四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを求めている広島での裁判は6月8日、第28回口頭弁論がありました。

この口頭弁論を前に、「黒い雨」裁判原告の高東征二さんら6人が新たに提訴しました(裁判所に提訴しに入場する高東さんらの後ろ姿)。
これで本裁判の原告は367人となりました。

この日の口頭弁論では、被告の四国電力が、前回、水蒸気爆発の危険性を否定したのに対して、原告側が福島でも水蒸気爆発があった可能性を指摘して反論しました。次回の法廷は9月14日水曜日14時からです。

◆「政府の内部被曝無視を許さない」

法廷後の報告集会で高東さん(写真左から二人目)から決意表明がありました。
高東さんは、今回、伊方原発運転差し止めの原告になった理由として、内部被曝をしているという面で「黒い雨の被害者は原発の被害者と同じだから」と訴えます。

ご承知のとおり、「黒い雨」裁判は、当時の菅義偉政権が広島高裁の判決を受け入れました。しかし、当時の菅政権の談話は内部被曝については、「容認できない」としました。判決をもとにした救済策は長崎の被害者や黒い雨に濡れた11疾病以外の人は対象外で、判決で確定したことを実施していません。

高東さんは、こうした政府の対応について、「黒い雨の被害者が病気で苦しみどんな生活をしているか見にもこないし調査もしない。」と強く批判しました。

高東さんは、1945年8月6日を4歳6ヶ月のとき、現在の広島市佐伯区で体験しました。「空は暗くなり、ホコリやゴミがただよい、焼け焦げた紙や板が落ちてきた。」「大粒の雨が降り出したが濡れた記憶はない」と証言しました。しかし、「濡れたかどうかではなく、放射性微粒子が身体に入り込む事情があったかどうかが問題だ」と「黒い雨裁判」で高東さんは、主張したそうです。

高東さんは、小1、小2のころは体がよわく、できものや鼻血に悩まされたそうです。小3でリンパ腺がはれて切開をしたあとは元気でしたので被爆しているとは思っていなかったそうです。そして、黒い雨裁判の原告になるのも躊躇されたそうです。
しかし、地裁での勝訴判決を受けたころから脳梗塞や不整脈など多くの病気に悩まされました。「黒い雨の被害者」は病気だらけの人生でも国を訴えずにひっそりなくなった方が多い、と高東さんは、憤ります。

そして福島についても、国は「黒い雨」と同じ手法、すなわち内部被曝を隠蔽してごまかそうとしている、と怒ります。高東さんらは、最初は地域でも冷たい対応をされるなど署名運動に苦労されました。しかし、秋葉市長の時代に広島市による詳細な調査を勝ち取ります。ところが、民主党政権時代の2010年12月にやっと立ち上がった厚労省の「黒い雨検討会」に広島市の独自調査の結果は、蹴られてしまいます。

そこで、放射線影響研究所の理事長と話し合ったところ、同研究所には「爆心地から2km以遠での被曝や内部被曝のデータはない。」と言われて、びっくりしたそうです。

この放射線影響研究所の指標が国際基準にもなり、福島原発の問題も核心には触れずに進められているのです。

高東さんは、「原発の恐ろしさをしらないふりをして進めている」と国を批判し「核のない地球をめざし、命尽きるまでともにがんばりましょう」と呼びかけました。

法廷後の報告集会の様子。写真左から二人目が「黒い雨」裁判原告の高東征二さん

◆「青森県を高レベル放射性廃棄物の最終処分場にしない条例を」

また、裁判原告団の事務局もつとめる筆者からは青森県を高レベル放射性廃棄物の最終処分場にしないよう求める条例制定を求める署名への協力を呼び掛けさせていただきました。

なぜ、本裁判原告団でこの問題に取り組むのでしょうか? 今回の署名運動は、高レベル放射性廃棄物の最終処分をどうするか、とは切りはなして、青森県に死の灰を押し付けることに反対するという社会正義の観点からおこなうものです。青森県のこころある人たちは、青森県が六ヶ所村の再処理工場がけっきょく死の灰の最終処分場になってしまう、という危惧を抱いています。

三村知事は青森県を最終処分場にしないという口約束は国から引き出していますが、あくまで口約束です。したがって条例にする必要があります。

六ヶ所村のすぐちかくでは政府がM9.3の海溝型超巨大地震の発生の可能性が高いと認めています。もし、実際におきれば、六ヶ所村も震度6強で830-1500ガルに達します。再処理工場の耐震基準は700ガルですから耐えられません。なお、アクティブ試験で再処理工場の設備は放射能汚染されていますので、いまさら耐震補強もできません。

また、わずか60kmの地点には過去にレベル6の巨大な噴火を起こした十和田湖があります。十和田湖の地下には過去に巨大噴火した当時と同じくらいのマグマが溜まっているおそれがあるということです。

このように、自然災害の危険が高いところに、死の灰を一極集中させることの危険性を今回の署名運動でわたしたちは訴えていきます。ご協力よろしくお願いいたします。

なお、12日執行で村長選が六ヶ所村であります。村長選は、毎回、核燃料サイクル賛成派の現職が圧勝しまくりで、前回は反対派新人が供託金没収となっています。筆者は昨年の自身の参院選で供託金没収となったことに言及して笑いをとりつつ「今回は新人が供託金は奪還できるよう応援しよう」と呼びかけました。

署名を呼びかけている大元の連絡先は以下です。ネット署名もできます。期限は8月末です。伏してご協力よろしくお願いいたします。

子どもたちに負の遺産を残さない「青森県を高レベル放射性廃棄物の最終処分地としない条例」制定を求める県民の会
〒039-1166 八戸市根城9-19-9 浅石法律事務所内  http://www.kenminnokai.shop/
インターネット署名 (form-mailer.jp) https://ssl.form-mailer.jp/fms/ad5b6e88679317

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年夏号(NO NUKES voice改題 通巻32号)

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
季節 2022年夏号
紙の爆弾2022年7月増刊(NO NUKES voice改題 通巻32号)

2022年6月13日発売開始
A5判 132頁(巻頭カラー4頁+本文128頁)
定価 770円(本体700円+税)

[表紙とグラビア](写真・文=おしどりマコ&ケン
《福島第一原発・現場の真実 第2弾》事故後11年、構内劣化が止まらない

樋口英明(元裁判官)
ロシアのウクライナ侵攻と原発問題

今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
放射能汚染の環境基準とハザードマップの作成を
《講演①》戦争と原発 ── ウクライナから考える
《講演②》「四〇年で廃炉」のデタラメと無責任 福島の放射能汚染と原発の後始末

「脱原発をめざす首長会議」発足10周年記国際シンポジウム
ドイツ脱原発への歩みと日本の十一年
《講演》菅 直人(衆議院議員、元内閣総理大臣)
〈核の共有〉でなく〈農と太陽の共有〉を!
《開会の辞》桜井勝延(元南相馬市長)
事故から十一年経った現実
《講演》ユルゲン・トリッティン
(ドイツ連邦議会議員、「同盟90・緑の党」会派所属、元環境・自然保護・原子力安全大臣)
ドイツ脱原発への歩み
《講演》飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)
この十一年間で起きた三つの世界史的な出来事
《質疑・討論》先崎千尋(元瓜連町長)×桜井勝延(元南相馬市長)
×田中全(元四万十市長)×村上達也(元東海村長)
太陽光発電は自然破壊の原因になっているのではないか?

《対談》鎌田 慧×鴨下全生
未来に向けて真実を!
《講演》鴨下全生(大学生)
福島から東京へ 十九歳が問う原発事故 
《講演》鎌田 慧(ルポライター)
僕が原発に反対する理由

おしどりマコ(漫才師/記者)
私は広瀬隆氏の「地球温暖化説はデマである」を支持しません

尾崎美代子(西成「集い処はな」店主)
《関係者証言録公開》もんじゅ職員不審死事件
元動燃職員・西村成生さんは「自殺」していなかった!

森松明希子(東日本大震災避難者の会 Thanks & Dream(サンドリ)代表)
逃げずに火を消せ お国のために
「避難」は「権利」だと考えたことはありますか?

伊達信夫(原発事故広域避難者団体役員)
「汚染水海洋排出」は可能なのか

山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
福島第一原発からの「汚染水海洋放出」に反対する

三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
ロシアのウクライナ侵略と原発

板坂 剛(作家/舞踊家)
何故、今さら昭和のプロレスなのか?

