介護保険事業所の倒産が過去最多を記録しています。各社の報道によれば、信用調査会社「東京商工リサーチ」によると、2022年1月から11月15日までに倒産した介護事業者は全国であわせて124件に上ったとのことです。この時点で過去最多の2020年を更新してしまいました。

内訳は、
「通所・短期入所」(デイサービスなど)63件
「訪問介護」40件
「有料老人ホーム」11件
「その他」10件いずれも前の年の同時期より増えています。

1.コロナによる利用者急減による売り上げ減
2.物価高による経費高騰
3.介護職員不足で成り立たない

このあたりが大きな原因となっています。2.の物価高による経費高騰については、今年度の補正予算により、自治体経由で補助金は出ています。ただ、それも「焼け石に水」「時すでに遅し」の状況の事業者も多いのです。

◆「介護事業者」の倒産が過去最多  価格転嫁が難しく、大規模な連鎖倒産も発生

通所(デイサービス、デイケア)や短期入所(ショートステイ)については、新型コロナ災害に伴い、感染を恐れて多くの利用者が利用を控えたことが大きいのは報道でも皆様もご存じと思います。そして、多額の投資をして規模を拡大してきた企業をそうしたコロナ災害が直撃した面もあります。急成長した企業の場合、先行投資が無駄になると資金繰りが一挙に悪化します。
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20221007_01.html

実際に、上記の東京商工リサーチの記事によれば、東京では一世を風靡したリハ型デイサービスを急激にふやしていた企業が倒産しています。

◆国による違法状態放置で人手不足倒産加速の訪問介護

一方、訪問介護(いわゆるホームヘルパー)についてはどうか? もちろん、コロナによる利用控えもありますし、介護職員が確保できずに倒産、というケースも多くなっています。訪問介護では、多くの事業者で移動時間やキャンセルの場合の時間をただ働きにさせています。本当は労基法違反ですが、労基法を遵守させるだけの介護報酬を国が設定していないのです。筆者も訪問介護で何度かアルバイトはしています。面接のとき、先方の社長さんが「ここだけの話ですが、移動時間や待機時間はボランティアということでよろしいでしょうか?」と小声で耳打ちしてこられたのを鮮明に覚えています。選挙で河井案里さんに敗れた「後遺症」でお金に困っていた当時のわたしは「まあ、それでも、当面、金は稼げるからいいか。」(本当は良くないのですが)ということで、苦渋の決断でとりあえずお受けしたと記憶しています。

なお、この問題については、訪問介護員の当事者労働者が介護保険制度をつくった国を提訴しています。https://helper-saiban.net/

だが、本年11月1日に言い渡された東京地裁の一審判決は、事業者にのみ責任を負わせる不当なものです。例えていうなれば、3.11フクシマ原発事故について東京電力にだけ責任を負わせ、原発を推進した国については免責した最高裁判決にうり二つの不当判決です。

こうした結果、訪問介護員に当然、若者はなりたがらず、高齢者が多いのです。そして、コロナのとき、感染を恐れた訪問介護員が引退する。それによる人手不足倒産というのも要素としてはあります。

◆物価高・人々の実質所得減で有料老人ホーム苦戦か

筆者は、広島市内の介護付き有料老人ホーム(弊社A)と広島県安芸郡内の認知症高齢者グループホーム(弊社B)で介護福祉士として働いています。

介護付き有料老人ホームは介護保険法上、特定施設入居者生活介護と言います。その施設に所属する職員が、
・介護サービス計画書(ケアプラン)の作成
・上記計画書に基づいた、食事・入浴・排泄などの介助
・その他の日常生活に関わる身体的介助
・機能訓練(リハビリテーション)
を行います。

これが「住宅型」有料老人ホームですと、外部事業者のサービスを利用することになります。

一方、認知症高齢者グループホームは認知症対応型生活共同介護と介護保険法上は呼ばれ、認知症のある高齢者が共同生活を送ることが想定されています。「想定されている」というのは実態とは異なる場合も多いからです。地域密着型サービスといって、許認可は当該市町村、入居できるのも当該市町村の方に限られます。

こうした中で、有料老人ホームの弊社Aは最近、苦戦しています。一時期は満室だった時期もあるのですが、2022年に入ったころから、空き室が目立つようになってきました。現在では、56室中2割近い9―10室程度が空いています。以前は、ネットだけでも結構入居への問い合わせがあったのに、それがないのです。

他方で、グループホーム弊社Bは、営業エリアが当該町に法律上限られるにもかかわらず、亡くなられた方が出ても、入居される方がすぐいらっしゃる状況です。

弊社Aでは費用が20万円/月程度、弊社Bでは12万円/月程度です。弊社Aの場合は、特養入居待機中の方も多い。これは、高額の費用を我慢して入居しておいて、特養の順番を待つ方が多いということです。逆に言えば、費用が安いところが他にあればそちらに流れてしまうのです。ましてや、今は、物価高。人々の実質所得が目減りする中、有料老人ホームは高根の花です。逆に費用が比較的安いグループホーム弊社Bはほぼ常時満室というわけです。

◆消滅型倒産が多い

そして、倒産の形態ですが、なんと会社がなくなってしまう「消滅型倒産」が97%。すなわち、サービスがそのまま停止してしまうということです。どこかに株式を買収してもらって再建されるとかそういう事業所はほとんどない。介護職員については、他事業所で人手不足が続く以上、すんなり再就職は決まるでしょうが、問題はお年寄り(一部、障がい者)です。ある日、突然、デイサービスが消えた。これは、お年寄りにはたまったものではありません。なかなか、引き続き通える施設がみつからないうちに、引きこもり状態、それに起因する認知症の悪化や身体機能の低下などの危険性が高まります。

一方で、そこそこ「健闘」している弊社Bのようなグループホームにも課題は多い。本来なら、認知症だけど、一定程度、体が元気な人が、一緒に家事をしながら共同生活をする。それが建前です。だが、実際には、要介護5,それこそ、自力でつかまり立ちもできず、入浴もトイレも二人介助を必要とする利用者の方も多く、その対応だけでも、時間があっという間に経過してしまいます。グループホームらしい、認知症のお年寄りの力を引き出すような形でのきめ細かいサービスなどは困難なのが実情です。

◆市場原理ではサービスの安定供給確保できぬ

結局、根本問題は、市場原理にサービスの供給を任せていることではないでしょうか?

介護保険導入前は、高齢者福祉は100%公費(国50%都道府県25%市町村25%)で賄っていた。しかし、保険料で半分は賄うようにして、公費負担割合は半減する。その上でサービス供給については市場原理に任せる。これが介護保険の在り方です。

「それによって、利用者に合わせた多様なサービスが勃興するのだ」という趣旨のことを、介護保険法制定時の広島出身の厚生次官・岡光序治さん(筆者の父が厚生官僚だった時代の上司でもある)らは主張されていました。

だが、市場原理に任せた結果、事業者の収入がコロナで減る。そして、コロナが下火になっても、収入が減った時の負債増大が響いて倒産し、消滅してしまう。そして、サービスの供給が途切れる。これが実態なのです。

表面上「健闘」している業種や事業所でも、仕事量に人員が追い付かず、アップアップ状態です。また、設備の老朽化を放置している場合も多い。筆者自身、ある施設で、車いすのブレーキがかかりにくくなるまで「節約」するなど危険な状況があったりして、ひやひやしたものでした。

介護保険導入前は、たしかに高齢化率は低かった。しかいながら、一方で介護保険料も取られず、消費税率も現在より低かった。にもかかわらず、訪問介護は23区でいえば公務員、広島市でも公社職員が提供していたのです。それにより、安定供給が一定程度担保されていたのです。

正直、現在のように、倒産で事業所が消滅したり、日々を切り回すだけでアップアップだったりする状況で、市場原理による「多様なサービス」なんて絵にかいた餅です。

公費投入を増大させないとどうしようもない。そして、介護保険そのものの在り方を抜本的に見直すべきときではないでしょうか?もちろん、その見直しの方向性は岸田総理が今進めているような介護保険利用者負担の倍増や要介護1・2を介護保険から事実上外すこと、あるいは、IT化と称して、現場労働者の配置基準を減らすこととは正反対でなければならないのは、言うまでもありません。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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11月中旬、筆者は度肝を抜かれました。いや、広島市民の多くもそうでしょう。広島県知事の湯崎英彦さんは、広島市内の病院の大幅統廃合計画を発表しました。大義名分は高度医療と人材育成の拠点をつくることです。

