ガザ虐殺を止めろ! 原爆ドーム前でも行動相次ぐ NO WAR NO KISHIDA 11・3ヒロシマ憲法集会2023 さとうしゅういち

パレスチナ・ガザ地区では、イスラエルの総理・ベンヤミン・ネタニヤフ被告人※による攻撃で子どもを中心に多数の犠牲者が出ています。こうした中、広島でもネタニヤフ被告人に対してガザでの虐殺を止めるよう要求する行動が行われています。

(※イスラエルの現総理のベンヤミン・ネタニヤフ被告人は、日本の総理だった故・安倍晋三さんとほぼ同じようなことをやって、イスラエル警察に送検され、検察に起訴され、現職総理のまま被告人になっています。妻のサラ被告人も日本の安倍昭恵さんとほぼ同じことをやったとして罰金刑が確定しています。ネタニヤフ被告人は安倍さんと違い、野党共闘に打倒されましたがすぐに返り咲き、イスラエルの司法を日本の司法のように総理=行政府に忖度する司法に改悪しようとしています。)

このうち、11月3日の文化の日=日本国憲法公布記念日には原爆ドーム前でNO WAR NO KISHIDA 11・3ヒロシマ憲法集会2023が行われました。

 
広島市立大学准教授の田浪亜央江さん

各界のアピールの中では、広島市立大学准教授の田浪亜央江さんが中東研究者として発言。

「なんでこれまでもっとガザについて発信してこなかったのか? 後悔している」と振り返りました。

「かろうじてアメリカとは一線を画して中東アラブ諸国との関係を維持してきた日本が安倍政権下で特にイスラエルとの関係強化を図り軍事協力を進めてきた。その日本の責任は本当に大きい。日本のこの間のイスラエルとの軍事協力強化その動きは世界的に見ても突出している。」

「安倍政権で武器輸出3原則が変更され、原則自由、紛争当時国のみは除外するということで日本政府はイスラエルを紛争当事国と認めなかった。しかし今少なくとも、日本政府の立場に立っても今こうやって日々ガザの虐殺を進行しているイスラエルが紛争当事国でないわけはない。」と指摘。

「今私たちがすぐできることとしてイスラエルと日本の軍事協力をすぐに辞めさせることだ。自衛隊とイスラエルはもうすでに軍事協力共同研究を進めてきている。是非この場を借りてこのことを訴えたい。」と強調しました。

田浪さんたちは、毎日17時半、原爆ドーム前でガザ虐殺を止めろとスタンディングを行っておられます。じっと立ってくださるのでも構わないということです。夕方、広島市都心部に来られる方はちょっとでも良いのでのぞいてくださると幸いです。連絡先 tanami1012@yahoo.co.jp 

◆イスラエル=侵略者という原点

たしかに、ハマス政権(2006年のパレスチナ総選挙で勝利している)が、10月7日、ガザに対しては主に封鎖・武力行使、ヨルダン川西岸に対しては主にユダヤ人の入植という形で侵略を続けているイスラエルへの「反撃」を行いました。ただ、この「反撃」は民間人の拉致などを含むもので、国際人道法違反です。東京裁判に当てはめればいわゆるC級戦犯です。国際人道法は、侵略・攻撃側だけでなく、防衛側も守らなければならないものです。例えば、第二次世界大戦において、先に手を出した日本への米国の自衛権はあるが、東京大空襲や原爆投下は国際人道法に反します。ただ、世界最強の国・米国を裁けるような力を持った主体がないというだけです。

ところで、イスラエル自体が1948年の第一次中東戦争以降、とくに1967年のヨルダン川西岸やガザも含めた広範囲を侵略した第三次中東戦争以降、ずっとパレスチナ人を侵略してきました。そして、米国の仲介でパレスチナにおけるイスラエルとパレスチナの「二国家並立」で合意した1993年のオスロ合意以降も、イスラエルは約束を守りませんでした。特に、シャロン元首相が聖地訪問を強行してムスリムを挑発した2000年以降のイスラエルのやったことは酷すぎた。ヨルダン川西岸にはユダヤ人入植を続け、ガザは天井のない監獄状態に置かれてきた。そして、断続的に戦闘が行われ、多くの場合はイスラエルによるパレスチナ人への一方的な殺戮となった。上記の状況がある中で、ハマス政権による反撃が行われたわけです。

イスラエルがこの75年間ないし56年間やってきたことはいわば「平和に対する罪」であり「戦争犯罪」です。もちろん国際人道法にも反しています。東京裁判に当てはめれば、いわゆるA級戦犯、B級戦犯、C級戦犯すべてを含んでいるのが、これまでにイスラエル政府がやってきたことです。

◆G7広島、イスラエル全面支持の「こんな人たち」を集めた黒歴史だった

にもかかわらず、特にハマス政権による「反撃」当初は、米英仏独伊加といった日本以外のG7首脳は一致団結して一方的にイスラエルに与しました。言うなれば旧白人帝国主義国家の醜悪な面を嫌というほど見せつけられました。

ウクライナのゼレンスキー大統領もイスラエルを全面支持してしまいました。ウクライナについていえば、残念の一言です。侵略者イスラエルを一方的に支持したことに一片の正義もない。そして、ロシアに対する「ウクライナ防衛」という大義名分を自ら投げ捨ててしまいました。ゼレンスキー大統領は調子に乗ったのか、最近の「反転攻勢」が上手くいかずに焦っているのか、どちらかわかりませんが、ともかく、自分で自分の首を絞めてしまいました。これで、グローバルサウス諸国の中には、ウクライナーロシア戦争について「白人同士で勝手にやっておけ」という本音になってしまった国も多いのではないかと思います。ゼレンスキー大統領が支持を失うのは自業自得としても、巻き添えを食うウクライナ国民にとってはこのことは悲劇ではないでしょうか。

筆者は改めて「こんな人たち」(米英仏独伊加首脳+ゼレンスキー)を広島に集めたG7広島サミットは、広島にとって「黒歴史」だった、ということを改めて強く確信しました。

さらにこんなサミットの誘致を「評価」したり「期待」したりしてしまった、特に左派野党の政治家たちには反省していただきたいものです。

◆日本も米国の「最初は煽って後から梯子外し」にご注意!

さて、当初、米国は「ハマスは純粋な悪」(バイデン大統領)などと言ってイスラエルを煽りました。それにも支えられてネタニヤフ被告人が調子に乗って虐殺しまくっている面は否定できません。だがその後、国際的なイスラエル批判の世論を見て、だんだん、米国も一時戦闘停止などを言いだすようになりました。これをイスラエル側から見ればある種の梯子外しとも言えます。もちろん、米国でさえも距離を置かざるをえないこんな大虐殺を引き起こしたネタニヤフの自業自得ではあります。それでも、日本にとってはこれを他山の石としなければなりません。

米国の高官やマスコミは、2022年ころから2023年の前半くらいに、特に「台湾有事」を煽り立てました。それに呼応して麻生太郎さんらが「台湾(中華民国)とともに戦う覚悟」などと勢いづきました。

だが、そもそも、米国も日本も中華人民共和国が中国を代表する政府だ、と認めています。台湾を中華人民共和国軍が武力攻撃するような事態は絶対に避けなければならない。中華人民共和国とて、台湾=中華民国=の半導体には大きく依存しています。

しかし、万が一起きたとしても、日本に少なくとも武力で手出しをする権利は全くありません。「日本の安全保障に関わるから」程度で出兵したのならロシアのプーチン大統領によるウクライナへの自称「特別軍事作戦」と変わりません。日本はプーチンに対するのと同様の非難を米国以外のほとんどの国から浴びかねません。そして、「侵略者」の汚名を着た日本は中華人民共和国軍に「侵略への反撃」と称した攻撃の口実を与えてしまいます。そうなると、米国は米国で「俺たちは知らない」と米軍をグアムあたりに退避させることもあり得ます。下手をすれば南西諸島は中国軍の「日本による侵略への反撃」と称したミサイル攻撃にさらされます。またも沖縄は中央政府の捨て石にされる。本土に住む我々も、食料やエネルギーが止まり、下手をすれば日本が経済制裁の対象にでもなったら餓死よりほかなくなります。

今回のガザ戦争拡大における米国によるイスラエルを「最初は煽って後から梯子外し」について、日本人は刮目しておく必要があります。

日本国憲法9条とはまさに手を出して自滅しないようにする安全装置である。9条がありながら、台湾有事という名の中国の内戦にのめりこみ滅亡、などというバカげたことにならないよう、日本政府をチェックしなければなりません。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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伊方原発広島裁判大詰め、2024年6月頃結審へ さとうしゅういち

四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを求めて、筆者自身も含む広島県民を中心とした住民が2016年3月11日に広島地裁に提訴した伊方原発広島裁判は大詰めを迎えています。

いま、地元を選挙区とする岸田総理がグリーントランスフォーメーション、脱炭素と自称して、原発推進に舵を切っています。3.11のフクシマ以降、民主党政権後半から安倍政権にかけて曲がりなりにも継承されていた脱原発ないし(自民党のマニフェストにも小さくですが記載されていた)脱原発依存も反故にされました。

また、総理の政策転換も背景に関西電力が高浜原発などの運転を再開。そこで発生した核のゴミを上関に押し付けようともくろみ、上関原発建設のめどが立たずに苦しんでいる中国電力と利害が一致。上関への中間貯蔵施設を計画し、この夏の短期間で町長にのませてしまいました。そうした中で、本裁判は終盤を迎え、2024年6月頃、結審になろうとしています。

