LINE Pay(ラインペイ)の異常で夕食が買えない! 賃金の電子マネー支払いは時期尚早! さとうしゅういち

◆LINE Payが立ち上がらない! このままじゃ夕食が買えない!

2022年10月17日夕方。広島県安芸郡内の介護現場での仕事から帰宅途中のわたしは、広島駅構内の飲食店でテイクアウトを注文しました。

事前にラインで連絡を受けた妻の希望通りの弁当をお店の人に注文。支払いは、いつも通り、電子マネー「LINE Pay(ラインペイ)」で行おうとしました。

ところが、画面がいつまでたっても立ち上がらないのです。何度試しても「正常に起動しませんでした」というものメッセージが出るばかりです。

LINE Payはリアルの銀行のATMと違い、電話の窓口もありません。お店の人に何度も謝りながら試してみました。

まず、筆者のスマホがおかしいのかと思い、立ち上げなおました。しかし、ダメです。

「ここは、電波が悪いのでは?」というお店の人の指摘で、店外にいったん移動して試しました。だが、どうあがいてもうまくいきませんでした。結局、LINE Payでの支払いをあきらめ、クレジットカードで決済しました。

これらのトラブルのおかげで、帰宅が遅くなり、妻に苦言を呈される(笑)など、散々な一日でした。

◆電話の窓口もないLINE Pay

LINE Payには電話の窓口もありません。わかりやすいところに問い合わせ窓口の表示もありません。帰宅後、筆者は、カスタマーサポートをネット検索でようやく発見しました。そこで、夕方のトラブルについて、問い合わせを行いました。すると、翌朝になって以下のような返事をいただきました。

LINEおよび関連サービスをご利用いただきありがとうございます。

LINE Payカスタマーサポートです。

このたびはご不便をおかけし大変申し訳ございません。

2022年10月17日(月)18:00~19:18の間、LINE Payのサービス画面が全般的に表示できない不具合が発生しておりました。

なお、現在は復旧し、正常にご利用いただける状態です。

万が一現在もご利用に問題が発生している場合には、お手数をおかけいたしますが、あらためて問題の詳細をご連絡いただけますと幸いです。

お客さまには大変ご迷惑をおかけしてしまいましたこと、また、ご連絡が遅くなりましたことを重ねて深くお詫び申し上げます。

今後とも、弊社サービスをよろしくお願いいたします。

おりしも、この日は、みずほ銀行のネットバンキングのシステム障害のニュースもまた流れていました。

やはり、現金というものはそうはいっても、ありがたい。そのように痛感しました。

◆給料を電子マネー支払い?!

さて、岸田政権は、今年度にも給料を現金払いから電子マネー支払いに変える制度を導入することを検討しています。

9月19日、「電子マネー」による賃金の支払いについて、厚生労働省は、従業員の同意を前提としたうえで「電子マネー」を扱う業者が安全性を担保した場合に認めるとした新たな制度の案を示しています。

労働基準法では賃金は現金で支払うことを原則としています。ただし、過去に起きた強盗事件などの教訓もあって、口座振り込みを労働者の利益のために認めているというのが現状です。今回は、厚生労働省は「利便性を高めるために、今年度に「電子マネー」で行うことを認める」としています。

同省の案では、企業が従業員の同意を得た場合は電子マネーを扱う「資金移動業者」が開設した口座への賃金の支払いを認めるとしています。「同意を得た場合」といいますが、労働組合がこれだけ弱いいま、制度が導入されれば、企業経営者のいう通り、導入されてしまうのは目に見えています。

また、資金移動業者は、安全性を担保するために一定の要件を満たしたうえで、厚生労働大臣から指定を受ける必要があるとしています。

この要件の案には、業者が破産したときに全額または100万円以上が数日以内に支払われるなど速やかに保証されること/不正に引き出される被害があったときに利用者に過失がなければ全額補償されること/少なくとも1か月に1回は手数料の負担なく換金できることなどが含まれています。

しかし、10月17日の夕方に筆者が遭遇したようなアプリの不調で買い物ができなくなる事態が起きる現状が、今年度末までに改善することはまず考えられません。しかも、電話ですぐ対応してもらえる窓口すらないのです。

とてもではありませんが、LINE Payを含めて電子マネーはまだまだ現金と同等の扱いは難しいと感じます。そんな中での給料の現金払いではなく電子マネー払いはちょっと怖すぎます。

また、そもそも、コンビニの店頭での公共料金にしても、家賃などの支払いにしいても、電子マネーではなく現金でしかできない状況があります。

給料は現金支払いを原則とし、実際は強盗対策などもあって、銀行口座に振り込みとする。電子マネーには本人が銀行口座からチャージしたい額だけチャージする。

こうした現状を変更することに生じるリスクやコストを上回る便益は今の段階では見出せません。

◆リスクを上回る便益がないものまで先走る岸田政権

岸田政権は、デジタル化を看板政策の一つにしています。筆者もデジタル化そのものを否定はしません。例えば、筆者も、政治活動や市民運動では、zoomを利用した会議など、デジタルの便益を大いに受けています。そして、いろいろな産業でもデジタル化は必須です。例えば、ロシアのウクライナ侵略などを背景に食料価格が暴騰する中で、食料自給率の向上のためにも、農業でのITの活用は必要でしょう。はっきりいって、IT化が必要な分野では日本はむしろ遅すぎるくらいです。

しかし、給料の電子マネー払いは、現時点では、リスクを上回る便益はないのです。問題は、こうしたリスクを上回る便益がないようなことまで、岸田政権が先走っていることです。筆者は、引き続き、労働者の暮らしを守る立場からこの問題について注目していきます。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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このままでは利用者家族も「詰み」に! 安倍さんよりひどい岸田さんの介護こわし オンラインおしゃべり会で反撃探る さとうしゅういち

2022年10月14日、筆者の主催でオンラインおしゃべり会「岸田政権と介護 『岸田圧勝』の衆院選1周年に検証する!」を開催させていただきました(要領は宣伝チラシの通り)。

岸田総理は2021年10月14日、衆議院を解散し、事実上衆院選2021がスタート。介護職員給料アップなどの政策もウケたこと、野党が自滅したこともあり、自民党は議席数の上では圧勝しました。それから1周年を記念したイベントでもあります。

ご参加いただきました皆様に感謝申し上げます。

◆衆院選圧勝で野党批判弱め、再分配投げ捨て?の岸田さん

まず、岸田総理(写真)の地元有権者で介護福祉士・元広島県庁職員のわたしから、以下の提起をさせていただきました。

・衆院選2021で圧勝した岸田さんに対して野党や労働組合も批判を弱めてしまった。その結果、参院選2021も圧勝し、当初の再分配強化路線を投げ捨てているのではないか。

・給料アップは2022年2月から実施もたった3%であり、10月からは国費ではなく介護報酬からすることになり、利用者負担に上乗せされる。これは労働者と利用者の分断につながる。IT導入による人員基準緩和を岸田政権は検討しているが、夜勤など削減の余地ないと思う。

・本来、負担軽減にのみITは活用すべきだ。それなくして人員削減はさらなる介護崩壊になる。

◆危険すぎる2024年介護保険改定案

そして、岸田政権・財務省は以下の2024年へ向けて以下のような介護保険の改悪をしようとしている、とおさらいしました。そして、法案として提出される前に、政府に圧力をかけていく必要がある、と強調しました。

・利用者負担原則2割

※安倍政権の2014年に消費税増税も2015年に2割負担導入→2018年に3割負担も一部導入。保険事故に対して8割しか給付しない。これは保険として意味がなくなる。庶民はサービスを受けるなという意味。

・ケアプラン有料化

・要介護1と2訪問サービス・通所サービスの総合事業への移管

そして、そもそも、総合事業=サービス提供者の多様化=という大義名分はあるが少数の先進事例を除き、ほとんど実現していない。高邁なボランティア精神をお持ちの方がおられるのは素晴らしいことだが、全体には当てはまらない。結局単なる切り捨てになり、これらは結局介護の社会化を崩壊させる、と指摘しました。

大昔、介護=女性、とくに嫁の任務というジェンダーバイアスがありました。1990年代、樋口恵子さんらフェミニストらが中心となって介護の社会化を求め、それを体制側がうまく利用してつくったのが介護保険だったと指摘。だが、女性を中心とする介護労働者の犠牲の上にあるという問題がある、と指摘。

さらに、今度の改悪案でサービスも受けられなくなり、ヤングケアラー爆増法案になりかねないと危機感をあらわにしました。そして、コロナのもとで、負担がかかっているなかで、さらに負担がかかり、ご家族も「詰み」になってしまう、と指摘しました。

総合事業とは2015年の介護保険改定で導入され、2017年4月から全自治体でスタートし、要支援のサービスを介護保険からまず切り離しました。

多様なサービスを受けられるようにするというのが大義名分です。たしかに、世田谷区など、確かに総合事業の先進事例もあるにはあります。実際は多くの自治体でそうなっていません。それだけの力量のある自治体もないのが実情です。財源も人も減らされる中で難しいのです。

2024年の介護保険改定へ向けて財政審議会は要介護1と2の訪問介護や通所サービスも総合事業へ切り離そうとしています。しかし、要介護1と2の人ならではの介護する側も気を遣う面があるのです。また、人工透析などで訪問介護をたくさん利用せざるを得ない人もいます。地方自治体の財源や人員の充実もないままの介護保険からの切り離しは大惨事を招きかねません。

◆「子どもの味方」のつもりのシルバー民主主義批判がヤングケアラーを爆増させる笑劇

財務省や事実上の財務省政治部隊の維新が追い風として利用しているのがシルバー民主主義への批判です。このシルバー民主主義批判についても筆者は取り上げました。

そもそも、現状の日本が本当の意味でのシルバー民主主義なのでしょうか? なぜ、先進国でもずば抜けて多くの割合の高齢者が仕事をしているのか? その多くが年金不足を背景に仕事をしているのか? 筆者の同僚の介護職員でも結構、高齢者、それも後期高齢者もおられる。また、「チューブでぐるぐる巻きの高齢者が財政を圧迫している」論もあり、今でも健在です。

しかし、実はそんな人など、ほとんど筆者の勤務先の介護施設でもいません。食事が困難になったら看取りへ向かっていくのが普通です。しかし、「高齢者がみんなチューブでぐるぐる巻き」という誤解を悪用して、高齢者たたきを維新などはしてきた。高齢者予算を削って子どもを応援するふりをしているが、介護社会化崩壊でヤングケアラー爆増という笑劇になりかねないと斬りました。

そもそも介護保険料を取って事実上増税をし、消費税は社会保障のためと称して増税なのになぜ、こんな状況なのか? そして、そもそも、昔はヘルパーも公務員(東京特別区)や公社(広島市)だったのになぜ、今はこんな惨状なのか? そもそも公費の使われ方がおかしいのではないか? 当面は積極財政をしつつ、超大金持ち・超大手企業への課税再強化が必要ではないか?となどと、提起しました。