「すべての県民が質の高い医療介護サービスを受けることができ、住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができる広島県の実現を目指してまいります」と湯崎さんは宣言。

基本構想を拝読すると、いわゆる救急車のたらい回しや中山間地の医師不足などを解消するため、県内の高度医療の資源を集約した病院を新設し、若手の医師を育成することで課題解決を目指すとしています。

具体的には、広島市東区のJR広島病院(275床)と南区の県立広島病院(いわゆる県病院、715床)、中区の平和公園近くの中電病院https://www.energia.co.jp/hospital/index.html (248床)を統合。JR広島病院に近い広島駅新幹線口近く(いわゆる駅北)に1000床近い病院として集約します。さらに、舟入市民病院(156床)の小児科は廃止し、新しいこの駅北の病院に統合するとのことです。

土谷病院の小児循環器機能も新病院に移行します。府中町のマツダ病院などからも一部機能が移行します。これでも、300床近い病床削減となります。

また、新病院の運営形態は一般地方独立行政法人(非公務員型)が望ましい、とされています。JR広島病院と県病院の統合までは、事前に報道もされていましたが、それを上回る規模の統合です。また、全体として、急性期病床を削減し、回復期病床に転換する方向も示されています。

◆国の病院・病床削減の突撃隊としての湯崎さん

「高度医療・人材育成拠点」と言われれば、いかにも素晴らしいことのように思ってしまう方も多いのではないでしょうか?だが、看板に惑わされずに、本質を見極めていく必要があります。

ずばり、湯崎さんがやろうとしていることは、厚労省の方針を「突撃隊」的に進めることではないでしょうか?

厚労省は2019年9月に424の病院について再編・統合の必要があるとしました。そして、そのために2019年4月から10%にアップされた消費税を補助金として投入することになったのです。

「日本の病院・病床数は人口比で多すぎる。これに対して医師や看護師は不足している。」

「軽度の病人が重度の病人が利用すべきベッドを占領している。」

「急性期・慢性期の病床は余り、回復期(リハビリ)の病床は不足している。」

これらを病院・病床削減の大義名分としていました。すでに、1992年のピークの169万床から14万程度削減されています。ところが、その直後にご承知の通り、2019年末からコロナ災害が世界を襲ったのです。そして、再編の対象だった病院の多くが、感染症指定医療機関です。コロナ災害では、こうした医療機関、特に公立の医療機関が多く、コロナの患者を引き受けたのです。これらの病院がなければもっと大変なことになっていたでしょう。

実際、全国に先行して病院を削減した大阪府では、コロナによる死者が6698人と東京の6108人を上回り、全国でも群を抜いています。にもかかわらず、国は病院・病床削減の撤回はしていません。とはいえ、コロナ災害を受けて政府の病院・病床削減方針への世論の批判は強いものがあります。

広島県知事の湯崎さんは、そうした中で、国の方針を「高度医療・人材育成拠点」の名のもとに強行する突撃隊の役目を果たしているのではないでしょうか?

広島県庁。このまま、厚労省の医療切り捨て路線の突撃隊になるのか?(筆者撮影)

◆住民や労働者はおきざり

今回の統廃合計画では、中山間地のため、などといいながら、住民は置きざりです。江田島市に母親が住んでいるという女性は「江田島市は呉よりも船で広島市へ行く方が実は便利。自分の母も、船で宇品港(南区)に上陸し、そこから電車ですぐの県病院に通っている。駅北へ統合された場合、遠くなり不便だ。」と案じます。

実際に、宇品港から県病院までは広島電鉄5号線、3号線、1号線で十分です。しかし、広島駅までは5号線であり、30分で本数も県病院行きよりは減ります。1号線でも広島駅へ行けますが、紙屋町など都心部を通って大回りになり一時間近くかかります。

しかも、広島電鉄の広島駅からJR広島駅を乗り越える形である程度歩かなければいけません。2025年度には広島電鉄が広島駅ビルに突入?する形にリニューアルされますが、それでも一定程度歩かないといけないことに変わりはありません。

あるいは、中区で近所の舟入病院の小児科に通っているお子さんなら、30分近く電車に乗って、さらに広島駅を乗り越えなければならない。健常者ならたいしたことがないかもしれませんが、体が弱い方にとっては負担になります。あるいは、「子どもの病院が近いから」と、その地域を選んでマンションなどを購入した方もおられるかもしれません。

また、二葉の里周辺の道路は慢性的に渋滞が激しい場所です。これは、新幹線・山陽本線で市街地が分断されていることもあります。そこへ、救急車が集中すれば大変なことになりかねない。それこそ、渋滞で手遅れということもあり得る。本当に救急病院を集中させればいいのでしょうか?

また、病院で働く医療労働者にとっても大変です。県病院、JR病院、中電病院、それぞれに文化と伝統があります。それこそ、労働組合もそれぞれカラーが違います。そういう中で、本当に合併してうまくいくのかどうか?この点も心配です。

◆医療従事者が少ないから統廃合?

医療従事者が不足するから統廃合する、という国側の論拠の一つに対しては、そもそも、きちんと医者や看護師の労働条件を抜本的に改善して対応すべきでしょう。そこに力を入れずに、統廃合しても、問題の解決にはならないでしょう。

そして、コロナもそうですが、すでに克服されたか、下火になったと思われていた感染症も復活しています。例えば梅毒などもそのひとつです。さらに今後は、気候変動で寒冷地の氷が解けて、封印されていたウイルスなどが出てきて猛威を振るう恐れも指摘されています。本当に急性期病床を減らしていいのでしょうか?大変に疑問です。大阪の失敗を広島で繰り返していいのでしょうか?

いずれにせよ、知事の湯崎さんの美辞麗句に惑わされず、「国の突撃隊」としての湯崎さんについて県民はきちんと監視をしていかなければなりません。県民の代表としての県議会の責任は重大です。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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◆湯崎英彦さんへの元部下としての疑問 あなたも橋下さんと同じだったのか?

湯崎英彦・広島県知事、いえ、湯崎さん。

筆者は2009年12月の彼の就任から2011年1月末までという短い期間ですが、県庁マンとして湯崎さんに仕えました。あなたは、就任時に職員に対して知事ではなく「湯崎さん」と呼ぶよう命じておられたので、「湯崎さん」とお呼びします。

◆前知事がひどすぎる上司だったので期待してしまった

藤田雄山(故人)前知事があまりにも無残なかたちで知事を退任したこともあり、わたしは不覚にもあなたにかなり期待をしてしまいました。

それまで、広島県知事といえば、選挙のたびに「対策費」と称して県議にお金を配るのが常態化していました。それこそ、数百万円単位です。要は知事選の潜在的なライバルである県議にお金を配って対抗馬として立候補をしないような「対策」です。2005年の知事選挙でも藤田は共産党公認の対抗馬に圧勝。しかし、裏でお金を配っていたのがばれてしまいました。そして、当時の後援会事務局長も逮捕されました。このとき、『あの』河井案里さんが、藤田前知事に「男らしくおやめなさい」と叫んだのはいまとなっては広島県民以外でもご存知の方も多いかもしれません。しかし、知事も県議も誰も起訴されず、真相がわからぬまま藤田前知事は2009年夏、知事引退を表明したのです。

また、藤田前知事は有力自民党県議に屈して、明らかにムダと思われる「山を削って海を埋め立てる」などの大型事業を連発して大赤字を生み出しました。中央政府とちがって地方政府は通貨発行権がないので、そのつけを自民党県議の発案である職員給与カットで埋めました。まさに、藤田は職員にとり最悪の上司でした。

ですから、「知事というものへの期待値」が極端に下がった状態で湯崎さんを新知事として、わたしは県庁に迎えたのです。

◆筆者もあなたを応援した

藤田前知事が立候補を断念した2009年の知事選。事実上、候補者は5人いたものの、元通産官僚でIT企業経営者でもあった湯崎さんと「あの」河井案里さんの一騎打ちの構図になってきました。これなら、当然、湯崎さん、あなたを応援したくなるのは当たり前でした。わたしもそうしました。

湯崎英彦  44 無所属  新  395,638 52.31% 民主党、連合広島、自民党の一部県議支持
河井案里  36 無所属  新  195,623 25.87% 自民党の一部有力県議支持
村上昭二  62 日本共産党新  77,515 10.25%
川元康裕  42 無所属  新  57,846 7.65%
柴崎美智子 54 無所属  新  29,646 3.92%