本裁判のここまでの大まかな経過をおさらいしますと、以下のようになります。

◆同時進行の運転差し止め仮処分を高裁はいったん認めるも覆る

 

2016年3月11日の提訴と同時進行で原告=住民側が仮処分を申し立てました。これは、本裁判の判決を待っていたら、その間に伊方原発が事故を起こしてしまう危険があるからです。

紆余曲折を経て、2017年12月13日、広島高裁がいったんは仮処分を認めました。しかしながら、四国電力から異議が申し立てられ、2018年9月25日に四国電力の異議を認める形で運転差止が却下されました。そして、我々原告=住民側が新たに申し立てた仮処分申請も2021年11月4日、吉岡裁判長により却下されてしまいました。その後、我々は広島高裁に抗告しましたが、2023年3月24日、脇由紀裁判長により仮処分の申し立てはが却下されてしまいました。

◆これまで41回の口頭弁論

2023年11月1日現在、41回の口頭弁論が行われました。

2023年9月11日の第38回口頭弁論では、元広島大学准教授で地質学者の早坂康隆さんが原告側の証人として証言。四国電力が伊方原発は岩盤の上にあるから大丈夫という趣旨の主張をこれまでしている中で、早坂さんは伊方原発のすぐ北側600mの海底にある中央構造線は危険な活断層であることや伊方原発がある佐田岬半島は、ダメージゾーンにありひび割れだらけであることを暴露しました。

 
東日本の広い地域が、放射性廃棄物と同等の放射能汚染に覆われている(写真の黄色以上に濃い色の点が該当)

2023年10月4日の第39回口頭弁論では原告側証人尋問として、福島第一原発事故による避難者である鴨下美和さんと久保山康代さんが証言しました。鴨下さんは2022年12月14日に意見陳述をする予定でしたが、直前に被告の四国電力からの要求で裁判所が陳述を認めなかったという「事件」がありました。夫婦で放射性物質も扱う仕事をしていた鴨下さん。東日本の広い地域が、放射性廃棄物と同等の放射能汚染に覆われているという趣旨の指摘を行いました。

また、国の避難指示区域外からの自主避難のために賠償金は出ず、大変過酷な避難生活になったこと。先に避難した鴨下さんに対して、夫はいわきに残りましたが国の避難指示が無かったこともあり、『いわきは汚染などしていない、全く問題がない』と信じている周囲の人たちの中で、罵声を浴び、孤立したこと、若い人の突然死に二度も立ち会ったことから憔悴し、二年後に避難したことなどを回想。『願わくは、私たちのような思いをする人が、二度と出ないように。これ以上、原発によって国土が汚染され、人々の暮らしが歪められないように。祈りを込めて、私は、伊方原発の再稼働に反対します。』と結びました。

同10月11日の第40回証人尋問は原告側の野津厚さん(国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所、 港湾空港技術研究所領域長)の証人尋問の続きで、被告四国電力側による反対尋問が行われました。伊方原発が南海トラフ巨大地震の想定震源域のほぼ北西端に位置していることはよく知られていますが、四国電力は、「M9南海トラフ巨大地震が伊方原発敷地直下約41kmの地点を震源または強震動生成域として発生しても最大地震動は181ガルである。」と主張しています。

野津さんは、強震動地震学の専門家として、2011年のM9東北地方太平洋沖地震によって発生した地震波の研究から、南海トラフ巨大地震のようなプレート間地震では、致命的な地震波(キラーパルス)は一辺が数十kmのような大きな断層面(SMGA)から平均的に襲来すると考えるよりも、一辺が数kmのような小さい断層面(SPGA)から襲来すると考えた方が、実際の観測記録とよく一致するとして、キラーパルスの発生源はSPGAと想定しています。そして、野津さんはもっとも強力なSPGAを伊方原発に近いところに配置し、強震動計算を行ったところ、最大地震動は約1900ガル、地震波の最大速度が秒速約138cmという結果を得ました。なお、この計算では、伊方原発敷地は非常に強固な岩盤の上に立地しており、地震波の増幅特性はほとんどないものとして想定していますが、それでも、伊方原発の基準地震動650ガルの約3倍に相当します。

同11月1日(水)、第41回口頭弁論では、原告側の高島武雄さん(熱工学の専門家。元小山高専教授)への水蒸気爆発をテーマとしての証人尋問が行われました。福島原発事故の時、溶融炉心が原子炉建屋内のコンクリート構造に反応して水素が発生し(「MCCI」)、水素爆発が発生しました。

四国電力は水素爆発の防止策として、こともあろうに原子炉容器の底部(キャビティ)に水を張ることにしました。これだと溶けた炉心は水の中に落ち、なるほどコンクリート構造に接触しませんからMCCIは起こらず、水素爆発のリスクは大幅に軽減されます。しかし1000度以上に溶けた炉心が水に触れたとたん大規模な水蒸気爆発は起こらないのかという重大な疑問が起こります。常識的には水蒸気爆発の危険があると考えるのが普通です。しかし四電は「起こらない」と断言します。原子力規制委員会でこの問題の審査が行われた際、委員長の更田豊志さん(=当時)が「水蒸気爆発は起こらないと決意しなければ、なかなか水は張れませんね」と意味不明のコメントをしておられます。

「水張り」で大規模水蒸気爆発は起こらない、とする四電の主張の根拠は、過去に行われた国際的な研究や解析(経済開発協力機構=OECD のトロイ装置やクロトス装置を使った研究、欧州委員会のファロ研究、韓国原子力公社のコテルス研究など)から導いた結論です。ところが、肝心要のOECD の「セレナ研究」の結果を全く無視しているのが大きな特徴です。そのセレナ研究では「実際の原子炉内で大規模な水蒸気爆発が起こらないという確実な証拠がない以上、水蒸気爆発は起こると考えておくべき」という趣旨の結論を導いているのです。

◆今後の予定

今後は、以下のような予定です。

11月29日(水)10時半~、被告・四国電力側証人の金折裕司さん(山口大学 理工学研究科 教授)に対する『活断層』をテーマとした証人尋問が行われます。

12月18日(月)13時半~原告側証人の原告 伊藤正雄さん(原告団副団長)/証人 渡辺美和さんに対する証人尋問が行われます。

2024年1月22日(金) 13時半~ 原告側証人の原告 森本道人さん/原告 福島敦子さんに対する証人尋問が行われます。福島さんは2022年1月19日の第26回口頭弁論でも意見陳述をされています。南相馬市から京都へ避難した福島さん。この意見陳述では『福島市の避難所では「死ぬときは死ぬのだ」があいさつだった避難所の生活は忘れられなかった』『娘は「フクシマゲンパツ」とあだ名をされたこともあった。その日その日を精一杯「生きる」ことで過ぎていった』などと振り返っておられたことが筆者も昨日のことのように思い出されます。

なお、予定は変更の可能性もあります。
直近に原告団のホームページをチェックしていただければ幸いです。
https://saiban.hiroshima-net.org/

広島選出の岸田総理が全国の皆様にいろいろご迷惑をおかけしていることを深くお詫び申し上げますともに、伊方原発ストップ、また上関中間貯蔵阻止という結果をお届けできるよう、筆者も奮闘して参ります。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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岸田総理の選挙区内・海田町長選挙でびっくり仰天!「三バンなし」43歳新人が自民推薦現職に番狂わせの「KO勝ち」! さとうしゅういち

◆「三バンなし」新人が自民推薦現職破る!

筆者は介護福祉士として広島県安芸郡海田町(かいたちょう)でも仕事をしております。2023年11月5日執行の海田町長選挙は、びっくり仰天の結果になりました。

岸田総理の選挙区内で、新人でほとんど支持団体や組織もない竹野内けいすけさんがなんと自民党推薦で3期目を狙う現職を1000票以上の大差で破る結果になりました。地盤、看板、カバンのいわゆる「三バン」があまりない候補が現職に勝った。ボクシングで言えば挑戦者が二度目の防衛を狙う王者に番狂わせのKO勝ちというところです。

海田町長選挙開票結果      投票率 38.29%
竹野内けいすけ 無所属新人       5133
西田祐三    無所属現職(自民推薦) 4035


◎[参考動画]広島・海田町長選 首相のお膝元で自民推薦の現職敗退 影響は?(広島テレビニュース 2023/11/06)

 
竹野内けいすけさん(右)と筆者(左)

◆広島市に包囲された「豊かな町」

海田町は、人口約3万人。筆者が住む広島市に包囲されるような地形になっています。2003年に広島市との合併協定に調印するも2004年に住民投票で撤回されました。背景には陸上自衛隊駐屯地や同じ安芸郡内府中町(ただし広島市により同じ安芸郡なのに分断されている。)に本社を置くマツダの関連工場が多くあるために財政が豊かであること、瀬野川と湧き水を利用した上水道が独自にあり、太田川を水源とする広島市と合併してしまうと、水道代が暴騰することが懸念されることなどがありました。

海田町は面積が狭いが、それだけにコンパクトな街の構造で、非常に暮らしやすい町と言われています。2022年には合計特殊出生率が1.86と日本全国平均はもちろん、先進国では出生率が高い部類のアメリカよりも高くなっています。同町は豊かな財源を活かしつつ、県内では子育て支援は充実している部類に入っています。

◆広島市職員を辞めて退路を断った竹野内さん

竹野内けいすけさんは今年43歳。海田町の筆者の勤務先のご近所で小さな建設会社をご両親が営むご家庭に育ちました。広島大学付属高校・大阪大学ご卒業後、京都市職員、そして広島市職員を20年間、務められました。2023年8月31日に広島市役所を退職して退路を断ち、3期目を目指す現職に挑むことを決意されました。