◆介護破壊・分断への危機感 参加者からのご意見

東京都のデイサービスや居宅介護支援事業所を経営する男性からは、「介護保険の2割負担や要介護1.2の介護保険の切り離しが強行されれば訪問サービスや通所サービスが崩壊してしまう」、と危機感をあらわにされました。

広島県東部の男性からは、「所得制限で児童手当を切られた人からは、5万円給付の多くが高齢者向けというニュースを見て、高齢者を憎んでしまうかもしれない。実際には高齢者も負担を増やされているのにも関わらずだ。まさに、政府は人々を分断しようとしているがそういう政府の思惑に乗ってはいけないと思う。」と感想。

千葉県の女性は、「要介護3の母親を在宅で介護しています。認知症はないとのことですが、デイサービス(通所介護)やショートステイを利用しています。現在でも、働かずに母親を介護しており、家計は苦しい状況です。」「現状でも、デイサービスやショートステイの費用は高すぎると感じる。」と訴えます。「もし、この負担増が強行されたら?」との質問に対して、「考えたくない。」とおっしゃいました。

◆介護サービスの質に現状でも不安の声

また、ショートステイに母親を預けているが、母親から、「ショートステイの職員からきつい言葉をかけられた。」と電話をもらうとのこと。「給料が低くて、人も少なく大変なのだろうけど、これでは安心して預けられない。」と不安を述べられました。

これに対してわたしからは「正直、きつい声掛けをする職員も見ていて少なくない。肝を冷やすこともままある。」と現場職員として報告。

この女性は、「介護サービスを利用する人の家族同士のネットワークがほしい。そういう団体を紹介してほしいが、ケアマネに聞いても『ない』と言われる。どうなっているのだ?」とおっしゃいます。

◆金儲けの原理に介護を置くこと自体が無理

これに対して、わたしは、「ケアマネも精一杯の状況だ。全部が全部とは言わないが、グループ企業のサービスを受けさせることが精いっぱいで、利用者や家族にとって何がいいかということは忘れさせられている。わたしが目撃した同僚のケアマネの中でも利用者や家族のことを考えているケアマネは経営者に嫌がらせをされて、中にはお坊さんに転職した例も見ている。」と回想。

「そもそも、今の仕組みでは、経営者もそうせざるを得ないというのはある。経営者、ケアマネ、そして利用者・ご家族が国や経団連によってバラバラされているともいえる。」

「金儲けの原理に介護を置くことに無理がある。ケアマネを金儲けの原理の仕組みに置いたままにするのではなく、例えば公務員にすべきではないのか?」などと提起しました。

◆分断食い止めるため、再度原理原則の共有化を

広島県の病院職員の男性からは「介護の社会化と言われていたが、実際はサービス化にしかなっていない。また、介護利用者・家族、介護経営者、介護労働者でもあまり統一した方向性が共有されず分断されているのではないか?」との提起をいただきました。

わたしからは「今回の岸田政権・財務省による改悪案を止めさせることはもちろん大事。だが、間違った選択をずっと(日本は)してきた。その結果、分断が進んできた。その間違ったところへ戻って検証すべきではないのか? 介護保険そのものがどんどん改悪されてきたと同時に、そもそも、消費税増税を社会保障に全額使うという約束も守られていないし、さらに戻れば、介護保険料を取ってサービスを減らされるとはどういうことかということだ。昔は訪問介護を公務員や公社でやっていた。それが介護保険導入で民間になったが、本当にそれでよかったのか? そういうことも含めて介護の社会化の原理原則に立って検証すべきだ。また、介護の社会化がなぜ必要か、きちんと共有化していくことが大事ではないか。」と応じました。

また、大阪府の社民党員の男性からは、「分断されないように労働組合に入ろう、という呼びかけも街宣でしている。」と分断を防ぐための労働組合の役割についての提起もいただきました。

◆都道府県から国に声を!リアルでもネット署名の宣伝を

今後については、わたしから、「まず、緊急に都道府県議会や都道府県知事に、今回の岸田政権による介護壊し案をやめさせるよう、国に声を上げてもらう要望活動も大事ではないか? 切羽詰まった皆様の声を都道府県に上げよう。市町村だとなかなか国にモノ申すのは難しいが都道府県なら市町村よりは国にモノ申しやすい。」

「例えば、介護をする家族を応援する条例をつくっている県もある。そういう所に対しては今回の介護保険改悪の政府の目論見が貴県の政策を台無しにしてしまう、という説得の仕方もしていくべきだとおもう。県民の命を守る立場に立つよう求めていこう。」との提起させていただきました。

その上で、当面の取り組みとして、公益社団法人 認知症の人と家族の会様が取り組んでおられるネット署名に協力して、世論を高めていくことを呼びかけました。
そして、街宣などでも、この署名への協力を呼び掛けるチラシをつくって配ることなども提起させていただきました。今後、ご協力をよろしくお願いいたします。

キャンペーン・介護保険:負担が2倍で使えない!~原則自己負担2割化、ケアプラン作成の有料化、要介護1と2の保険外しなど負担増に反対します~ ・ Change.org https://chng.it/fCfk6kZFQj

〈要望項目〉

・介護保険の自己負担を原則2割負担にしないこと

・要介護1・2の訪問介護・通所介護を地域支援事業に移行しないこと

・ケアマネジメントの利用者負担導入(ケアプラン作成の有料化)をしないこと

・介護老人保健施設・介護療養型医療施設・介護医療院の多床室(相部屋)室料負担を新設しないこと

また毎週金曜日の以下の時間は当面、この介護保険改悪をやめさせるとともに、社会化という本来のあるべき姿にしていくということを課題の中心としておしゃべり会をさせていただきます。

よろしくお願いいたします。
20時~
ミーティングID: 411 718 3285
パスコード: 5N6b38

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2022年11月号
〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年秋号(NO NUKES voice改題 通巻33号)

3年ぶりの賃上げ、広島県の人事委員会が勧告 適切な労働条件保障で不足する県内現場公務員の補充を さとうしゅういち

筆者の元職場である広島県の人事委員会は10月4日、県職員の月給を0.21%、期末・勤勉手当(ボーナス)を0.10カ月分それぞれ引き上げるよう湯崎英彦知事と県議会の中本隆志議長に勧告しました。 

右が広島県庁=知事・湯崎英彦さん、左の低い建物が広島県議会=議長・中本隆志さん(筆者撮影)

◆公務員がモノを言えぬことの代償措置としての人事委員会勧告

人事院/人事委員会勧告は公務員が労働基本権を制限されていることの代償措置です。

公務員労働者にも警察、消防、刑務、海保、防衛などの労働者を除き、団結権はあります。たとえば、わたしが現役の公務員時代に入っていた「自治労」、祖母が高校教師時代に支部で婦人部長をしていた「日教組」が代表例ですし、皇室労働者にも「宮内庁職員組合」があります。しかし、いずれも団体交渉権、争議権はありません。

また、公務員は国家公務員法・地方公務員法に基づき政治活動が、公職選挙法に基づき選挙活動が制限されています。これにより、公務員労働者は世論に叩かれても反撃しにくいわけです。

こうしたことの代わりに、国家公務員については人事院が、地方公務員については人事委員会がそれぞれ、民間の給料を調べて勧告を出すことになっています。

実際は国の人事院が調べて夏に人事院勧告を出し、それを国が地方自治体の首長に送り、基本的に地方自治体の人事委員会もそれに沿った形の勧告を出す流れになっています。

◆人事委員会勧告を無視、乱脈県政の付け回しで給料カット 自民系前広島知事

しかし、現実には広島県知事、特に(もちろん、広島は超ウルトラ保守王国ですので)自民党参院議員ご出身の故・藤田雄山前知事は00年代、人事院勧告を破りまくって賃金をカットしてきた時代もあります。

これは、藤田前知事がご出身の慶応義塾大学の先輩の自民党大物県議に忖度して、もう重厚長大産業が頭打ちだというのに山を削って工業団地をつくったり、海を埋め立てたりする、という類の投資効果の薄い公共事業を県単独でして財政危機になったという背景があります。その付けを反撃ができない職員に回しただけでした。公務員バッシングと言えば大阪維新の会が有名ですが、広島県では自民党がとうの昔にやっていたことです。

◆復興財源を「公務員給料カット」で賄う「痛恨の敗着」 旧民主党政権

暴挙は広島の自民党だけではありません。民主党政権(2009-2012)は、東日本大震災のあと、公務員給料を削って復興財源にあてました。民主党は公務員労働組合の推薦を得ながら公務員労働者を裏切った形です。すでに、長年の行革で人員が減らされた上に災害対応でてんやわんやだったのです。さらに給料引き下げで追い打ちをかけました。安倍晋三さんが政権を奪還することで、この公務員給料カットは廃止されました。安倍さんは安倍さんで官僚に忖度させるという問題ありまくりの総理でしたが、公務員労働者の給料だけは守ってくれました。このことは民主党政権の崩壊、その後の国政選挙での立憲民主党苦戦にもつながっています。あの時こそ、積極財政で復興財源をねん出すべきでした。それこそ、復興すれば、財政出動した分の投資効果があるわけですから。「公務員給与カット」は「痛恨の敗着」でした。

◆コロナ下で対照的な菅・岸田両総理

なお、人事委員会勧告をそのまま遵守することがよいとは限らぬ場合があります。コロナ災害で民間の給料がイレギュラーに下がった2020年。この時は、人事院勧告は引き下げ勧告でした。しかし、菅政権は、公務員の給料は据え置きました。これは当時の民間の給料低下がイレギュラーだったこと、そして公務員もコロナ対応で大変だったことに菅さんも配慮したのでしょう。コロナ感染爆発も背景に、支持率低迷の菅さんでしたが、このあたりは、そうはいっても自民党とはいえ、それなりには苦労した地方の中流家庭出身の感覚ではあったのでしょう。

しかし、岸田さんは、一転して勧告通りの引き下げに転じ、維新はもちろん、立憲、国民など組合推薦の政党も賛同。反対はれいわ、共産だけでした。

人事院勧告だからといって、このイレギュラーな民間給料乱高下があるときに公務員までそれに従わせるとどうなるか?公務員の給料を逆に基準としている民間企業も多くあります。そういうところの給料引き下げにつながる。まして、岸田さんは給料の引き上げによる経済底上げを政策の一丁目一番地にしておられたはずであり、残念です。

◆広島県内で顕著な公務員叩きの悪影響

公務員を叩いて、数を削減した結果は、コロナや災害時に支障をきたしています。広島の場合は、前出の故・藤田雄山知事(任期1993-2009)が総務省のレールに乗って市町村を86から23に減らしました。それと同時に県は市町村に権限を委譲したということで、市町村は合併したということでそれぞれ、公務員を削減しました。そのつけがいま、回ってきています。

そもそも、公務員が多い方が、若い人が公務員という形で毎年、地域に入ってきます。それが地域に元気をもたらします。地元にお金を落とすという点、そして若い人、特に女性の方が公務員という形で一定程度地域にとどまったり、東京など都会からやってきたりすることで、地域の気風がアップデートされる面は実感します。