2009年の知事選時。河井案里候補らを破って当選した湯崎さん

以上のようにあなたは圧勝した。

もちろん、河井案里さんが当選しなかっただけましとはいえます。もし、彼女が当選していたら、「案里知事逮捕」で県政は大混乱していた危険性は十分あったでしょう。したがって、あのとき、わたしがあなたを応援した判断は誤りではなかったし、県民もまあ、妥当な判断をしたとおもいます。問題は「その後」です。

◆「知事」ではなく「湯崎さん」と呼べ、に感動

湯崎さん。あなたは就任にあたって、部下に対して「知事」ではなく、「湯崎さん」と呼べ、とおっしゃいました。わたしはいたく、感動しました。

大昔、優勝したときの横浜ベイスターズで権藤監督が自身を「権藤さん」と呼ばせたのを思い出しました。あのときは「監督」と呼んだら罰金1000円という制度でした。

◆鞆の浦の埋め立て架橋はうまく処理した

湯崎さん。あなたの知事としての功績のひとつは福山市の鞆の浦の埋め立て架橋問題でした。大昔に福山市の計画として持ち上がり、県の補助金も出ていました。そもそもは、道がせまい町中を通過する車をバイパスさせる目的でした。しかし、この計画が強行されれば、鞆の浦の景観は台無しになるところでした。鞆の浦は架橋推進派と反対派で真二つに割れてしまい深刻な状況でした。

湯崎さんは、両派の対話集会を開催。結果として、賛成派が求めていた交通渋滞の改善と、反対派が求めていた景観保全をみたす方式、すなわち「山側にトンネルを掘る」方式での解決に導きました。このころまでは、良かったとおもいます。

◆「育休」では橋下さんと大げんか

湯崎さん。あなたは、2010年には、配偶者の出産にともない、育児休暇を取られました。男性の育児休暇が義務化されたいまでは考えられないことですが、当時のあなたは大変な批判にさらされました。

「民間では休みもとれないのに。」などの理由です。

そして、橋下徹さんとは大げんかになりました。

しかし、湯崎さん。あなたは、男性もひとしく育児に従事するべき。そういう価値観の変革を訴えられました。それ自体はよかったとおもいます。橋下さんなどは、選挙の応援のために公務をしていない期間だって結構ありました。その橋下さんが湯崎さん、あなたを批判するのは笑止千万でしょう。

◆当選回数を重ねるにつれ変質

だが、湯崎さん。わたしが、河井案里さんと対決するために、2011年に県庁を退職して以降のあなたは、すっかり変わられた。当選回数を重ねるたびに、あなたは「橋下化」、すなわち新自由主義者としての側面を強めていかれましたね。湯崎さん。わたしは、あなたにがっかりです。とくに以下の点について苦言を呈したいのです。

〈1〉高速道路二葉山トンネル問題での木で鼻を括ったような対応 
   関連記事 https://www.rokusaisha.com/wp/?p=44123
〈2〉全国でも大甘の産廃行政 
   関連記事 https://www.rokusaisha.com/wp/?p=42575
〈3〉全国でも先例のない病院の統廃合
〈4〉県費でグローバル人材を育てる中高一貫校を設置も1000人以上の非正規教員を放置
〈5〉県費で県外から本社を移転する企業に補助金、中小企業予算は少なく

〈1〉と〈2〉については既に、過去の記事で取り上げています。〈3〉〈4〉〈5〉については、具体的には今後申し上げます。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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衆議院議員選挙区画定審議会(俗称・区割り審議会、会長・川人貞史・東大名誉教授)は6月16日、10増10減の新しい小選挙区の区割り案を総理に勧告しました。(※衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定案についての勧告

わたしが住んでいる広島県では7つあった小選挙区が6つに減らされます。広島県は人口の社会減が全国でも最悪レベルですから、これ自体は致し方ないことです。「ああ、来るべきものがきたか」という感想です。そして、その勧告のまま、10増10減の公選法改定案が11月18日、成立。上記勧告通りの区割りになることが確実になりました。

海田市駅の跨線橋から同駅ホームと安芸区福祉センター=奥の茶色の建物群をのぞんで。海田町と安芸区は入り組んでいて街は渾然一体だ

◆安芸区が安佐北区などと同じ広島3区?!の「笑劇」

しかし、問題は区割りの中身です。人口が少ない広島4区と5区を解体して、基本的には新しい4区(東広島市、竹原市、大崎上島町、呉市、江田島市、熊野町)に統一。4区のうち、府中町、海田町、坂町をわたしが住んでいる現1区(中区、東区、南区)にくっつけます。

そして、衝撃ならぬ「笑劇」だったのは安芸区を3区(安佐南区、安佐北区、安芸高田市、北広島町、安芸太田町)にくっつけるということです。

安芸区は、むしろ、生活圏は海田町、坂町、府中町などと一緒です。陸上自衛隊の海田駐屯地は安芸区と海田町にまたがり、海田町内の海田警察署が所轄です。海田町の海田市駅前に安芸区の福祉センターもあるくらい、入り組んでいるのです。

そして、もう一つは、安芸区と安佐北区は確かに接しています。だが両者を直接往来できる道路はありません。ひょっとするとイノシシやクマは行き来しているかもしれませんが車や登山の装備のない人間が行き来する状況ではないのです。

現3区に事務所をおく筆者が万が一衆院選立候補の場合(そのつもりは現時点ではありませんが)はどうなるでしょうか? 選挙カーを回すとなると、たとえば現3区の安佐南区の事務所から1区を経由して安芸区へ向かうしかありません。1区を通過する際は無言で通過していくか、それとも自分の名前を封印して「比例での所属政党名」だけを叫ぶか。いずれにせよ間抜けな話です。安芸区は筆者に妻の実家もあり、水害でのボランティアの経験もあるので、地盤という意味では筆者に少し有利かもしれませんが、ここで取り上げるのは、そういう問題ではありません。地域として一体性のないところを選挙区にするというのはいかがなものか、ということです。

それくらいなら、行政区画を分断することになりますが、たとえば、東区を分けるという手もあります。東区なら3区とも1区とも地域的なつながりはあります。東区の筆者の自宅の前を通過するバスも安佐北区、すなわち3区に向かっています。

現4区の海田町から北方の現3区をのぞんで。人や車が通常の装備で往来できる道路などない山岳地帯だ。選挙運動中に、こんなところを超えていたら熊かイノシシに襲われるのがオチだ

◆弁護士、東大教授……こんな「笑劇」的な区割りを考えた錚々たる先生方

それにしても、どういう方々がこんな「笑劇」的な区割りを考えたのか? 委員の名簿を拝見してぶったまげてしまいました。

東大教授の加藤淳子先生、東大名誉教授の川人貞史先生、弁護士の住田裕子先生ら、錚々たる先生方です。こんなばかげた区割りを勧告して、先生方の名声に傷がつかないか、筆者は心配です。実際は総務省の官僚が下案をつくってそれを先生方が一定議論して了承するのでしょうけれども、それにしてもです。

◆そのまま通す議員も情けない

議員も議員です。いくら、いわゆる閣法=政府提出の法案といえども、こんな明らかにおかしな区割りをそのまま与党の議員が認めてしまうというのも「情けない」の一言です。国会議員同士で話し合って修正することもできたはずです。まさに、立法府が形がい化し、行政府の追認機関になってしまっているということです。

◆根本には小選挙区制自体の問題

しかしです。そもそも、小選挙区制自体がこういう、余計な問題を引き起こしているのではないでしょうか?