広島市役所と言っても、海田町自体が広島市に包囲されているような地形ですから、海田町から広島市役所に務める人も多いですし、逆に海田町役場に広島市から通う人もたくさんおられます。そして、竹野内さんご自身は町民として海田でずっと暮らしておられるわけですので、その点、不安がありません。

ちょうど筆者が、2011年1月31日に広島県庁を退職し、4月の広島県議選に挑んだことが昨日のことのように思い出されました。

ただ、地方選挙の特徴として、例えば海田町なら海田高校、そして大学も広島大学など地元出身の方が有利なものです。例えば、高校、大学とも県外の筆者はその点は不利ですし、竹野内さんの場合も、やや不利な点は否めないと思い、心配していました。

◆「エライ人」暴走に歯止めを掛けてほしいと

海田町議会では現町長の問責決議案が毎年のように可決されています。やはり、町民的な合意形成が不十分なまま、物事を進めていく現町長の在り方には筆者も危機感を持っていました。また、広島県内を全体的に見ても、住民の意見を十分に聞かずに、首長や教育長など「エライ人」だけで物事を進めてしまう状況が目立ちます。その結果、後からいろいろな問題が噴出するなどしています。

そうした中で、町民との対話集会を開くことを公約するなど、対話重視の町政への転換を訴えている竹野内さんに筆者も期待したものです。

 
手作り感満載。竹野内さんの選挙カー

◆手作り感満載の選挙カー

10月31日の告示日、竹野内さんの出発式は9時半からでした。ご両親の会社を兼ねた自宅を事務所とし、その玄関先に椅子を少数並べたものでした。現職はもちろん、国会議員、県議会議員、近隣首長など多数の応援を得た組織選挙です。

竹野内さんは、出発式を待たずに8時半過ぎに七つ道具を選管から受け取るとすぐに自宅兼会社の駐車場から選挙カーを発進させました。

なんと、竹野内さん自らが、脚立に載って、選挙カーの除幕を行う有様でした。筆者もお手伝いさせていただきましたが、間近に拝見した選挙カーの看板はまさに手作りそのものでした。正直、大丈夫かなと思いましたが、まあ、町長選挙は5日だし、国政や県政に何度か立候補し、他人の選挙参謀も務めた筆者の経験からしても5日くらいは大丈夫だろうと感じました。あまりお金をかけないという姿勢も大変好感しました。

◆ギリギリで差し切れれば御の字と思ったが

正直、相手はいくら評判が悪いとはいえ、現職で知名度は抜群。若い竹野内さんへの期待は日に日に高まってはいるが、なかなか厳しいだろうと思っていました。

最後にぎりぎりで差し切って、例えば100票差以内の勝利というのが筆者の想定する最も良いシナリオでした。

しかし、冒頭にもご紹介したとおり、なんと1000票以上の差をつけて、現職を破ってしまったのです。

投開票の翌朝=6日朝、筆者はいつもどおり出勤する前にお祝いの言葉を申し上げに竹野内さんの事務所に伺いました。親御さんによると、「本人もこの結果には驚いている」ということです。筆者も35%くらい竹野内さんが勝つ確率はあるが、勝っても僅差だと思っていたので驚きました。高齢者の中でも「若い人に任せないといけない」という声が確かに日に日に高まっているとは伺っていましたがまさかここまでの結果とは?!

◆「世代交代」「対話重視への転換」への期待を自民党の組織力で抑えきれず

今回の選挙を総括すると「若手への期待」「もっと対話を重視する行政への転換への期待」を「自民党の組織力」が抑え込むことができなかったということです。国政選挙と違って自民党の不人気が直接的に現職落選につながったかどうかはわかりません。ただ、新人への期待の流れを押しとどめるほどの組織力はいまの自民党広島県連にもないというところではないでしょうか?

本当に自民党が強かったら、竹野内さんのように支持団体が全くない状態から現職に挑んだ方が勝つのは難しかったでしょう。間違いなく自民党の弱体化は岸田総理の選挙区でも起きているのでしょう。

ただ、正直、「残念ながら」現時点では、いくらなんでも広島1区(中区、東区、南区、府中町、海田町、坂町)での岸田総理の落選につながるほどのことはないようにも思います。

◆自民は総理地元でも沈没中だが野党もパッとしない

ただ、他方で、露骨に野党が推薦したらたぶん、「いまの岸田さん、自民党に失望」「現町長に失望した」保守層の取り込みが難しかったでしょう。結果論ですが、支持団体がない、完全無所属での立候補が奏功したのではないでしょうか?

実際に、同時に執行された町議補選(改選数2)では29歳、39歳の無所属新人が当選しました。正直、筆者の海田町在住の同僚たちも「なぜ、この人たちがここまで票を伸ばして受かったのか?よくわからない。」という声が多数でした。

また、唯一の政党公認の共産党元職は補選候補者の中では抜群の知名度を生かせませんでした。次点にもならず4位に終わりました

自民党・岸田総理は目下、地元でも沈没中だが、野党も今一つ、ということが読み取れます。

◆海田町政の今後に注目

ともかく、まずは竹野内さんが公約通り、対話を重視する町政運営をきちんとやるかどうか?

まずは、街づくりの計画策定へ対話を進めていかれるそうです。筆者は隣の広島市民であり、海田町民ではありませんが、同じ広島都市圏の住民として、また広島県民として、注目していきます。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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「広島の衰退」の一因、広島空港移転から30年……今こそ交通の在り方について県民的な議論を さとうしゅういち

広島空港(三原市本郷町)が10月29日、開港30年を迎えました。正確には「広島空港の本郷町移転30年」というべきでしょう。そして、この地域に空港が移転したことが広島の衰退の一因ということは良く地元では言われています。

広島空港HPより

◆元々は広島市内にあったが手狭で豊田郡本郷町へ移転

広島空港は、元々は広島市西区観音地区(天満川と太田川放水路に挟まれた)にありました。この旧広島空港は国管理の空港で、1961年に完成しました。32年間にわたり、広島の空の玄関として機能してきました。しかし、滑走路が短く、ジャンボジェット機が離着陸できない、また航空需要に離発着数の供給が追い付かないということから、新しい空港が1980年代に模索され、結局、豊田郡本郷町(市町村合併を経た現在は三原市本郷町)に1993年に移転しました。

当時、滑走路は南北に伸びており、北側は広島市西区の市街地で、とてもではないが土地買収すれば高い費用が掛かります。さりとて、瀬戸内海を埋め立てて滑走路を広げれば環境破壊との批判はまぬかれません。そうしたことから、地価の安い地域、それも、県内の当時の自民党大物政治家が関係する地域に移転されたという経緯があります。

西区観音地区の旧広島空港は、広島西飛行場と改称され、県の管理する空港に格下げされました。宮崎線や鹿児島線など短距離の路線に使用されてきました。

筆者が広島県庁に入庁した当時の2000年頃の広島では、
広島県=広島空港(本郷町だけに本県の空港機能を集約)
広島市=広島西飛行場も維持して、羽田線も復活させ、東京への本市の利便性を維持したい、
という対立構図がありました。

広島南道路建設のために滑走路を短縮せざるを得なくなりました。西飛行場の機能を維持・拡充したい広島市は南道路をトンネル方式にして滑走路を維持する方向を模索しました。しかし、2004年に橋梁方式での道路建設に県と市が合意。そのため、滑走路の短縮を余儀なくされました。そして、県自体が、空港運営からの撤退を表明。広島市はなおも広島市営の空港化を目指します。

しかし、広島市の秋葉市長の政権末期の2011年3月議会で広島西飛行場を市営空港にする条例案が当時は市長野党だった自民党主流派などの反対多数で市議会で否決されてしまいました。この結果、空港として使える展望がなくなり、2012年に県営のヘリポートになりました。

◆アクセスが課題「広島空港」こと「三原(本郷、白市)空港」

しかし、現広島空港は、正直、広島空港というよりは三原空港ないし、本郷空港、または白市空港(東広島市内の最寄り駅の名前より)と呼んだ方が適切な空港です。

移転当初から、広島空港へのアクセスは重大な課題とされてきました。例えば、九州の中枢都市の福岡空港は博多駅から地下鉄でたった二駅です。一方、広島空港は広島駅からクルマやリムジンバスで45-50分、広島バスセンター(広島県庁や平和公園近く)から55分くらいです。また、鉄道によるアクセスも不便で、最寄りの在来線の山陽線白市駅からバスで15分かかります。マイカーでも空港内の駐車場は全て有料で、無料の駐車場が広がる岡山空港と対照的です。

なお、二葉山トンネル含む高速5号線が開通すれば広島駅―広島空港は38分に短縮されますが、そもそも供用時期が2029年に延期されているうえ、度重なるトラブルでいつ完成するかも分からない状態です。また5号線が完成したとしても、当然、道路交通の泣き所として渋滞による速度低下のリスクは大きく鉄道に定時制では劣ります。

過去にはアクセスのための鉄道も計画されました。JRに県などが打診をしてきたものの、むざむざ自社の新幹線が飛行機に客を奪われる結果になる空港アクセス鉄道をJRがつくるわけがありません。まだ、JRが国鉄であれば、国の指示で、アクセス鉄道を造らせるという手もあったでしょう。しかし、現実にはJRは民間企業です。県内でも芸備線の廃止まで検討しており、空港のために新線をつくるどころではないのは火を見るよりも明らかです。そんなものをJRが作ったらそれこそ、JR西日本幹部が株主から背任罪で告発されかねません。

そこで、広島県自身が独自にアクセスの鉄道を造る計画も検討はされたものの、2006年に凍結されています。

◆東京アクセスの主役から転落!

