんないい加減なことをやっている市を法を根拠に追及する議員が議会にいないのか?」と田村名誉教授は嘆きます。統一地方選で、松井市長を打倒できればいいのですが、市長打倒にいたらずとも、市長をガツンと追及する市議もふやしていく必要があると痛感しました。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士 1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。2023年広島県議選にも立候補。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)。
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月刊『紙の爆弾』2023年6月号

「新自由主義」から卒業し、「民主主義」を再生することこそ、地域医療を守る道 さとうしゅういち

3月4日、学習シンポジウム 「市民の声が地域医療を守る」が広島市内で行われました。広島県知事の湯崎英彦さんは、広島県病院、JR病院、中電病院、舟入市民病院(小児救急)などを統廃合し、病床を大幅に削減した上で、広島駅北口に集約することを一方的に発表しています。

主催者で広島民医連会長の 佐々木俊哉代表は開会あいさつで、湯崎知事の病院再編について「男性の医療サイド関係者ばかりで議論した医療機関統廃合案で住民の声が反映されていない。」と指摘しました。

続いて、府中市立北市民病院の独立行政法人化に反対する裁判を闘われた、府中市上下町(じょうげちょう)の黒木整形外科リハビリテーションクリニック院長の黒木秀尚先生から「公立公的病院再編統廃合対策-草の根住民運動による住民自治・民主主義の獲得と「医療を受ける権利の基本法」の制定」と題してご講演いただきました。ご講演からは今の広島が抱えている課題がよく見えてきました、

◆強引に地域を引き裂いて府中市に編入された上下町

 
黒木秀尚=黒木整形外科リハビリテーションクリニック院長

以下は黒木先生のお話しの概要をもとに筆者が再構成したものです。

広島県の無医地区は59あり、北海道に次いで第2位。そうした中で、府中北市民病院はなくてはならない病院です。府中市上下町は2004年4月に府中市に編入されました。

(ちなみにこの直前まで筆者は、県庁職員として、広島県備北地域保健所に勤務し、このあたりの介護や福祉の行政を担当させていただいていました。この合併で、管轄区域から上下町だけ外れたのを鮮明に覚えています。)

上下町はもともと、甲奴町、総領町とともに「甲奴郡」でした。府中市中心部とは26kmもあります。府中市は都市部であり、医療資源も豊富で上下町は90センチも積雪したこともあるくらいの中山間地で医療過疎。まったく府中市とは特性が違います。

日本人の平均寿命が延びた大きな要因としては、昭和20年代の自治体病院の設立、そして、1961年に国民皆保険制度が確立したことが挙げられます。

◆赤字と人口減少理由に府中北市民病院の縮小計画

しかし、府中市は合併後の2007年に赤字と人口減少を理由に府中北市民病院の縮小計画を発表しました。

これは、病院規模を3-4割削減し、常勤医師も7→3名に減らす、直営だったのを独立行政法人化して給料を減らす。療養病床を減らしてなんとサ高住にしてしまう。急性医療をあきらめ、慢性期医療に特化する。

このような地域特性を考えない内容です。

当時は、新自由主義で有名な伊藤吉和市長だったことも影響しています。また、上記の病院リストラは、新自由主義色が濃い2007年12月の総務省の公立病院改革ガイドラインの「突撃隊」ともいえるものです。

そして、2009年には府中地域医療提供体制計画が発表され、旧上下町と旧府中市では距離があるにもかかわらず、府中市全体をひとつの地域とみなし、民間病院に急性期を任せ北市民病院は手術や救急患者の受け入れを止めるというものでした。

これに対して、府中北市民病院の現状維持を求める運動がおこり、2010年12月にシンポジウム、2011年1月には広島県知事に陳情、となります。

そもそも、同病院は全国の同規模の自治体病院の中でも経営は健全な方だったのに伊藤市政が「病院の再生は困難」と決めつけたのは事実と異なっていました。

◆独法化強行で目を覆わんばかりの惨状

そして、伊藤市政は2012年4月に独法化を強行。これにより、救急車の受け入れは困難になり、患者も早期退院を迫られる、マムシにかまれた人も世羅町に搬送せざるを得なくなるなど患者に大きな負担がかかりました。

一方で、医師や看護師の過重労働も深刻化。職員も将来に不安を感じ、退職者も相次ぎました。そして、経営自体も改善しませんでした。むしろ、町営時代よりも医業収支比率は低下してしまいました。

そひとたび独法になってしまうと、住民の声も通らない、市長が政権交代して指導しようにも指導できない、議会の関与も難しいという有様になってしまったのです。要は、独法化とは非民主的な法人になるということです。

黒木先生は、ふるさと上下を愛しておられます。現在も病院を守るための住民運動は続いています。

一貫した要求は
・85床、常勤医師6名
・府中市の直営に戻すこと、
・協議と合意の実現です。

◆独法化取り消し訴訟も棄却

そうした中で、独法化取り消し訴訟を住民は2012年4月30日提起。しかし、2016年、最終的に最高裁でも訴えは棄却されてしまいます。この理由は、日本の医療法・医師法は医療施設や医療従事者への「取締法規」に過ぎず、国の政策に奉仕するものにすぎないからです。だから裁判官も、医療を受ける権利を求める住民の訴えを棄却するのです。

憲法25条はありますが、日本の裁判官は憲法判断を避ける傾向にあります。したがって、やはり法律を作る方が問題解決には手っ取り早いのです。したがって、リスボン宣言のような患者を擁護する立場に立った内田博文全国人権擁護委員連合会会長が提案する「医療を受ける権利に関する医療基本法」を制定しないといけないのです。そして、医療は政治であり、新自由主義から民主主義へ変えていかなければならないのです。

実際、コロナ禍では、特に2020年4月~5月に医療は瀕死状態になりました。この背景には、最近の政府による社会保障費・医療費抑制政策があります。そして13万人もの医師不足が問題です。

◆「人口が減るから整理統廃合」の落とし穴

また、国は、「人口が減るから整理統廃合」という政策を病院でも学校(特に高校)でも進めてきました。

現在は「自治体戦略2040構想」という形で進められています。ところがそれにより、余計に人口が減るということが起きているのです。広島県は、自治体を86から23に減らし、県立高校の統廃合も強力に進めています。その広島県は、人口流出全国ワーストワンです。

広島県(湯崎知事)が進める病院の再編構想も結局は「人口が減るから整理統廃合」路線なのです。

しかし、その「2040構想」の方向で進めばどうなるか? 県内の平成の大合併であったような、市議も出せずに民意も通らないで衰退する周辺地域がさらに拡大・広域化します。そして、外部委託や独立行政法人化で民意を反映する首長や議会の関与も難しくなるのです。

そして、公務員が激減し、非正規ばかりになり、サービス低下、地方自治、住民自治、住民主権が崩壊します。そして、中央集権専制国家、さらなる人口減少、パンデミックや大災害に弱い国になってしまいます。

新自由主義政治から、民主主義への転換。患者を擁護する立場に立った「医療基本法」の制定、草の根住民運動継続による住民自治・地方分権の獲得。これをしっかりやることです。

黒木先生たちの活動は「『医療は政治』 地域医療を守る広島・府中市 草の根住民運動の全記録」として記録されています。

◆新自由主義卒業で人口流出を止めよう

これまでもご紹介しているように、人口流出と新自由主義のスパイラルが起きている広島県。新自由主義から民主主義へ転換することで止めていきたいものです。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
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サミット翼賛体制の広島政治 市民の力でリニューアルできるのか? さとうしゅういち