たとえば、筆者の事実上の故郷の東京。23区なんて、行政区がいくつも分断されて訳がわからない状態です。それこそ、区議や都議より選挙区がせまい国会議員と言うのもいかがなものでしょうか?区議や都議より対象となる有権者が狭い人が、国政に関する議論をするというのも違和感を覚えます。筆者も立候補を複数回しているから分かるのですが、国会議員なら国民全体、県議会議員なら県民全体を考えないといけないと頭ではわかっていても、やはりそうはいっても無意識に問題意識は地元を優先になってしまうし、現実に得票にはそのほうが効率的なのも事実です。

まだ、昔の3-5人の議員を選ぶ中選挙区制のほうが、ある程度選挙区が広く、選択肢も広かったとおもいます。中選挙区制なら、たとえば、河井克行受刑者のような人は同じ自民党の議員に負けて落選しているでしょう。実際に広島3区でも「本当は岸田総理のファンで克行受刑者なんて大嫌いだが、自民党だからやむを得ず投票していた。」という方を多数、筆者は存じ上げています。

◆地方の衰退に拍車

そもそも、人口だけで議員定数を考えるというのも本当に公平なことなのか?これも考えていただきたいことです。地方の議員を削減して、都会の議員を増やす。そうなれば、都会の声がますます強まり、地方には不利になる。それにより、地方の衰退、東京一極集中に拍車がかかる。その結果ますます、一票の格差が広がる。

このような指摘を筆者が国政レベルでは支持する「れいわ新選組」はしています。
【声明】公職選挙法改正案に反対する理由(れいわ新選組 2022年11月10日)

◆投票価値の平等は比例代表制が一番

しかし、そもそも、投票価値の平等を追及するなら、比例代表制が一番です。比例代表制ならそもそも一票の価値の不平等も起きようがありません。ブロック別の比例代表制なら、人口の増減で定数の増減は必要です。しかし、えらい先生方が、一生懸命区割りを考えた上で広島3区のような「衝撃」ならぬ「笑劇」を起こすことはありえません。

ノルウェーの場合は県別の比例代表制で、有権者が政党の提示した名簿順位をいじれるような仕組みです。この仕組みを利用して、ノルウェーでは女性を上位に有権者が名簿をいじって女性議員をふやした歴史があります。これなら、個人もえらぶことができます。支持政党でもいやな議員はおとすことができます。筆者はあらためて、ノルウェー式の比例代表制をベースとした選挙制度改革を提起します。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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『紙の爆弾』と『季節』──今こそ鹿砦社の雑誌を定期購読で!

筆者は2000年から2011年までは広島県庁の職員として勤務し、現在は広島市と安芸郡の民間の介護施設計二か所で介護福祉士として働いています。

しかし、自治体の介護保険制度のもとで働く公務関係の労働者ということで、広島県内の自治体労働者の皆様と同じ地域産別組合加盟の労働組合に参加しています。

そして、先日の定期大会でその地域産別組合の執行委員を拝命いたしました。この産別組合(広島自治労連)は全労連系の組合です。世間一般では共産党系とも言われますが、筆者自身はこれまでも何度もご紹介している通り、れいわ新選組のオーナーズ会員であり、共産党支持者ではありません。ただ、県内でそれなりに労働者のためにたたかう組合でなおかつそれなりの勢力があるということでこの組合を選ばせていただいています。

筆者は県庁職員時代には連合加盟の「自治労」広島県職員連合労組で長きにわたり、支部役員をさせていただきました。連合と全労連、両方で役員というのは、おそらくほかにも例を見ない「珍記録」と思いますが、所属組織に関係なく、その場所で、自分の良心に従い、しっかり活動をさせていただきたいとおもいます。

◆筆者も思い切って発言

さて、先日、その広島自治労連の定期大会がありました。この大会でわたしも役員を拝命することになりました。

皆様もご経験と思いますが、世間にはいろいろな団体の総会や大会があります。通常、まず執行部から前年度の活動報告、決算報告・監査報告、質疑応答、そして今年度の活動方針案、予算案の提案、そして質疑応答というのが流れです。今回の大会ももちろん、その通りの流れです。ただ、連合系労組時代はほとんど討論らしい討論もなく、筆者が一人で発言などと言うこともよくありました。孤立を恐れる筆者ではありませんが、とはいえ、発言にはエネルギーもいります。

筆者も、最初は皆さんの発言・討論を伺って勉強のつもりでした。とくに、女性の非正規公務員、自治体関係公益法人の職員の皆様の痛切な現状報告や、いきいきと意見を述べられている様子に触発され、思い切って挙手して発言機会を求めました。
県庁時代と現在の介護現場時代の経験を踏まえ発言させていただきました。

まず、最初に「わたしは、広島県庁職員だった時代には連合系自治労の支部役員をさせていただいた。大会などでは、女性の参加者も少なく、発言もほとんどなかった。それとくらべるとこちら(自治労連)は女性の発言者の方が多く、生き生きと発言されているのに感激した。」とまず感想を述べさせていただきました。

その上で、「広島県の前知事(藤田雄山、故人)はわたしが県庁職員だった時代に86あった市町村を23に減らすという市町村合併を強行した。県は市町に権限を委譲したという理由で、市町は合併して効率化したという理由で職員の総数を合併前より減らしまくった。わたしの在職中はまだ大阪維新は存在しなかった。しかし、広島県は実は、維新でさえもここまではしないひどい新自由主義だった。」と回想。

「しかし多くの県民が気づいていない。きちんと労組が先頭に立って世論に訴えるべきだと感じた。」と指摘。

その上で、「岸田さんの介護労働者賃上げは全く不十分である、安倍さんはコロナで5万円くれたけど我が施設は岸田さんになってからクラスター二度発生もなんの手当もない。賃上げも他業界も一応給料アップの中焼け石に水だ。」と指摘しました。

そして、「なかなか、組合に入ってもらうのは難しいが、例えば『公務員は給料が高すぎる』という民間労働者の仲間がいれば、『いやいや。俺らの給料を公務員並みに引き上げていくのが大事じゃないかな』とやんわりいうなど、地味なところからでも取り組んでいる。一緒にがんばろう」と呼びかけました。

◆欠員相次ぎ、非正規で穴埋め常態化──女性が多い職場から危機感

さて、この筆者の発言と前後して、県内各職場からは「人が足りない」という報告のオンパレードでした。そして、欠員は非正規で埋めるということが常態化している状況が報告されました。

そして、非正規なのに重責を負わされる実態が全部の自治体や公益法人共通でありました。特にある自治体の給食調理員はなんと8割が非正規だそうです。コロナで休む人が多く出る中で、綱渡り状態で業務を回しているとのことです。

特に女性が多い職場が狙い撃ちにされてそうなっていることがよく浮かび上がりました。

◆市町村合併→公務員数削減による惨状の報告

また、筆者が県庁職員だった時代に目撃した市町村合併後、職員が減らされた上に仕事は県から押し付けられてから15年余りたっています。筆者が当時、懸念した通り、その悪影響が今出ており、市町は惨状を呈しています。

病気や死亡などで退職が相次ぐのに補充されない自治体。給料水準が十分でないため、県や他県の自治体に受験者が流れてしまっているそうです。

別の山間部の自治体では、職員の2割が精神疾患で仕事をしながら療養中という惨状です。その自治体では病気になって本庁で勤務が難しくなった人を支所に回しているそうです。その結果、支所が療養中の人であふれ、業務に支障をきたしています。

◆大阪維新真っ青の広島の新自由主義、十数年たってつけ噴出

まさに、広島県の前知事・藤田雄山(故人)が総務省いいなりで進めた大阪維新の会も真っ青な新自由主義。そのつけが十数年たって噴出していることを痛感しました。

そして、その状態を現知事の湯崎英彦さんも、その湯崎さんを推薦する自民、公明や立憲民主党、連合など国政野党や大手労組も是正しようとしていません。さもなければ、こんな惨状にはなっていないでしょう。

2004年の合併で1市3町3村が1市になった三次市。衰退は加速する一方、公務労働者への負担は過重に。筆者撮影

筆者も、参院選再選挙2021や参院選2022で特に合併が大きく進んだ(その結果公務員も大幅に減った)地域を遊説し、その衰退ぶりに改めて憤りをおぼえているところです。

もはや、「ガツン!」という勢いで公務員を正規で増やすくらいの覚悟がないと、医療、福祉、防災、教育などあらゆる分野で県民の安全、安心も守れないし、地域の衰退も加速するだけだ、と改めて痛感しました。

2021年秋に発足したデジタル庁の進める行政のデジタル化もどんどん県民のニーズが複雑化する中で、業務を効率化して負担を軽減するならいいのですが、そうではなく、「行政職員数の半減」に悪用されたら大変です。これはIT導入による職員削減を岸田政権がもくろんでいる介護現場においても共通の課題です。IT化で負担は軽減しつつ、すでに少なすぎる公務員は正規で補充し、行政ニーズの多様化に対応する。これが当面、あるべき方向ではないでしょうか?