こうした中で、広島西飛行場から東京へのアクセスの主役を奪ったはずの広島空港も主役を新幹線に奪われていきます。すなわち、2002年度に広島-東京の旅客シェアは航空機 vs 新幹線で62% vs 38%だったのが2008年度には50% vs 50%になり、さらに2016年度には37.3% vs 62.7%となり、現在では新幹線が圧倒しています。

おまけに2012年には強力なライバルとして(岩国基地拡張強化の見返りの側面が強いが)岩国基地を民間に開放した岩国錦帯橋空港が開港しています。同空港は岩国駅から2.5kmです。それこそ、体力に多少の自身がある方なら岩国駅で降りて、歩きながら市内の観光を楽しみつつ、途中の商店街のレストランで食事・休憩をして搭乗、という楽しみ方もできますし、筆者も暇とお金さえあればやってみたいと思っています。もちろん、条件付きですが空港の駐車場も無料です。

かつては西飛行場=旧広島空港が存在意義を問われたのですが、いまや、移転先の広島空港自体が存在意義を問われかねない瀬戸際にあります。

◆交通の在り方について県民的な議論を!

そもそも、何で、こんなに広島市から遠い空港なのか? それをいまさら言っても仕方がありませんが、現実には、新幹線や岩国錦帯橋空港の方が東京へ行くには便利です。海外へいくにしても、広島空港は中途半端です。筆者自身も広島に在住するようになってからの三度の海外旅行(2004年のベルギー、2007年のノルウェー、2009年の韓国)では、広島空港ではなく関西空港しか使ったことはありません。本当は、広島市安佐北区あたりに空港を造ればいいという話もあったし、今となってはその方が良かったと筆者も思うのですが残念ながら今となっては後の祭りです。

もうひとつ、「1990年代に強行された広島市外への移転」が広島衰退の一因となったものとしては、広島大学が広島市から東広島へ移ったことがよく地元では挙げられます。しかし、広島大学については、2023年度から法学部が広島市中区に戻っています。広島市中区には地裁、家裁だけでなく、高裁もあり、それこそ、法学部生の生きた教材がそこにはありますから再移転は正解でしょう。少しでも広島の衰退に歯止めがかかることを願います。

しかし、大学の再移転はできても、空港(の移転)は本当に頭の痛い負の遺産となっています。

もちろん、広島県や広島市だけで解決できる問題でもないでしょう。国全体の交通政策の課題でもあります。しかし、まずは広島県民が交通の在り方についてもっと議論を深めていくことが重要だし、湯崎英彦知事も、県議ももっと、議論を促していくべきではないでしょうか?

例えば、ドライバーなど人材不足の今、
・(高速5号線二葉山トンネルを含め)「三原(本郷、白市)」空港へのアクセスへの投資
・県内各地から広島市への公共交通を維持・充実(バスも鉄道も)させる
のどちらに重点を置いた方が良いか?
ということも問われます。

筆者なら後者に重点を置いた方が良いと考えます。そもそも、冷静に考えて、海外や東京の方が観光をするにしても広島駅で降りて広島市が軸になる時代が今後も続くだろうし、広島県民にとっても、広島市へのアクセス充実・維持をした方がトータルでは生活や仕事の上でも実利があると思われるからです。

「県民によく考えられると困る」政治家も中にはいらっしゃるかもしれませんが、広島県が人口流出全国ワーストワンを二年連続で続ける中、きちんとした議論は避けて通れないのではないでしょうか?

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年11月号

ショボすぎナメすぎの岸田政権 「6000円賃上げ」で止まるはずない介護労働者の流出問題 さとうしゅういち

厚生労働省の分析によると、2022年度に介護で働き始めた人が離職した人を下回り、就労者は前年度から1.6%減となったそうです。

岸田総理は2021年の総裁選や衆院選で介護や保育などのケア労働者の賃金アップを公約。2022年2月から3%の賃上げが実施されました。しかしながら、それは焼け石に水だったことが明らかになりました。

◆求職者がバッティングする他業種で「インフレ手当」出る中でショボすぎた岸田賃上げ

2022年度は他の業界も含む平均で2.28%の賃上げとなっています。しかも、国費投入は2022年度途中までで、10月以降は事業者判断で介護報酬に上乗せする形になっています。これでは、現場に十分に賃上げは行き渡りません。

さらに言えば、流通や飲食、食品など、女性労働者が多くて介護業界と比較的求職者がバッティングする分野に絞ってみると、「インフレ手当」などの形で手当てを出す企業も多くありました。中でもイオンさんなどは2022年度後半にパート時給7%アップを発表しています。もちろん、いわゆる主婦(主夫)の労働者で130万円の壁の中で就業時間を減らす人もおられるでしょうが、一方で、介護などから引き抜きということも増えるわけです。同じ収入確保なら短い労働時間で済む方に流れるのは当然です。

◆70代後半、80代だらけの「新人職員」

筆者の皮膚感覚とも今回の分析結果は合致します。介護福祉士として現場で働く筆者の周囲でも、介護労働者で「70代後半の新人(未経験)」職員、「80代の新人(経験はあるが)」職員という例がざらにあります。繰り返しますが、新入居者ではありません。新人職員が70代、80代なのです。他方で、20代の新人職員という方になかなかお会いすることはとくに広島ではありません。日本人最年少が今年48歳の筆者自身、という状況も珍しくありません。

「人間、年齢ではない。個人個人を見ないといけない。」

それはそうなのです。そうなのですが、そうはいっても70代で未経験の方ともなると、傍目で拝見していても仕事のペースについてこられるのが明らかにしんどそうでした。

経験者の方でも、年配の方に夜勤をしていただいたこともあるが、相当しんどそうでした。特に、夜中の体格が大きい方の排泄ケアなどは特に難しいのです。翌朝、体格が大きい方の便失禁などがそのままになっていることもありますが、責める気も起きませんでした。

便がまるで化石のようにこびり付いた入居者様の背中の便を敵部隊に見立てて思わず「張遼! 張遼!」とつぶやきながら流すのが筆者の日課のようになっていた時期もありました。三国志のゲームで魏の名将の張遼は異常に防御力が高く設定されており、敵に回すと部隊を全滅させるのが非常に困難なことから、ついついつぶやいてしまったものです。

さらに困難なのは、皮膚が弱った状態の方の便失禁が放置された状態です。下手にこすれば皮膚が切れて出血になりかねません。また、血液をサラサラにする薬を服用されている方も多いので、出血すれば止めるのが大変です。従って、仕方がなく、シャワーで流すという対応になります。だからといって、ここで年配職員を責めてもどうしようもない。こういう状況を造った政府に責任があります。 

そして、人手が足りないために、70代職員が「辞意」を表明するたびに、職場に不安が走ります。若い人が来るような職場ではないからです。

まず、そもそも、広島の場合は、東京などに高い給料を求めて若い人が流出してしまいます。その中でも介護業界の給料が低ければ若い人が来ないのは当然です。その上で、外国人労働者(特定技能)も、いったん広島に来ても、東京の給料が高いことに気づき、東京の大手法人に転職してしまいます。

◆悲惨な訪問介護、当事者が国賠訴訟

さて、筆者は主に、入所系サービス=施設で仕事をしておりますが、訪問介護ではもっと事態は深刻です。訪問介護では、移動時間や待機時間、キャンセルされた時間を労働時間に算入しない労働基準法違反が常態化しています。実は、それをなくそうという事業所もあるのですが、今度は提供をお断りすることになっています。
結局、業者が労働基準法を守ろうとしても守れない制度に日本の介護保険はなっているのです。

これに対して、こんな介護保険は違法であるとして、ホームヘルパー国賠訴訟をホームヘルパー3人が提起しました。日本の裁判では、法制度そのものの変更だけを求められるような仕組みになっていないので、損害賠償請求という形にはなっていますが、国に制度改革を迫る提訴内容です。一審の東京地裁では不当判決、そして控訴審は2023年10月25日に結審し、24年2月2日に判決が言い渡される予定です。

※引き続き、公正な判決を求めて署名を呼び掛けています。ご協力をお願いします。
 https://chng.it/7wTCpX8ZrK

◆非常事態に新卒公務員下回る「6000円」賃上げ 岸田総理はなめている!