山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
山田悦子の語る世界〈16〉
核による人類滅亡を目の前にしながら子孫を残すことができるのか

再稼働阻止全国ネットワーク
《北海道》瀬尾英幸(北海道泊村在住)
《新潟》山田和秋(なの花会)
《トリチウム》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
《東海第二》相沢一正(脱原発とうかい塾)
《東海第二》志田文宏(東海第二原発いらない首都圏ネットワーク)
《首都圏》柳田 真(とめよう!東海第二原発首都圏連絡会、たんぽぽ舎)
《東京電力》佐々木敏彦(東京電力本店合同抗議実行委員会)
《浜岡原発》沖 基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
《関西電力》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
《鹿児島》江田忠雄(蓬莱塾)
《読書案内》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)

[反原発川柳]乱鬼龍

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れいわ新選組参院選比例予定候補のキムテヨンさん

6月11日、東洋大学教授でれいわ新選組参院選比例予定候補のキムテヨンさんが来広、広島市中心部を遊説しました。

これに先立ち、筆者が、遊説の出発点となる旧広島市民球場前でキムテヨンさんの遊説を告知するとともに、消費税廃止や、ガソリン税ゼロ、奨学金チャラなどのれいわ新選組の政策をご紹介。

総理の地元の広島でガツンとものをいうれいわの支持が比例で広がるとともに、選挙区では、れいわと多くの政策が共通する中村たかえさん(共産党新人36歳)を押し上げることが、総理に軌道修正をさせることにつながると訴えました。

キムテヨンさんは1963年、愛知県生まれ。お母さんは広島県世羅町ご出身で母方のご親戚は多く広島県におられます。

18歳までは在日コリアンであることを隠していたというキムさん。

ご家庭が貧しかったため大学は大阪の公立大学の夜間を苦学生でご卒業されました。

2009年に日本国籍を取得し、キムテヨンという「コリアンとしての実名を使用する日本人」となりました。

現在は東洋大学教授(社会学)を勤めておられます。


◎[参考動画]さとうしゅういちIN旧広島市民球場前 キムテヨンIN広島告知

◆雨の原爆ドーム前で広島「第一声」

この日の広島は雨。原爆ドームに近い旧市民球場跡地でキムさんは広島での第一声を上げました。

物価高による生活苦に対しての消費税廃止やガソリン税ゼロなどのれいわ新選組の対策を紹介。その上で、「小さいころにはあすのご飯のお金も心配な状況だった。小学校のとき修学旅行のお金がなくて隣の家に借りにいったのが思い出。」「大学は夜間に通った。昼間はいろいろな仕事をして夜、学校に通った。こうした自分の苦労から、れいわ新選組の保育園から大学まで教育無償化を是非とも実現したい。」と強調。

「いまや49%の学生が奨学金をかりている。」
「わたしの友人も3人の子どもを大学や看護学校に通わせて、多くの借金を抱えている。」
「家が貧しくて自分のつめを食べて、変形してしまっているこどももいる。これはどこかの途上国の話ではなく日本でおきていることだ。」
「日本では子どもを大学まで出すのに2000万円かかる。先進国ではこれが無料なのが当たり前になってきている。」
「子どもさんから若者、現役世代、そして高齢者にいたるまで生活は苦しい。みなさまが安心してくらせるような社会をつくりたい。」
などと、自身の幼少時の苦労をベースに貧困をなくしていく決意を表明しました。

その後は、広島市内の中心部である中区の本通駅前交差点へ移動して演説。若い方が時折手を振って応援してくださいました。なかには、一緒に写真撮影をもとめてこられる高校生くらいの若者もおられました。キムさんは昼食を挟んで本通りを練り歩いてパルコ前でも街頭演説をおこないました。


◎[参考動画]子ども時代の困窮生活もとに教育無償化などを母の地元の広島で熱弁 キム・テヨン東洋大学教授

◆支持者からの叱咤激励に謙虚に耳を傾ける

街頭演説のあいまに、中区内の会議場でおしゃべり会も行いました。キムさんからは、社民党から当初は立候補される予定だったのを変更された経緯についてもご説明はいただきました。また、今後は、在日コリアンの女性からも国政選挙に出てほしいという想いもうかがいました。参加者からは、なんとしてもキム・テヨンさんの得票をのばしたいという想いから、キムさん個人にも、れいわ新選組にも厳しい意見も含めて出されました。

「過去のことをあんまり引きずっても前向きではない。政策で票をのばしてほしい」
「最近、れいわ新選組の国会議員もちょっと、パフォーマンスが目立つのではないか? もうちょっと幅広い層から票をとるにはマイナスでは?」
「れいわの長所は事実を提示すること。これはれいわと共産党がこれまできちっとやっていること。」などの声が出されました。

一方で配偶者とともに他党を支持していたが、いまはれいわだという方もいらっしゃいました。

筆者も「過去の経緯はそれとして、キムさんの子どものころの貧困体験をベースにした政策の訴えは迫力があった。キムさんの時代はいわゆるバブル世代だったが、いまや、むしろキムさんの子ども時代のような状況の子どもがおおくなっている。そういう中でご自身の子ども時代の貧困体験をベースにした訴えをもっとされたらどうか?」などと進言しました。

これらの参加者の言葉に対して、キムさんも謙虚に耳を傾けていました。

◆キムさんに刺激され筆者も本人並みに気合

その後、我々は、広島駅南口でもキムテヨンさんと筆者と交代で街頭演説を実施しました。

キムさんの演説に刺激を受けて、おもわず筆者も応援演説に力が入ってしまいました。そのため、支持者の方からも後ろから「予定候補じゃないのだから」とチクリとご注意いただくありさまでした。しかし、キムさんの演説がかなり心に刺さるものだったからこそ、筆者も気合が入ったのです。

演説終了後、広島駅前の広島の著名アスリートの写真が拡大して展示してある壁の前に移動。キムさんと同じく、在日コリアン出身で、カープとタイガースで大活躍した新井貴浩さんの写真の前で記念撮影を行い、必勝を期しました。

演説終了後、在日コリアン出身のプロ野球選手新井貴浩さんの写真の前で記念撮影

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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『紙の爆弾』と『季節』──今こそ鹿砦社の雑誌を定期購読で!

6月1日(水)、参院選広島2022予定候補の中村たかえさん(日本共産党新人、参院選広島[改選数2]での唯一の原則的護憲かつ脱原発派候補)の事務所開きが日本共産党広島県委員会ちかくのYMCA2号館の地下で行われました。れいわ新選組所属の筆者も選挙区では中村たかえさんを応援する立場で参加しました。参加された方はマスコミ各社にくわえて、わたしがよく存じている日本共産党員・支持者の方がほとんどでした。

中村たかえさんは広島うまれ、広島そだちの36歳。広島修道大学ご卒業後、医療機関の事務で仕事をへて、青年団体の幹部を務められました。県知事選挙2021で選挙に初挑戦。現職のオール与党の知事・湯崎英彦さんに果敢に挑まれました。その度胸に筆者は舌を巻きました。ちなみに中村たかえさんと筆者とは20年近い知り合いです。

比例区候補の仁比そうへい弁護士

◆応援弁士から激励と決意

最初に比例区候補の仁比そうへい弁護士があいさつ。仁比弁護士は参院選2019で惜敗。今回の参院選での議席奪還を目指します。

アメリカによる核をふくむ拡大抑止戦略を受け入れつづけ、大軍拡を進める岸田総理に「何が広島出身なのか?」と憤りを示しました。そのうえで、軍拡に反対し、くらしにやさしい経済を進めると決意を表明されました。筆者は参院選比例区はれいわ新選組を党員(会員)としてバックアップしますので投票はできません。しかし、西日本大水害2018の復旧復興などで地元がおせわになった議員でもあり、是非ともかえりざいて欲しいと祈っています。

つづいて、日本共産党県後援会の尾野進さん、女性後援会の望月みはるさん、労働者後援会の神部やすしさん、また、青年後援会からも激励のことばがありました。

神部さんからは、栃木県の中村さんのファンという方から電話をいただいたことが紹介され、全国に中村さんが知られていることをうかがい知ることができました。
大平よしのぶ元衆院議員からは、中村さんらとともに、政府交渉にのぞんだときに出された県内の学生や保育士、中小企業者の窮状について紹介がありました。

県内の私立大学に通学する学生は両親に障害があって世話をするために親元から高速バスで通っているそうです。こうした状況についてコメントを求められた文部科学省の担当者は黙るしかなかったそうです。

鉄筋業者は毎月2%ずつ仕入れ価格があがっているのに、それを元請けに十分に転嫁できておらず、「どこまでがんばればいいのか?」と訴えたそうです。

◆自信に満ちあふれた本人あいさつ

中村たかえ予定候補本人が最後にあいさつ。中村さんは岸田政権がロシアのウクライナ侵略に乗じて自民や維新が憲法を変えようとしていると批判。「9条に基づいて外交を行う」こと、核兵器の脅威を取り除くために「核兵器禁止条約にはすみやかに参加する」ことを強調しました。

「平和の流れを発展させるのが日本の、広島出身の政治家には必要だ。」と指摘。「広島うまれの広島そだち、被爆者や若者と一緒に署名をあつめて国連に届けてきた自分こそ、ヒロシマの心を国会へ送るのにふさわしい。」と自信に満ちあふれた雰囲気で決意を表明しました。

そして、暮らしについて、「学費が高く自分の健康も削っている。政治が向き合わなくていいのか?」という学生。「0歳児を抱えて大変だが、お年寄り向けのサービスをけずってほしいわけではない。全ての世代が幸せになる社会を」という女性。「原材料値上げで手取りが目減りするいっぽう」という業者。こういう過酷な状態をおこしたのは、アベノミクスと自民党政治だと断じました。

