神は死んだ、と言われて久しい。イエス・キリストが、実在した人物か、創造された人物か? もはや、そんなことは、どちらでもいい話ではないか。
そう訝りながら、ぐいぐいと引き込まれてしまったのが、『基督(キリスト)抹殺論』(鹿砦社)だ。
102年前の1911年、「大逆事件」で死刑となった幸徳秋水が、執行までの間に東京監獄の一室で綴った、遺作である。これを、『もうひとつの反戦読本』『もうひとつの広告批評』などの著書がある佐藤雅彦氏が現代語に訳した。

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