さて、こんな非常事態に対して、岸田総理は何をやっているのでしょうか? 2023年度はご承知の通りさらに物価が上昇しています。連合は来年の春闘で5%の賃上げを要求する見込みです。特に最近の連合は芳野会長のもと、自民党にすり寄り、賃上げでも最初から会社が呑むような要求しかしません。ですから5%というのは最低限です。

だが、岸田政権=武見厚労大臣は介護労働者に対して、来年2月からの6000円の賃上げしか打ち出していません。6000円。筆者はがっくりきました。しかもこれは平均値であって多くの介護労働者はこれを下回ります。

別の見方をしましょう。2023年度の人事院勧告で公務員の大卒初任給は11000円、高卒で12000円アップとなりました。人事院勧告については様々な批判はありますが、公務員の初任給は世間一般の動向を調査し、反映させているものであることは押さえておきたいものです。ですから、公務員の賃上げが高すぎるということはありません。「大阪維新」のような無責任な政治家に騙されてはいけません。それを大前提としたうえで、その公務員初任給の増え方よりも介護労働者の給料の増え方が半分程度(中央値で見ればおそらく半額以下)とは何事でしょうか?!岸田総理も武見厚労大臣も介護労働者を舐めています。

◆男尊女卑+新自由主義の極北としての「やりがい搾取」も限界に

もともと、介護・保育などケア労働は女性の仕事として、政府も社会も軽く評価していました。

政府によるセーフティーネットの制度設計全体を見渡しても、

1.家庭内のケア労働は女性に主に担わせる
2.労働市場でも女性は低賃金に抑え込み、家計補助の役目を主に担わせる。

1986年の男女雇用機会均等法施行後も建前とは裏腹にこうした男女性別役割分担のあり方が続いていました。どちらにしても、女性の仕事だから軽んじる、ということです。

それでも、実は2000年の介護保険法の施行前は、筆者が住んでいた東京23区でもホームヘルパーは公務員でしたし、広島市では公社職員でした。それが介護保険導入で、民間企業の利潤追求の場となる。さらに小泉政権以降の緊縮財政で報酬が抑え込まれました。依然として根強い昭和からの男尊女卑と平成の新自由主義のダブルパンチを受けた介護現場が崩壊するのは時間の問題でした。

それでもこれまでなんとか持ちこたえたのは、一部のベテラン労働者の「使命感」だったように思えます。筆者は広島県庁職員時代の2000年代前半、介護保険事業者の指導をさせていただきました。当時は、まだ、現場労働者の皆様から強い使命感を感じ、それに筆者も感動したものでした。

だが、もはや、現場は限界です。そのころのベテラン職員の方も高齢化しています。若い人は外国人も含めて地方の現場には就職されません。

◆もはや抜本的な賃上げしか「血路」はない

6000円などという賃上げではショボすぎます。せめて一桁多い金額を直ちに引き上げるべきである。武器の爆買いや訳の分からない中抜きばかりの事業には気前よく使う自民党政権。政治判断で引き上げはただちにできることです。もはや抜本的な賃上げ以外の活路、いえ、血路はない。血路と申し上げたのは、もはや非常事態をしのぐにはこれしかない、そうしないと本当に日本が壊れる、という意味です。

もちろん、賃上げを行う場合、きちんと現場労働者に直接入るようなやり方でしなければなりません。現状では、処遇改善の仕組みは、極論すれば経営者がどう差配しようが勝手な状況があります。また、ケアマネなどが対象外という問題もあり、そうなると職種間での対立ということもあります。経営者判断で介護職員以外への分配も出来ますが今度は経営者側の持ち出しにもなります。

また、かつては、上記のように23区も公務員という形で、広島市も公社職員という形でホームヘルパーを雇っていたのですから、異常な不足が続くいまこそ、公務員ヘルパーの復活を検討すべきです。実はその方が経営者による利潤追求がないぶん、コストも抑えられます。

また、全体として、女性に家庭内も含めてケア労働を過剰に押し付け、一方で、女性の労働への対価を低く抑え込んできた今までの社会・経済の在り方を抜本的に見直すという視点も必要です。岸田総理が130万円の壁の撤廃と称して第3号被保険者制度の廃止をもくろんでいます。現状の女性の労働への対価を低く抑え、なおかつ女性に依然として家事育児介護負担が重い状態を維持したままで第3号被保険者廃止だけを先行すれば、当然、ネット上でも皆様が懸念しておられるように大変なことになります。こうした文脈からも、きちんとケア労働の評価を引き上げていくことが重要です。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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呉製鉄所廃止を市民はどう考え、どう感じているのか? さとうしゅういち

筆者は10月16日、日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区、いわゆる呉製鉄所が9月を以て廃止となったことを受け、呉市民の皆様に取材をしました。

今回の取材では様々な世代の方に製鉄所廃止への受け止めや思いを自由に語っていただくことを主眼としています。筆者なりの考え方もありますが、基本的に聞き手に徹することにしています。

呉製鉄所の跡地利用問題ではいろいろな政治家がいろいろな提案をされています。病院船の基地、エネルギー基地、防災拠点……。ただ、やはり、一番大事なのは市民の思いではないのか?そういう考えから、取材に向かいました。

◆製鉄所の跡地利用、現時点では具体的に進む条件なく

写真左が谷本さん、右が筆者

最初に取材に伺ったのは谷本誠一・元市議です。今春の呉市議選では惜敗しましたが現在もあきらめずに政治活動を続けておられます。(写真左が谷本さん、右が筆者)

谷本元市議は、「多くの政治家が提案しているような案の実現は難しいだろう。解体後に更地にしたところで国が買い取ってくれるような話でないと、日本製鉄も乗りづらいのではないか?中央政府の官僚が本気で動くような案がでない会議理、実現は難しいのではないか?」と指摘。

「可能性があるとすれば、市の中心部にある自衛隊が製鉄所の跡地に移動し、自衛隊の跡地を住宅などにする程度だろうが、自衛隊側にメリットがなければ実現は難しい」との見立てでした。

呉市中心部の20代の市民は、「跡地利用はなかなか結論を出すのが難しいのでは?議論を盛り上げるにしても、解体に10年以上あるので、盛り上げのタイミングが難しい。」と指摘。

「跡地利用であるとすれば宇宙産業のようなものだろう。しかし、当面、産業振興策で跡地を当てにするようなやり方は難しいだろう。10年後には自分も年を取っている。待っていられない。産業振興については例えば、地元出身の若い人が、小規模でもいいからネットワークを作り、それを活かした起業を地元に帰ってするとか、そういうことの積み重ねが良いのではないのか?」と、跡地利用については、産業振興への過度の期待を戒めるご意見でした。

いずれにせよ、呉製鉄所跡地を産業振興に直ちに結びつけるような条件はないと感じました。

呉市史を手に筆者に説明される藤川清明さん(右)

◆日本・広島の野球興隆の地・旧呉工廠

呉駅前で印鑑会社を経営されている藤川清明さんは「製鉄所の廃止はショックだし、残念、一方で感慨深い」とのことです。

藤川さんは祖父の住田喜作さんが弟とともに製鉄所の前身の呉工廠水雷部で魚雷製造に携わっておられました。

「日清戦争中の1895年から第二次世界大戦直前の1940年の45年間、職工として勤め上げ、その間、仕事を頑張って海軍から東京での研修、さらには英国への留学もさせてもらった」とのことです。

旧海軍呉工廠は、大まかに言って造船を行う部門と、大砲や魚雷など兵器を作る部門(その中には鉄をつくる部門もあった)があり、喜作さんは兵器をつくる部門で仕事をされ、その場所は空襲で焼けた後、戦後には製鉄所になったからです。

また、戦前の呉工廠ではクラブ活動が盛んだったとのことです。野球部も工廠の各部門に5つもあったそうです。喜作さんが実は、工場内で野球を普及する中心だったとのことです。そして、喜作さんは従業員の子どもさんの間にも少年野球を普及させたとのことです。

タイガースの「代打ワシ」で有名な藤村冨美男。ミスターホークスの名投手・鶴岡一人。また、ジャイアンツで活躍し、引退後は、アンチ読売に燃えてカープやスワローズ、ライオンズの基礎を作った名遊撃手・広岡達朗らを呉は輩出しています。

喜作さんのような存在は、あまり表には出てこなかった歴史ですが、呉市史にそうした喜作さんの活躍が出ているそうです。

◆呉工廠~空襲~製鉄所を知りつくす佐藤康則さん

筆者ら広島瀬戸内新聞取材班にパワポで講義される佐藤康則さん

そして、呉工廠の学徒動員の生存者である佐藤康則さんにもお話を伺うことができました。(以下、同姓の筆者自身との混同を避けるため、康則さんと表記します。)

康則さんに造船所や製鉄所を見下ろすルートでご説明をいただいた後、ご自宅でパワーポイントによるお話を伺いました。

康則さんは、戦前からご家族で呉工廠を見下ろす場所に住んでおられました。呉第二中学校時代に動員され、3年生の時、1945年6月22日の空襲を体験したそうです。

1945年6月22日、海軍呉工廠に米軍のB29が「最初は蚊のような感じ」で現れ(小さな機影とブーンという音)たが、それがだんだん、「エンジンを4つ持った大型のB29」であることがわかったと康則さんは振り返ります。

B29は写真の赤の点線で囲んだ場所をピンポイントで攻撃

B29は右の写真の赤の点線で囲んだ場所をピンポイントで攻撃。このため、工場近くの康則さんの自宅も焼け残ったそうです。

康則さんは「大砲などを作っている部署は破壊しつつ、造船を行う部署は米軍が戦後に使うつもりだったのでは?」と推測しています。

康則さんは防空壕に避難して助かりました。小1時間続いた空襲が終わった後、外へ出てみると、女子挺身隊員が避難していた防空壕が水没してしまい、多数の隊員が溺れてしまいました。教官の指示で、ダメだろうと思いつつも女子挺身隊員らを引き上げて人工呼吸をしたが、もちろん、ほとんど助からなかったそうです。そして遺体は、トラックからはみ出て足が垂れ下がっていたのが印象に残ったそうです。

一方、そのころ、康則さんのお父さんはフィリピンの第103海軍工作所に赴任後、行方不明になりました。

フィリピンを攻め落とした日本軍は米軍基地をそのまま接収して、海軍工作所をつくりました。しかし、1944年12月に米軍の反攻により、逃避を余儀なくされました。だが、康則さんのお父さんは怪我をして山岳地帯でおそらく亡くなったのだろうとのことです。康則さん自身も戦後、何度も遺骨収集に行かれたそうです。

そうしたことから康則さんは、戦後は進学を勧められるも辞退し、英国軍でバイトをしたそうです。とかく、進駐軍と言えば米軍と決めつけがちです。しかし、呉は英国軍の管轄だったのです。康則さんは中学時代に学んだ英語を活かしてイギリス軍で5年間バイトした後、第二種大型免許を取得。日新製鋼に入社し、定年まで勤め上げられました。