その上で日本共産党がかかげる消費税減税(れいわは廃止)、インボイス中止、全国一律の1500円の最低賃金、学費は半減(れいわは無料化)、年金引き下げ中止、医療費負担増中止、男女賃金格差是正などを紹介。こうした政策は自民党でも補完勢力でもできない、と訴えました。

そして、改めて、「元首相(安倍晋三さん)らが核共有をさけぶなか、被爆3世として、被爆者のねがいをどうしても届けたい、国会へおくってほしい」ともう一度強調しました。


◎[参考動画]参院選広島2022予定候補の中村たかえさん(さとうしゅういちも応援) 事務所びらきでの決意表明

◆自民党と補完勢力による広島の2議席独占は石にかじりついても避ける

参院選広島2022予定候補の中村たかえさん(左)と筆者

筆者は参院選比例区ではもちろん、れいわ新選組を取り組みます。それとともに、広島県選挙区では原発推進・憲法改悪推進・軍備拡大推進の自民党の世襲財務官僚出身の男性現職および、自民党の補完勢力(国民民主党、連合の芳野会長、広島の場合は立憲民主党所属の現職参院議員もスタンスが危うい)が推す女性タレント新人による広島の2議席独占を石にかじりついても避ける構えです。そのようなことになれば、いくら超保守王国とはいえども、被爆地である広島の恥です。

なお、日本共産党さんと、筆者およびれいわ新選組の間では、財政出動について意見の相違はあります。れいわ新選組は超大金持ち・超大手企業への増税は否定しませんが財政出動論です。これに対して共産党さんは、財政出動に慎重です。

ただ、共産党さんの消費税減税(れいわは廃止)、インボイス中止などの方向性は共有しています。いまは憲法を変えるのではなく憲法をいかせ、というのも同じですし、核兵器禁止条約加入推進についても同じです。岸田政権の大軍拡に反対し、ねばりつよい外交努力を追求する点も一緒です。原発ゼロももちろん同じです。

筆者も参院選広島2022への立候補準備は進めてきました。しかし、このままでは間違いなく、自民党の世襲高級官僚現職と国民や連合の芳野会長が推すタレントが楽勝になってしまうところでした。

こうした情勢を受けて、5月下旬に筆者は参院選広島2022への立候補準備を中断、立候補を見送り、中村たかえさん支持を表明し、護憲・脱原発派一本化を図っています。憲法に緊急事態条項が加わったり、原発事故がまたおきたりしたら、財政出動をふくむれいわ新選組の政策を実現する以前の問題になってしまうからです。
(※拙稿参照 http://www.rokusaisha.com/blog.php?p=43051) 

すでに比例区のれいわ新選組を意識した県内各地の街宣の中で、筆者は自民、維新、国民が推進する大軍拡路線や改憲を厳しく批判しています。その上で憲法25条をとくにいかす視点でれいわ新選組を比例区で取り組むとともに、核兵器にも原発にも反対する「ヒロシマの心」実現へ選挙区では中村たかえさんを押し上げます。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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13日発売!〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年夏号(NO NUKES voice改題 通巻32号)

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れいわ新選組の参院選2022予定候補の辻めぐむ弁護士は5月31日、岸田総理の地元でもある広島市中心部を遊説し「戦争をしないと決めてきた国のあり方を軍備拡張で崩そうとしている岸田政権と対決する」「『官から民へ』で一部の企業の金儲けにしかなっていなかった新自由主義に真っ向から反対する」等と訴えました。

辻弁護士は1948年生まれ。大阪府立大手前高校ご卒業のあと、東京大学法学部へ。この年代のご多分にもれず、学生運動に参加され、ご卒業後は1981年から弁護士として活躍されました。ご本人によると、既成の政党には与党はもちろん、野党にもものたりなさを感じて、議会よりは市民の力で変えていく方向に魅力を感じておられたそうです。しかし、アメリカの要求で裁判の迅速化をもとめる法律が2002年にできてしまったとき、危機感を抱き、政界へ。「法律を変えるには権力をとらないと。それは、民主党しかない」ということで、それまで一度も投票したこともない民主党から衆院選に立候補し、2003、2009年に当選しています。

しかし、民主党が官僚やマスコミの攻撃の前にマニフェストを守れずに消費税も増税に舵を切ったことを悔いて、立憲民主党など、旧民主党の「本流」からは距離をおいておられました。そして2021年の衆院選2021でれいわ新選組から立候補。惜敗率が2位で惜しくもおよばず、今回の参院選2022全国区に復活をかけておられます。

◆自民や維新の核共有や大軍拡路線を批判

辻弁護士はこの日は爆心地に近い広島市中区の本通からスタート。中心部の商店街を練り歩いたり演説したりしながら通過しました。

岸田政権に対して「争点を隠して安定多数を得て、3年間でやりたい放題しようとしている」と指摘。

その上で、ロシアのウクライナ侵略は糾弾されるべきとしつつも、それに便乗して核共有や大軍拡を主張する自民や維新について「交戦権を否定してきた77年間の国のありかたを失うものだ。」と厳しく批判し、被爆地である広島市民に対して「外交努力を重視する」れいわ新選組への支持を訴えました。

◆民主党政権を反省

一方で、自分自身が関わった民主党政権については、「当時は『財源がないから』、という理由で(財務大臣になった民主党幹部が財務官僚に洗脳されて)マニフェストに掲げた公約の多くを実行せずに、みなさまを失望させてしまった。」と、反省と謝罪をした上で、「その反省の上に(財政出動を主張する)れいわ新選組がある。」と、紹介しました。そして、もう一度、れいわ新選組を大人の政党に育て、政権交代をもう一度やっていきたい、と決意を表明しました。

◆維新と正反対、公務員をふやして公共サービスを充実させる

国の広島合同庁舎前で演説するれいわ新選組の参院選2022予定候補の辻めぐむ弁護士(右)と筆者

また、「官から民へ」のスローガンで進められた「国鉄の民営化、郵政の民営化、水道の民営化」などについて「一部の人の金儲けのためだ。」と斬りました。

自身の地元の大阪においては、公務員をへらしすぎて役所の仕事をパソナにやらせ、結局公金が一部の人の金儲けに流れている、と紹介。また、水道の民間委託で検査の間引きなども行われて、日本のほこれる水道網が危機にある、と指摘しました。

民主党政権もこうした新自由主義路線を自民党から引き継いだままだったことを反省。「れいわ新選組の公務員をふやすというマニフェストは、年々ニーズがたかまる公共サービスを充実させていくことだ。」と訴えました。

◆スタジアム近くではカープファンにもアピール

マツダスタジアムに近い広島駅南口では、球場にむかうカープファンに対して「1975年10月のカープ初優勝のときは、長嶋ジャイアンツをやぶって優勝を決めた試合では、三塁側でしゃもじをふってカープを応援した」とアピールしました。


◎[参考動画]「軍拡、新自由主義と真っ向から対決」総理の地元の広島中心部で辻めぐむ弁護士

◆辻弁護士来広前に市内各地で筆者らも宣伝

さとうしゅういちとれいわ新選組は、この日、辻弁護士が来広する前に市内各地で街宣をおこない、「憲法は変えるよりも25条をいかす」「公務員の労働条件はまもり、公共サービスをまもる」れいわ新選組の方針を紹介しました。

国の広島合同庁舎前では、登庁される国家公務員労働者の皆様にれいわ新選組はボーナスカット法案(組合が推薦する立憲・国民は賛成)に反対するなど、公務労働者の労働条件を最も守る党だとご紹介しました。そして、この2、30年の公務員削減路線はあらため、必要な公務員は補充すること、また、非正規差別・使い捨ては公務現場からあらため、非正規の正規化を進めると力を込めました。


◎[参考動画]公務員労働者の労働条件を最も守るれいわ新選組 さとうしゅういち合同庁舎前で訴え

その上で、「低い方にひきずりおろすのではお釈迦様のクモの糸の話のようにみんなで落ちてしまう。」「低い方にひきずりおろすのではなく、まともな方にひくすぎる方を底上げしよう。」と語りかけ、さとうしゅういち自身も該当する民間の介護労働者や保育労働者の給料アップなどの政策にも公務労働者の皆様のご協力をお願いしました。

れいわ新選組チーム広島とさとうしゅういちは、引き続き、公務労働者の皆様の労働条件をまもることも、市民、県民、国民の安全、安心を守ることにつながる、地域に若い人にきてもらうことになり、地域の活性化にもつながると、訴えて参ります。

その後、安佐南区の安田女子大学前、緑井フジグラン・天満屋近くでも街頭演説を行いました。
「憲法は変えずに25条をいかす」
「くらしにコロナや戦争による輸入物価上昇が追い討ちをかけているなか、消費税廃止、ガソリン税ゼロ、学費タダなどで緊急対策を。」
「軍拡ではなく粘り強い外交努力を」
などと、憲法と経済政策についての主張を中心に訴えました。


◎[参考動画]「憲法は変えずに25条をいかす」さとうしゅういちIN安佐南区緑井

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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7日発売! タブーなきラディカルスキャンダルマガジン『紙の爆弾』2022年7月号