逆に言えば、筆者がかつて県庁職員として担当した地域でも、公務員が減らされた影響でさびれた感があります。広島県を含めて日本の大部分の地域では、東京のようにグローバルな企業が若い人を引き付けるわけでもありません。公務員削減はまさに、地域にとり、自爆行為なのです。

あるいは、正規公務員をへらしたぶん、結局、非正規公務員を増やしたり、外部委託を増やしたりすることに追い込まれています。前者については、人の差別、使い捨てという問題が大きくなっています。後者については、経営者の利益の分、結局割高になるし、県外法人に委託すれば県外にお金が流出する問題もあります。平川理恵・教育長の官製談合疑惑は、教育長が故郷である京都のご友人に県費で仕事をつくってあげたのではないか?というものです。この問題も「県費をわざわざ県外に流出させたのではないか?」という視点からも批判できます。

◆政治家による現場公務員叩きは反則技だ

いずれにせよ、現場公務員が労働基本権や選挙運動、政治活動を制限されてモノを言えないことに便乗して政治家が公務員バッシングをすること自体、反則技です。

一般市民が公務員バッシングをしたくなる気持ちは、筆者も民間の介護労働者に転じて以降、よくわかっているつもりです。現実問題として、広島県庁職員だったときよりも介護福祉士として働いている今の方が圧倒的に労働はきついし給料は低い。松井一郎さんら、大阪維新の会の皆様などに言われなくても「公務員より低すぎる労働条件の労働者」がたくさんいることくらい、筆者はよくわかっています。

他人に目を転じれば、農業など食料を生産する皆様は原材料価格の高騰で苦しんでおられます。こうしたことは枚挙にいとまがありません。

しかし、政治家は、そうした状況に悪乗りして票集めに悪用するのではなく、きちんと公務員の給料の決まり方を説明すべきです。また、災害時の危機管理も含めて現状の行政を回していく上でどの程度の公務員が必要なのか? 地域経済にとってどうなのか? 丁寧に説明していくのが政治家(大臣や首長、議員)の役目でしょう。不当なバッシングから現場公務員を守るべきところは守るべきです。

その上で、給料や労働条件が低すぎる方を正規公務員並みに引き上げていく政策を打つべきではないでしょうか? 民間の介護や保育の労働者も、もちろん、現場の非正規公務員も、農家の方も、公務員並みの暮らしができるようにすべきです。給料アップや農業でいえば所得保障・価格保障などを図っていくべきなのです。

人事委員会勧告を受けて、正規公務員に適切な給料を出すとともに、人手が足りない部署には公務員を正規で補充していく。そのことを筆者は強く知事の湯崎さん、議長の中本さんに強く求めます。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2022年11月号

伊方原発裁判「行政・資本寄り」裁判長降板/瀬戸内の島にカーボンリサイクル施設完成 広島発・原発ゼロへ光明か さとうしゅういち

◆爆心地選出なのに安倍さん以上に原発推進の総理

筆者の地元で爆心地も抱える広島1区選出の岸田総理。岸田総理は、GX(グリーントランスフォーメーション)と称して、島根原発3号機の再稼働はもちろんのこと、新規原発建設も含む原発推進姿勢に転じました。

ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格高騰や、気候変動対策にも悪乗りした形です。311以降、安倍晋三さん率いる自民党でさえ、脱原発依存を掲げ、原発依存度の低下は選挙公約としてきました。それを選挙でマニフェストに掲げることもせずに、原発拡大路線に転換したものです。

しかしながら、原発というものは、日本においては、特に実は誰も責任を取らないしろものです。6月18日、最高裁は福島原発事故における国の責任を否定。また、現体制でも原子力規制委員会でさえ「合格」とはいうけれど「許可」を出すものではありません。こんなものは論外であるのは変わりありません。

そして、ロシアとウクライナの先頭にザポリージャ原発が巻き込まれ、人類はひやひやしている状況です。こうした中、世界で最初の戦争による核被害の爆心地選出の総理が原発推進に舵を切るとは、全日本人、全世界の人に、筆者は広島市民、とりわけ広島1区の有権者として大変申し訳なく思います。

いっぽうで、こうした中、原発ゼロへ向け、希望を持てる動きも県内ではあります。ご紹介しましょう。

◆「権力・資本寄り」男性裁判長が降板──伊方原発広島裁判

一つは、筆者も原告である伊方原発運転差し止め広島裁判の広島地裁の男性裁判長が前回第28回の口頭弁論から交替したことです。これまでの男性の裁判長は、以前、ご紹介した産業廃棄物処分場をめぐる裁判の仮処分申請裁判でも、裁判長を務めていました。

その男性裁判長は、業者に処分場建設作業再開を認める判断を出してしまいました。

そして、本裁判、すなわち伊方原発広島裁判の不当判断を出し、伊方原発三号機の再稼働を認めてしまいました。

9月14日の法廷後、新しい裁判長の姿勢について報告する伊方原発広島裁判原告弁護団(筆者撮影)

ところが、その男性裁判長が6月8日の第28回口頭弁論から姿を消しました。女性裁判長に変わっていたので、筆者も含めてすこし、参加者はどよめいていました。

女性裁判長がどのようなお手並みか。9月14日に開催された口頭弁論で、すこし片鱗が明らかになってきました。少なくとも「前任の男性裁判長よりは、まじめに証拠を調べよう」という姿勢がみられることです。

女性裁判長は、原告側が求める証人調べに積極的に応じ、来春以降、行われる可能性が高まりました。原告弁護団によると、件の男性裁判長なら「ほかの伊方原発を巡る類似の裁判で出た証人は本法廷としては呼びたくない。」という姿勢が見え見えだったそうです。

裁判長交代でひょっとしたら、「伊方原発運転差し止め判決」という朗報をみなさまに広島からお届けできる可能性が少し上がったのかもしれません。

◆国立研究開発法人NEDOのカーボンリサイクル施設が大崎上島に

もうひとつは、広島県中部の瀬戸内海に浮かぶ島に国のカーボンリサイクルの施設ができたことです。大崎上島には中国電力の石炭火力発電所(試験プラント)があります。大崎上島は広島県内の最大の都市・広島市と福山市の中間にあります。2000年に当時としては最新式の石炭火力発電所ができたのですが、トラブルが相次ぎ、2011年から休止状態にあります。

現在は、中国電力と電源開発の共同出資で2017年3月運転開始の高効率の石炭ガス化複合火力発電所の試験実証機が稼働しています。ガス化した石炭により動かすガスタービンと蒸気タービンを組み合わせて発電するものです。

石炭火力と言えば、皆様も気候変動対策の敵のように思われるでしょう。毎回の気候変動枠組条約締約国会議(COP26などと報道されている会議)においても日本は石炭火力への固執で「化石賞受賞」などと報道されていることを皆様もご記憶と思います。

しかし、ロシアのウクライナ侵攻も背景に天然ガス価格も高騰している中で、日本国内でもまだまだ埋蔵量がそれなりにある石炭を使い、なおかつエネルギー変換効率も高い石炭ガス化複合火力発電所は、再生可能エネルギー100%への「中継ぎ」として有力なのではないのでしょうか?

そして、さらに、2022年9月、この大崎発電所の敷地内に、国立研究開発法人であるNEDOのカーボンリサイクル施設ができました。

発電所から出るCO2を分離・回収し、
・鉄などを触媒にして二酸化炭素からプロパンガスを作る基礎研究
・二酸化炭素を吸収させてコンクリートを固める技術を使って、ダムや橋などの大規模な工事にも活用する研究、
・二酸化炭素を藻の培養に使い、藻から抽出した油を航空機の燃料などに活用する研究
などを行うそうです。

https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101530.html

こうした技術革新が進めば、原発に頼らず、なおかつエネルギーの安定供給を確保しつつ気候変動対策も進めることができます。

広島県選出の岸田総理。あなたとわたしの地元である広島で、こうした素晴らしい技術革新を国がお金を出して進めているのですよ?

ロシアのウクライナ侵攻に便乗して短兵急に原発を新増設しようとしても完成にはどうせ、10年以上かかります。それよりも、地元で開発が進んでいる技術を活かしていきませんか?

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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この秋、噴出し続ける広島政治・行政の積年の膿 ガツンと物申す気風で大掃除を さとうしゅういち

この夏の後半から秋にかけて、広島の政治・行政の膿が噴出しています。

◆噴出する膿1 総理腹心の石橋議員ら、旧統一協会と深い関係

まず、旧統一協会問題です。この間、岸田文雄総理自身の地元の腹心ともいえる衆院議員が旧統一協会と関係が深いことが明らかになりました。

岸田総理腹心の石橋林太郎衆院議員の政治活動用ポスター。広島3区で筆者撮影

石橋林太郎衆院議員は、広島県議会議員を経て河井克行受刑者の自民党離党に伴う、広島3区の自民党広島県連の公募に応募。過去に日本維新の会の衆院議員だった方、あるいは候補者だった方を押さえて、自民党の公認候補に選ばれました。ただ、この広島3区は、自民党の不祥事で議席が失われるということで、連立与党の公明党から候補を出すことが自公の本部間で決定。比例ブロック衆院議員だった斉藤国交大臣が3区の公認候補に選ばれました。そして、衆院選2021では、石橋さんが自民党の比例中国1位で当選。斉藤国交大臣も不利という当初の下馬評を覆して3区で当選しました。

その石橋林太郎衆院議員は実はお父さんの良三さん(県議)時代から統一協会と親密でいらっしゃいました。お父さんも広島の日韓トンネル推進組織のリーダーをされていたことが、一連の「文春砲」であきらかになりました。さらに、石橋議員の腹心ともいえる読売新聞記者出身の市議も統一協会との関係が明らかになりました。ただ、これらのことは、そもそも、地元では有名だったのですが、地元のマスコミがほとんど取り上げてこなかった。それだけのことです。

◆噴出する膿2 知事の湯崎さん腹心の教育長の不祥事

そして、もう一つの膿は、筆者の元職場・広島県庁内の不祥事です。すなわち、湯崎さんが肝いりで連れてきた平川教育長による官製談合疑惑です。
(※https://www.rokusaisha.com/wp/?p=43780

平川教育長がご自分の地元・京都のNPO法人「パンゲア」を事業への公募で優遇した、というよりも「文春砲」が正しければ「教育長がお友達に県費で仕事をつくってあげた」疑惑というほうが相応しい展開になっています。

教育長ご自身は、疑惑発覚の直後には「問題ない」と木で鼻を括ったようなことを記者会見でおっしゃっていました。

しかし、追加の文春砲が出てくるにつれて、教育長は追い込まれます。そして、ついに9月中旬、「外部の専門家による調査をさせる」と約束せざるを得なくなりました。最初に「問題ない」と断言してしまってこの展開は、一番まずい展開です。