「深呼吸して、今の「政治」を語り合う 広島の政治を良くするつどい」が統一地方選挙を前にした3月12日、「新しい広島市長を誕生させる会」の主催でありました。「誕生させる会」は、広島の政治、とくに松井市長による暴走を憂慮した市民が、対抗馬を擁立するために集まった団体です。しかし、手を上げる人がおらず、結局、団体独自の候補擁立は断念しました。

しかしそれでも、目前に迫った統一地方選挙を前に、広島の政治を少しでもよくしなければならない。そのために集まって市民の声を市長選、県議選、市議選候補らにぶつけていく。そういう方向で進むことになったものです。その第一段階として、今回、市政や県政のいろいろな課題に取り組む方が意見を述べ合うことになりました。

◆「図書館のあり方」に反する「にぎわい」重視の松井市長

 

松井市長の暴走が続くエールエールA館への広島市中央図書館移設問題に取り組む学校の先生は「図書館は1地方図書館ではなく世界のヒロシマの図書館だ」。「中央図書館は現在地にあるからこそ平和の発信力がある」と強調。

この問題に取り組むもうひと方もエールエール館移転について情報公開を求めたら真っ黒の文書が出てきた、と呆れました。またそもそも、「にぎわい」を市長は強調するがこれは図書館のあり方と違うと指摘しました。

◆「はだしのゲン」削除問題

ついで、教科書ネットワークの岸直人さんからは、市教委の暴走が続く、「はだしのゲン」問題について、議事録に「誤解を懸念する」意見は出ているが「はだしのゲンを止めて他に変えたほうがいい」という結論は出ていないことが明らかにされました。「議論されないまま削除するのはおかしい。」と岸さんは怒ります。

その後も、中学校教材の第五福竜丸が削除されたり、高校教材での中沢啓治さんの被爆体験の核心部分はごっそり削除されたりするなどの市教委の暴走が続いています。

そして、中学校では第五福竜丸の代わりにオバマ来広時の写真、被爆二世のインタビューが取り上げられていています。

「原爆被害の悲惨さを伝える内容から、アメリカと一緒にすすむことが大事というメッセージに変わった」「戦争の加害や差別性を批判する力を育てない平和教育になっている。

◆法改正背景に教育長独裁進む

官製談合事件を中心に広島の教育行政について今谷賢ニさんが報告。既報の通り、平川教育長は自分自身については、給料の3割2ヶ月自主返納、現部長の課長級職員に処分をしました。

1.教育長が親密なNPO法人に事業丸投げしたこと。
2.調査費用に三千万円をかけたこと。
3.タクシー費用を一年間100万円以上も使っていたこと。

これらについて、今谷さんは監査請求を行いました。

また、広島市立中央図書館に関する議論は、文教委員会でされていたのが総務委員会でされています。これは法律改正によるもので、首長の意向がストレートに図書館行政にも反映されるようになりました。

そもそも、教育長も昔は教育委員長の部下でした。ところが、安倍晋三さんによる地方教育行政法改正により、教育長がすべての権限を持っており、教育長に対しては首長しか処分ができないようになっています。

そして、教育大綱は首長がつくることになっており教育基本法の理念を活かす余地はなくなっているそうです。

「はだしのゲン」の削除についても実は教育委員会が平和教材を押し付けるのが問題、と今谷さんは指摘します。平和教育というのは、本来は教育実践をしながら改訂するものであり、それを一方的にやるのが大きな問題である。知事や市長言いなりの教育行政が問題だと力を込めました。

また、広島市では、プールも壊れたら修理せずバスで麓の学校に入りに行くが、ほとんど水に入る時間がないそうです。「市教委はこれまで指導要領を守れと言ってきたがあれは何だったのか」と今谷さんは呆れました。

◆センター方式給食強行で暴走、シングルマザーにも冷たい広島市

学校給食の無償化に取り組む新日本婦人の会からは、「広島市は10年後に5ブロックでセンター方式にしたい意向だ」と嘆きます。その上で、「給食無償化は41億円あればできる。」と自校式での無料給食の実現を訴えました。

◆住まい失った親子に冷たすぎる広島市政

子どもの貧困化については反貧困ネットワーク広島から報告がありました。同ネットワークではシェルター支援をされています。今日まで、2000人の利用者がおられます。これまでは二十代~四十代男性が解雇と同時に住まいを失ったケースが多かったのです。しかし、ここのところ、DVから逃げた母子や高齢者も増えています。労働政策の見直しや社会保障の充実が必要、と担当者は強調します。

シェルター利用者の中には中学生が親代わりに手続きなどしている家庭があります。しかし、住所が定まらないと広島市の場合は行政サービスにつながらないのです。「広島市はシングルマザーに冷たすぎる。」と担当者は憤ります。

◆広島の都市づくりは「わや」

「広島の都市づくりは「わや」(広島弁で無茶苦茶、という意味)じゃ」。

二葉山トンネルを考える市民の会の越智俊二さんは断じます。二葉山トンネルは現在、工事が中断し、2020年完成予定がのびのびになりました。費用も爆増しています。トンネル掘るカッターが故障しまくりです。そして不可解な事業費増額も相次ぎました。当初の87億どころか345億円まで工事費は増額しています。

そして、大林組主導のJVも壊れやすいカッターをわざわざ使っており、施工管理委員会で誰も問題にしない状況です。その委員は、陥没事故を起こした外環道の委員と同じでした。

シールドマシンは騒音規制の対象ではないため、住民は迷惑しています。そして、団地で異常隆起しても委員会は上のことに感知しないという、無責任な状態です。そして有料道路は本来40年間で無料化のはずが92年後に無料化先延ばしになっており、踏んだり蹴ったりです。

一方、安佐南区の上安産廃処分場では盛り土崩落しました。汚染水も出ています。この盛り土は2021年7月に崩壊して多数の犠牲者を出した熱海の盛り土よりも大きな盛り土で、段切せず滑りやすいものです。

しかも、耐震基準は水平振動のみ対象でたったの140ガルです。しかも地震動は山地形では増幅されやすく盛り土上部ではよく揺れます。豪雨にも弱いのです。

◆野党内でも「自民幕府」に阿る人たちを打倒する「高杉晋作」を!筆者強調

筆者も、手を上げて発言を求めました。

筆者は「高杉晋作は、どうやって幕府を倒したか?まず、長州藩の中で、幕府に阿る人たち、すなわち俗論派を絵堂・大田の戦いで打倒し、その上で討幕に向かった。」

「広島においては、自民、公明は言うに及ばず、立憲民主党も知事や市長に阿っている。野党の中でも自民党幕府に阿る人たちを打倒する高杉晋作のような人間が必要だ。自民、公明、立憲を打倒する高杉晋作のような人の登場を一人でも多く望む」と、檄を飛ばしました。

うなずく出席者も多くおられましたが、シーンとなってしまいました。それでもあとから何人かから「よく言ってくれた」というおほめをいただきました。

◆サミット翼賛体制だ!