13日発売!〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年夏号(NO NUKES voice改題 通巻32号)

筆者は5月下旬、参院選広島2022への立候補を見送り、県議選2023に転進することとしました。

◆自民党と補完勢力(国民・芳野連合会長)による2議席独占阻止へ決断

筆者は2021年4月25日執行の参院選広島再選挙に立候補。それ以降も、れいわ新選組の地元の皆様と一緒に活動を継続していました。そして、参院選2022において広島県選挙区で立候補する準備を進めて参りました。とくに西日本大水害2018の被災地を中心に広島県内ほぼ全域を挨拶回りや街宣を続けてきました。さらに、すでに、選挙カーにすぐに使用できるクルマも支持者の方が準備してくださっていました。

しかしながら、現在、コロナ災害やロシアのウクライナ侵略という状況に自民党のみならず、日本維新の会や国民民主党が悪乗りし、改憲や軍拡に前のめりになっています。立憲民主党も泉代表が軍拡容認発言をするなど、雲行きがあやしくなってきました。

また、地元選出の岸田総理は新自由主義脱却という政権発足時の威勢のよい掛け声とは裏腹に、国家公務員労働者の給料カット法案や「稼げる大学法案」など新自由主義的法案を成立させました。我々介護現場労働者の給料改善策もわずかに3%アップと不十分極まりないものになっています。こうした岸田政権の予算に国民民主党が賛成して与党に寝返りました。

さらに、ウクライナ戦争に伴うエネルギー価格の高騰に悪乗りして、自民党はもちろん、維新や国民が原発推進姿勢を再び強めています。

こうしたなか、被爆地である広島県選挙区では、このまま傍観すれば、改憲、原発推進で、新自由主義脱却は不十分な勢力、すなわち自民党と補完勢力による2議席独占になってしまう状況です。すなわち、自民党の高級官僚出身世襲現職と、国民民主党や連合の芳野会長らが推すタレント新人が優勢である一方で、憲法をいかすことや反新自由主義、脱原発などをきちんと進める予定候補が日本共産党の中村たかえさんとれいわ所属の筆者(無所属でれいわ推薦を想定)の二人です。二人で票が割れれば、自民党と補完勢力による独占は確実な情勢です。

こうした状況をみて、筆者は5月20日、日本共産党広島県委員会を表敬訪問。筆者が立候補を見送るとともに、中村予定候補を応援することを伝達。また、中村さんと筆者の間での政策協定の締結や、政治とカネの問題についての政策提言をさせていただきました。

◆さっそく、尾道・三原で中村支援を宣伝

間髪を入れず、翌21日、筆者とれいわ新選組チーム広島とチーム福山は、尾道駅前とイオン三原店前で街宣を行いました。

尾道市、三原市は、県庁マンとして最後の仕事をさせていただいた場所です。また、尾道市は河井事件でお金をもらって辞職した自民党県議、そして、筆者の県庁マン時代に県の介護保険行政に不当な圧力をかけ、また、県費で海外旅行し放題だった国民民主党の県連幹部を務める県議の地元でもあります。国民民主党県議については鹿砦社刊行の『労働貴族』にも登場します。

イオン三原前での街頭演説

筆者はこの日、『自民党、国民民主党、維新がコロナやロシアによるウクライナ侵攻に乗じて緊急事態条項など憲法をかえると言っている。しかし、冷静に考えてほしい。あなたの安全、安心をアップするのに(自国維の)憲法を変えることは役立つのか?』と語りかけました。

そして、憲法は変えずに25条をいかせ、軍拡ではなく粘り強く緊張緩和を、という、という、さとうしゅういち と れいわ新選組 のスタンスを紹介。

その上で『このままでは、市町村合併押し付け、公務員削減で尾道を含む地方を苦しめたり、社会保障のためと称して消費税を増税して大半は社会保障に使わなかった自民党』の高級官僚現職と『県職員の仕事に不当な圧力をかけたり公費で海外旅行しまくりだった尾道選出の電力労組系県議を中心とした改憲・原発推進の広島の国民民主党』に推薦されたタレント新人という、与党と補完勢力による2議席独占になってしまうと危機感をあらわにしました。

その上で、中村たかえさん(日本共産党新人)とさとうしゅういちだけが、ガツン、と憲法を変えないでいかす、岸田さんも相変わらず進める新自由主義に反対、島根原発再稼働NO含む脱原発であるという状況だと指摘。

その上で、広島の2議席のうち最低1議席は、ガツン、と憲法改悪反対、新自由主義脱却、脱原発の人を送り出すため、自分が降りて、中村たかえ 予定候補を支援すると表明しました。


◎[参考動画]さとうしゅういちIN尾道駅前

◆地元の安佐南区では県議選2023への転進歓迎の声

さらに24日には事務所のある地元の広島市安佐南区で街頭演説と、近所の中小企業や神社などへのあいさつ回りを実施しました。街頭では『憲法に緊急事態条項を入れるよりもあなたの暮らしの緊急事態を救う政策が必要だ。』などと訴え『参院選広島で自民の高級官僚世襲現職と補完勢力推薦のタレントによる2議席独占を避けるため、中村たかえさんを推す』と報告しました。

あいさつ回りでは、参院広島選挙区で自民と補完勢力による2議席独占は避けるため自分が降りて県議選2023に回るとお伝えしました。『それがいい。まず広島から変えていこう!』(自営業60代男性)などと激励のお言葉をいただきました。

この安佐南区では、筆者は2011年に河井案里さんと対決した際には4278票をいただいています。また、直近の国政選挙では筆者と政策が同じか近いれいわ、共産、社民の得票合計が県議選の当選ラインを大きく上回っています。また、前回2019県議選は無投票でした。新規参入を渇望する声は強くあります。

この安佐南区は筆者の立候補の際の最有力の選挙区です。他方で、21日にまわった尾道市は、河井事件でカネをもらった自民党県議といわゆる労働貴族の国民民主党県議がおられるところです。三原市は産廃処分場問題が起きているところです。

また、安芸郡は府中町で再選挙2021の筆者の得票率が県内最高であり、筆者が坂町に西日本大水害2018でボランティアに入った経験もあります。安佐北区はお金をもらっていた県議がおられる上に筆者が同じく水害の際にボランティア活動に入った経験もある区です。安佐南区選挙区を軸に、これらの選挙区も候補に、今後、必勝を期して調整していきます。

◆福山では中村さんのポスターと並べてれいわののぼり

筆者やれいわ新選組の地元組織は、県内各地で中村候補への協力体制を整備しています。

福山市では、地元の共産党サイドの方の了承をいただき、中村候補のポスターとれいわ新選組ののぼりを並べて立てさせていただいております。

比例区はれいわ新選組を全力でとりくむとともに、選挙区は自民党と補完勢力による広島の議席独占という最悪の事態を石にかじりついてでも回避したいものです。

今後、共産党さんサイドと調整をしながら、中村候補を押し上げていきたいものです。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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『紙の爆弾』と『季節』──今こそ鹿砦社の雑誌を定期購読で!

広島県三原市本郷町は、広島県のほぼど真ん中に位置しており、広島空港があることでも知られています。昔は独立した町でしたが平成の大合併で三原市に事実上吸収されました。その本郷町に産業廃棄物処分場建設計画が2018年に持ち上がり、大混乱となっています。

三原市・竹原市の水源地のど真ん中。問題の産廃処分場の概要は以下です。

計画地 広島県三原市本郷町南方字観音平22179番地1 外(宗教法人と業者土地取得済)
関係地域 広島県三原市本郷南方 / 広島県竹原市新庄町
埋立面積 9万7,499平方メートル(マツダスタジアム約10個分)
埋立容量 112万6,000立法メートル (2~10t車両30台/日程度・160立法メートル /日)国道2号から搬入
廃水計画 雨水・浸透水は調整池を経由後、自然流下で椋原川と日名内川に排水する
主な産廃排出場所 県内5割、県外5割(岡山、島根、大阪、京都、岐阜、愛知、静岡)

三原市にとっても竹原市にとっても水源地のど真ん中です。三原側は沼田川へ、竹原側は賀茂川へ流れます。

三原側の沼田川下流には三原市最大の浄水場があります。三原市民の4分の3にあたる3万世帯の水道水となります。また、竹原側の下流域には6つの浄水場があり市民の大半の水道水になっています。下流には井戸水利用者、農業用水利用、漁業、地下水を利用した酒・豆腐・飲料メーカーなどもあります。

◆三原市・竹原市の市民の総意で「ノー」も県はゴーサイン

2018年に計画が持ち上がったあと、三原市でも竹原市でも住民が立ち上がり、産廃処分場建設許可をしないよう、県に求める運動を開始。2018年10月25日には三原市議会本会議で2つの産廃処分場建設反対請願が全会一致で採択され、県に決議文を提出。2019年2月25日には竹原市議会本会議で、全会一致で同様の決議が採択されました。