◆アンチ河井系の与党回帰で自民党が盤石に……安倍暗殺直前の広島情勢1

さて、いわゆる河井事件発覚の前、河井案里さん、そして夫の克行受刑者は、自民党広島県連主流派からは孤立しており、自民党・公明党推薦の広島県知事の湯崎さん、市長の松井さんとも関係が悪いことで有名でした。

そのため、自民党の県議や市議でも、国政選挙の時は、極端な場合「わしは河井が大嫌いじゃけん、野党候補を応援する」と半ば公言している地方議員もいらっしゃいました。その反映で広島3区を中心に、「地方選挙は自民だけど、国政は野党」という有権者の方が多かったのが広島の特徴でした。

ところが、案里さん・克行被告の失脚、そして地元の岸田総理の誕生によりそういう議員も、斉藤国交大臣支持で固まりました。かつて、日本維新の会で活動されていたような元候補者も自民党の公募に応募するような状況も起きたのです。これが、2022年7月8日の「安倍暗殺」直前の広島の情勢の特徴でした。

◆アンチ知事・市長系の議員の失脚で知事・市長の「安倍化」加速……安倍暗殺直前の広島政治情勢2

また、一方で、河井案里さんを参院選2019で応援し、なおかつお金を河井夫妻からもらっていた自民系議員には、知事の湯崎英彦さん、市長の松井一実さんに批判的な方が比較的多かったのです。

皮肉なことですが、河井疑惑の追及で、知事も市長も大助かりになった。

このお二人、とくに知事の湯崎さんは、8.6の平和記念式典のあいさつは毎年それなりに素晴らしいことでは有名です。一方で、県政の中身では問題山積です。一言でいえば「安倍化」しているのです。

筆者の家の前の高速道路5号線二葉山トンネル問題では木で鼻を括ったような対応が続いています。説明しないで逃げるというのはまさに、故・安倍晋三さんうりふたつです。

産廃処分場問題では全国でも、大甘の姿勢が目立ちます。実はいわゆる産廃税は導入していますが、立地を規制するような条例がないために、効果は限定的なのです。(https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/zei/1177301663057.html

その結果、安佐南区で産廃処分場を外資が購入して大幅拡張したり、三原市では水源地のど真ん中に平気で処分場が許可されたり、ということが起きています。外資など企業のやりたい放題に大甘。まさに安倍晋三さんそのものです。

◆「河井にはそれなりに厳しく、知事・市長に甘い」広島のマスコミ・野党第1党は反省を

しかし、なぜ、こんなことになってしまったのか?

政策論議不在の広島の政治の構造については、筆者はこの12年間、ずっと街頭などで訴えてきました。政策論議が不在だから、「河井夫妻のようなお金か」、「総理、知事、市長のような組織か」の政治になってしまうのです。

そして、その構造の責任の一端は、広島のマスコミにもある、と筆者はみています。

すなわち、以前から、広島県内各社の姿勢は、自民党広島反主流派であった河井案里さん克行受刑者に対してはそれなり厳しいけれども、岸田総理や知事の湯崎さん、市長の松井さんに批判的な報道はほとんど見られません。

なお、安倍晋三さんに対しては、その政治姿勢や2度の水害時の危機管理に対してそれなりに批判的な姿勢もあったように記憶しています。

確かに、露骨に金をばらまいた河井夫妻=広島自民反主流派は最悪の金権政治家ではある。しかし、一方で、河井批判の陰で旧統一協会を含む組織がちがちの政治をやってきた総理、知事、市長ら自民系主流派の問題点の追及がおろそかになったのではないでしょうか?

野党も広島の場合、野党第1党は事実上、労働者のほんの一部でしかない重厚長大大手企業の労働組合のための党であり、知事や市長の議案に反対することはほとんどありません。したがって、知事や市長の問題点を街頭などで訴えるのも日本共産党さんと筆者くらいです。最近では、社民党さんもそれなりに街宣をがんばっておられるようですが。マスコミや野党第1党の知事や市長に対して腰が引けた対応という要因が解消されないと、今後もまた、膿がたまっていくことでしょう。

◆とにかく総理、知事、市長にガツンとモノ申し続けよう!

こうした中、筆者は、9月16日朝、広島市安佐南区中筋駅で街宣(文末写真左)。

「多くの方を苦しめた旧統一協会の広告塔になった安倍さんの国葬はおかしい。国もせっかく、旧統一協会問題電話相談をしているのに、安倍さんを国葬で持ち上げたら統一協会の宣伝になってしまい、逆効果だ。」

「安倍さんは河井事件では、1.5億円の最終責任者なのに最後まで何も語らないで亡くなってしまわれた。亡くなられたことはお悔やみするが、何も説明責任を果たさなかったのは許しがい。2014の大水害ではゴルフ、2018の大水害では宴会やカジノ法案優先という、まずい危機管理で広島県民に迷惑をかけた方だ。」
と指摘しました。

広島県知事の湯崎英彦さんに対しても、「湯崎さんがそういう人の国葬とやらに参加するのも納得できない。いま、県議会開会中なのだし、それこそ、統一協会で苦しんでいる特に2世、3世などの方を救う追加の補正予算とか検討されてはどうか?」と水を向けました。

生前、不祥事も多く、さらに広島を襲った水害時の危機管理がまずかった安倍さんの国葬強行で、いままで「岸田さんにそれなりに期待しておられた方」でも岸田さんへの失望が広がっていくのが感じられます。こうした皆様の思いにもこたえていきたいものです。

筆者は、2023年統一地方選挙・広島県議選を前に、特に元上司でもある知事の湯崎さんに対してガツンとモノ申し、海の大掃除をしていく先頭に立っていく覚悟です。具体的には、毎週日曜日に安佐南区イオンモール広島祇園前、そしてフジグラン緑井前で街宣をおこなっています(文末写真右)。当面は知事の湯崎さんの「安倍化」をただしていくとともに、国葬参加に反対、旧統一協会被害者も含む「何があっても心配しないで良い広島」を訴えていきます。

◎筆者の今後の街宣の予定

9月25日(日)10時 イオンモール広島祇園前
10月2日(日)10時 緑井フジグラン前
※以降、毎週交互にイオンモール広島祇園前と緑井フジグラン前で街宣
11月6日(日)午後 安佐南区内 勉強会 食料問題と広島 外部講師

[写真左]9月16日朝、広島市安佐南区中筋駅で街宣。[写真右]毎週日曜日に安佐南区イオンモール広島祇園前

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2022年10月号
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消費増税なのに利用者負担増・低賃金放置…… 検証「安倍晋三さんは、介護現場に何をしたのか?」 さとうしゅういち

安倍元首相国葬前の9月23日、広島1区発で「安倍晋三さんは、介護現場に何をしたのか?」を検証するオンラインおしゃべり会が筆者のよびかけで開催されました。

なお、この日は、リアルでも「総がかり行動」主催で、安倍晋三さんの国葬を中止するよう求めるデモが原爆ドーム前から岸田総理の事務所の前まで実施されています。

岸田総理は、国葬の理由として、安倍さんが憲政史上最長の総理であったことをあげておられます。しかし、在任期間が長いということは、それだけ、悪いことについても責任が重いということです。そのことについてもきちんと検証することが、本当の意味での「追悼」ではないでしょうか?

◆筆者から安倍晋三さんへの「追悼の言葉」―― 介護破壊の悪行三昧

まず、20時のオンラインミーティングの開始から、20分ほど、筆者(介護福祉士・元広島県庁職員=元介護保険担当)から問題提起と称する故・安倍晋三さんへの追悼の言葉をおくらせていただきました。

以下はその要旨です。

介護保険導入は2000年4月であり、介護保険が発足してからの22.5年のうち、介護保険発足から約22.5年のうち、4割弱の約8.7年が安倍晋三さんの総理だった期間である。きわめて大きな影響、それも悪い影響を与えた総理大臣で言わざるを得ない。介護の社会化が大義名分だった介護保険だが、利用者負担増でそれが揺らぎ、一方で、我々介護労働者の給料労働条件は劣悪なままだ。

第一次安倍政権(2006年9月-2007年9月)において、安倍さんは2007年参院選では「KO負け」し、短命政権に終わり、大きな影響はなかったとも言える。これにより、民主党が躍進し、2009年介護報酬改定(麻生太郎政権)では、我々介護労働者について一定程度の処遇改善加算制度が導入されるきっかけになった。言い換えれば自民党が民主党の政策を模倣した結果だ。

その3年後の2012年度の介護報酬改定は、民主党政権下で行われることになった。民主党は、マニフェストで介護労働者の大幅給料アップを掲げていた。しかし、東日本大震災からの復興財源調達を理由に、自民党政権以上の改善はされず、介護労働者の失望を買った。民主党は、震災復興財源の調達のため、公務員=旧社会党=総評時代から支持基盤も失った。古い基盤も新しい支持者も失い、民主党は自滅。安倍晋三さん、あなたは政権に返り咲いてしまった。

2012年末、政権に返り咲いたあなたは「消費税増税は全額社会保障に使う」と約束し、2014年10月に5%から7%に税率を引き上げた。当時、新人の介護労働者だったわたしは、「これで俺の給料は上がる」と喜んだが、あなたを信じたわたしが愚かだった。あなたは、2015年度から介護報酬を引き下げた。当時のわたしの勤務先の老人ホームの社長は、「消費税増税でモノも値上がりし、経営が苦しくなる。報酬も下がる。覚悟しておけ」と訓示した。こうした介護業界の苦境により、多くの仲間が現場を去った。利用者側はこの年度から一部に2割負担が導入された。サービスの利用控え圧力が進んだ。ここだけの話だが、2割負担を回避するために、名目上離婚されたとみられる方も存じている。

あなたは、2015年9月の自民党総裁選挙で「介護離職ゼロ」を掲げた。家族の介護のために仕事を辞めることに追い込まれる人をなくすということだ。それ自体は結構だが、あなたのやった利用者負担増などはそれに矛盾している。

2018年度の介護保険法改定では、2割負担の対象を拡大し、3割負担も導入した。そもそも、お金持ちとも言えない人から過剰に負担を求めすぎているのではないか?もしお金持ちに負担を求めるなら、税金をしっかり負担いただくのが筋だろう。

2018年末、あなたは、入管法改定で特定技能制度を導入した。日本人で介護労働者になる人が足りないからと言って、外国人を呼び込もうという安易な考え方だ。2022年現在、わたしの勤務先の中には、外国人の時給を日本人より高めに設定している介護施設経営者もおられる。日本人がやりたくない仕事を外国人はやりたがるとどうして安易に思えたのか?いまや、円安は進み、給料を上げないともっと外国人労働者も来てもらいにくくなるだろう。

2019年介護報酬改定(臨時)をあなたはおこなった。介護職員等特定処遇改善加算を設置したが、対象が非常に狭く実効性が薄いと言わざるを得ない。

2020年に新型コロナ禍が勃発し、ただでさえ人員不足で厳しい介護現場に追い打ちをかけた。あなたは、介護職員に5万円の慰労金は出した。菅、岸田政権では同様の措置はなかったから、この点はまだ「より少なく悪かった」かもしれない。あなたは、その年の9月に退陣した。そして2022年7月8日、山上徹也被疑者の凶弾に斃れたのである。