田村和之・広島大学名誉教授からはまとめのコメントをいただきました。

今の広島の政治は「G7広島サミット翼賛体制になっている。法的な根拠もなく、市民の行動を制限している。」と指摘しています。実際に、サミット期間中は、宮島の観光を制限するなど、市民生活には多くの影響が出ます。

田村名誉教授は、このサミットに伴う行動規制について、「ねらい・効果は現在の体制を肯定し、無批判に従う風潮を拡大するもの。」と憤ります。

そして、広島の政治の特徴としては中央官僚出身の首長ばかりがトップを占めていることです。

湯崎県知事 通産省、自公民推薦
松井広島市長 厚労省 自公民推薦
枝広福山市長 財務省 自立公民推薦。

中央政府の政策を忠実に実施し、県民・市民福祉を軽視しているという点で共通しています。そのうち、湯崎知事は四期目でやりたい放題であり、松井市長は開発行政に邁進しています。そして、議会が全く機能しておらず、知事・市長の翼賛機関だ、と糾弾しました。

平和行政についても、2021年6月、日本国憲法が登場しない【平和推進基本条例】ができてしまいました。この条例では、核兵器禁止条約の締結・批准も求めません。

「県民・市民は各分野ではよく取り組んでいるがそれらの力が一つになっていない。各課題についての認識が共有できていない。また、労働運動も生活課題に取り組むべき。」などと指摘しました。

◆リニューアルできるか? 広島の政治

今回の集いでも、また、筆者が政治活動で接する自民党支持者含む多くの広島県民・市民が広島の政治に不満を持っていることは実感しています。

問題は、それが、4月9日執行の広島市長選挙、広島県議会議員選挙、広島市議会議員選挙の結果に反映されるかどうかでした。

広島市長選挙については無投票の雰囲気もありましたが、共産党新人の高見あつみさん、そして無所属の大山ひろしさんが相次ぎ立候補を表明しました。正直、松井市長を打倒するところまではいかずとも、論戦が盛り上がり、過去は圧勝しまくりだった現職の松井さんを少しでも追い上げられれば、少しは市政も引き締まると思われました。ただ、結果は松井さんが8割近い得票で再選されました。

また、市長の暴走に待ったをかけられなかった市議会の自民多数派、公明、立憲の現職議員。

また知事や教育長をここまで増長させた県議会の同じく自民、公明、立憲の現職議員。

そうした人たちを市民・県民が一人でも多く打倒できるか? も焦点でした。自民党は後退したものの、県議会では河井陣営からお金をもらった方も当選されていますし、組織をバックにした人の強さが目立ちました。筆者自身も県議選に参加し、終盤では、組織の力に跳ね返されてしまいました。組織中心、お金中心の広島の政治の在り方をリニューアルする先頭にあきらめずに立ち続けます。

市議会では、中央では自民よりも新自由主義寄りの維新が3議席を新たに獲得しました。実は維新でも個々人では筆者の知人でリベラルな本音をよく存じている方も多いのですが、松井市政に対してどういう動きをされるのか? 一市民として注視してまいります。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士 1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。2023年広島県議選にも立候補。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)。
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月刊『紙の爆弾』2023年5月号

伊方原発運転差し止め広島裁判 ── 南海トラフ地震とリンクせぬ杜撰な避難計画 被告の四国電力は反論できず さとうしゅういち

4月19日(水)、伊方原発運転差し止め広島裁判の第32回口頭弁論が広島地裁で行われました。

 
広島地裁

この裁判は、あの東電福島原発事故から5年に当たる2016年3月11日に広島市民らが、四国電力を相手取って伊方原発3号機の運転差し止めを求めて提訴しました。現在では広島県内だけでなく、伊方原発に近い愛媛県八幡浜市を含む全国各地から原告が加わっています。

この伊方原発運転差し止め裁判の「人証調べ」が始まりました。この人証調べとは、生身の人間が証言し、それが証拠となることです。虚偽答弁をすれば偽証罪に問われます。

この日は、原告でもある哲野イサクさん(戸籍名:伊奈道明さん)が避難計画について研究するwebジャーナリストとしての立場で証言しました。まずは、原告側弁護人による主尋問に答える形で哲野さんが伊方原発による避難計画について述べました。その内容は、避難計画の杜撰さを暴露するものでした。

◆広島市は国の指示待ち、県は指示要望も国はなしのつぶて

南海トラフ地震についての防災計画はもちろん、広島県も広島市もあります。ところが、伊方原発事故が発生した場合の避難計画は広島県も広島市もありません。もし伊方原発が過酷事故を起こせば、原子力規制庁の楽観的なシナリオでも広島市も4ミリシーベルト以上のヒバクを1週間ですることが読み取れます。

 
 

※また、瀬戸内海、太田川を伝って、汚染水が原爆ドームなど中心部はもちろん、安佐南区の長束・西原あたりまでさかのぼることが予想されます。実際に、このあたりまで海水が遡上しているので、当然、放射能も遡上するのは明らかです(筆者注)。

南海トラフ地震では広島市内は多くの場所で震度6弱と想定されますが、中区の全域や西区、南区などでは液状化が予想されます。液状化により道路なども寸断される可能性が高く、放射能(や放射能を含む海水)が襲ってきても避難は極めて困難です。

そうした中で、広島市は、哲野さんの問い合わせに対して避難計画はない、国の指示がなければ作成しない、というのです。

筆者の元職場である広島県は、市よりは少しマシだそうです。県は国に対して避難計画作成の指示をするように文書で要望をしているそうですがなしのつぶてのようです。

広島県の担当者は「県独自で避難計画を立てられないのか?」と問うた哲野さんに対して、「原発事故の避難計画を作成できるだけの人材も予算もノウハウもない」と回答しているそうです。

◆伊方周辺の原発事故避難計画、南海トラフ地震は全くリンクせず

では、原発事故が想定される地元の愛媛県はどうか?哲野さんは、愛媛県内と山口県上関町(上関原発計画があるが、実は伊方原発に近い)が対象となっている避難計画についても全く機能しない、と指摘します。

原発事故の避難計画は地元の伊方町のいわゆるPAZ地域、そしていわゆるUPZの伊方町、八幡浜市、大洲市、西予市、宇和島市、伊予市、内子町については策定されています。

しかし、この避難計画も南海トラフ地震とは全くリンクさせていません。他方で、南海トラフ地震の防災計画には伊方原発事故は想定されていない。要は、南海トラフ地震に続いて伊方原発事故が起きるというシナリオは想定外なのです。

さて、この避難計画によると、クルマ(自家用車)での避難を基本としつつ、クルマでの避難が困難な人については愛媛県バス協会がバスを提供して避難してもらうことになっています。

原子力防災対策 広域避難計画(愛媛県原子力情報)

名目上は、避難に必要な輸送力は確保しているように思えます。しかし、実際には、バスはいろいろなところで通常運行されています。原発事故が起きたからといって、すぐに路線バスや観光バスとして運行されているバスを避難用に回すのは机上の空論です。

そして、致命的なのは、時間軸がこの避難計画にはないことです。原発事故における避難は時間との戦いです。しかし、この避難計画には、その時間軸がない。これではもたもたしているうちに人々はヒバクしてしまいます。

そして、さらに致命的なのは、南海トラフ地震でインフラが壊滅することを想定していないことです。伊方町の国道197号線は、多くの区間で、斜面が片側または両側から迫っていたり、脇が崖だったりします。震度6強程度の揺れに見舞われれば多くの区間で土砂崩れ、がけ崩れによりずたずたになり、避難どころではなくなります。

また、佐田岬半島西部(三崎町)の人たちは、東側に原発がある以上、西へ向けて海経由で避難するしかありません。しかし、南海トラフ地震では、多くの港の設備が崩壊すると予想されています。そんな中で、船で避難するどころではありません。

また、南海トラフ地震が起きれば、避難計画で避難先とされている松山市でも家屋の倒壊などで8万人以上が避難を強いられる予測です。そういう中で原発による避難民を受け入れる余裕があるのでしょうか?