三原市も竹原市も自民党が非常に強い地域。しかし、自民党員の議員もふくめて全会一致で反対決議が採択されたということの意味はあまりにも大きいのです。

しかし、広島県は許可を出してしまいました。許可を出したのは筆者が最後に勤務した広島県東部厚生環境事務所でした。廃棄物関係の職員は理系の専門の職員で人数も限られています。元同僚が許可を出す立場にあったことに複雑な思いです。とはいえ、基本的に広島県の場合は産業廃棄物処分場許可にあたって、周辺住民の意見を聴くよう義務づける条例はありません。不許可にすれば、今度は業者から訴えられるリスクもあります。そうはいっても、行政の透明性は求められる時代であり、産業廃棄物業者もその恩恵に浴しています。

◆一度は廃棄物持ち込みを禁止する仮処分も、ひっくり返る 裁判の経過

これに対して、広島地裁において、住民が広島県を相手取って、産業廃棄物処分場許可を取り消すよう求める行政訴訟を提起しました。平行して業者に産業廃棄物処分場への廃棄物の持ち込み、すなわち稼働しないよう求める仮処分も申し立てています。

 

仮処分申請は、2021年4月にいったん認められました。しかし、それに対する業者の異議が2022年4月認められてしまいました。もちろん、原告側(債権者側)は抗告しています。こうした中で、行政訴訟の第9回公判が4月19日に行われました。次回は6月26日の予定です。

公判後の報告会で、住民側の山田延廣弁護士(写真中央)が年内に結審する見通しであることを明らかにしました。

また、山田弁護士は「広島県には、長野県のような、産業廃棄物処分場許可にあたって住民の意見を聴取することを義務づける水資源保護条例がなく、産業廃棄物処分場がほぼ野放しの状態だ」と指摘しました。

◆このままでは広島が日本・世界のゴミ箱の恐れ

山田弁護士が紹介した通り、長野県には豊かな水資源の保全に関する条例があります。水資源保護区域の大規模な土地の売買があった場合は市町村の意見を聞くことになります。

https://www.pref.nagano.lg.jp/mizutaiki/kurashi/shizen/mizukankyo/jore/index.html

もし、広島で今回あったようなことが長野で起きればどうなるか? まず、売買の段階で売り主が県に産業廃棄物処分場目的であることを届け出ます。関係する市町村が猛反対しているわけですから、県としても「産業廃棄物処分場目的の売買はダメです」ということになります。

このような条例が全国にできつつあるのに、広島だけなければどうなるか? 現に今回の三原市本郷の産業廃棄物処分場が稼働すれば広島だけでなく、岡山や島根などの周辺県はもちろん、大阪や京都、岐阜、静岡、愛知など遠方の産業廃棄物が大挙して押し寄せてきます。それこそ、広島が日本のゴミ箱になってしまいます。

わたしが住んでいる広島市でも安佐南区上安の産業廃棄物処分場で問題が起きています。周辺住民の調査では汚れた水が流出しています。そしてさらなる拡大が計画されています。そして、ここは外資系に買収されています。

◎参考;エクイスグループ、日本で廃棄物処理事業を開始。今後3年間における投資見込み額は最大で550億円 https://www.kyodo.co.jp/pr/2021-06-10_3617278/

日本はそもそも、産廃の基準がいまや韓国や中国よりも緩いとも言われています。たしかに、日本では「管理型処分場」「遮蔽型処分場」の基準は厳しい。曲者は「安定型処分場」です。安定型というと、いかにも安心のように思えます。いわゆる安定五品目の廃プラスチック類,金属くず,ガラス陶磁器くず,ゴムくず,がれき類などのみが捨てられる、だからコンクリートもシートもなしで埋め立てられる、というわけです。だが、実際にはその中にそれ以外のものが混じってもきちんと、検査されるわけではないのです。さらにその中でも、広島の産業廃棄物行政は大甘なのです。

こんな状態では、それこそ、広島は世界のゴミ箱になりかません。安定型処分場の新規許可をしないよう法改正するとともに、広島県でも長野県同様の条例の制定を強く求めます。

ストップ本郷処分場【広島県三原市】 https://mihara-sanpai.com/

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
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おかげさまで創刊200号! タブーなきラディカルスキャンダルマガジン『紙の爆弾』2022年6月号

◆今年は筆者にとっても新しいこころみ

5月1日はメーデーです。筆者は自慢ではありませんが日本広しといえども、筆者ほど幅広い系統のメーデーに参加した経験がある人間はいないと自負しています。筆者は県庁マン時代には「連合」系自治労広島県職員連合労働組合の支部役員として、連合系のメーデーによく参加しました。5月1日ではなく、前倒しで29日あたりの休日または祝日開催、基本的には家族連れで参加するお祭り、というのが広島でも連合系メーデーの特徴です。ただし、コロナでお祭り要素は、ここ3年は消えています。

他方で県庁マン末期の2008-2010年には、就職氷河期世代を中心とする独立系メーデーを広島でも主催しておりました。大きな組合や既成政党が女性を中心とするケア労働者、非正規労働者の利益を代弁できているとはとてもではないが思えなかったからです。この「生存のためのメーデーINひろしま」5月1日の翌日に開催していました。そして、新幹線に飛び乗って東京で開催される「自由と生存のメーデー」に参加するのがこの2008-2010年の筆者のGWのスケジュールでした。

一方で筆者は外国のメーデーにも参加しています。2007年、15年前のノルウェーのメーデーに筆者は参加しています。このときは、女性警察官労働者がトロンボーンでインターナショナルを演奏。筆者はただひとり、日本語で「たて、うえたるものよー」と歌い、沿道から注目されまくっていました。日本でもかつては警察労働者の組合があり、日本社会党で活動していた警察労働者もいたそうですが、いわゆる逆コースで警察労働者、防衛労働者、海保労働者、消防労働者、刑務・入管労働者らは団結権すら奪われています。そのことは歴史的な事実としては存じていましたが、ノルウェーでメーデーに参加されている警察労働者を拝見して、そのことを実感しました。

筆者は2011年、河井案里さんと対決するために県庁を退職。当時は東日本大震災・福島原発事故により、左派・リベラルの間でも「貧困問題はどうでもいい。反原発が最優先」という雰囲気がひろがり、独立系メーデーの運動が組み立てられなくなりました。筆者は全労連系、ときに全労協系のメーデーにも参加しつつ、あたらしい労働運動の流れを模索していました。しかし、2022年。れいわ新選組のみなさまと、あたらしい形でのメーデーへの関わり方をスタートさせました。

以下にその取り組みをご紹介します。県労連系の広島県中央メーデーに参加しつつ、政党として独自の取り組みもさせていただきました。
1.メーデーへの参加
2.メーデー会場ちかくでの憲法アンケート
3.西日本大水害2018被災地訪問
以下にご紹介します。

◆メーデーを前に独自の街頭宣伝

第93回広島県中央メーデーを前にさとうしゅういちは、NHK広島近くでも街頭演説。5月4日(水)13時からPARCO前での『山本太郎と桜を見る会』のご案内を行いました。あわせてメーデーに当たって『この20~30年給料がずっと上がってこなかった日本』の状況にたいして『ガツン、と財政出動』で『あなたの給料を引き上げ、あなたの負担を減らす』れいわ新選組の政策をご紹介しました。

メーデーを前に『この2、30年給料がずっと上がってこなかった日本』だからこそ『ガツン、と財政出動』で『あなたの給料を引き上げ、あなたの負担を減らす』

立憲さん、共産さんとの大きな違いは河井事件にあえて触れないことです。お金をかけずにボランティアで政治活動を組み立てていることはご紹介します。しかし、「河井案里さんから金をもらった誰某市議を打倒する!」などと叫んでも、その誰某市議の知名度を上げてしまい、筆者がやりたい政権批判や自分や所属政党の政策を紹介する時間が削られるだけで時間の無駄と感じています。


◎[参考動画]さとうしゅういち IN NHK広島ちかく

◆メーデー会場参加隊と憲法アンケート隊で同時多発行動

筆者自身は、第93回広島県中央メーデーに参加しました。フラワーフェスティバルの準備がすすむ、平和公園南側の噴水からデモがスタートしました。そして、会場のハノーバー庭園にいきました。今年はコロナで全員によるシュプレヒコールはなく、主催者のコールのあと、ハリセンのようにしたプラカードを叩いて音を出しました。

写真は友人が所属する郵政産業労働者ユニオンさんののぼりです。すこしまえ、全労連系の郵政産業労働組合と全労協系のユニオンが統合してできました。同ユニオンは労働契約法20条にもとづき、非正規差別をなくす裁判闘争を展開されています。メーデーの内容についてはマスコミで報道されているような各地でのものと同様ですのでここでは詳しくは触れません。

一方でチーム広島の皆様は、28日の竹原に続き、メーデー会場の入り口付近で『憲法アンケート』を実施しました。れいわ新選組チーム広島のメンバーが中心となり、自民党や維新、国民が進める憲法改悪を阻止するための活動をスタートさせています。https://twitter.com/reiwakaikensosi