筆者は、政治活動と労働運動、車の両輪で新自由主義に対抗していく決意を新たにしました。基本的に、どこに属しようが筆者自身の主張や姿勢に大きな変更はなく(もちろん、時代に合わせてアップデートはしますが)、与えられた場所で頑張るだけです。

公務員を引き下ろしてスカッとするのではなく、労働者全体を底上げし、せめて正規公務員並みに、ということです。

民間の立場からいわれのない公務員バッシングには反撃します。官民を超えた労働者同士での「集団的自衛権」の行使は積極的に行います。

逆に公務員の皆様におかれても、介護、保育、医療を含む民間の労働者の待遇改善にもご協力いただけるよう伏してお願い申し上げる次第です。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2022年12月号

筆者は、広島1区の介護施設(本稿では以下弊社とします)と、広島4区(安芸郡)の介護施設で介護福祉士として働いています。

◆これまでのクラスターも「野戦病院」状態だったが

ちなみに、これまでたびたびご紹介した外国人労働者の流出が起きているのは広島4区の介護施設です。(※関連記事)

こちらの4区の施設でもクラスターは2022年9月に発生しています。筆者は、クラスター発生に伴い、欠勤者が出たために、夜勤のピンチヒッターに入りました。

台風が九州から中国地方を襲った日にも、電車が止まっているため、暴風雨のなか、自転車で駆け付けたのを記憶しています。そうしないと、施設が回らないから、と思ってかけつけました。このときは、全身がずぶぬれになり全部着替えたのを覚えています。

夜勤の時は、台風に伴う熱帯性の暑くて湿った空気の中、防護服着用で一晩を過ごし、汗びっしょりになったのを覚えています。

さて、広島1区の弊社では、2022年2月と8月にクラスターが発生しました。8月のクラスターでは入居者様13人、職員8人の21人が感染確認。入居者様の4人に1人以上が感染し、うち二人が救急搬送。職員も不足が続き、広島弁でいえば「わやくちゃ」な状況でした。(※関連記事)

2月のクラスターは、弊社で初のクラスターで入居者様6人、職員2人が感染。このときも職員不足とのダブルパンチで、野戦病院のような状態になりました。(※関連記事)

いずれも、入居者様に、食事を個室で取っていただきました。そして、食堂に入居者様が来ておられるときは食事介助をまとめてすることができましたが、これらの時はそうはいきません。普段よりむしろ必要職員数が増えた上に、職員も倒れた状況でした。

◆弊社の前に救急車が!?

さて、筆者は、2022年11月9日に弊社に勤務した後、10日は、地元安佐南区での政治活動のあと、夜は11月11日は4区の介護施設で1日勤務。12日は、人手不足により、急遽4区の介護施設で半日勤務。13日は、広島市内で組合活動。14日は広島4区の介護施設で1日勤務。

こんなあわただしい日程をこなしていました。そして、15日。わたしは午前中、妻の通院に付き添い、午後から弊社に出勤しました。

すると、弊社の前に救急車が止まっています。いったい何事かと思って、同僚に聞きました。入居者様の一人が12日にコロナに感染が確認。その入居者様(仮にAさんとします)は、体温こそ38度とまだ「軽症」の部類ですが、酸素飽和濃度が低下するなど、いわゆる中等症に近い状態になっていたそうです。それに加えて、若手職員1名がコロナへの感染が確認されていました。

ただ、12日から、このAさんのケアに当たっていた同僚たちからすれば、Aさんの入院で、他の入居者への拡散の可能性が低下してほっとしていたのも事実です。過去2度の弊社クラスターでも、軽症で要介護度が低い方が、元気なゆえに、他の入居者様の部屋を訪れて、いわゆるスーパースプレッダーになってしまったからです。ただちに、以降の入浴は中止。Aさんの居るフロアの人は全員個室で食事となりました。

ところが、ほっとしたのも、つかの間です。今度は、翌16日、別のフロアの入居者Bさんの感染が発覚しました。

◆手術直前にコロナ発覚、弊社に「強制送還」

Bさんは、泌尿器系の重篤な病気があり、それが悪化していました。そこでこの日、同じ区内の大型病院で手術の予定でした。もちろん、この16日の朝、施設を出発した時点ではコロナ感染は確認されていません。

ところが、Bさんは、病院の「関所」で引っかかってしまいます。すなわち、手術前に、PCR検査を受け、15分から30分で結果が出る関所で、コロナ感染が確認されたのです。

その病院には、コロナ病棟ももちろんあります。このBさんは、重篤な泌尿器系の病気がありますから悪化が心配です。当然、コロナ病棟に回されるかと思いきや、なんと、弊社に「強制送還」されてきたのです。

Bさんの「強制送還」により、Bさんのフロアの入居者様は全員個室で食事をとっていただくことになりました。

またまた、「てんやわんや」の状況です。「そのまま入院してくれれば、弊社の負担は軽減されるのに。」と多くのスタッフが思ったのは間違いありません。

◆なぜ「強制送還」されたのか?

なぜ、コロナ病棟もある病院から、Bさんは「強制送還」されたのでしょうか? その一つの理由は、入院には依然として、保健所を介在させる必要があるからです。保健所に感染を登録して、そして、保健所の指示に従って入院などもする。そういう仕組みだからです。

もう一つの理由は、今は、以前の第一波やデルタ株の時と違い、オミクロン株やその変異株です。ワクチンの効果もあって重症化率は低い一方で、感染者の数はけた違いです。したがって、県としても、コロナそのものの症状がないBさんの場合は、入院の対象にならないわけです。

もちろん、医療機関の負担を減らすためにはやむを得ない措置というのは理解します。ただ、おかげで、また、弊社など介護施設内での感染が広がる危険が出てきます。

◆経済優先というなら、それによる介護現場の犠牲には補償を!

もうひとつは、岸田政権は、安倍政権、菅政権以上に、経済優先の姿勢です。もちろん、観光業、飲食業など、これ以上、緊急事態宣言などしたら、もたない、というのも理解します。他方で、それにより、介護現場には大きなしわ寄せがきているのです。

安倍政権はそれでも、介護現場に勤務する労働者に一人5万円の報償金を出しました。しかしながら、岸田政権では一度もそういうことはありません。介護労働者の給料3%アップはされましたが、物価上昇、あるいは他業界の賃上げ、インフレ手当の支給などの中で実質的には相殺されてしまっています。

地元の岸田総理には経済優先で行くなら、その分、負担が来る介護現場にも手厚く。せめて、これだけは、強くお願いするものです。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2022年12月号

介護福祉士である筆者は、広島県安芸郡の介護施設(以下、弊社とします)に派遣される形で勤務しています。また、広島県内の自治体労働者や公共関連の労働者で構成される「広島自治労連」の執行委員をこの10月から拝命しています。

以前、ご紹介したとおり、弊社では外国人労働者が多く働いておられます。しかし、最近、次々と辞めていかれます。賃金のより高い東京に行かれるのです。すぐに新人の外国人労働者が入ってこられるのですが、数か月でまた東京の介護施設へ転職される、という傾向が最近定着してしまっています。円安の中で、政情不安もある母国への送金をより多く確保するため、東京へ、という彼女たちの選択ですので引き留めることはできません。そんな中、筆者は、地元の自治体に対して、この問題について、改善をお願いする機会をいただきました。

筆者の属する労働組合「自治労連」が加盟している「広島県労連」が事務局となっている「国民大運動実行委員会」は、「自治体キャラバン」と銘打って毎秋、自治体首長と議会を表敬訪問し、労働や医療、福祉、教育など様々な課題の改善をお願いしています。

今回、11月8日に安芸郡内の自治体を訪れる「キャラバン」があるということで、「外国人労働者流出問題」を取り上げたいと考えていた筆者は参加させていただきました。組合の会議で、「誰か行く人はいませんか?」と募集していたので渡りに船と考えていた筆者は「あ、俺、行くわ」と手を挙げた次第です。この鹿砦社通信含めて様々な媒体でこの問題を取り上げたり、街頭演説で訴えたりする。これも大事です。

実は、11月3日に、広島県庁前で筆者の組合も参加する「県民大集会」があり、筆者も参加しました。その開会前に、医療労働者の組合・医労連が、「医療・介護職員の大幅増員と夜勤の改善」を求める署名活動をされていました。

筆者も「乱入」し、マイクを握り、「外国人労働者も広島の介護現場から流出している。日本人がやりたくないことは外国人もやりたくないのだ。いまこそ、ガツンと待遇を改善し、大幅増員で環境も改善を。」などと訴えました。しかし、やはり、行政・議会にもきちんと働きかけることが大事です。そこで、今回このキャラバンに参加した次第です。

11月8日、この日はまず、わたしにとり、組合の上司でもある広島自治労連の浜崎書記長が代表して、要請書を先方の首長(代理で担当部長)、議長(代理で事務局長)に提出しました。