安倍晋三さん、あなたは無責任極まる男だ。しかし、あなたの応援でいま総理になっている岸田さんがましか?と言えばそうとも言えない。岸田さんは我々介護労働者の給料アップをしてくれたが、3%としょぼい。物価上昇、最低賃金/他業界の給料アップも加味すれば人手不足解消効果はないのではないか?一方で、岸田政権はIT化による人員基準の緩和などを検討している。しかし、例えば、夜勤帯でどれだけ削減できるのか? とくにコロナのもとでは怖すぎる。

また、岸田さんは、給料アップを2022年10月以降は介護報酬で賄うという。これは利用者負担増につながり、それを恐れて給料改善をやらない事業者も出る恐れがある。そもそも、介護保険の在り方に無理があるのだ。資本の論理と福祉は両立しないのではないだろうか。

安倍晋三さんのでたらめを忘れないとともに、岸田さんへの批判を強めないといけない。

安倍晋三さんが事実上票の差配までしていた旧統一協会が介護現場に与えた影響も指摘しなければならない。男尊女卑と緊縮財政が旧統一協会信者の主張の特徴だ。男尊女卑を前提に家族ですべての責任を負え、というのが基本的なスタンスだ。山上徹也被疑者も旧統一協会の男尊女卑に腹を立てていたという。

男尊女卑と緊縮財政が組み合わされば、ケア労働者の低賃金になる。「こんなのは女のやることだから」と低い給料にされたのだ。そして、利用者負担増で社会化に逆行することになるのだ。

この「問題提起」(筆者の追悼の言葉)を受けて、残りの時間で参加者に自由に意見を交換していただきました。

◆自民党べったりの介護経営者に苦労 ―― 四国地方の女性労働者

四国地方の介護福祉士の女性Aさんは、くしくも安倍晋三さんの地元の山口県出身でもいらっしゃいます。この女性は、ご両親の介護のため、近く退職されるとのこと。この方は訪問介護に従事されています。自民党のべったりの法人で、自民党政治家の活動に動員されるということです。それでも、福利厚生は充実していたが、安倍政権の介護報酬引き下げで、福利厚生も削られ、職場はぎすぎすしていづらい状況になっているということです。

筆者からは「自民党県議・市議らが理事長でなおかつ悪徳な社会福祉法人は全国に多くあった。NHKも含めてそれをマスコミも糾弾した。ただ、当時の安倍政権はそれも悪用して、介護報酬カットへの雰囲気づくりをしていたように見受けられる。その結果は現場の労働者が苦しむだけになっている。」と「悪徳法人が介護報酬カットに悪用されて労働者が苦しむ」構図への憤りの感想を述べさせていただきました。

◆統一地方選で「地方議員兼悪徳法人経営者」の打倒を!

また、関西地方の30代男性Bさんからは、こうした自民党べったりの法人が多い状況に驚愕したと感想をいただきました。この男性からは「こういうことを共有化していかないといけないと思った。」とご感想。

筆者は「ただし、こうした法人の存在をもって介護報酬カットに悪用されたらたまらない。それよりもこうした県議・市議兼悪徳法人経営者という方は、選挙で有権者が打倒すべきだと思う。統一地方選は大事だ。」と回答させていただきました。

◆「反共」で教条的な緊縮財政の「旧統一協会」

四国在住の女性Cさんからは「なぜ、旧統一協会は緊縮財政なのか?」とのご質問をいただきました。

筆者は「『反共』がキーワードだと思う。かつては保育園を増やす政策を取った美濃部東京都知事に対して、統一協会ズブズブの人間を旧民社党が刺客として送り込んだこともある。庶民のための財政支出を共産主義と決めつけて否定するのが統一協会の信者の方には多い。」と筆者の経験上と断りをいれつつ回答させていただきました。

◆年々増加する利用者負担

四国の介護福祉士女性Aさんからは、介護報酬本体以外に、いろいろな加算が取られるようになり、低所得者の負担も増えている、と指摘がありました。

筆者からも「利用者負担増では、今後は、例えば、孫世代に介護負担が行く恐れがある。昔は嫁=母親でもある=におしつけられていたが、そうはいっても昔よりは男女平等が進む中で、嫁=母親に行かない=ぶん、孫に押し付けられ、ヤングケアラーがさらに増える恐れがあるのではないか。昔のように嫁へ押し付ける男尊女卑は論外として、若い人が過剰に介護にエネルギーを取られるのも報道されている通り、まずい。実際、大学生とか、新社会人くらいの孫が介護をされているケースは、わたしもだんだん目にするケースが増えている。本当は(社会人として仕事をおぼえることも含めた)勉強にもっと集中したほうがいいのだが、おっさんが余計な世話を焼くのもどうかとおもい、隔靴掻痒だ。」とヤングケアラー増加への懸念を示しました。

◆仕事に対して報酬が低すぎる

東北地方の看護師女性も「看護も介護も仕事に対して給料が少なすぎる。」と訴えます。やはり欧州のように公営でやるほうが望ましいとおっしゃいます。

広島市内の別業界の会社員男性も「介護労働者の友達がいるが、昔は看護師がやっていたようなことも、専門知識がそこまでない介護士がやっている。入所者を最後まで看ることも多くなり、精神的に厳しいと思う。やはり、給料の引き上げは必須だと思う」とおっしゃいました。

◆「少子化対策」より「まず、安心」を

また、高齢者が増える中で少子化をなんとかしないと難しいのではないか?というご意見もいただきました。

これについて筆者は「ただし、日本の場合は、高齢者も多く働いている。この点が欧州とは大きく違う。コンビニでも工事現場でも、各種派遣労働者でも年金が少なく働かざるを得ない人がたくさんいる。高齢者を悪者にするのもまた誤りではないか?」と指摘したうえで「環境破壊をせずに一人当たりの豊かさをふやすチャンスでもある。問題は、人口が減るのに、まだ山を開いて大型商業施設や住宅地をつくったりする行政の在り方ではないか? いますぐ子どもがふえたとしても、労働力になるのに時間がかかるので、人口減少を前提に、新規開発はやめて土砂災害警戒区域からはむしろ撤退し、そこで平時は食料をつくるなどの方向も必要ではないか?」と提案しました。

そして「大阪維新の会は高齢者を悪者にして子育て支援重視を言っているが、これも、実際には奴隷であるところの子どもがほしいだけ。自分に反抗的な意見を言った高校生を橋下徹さんは泣かせている。それが維新の本質だ」と維新をばっさり切り捨てました。

また、山口県の女性からも「労働条件も悪い、教育を受けたら借金を背負うこんな国で、子どもを産んだらむしろ子どもがかわいそうだ。まず、教育や労働条件の改善などをする方が先ではないか?」とのお話をいただきました。

◆「チャレンジ」の前に「安心」を

広島県内の女性からは、筆者に対して政治家として何をまず取り組みたいか?とのご質問をいただきました。

「前回、2011年、河井案里さんと対決した県議選立候補時に掲げた公約のうち、まだ実現していない介護する家族を支援する条例(ケアラー支援基本条例)」をぜひ実現したい。特に広島県内は、なぜか女性の健康寿命が短く、男性が妻の介護をするケースも多く拝見する。ある一定年齢以上の男性の方はそうした中で追い詰められる場合も多い。また、ヤングケアラーや、逆に親御さんが高齢になった後、障害をお持ちのお子さんをどうするかという問題など、課題も複雑化している。2011年時点ではわたしが広島でも最初に提案したが、今回はぜひ、実現したい。」

「現知事は高速道路5号線二葉山トンネル問題について、教育長はご自身の疑惑について木で鼻を括ったような対応で、安倍晋三さんうり二つになりつつある。他方で、ご両人とも政策の中身も、保守的な広島県の風土へのいら立ちはわかるが、無理やりアメリカ的なものを押し込もうとしてうまくいっていないように見られる。基本的なニーズが満たされない中でアメリカ的なチャレンジを煽られても、ついていけない県民も多いと思う。」と指摘。

「まずは、安心を県民に。その上でチャレンジだ。知事も教育長もアメリカ的な方向に傾いている中では、安心重視の議員がもっと議会に必要だ。」
と力を込めました。

国葬反対署名の報告も国葬反対署名に取り組む広島市内の20代男性からは、国葬反対署名を3115筆集めて内閣府に提出したことが報告されました。その上で、今後は「奨学金チャラ」の署名活動を進めることが報告されました。

筆者からは「介護現場でも、例えば機能訓練指導員で資格を取るために大学や専門学校に行き、奨学金返済を抱える若者が多くいる。奨学金チャラにもぜひ取り組もう。」と呼びかけさせていただきました。

◆安倍政治の問題点を忘れぬとともに地元から遠慮なく岸田政治をただそう

安倍晋三さんの国葬で安倍晋三さんの問題点を覆い隠すことは許されません。在任期間が長いからこそ影響力も大きい。だから、きちんと検証すべきです。今回は東北から四国まで広い範囲のみなさんのご参加で安倍晋三さんの問題点を検証できました。ご参加ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

それとともに、岸田さんもかならずしも「安倍さんよりまし」とも言えない実態も浮き彫りになってきました。きちんと地元・広島からこそ、遠慮なく岸田政治もただしていかなければなりません。

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予算超過、工期延長、地盤沈下……「問題のデパート」二葉山トンネル建設をめぐる広島県知事・市長らの無責任に住民の怒り爆発 さとうしゅういち

9月3日、筆者の自宅(広島市東区)近くの地下を通る広島高速道路公社(広島県と広島市が折半で出資)の高速道路5号線の二葉山トンネルをめぐる問題を議論するシンポジウムが広島弁護士会館で開催されました。

◆シールドマシン故障に予算オーバー、地盤のトラブルも相次ぐ

 

予算オーバー。工事は進まない。地盤沈下。行政の対応はお粗末。このトンネル工事はまさに、広島県政および市政における、最大級といっていいほどの「問題のデパート」です。

広島市内のトンネルをめぐっては、同じく広島市東区の高速道路1号線の福木トンネル工事で地盤沈下の被害が出て中止になった経緯があります。そのため、二葉山トンネル計画地の真上の住民からも反対運動が起きました。結局、知事の湯崎さんが現地を訪れ「住民に犠牲を強いるような工事はしない」とあいさつし、住民も納得した経緯があります。

ところが、工事が始まった2018年からシールドマシンの故障などが相次いだことから、この二葉山トンネル住民の間で工事速度も遅々としたもので、再度延長された工期が2022年7月12日に来ても、トンネル自体が半分程度しか完成していません。いま、建設工事紛争審査会に下駄が預けられています。

 

もちろん、地盤のトラブルも今回のシンポジウムでも報告されたように相次いでいます。シールドマシンのカッターを交換するたびに、周囲の地盤に悪影響が及びます。

さらに、予算もいつのまにか高速道路5号線全体でいえば倍増以上してしまいました。そもそも、企業への移転補償が当初予算の700億の予算の半分近い320億円もありました。それ自体が疑惑ですが、さらに、その倍以上の1500億円の予算にいつのまにか膨れあがったのです。