また、地震で負傷した伊方町民らを避難させるのにはどうすればいいのでしょうか? これも想定されていません。

この避難計画は、一応、国の原子力防災会議で承認はされていますが、ほとんど会議では審議されていません。

他方、アメリカでは、事故発生時の天候や時刻など様々な条件をきちんとシミュレーションして避難計画を立てることが義務付けられています。そうしたことを背景にニューヨーク州のロードアイランド電灯会社によるショアハム原発が避難計画をまともに立てられず、住民の反対運動もあって、いったん完成したものの、営業運転することなく廃炉に追い込まれています。

◆被告・四国電力弁護士の反対尋問、避難計画そのものの矛盾に言及できず

被告・四国電力の弁護士が、この後、哲野さんに反対尋問を行いました。しかし、その内容は、「哲野さんの著書に避難計画についてのものがあるのか?」とか「イギリスやフランスの避難計画はどうなっているのか?」などでした。

哲野さんの主張の根幹である避難計画が南海トラフ地震とリンクしておらず、全く機能しないことへの反論は全く聞くことができませんでした。

次回の口頭弁論は5月31日(水)11時からです。被告・四国電力社員への人証調べが行われます。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2023年春号(NO NUKES voice改題)
月刊『紙の爆弾』2023年5月号

老人ホーム入居者による介護職員殺害 娘が「介護現場の安全を」と会社を提訴 さとうしゅういち

2021年11月、大阪市平野区の老人ホームにおいて一人で宿直勤務していた女性介護労働者(当時68)が、入居者の当時72歳の男性被疑者に金槌により惨殺される事件が発生しました。被疑者はその後、飛び降り自死したとみられます。後日、被疑者死亡で書類送検されています。

老人ホームで殺されたヘルパーの母 「介護現場の安全を」遺族が提訴

この女性介護労働者の娘さんら遺族がこのほど、老人ホームを経営する会社を訴えました。

筆者も現役介護福祉士として「介護現場で働く職員の安全確保に目が向くきっかけになれば」という娘さんと思いを心から共有します。

◆介護職員へのセクハラや暴力は〈不問同然〉の実態

いささか旧聞に属しますが、介護職員へのご利用者・ご家族からのハラスメントについては、連合系の労働組合の日本介護クラフトユニオンさんが、アンケートを実施し、2018年4月に公表しています。

https://www.nccu.gr.jp/torikumi/detail.php?SELECT_ID=201806250004

筆者は全労連系労働組合の幹部を拝命しておりますが、このように、介護労働者へのハラスメントについてまず実態把握をしようとされているクラフトユニオンさんには心から敬意を表します。

上記のアンケート結果によると、調査に回答した2411名中、74%の介護労働者が利用者やご家族からハラスメントを受けた、と回答されています。ハラスメントを受けた方の内4割がセクハラ、94%がパワハラを受けた経験があるというものです。

また、セクハラについて上司や同僚に相談したけれども状況が変わらなかったという方が48.5%もおられます。

パワハラについても、上司や同僚に相談しても状況が変わらなかったという方が43.5%もおられます。

相談しても変わらない。そんな深刻な状況が垣間見えます。皆様もご承知と思いますが、介護職員が入居者に暴力や暴言をすれば、もちろん、虐待になります。

しかし、逆に入居者から介護職員への暴力やセクハラは事実上、不問に付されてきたといってもいいのではないでしょうか?

◆暴力・ハラスメントの野放しは介護現場の荒廃へ

上記のアンケートでもセクハラで19%、パワハラで22。8%の方が誰にも相談しなかったと答えておられ、「誰に相談しても解決しないから」「認知症の周辺症状だから」と回答しておられます。

特に年配女性労働者の中には【そういうものだ】と我慢してしまう方が多いように筆者の経験上、感じます。しかし、我慢している場合ではありません。

現状のように、安全確保もしてもらえず、給料アップも不十分では、外国人も含む若い人も介護の仕事につこうとしなくなる。このままでは現場は崩壊してしまいます。

なお、すぐ利用者にキレてしまう人ならそういう場所で平気で仕事をできるかもしれません。だが、その場合はお年寄りや障がい者に対する虐待が続発するでしょう。いや、すでにそうなっているような施設も見受けられ、恐ろしいものがあります。

◆無策の延長線上に今回の惨劇

そもそも、暴力やセクハラ傾向があるお年寄りも、たとえ認知症があったとしても無差別ではなく現実には、弱そうな相手を狙っていると感じることも多々あります。例えば露骨に入浴では女性に介助してもらわないと嫌だという男性入居者もおられます。そうした時に「そういうものだ」ということで、何も対策を講じないのはいかがなものでしょうか? その延長線上に今回の事件があったのではないでしょうか?

今回の事件では、
・3日前に他の入居者に暴行・傷害。
・その10日前には別の職員に椅子を投げる

また、最近の72歳は、例えばゲームばかりやっていて引きこもっているような若者と比べても遜色ないくらい腕力がまだある方も多いのです。そういう人が認知症の周辺症状としても、暴走すればシャレにならない。他の入居者の命にかかわる場合もあります。

事業者=会社側は十分に危険を予見できたはずだと思います。

だとすれば、例えば夜勤をワンオペではなく複数体制にするなどの対応が必要だったのではないでしょうか?労働者の安全、そして他の入居者の安全。両方を守る義務が会社にはあり、それを怠っていたと言っても仕方がない状況があるのです。

◆配置基準の緩和どころか増員こそ必要

この原稿を書いている間にも広島県内三原市では、(主として、精神障がい者の方向けの施設とみられますが)グループホームで71歳の男性入所者が他の入居者を殺害するという事件が発生してしまいました。

はっきり申し上げます。現実問題として、他の利用者や職員の安全に対する脅威になるお年寄りや障害者がおられることを前提に体制を整備すべきではないでしょうか?

もちろん、絶対にお年寄りや障がい者に対して虐待になってはいけません。虐待を避けつつ、安全を守るにはどうすべきか?

基本的には、お年寄り・障がい者に丁寧に対応するしかない。こちらがイライラすると、利用者の暴走も加速するからです。

厚生労働省も以下のようなマニュアルを三菱総研に委託して作成しています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05120.html

ところが、マニュアルのように丁寧に対応するためには、今回の事件現場となった老人ホームのようないわゆるワンオペ夜勤では無理です。

筆者の地元・広島選出の岸田総理はDX(デジタルトランスフォーメーション)を口実に、介護職員の配置基準を減らそうとしています。しかし、そうなれば、丁寧な利用者への対応は難しくなります。あなたのやっていることは、まったくあるべき方向とあべこべです。

筆者が幹部を拝命している広島自治労連が結集する「全労連」では、以下の署名も呼びかけております。

こんな低賃金では働き続けられません! ケア労働者の大幅賃上げと職員配置基準の引き上げをしてください

https://chng.it/JmqqtWSQ5K

賃上げとともに

「2.職員配置基準を改善すること
1)「ワンオペ夜勤」の改善など、利用者の安心・安全の確保と労働法令が遵守できるだけの職員が正規職員で配置できるように、職員配置基準を抜本的に改善すること。」

を要求しています。ぜひともご協力をお願い申し上げます。

また、筆者自身も広島県議会内で介護現場出身の初の議員としてこの問題について全力で取り組んで参る覚悟です。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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広島県議選安佐南区 筆者陣営過去にない充実も議席に及ばず さとうしゅういち

2023年4月9日、統一地方選挙・広島県議会議員選挙が執行されました。

筆者はあの河井案里さんの地盤だった安佐南区で無所属・れいわ新選組推薦で立候補しました。

2673票、9人中8位という結果で及びませんでした。

広島県議選 広島市安佐南区選挙区
定員 5 有権者数 193,624 投票率 34.16%

当 灰岡 香奈 自民 現 39歳 12,782(19.9%)
当 栗原 俊二 公明 現 63歳 11,128(17.3%)
当 竹原 哲  自民 現 49歳  8,938(13.9%)
当 鷹広 純   無 現 48歳  8,191(12.8%)推薦:立民・国民県連・社民
当 藤井 敏子 共産 新 69歳  6,672(10.4%)
  前田 康治 自民 現 57歳  6,157(9.6%)
  小田 康治 維新 新 47歳  5,246(8.2%)
  佐藤 周一  無 新 47歳  2,673(4.2%)推薦:れいわ
  伊藤 守   無 新 47歳  2,356(3.7%)