提出した要請書では、国保料や介護保険料について、減免の充実や減免の周知徹底、事業主にも国保の傷病手当を求めています。物価の高騰については、医療や介護などの事業所への支援の充実を求めています。最低賃金については、1500円に引き上げることを求めています。子ども医療費については、県としても、小学生以上にも助成を行うことを求めています。存廃問題が焦点となっているJR芸備線などについては、国の責任で維持するように求めました。

その後、参加者から具体的に要請が行われました。病院の経営者からは、年間で数千万円、光熱水費の負担が増えているとの訴えがありました。医療者の団体からは経済的困窮からがんの治療などが手遅れになって亡くなった人が続出していることへの対策を求めました。

また、医療関係の労働組合役員からは「弊社ではここ数年で10円しか時給が上がっていない」と窮状の訴え。最低賃金を上げることで、韓国では一時は混乱が起きたが、現在では一人当たりGDPでも日本を抜いている、と指摘。賃上げの必要性を力説しました。

わたしは、自分の勤務先の安芸郡の弊社から東京に外国人労働者が次々と流出している問題を主に取り上げました。
(前回記事参照)

「このままでは介護現場は持たぬ。3%の政府の賃上げでは到底足りない。介護現場の大幅賃上げに協力していただきたい。」

「弊社の場合、日本人スタッフが最低賃金ギリギリ、外国人労働者がその約1割増し、派遣のわたしが1100円。それでも、外国人労働者は出て行ってしまう。円安の中で、ちょっとでも故国に送金をしないといけない彼女たちのことを思えば止められない。最近では、外国から広島に来てしばらくして東京の給料が高いことを知って弊社を辞めていく方も多い。すぐにやめられてしまうと、戦力として育たない。」

「もちろん、最低賃金と同額の時給の日本人については、若者は入ってこず、年金が足りないから働かざるを得ないという年配の方が多い。」と訴えました。

◆自治体側も筆者の要望で外国人労働者の「真相解明」

安芸郡のこの自治体では実は町長さんも外国人登録が伸び悩んでいることを「なぜだろう?」と気に掛けて、この日対応された部長さんに分析を命じていらっしゃったとのこと。そうすると、介護現場の労働者において転出が多いことがわかったとのことです。

部長さんは、わたしの発言をお聞きになって、「そういうことか?!よくわかりました。」と、納得されていました。

また、最低賃金を全国一律1500円にすることについて「東京は物価が高くて生活費も高いのでは?」という当局の方からの疑問に対しては、同行した組合幹部の方から、「東京では住居費は高いけれども、公共交通が発達している。地方はクルマに依存せざるをえず、維持費がかかるので生計費はあまりかわらない」と補足。

わたしからも、東京で育ち、県庁職員時代は山間部で仕事をした経験から、「東京は、実は安い飲食店も多い。わたしは2000年に東京から広島に来たが期待ほど安くなかった。しかし、さらに山間部に赴任すると、メシを食うところは少ないし、あっても広島市より高い。地元の商店に並ぶものも高いし品質もいいと言えない。だから、地方の最低賃金も上げないと結局、外国人も日本人の若者も流出してしまうと思う」くと、納得されていました。

今回、自治体幹部の方とも、実体験に基づいて要望をしていくことの重要性を感じました。

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◆日本人の時給より1割高い外国人労働者たちが東京の介護施設に引き抜かれる現実

最近、筆者の勤務先の介護施設で外国人労働者が、東京の介護施設に引き抜かれる動きが加速しています。

筆者の勤務先では、実を申し上げると外国人労働者の時給は日本人直雇用職員より1割程度高めです。

なお、筆者自身はピンチヒッターの派遣社員ということで派遣手数料を引いた手取り時給でも、外国人労働者よりさらに高めの時給をいただいております。それでも、県庁職員時代に比べたらはるかに低いし、はるかに仕事がきついことは体感しております。

日本人よりも高めの時給を外国人に出している介護施設。しかし、それでも、外国人が東京へ流出してしまうのです。この秋、複数の外国人労働者が辞めて、東京の大手医療法人系介護施設に転職することになりました。筆者も彼女たちとは長い間一緒に仕事をさせていただいたので、一抹の寂しさは感じます。

利用者様はもっと感じておられます。「**ちゃんは辞めるのではないよね?」と何度も筆者に質問してこられ、筆者も困惑してしまいます。外国人労働者ご本人も慣れているところの方で仕事するほうが、やりやすいとはおもいます。

他方で、彼女たちの選択はやむを得ないと思います。それはそうです。東京の介護現場では、介護職員が世間一般のから比べたら給料が低いと言っても、地方の我々から見たら驚くべき給料の高さです。

彼女たちは、ここでもそうですが、会社の寮で生活しています。遊びに行くこともほとんどありません。休みも取らずに、ずっと真面目に働き、お金をためて故郷に送金しているのです。

もちろん、東京は広島に比べたら物価は高い。ただ、遊ばずに暮らすだけであれば、そんなにお金を使うわけではない。給料が高い東京で働いて故国に送金した方が効率的なのは明白です。

現在、ご承知の通り、大変な円安です。広島の給料のままでは、故郷への送金が大きく目減りしてしまいます。

そこで、より給料が高い東京へ目が向くのも当然です。

◆東南アジアの労働者から見れば、働く場としての日本の魅力は低い

また、東京のこの大手医療法人系介護施設では研修体制も充実しています。実を言うと、彼女たちの母国は政情不安です。日本で長く働くことを視野に入れると、なおさら資格を取りやすいところへ、というのもわかります。

そういう要素はあるにせよ、やはり、円安で、広島の給料では、故郷に十分な送金ができないというところが、東京への移動の背景にあるのは、ご本人と話していてもよくわかります。ご本人のためを思えば仕方がありませんし、東京でのご活躍をお祈りするとともに、故郷の政情安定化(独裁で安定するという意味ではなく健全な民主主義という意味で)を心からお祈り申し上げる次第です。

しかし、このままいけば、外国人労働者が東京へと流出し、広島の介護現場はさらに崩壊しかねません。ほかの業種でもそういう動きになる可能性は高い。さらに、彼女らの場合は日本語を最初の外国語としておぼえたということで、日本になるべく居たいとは思います。だが、これから、外国で働こうという例えば東南アジアの労働者から見れば日本は選択肢として著しく魅力は低い。

それどころか、マスコミでも報道されている通り、オーストラリアなどに、いわゆるワーキングホリデーで行き、日本では考えられないような給料を稼いで戻ってくる、という日本人も増えるのは必至です。

新たに外国人労働者を入れるどころではありません。

◆きちんと労働者のために動く労働運動が必要

まず、介護現場を維持していくには、岸田政権は、これまでの3%にとどまらず、介護労働者の給料を引き上げることです。冷静に考えれば、日本人がしたがらないような給料・労働条件の仕事は結局、外国人もしたがらないのは当然すぎます。

もうひとつは介護業界だけに限らず、日本全体を見ても、「どうせ、外国人労働者を安く入れればいいから、給料は低くても大丈夫」という時代は終わったということです。

日本がいわゆる実質実効為替レートで最も円高だった1994年に当時の日経連(現・経団連)が「新時代の日本的経営」で派遣社員や有期雇用を増やすことを打ち出しました。それ以降、円高対応として、とにかく、労働者の給料を低く抑えることに日本の経済界は狂奔。それを前提とした企業経営や経済の在り方をつくってしまいました。

本来であれば、技術革新や時代に合わせた新機軸を打ち出すなどすべきだったのをサボってしまった。労働者を安く使い捨てることに依存してしまった。その結果、技術者はどんどん流出し、いつのまにか技術力でも韓国や中国に逆転されてしまった。

介護にしても、例えばオーストラリアでは、要介護者を介護者が持ち上げるような介護はさせていません。日本は逆に言えば腰痛を引き起こす特攻隊のようなことを介護労働者にさせています。日本は低賃金労働を前提とした古臭い国になってしまったのです。

過去20~30年のこうした誤りを総括する。ただ、資本側はそれを自分からやることはない。岸田政権が、賃上げとか、所得倍増とか言っていたのが、あっという間にしりすぼみになり、むしろ、安倍政権さえよりも新自由主義的になってしまったのは良い例です。

野党、それも労働組合に支援されているのに公務員賃下げに賛成するような「労働貴族」ではない野党が強くなる必要がある。そして、きちんと労働者のために動く労働運動が必要である。そのことも、この秋の「外国人労働者流出事件」を契機に強く感じました。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
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タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2022年12月号

『紙の爆弾』と『季節』──今こそ鹿砦社の雑誌を定期購読で!