退職後もパソコンの職業訓練を受け、その経験を活かし、92歳の現在もご自分でパワーポイントを使ったご講演をされるなど大活躍です。

康則さんには、製鉄所のみならず、旧海軍工廠全体を山の上からご説明いただいております。

戦艦大和も造った造船部門は当時を基本的に残したまま石川島播磨重工業を経由してジャパンマリンユナイテッドの造船所になっています。

戦前・戦中に兵器やその材料の鉄を作っていた区域は6月22日の空襲で完全に破壊されました。そこに1951年、日新製鋼が誘致され、2023年9月まで稼働していました。現在、解体作業が始まっています。

そこで、康則さんはずっと働いておられたわけです。英軍バイト時代を除き、戦中・戦後を通じて同じところで働いておられたわけです。正に生き字引です。康則さん、ありがとうございました。

[左]ジャパンマリンユナイテッド(JMU)の造船所。[中央]解体作業が始まった日新製鋼跡地。[右]佐藤康則さん(右)と筆者
筆者

この日は取材終了後、呉駅前でれいわ新選組・チーム広島の皆様とともに街宣を行いました。

筆者は外遊中の広島県の湯崎知事について「日本酒やカキの売り込みにフランスに行っているというが、三原産廃処分場から出ている汚染水は川や海へ流れ込む。これを放置していては意味がないのではないか?」と指摘。

また、「最近の湯崎さんは、県民の声を全く聴かないで大型事業を進めている。平川理恵教育長は、非正規の先生の待遇改善などを放置してお友達の企業やNPO、赤木かん子さんらを儲けさせてきた。」

「知事は、新たに大学を造ったが定員割れを起こしている。こんなことなら兵庫県のように既存の県立大学の学費を無料にした方が良かった」と批判。

「知事や教育長が好き放題している広島県政をあなたの手に取りもどすヒロシマ庶民革命を!」などとボルテージを上げました。

一方で「地方の庶民に最も優しい政策を打ち出しているのがれいわ新選組だ。国政では応援している。」と紹介しました。

また、パレスチナ情勢に関して「ハマスの行動は国際人道法に違反しているが根本にはイスラエルによる入植など、これまでのパレスチナへの侵略がある。まずは戦闘を止め、人道危機を回避すること、イスラエルに侵略を止めさせることだ。」

「欧米はイスラエルべったりで、イスラエルのネタニヤフ首相の暴走を加速してしまっているが、日本がこういう時に欧米にブレーキをかけないといけない。」
とボルテージを上げました。

広島瀬戸内新聞は呉製鉄所廃止を受けて呉市民の皆様に取材をさせていただいています。

090-3171-4437 hiroseto2004@yahoo.co.jp までご意見や情報をお寄せください。

あらゆる世代のいろいろな方のあらゆる角度からのご意見や情報をお待ちしております。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年11月号

宮城県議選で与党公認議席が過半数割れの敗北! 村井嘉浩・宮城県知事と湯崎英彦・広島県知事は「維新顔負け! ネオリベ」仲間 さとうしゅういち

2023年10月22日執行の宮城県議会議員選挙で村井嘉浩知事の与党(自民+公明)が後退し、公認では過半数割れしました。

自民 24(-6)
公明 4(+1)
立憲 10(+1)
共産 5(±0)
維新2(+2)
無所属 14(+3)

宮城県議選は定数59。無所属で自民党系の方もおられるので、最終的には過半数を確保の見込みですが、それでも「知事与党」(本来こういう言い方はおかしいのですが)としては議席減です。格闘技に喩えれば「KO負け」とまでいかずとも「判定負け」というべきところでしょう。

なお、宮城でも自民党や岸田総理への批判も強いということはうかがっています。ただし、国政選挙でも地方選挙でも候補者として闘った経験のある筆者から見て、地方選挙の場合、そこまで中央の情勢が響くとは思えません。

地方議員選挙では、組織がガチガチの公明党や一部ベテラン自民議員を除くと、ローカルな風の方をうまく取り込んだ候補者が票を伸ばす、というのを感じます。

今回は、やはり村井知事への逆風というのが結構あったと思われます。特に維新は、自民党の後退に乗じて議席を増やした形ではないでしょうか?実際に、維新の当選者二人は仙台市内の選挙区で自民現職を打倒する形で当選されています。村井知事に批判的な保守層で、維新に投票された方も多いのではないでしょうか?

この場合、維新が大阪で新自由主義であるとかそういうことはあまり考慮されていないと思われます。ただ、立憲や共産にも投票をちゅうちょした「知事に批判的な保守層」が維新に投票した可能性が考えられます。

村井嘉浩知事は、2005年初当選の現在5期目です。

・東北労災病院(仙台市青葉区)が県立精神医療センター(名取市)と合築されて富谷市に移転。
・県立がんセンター(名取市)は仙台赤十字病院(仙台市太白区)と統合し、名取市に移転。
という病院の統廃合計画を推進しておられます。

この結果、仙台市から2つの大きな病院がなくなることになります。これは、特に仙台市長を筆頭に、仙台市民の大きな反発を招いています。

ちなみに仙台市内の二つの区、すなわち青葉区、泉区で自民党現職が維新新人に打倒される結果になっています。

◆維新顔負け!コンセッション方式での水道民営化も全国初の強行

村井知事は、ここまで、2022年度からの水道民営化を全国初で強行しました。フランス系ヴェオリア・ジェネッツを中心とする企業にコンセッション方式で20年間の水道事業の運営を譲渡しています。

維新顔負けの新自由主義「過激派」です。2021年7月の県議会での議案採決においても知事与党の自民党からも棄権者が二人出ました。コンセッション導入から数年は能力のある職員がいて、企業の業務が適正かを監督できるし、災害時には現場で対応することもできますが、20年後には県側にノウハウを持つ職員は消えている可能性が高いのです。その時になって何かあっても遅いのです。こうした懸念から、採決自体はきわどいものになったのです。

ちなみに、コンセッション方式については維新=松井一郎・大阪市長(当時)でさえも断念し、業務の一部の民間委託にとどめています。

◆チリの独裁者兼ネオリベのパイオニア=ピノチェトとそっくり

独裁的な手法で新自由主義過激派と言えば、歴史上、思い出される人物がいます。チリの独裁者・故アウグストゥス・ピノチェト元被告人(1915-2006,大統領在任1974-1990)です。

米国CIAの手先だったピノチェトは1973年9月11日、合法的に選ばれた左派のアジェンデ政権をクーデターで打倒。アジェンデ派を虐殺。独裁を敷く一方で、経済政策面では村井知事や湯崎知事のような新自由主義政策を進めました。いや、ピノチェトこそが現実に新自由主義のパイオニアと言えるでしょう。1973年と言えば、まだ新自由主義を主要国で初めて導入した英国のサッチャー首相すら登場していません。米国のレーガン大統領や日本の中曽根首相はもっと後です。

その結果、一時は「チリの奇跡」と言われる成長を成し遂げたとされていますが実際には、チリの特産品である銅の国際価格の上昇という幸運に恵まれたことが大きかったのです。

しかも、通算での平均の経済成長率は、クーデター前のチリの平均経済成長率を下回るという有様でした。

村井知事は弾圧こそしてはいませんが(日本国憲法のもとで、できませんが)県民の声を無視して暴走し、全国の新自由主義を走るという意味ではピノチェトそっくりです。

その村井知事の大親友が、我らが広島県の湯崎英彦知事です。湯崎知事は2009年11月に初当選。湯崎知事も、1300-1400億円をかけて県病院やJR病院をなくして、新巨大病院を作る構想を強行しようとしています。経営に問題がない公立病院を潰すというのは、全国にも例がないそうです。湯崎知事はある意味、維新はもちろん、村井知事も真っ青のネオリベ政治家です。

さらに、農業ジーンバンクを一方的に廃止するなど、県民の声を聴かずに新自由主義政策を進めています。

村井知事と湯崎知事は、「宮城・広島両県知事会議」を毎年のように開催されています。

ガッチリ握手する村井・宮城県知事と湯崎・広島県知事

令和4年度 宮城・広島両県知事会議を開催しました – 宮城県公式ウェブサイト (pref.miyagi.jp)

宮城・広島両県知事会議を開催しました(平成27年5月25日)

もちろん、広島県と宮城県は共通点もたくさんあります。地方の中枢都市であること、人口規模や産業構造が似ていることなどです。広島カープと東北楽天ゴールデンイーグルスという地域に愛されている球団もあります。札仙広福と呼ばれる中で、仙台と広島はやや苦戦をしているという点も共通します。

そういう中で連携をしていくこと自体には異論はありません。しかし、問題は両者がまるで歩調をそろえるように全国の自治体でも突出したネオリベ政策を進めていること。そして、県民の意見を聴かずに暴走していることです。

今回の宮城県議会議員選挙で村井知事の与党が後退したのはその点では県民の良識が発揮されたというべきでしょう。

◆2025年秋、宮城でも広島でも知事選挙!同時「庶民革命」で両知事にストップを!

そして、2025年秋、広島県でも宮城県でも両知事選挙が実施されます。県民を無視して暴走する両知事にストップをかけるチャンスです。

宮城県民の手に宮城県を村井知事から取り戻す「庶民革命」については、宮城県民の皆様にお任せします。

筆者と広島瀬戸内新聞は「我こそは庶民派広島県知事」に、「我こそは庶民派広島県議」に、という方のご連絡をお待ちしております。「ヒロシマ庶民革命」を断行し、暴走する湯崎英彦知事から広島をあなたの手に取りもどしましょう!