改めて、ご支援をいただきました皆様、ご協力をいただきました皆様にお礼申し上げます(インターネットでのお礼は公選法で認められていますが、これをプリントアウトすると違反になりますので、ご注意ください)。

筆者は、2022年の5月、参院選広島から県議選安佐南区への転出を決定。その後、参院選2022終了後、無所属で県議選への準備を進めて参りました。12月にれいわ新選組の推薦を頂きました。

◆広島が大好きだからこそ、広島の現状を憂える

 

広陵高校出身の担任の先生にカープを叩き込まれた小学校時代。そして、安佐南区が主要な舞台となった井伏鱒二の「黒い雨」に感激した高校時代。そして、安佐南区の長束小学校のネットでの平和学習を進められていた先生や生徒さん、大学の先生との交流。そして大学卒業後は国家公務員と県庁を受かって県庁を迷わず選んだ筆者。採用面接では「広島が好きだから県庁を選びます」と申し上げました。

県庁時代には、しかし、おひとりおひとりが大事にされているか疑問に思いだしました。組織やお金、過去の成功体験に囚われた広島の政治をリニューアルしないといけない。そういう思いで、2011年、県議選安佐南区で立候補。4278票で及ばず、3年間政治活動を続けるも限界を感じ、東京へ戻りました。

だが、2014年8月20日、広島土砂災害2014の一報に、「広島をなんとかせにゃあいけまあ」という思いで、広島へ帰りました。そしてボランティア活動に奔走。広島に貢献したいと介護の仕事を開始し、政治活動を再開しました。

だが、組織やお金、過去の成功体験に囚われた政治が続く中で、広島の現状はいかがでしょうか? ひとりひとりが大切にされていると言えるでしょうか? 平和都市に恥ずかしくない、政治・行政と言えるでしょうか?

そんな思いが強まる一方で、2021年、河井案里さんの当選無効による参院選広島再選挙に立候補しました。

◆広島の現状は人口流出ワーストワン2年連続

筆者の勤務先の介護施設でも外国人労働者もすぐ辞めて東京へ向かうという危機的な状況。

広島駅周辺などへの投資は県や市は熱心でも、安佐南区などの防災工事や道路の補修は進まず。

教育長は思い付きの改革を進めた挙句に、官製談合事件。現場の先生は非正規ばかり。

学校のプールなど補修が追い付かない。

水源地のど真ん中に産廃処分場が許可されてしまう

筆者自身が県議選立候補の為に県庁を去ってから、特にこの2~3年の広島の政治・行政の状況は悪化する一方です。このままでは、いけない、という思いからふたたび、立ち上がりました。お金や組織、過去の成功体験に囚われた政治をなんとかせにゃあいけまあ。

「県政をガツンとリニューアル」「広島とあなたを守る大改革」

をスローガンに、
ケア労働者などを中心に広島で働くあなたのお給料大幅アップ。
非正規の使い捨てを止める。
介護する人もされる人も笑顔の広島県。
産廃から水や食料を守る。
地域食材のオーガニック無料の給食導入で農家支援。
国保料大幅引き下げ、子ども医療費無料化18歳までの拡大。
総理の暴走・迷走を広島から止める。
などを全力で訴えました。

◆かつてなく多くの方にご支援いただく

筆者が立候補した過去2回の選挙、すなわち県議選2011、参院選広島再選挙2021では、選挙カーの上の筆者の隣には運転手しかいない、という状態がほとんどでした。

しかし、今回は、多くの方にご支援をいただきました。れいわ新選組チーム広島の皆様にはさとうしゅういち後援会員という形で、スタッフを担っていただきました。これまで、筆者が自分でやらなければいけなかった、事務的なことも多くをしていただき、体制としては雲泥の差でした。

また、選挙直前の決起集会では大島九州男参院議員、そして選挙期間中も、竹村かつし・下関市議、「次次期参院議員」の辻恵弁護士、大学の先輩でもある高井たかし・れいわ新選組幹事長が次々と応援にかけつけてくださいました。

さらに、途中、地元の大物弁護士らも応援にかけつけてくださいました。

古市橋駅前での出発式 竹村かつし下関市議の応援演説

◆「さとうさんは今回、行けるでしょう」という下馬評の落とし穴

 
農村部でも訴える筆者

今回の選挙では、「さとうさんは今回、行けるでしょう。」という下馬評が、あちこちから聞かれました。根拠としては、そうはいっても、参院選広島再選挙にも立候補していて知名度は高いこと、長年、地域を回っていたことです。「今回はいける」というのが敵味方問わず出てくるのは当然。他陣営の調査でも筆者が当選圏内ということが漏れてきました。

しかし、これがいけないのです。筆者が支持をお願いした方々に対して他候補が「さとうさんは大丈夫だからうちへ」というお願いをしていった、という情報を多数得ています。

そして、見る見るうちに、支持は削られ、蓋を開けてみれば、他陣営の事前予測等の3分の1程度の票になっていた、というわけです。

◆共産党の局地的突風的追い風

日本共産党は、全国的には松竹信幸さん除名問題などで、惨敗しました。しかし、広島では、河井事件の余波がまだ残っており、それが共産党への追い風となりました。また、被爆地ということで、総理の暴走に不安を感じる層が、共産党というそうはいっても看板の古いところに流れた感があります。実際に、筆者を支持してくださっていた方の中でも相当、共産党の藤井候補に票が流れた感じはします。

◆相手候補が筆者の主張に寄せる場面も

 
2014年の土砂災害被災地で訴える筆者

今回、途中で、相手候補者が主張をわたしの主張に寄せてくる場面もありました。

教育長に甘い姿勢だった立憲推薦の現職も、マスコミなどのアンケートには教育長更迭すべし、と回答するようになりました。与党現職女性は、熱心に非正規教員の問題を取り上げるようになりました。与野党候補の論戦をリードする形にはなったと自負しています。

◆既成政党以外で選挙を回す集団が広島に出現

今回はれいわ新選組ボランティアの皆様に、あくまで、さとうしゅういち後援会で活動していただくという形ですが、大変お世話になりました。後援会事務局長は普通のサラリーマンですが、最大限、できることをしていただいたと思います。

旧来の組織型政党や団体とは違う形で、市民が個人として参加し、選挙を回すという集団が現れたことは広島の政治史上、画期的なことです。

世襲か、高級官僚か、公明党か、共産党か、いわゆる労働貴族か。そういう人しか、事実上、県議や国会議員になれないような広島の状況をリニューアルしたい。

今後とも、筆者は、労働組合役員などの活動を通じて、労働者の待遇改善や、介護サービス、教育現場の改善などの先頭に地域で立っていきながら、政治活動も続けます。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
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水源地ど真ん中の産廃処分場まで容認する広島高裁の不当決定! 全国各地の産廃ゴミが規制の緩い広島県に集まる危険性 さとうしゅういち

広島高裁は3月29日、水源地ど真ん中の産廃処分場を容認してしまいました。

三原の本郷産廃処分場はJAB協同組合が経営。三原市と竹原市の水源地ど真ん中にあります。2018年4月に計画が持ち上がりました。住民の皆様は当然、猛烈な反対運動を展開し、三原市議会でも竹原市議会でも全会一致で反対決議が採択されました。しかし、広島県(知事・湯崎英彦さん)は、この処分場を許可してしまいました。そして、2020年5月から工事が始まっています。