この中には、どさくさに紛れて、凍結された事業も盛り込まれています。市の北部へ向かう五号線を広島市南方の南の呉に向かうためにわざわざつなぐ、まさに意味不明の事業です。平安時代の方違え(遠くへ旅行する際に運勢が悪いと考えられた方角を避けていったん違う方角へ向かう)でもありますまい。

◆シールドマシン故障に関する負担は受注者側の責任

まず、「二葉山トンネルを考える会」越智修二代表が、発言。相次ぐシールドマシンの破損について、これは想定外の(固い)岩盤があったからではない、とは指摘。故障に関する負担は受注者側の責任だ、と指摘しました。

「県や市はこれ以上、JVを甘やかして予算を追加で出すべきではない。」と筆者も感じました。

 

◆住民をなめ切っている湯崎さん

ついで、二葉山トンネル建設に反対する牛田東三丁目の会の棚谷彰代表は「知事の湯崎さんはシールド工法で工事を始めることを決めた際、住民にあいさつに来られ、「住民に犠牲を与えながら工事を進めることはない」と断言した。」と報告。

しかし、地盤沈下を発生させるシールドマシンのカッター交換は計画5回に対して41回もされました。そして右の写真のような被害が発生してしまったのです。

牛田東一丁目では、介護を必要とするご家族が騒音・振動にびっくりし、仮住まいに移転せざるをえなくなった事例もあったそうです。認知症の方など、こういった刺激で不穏になられ収拾がつかなくなることはよくあります。本当に勘弁してほしいですよね。

棚谷代表は憤まんやる方ないご様子でしたが、当然です。湯崎さんは県民をなめ切っています。

 

◆なぜか、欠けやすいカッターを使用し大失敗

ついで、元トンネルボーリングマシン技術者の三浦克己さんが講演。二葉山トンネルでは、性能が優れていると企業側も認めている20インチのカッターではなくなぜか17インチのカッターを使用。その結果、当然、カッターが破損しやすくなった。そこで、カッターの歯が欠けるのを恐れて遅く掘る。そして、カッター回転量が増えて摩耗が進むという悪循環だそうです。

そして、排出した土砂量も想定より多くなっている。空洞が出来ている恐れがあるそうです。

◆トンネル工学の泰斗が無責任な県・市に憤り

大阪大学名誉教授の谷本親伯先生が基調講演として「市民目線で見えるもの」と題してお話しされました。まず、冒頭、「この場にいてほしいのは、公社の方や議会の方だ。」などと嘆かれました。

その上で、
・県や市にインハウス(自前の)技術者がいるのか
・受注者(大林組系JV)は請負人として責任を果たしているのか?
・掘り進むのが月に50mなのは適切か?
・それについて企業秘密だと逃げる施工者をきちんと追及しているのか?
などと問題提起をされました。

その上で、谷本先生は「(安全管理には)行政がきちんと責任を持つべきであり、いま、被害を調査している住民に変わって調査すべきだ。今は事業者に調査を任せている。今回の広島の二葉山トンネルでも博多であった陥没事故でも、行政は施行業者に安全管理を丸投げし、住民を守ろうとしていない」などと指摘。

本来であれば、県や市がきちんと現場の地盤などの状況を24時間体制でチェックするべきだ(がしていない)と、広島の行政の無責任さに怒りを込めておられました。
「大学教授も本当のことを言ったら、行政が仕事をさせてくれない。自分も豊浜トンネルの事故の時、良心に基づいたコメントをしたら、それ以来行政の仕事がしにくくなった。」と回想。この点については、マスコミも頑張れ。と?咤激励されました。

◆予算面でも全くの失敗、シールド工法

そして、予算面で見てもシールド工法は全く失敗だったと指摘。今のTBMよりナトム工法のほうがいい。というのがトンネル専門家としての意見だとしました。
質疑応答の中で谷本先生は、他の自治体でも状況は変わらない、と指摘。例えば調布市当局は外環道現場の陥没事故について住民の安全のためになにかするのか?という先生の問い合わせに、「業者の問題だから一切タッチしない」という回答だったそうです。これはちょっとショックでした。調布市はトップが広島県・市のような自民党系官僚出身者ではなく、野党共闘系の市長を持つ自治体だからです。

◆まともに追及する政治家を出さぬ県民・市民にも責任──会場から憤りの声

この問題をめぐる住民訴訟の弁護団も務めた経験のある山田延廣弁護士は、きちんとこの問題を追及するような県議や市議を出してこなかった県民・市民にも責任がある、と指摘しました。

被害住民の方からは、施行業者(大林組系JV)から補償の対象外だとされたことへの怒りが表明されました。

 

地元の東区の村上厚子・元市議(2019年県議選にも立候補した経験あり)からは、県議会も市議会も「いま、工事を止めたらどれくらい損が出るのか?」などといういわゆる出来レースの質問しかしない県議や市議ばかりだと指摘がありました。

◆元職場・広島県庁のふがいなさに憤り

筆者は、会場から東区の自宅へ自転車で帰宅する途中、現場を撮影しました。あまりにも、無責任な県や市。元県庁職員として、知事も議会も腐っているこんな県であることが恥ずかしく、また、心から憤りをおぼえました。

一方で、県も市も技術が分かる役人がいない。それで、施工業者に舐められているのも事実でしょう。これも筆者の県庁在職中、広島県が全国のトップを切って進めてきた公務員削減の弊害です。専門家を抱えておかないといざというとき住民を守れないのです。そのことも感じました。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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広島県知事の湯崎英彦さんへ 「安倍化」するあなたと「国葬参列」に元部下・後輩として諫言します さとうしゅういち

広島県知事の湯崎英彦さん。あなたは県庁職員だった筆者にとり、元上司で大学の尊敬する先輩です。あなたの最初の県知事選挙ではもちろん、あなたに投票しました。

あなたは9月12日、故・安倍晋三さんの「国葬儀」、俗にいう国葬に参列することを決めました。「大変残念」の一言です。

そもそも、人の死に差別をつけるのは法の下の平等に反するという原理原則があります。また、そこまで踏み込まずとも、弔意を事実上、強制するようになればこれは憲法違反です。そしてそういう行為に公金を支出することは許されない。それに、知事であるあなたが出席するのも許されないことであり、筆者も一会員である広島3区市民連合は山田代表名で9月5日に住民監査請求を行っています。

◆芸能人や医師なら権力者ほどの弊害はない

一方で、中華民国(台湾、李登輝総統)が1995年、テレサ・テンを国葬にしたような例で、権力者でない偉大な芸能人なりあるいはノーベル賞級の作家なりなら、権力者の場合ほどの弊害はないという思いは筆者もあります。

あるいは、中村哲医師の棺を当時のアフガニスタン大統領(実際にはタリバン優勢の中、日本の室町時代の第13代将軍の足利義輝程度の権威しかなかったとはいえ)が担いだ例はあります。その中村哲医師なら、憲法9条を持つ国としての国葬もありだったのではないか、という思いもあります。

しかし、安倍晋三さんに限らず、湯崎さん、あなたも含めて、そしてわたしも含めて政治家というものは批判されるためにあるものである。国葬という形で神聖化されることは、冷静な批判を困難にしてしまいます。この点が、テレサ・テンなり中村哲医師の場合とは決定的に異なる点です。

◆広島県民に多大な迷惑1 ── 河井事件

その上で、安倍晋三さんは広島県民に多大な迷惑をかけています。その一つは河井事件です。この事件で1,5億円を河井案里さん側に渡した最終責任者はほかでもない自民党総裁の安倍晋三さんです。「安倍さんから」といって河井克行受刑者からお金を渡された筆者の身近な地方議員(河井案里さん逮捕直後に辞職)もおられます。本来であれば、安倍晋三さんは証人喚問されるべきだったのです。そして、全てを包み隠さず話すべきだった。その説明責任を果たさぬまま、山上徹也被疑者の凶弾に斃れた。斃れたこと自体はお悔やみ申し上げますが、十分な時間がありながらなんの説明もしなかったことは許しがたいものがあります。

◆広島県民に多大な迷惑2 ── 2度の大水害での拙劣な危機管理

そして、安倍晋三さんは広島土砂災害2014、その4年後の西日本大水害2018で多大な迷惑を拙劣な危機管理という形で広島県民にかけています。

広島土砂災害2014から8年を経て ── 「教訓が十分活かされていない」という教訓 

広島土砂災害2014では、すでに大被害が明らかになっている状況で、ゴルフを始めた安倍晋三さん。天皇(現上皇)が那須御用邸での静養を取りやめてから慌てて、別荘での休暇を取りやめるというドタバタを見せました。

西日本大水害2018から4年 改めて振り返る〈3〉 総裁選対策「だけは」万全だった故・安倍晋三さんの夏 
旧統一教会の「家庭主義」が妨げるくらしの再建、そして日本の「アップデート」 

そして、西日本大水害2018。7月5日夜の「赤坂自民亭」はあまりにも有名すぎます。大被害が出はじめた翌6日、そして7日の夜も総裁選対策などの宴会を安倍晋三さんはされていたのです。

こうしたことから、県内でも、被災者やボランティアの怒りが爆発。ある被災地の現場では、ボランティアの一人が「総理を暗殺するやつがいたら面白いのに」という冗談に一同大爆笑、という一幕もありました。暗殺事件が起きたいまとなってはシャレにもなっていません。しかし、被災地のボランティアにかけつけるということは、広島という地域を愛しているからこそではないでしょうか?そういう方から「暗殺するやつがいたら面白いのに」と冗談でも言われてしまうようなまずい危機管理の男。こんな男の国葬(正式には国葬儀)に、広島県知事が参加するなど、屈辱でしかありません。

◆「安倍化」する湯崎県政

一方で、湯崎さん。あなたの県政自体の「安倍化」も嘆かわしいものがあります。就任当初は部下の一人として大変期待していただけに、がっかりです。安倍晋三さんは外資にやりたい放題させましたが、湯崎さん、あなたも同様です。

例えば、広島県はいまや全国でも産廃処分場への規制が緩い県です。こうした中で、外資系の企業が広島市安佐南区上安の産廃処分場を買収し、巨額の投資で拡大しようとしています。儲かるからそうしているわけです。

お友達との癒着という点でも湯崎県政は安倍晋三さんと酷似しています。湯崎さん、あなたの腹心の平川教育長は、自身の生まれ故郷の京都のNPOのために県の金で仕事をつくってやった疑惑がもたれています。少なくとも、NPO幹部=出入りの業者と飲食することは、一般職公務員だったら公務員倫理規定・要綱(組織によって微妙に名称は違うが内容はさして変わらない)違反ですし、国務大臣なら大臣規範に違反します。ところが、平川教育長は教育長にこうした規定が適用されないことをいいことに、やりたい放題されていたふしがあります。一方、故・安倍晋三さんも大臣規範が総理に適用されないことをいいことに、妻の昭恵さんと一緒にやりたい放題しておられました。まさに、瓜二つとはこのことです。