◎連絡先 090-3171-4437 hiroseto2004@yahoo.co.jp

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年11月号

「民意ガン無視で外遊ばかり」岸田総理そっくり! 湯崎英彦・広島県知事が今年度6度目の外遊 さとうしゅういち

広島県の湯崎英彦知事は広島カープがレギュラーシーズンで苦手としていたベイスターズを打倒したCSファーストステージ(14日、15日)で県内が盛り上がっていた10月13日から17日の日程で、フランスを訪問しました。ワインの即売会でカキや日本酒を売り込む、ということでした。

 
湯崎英彦広島県知事の2023年度外遊

それにしても、今年はやけに、知事はたくさん外国に行かれています。それもそのはずです。今回で6か所目の外遊だからです。

湯崎知事は、4月と8月に観光PRで台湾へ行かれています。また7月には友好連携先のハワイ、そしてNPT第一回準備会合のためウィーンへ。6月には英国に政務と公務を兼ねて訪問。そして、今回の訪仏に加え、今後、米国訪問も予定されているとのことです。

核兵器廃絶のためのNPT準備会合出席は、核兵器廃絶のためであって費用対効果を云々する性質のものではないでしょう。しかし、観光PRなり、商品のセールスに知事がわざわざ向かうことにどれだけの効果があるのでしょうか?今は、円安で渡航費も膨らんでいる折です。これまでに3000万円を使っています。

◆県民の声を聴かなくなった知事 外国ばかり行ってどうする?!

また、そもそも、知事は外務大臣ではありません。海外へ行く前に、知事として県民の声をもっと聴くことに時間を充てられたらいかがでしょうか? いま、湯崎知事の県政、そして知事が進める政策には、住民の声や社会的ニーズが全く反映されていないためにうまくいっていないのでは?と思われることがたくさんあります。
そもそも、知事は一期目(2009~2013)には【湯崎英彦の宝さがし】と銘打って、県内全市町を回って住民と対話を直接されていました。あのころの知事の産業政策にはそれなりに地に足についたものがあったように記憶しています。

また、福山市鞆の浦で地域を二分していた、埋め立て架橋問題では、賛成・反対両派の住民の対話集会を実施。『渋滞をなくす』という共通目標を達成するためにどうすればいいか、合意形成に務められました。

その結果、景観を壊す鞆の浦埋め立てではなく、山側にトンネルを掘って通過交通を捌く方向に落ち着いたのです。

筆者も、一期目にされたような対話重視の県政を期待して2009年の湯崎さんの最初の選挙では湯崎さんに一票を投じました。しかし、今となっては『湯崎英彦!俺の一票を返せ』とは言わぬが『打倒するしかない』という気持ちでいっぱいです。
以下に湯崎さんが早急に県民の声を聴くべき課題を目につくだけでも挙げます。

◆三原産廃問題、放置したままではカキにも日本酒にも打撃

 
原告団共同代表の岡田和樹様SNSより

三原市では湯崎知事が許可し、2022年秋から稼働を開始した本郷産廃処分場(JAB協同組合)から2023年6月以降、BODなどが基準値を上回る汚染水が流出。2023年10月現在も日中こそ流出は止まっていますが、早朝や夜間にはまだ出続けています。

周辺住民は田んぼに水を引くこともままならず、苦しんでいます。そして、この間、7月4日には、広島地裁は知事に対して産廃処分場への設置許可を取り消すよう命じています。しかし、知事は、控訴した上で、汚染水に何の実効性ある対策も取ろうとしないばかりか、住民たちの面会要請も無視しています。

知事! このまま汚染水が川や海に流れ込み続けば日本酒やカキにも悪影響が出ますよ?! 知事は、フランスに日本酒やカキの売り込みに行く前に、三原市民にお会いになり、現状把握をされるべきです。

 
湯崎知事が肝いりで進めている県病院

◆住民無視で暴走する県病院廃止

湯崎知事が肝いりで進めている県病院や中電病院、JR病院を廃止して新巨大病院を建設する構想。1300~1400億円かかるというのに試算根拠は不明です。そもそも、計画段階で県病院が地元から消えてしまう南区や、宇品港経由で県病院を利用してきた島しょ部の住民の意見を聞いた形跡もありません。一方的な説明会をしたうえで、補正予算案を知事に批判的な議員が少ないことをいいことにごり押ししました。

◆県庁から徒歩圏内でも課題山積

県庁から徒歩圏内でも課題は山積しています。県庁から北東へ徒歩ですぐの公立大学法人・叡啓大学も知事肝いり事業。入学者が定員割れするという惨状です。つくるだけつくっておいて、放置でいいのですか?きちんとチェックされないのですか?

高速道路5号線二葉山トンネル問題。県庁から歩いても30分程度の東区二葉の里がトンネルのスタート地点です。工期が2028年度まで延長する上、予算もまた30億円増額の1289億円に。シールドマシンも何度も壊れ、遅々として工事が進まず、工事現場の真上ではひび割れなどの被害も続いています。「住民を犠牲にして工事を進めることはない」と約束したのが湯崎知事でした。いったいどうなっているのですか?

また、県庁から徒歩圏内の小学校で、プールが壊れて、バスで他の学校へプールの授業を受けに行くという学校もあります。小学校は市教委の管轄とはいえ、財政支援などの面で県ができることもあるでしょう。

湯崎知事。フランスに行っている時間があるなら、県庁周辺を歩いて県民の声を聞かれたらいかがでしょうか?

◆県民をなめている湯崎知事・岸田総理から政治を取り戻すヒロシマ庶民革命を!

広島県選出の岸田総理についても、「外遊が多い一方で、庶民の声を全く聴かないのでは?」と、全国の皆様から批判が出ています。大変悔しいことです。広島県民が知事や総理と言った政治家に完全に舐められています。広島県民の手に政治を取り戻すことが今こそ大事ではないでしょうか?

筆者は我こそは庶民派広島県知事に、我こそは庶民派広島県議に、という方のご連絡をお待ちしております。ヒロシマ庶民革命で知事から広島の政治・行政をあなたの手に取りもどしましょう!

連絡先 090-3171-4437、hiroseto2004@yahoo.co.jp

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広島県病院問題で学習会に参加「公的病院の統廃合は、民意の力で撤回可能!」 さとうしゅういち

「県病院問題を考える会」(代表代行・有田優子広島市議)の第一回学習会が10月9日(月)、広島南区民文化センターで行われ、福島みずほ参院議員が「地域の病院をみんなの力で残す」と題して講演しました。

広島県の湯崎知事が、地元住民の声も聴かず、積算根拠も不明確なまま、県病院(広島市南区)を含む病院の統廃合と巨大病院(広島駅新幹線口に予定)建設案を9月県議会に提出し、保守の一部と共産党は反対したものの、可決されてしまった中で行われました。

福島議員と筆者は大学の先輩・後輩です。福島議員がわたしの大学3年の1997年秋にOGとして母校に講演に来られたとき以来、半世紀以上交流させていただいています

福島議員は、全国を回り、公立病院の統廃合問題について情報を収集しておられます。また、厚生労働省や総務省に直接見解を問いただしておられます。

 
福島みずほ参院議員と筆者

◆社会保障費カットの流れは確かだが

福島議員は、講演の中で、まず、現在、社会保障費とくに医療費抑制と防衛費増大及び、防衛力増強のための積立金計上とセットで進んでいる、また、長年にわたって医療費抑制が進められ、病床数は28年間で36万床減少し、自治体病院は147減少、ICUは444か所減り、保健所は個所数を45%削減するなどの流れがある、と説明。そして2019年には424,のちに436病院を再編統廃合の対象として名指しして撤回していない、2021年には改悪医療法成立で消費税を使って病床削減を行っていると指摘。 

また、公立病院を独立行政法人化した場合、意思決定の迅速化や経営の黒字化、規模拡大によるコスト削減などのメリットはあるが、他方で、不採算部門が切り捨てられる、非公務員化で職員の離職が増える、その結果、人員不足、過重労働になる、議会によるチェック機能が低下するなどの問題点があると専門家への聞き取りを踏まえて指摘。

◆一方的な公的病院廃止の流れでもない

福島議員は、一方で、以下のように一方的に公的病院統廃合が進む情勢ではないことを強調しました。

1、総務省や厚労省は再編リストをつくってはいるが、自分が問いただしたところ、各都道府県に病院を統廃合しろという指示・命令をしているわけではない。国としては、都道府県に対応は任せるが、『統廃合するなら、国がお金は出すよ』というスタンス。強制はしないともいえるし、卑怯ともいえる。

2、他の都道府県では、病院統廃合の事業規模は50億円程度だ。広島県の1300億円~1400億円というのは異常。しかも、国(総務省・厚労省)による再編のリストにも入っていない。また、「(広島の新病院がめざす)1000床にならないと、良い医師の採用ができないということはないのか?」という問いに対して、厚労省は「そんなことはない」という回答をしている。広島県病院は他の地域の再編対象共違い、赤字で成り立たないというわけでもない。それが、他地域との大きな違いだ。

3、民意で病院統廃合をひっくり返すことは可能。徳島県では国立病院機構徳島病院の統廃合を県選出の国会議員への働きかけで阻止した。一時期、県立病院の独法化が検討されていた滋賀県では世論を受けて一応革新系の三日月知事が県立維持を打ち出した。青森県でも県病院と市民病院の統廃合へ前知事が市の意見も聞かずに突っ走っていた。しかし、自民系同士の交代ですが宮下知事に知事がかわったことで、防災対策の面などからも再検討されることになり、暴走にブレーキがかかっている。兵庫県の三田市では病院統廃合撤回を争点に現職市長を無名サラリーマンが打倒。そのほかにも市長の交代で公立病院統廃合を阻止している。