これに対して、住民は広島県に対しては許可の取り消しの行政訴訟、そして事業者に対しては工事の差し止めを求める仮処分申請を提起しています。

2021年3月に広島地裁は工事差し止めを認めましたが、事業者が異議を申し立てました。そして、地裁は2022年6月に業者の異議を認めて、産廃処分場の稼働を容認してしまいます。それに対して住民が高裁に抗告していました。

◆群馬や長野からゴミが広島へ流入

差し止めを求めている原告のお話によると、今現在、高崎ナンバーや松本ナンバーの車が大量に入ってきているそうです。

「高い日本の高速道路料金を払ってまで群馬や長野から来ているゴミって何ですか? よほど危ないものなのではないのですか?」と原告の一人は語気を強めておられます。

そのゴミは、「ほとんど、開封して検査している様子もなく、そのまま重機で埋め立てられている」ようです。

広島は全国でも産業廃棄物処分場が多くあります。特に、安定型処分場は二番目に多くなっています。この安定型というのが曲者で、シートすら敷かずに建前は、安全なゴミを搬入するはずなのですが、現実には危険物も運び込まれ、何か起きない限り、ほとんど検査もされない。いい加減な運用になっているのは、皆様もご存じと思います。その安定型処分場が広島では多いのです。それは、広島に他の都道府県のような水道水源保護条例や環境配慮条例がないからです。かくて、規制が緩い広島を目指して日本中からゴミが集まっているのです。

 

◆まさかの不当決定 「伊方原発」に続いて「やられた!」

2023年3月29日、桜が満開の中、裁判所の前で、「満開の桜のような決定があるといいね」と原告や支持者の筆者らは雑談していました。しかし、決定が言い渡される14時過ぎ。険しい表情で若手弁護士が法廷から出てきます。

「不当決定」

筆者も頭の中が真っ白になり、その時の状況をよく覚えていません。

実は、筆者は選挙準備などで時間がなくて目撃できていませんが、3月24日(金)には、同じ高裁が伊方原発広島裁判の運転差し止め仮処分を却下しています。それに続いて「やられた」感でいっぱいでした。

そうした中、弁護団の山田延廣弁護士が、決定を受けて、コメントしておられました。

「みなさまの運動は正義にかなった運動。行政や裁判所までがそれを認めないとは。裁判所や行政の決定に屈せずに里山や水を守るために闘っていこう」などと呼びかけました。

原告や支持者は差し止め絶対阻止をシュプレヒコールを上げて決意表明しました。


◎[参考動画]不当決定 本郷産廃処分場差止ならず 2023年3月29日 広島高裁

◆「水は鉛直にしか染み込まない?!」常識外の決定

ざっくり申し上げると、裁判所は、
・有害物質が付着・混入して処分場に運び込まれる恐れ
・それらが処分場の外に染み出す恐れ
については認めました。

ところが、処分場と井戸の距離が700mあって、高低差が60mしかないことを理由に、「井戸水に有害物質が入る」恐れがあることは、住民側に立証責任がある、としました。

裁判官は、「水は鉛直にしかしみ込まない」といういわば、常識外の決定をしました。

たとえば、介護現場や子育てを経験していればわかることですが、尿を漏らした場合、そこだけではなくて、オムツに広範囲に尿が広がりますよね?筆者は呆れてしまいました。

弁護士も「負けた気がしない」といっておられました。原告代表の方も「高齢者は、先が短いから汚染された水を飲まなくてもいいかもしれない。だけど、子どもや孫はそうはいかない。だから頑張る。」という趣旨の決意を表明されました。

◆水道水源保護条例や環境配慮条例の制定に全力

裁判闘争と並行して、立法も大事です。今の裁判所は残念ながら、行政に対しては、法律で明確に禁じていないことを禁じない判決しか出しません。そうした中では、明文で、行政に対して、産業廃棄物処分場などを許可する際に、環境に配慮することを義務付ける条例が必要です。他の自治体ではすでに制定されているところも多い「水道水源保護条例」や広島弁護士会も提言している「環境配慮条例」などです。原告の皆様もそうした条例の制定運動もされています。

筆者の地元・安佐南区でも上安産廃処分場が外資に買収されて巨大化しています。さらに、同処分場の盛り土が崩落していたことも発覚しています。産廃処分場規制は喫緊の課題です。筆者も広島県議会においての条例制定に全力を尽くす所存です。

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広島の政治をガツンとリニューアル! 筆者が参院選広島再選挙でのライバルを支援 さとうしゅういち

2023年3月26日、統一地方選挙の広島市長選挙が告示されました。広島市長選挙に立候補されたのは以下の3人の方々です。

 
 

無所属で自民、公明、連合広島が推薦し、立憲民主党などの議員も支援する現職の松井一実さん。無所属で新人のSF作家、大山宏さん。そして日本共産党公認の高見あつみさんです。

◆参院選広島再選挙でのライバル・大山候補

筆者は、今回の市長選挙では、大山宏さんを応援しています。大山さんと筆者はかつて、「ライバル」の関係でした。

筆者は、2021年4月25日執行の河井案里さんの当選無効に伴う、参院選広島再選挙に立候補。20848票で6人中3位でした。その同じ選挙に大山宏さんも立候補し、13363票を獲得して5位でした。

大山さんは、選挙費用はこのとき、供託金を除いてたったの10万円しか使いませんでした。手製のポスターを公営掲示板に張って歩くだけ。演説もなし。そんな選挙でした。大山さんは、彼なりに金で票を買った河井案里さんへの対抗軸を示したのです。しかし、失礼ながら筆者も「そうはいっても、選挙カーは回して、主張を県民に届ける必要はある」と考えていました。

その後も、衆院選2021広島3区(6人中4位3559票)、東広島市長選挙(5606票、2人中2位、ただし、得票率15%と健闘)と徹底して金をかけない選挙に挑まれた大山さん。彼には脱帽しました。徹底した彼の根性には、筆者も脱帽したのです。

◆筆者が県議選立候補を前に支援を要請

筆者は、広島市長選と同時に行われる広島県議選に案里さんの地盤である広島市安佐南区選挙区での立候補を無所属・れいわ新選組推薦で予定しています。2022年秋、ライバルでもあった大山さんにも、ご支援をお願いしました。大山さんは衆院選2021では安佐南区で2000票以上を獲得されており、筆者の勝利には大山さんとの連携は不可欠だったからです。それから、交流がはじまりました。

◆県議選東広島選挙区から広島市長選挙へ転進

当初、大山さんは県議選・東広島選挙区での立候補を予定されていました。しかし、広島市長選挙で市民団体が候補者擁立を断念。無投票の恐れも出てきました。そうした中で、大山さんが急遽、広島市長選挙に転進するとともに、県議選東広島選挙区では、配偶者の大山はるえさんが立候補することになりました。

その後、共産党が公認候補を擁立しました。しかし、失礼ながら、共産党の濃い支持層以外から得票することはこれまでの歴史から考えても難しいことは想像つきます。現職の松井さんは市政の中身は芳しくありません。

けれども選挙だけは上手な方です。松井さんに勝つのは誰が出ても難しい。しかし、対抗馬の合計で得票数を伸ばすことで松井さんの得票率を下げられれば、市政に緊張感をもたらすことになります。

◆市長選挙でもコピー用紙のポスターを張って歩くのみ

大山さんは、広島市長選挙でもお金をかけないことは徹底しています。参院選広島再選挙と変わらず、トラックで回って、コピー用紙のポスターを張って歩くのみです。

わたしは、告示日の26日10時、大山さんと広島城北東の公園でお会いしました。

◆街宣は筆者が「応援演説」の形で担当

筆者が立候補予定の県議選は3月31日告示です。したがって、30日までは、「大山候補への応援演説」という形で街宣を安佐南区各地で担当することにしました。筆者が、大山陣営の運動員という形で腕章をし、筆者のハンドマイクに選挙運動用拡声器の標記をかぶせ、街頭演説用の旗も筆者が持って、各地を回ることにしました。候補者にはポスターを張りに専念していただくことにしました。