◆LINE Payが立ち上がらない! このままじゃ夕食が買えない!

2022年10月17日夕方。広島県安芸郡内の介護現場での仕事から帰宅途中のわたしは、広島駅構内の飲食店でテイクアウトを注文しました。

事前にラインで連絡を受けた妻の希望通りの弁当をお店の人に注文。支払いは、いつも通り、電子マネー「LINE Pay(ラインペイ)」で行おうとしました。

ところが、画面がいつまでたっても立ち上がらないのです。何度試しても「正常に起動しませんでした」というものメッセージが出るばかりです。

LINE Payはリアルの銀行のATMと違い、電話の窓口もありません。お店の人に何度も謝りながら試してみました。

まず、筆者のスマホがおかしいのかと思い、立ち上げなおました。しかし、ダメです。

「ここは、電波が悪いのでは?」というお店の人の指摘で、店外にいったん移動して試しました。だが、どうあがいてもうまくいきませんでした。結局、LINE Payでの支払いをあきらめ、クレジットカードで決済しました。

これらのトラブルのおかげで、帰宅が遅くなり、妻に苦言を呈される(笑)など、散々な一日でした。

◆電話の窓口もないLINE Pay

LINE Payには電話の窓口もありません。わかりやすいところに問い合わせ窓口の表示もありません。帰宅後、筆者は、カスタマーサポートをネット検索でようやく発見しました。そこで、夕方のトラブルについて、問い合わせを行いました。すると、翌朝になって以下のような返事をいただきました。

LINEおよび関連サービスをご利用いただきありがとうございます。

LINE Payカスタマーサポートです。

このたびはご不便をおかけし大変申し訳ございません。

2022年10月17日(月)18:00~19:18の間、LINE Payのサービス画面が全般的に表示できない不具合が発生しておりました。

なお、現在は復旧し、正常にご利用いただける状態です。

万が一現在もご利用に問題が発生している場合には、お手数をおかけいたしますが、あらためて問題の詳細をご連絡いただけますと幸いです。

お客さまには大変ご迷惑をおかけしてしまいましたこと、また、ご連絡が遅くなりましたことを重ねて深くお詫び申し上げます。

今後とも、弊社サービスをよろしくお願いいたします。

おりしも、この日は、みずほ銀行のネットバンキングのシステム障害のニュースもまた流れていました。

やはり、現金というものはそうはいっても、ありがたい。そのように痛感しました。

◆給料を電子マネー支払い?!

さて、岸田政権は、今年度にも給料を現金払いから電子マネー支払いに変える制度を導入することを検討しています。

9月19日、「電子マネー」による賃金の支払いについて、厚生労働省は、従業員の同意を前提としたうえで「電子マネー」を扱う業者が安全性を担保した場合に認めるとした新たな制度の案を示しています。

労働基準法では賃金は現金で支払うことを原則としています。ただし、過去に起きた強盗事件などの教訓もあって、口座振り込みを労働者の利益のために認めているというのが現状です。今回は、厚生労働省は「利便性を高めるために、今年度に「電子マネー」で行うことを認める」としています。

同省の案では、企業が従業員の同意を得た場合は電子マネーを扱う「資金移動業者」が開設した口座への賃金の支払いを認めるとしています。「同意を得た場合」といいますが、労働組合がこれだけ弱いいま、制度が導入されれば、企業経営者のいう通り、導入されてしまうのは目に見えています。

また、資金移動業者は、安全性を担保するために一定の要件を満たしたうえで、厚生労働大臣から指定を受ける必要があるとしています。

この要件の案には、業者が破産したときに全額または100万円以上が数日以内に支払われるなど速やかに保証されること/不正に引き出される被害があったときに利用者に過失がなければ全額補償されること/少なくとも1か月に1回は手数料の負担なく換金できることなどが含まれています。

しかし、10月17日の夕方に筆者が遭遇したようなアプリの不調で買い物ができなくなる事態が起きる現状が、今年度末までに改善することはまず考えられません。しかも、電話ですぐ対応してもらえる窓口すらないのです。

とてもではありませんが、LINE Payを含めて電子マネーはまだまだ現金と同等の扱いは難しいと感じます。そんな中での給料の現金払いではなく電子マネー払いはちょっと怖すぎます。

また、そもそも、コンビニの店頭での公共料金にしても、家賃などの支払いにしいても、電子マネーではなく現金でしかできない状況があります。

給料は現金支払いを原則とし、実際は強盗対策などもあって、銀行口座に振り込みとする。電子マネーには本人が銀行口座からチャージしたい額だけチャージする。

こうした現状を変更することに生じるリスクやコストを上回る便益は今の段階では見出せません。

◆リスクを上回る便益がないものまで先走る岸田政権

岸田政権は、デジタル化を看板政策の一つにしています。筆者もデジタル化そのものを否定はしません。例えば、筆者も、政治活動や市民運動では、zoomを利用した会議など、デジタルの便益を大いに受けています。そして、いろいろな産業でもデジタル化は必須です。例えば、ロシアのウクライナ侵略などを背景に食料価格が暴騰する中で、食料自給率の向上のためにも、農業でのITの活用は必要でしょう。はっきりいって、IT化が必要な分野では日本はむしろ遅すぎるくらいです。

しかし、給料の電子マネー払いは、現時点では、リスクを上回る便益はないのです。問題は、こうしたリスクを上回る便益がないようなことまで、岸田政権が先走っていることです。筆者は、引き続き、労働者の暮らしを守る立場からこの問題について注目していきます。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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2022年10月14日、筆者の主催でオンラインおしゃべり会「岸田政権と介護 『岸田圧勝』の衆院選1周年に検証する!」を開催させていただきました(要領は宣伝チラシの通り)。

岸田総理は2021年10月14日、衆議院を解散し、事実上衆院選2021がスタート。介護職員給料アップなどの政策もウケたこと、野党が自滅したこともあり、自民党は議席数の上では圧勝しました。それから1周年を記念したイベントでもあります。

ご参加いただきました皆様に感謝申し上げます。

◆衆院選圧勝で野党批判弱め、再分配投げ捨て?の岸田さん

まず、岸田総理(写真)の地元有権者で介護福祉士・元広島県庁職員のわたしから、以下の提起をさせていただきました。

・衆院選2021で圧勝した岸田さんに対して野党や労働組合も批判を弱めてしまった。その結果、参院選2021も圧勝し、当初の再分配強化路線を投げ捨てているのではないか。

・給料アップは2022年2月から実施もたった3%であり、10月からは国費ではなく介護報酬からすることになり、利用者負担に上乗せされる。これは労働者と利用者の分断につながる。IT導入による人員基準緩和を岸田政権は検討しているが、夜勤など削減の余地ないと思う。

・本来、負担軽減にのみITは活用すべきだ。それなくして人員削減はさらなる介護崩壊になる。

◆危険すぎる2024年介護保険改定案

そして、岸田政権・財務省は以下の2024年へ向けて以下のような介護保険の改悪をしようとしている、とおさらいしました。そして、法案として提出される前に、政府に圧力をかけていく必要がある、と強調しました。

・利用者負担原則2割

※安倍政権の2014年に消費税増税も2015年に2割負担導入→2018年に3割負担も一部導入。保険事故に対して8割しか給付しない。これは保険として意味がなくなる。庶民はサービスを受けるなという意味。

・ケアプラン有料化

・要介護1と2訪問サービス・通所サービスの総合事業への移管

そして、そもそも、総合事業=サービス提供者の多様化=という大義名分はあるが少数の先進事例を除き、ほとんど実現していない。高邁なボランティア精神をお持ちの方がおられるのは素晴らしいことだが、全体には当てはまらない。結局単なる切り捨てになり、これらは結局介護の社会化を崩壊させる、と指摘しました。

大昔、介護=女性、とくに嫁の任務というジェンダーバイアスがありました。1990年代、樋口恵子さんらフェミニストらが中心となって介護の社会化を求め、それを体制側がうまく利用してつくったのが介護保険だったと指摘。だが、女性を中心とする介護労働者の犠牲の上にあるという問題がある、と指摘。

さらに、今度の改悪案でサービスも受けられなくなり、ヤングケアラー爆増法案になりかねないと危機感をあらわにしました。そして、コロナのもとで、負担がかかっているなかで、さらに負担がかかり、ご家族も「詰み」になってしまう、と指摘しました。

