その昔、冤罪を訴える人の再審が開かれるというニュースを聞くと、随分珍しいことが起きたような気がしたものだ。ところが、近年は足利事件に布川事件、東電OL殺害事件・・・・・・と毎年のように再審無罪判決や再審開始決定が出るようになった。2013年もまた、何か新たな再審の動きはあるだろうか。
注目度の高い再審事件は色々あるが、個人的に今年大きな動きがありそうな気配を感じているのが、あの飯塚事件だ。
確定判決によると、福岡県飯塚市で小1の女の子2人を誘拐し、殺害したとされる久間三千年さん(享年70)が2008年10月に死刑執行されたこの事件。有罪の決め手となったDNA鑑定は、あのDNA冤罪の代名詞「足利事件」のそれと同じく90年代前半に警察庁科警研が同じ手法で行なったものだった。その再審請求審は現在、福岡地裁で続いているが、昨年10月には、科警研が鑑定書に貼付した証拠写真を改ざんし、別の真犯人のDNA像が写っていたのを隠蔽していた疑惑も浮上。死刑執行された人が冤罪だったというだけで一大事なのに、そんな重大疑惑も持ち上がり、今後の展開がますます注目される事件となった。