 
 

以下は筆者の応援演説の概要です。

「広島県の人口流出は二年連続全国ワーストワンだ。なぜそうなったか?」

「広島ではお金がある人、組織がある人しか選挙に受かってこなかったからではないのか?その結果、政治が市民・県民のニーズとかけはなれ、若い人から流出していく結果になっているのではないか?」

「現職市長の松井さんは駅前開発には熱心だが、安佐南区の道路はボロボロの個所も多い。広島土砂災害2014の被災地で、防災工事がまだ完了していない地域も少なくない。安佐南区は広島では珍しく人口が増えている。人口が増えている地域に投資をせずに、駅前ばかりに熱中するのは一市民として疑問だ。」

「松井さんは、法的な根拠もつくらずに、学童保育の有料化を強行したり、アンケート結果を無視して図書館移転を強行しようとしたりしている。」

「広島市は特養が不足しているが民間がどこも手を上げないという。それならば、公営でやるべきだろう。しかし、松井さんは手をこまねいているだけだ。さとうしゅういちは大山市長と県市連携で公営の特養をやるよう提案する。」

「はだしのゲンや第五福竜丸の記述も、松井さんが任命した教育長率いる市教委の暴走で削除された。アメリカへの忖度ではないのか?広島市政がこんなことではG7サミットで核廃絶への成果を出すなど無理。岸田さんも本気にならない。」

「安佐南区は河井事件の震源地だ。とくにこの安佐南区の皆さんがお金を徹底的につかわない大山宏を支持していただくことが、汚名返上につながる。」

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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広島県の人口流出、2年連続で全国ワーストワン! 「権威主義」+「ネオリベ」という最悪ハイブリッドで若者流出の無限ループが止まらない さとうしゅういち

2022年の広島県の転出超過(人口流出)は9207人で、2年連続で全国最悪となりました。

1月30日に総務省が発表した人口移動報告によると広島県の転出入の内訳は、他都道府県への転出者数が5万4924人(2021年比2373人増)でした。他方で他都道府県からの転入者数が4万5717人(2021年比325人増)でした。

 
広島県庁

外国人を統計に含めた2014年以降では9年連続の転出超過となっています。全国ワーストワンは2019年と2021年に続いて3回目です。

転出超過の9207人の内訳は日本人6044人、外国人3163人で、年代別では20~24歳が4014人、25~29歳が2046人となり、20歳代が全体の66%を占めています。この20代の流出は兵庫県に次いで2番目の人数です。

広島県内23市町で転出超過(人口流出)となったのは、広島市(2522人)、福山市(2404人)など19市町です。広島市は政令指定都市の中では神戸市(3174人)に次ぐワースト2の人口流出となりました。広島県内での転入超過はまだ、ベッドタウンとしての発展も続いている廿日市市(238人)など4市町にとどまりまっています。

◆外国人も国内他県へ流出

広島県は日本人、外国人ともに国内の他の都道府県への転出が多いのが特徴です。

一方で、外国から広島県に対しては1万31人の転入超過です。このことをとらえて知事の湯崎英彦さんは、「社会動態全体をみたものとは言えない」としています。だが、それでも、外国人が3163人も他の都道府県に流出してしまっているのです。実際、筆者の勤務先でも、広島に来たばかりの外国人労働者が一年もたたずに辞めて東京の介護施設へ転職するケースが多くなっています。

◆「給料の安さ」と「アップデートの遅れ」の無限ループに陥った広島

筆者は、2022年の人口流出2年連続全国最悪という結果は、予想していました。これまでの現知事や教育長の政治、そしていわゆるオール与党体制で知事をチェックできなかった現職県議らのいい加減な政治の結果、と一言で斬ってしまえば簡単です。

だが、もう少し、要素を分けて考えてみましょう。若者が他都道府県に流出してしまう要素としては一言でいえば「給料の安さ」(経済面)があるでしょう。

もう一つは、「アップデートの遅れ」です。地域社会のアップデートが遅れているということは、若者にとって、特に暮らしにくい社会であるということです。

一方で、給料の安さで若者が流出することにより、若者の比率が下がり、若者の意見が反映されず、アップデートが遅れるという面もあります。そして余計に若者が定着せず、アップデートが遅れるということです。

筆者は、2000年に広島県庁職員として東京からUターンして23年。この23年間、広島では、上記のような「給料の安さ」「アップデートの遅れ」の無限ループが発生しているように痛感します。

◆若者減少を招いた公務員削減

広島県は、たびたびご紹介しているように、00年代にそれまで86あった市町村を23に減らしました。市町への権限移譲をするということで、県庁職員は採用を一時は年間ゼロにするという形で削減。他方で、市町も仕事は増えたのですが「合併で効率化しただろう」ということでこちらも削減。結果として大幅に公務員は減りました。

公務員新規採用は若者の雇用の大きな受け皿です。しかし、過剰な公務員削減の上、「生首は切れない」以上、新規採用は減らすしかない。そういう中で、若者も地域から激減していきました。特に、合併された旧市町村ではひどいものがありました。
 
◆過去の成功体験卒業できずアップデート遅れ

一方、筆者が選挙運動などで県内をお邪魔して痛感するのは、「1975年頃の成功体験」から卒業できていないということです。この1975年というのは筆者が生まれた年であり、カープが山本浩二、衣笠、外木場らの活躍で初優勝し、県民一人当たりの所得が全国3番目になって栄華を誇った時代です。広島が製鉄をはじめ、原発製造も含む重厚長大産業で栄えた時代です。現代は、たとえ工業製品であってもソフトウエア部分が製造コストの7割を占めるとも言われています。また、サービス業の割合も高まっています。一方で、直近では食料やエネルギーの安全保障が重要になっています。いずれにせよ、重厚長大が栄華を誇った時代の成功体験に胡坐をかいている場合ではないのです。

また、その時の成功体験を持っている年配者の方が、若手を押さえつけてしまう社会の雰囲気もあります。これは別に自民党など与党だけでなく、自称野党第一党やその支持基盤の労働組合にも根強く感じます。筆者は、全国でとくに女性議員の応援に回りましたが、広島の政治の政策不在ぶりは群を抜いていました。あの河井案里さんの事件も起きるべくして起きたのです。

その延長線上に、たとえば、「産業廃棄物への規制が全国一緩い」「県による子ども医療費補助の対象が小学校就学前までに限られる」などの旧態依然たる政治になっています。

◆改革を装った知事や教育長も混乱招いただけ

一方、現知事の湯崎英彦さんには、筆者も2009年の初登場の時は期待してしまいました。IT企業ご出身ということで、「古臭い広島をアップデートしてくれるのではないか?」と考えた筆者も一票を湯崎英彦さんに投票しました。

 
高速道路5号線二葉山トンネル

しかし、湯崎さんが期待に応えてくれたのは住民参加で「鞆の浦埋め立て架橋」問題で、埋め立て架橋を取りやめて山側トンネルに変更するプロセスまででした。高速道路5号線二葉山トンネル問題では「住民を犠牲にしてまで工事することはない」と言いながらトラブル多発。それに対して湯崎さんは木で鼻を括る対応です。

また、湯崎さんが一本釣りしてきた平川理恵教育長は、学校現場で教員が不足し、非正規だらけで授業も回らない学校が多いのに、「予算がない」と非正規教員の正規化を拒否。一方で、県外のご自分のお友達のNPOや会社に県費を流し、地方自治法違反や官製談合防止法違反の容疑で告発されています。

