野田佳彦首相(民主党代表)は、大阪のJR吹田駅前の商店街での演説で、太陽の党と合流してできた日本維新の会を「ふたまたの大蛇(おろち)だ」とこきおろした。
かつて脱原発色を出していた橋下徹と、明確な進原発の石原慎太郎の合流への「ふたまた」批判は、言い得て妙である。“暴走老人”石原慎太郎は「原発の問題は白黒で決まる問題ではない。止めたら電気料金があがり、倒産する企業が続出する」と言っている。
しかし「ふたまた」は、野田佳彦の重複立候補をも想起させる。野田は、小選挙区と比例南関東ブロックに重複立候補している。地元の小選挙区で落選しても、比例で復活できる、というわけだ。歴代の現職首相は、2000年の森喜朗以外は重複立候補を辞退している。現職首相が、地元での当選を勝ち取れないはずがない、と普通は考えるからだ。