[写真左]友人が所属する郵政産業労働者ユニオンさんののぼり/[写真右]メーデー会場の入り口付近で『憲法アンケート』を実施

◆近年の繰り返される水害の被災地を回る

筆者はメーデーの午後は広島市安佐南区祇園出張所前と古市橋駅前で街頭宣伝しました。

安佐南区は2018年の西日本大水害2018では被害は安佐北区や安芸区にくらべると小さかったのですが、2014年の広島土砂災害では北東部の八木・梅林地区や南部の山本で壊滅的な被害が出た地域がありました。2021年8月にも山本や上安で大被害が出ましたが、過去の水害の教訓で早めの避難が徹底していたこともあり、犠牲者は出なかったのは不幸中の幸いです。

『この20~30年給料がずっと上がってこなかった日本』の状況にたいして『ガツン、と財政出動』で『あなたの給料を引き上げ、あなたの負担を減らす』れいわ新選組の政策を紹介。

それとともに、「世界で最初の戦争被爆地」で「最近、大きな水害に見舞われている」この広島からこそ、「軍事より災害救援・復旧復興」「核兵器も原発もない世界」を打ち出していきたい、と表明。

日本は災害救助隊で国際貢献するとともに、核兵器禁止条約にせめてオブザーバー参加をすること、また、原発なき脱炭素・エネルギーの安全保障で先頭にたつべきこと、そのための財政出動もさとうしゅういちとれいわ新選組は、ガツンと打ち出している、と訴えました。

社会福祉協議会のふれあいセンター

筆者はそのあと、西日本大水害2018の大きな被災地のひとつである安佐北区の東部を回らせていただきました。この地域は西日本大水害2018の際に県内で最も早い時間帯に壊滅的な被害が伝えられました。他方で、地元の議員の機転で、県内でもいちはやく、7月9日には、社会福祉協議会のふれあいセンターにボランティアセンターが開設されました。ボランティアが自身の都合にあわせて活動しやすい環境も整っていたのが思い出されます。

この地域の災害時に土砂がひどかった県道沿いを中心に一軒一軒ご様子をうかがいました。災害時に活躍された地方議員などにもご挨拶させていただきました。災害時の機転のきかせかたについてご教示いただき、勉強になりました。この議員は広島土砂災害2014で安佐南区にボランティアに参加したときに感じた問題点を是正するような形でボランティアセンターを立ち上げたそうです。ボランティアはのべ8000人、うちリピーターが3000人。その裏には地域のリーダーでもある地方議員の存在がありました。彼は保守系で政策はちがう部分もありますが、毎回上位当選されるだけのものはあるのだな、と唸らされました。国会では当時は自由党参院議員だったれいわ新選組の山本太郎代表が奮闘して、重機などの資材を被災地におくることなどを提案したのを思い出しました。

参議院というのは、政権選択の衆議院とはちがいます。イデオロギー云々をこえて、じっくり現場を踏まえた議論をするような院にしていきたいものです。筆者はその観点からも今後とも県内の被災地を重点的に回らせていただきます。災害時やその後にこそ、普段みのがされてきたような社会の弱点も見えてくるからでもあります。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
◎Twitter @hiroseto https://twitter.com/hiroseto?s=20
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おかげさまで創刊200号! タブーなきラディカルスキャンダルマガジン『紙の爆弾』2022年6月号

2022年は沖縄返還50年ですが、もっと遡ると、日本の近代史における「黒歴史」ともいえる事件から90年、そして80年となります。5・15事件から90年。そしていわゆる翼賛選挙、そして京大助教授らによる「近代の超克」から80年です。そして、軍部を「日本維新の会」(維新)や安倍晋三さんら自民党右派に、立憲政友会系を岸田総理ら自民党主流派に、立憲民政党系を立憲民主党に、京大助教授らを一時期の成功体験から卒業できない企業や広島県内の大手労働組合に置き換えると、まさに、いま、戦中が繰り返されているということが言えると思うのです。

◆5・15事件90年 政党の腐敗を追い風に昔は軍部・今は維新の人気が高まる

まず、5・15事件から90年。満州事変の翌年の1932年5月15日。海軍の青年将校が犬養毅総理を「問答無用!」と暗殺。政党政治はここで終了しました。しかし、政党政治の腐敗の不満から軍部への国民の期待が高まる中で、被疑者への甘い処分をもとめる民意が高揚。被疑者は軽い罰しか科せられず、1936年の2・26事件へとつながっていきます。既成政党のだらしなさへの憤りのいきおいあまって、「維新」への期待が高まってしまう。維新が少々の不祥事をやっても維新の支持率は下がらない。そういう現在の状況に似ていませんか?

◆翼賛選挙80年 軍国主義者が「革新」と持ち上げられる状況、現在に酷似

そして、今年はいわゆる翼賛選挙80年です。1942年4月執行の衆院選は、いわゆる翼賛選挙と呼ばれました。大政翼賛会系の候補には選挙資金が陸軍の機密費から出る、大政翼賛会に批判的な候補は政府により選挙妨害をうける。こういう選挙でした。当時はユダヤ人への今風にいえばヘイトスピーチで有名な四王天延孝中将ら、軍国主義者が「革新的」と持ち上げられて大量得票しました。これは、「維新」や「安倍晋三さん」がとくに若者から「革新的」とみなされている状況に似ていませんか?

ただし、この翼賛選挙を前に、腐っている、古くさいと指弾された既成政党、それも立憲政友会(立ち位置が今の自民党に近かった)よりはリベラルとされた立憲民政党(立ち位置が今の立憲民主党に近かった)も結局大政翼賛会に参加していたことも確認しておかなければいけません。

◆自民党と「国民ファースト維新の会」による「大政翼賛会」が迫っている

現代では、大政翼賛会一本に収斂されるまではひどくない、と思われるかもしれません。しかし、現代では擬似的な二大政党による翼賛体制がいままさに、構築されようとしているのではないでしょうか?自民党と補完勢力、いわゆる「ゆ党」による擬似二大政党制が起きようとしているのではないでしょうか?

すでに、衆院選2021で、連合の芳野会長は野党共闘を解体するほうへ、解体するほうへと動きました。こうした中で連合を基盤とする国民民主党は予算に賛成して事実上の与党に。一方で、国民民主党は参院選京都選挙区で維新と共闘をしています。

このままだと、参院選後にも、たとえば国民民主党、小池ファースト、吉村維新が合併した新自由主義政党、改憲推進政党「国民ファースト維新の会」誕生の公算が大きいでしょう。維新の支持層も連合の組合員も大手企業中堅以上のサラリーマンが多いという点で重なっています。維新が公務員を叩いてきたことで連合にも維新への反発はあります。しかし、公務員の組合が推薦した立憲民主党でも、公務員ボーナスカットには賛成してしまいました。「まあ、維新でもいいか」と思ってしまう組合員もすくなくないと思います。従って「国民ファースト維新の会」実現への障壁はそう高くはないでしょう。

◆野党第一党や組合がふがいない広島、平和都市なのに大政翼賛会化の先頭

一方で、立憲民主党も広島をふくむいくつかの選挙区では国民民主党と野合しています。広島はこのままでは、まさに、自民党の高級官僚出身世襲現職と、立憲・国民の野合にかつがれた元タレント新人による、「与党と補完勢力による独占」になりかねない情勢です。というか、そもそも、広島は、自民党と野党を自称した補完勢力による2議席独占がずっと続いていたといっても過言ではありません。

広島では野党といっても、原発や武器製造の大手企業の組合だのみなのが立憲民主党さんです。自民党系の知事でさえ進める脱炭素に懸念を表明したり、原発に対するスタンスを曖昧にしたりする参院議員がおられるのが広島の立憲民主党さんです。自民党官僚市長の提案する議案に、自民党系の一部の会派の議員以上に賛成してネオリベ市政を支えているのが立憲民主党の市議の皆様です。そして、再選挙2021で筆者が立候補した際、「俺の地域に出入りするな」と脅してこられた党員がおられるのが広島の立憲民主党さんです。中央の立憲民主党からも想像がつかぬような「補完勢力」ぶりです。広島のこのような大政翼賛会ぶりは、日本の大政翼賛会化を先取りしているといえるでしょう。

◆「近代の超克」と大差ないお笑い「日本すごい」

さらに翼賛選挙の年に「近代の超克」というスローガンが、当時の京都大学の哲学科の助教授らから出され、人々にウケていたことにも言及しなければなりません。「近代の超克」は、大ざっぱに申し上げると「日本は近代のチャンピオンである米英などを乗り越えた!」という趣旨の言説です。確かに、第一次世界大戦を契機に西洋の没落ということも言われてはいました。しかし、一方で、アメリカと日本の国力の差は歴然としたものがありました。日本はアメリカを乗り越えたどころか、コテンパンにやっつけられてしまうのです。この悲劇は日露戦争で勝利したことの成功体験から卒業できていないこととも関係あるのでしょう。

いま、日本は、また大いなる勘違いを繰り返そうとしています。「日本すごい」です。そのすごいはずの日本ですが、いまや、介護用手袋もマレーシアの企業に勉強にいかないと作れません。ひとりあたりGDP購買力平価では、韓国や台湾などに抜かれました。いわゆる失敗国家をのぞけば唯一といっていいほど、この30年間で給料が上がっていません。男尊女卑や報道の自由度の低下もさんたんたるものがあります。