◆「守旧派」と「ネオリベ派」の最悪のハイブリッドで広島衰退に拍車

総合すると、以下のようなことが言えます。

広島の指導層守旧派Aグループ=成功体験から卒業できていない古いタイプの役人や議員、一部大手組合幹部(いわゆる労働貴族)。旧来のモデルに基づいた開発を進め、若手を押さえつけてきた。建武の新政における北畠親房らに相当。

広島の指導層ネオリベ派Bグループ=「旧弊打破」に見えた湯崎知事や平川教育長。また、若者を非正規という形で疎外したまま、県外にお金を流し、県の衰退に拍車。建武の新政における後醍醐帝に相当。

そして、Aグループが主導してきた高速道路二葉山トンネルなどにBグループの知事は待ったをかけない。

Bグループのネオリベ派の知事や教育長の暴走に対しては、Aグループの守旧派もこれまでまったくチェックをしなかった(だから官製談合事件が起きた。)。

※関連記事 http://www.rokusaisha.com/blog.php?p=45764

その結果として、社会風土は権威主義、経済政策はネオリベという最悪のハイブリッドになった。広島から若者が流出するのも当然です。

◆給料アップとアップデートの好循環を

これを脱却するには、逆に言えば、給料アップと社会のアップデートの好循環をつくるしかありません。

経済面では、
・教育長がやっているような怪しげな?外部委託を止め、正規公務員をふやし、県内定住の若者をふやす。
・農業など食料生産に携わる人に所得補償やコスト補償を行い、若者定住と食料自給率向上を図る。
が現実的に行政が直接的に関与できるやり方でしょう。また、
・使途が決まらない空きビル、空き工場用地などについて、若者に利用方法を任せるのも、手です。こうしたことで、若者に定着してもらうことは地域に刺激になり、アップデートにつながります。

政治面からのアップデートの加速については、今の現職の議員を総入れ替えするくらいの勢いの判断を有権者できれば展望が大きく開けるでしょう。ただ、現実問題としては、例えば、有権者として賢くなる教育を子ども時代からする、くらいのことを粘り強く続けるしかないとも考えています。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
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最新刊! 月刊『紙の爆弾』2023年4月号

対米従属で暴走する岸田総理への忖度か?! 「はだしのゲン」そして「第五福竜丸」を強行削除する広島市教育委員会の腐朽 さとうしゅういち

度々ご報告している通り、広島県教育長は腐りきっていますが、広島市教育委員会も暴走が止まりません。

ひとつは、「はだしのゲン」を小学生の平和教育の教材から削除するということです。

もうひとつは、同じように中学生の平和教育の教材から「第五福竜丸」を削除するということです。

 
故・中沢啓治さん(写真右、2011年8月6日撮影)

◆はだしのゲン削除強行

はだしのゲンは故・中沢啓治さんの不朽の名作です。現状では、広島市では小学校三年生の平和教材として使われています。これに対して、広島市教委は削除をすることを決定してしまいました。これに対して、被爆者団体からは相次いで削除に対して抗議の声が上がりました。

広島市教委も、結局、被爆者団体に対して、子どもたちがいつでも読めるようにするという趣旨の回答をせざるを得ない状況に追い込まれました。しかし、平和教材から削除されたのは残念です。

他人の池の鯉を盗むシーンについても、戦争というものが人々の暮らしを壊してしまうということをよく伝えていると思います。そのあたりは、きちんと先生が説明すれば、子どもたちが誤解するということはないと思います。

◆「はだしのゲン」削除は、教育委員会の暴走だった

平和教材の変更は、有識者による改訂会議を経てされた、とされています。しかし、真相は違うようです。日本共産党の近松議員は「有識者の改訂会議の議事録を読んだだけでは、はだしのゲンを削除する理由はみあたらない」と質問(13:21から)。しかし、13:50からの当局は、「教育委員会職務権限で決めた」と答弁しています。有識者の議論ではなく、当局が一方的に提案し、一方的に決めたのです。

◆第五福竜丸抜きには反核平和運動の歴史は語れぬ

1954年3月1日にアメリカが太平洋のビキニ環礁で行った水爆実験で多数の船舶や地元住民がヒバク。特に第五福竜丸の乗組員の久保山愛吉さんが亡くなったことで当時の日本人に衝撃を与えました。杉並区の主婦らの運動を契機に原水爆禁止運動が盛り上がり、1955年8月6日の第一回原水爆禁世界大会につながっていきます。

もちろん、ヒバクしたのは第五福竜丸だけではなく、高知県など多くの漁船がヒバクしました。そして、地元住民も多数ヒバクしました。従って、この水爆実験を第五福竜丸事件と呼んでしまうのは筆者にはためらわれますし、反核平和運動でも「ビキニデー」という言い方をします。だが、だからといって、第五福竜丸を削除してしまっては、反核平和運動の歴史の流れが意味不明になってしまいます。たとえは不適切かもしれませんが徳川家康の名前を知らないで江戸時代の歴史を学ぶのと同じような話です。

◆第五福竜丸も有識者会議とは全く相容れぬ

筆者の友人が入手した「第2回平和教育プログラム改訂会議 構成員発言内容概要」(2021年2月19日)の会議録には、次のような発言が載っています。この発言内容と、「削除」は、まったく相容れないのではないでしょうか。

▼中学校長の発言
「第五福竜丸の部分なのですが、単に被爆したということだけが載っています。さらに、指導案の方にも、被爆した、としか書かれていません。生徒にとっては、そんなことがあったのかということがピンとくるのか、こないのか、よくわからないところがあります。そこで、当時の船の記録が残っていると思うのですが、指導案の方にも、そういった資料を少しでも載せておけば、授業される先生方にとってよいのかなと思います。もちろん、本文に入ればよいのですが、難しいのであれば、補助資料として指導資料の方に載せておいてほしいと思います」

▼事務局説明(中学校)
「ありがとうございます。検討します」

▼(名前・肩書は黒塗り)
「第五福竜丸のことは歴史的に見ると他のいろいろなことに影響を及ばしたことなので、そういったことも入れながら、ということも検討していただきたいと思います」

このようなやりとりの結果が、なぜ「削除」という結論になるのでしょうか。さっぱりわかりません。

◆対米従属で暴走・迷走する総理への忖度か?

筆者は、市教委はどうも、地元選出の岸田総理に忖度しているのではないか?と思ってしまいます。実際に、知事の湯崎さんも市長の松井さんも地元選出の総理には忖度しまくりの雰囲気がビンビンに伝わってくるからです。

いま、地元選出の岸田総理の暴走・迷走が全国の皆様にご迷惑をおかけしています。このことを心からお詫び申し上げます。ロシアのウクライナ侵略に悪乗りした軍事費倍増・そのための大増税への暴走。そして、安全保障環境が危ないと言いながら有事に標的になりかねない原発は増やすという。低すぎる食料自給率にもほとんど無策。そんな迷走。

地元・広島でのG7サミットを目前に控えた岸田総理。アメリカの下請けをすることで、いわば「名誉白人」扱いしてもらっていい気になっているだけのようにも思えます。この点では、イランなどとの外交もそれなりに重視していた安倍晋三さんよりも酷いのです。

増やした軍事費で買った武器も実際には、アメリカに指揮権が実質的にはあるという有様。こうした中で、広島湾では、初めて、アメリカ軍の大型艦を使った大規模な米日共同軍事演習が行われました。

そのタイミングでの「はだしのゲン」「第五福竜丸」削除です。アメリカに都合が悪いことを削ろうというのではないか?

しかし、もし、筆者の危惧するような忖度だとしたら、逆に、その意図とは逆に、「はだしのゲン」や「第五福竜丸」に注目を集めてしまったのではないかとも思うのです。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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