厚生年金基金に2千億円もの穴をあけたAIJ投資顧問の浅川和彦社長は、「詐欺というつもりはまったくなかった」と衆院財務金融委員会で居直った。投資というのは、勝つことも負けることもある丁半博打の世界。浅川社長に様々な問題があったにせよ、相場師に、なぜ負けたんだ、と迫るのは無理がある。
相場の世界がどんなところだか知りたくなったら、平山一郎著『赤いダイヤ――塀の中に落とされた相場師』(鹿砦社)がお勧めだ。
著者の平山氏は今も塀の中だ。島根県にある「島根あさひ社会復帰促進センター」という、官民協営の刑務所で服役している。平成20年、出資法違反と詐欺で逮捕され、懲役4年、罰金300万円の実刑判決を受けた。この本は獄中で執筆されたものなのだ。