広島県内でも結局、原発製造をふくむ重厚長大産業でひとりあたり県民所得(GDP)が全国3位だった1975年ころの成功体験から、企業ももちろん、行政、与野党の大多数も卒業できず、今日に至っています。

◆街頭や挨拶回りでも実感する大政翼賛会化

筆者は参院選を前に県内全域の有権者の皆様と対話しています。また、れいわ新選組チーム広島は街頭で憲法についてのアンケートにとりくんでいます(写真)。

 

その中で「いま、まさに、戦中が繰り返されている」と強く感じています。ありていに申し上げれば、筆者に対して男性有権者の方からは、「維新から立候補したほうがいいのでは?」とのお言葉をいただき、女性有権者の方からは、「自民から立候補したほうがいいのでは?」とのお言葉をいただく機会も以前より劇的に増えています。

また、れいわ新選組チーム広島による憲法についてのアンケートでも、「ロシアやコロナがこわいから憲法を変えたほうがいい」という趣旨のご回答がめだちます。一方で自民党の改憲案については、ご存じない方がほとんど、という状況があります。かくたる根拠はないが、なんとなく、ながされていく。これも実は戦中の日本に酷似しているといえるでしょう。

◆まずは冷静に考えていただくことだ

しかし、ここで陥ってはいけないのは、有権者を見下すような議論です。「改憲すればコロナ対策は安心」「ウクライナは核兵器をもっていないからロシアにやられた。だから日本はもつべき」などの有権者の思考回路もきちんと分析する必要がある。その上で有権者の皆様に以下のことを考えていただくことではないでしょうか?

自民党や補完勢力がいうような緊急事態条項で総理に権限を集中させる形で憲法を変えたらコロナ対策がうまくいくのか?

ソバや小麦などをウクライナとロシアで多くをつくっている中で、国内でろくにつくれない日本が軍備だけ増やして意味があるのか?

ウクライナ以外にも大国に対抗して核兵器を持ち出す国が次々現れたら核戦争のリスクは増えるのでは?

今までの原発製造ふくむ重厚長大産業に過度に期待する産業政策で広島の将来は大丈夫なのか?

正直、現時点の広島では、頭ごなしに正論をぶっても反感だけがのこると感じます。まずは冷静に考えていただく。そういう作業の積み重ねがいまは大事なように思います。

こういう二大政党による大政翼賛会化の背景には小選挙区制もあります。筆者は小選挙区制の廃止も公約していますが、まずは、いまのピンチを切り抜けないといけません。

もちろん、筆者としても、参院選立候補へ向けた準備は続けますが、他方で広島県選挙区において、自民党と補完勢力による独占をふせぐため、最大限の努力もしていまいります。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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『紙の爆弾』と『季節』──今こそ鹿砦社の雑誌を定期購読で!

筆者とれいわ新選組チーム広島は4月28日、安芸郡坂町と竹原市を街頭宣伝や挨拶回りしました。移動は行きは呉線でおこないました。

発災後半年以上経過した2019年1月12日に筆者がボランティアにうかがった際の様子

安芸郡坂町は西日本大水害2018では最大の被災地のひとつとなりました。とくにこの日うかがった小屋浦地区では、災害発生から半年以上たっても、土砂が広島市安芸区や安佐北区の被災地の直後の状態並にまだ堆積しており、息をのんだのを記憶しています。

さて、この日はまず、早朝、坂町役場前で街宣。れいわ新選組は、国家公務員給与の引き下げに反対し、現場公務員は非正規を正規にすることもふくめてふやす方針です。いま、立憲民主党さんさえも給与の引き下げに賛成し、連合も芳野会長が報道されているように労働者の味方とは正反対の状況です。

筆者は、演説では立憲批判は避けつつ、公務労働者の皆様が安心して町民のための仕事ができる環境を整える政策はれいわが一番である、などと訴えました。

続いて、呉線で小屋浦地区へ移動しました。バスも検討したのですが、なにぶん本数が少ないので(右の写真の時刻表)断念しました。

小屋浦地区の街宣ではさとうしゅういちとれいわ新選組の「何があっても心配するな。そんな国をあなたと一緒につくりたい」政治姿勢を紹介。

「ガツンと財政出動」で「コロナの前から厳しくコロナが追い打ちをかけ、さらにロシアのウクライナ侵攻による輸入物価高騰でおいこまれているあなたの暮らしを底上げする」「内外の災害に対応する災害救助隊の創設」や「減らしすぎた自治体現場の公務員をふやして危機管理を強化するとともに雇用をふやす」政策、また「安くて追い出されない住宅」で災害にあっても心配ない国を、などとうったえました。

さらに、大水害となった川沿いのお宅を一軒ずつ訪問しました。「4年前の水害でボランティア活動にうかがいました。その後、どんな様子か気になりおじゃましております。」とご挨拶をさせていただきました。


◎[参考動画]小屋浦駅前での街宣の様子の動画

写真中央は筆者。左が2018大水害、右が明治大水害の石碑

「災害が原因でスーパーの機能を果たしていたJAが撤退して買い物難民が増えている。移動販売だのみだ。」など、一定程度復旧が進んだかに見えた中でも多くの課題が発生していることをうかがいました。

ある程度上流にある小屋浦公園には、明治時代の水害と今回の西日本大水害2018の水害の石碑が並んでいました。

100年前の教訓を生かしきれなかった地元の皆様の痛恨の思いがよくつたわってきました。

◆少なすぎる呉線の普通電車、やはり市場原理主義ではない交通政策を!

さて、次は竹原に13時集合で街宣です。ところが、筆者は、小屋浦の地元の方との話に夢中になっていて、11時9分小屋浦発の普通電車に乗り遅れてしまいました。

次の普通電車は12時9分です。これでは大遅刻です。

仕方なく、坂までいちどバックして、改札を出て、入りなおし、そこから11時45分発快速で広へ。広で乗り換え13時7分に竹原入りし、支持者の皆様と合流しました。

呉線の広島ー呉は、日中が快速ばかりで普通電車が一時間に一本は少なすぎます。小屋浦とか快速通過駅の人は不便です。本数を増やした方が利用者も増えるでしょう。

もちろんJR西日本だけの責任ではありません。JR西日本は民間企業である以上、極端な話、『赤字だから廃止』と言われたらお手上げです。

しかし、公共性を鉄道に求める以上は、市場原理とのギャップを埋める必要があります。欧州のような上下分離方式(線路は国や自治体が持ち運行を民間がやる)の導入などが必要だと思います。活動の中できちんと国政で取り上げるべき課題が見えてきます。

◆県内唯一の合併拒否市の竹原でも街宣・憲法アンケート

さて、竹原入りした筆者は駅から少し歩いた竹原市役所・ゆめタウン竹原付近で街頭演説を行いました。


◎[参考動画]竹原市役所・ゆめタウン竹原付近で街頭演説

竹原市は県内86市町村が23に激減したいわゆる平成の大合併において、県内の市では唯一、合併を選びませんでした。

一方で、竹原市は瀬戸内海気候が極端な地域で、北海道以外では、日本でも一番雨が少ない部類の地域です。しかし、西日本大水害2018では大きな被害をうけ、道路や橋などの復旧もずれにずれこみ、3年以上かかったそうです。

昨年の参院選再選挙2021でうかがった竹原駅のセブンイレブンで昼食を買おうとしたら、閉店しており、腰を抜かしました。筆者は空腹を極めていたため、少々古い言葉を使うなら「ガチョーン」という気持ちでした。しかし、これが現実なのでしょう。新型コロナによる竹原の主要産業である観光への打撃も大きかったことを痛感しました。

竹原市役所・ゆめタウン竹原付近では筆者が、れいわ新選組の政策をご紹介する街頭演説をおこない、また、チーム広島の皆様は憲法についてのアンケートを行いました。

筆者は、市役所の皆様にむけては、竹原市が県内の市では唯一合併せずに独自のまちづくりをされていることに敬意を表しました。合併した自治体ではたしかに市役所も駅前もきれいになったが、合併された地域で人口の急減が止まらないなど問題がおおい、と指摘。そのうえで、「地方分権」と称して合併をさせた上で、財源や人の手当てをせずに仕事だけ丸投げしたこの2,30年の政治を改めたい、職員の皆様が市民のために安心して仕事ができるように、不足している公務員は非正規を正規にすることも含めてふやす、公務員という形で人が来たら地域にも活気が出る、などと力をこめました。

竹原・三原の市議会で反対の決議が可決されているのに許可されている産業廃棄物処分場問題についても言及。「日本の安定型処分場はざるのようなものだ。新規のものは禁じる法律をつくるべきだ。」などと訴えました。

[写真右]閉店した竹原駅のセブンイレブン。[中央と右]れいわ新選組チーム広島が行った憲法アンケート

一方、れいわ新選組チーム広島の皆様は、ゆめタウン竹原に買い物で出入りされる皆様に憲法アンケートを実施しました。多くの皆様は、自民党がやろうとしている憲法「改正」の中身は把握しておられないようです。その中で、国民民主党や「維新」などが、自民党以上に拙速に改憲を突撃隊的にあおり立てている状況もあります。