総合事業とは2015年の介護保険改定で導入され、2017年4月から全自治体でスタートし、要支援のサービスを介護保険からまず切り離しました。

多様なサービスを受けられるようにするというのが大義名分です。たしかに、世田谷区など、確かに総合事業の先進事例もあるにはあります。実際は多くの自治体でそうなっていません。それだけの力量のある自治体もないのが実情です。財源も人も減らされる中で難しいのです。

2024年の介護保険改定へ向けて財政審議会は要介護1と2の訪問介護や通所サービスも総合事業へ切り離そうとしています。しかし、要介護1と2の人ならではの介護する側も気を遣う面があるのです。また、人工透析などで訪問介護をたくさん利用せざるを得ない人もいます。地方自治体の財源や人員の充実もないままの介護保険からの切り離しは大惨事を招きかねません。

◆「子どもの味方」のつもりのシルバー民主主義批判がヤングケアラーを爆増させる笑劇

財務省や事実上の財務省政治部隊の維新が追い風として利用しているのがシルバー民主主義への批判です。このシルバー民主主義批判についても筆者は取り上げました。

そもそも、現状の日本が本当の意味でのシルバー民主主義なのでしょうか? なぜ、先進国でもずば抜けて多くの割合の高齢者が仕事をしているのか? その多くが年金不足を背景に仕事をしているのか? 筆者の同僚の介護職員でも結構、高齢者、それも後期高齢者もおられる。また、「チューブでぐるぐる巻きの高齢者が財政を圧迫している」論もあり、今でも健在です。

しかし、実はそんな人など、ほとんど筆者の勤務先の介護施設でもいません。食事が困難になったら看取りへ向かっていくのが普通です。しかし、「高齢者がみんなチューブでぐるぐる巻き」という誤解を悪用して、高齢者たたきを維新などはしてきた。高齢者予算を削って子どもを応援するふりをしているが、介護社会化崩壊でヤングケアラー爆増という笑劇になりかねないと斬りました。

そもそも介護保険料を取って事実上増税をし、消費税は社会保障のためと称して増税なのになぜ、こんな状況なのか? そして、そもそも、昔はヘルパーも公務員(東京特別区)や公社(広島市)だったのになぜ、今はこんな惨状なのか? そもそも公費の使われ方がおかしいのではないか? 当面は積極財政をしつつ、超大金持ち・超大手企業への課税再強化が必要ではないか?となどと、提起しました。

◆介護破壊・分断への危機感 参加者からのご意見

東京都のデイサービスや居宅介護支援事業所を経営する男性からは、「介護保険の2割負担や要介護1.2の介護保険の切り離しが強行されれば訪問サービスや通所サービスが崩壊してしまう」、と危機感をあらわにされました。

広島県東部の男性からは、「所得制限で児童手当を切られた人からは、5万円給付の多くが高齢者向けというニュースを見て、高齢者を憎んでしまうかもしれない。実際には高齢者も負担を増やされているのにも関わらずだ。まさに、政府は人々を分断しようとしているがそういう政府の思惑に乗ってはいけないと思う。」と感想。

千葉県の女性は、「要介護3の母親を在宅で介護しています。認知症はないとのことですが、デイサービス(通所介護)やショートステイを利用しています。現在でも、働かずに母親を介護しており、家計は苦しい状況です。」「現状でも、デイサービスやショートステイの費用は高すぎると感じる。」と訴えます。「もし、この負担増が強行されたら?」との質問に対して、「考えたくない。」とおっしゃいました。

◆介護サービスの質に現状でも不安の声

また、ショートステイに母親を預けているが、母親から、「ショートステイの職員からきつい言葉をかけられた。」と電話をもらうとのこと。「給料が低くて、人も少なく大変なのだろうけど、これでは安心して預けられない。」と不安を述べられました。

これに対してわたしからは「正直、きつい声掛けをする職員も見ていて少なくない。肝を冷やすこともままある。」と現場職員として報告。

この女性は、「介護サービスを利用する人の家族同士のネットワークがほしい。そういう団体を紹介してほしいが、ケアマネに聞いても『ない』と言われる。どうなっているのだ?」とおっしゃいます。

◆金儲けの原理に介護を置くこと自体が無理

これに対して、わたしは、「ケアマネも精一杯の状況だ。全部が全部とは言わないが、グループ企業のサービスを受けさせることが精いっぱいで、利用者や家族にとって何がいいかということは忘れさせられている。わたしが目撃した同僚のケアマネの中でも利用者や家族のことを考えているケアマネは経営者に嫌がらせをされて、中にはお坊さんに転職した例も見ている。」と回想。

「そもそも、今の仕組みでは、経営者もそうせざるを得ないというのはある。経営者、ケアマネ、そして利用者・ご家族が国や経団連によってバラバラされているともいえる。」

「金儲けの原理に介護を置くことに無理がある。ケアマネを金儲けの原理の仕組みに置いたままにするのではなく、例えば公務員にすべきではないのか?」などと提起しました。

◆分断食い止めるため、再度原理原則の共有化を

広島県の病院職員の男性からは「介護の社会化と言われていたが、実際はサービス化にしかなっていない。また、介護利用者・家族、介護経営者、介護労働者でもあまり統一した方向性が共有されず分断されているのではないか?」との提起をいただきました。

わたしからは「今回の岸田政権・財務省による改悪案を止めさせることはもちろん大事。だが、間違った選択をずっと(日本は)してきた。その結果、分断が進んできた。その間違ったところへ戻って検証すべきではないのか? 介護保険そのものがどんどん改悪されてきたと同時に、そもそも、消費税増税を社会保障に全額使うという約束も守られていないし、さらに戻れば、介護保険料を取ってサービスを減らされるとはどういうことかということだ。昔は訪問介護を公務員や公社でやっていた。それが介護保険導入で民間になったが、本当にそれでよかったのか? そういうことも含めて介護の社会化の原理原則に立って検証すべきだ。また、介護の社会化がなぜ必要か、きちんと共有化していくことが大事ではないか。」と応じました。

また、大阪府の社民党員の男性からは、「分断されないように労働組合に入ろう、という呼びかけも街宣でしている。」と分断を防ぐための労働組合の役割についての提起もいただきました。

◆都道府県から国に声を!リアルでもネット署名の宣伝を

今後については、わたしから、「まず、緊急に都道府県議会や都道府県知事に、今回の岸田政権による介護壊し案をやめさせるよう、国に声を上げてもらう要望活動も大事ではないか? 切羽詰まった皆様の声を都道府県に上げよう。市町村だとなかなか国にモノ申すのは難しいが都道府県なら市町村よりは国にモノ申しやすい。」

「例えば、介護をする家族を応援する条例をつくっている県もある。そういう所に対しては今回の介護保険改悪の政府の目論見が貴県の政策を台無しにしてしまう、という説得の仕方もしていくべきだとおもう。県民の命を守る立場に立つよう求めていこう。」との提起させていただきました。

その上で、当面の取り組みとして、公益社団法人 認知症の人と家族の会様が取り組んでおられるネット署名に協力して、世論を高めていくことを呼びかけました。
そして、街宣などでも、この署名への協力を呼び掛けるチラシをつくって配ることなども提起させていただきました。今後、ご協力をよろしくお願いいたします。

キャンペーン・介護保険:負担が2倍で使えない!~原則自己負担2割化、ケアプラン作成の有料化、要介護1と2の保険外しなど負担増に反対します~ ・ Change.org https://chng.it/fCfk6kZFQj

〈要望項目〉

・介護保険の自己負担を原則2割負担にしないこと

・要介護1・2の訪問介護・通所介護を地域支援事業に移行しないこと

・ケアマネジメントの利用者負担導入(ケアプラン作成の有料化)をしないこと

・介護老人保健施設・介護療養型医療施設・介護医療院の多床室(相部屋)室料負担を新設しないこと

また毎週金曜日の以下の時間は当面、この介護保険改悪をやめさせるとともに、社会化という本来のあるべき姿にしていくということを課題の中心としておしゃべり会をさせていただきます。

よろしくお願いいたします。
20時~
ミーティングID: 411 718 3285
パスコード: 5N6b38

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
◎Twitter @hiroseto https://twitter.com/hiroseto?s=20
◎facebook https://www.facebook.com/satoh.shuichi
◎広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)https://hiroseto.exblog.jp/

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2022年11月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年秋号(NO NUKES voice改題 通巻33号)

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