◆安倍・湯崎 経産省的な軽さという共通項

安倍晋三さんは経済産業官僚を重用されていました。湯崎さん、あなたも旧通産省ご出身です。筆者の大学の先輩、同級生、後輩にも多く経済産業官僚はおられます。人間としては面白い人が多いし個人的には筆者も彼らは好きか嫌いかと言えば好きだ。公務員離れしている人が多いのです。湯崎さん。あなたが、就任当初に「知事ではなく湯崎さんと呼べ」とおっしゃったのには感動しました。ある種の経済産業省的なものの良い面だったのでしょう。しかし、経済産業省的な感性で全体が運営されるのは筆者の行政経験に照らして不安を感じます。そうした「軽さ」の弊害が湯崎さん、あなたの県政でも安倍晋三さんの政権でも噴出した感があります。

◆「国葬参列」表明はある種の必然だが許しませんよ

湯崎さん。上記にも指摘したあなたと安倍晋三さんの親和性から「国葬」へのあなたの参列表明は、雰囲気的に予想はしていました。しかし、筆者はもちろん、それは許しません。監査請求への協力や街頭活動も含めて湯崎さん、あなたに元部下としてガツンとモノ申していく所存です。

◆何がやりたいかさっぱりわからない中央政府に県民を守る立場でモノを言ってください

湯崎さん。それにしても、中央政府はいったいなにがやりたいかわかりません。

以下のような旧統一協会問題相談集中強化期間の実施は遅きに失したとはいえ、やっています。

「旧統一教会」問題相談集中強化期間について(法テラス)
合同電話相談窓口
電話番号 0120-090590
受付時間 9時30分から17時(平日)
開設期間 9月5日(月曜日)から9月30日(金曜日)

問題は、せっかく国を挙げて上記をやりながら旧統一協会の広告塔になり、事実上の「協会葬」もしてもらった安倍晋三さんをなぜ、「国葬」にするのか?ということです。

旧統一協会側は、「国葬になった人も推薦していた団体です」ということで、今後も宣伝に悪用するのは確実です。

日本国として何がやりたいかさっぱり見えてこないのです。そういう日本国政府に対して、県民を守る立場からモノを言うのがあなたの仕事ではないですか?筆者の周囲でもそれなりに「親戚が、友人が統一協会にハマってヤバいよ」という話は聞いています。県民を守る立場に立とうではありませんか?

県としてできることは限られているかもしれない。それでも、例えば、筆者やれいわ新選組の公約でもある「安くて追い出されない住宅」を県が提供することはできる。そういう政策が実現していれば、例えば山上徹也被疑者や山上被疑者の兄上のような状況の方だってあそこまでは追い詰められないでしょう。

湯崎さん。国葬中止と「親が統一協会にハマっても生活を立て直せる日本、広島」をともにつくろうではありませんか? 元部下として、また、大学の後輩として、伏してお願い申し上げます。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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総理の地元・広島から国葬反対で署名・監査請求へ さとうしゅういち

安倍晋三さんの国葬を早々と決めてしまった岸田文雄総理。その岸田総理の地元・広島市内からも、国葬反対の声が強くなっています。

◆広島3区市民連合が団体として取り組む決議

 

広島3区市民連合(代表・山田延廣弁護士)は8月28日、総会を開催。筆者も、れいわ新選組を代表してあいさつをさせていただきました。この総会で、故・安倍晋三さんの国葬に反対する署名運動(紙ベース)と、知事の湯崎英彦さんが国葬に出席しないように監査委員に必要な措置を求める住民監査請求に取り組むことを決議しました。

広島3区市民連合は、その中心メンバーが河井案里さんと夫の克行受刑者夫妻による買収事件の告発を行い、両名が逮捕・起訴・有罪に追い込まれるきっかけをつくりました。

今回、決議された、①ベースでの国葬反対の署名運動、②湯崎英彦知事が国葬に出席しないよう必要な措置を求める住民監査請求は、いわゆる執行部提案の議案にはありませんでした。しかしながら、会場に参加した一般会員からぜひ取り組んでほしい、との声が次々と上がりました。

 

「ネットでは、国葬反対の署名運動がたくさん起きている。しかし、これではお年寄りにはお願いしにくい」(安佐南区在住の60代男性)

「国葬は憲法の政教分離に反するのではないか?これをきっかけに、政教分離をきちんとすべきではないのか?」(安佐南区在住の70代男性)

「地域の知り合いからも国葬するなんてどうなっとるのじゃ?!という声が多くある。ぜひ、取り組んでほしい。」(安佐南区在住の60代女性)などの声が続出しました。

これを受けて、執行部は検討する、と答弁しましたが、「ここは総会で、最高決議機関なのだから、ここで決議しようではないか」という声が出て、国葬反対や監査請求に取り組むことが決議され、詳細は執行部に任せることになりました。

◆「大きい声で言えぬが安倍さんはやられて当然」案里さんの元支持者からも

筆者は地域の皆様に一軒一軒ご挨拶にうかがっています。その中で以下のような声もいただいています。

選挙のたびに河井案里さんに投票してきたという女性は、「大きい声では言えぬが、安倍さんはやられて当然。彼のせいでうちらの年金も減らされてきたのだし。案里さんは女性でがんばっているから入れてきたけど。国葬なんてとんでもない。」と小声でおっしゃいました。

また、ある男性は「安倍はやられて当然さ。それより、山上徹也被疑者を死刑にしないでほしい。あいつは気の毒だ。よくやったと思う。」と、山上徹也被疑者に同情される方もいらっしゃいました。

すでに、西日本大水害2018の時には、安倍晋三さんの危機管理のヌルさにいら立ったボランティアから「8.6に広島に来る総理を暗殺するやつがいたら面白いのに。」という冗談が休憩時間中に飛んで、一同大爆笑になったのを筆者はよく覚えています。

その方は、「総理が現場に視察に来るのは迷惑だけど、天皇陛下が来るのはありがたい。」という言い方をされていました。ですから、いわゆる反安倍の左翼ではありません。むしろ保守的な方でしょう。

広島の場合は、岸田さんを支持する人は多いのですが、安倍さんにたいしてはむしろ反感のようなものも強く感じます。安倍政権時代の2017年の衆院選でも県内の野党の比例票が与党を上回っていました。広島は超ウルトラ保守王国です。小選挙区で岸田さんを通すけれども、比例では野党、という人も多かった。安倍さんに拒絶を示している人はそもそも多かったのです。岸田さんに期待はするけど、安倍さんは嫌い、という層がどう動くか?今後が注目されます。

◆住民監査請求、全国各地で

報道で皆様もご存じと思いますが、知事が国葬に出席するための出張旅費の支出を差し止めるための住民監査請求は各地で起こされています。8月19日、北海道、大阪、京都、兵庫ではすでに起こされています。国葬は追悼を国民に強いるものだとして、憲法14条や19条に反するものだと訴えています。

国葬そのものを阻止できなくても、地域を代表する知事が出席しなければ、9月27日の国葬当日のその地域の雰囲気もだいぶ違うことになるでしょう。弔意を強要されるような雰囲気でもなくなるでしょう。

◆河井事件、水害時の危機管理の検証を妨げる国葬

筆者ももちろん、安倍晋三さんの国葬には反対です。国葬令が廃止された時点で法的な根拠もなくなっています。1967年に吉田茂を国葬にした際も、大きな反対運動が起きていますが当然です。

広島に関連していえば、河井案里さん側にわたった1.5億円は、当時の自民党総裁の安倍晋三さんが最高責任者です。国葬で、安倍さんを天皇と同格に持ち上げることは、真相の解明を妨げることになります。

また、西日本大水害2018における安倍内閣の危機管理は大きな課題を残しました。このことを検証し、将来の災害の際に人々の命を守れるようにするためにも、安倍晋三さんを過剰に持ち上げる国葬はマイナスです。

そして、旧・統一協会の問題も大きい。すでに、安倍さんは、旧・統一協会により、ソウルで大々的に追悼をしてもらっています。そのような男を国葬にするということは、日本という国家が誤解されることになる。いや、統一協会まみれという真相を世界に暴露するという意味はあるのかもしれませんが、やはり恥ずかしすぎることです。もちろん、弔問に来てくれる各国要人はそういうことは表に出しませんが、外国人も本音と建前は使い分けるということを忘れてはいけないのです。取り返しのつかない恥をかく前、国葬は中止、ないし、せめて故・中曽根康弘さんなどの先例に倣って内閣と自民党の合同葬にすべきでしょう。

すでに、各国の現役首脳も参加を見送る方向です。「弔問外交」という国葬賛成派の論拠も崩れつつあります。ここらへんで引き返したらいかがでしょうか? 岸田総理。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
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党綱領を自ら否定した自民党は即時解散せよ 岸田内閣改造人事の真相 月刊『紙の爆弾』2022年10月号
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広島土砂災害2014から8年を経て ── 「教訓が十分活かされていない」という教訓 さとうしゅういち

2022年は、広島県内に大きな被害を与えた西日本大水害2018(県内の死者・不明者114人)から4年、そして、広島土砂災害2014(県内の死者77人)から8年となります。

追悼演説

二つの災害で、広島と言えば土砂災害、というイメージを持たれている方も多くなりました。実際、遠方から来られた観光客の方が、電車の窓から、山間部に広がる住宅地をご覧になり、不安そうに会話されているのをよく拝見しています。

筆者は、両方の災害で、復旧のためのボランティアとして現地に入っています。そして、2014年の広島土砂災害のときの教訓が十分生きていれば、2018年の西日本大水害での被害も抑えられたのではないか?という無念さを感じています。

また、両方の災害において、国葬を地元の岸田総理が強行決定した故・安倍晋三さんの危機管理のお粗末さが表れたことも特筆されます。安倍晋三さんに関しても、4年前の災害の教訓をまったくいかしていないと言わざるを得ません。

県政・市政でも、国政でも「教訓が活かされなかった」ことが教訓である。そのように考えます。そして今後、そのようなことが絶対に繰り返されないようにしたいと誓うものです。

筆者は広島土砂災害2014から8年を前にした8月19日、同災害の大きな被災地である広島市安佐南区山本や緑井で街頭演説。「災害に強い社会とはひとりひとりに優しい社会だ」などと訴えました。

また、緑井では続けて同じ場所で行われた広島3区市民連合の街宣にも参加。「二つの広島を襲った災害での危機管理がまずかった安倍晋三さんの国葬は、故人の神格化を通じて危機管理の検証を妨げることになる」などと力を込めました。そして、最大の被災地のど真ん中の梅林小学校の慰霊碑に参拝し、献花しました。

◆広島土砂災害2014契機に東京帰還を中止した筆者

慰霊碑献花

広島土砂災害2014は2014年8月19日深夜から翌20日の未明にかけて広島市北部の安佐南区・安佐北区のそれも狭い範囲で発生した線状降水帯による集中豪雨が引き起こしました。