◆涙を誘う「県病院がないと生きていけない」 地元有権者からの手紙

 
有田優子広島市議

南区選出の有田優子市議から新人議員としての議会報告がありました。2歳の時に難病を宣告されて県病院に入院した経験を持ちます。また、衆院選、市議選と選挙活動をする中で、「県病院がないと生きていけない」という地元有権者の声をうかがい、どうしてもその声を政治に届けたいと決意しました。2023年春の市議選でも主に県病院の廃止反対を訴え、所属政党である社民党の基礎票を大きく上回る得票を得ました。

有田市議は広島市議会でも一般質問で30分間のうち10分間を県病院問題に割いたそうです。

県の所轄とはいえ、市民の命にかかわること。しかし、市の答弁は「県の動向を注視する」という主体性のないけんもほろろなものでした。有田市議は今も雨の日も土日も朝から県病院前電停近くに立って街頭演説をして県病院を残せと訴えています。

県病院問題を考える会の黒川事務局次長は「県は独立行政法人化を2025年4月にはしてしまおうとしている。県の責任逃れだ。また、JR西日本から土地を買うために県は180億円もの県費を出すつもりだ。税金の使い道としてどうなのか。経理の透明性はどうなのか。追及していかなければいけない。」と訴え、署名活動や学習会などへの引き続きの取り組みをお願いしました。

滝谷事務局長から最後のあいさつに代えて、「県病院がなければ生きていけない」と有田市議に声をかけてきた方で、現在は県病院に入院中、という方からのお手紙を代読し、有田市議に伝達、出席者の涙を誘いました。

◆浮き彫りになった湯崎知事の異常性、打倒するしかない

福島議員の講演で明らかになったことがあります。それは 別に赤字というわけでもない公立病院を潰すのに1300億~1400億円をかけるということです。こんな例は全国でも他にないということを知り、筆者も質疑応答の中で、「他の問題でも暴走が続く湯崎知事。彼は国以上に新自由主義を進める確信犯だ。広島県民の未来のためにも湯崎知事を打倒するより他ない。」と発言させていただきました。

確かに、国政レベルで医療費抑制の流れはあるし、軍拡を口実にそれが加速する恐れもある。それを阻止するのは総理の地元選挙区有権者としての責任でもあると思います。その上で、広島県の場合は国が名指しをしてもいない県病院を潰そうとしているわけです。

湯崎英彦・広島県知事の突出した異常な新自由主義、庶民斬り捨て政治を正していこうではありませんか。筆者は引き続き、暴走する湯崎知事から広島県政を県民の手に取りもどすヒロシマ庶民革命を呼び掛けています。我こそは広島県知事に!広島県議に!という方のご連絡をお待ちしております。 

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▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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進む広島駅周辺再開発 このままネオリベ知事・市長の「独裁」でいいのか?〈2〉リスクだらけの新巨大拠点病院計画 さとうしゅういち

広島駅の南北でいま、大規模な再開発が進んでいます。その中で、広島県知事・湯崎英彦さんと広島市長・松井一実さんの暴走が目立ちます。松井市長の暴走は、以前ご紹介した中央図書館の『エールエールA館移転』問題です。

今回取り上げるのは湯崎知事の暴走です。湯崎知事は、広島県立広島病院、JR広島病院、中電病院、広島がん高精度放射線治療センターなどの機能を集約した1000床規模の巨大な新拠点病院建設を計画しています。

こうした中、広島県議会9月定例会は10月2日、212億円の補正予算案を可決しました。この補正予算案には、新拠点病院建設へ向けた予算も含まれています。もちろん、今回の補正予算案で可決されたのは病院建設へ向けた費用のほんの一部です。湯崎知事がすでに発表している基本計画によれば1300-1400億円の総事業費がかかるということです。

[左]広島県立広島病院(いわゆる「県病院」)。[右]JR広島病院。いずれも筆者撮影

◆試算根拠不明、議決に値しないボロボロの議案に賛成した国政与党と立憲

今回の補正予算案に賛成したのは自民党の多数派、公明党、立憲民主党などの県議です。逆に、自民党少数派(自民党広志会)など保守の一部と日本共産党は反対に回りました。広志会の女性県議は反対討論で総事業費の試算根拠が全く示されていないと指摘。これでは賛否の判断のしようがないと切り捨てました。日本共産党も、県病院周辺住民の合意が得られていないことなどから、反対に回りました。

他方で、立憲民主党所属のある県議は「まだまだ見通しが立っていないことや課題も多いことから今後も様々な角度で引き続き議論が必要」と認めながらも、賛成に回ってしまいました。そんなに課題があるなら、知事に顔を洗って出直してもらうべきだったのではないでしょうか? こんな議案に賛成してしまったことについて、立憲広島は恥を知るべきです。

◆『独裁』で突進してきた湯崎知事さえも早くも『逃げ』の態勢

湯崎知事は予算が可決された翌3日の定例会見で「病院の統合も含めた長期的な計画なので、事業や財務の計画には当然さまざまなリスクがある。物価のほか医療制度や技術も変化していくので、常に計画をアップデートして、発表していきたい」とおっしゃいました。

湯崎知事自身も早くも、逃げの態勢に入ったと言わざるを得ません。さまざまなリスク……すなわち、この病院計画案がボロボロであると知事自身が認めたようなものです。『常にアップデートして発表』といえば、いかにも柔軟そうで聞こえはいい。しかし、そもそも、県病院や中電病院など廃止される病院の周辺住民の合意をきちんとり、病院を作るうえで必要な様々なことを住民の意見も聞いて詰めていれば、こんな発言は出てきません。

ここまで湯崎知事の事実上の『独裁』で生煮えの計画をつくる。そんな計画に基づいて、補正予算案を出してしまう。そして、問題点が噴出すれば「常にアップデートします」と聞こえの良い言葉で逃げる羽目になったのではありませんか? そんな知事のいい加減な仕事ぶりにあきれ果てました。

◆リスク・疑問点だらけの計画

知事もお認めになった通り、この病院の計画にはリスクや疑問点が多すぎます。

第一に、新拠点病院はJR広島病院がある地区にできるから、JR広島病院を再利用するかと言えばそうではありません。JR広島病院は新しい建物になって10年もたっていないのに、解体して立体駐車場にするという。あまりにももったいない、と言わざるを得ません。

第二に、この広島駅北口地区は渋滞が慢性化しています。とくに朝夕の通勤時間帯やマツダスタジアムでカープの試合がある前後は酷い渋滞で、歩いた方が早いことがよくあります。筆者と妻が外食をして帰るとき、妻はバスで、筆者は自転車で帰りますが、筆者の方が圧倒的に早く家に到着し、筆者の帰宅を喜ぶ犬の写真を妻に送る余裕があるありさまです。そんな状況で、救急車がうまく病院に到着できるのでしょうか? 外来の患者さんも円滑に来院できるのでしょうか? 命に係わる一刻を争う時にこれはまずいと思われますが、筆者の友人が県の担当部局に問い合わせた時も納得できる回答は得られていません。

第三に、県立広島病院の現在地だと南海トラフ地震の津波のリスクがあると県は主張しますが、広島駅北口とて大差はないのではないでしょうか? 地震動についてはむしろ広島駅北口の方が強いというデータもあります。そもそも、現在地に津波で救急車が到着できないなら、広島駅新幹線口にも到着はできないでしょう。むしろ、何か所かに病院を分散しておいた方が災害時のリスク分散になり良いのではないか?

第四に、新拠点病院では過疎地で医療に従事する若手医師を育成するという。しかし、広島駅という県内でももっとも煌びやかな地域(東京にはもちろん及びませんが)に来たがる若い先生方が、そもそも過疎地に赴任したがるか疑問です。

第五に、県病院の医療スタッフは現在のところ公務員=広島県職員ですが、移転後は独立行政法人になります。この際、身分の不安定化から、今いる医師も、バカバカしくなって、もっと都会の給料が高い病院に流出する危険があるのではないでしょうか?そうなると、湯崎さんが掲げる高度医療の提供も画餅に帰すことになります。また、独立採算制になれば、儲け主義にも結局なりかねません。

第六にそもそも、県病院周辺の住民、あるいは同じく新病院に統合が予定されている舟入市民病院の小児救急周辺の住民の納得は得られていません。県病院が近いから、舟入市民病院が近いから、ということで、医療ケアが必要なご家族を抱える方が家を購入しているケースも多いのです。

◆病院の存続を求める市民団体

こうした中、県立広島病院の存続を求める市民団体「県病院問題を考える会」が3日、県庁で記者会見しました。黒川冨秋事務局次長は、「県病院は長く県民に親しまれてきた病院だ。新しい病院が出来ても地元の人はタクシーなどで通院しなければならず、病気の人には負担が大きい」「県病院を残して今までどおりの医療体制を維持するべきだ」と訴えました。 
その上で、「古い病院を壊すだけではいいものにはならない。お金の使いかたを充実させてほしい」と述べ、湯崎知事が新病院でやるとしている若手医師の育成については広島大学病院との連携を通じて図るべきと指摘しました。『県病院問題を考える会』の連絡先は以下です。 

〒734-0005 広島市南区翠町1丁目10番27号 
電話 082-250-3155 FAX 082-250-3157

ここまでこの問題で独裁的に猪突猛進してきた当の湯崎知事が『柔軟に見直す』と明言せざるを得ない状況です。あきらめずに知事をしっかり監視していきましょう。 

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