筆者も、「自民党が安全保障をきちんとやらないから他の政党でやってほしい」という人が維新に期待している状況を街頭で感じています。しかし、その安全保障の中身も問題です。食料をほとんど自前でつくれない、原発という弱点だらけの日本が軍備だけ増やしてどうするのか?という基本的な問題意識も維新などからはすっぽり抜け落ちていますが、勢いだけはあります。

今夏の参院選で自公はもちろん、維新・国民を躍進させないようにしつつ、ガツンと庶民のくらしを重視するれいわ、共産、社民、立憲良識派を増やしていく。その上で、冷静な議論をするよう呼びかけていくしか当面はないと感じます。

◆独自のまちづくりに奮闘する竹原市民

街宣終了後は、竹原の街並み保存地区を堪能しました。竹原の旧市街は重要伝統的建造物保存地区に選定されています。NHKの朝ドラ「マッサン」で有名になった竹鶴酒造などもあります。一行は古民家を利用した喫茶店で休息しました。店主もふくめ、合併をしなかったぶん、独自のまちづくりに奮闘されている気概が街中からつたわってきました。

竹原の旧市街

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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『紙の爆弾』と『季節』──今こそ鹿砦社の雑誌を定期購読で!

広島県呉市は広島県南部の沿岸部の中核市に指定されている中規模都市です。広島市から呉市まではバスでも電車でも約40分。人口は21万2597人です。その呉市は、いろいろな意味で「最も広島県らしい」街です。

◆軍事都市から重厚長大産業へ、しかし、海外派兵再び

第一に、明治時代から第二次世界大戦敗戦までは軍事都市として栄え、戦後、すなわち昭和の中期から後期は重厚長大産業で成功したという点です。広島市は日清戦争のときは、天皇や総理大臣、帝国議会が置かれた首都であり、原爆投下の時点では第二総軍の司令部がおかれ、陸軍の西日本の中枢でした。いっぽうで、呉市はその港としての条件をいかして、海軍最大の拠点となり、戦艦大和が出撃したことでも有名です。

戦後は旧軍港都市転換法を日本国憲法に規定された住民投票で可決。造船や鉄鋼、原発製造などの重厚長大を軸とした産業都市として栄えました。いっぽうで、海上自衛隊もおかれ、2001年のアフガンや2004年のイラクの戦争にも後方支援とはいえ派兵されています。広島市と広島市に包囲されている安芸郡海田町は陸上自衛隊があり、イラク戦争後方支援に派兵されました。

◆1975年の「成功体験」を卒業できぬうちに衰退

第二に、過去の成功体験からの卒業ないし転換ができないうちに人口の流出や既存産業の衰退で苦しんでいる点です。広島県は、1975年、一人あたりの県民所得が日本で第三位に躍進しました。ちょうど、重厚長大産業による日本の経済成長が頂点に達した直後であり、地元の球団・広島カープが山本浩二や衣笠祥雄らの活躍でセ・リーグ初優勝した年でもあります。一定年齢以上の県民にはこのときの「成功体験」が忘れられない傾向があるのも仕方がありません。

呉駅前

これは与党の支持者については、腐敗した議員を腐敗していると分かっていて投票し続けることにもつながります。現実に河井案里さんから最高金額をもらった県議(略式起訴され、辞職)は呉市の選出でした。

一方で、野党側にも原発製造ふくむ重厚長大産業労組の影響が強くあります。新しい経済をどう構想していくか? そういう力強い議論をどの既存の政党からも出てこないのも、過去になまじ成功体験があるからです。

また、保守だけでなく、いわゆる左派・リベラルの側にも、若手へのマウンティングの気風を根強く感じます。

しかし、そうこうするうちにも、2021年の広島県の人口転出超過は7159人と都道府県で最多となっています。とくに呉市は、2020年の国勢調査では5年前とくらべて13960人減少で中国地方の自治体ではワースト1です。呉駅前(写真)も2013年にそごうが閉店したあと、閑散としています。さらに、2021年には、日本製鉄(昔は日新製鋼、吸収合併された)の高炉閉鎖や原発製造企業の衰退、さらには高校の廃校問題などが追い打ちをかけています。

◆「地方分権」という名目の新自由主義の弊害

第三に、「地方分権」という名による新自由主義の弊害をこうむっている点です。総務省は、市町村合併をすすめ、そこに、国や都道府県の仕事を十分な財源や人の移譲もないまま丸投げしました。とくに、藤田雄山前知事(故人)は総務省のいいなりで市町村合併を推進。県内で86あった市町村を23市町に減らすとともに、県の仕事を市町に丸投げしました。

呉市も呉市・音戸町・倉橋町・蒲刈町・安浦町・豊浜町・豊町と7つの市町をひとつにまとめました。しかし、「合併により、島嶼部の旧町を中心に埋没し、かえって活力が低下した」(県内の自治体相手の事業もてがける会社経営者)のです。また、新型コロナ、そして、西日本大水害2018などへの対応にも支障をきたしています。とくに、吸収合併された地域を中心に事態は悪化しています。

こうした呉市ですが、他の広島県内同様、政治的に非常に保守的です。呉市を中心とする広島5区は2009年の民主党旋風時以外は自民党(宮沢派→岸田派=宏池会)議員の圧勝です。なお、2009年に当選した民主党議員は宮沢喜一元総理の秘書を務めていたという特殊事情がありました。

◆呉で初めてのれいわ新選組街頭宣伝 市民の意識の変化を実感

こんな呉市ですが、2022年参院選を前に、れいわ新選組チーム広島は4月5日(火)呉市において、初めての街頭宣伝を行いました。筆者が記憶する限りでは、2019年のれいわ新選組結成以降、広島市や福山市では山本太郎代表による大規模集会や街頭演説を行っていますし、東広島市と廿日市市では、衆院選2021で街宣車を回しています。しかし、呉市では初めてです。一方で、参院選再選挙2021はもちろん、それ以前も何度も筆者は個人としては街頭演説をしています。

今回は、朝の始業時間前に呉市役所前、そして9時30分からは呉駅前で街頭宣伝を行いました。市役所前では出勤してこられる職員にメンバーがれいわ新選組のチラシをお渡しし、筆者が演説するという形をとりました。

筆者は公務員をふやす、非正規は正規にしていく、公務員ボーナス引き下げには反対、地方に十分な財源を保障など、れいわ新選組の政策を紹介。「れいわ新選組こそ、市役所職員の皆様が安心して市民のために仕事をできるような政策であると自信をもってお薦めできる。」と断言。

また、重厚長大産業の衰退に対しては「食料安全保障や原発なきエネルギー安全保障、グリーンニューディール政策にれいわ新選組はガツンと投資をする。呉でいえば、重厚長大産業の跡地で食料生産やエネルギー生産をする方向も考えられる。」と提案。一方で、「県庁マンのころとくらべて介護の現場は仕事の割に給料がひくすぎる。介護や保育の給料10万up実現に公務員の皆様もご協力を!」「奨学金チャラ、教育費タダで若い人に元気を!」などとかつての仲間に力をこめて訴えました。

筆者は「元県庁マン」であり、職員の皆様と同じ労働組合で長年、役員もさせていただいています。筆者をご存じの職員も多く、チラシの受け取りも上々でした。実は、れいわ新選組のチラシの受け取りは役所の前では非常に良いのです。その傾向が呉市でもあてはまりました。

買い物客や通院のお年寄りが多い駅前では、消費税廃止やガソリン税ゼロ、国保料減免などの負担軽減策を訴えるとともに、食料安全保障にも力点をおきました。「ロシアやウクライナで蕎麦の半数以上を生産している状況だ。国内でつくれるようにしないと、お好み焼きも食べられなくなる。」と指摘。農業だけでなく、漁業や畜産もふくめた食料生産者へのコストの保障を訴えました。

◎参考動画 呉駅前での街頭演説の様子
https://www.facebook.com/satoh.shuichi/posts/10227473667486248

「さとうさんが演説しているのを見て立ち寄った。れいわ新選組のポスターを家に張りたい」と申し出られる女性。

「(あなたは)堂々と自分の考えを述べている。はじめて、サムライをみた。民主党がなにもしてくれなかったからまた世論の支持は自民党に戻ったが、自民党の暴走は困る。がんばってほしい。」という男性。

様々な激励をいただきました。2021年、高炉の閉鎖や原発製造企業の衰退、高校の廃校問題などで呉は大きく揺れました。そうした中で、呉市民や市役所職員の皆様の「地域の将来への危機感」を強く感じました。

今後とも皆様と対話をかさねながら、「財政出動であなたの暮らしを立て直す」短期の政策、そして、「食料安全保障や原発なきエネルギー安全保障に投資」し「重厚長大産業中心」から卒業するグリーンニューディール政策、もちろん、核兵器をなくし、外交で緊張緩和を進めていく筆者やれいわ新選組のビジョンをこの呉市でもガツンと訴えていく覚悟です。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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