筆者は、2014年の発災当時は、14年余り活動してきた広島を後にし、事実上の故郷である東京へ事実上、活動拠点を移していました。東京での就職も決まり、あとは、家の契約も決まっていました。これは、一つは、筆者の政治活動が頭打ち状態で、自身の仕事もなおかつ支持基盤となるような方が東京の方が多い、という判断もありました。筆者は、参院選広島再選挙の政見放送でも述べたように将来的には広島県選出の参院議員か広島県知事か広島市長かになり、「エコでフェアでピースな世界をこの広島からつくっていく」ということをずっと公言していますが、当時は、結婚を機にまず東京で再起を図るということを考えていました。

ところが、この災害がひとつの転機となります。おそらくこの災害がなければ筆者は、東京で国政選挙を目指したかもしれません。実際に、東京都内で街宣活動も始めていました。それがこの災害を契機に一変したのです。

「お世話になった広島、それも自分がお世話になっている安佐南区が大変なことになっている。」

状況の中で、筆者の選択は、広島へ戻る一択でした。

筆者は、就職が内定していた先の企業や入居が内定していた不動産屋さんに頭を下げ、キャンセル。

23日夜には広島市安芸区の妻の実家にいったん入りました。そして以下のメッセージをネットで発信しました。

【緊急に被災地入りへ】
被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。
わたくし、さとうしゅういちは、本日夜、広島市入りします。
今回、お世話になった地域が甚大な被害を受けました。そうした中で、天候や自分自身の日程も見ながら、最善のことをさせていただきたいと存じます。
東京移転後も、安佐南区内のさとうしゅういち事務所はまだ引きはらってはいません。明日以降は被災地に近接する安佐南区祇園のさとうしゅういち事務所を拠点に行動します。
また、今回の甚大な災害を受け、「東京に移転」としていた、わたくし・さとうしゅういちの今後の活動についても再度修正の可能性がございます。当面、被災地の広島県民の皆様の暮らしの復旧に力を尽くします。よろしくお願い申し上げます。2014年8月23日

◆一見平静な被災地の隣接地区 被災地から通う人も多く

24日には、広島市安佐南区古市橋駅近くの事務所兼自宅に入りました。ここは、被害が最もひどかった地域の南端にあたる緑井地区からも直線距離で2kmしかありません。この日は、雨が降り、ボランティア活動は中止でした。

事務所がある祇園・古市地区は、大雨の際、最大の商業施設のイオンモール祇園が浸水しましたが、大きな被害もなく、土曜日とあって、カープ観戦にユニフォームを着ていかれる親子連れも見られました。

しかし、行き付けの美容室の女性美容師さんは、可部地区在住です。床上浸水で、片付けに4日もかかったそうでした。この日、ようやく、母親の自宅と併設の美容室に出勤され、筆者が最初の客だったようです。ましてや、土石流に直撃された場所においておや。被害規模は想像以上です。そういう人でも生活のために仕事はしないといけない。そうした人がされている店を利用するなどもボランティアができない日の支援の方法だと思いました。

そして、翌日には以下のメッセージを筆者は発信しました。

【災害対応につき8月末までの関東での予定はすべてキャンセルです】

わたくし、さとうしゅういちが関東エリアで8月末までに入れていたスケジュールは、安佐南区の災害によりすべてキャンセルとさせていただきます。大変ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解・ご協力、よろしくお願いいたします。

この日もボランティアどころではなく、まず、広島で再スタートするための環境整備に時間を費やしました。

また、奮闘されている他党派の方にも激励のメッセージをさせていただくなどしました。

8月31日には、温かいみそ汁を被災者の方に提供するボランティアに参加

26日には、緑の党・ひろしま代表として、現地調査を行いました。 

そして、それを広島市議会各会派やマスコミ関係者などにもお送りしました。

28日には広島市議会の全員協議会があり、傍聴をさせていただきました。

また、当時は広島で唯一の野党所属の衆院議員だった中丸啓さんには、広島市の災害対策本部に我々の提言を提出していただきました。現在は自民党議員の秘書をされているそうですが、災害時は与野党ありません。とにかく市民のためにできることを精一杯させていただきました。

8月31日には、温かいみそ汁を被災者の方に提供するボランティアに参加しました。

翌9月1日から可部線がようやく、可部までの全区間、仮復旧しました。筆者は、9月4日には二回目の被災地の現地調査を行いました。

八木地区

さらに、5日に八木地区(写真)、7日に緑井地区で復旧作業に従事しました。大きな被害があったのは、本当にいま思えば、狭い範囲でした。

だが、4年後、まさか、同じ場所ではありませんが、県内の広い範囲で、これよりもすさまじい土砂災害が起きるとは、この当時は筆者も夢にも思っていませんでした。

同程度の被害範囲の災害を頭の中では想定はしていましたが、2018年のような広い範囲の災害は想定していませんでした。

残念ながら、被災地である安佐南区・安佐北区選出以外の市議や県議の中には支持者からの「先生、お忙しいのでは?」との見舞いの挨拶に対して「そんなことないよ。うちの区は被害がなかったし」という緊張感のない返答をされていた、と当該議員の支持者からうかがっています。

広島市民・県民の多くも被災者に対して同情し、支援しなければ、という気持ちにはなっても、「まさか、自分の地域にふりかかることはあるまい」という気持ちが潜在意識の中のどこかにあったのではないでしょうか?

◆もし、2014年の教訓を生かしていれば、避けられた2018での被害拡大

2014年の広島土砂災害の教訓はもちろん一定程度は生きました。具体的には被災地での砂防ダムの整備です。

写真のように、最大の被災地の梅林地区(住居表示では安佐南区緑井と八木にまたがる)では砂防ダムが多く建設されました。

 

広島の場合、平地が狭く、1970年代前後に山間部に危険性を顧みずどんどん開発を許可した経緯があります。いますぐ危険地帯からの撤収が難しい以上は、砂防ダムをつくって安全を守るしかありません。しかし、その砂防ダムも土砂がたまっていけば機能しなくなります。それどころか、むしろ、西日本大水害2018の時は危険要因にすらなってしまいました。

具体的な例を挙げれば、安芸区矢野では、枕崎台風の教訓から、砂防ダムを県が整備しました。しかし、浚渫が全く行われず、土砂がたまっていました。これは危ない、ということで地域の住民が県に陳情をしていました。広島土砂災害2014以降ももちろんです。ところが、県の対応は「けんもほろろ」だったのです。その矢先に、西日本大水害2018が発生しました。砂防ダムはぶっ壊れ、大量の土砂が矢野地区を直撃。20棟の住宅が全壊して犠牲者が出ました。ボランティアに伺った家の住民のうちの一人は、「開発を許可したのも県。砂防ダムを放置し、住民が陳情してもけんもほろろだったのも県。行政が抜けていた部分があった。」と悔しがっておられました。

現在、県内各地で砂防ダムの整備は一定程度進んでいます。2021年の大雨では、西区で土石流が発生しましたが、2014年や2018年の災害を教訓に砂防ダムを整備していたおかげで犠牲者を出さずに済んでいます。

ただ、今後、砂防ダムをつくるだけでなく、きちんと定期的に浚渫するなど手入れをする。そのための予算を増やす。こうした措置をとらなければ、西日本大水害2018において矢野地区で起きたようなことになりかねません。広島県や市政の首長、職員、そして議員全員は特に肝に銘じておかなければのではないでしょうか?

◆減らしすぎた地方の予算・人を拡充せよ

また、災害対策のためにも、ガツンと国に対して予算と人の確保を要求していくべきではないでしょうか?

この20~30年、あまりにも県も市町村も人を減らしすぎました。県は県で、当時の総務省いいなりで県の仕事を市町村に丸投げし、そのために市町村を全国でも二番目のペースの86→23に減少させました。その結果、すでに、広島土砂災害2014の時点では、担当の県庁職員は限界でした。あるとき、筆者がある会合で得意満面で政策を語っていたら突然、筆者の後輩の女性県庁職員が立ち上がり、「そんなことより足元の広島県内の災害でわたしたち県庁職員は大変なのです。」と筆者はお叱りをいただきました。そうした状態のまま西日本大水害2018,コロナ災害を迎え、県庁職員は「てんやわんや」の状態になっています。

◆災害に強い社会はひとりひとりに優しい社会だが

筆者は、広島土砂災害2014の時点で、災害に強い社会はひとりひとりに優しい社会だ、言い換えれば『平時から、一人一人に病気や怪我や加齢や育児や失業などで困ったことがおきても、安心して生きていける福祉社会こそ、災害にも強い社会』と痛感しました。

例えば、そもそも、普段から安全な場所に安くて追い出されない住宅を公共で整備していれば、危険な場所にマイホームを建てる、などということも起きなかった。
また、そもそも、社会全体として、怪我や病気、あるいは育児や介護で仕事を休みやすい仕組みになっていれば、災害時も、だいぶ楽ではありませんか?

この災害を教訓として社会が変わっていれば、西日本大水害2018のときはもちろん、コロナ災害のときだってだいぶ違ったでしょう。残念ながらその意味でも、広島土砂災害2014の教訓は活きませんでした。それどころか、ひどい方へひどい方へと向かっているように思えます。

◆安倍晋三さんの杜撰な危機管理は2014年から

最大の痛恨事は、その土砂災害の教訓を生かすどころか、ともすれば反対方向へ向かった時代のこの国の為政者が2014年、2018年、そしてコロナ災害発生時まで同一人物であったということです。

故・安倍晋三さんの西日本大水害2018における危機管理はお粗末極まりました。具体的には、「赤坂自民亭」に象徴されるように、災害時も宴会三昧だったこと。その後もカジノ法案に夢中だったこと。そして通常国会閉会後は夏中、ずっと国会も開かず、補正予算の審議もしなかったこと、などです。

安倍晋三さんは、2014年の広島土砂災害ですでに失態をしています。すなわち、8月20日朝、山梨県東部富士五湖地方の別荘におられた安倍晋三さんは、当時の茂木経済産業大臣らとゴルフに出てしまわれた。2時間弱で切り上げ、11時には官邸に入ったというが、その日のうちにまた、別荘になぜか戻ってしまった。そして、翌日夕方、また東京に向かうというちぐはぐな行動をされています。官邸に出勤した後、公邸で待機していればここまでバタバタすることはなかったはずです。一説では、旧友と別荘で会うのを優先したという。このような方が、しかし、その後も2014衆院選、2016参院選、2017衆院選と圧勝した結果、慢心し、西日本大水害でのお粗末な危機管理や一連のお友達優遇政治となったのではないでしょうか?

安倍晋三さんが暗殺されたことはお悔やみ申し上げます。しかし、国葬という天皇と同格で故人を持ち上げることは、故人が為政者だった時代における危機管理のまずさや人々の暮らしに対する冷たさをきちんと分析し、教訓を将来にいかすことを妨げるのではないでしょうか?

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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