最高検の「監察指導部」なるものをご存知だろうか。大阪地検特捜部検事による証拠改ざん事件などによって検察不信が高まる中、2011年7月に検察改革の一環として新設された部門だ。全国の検察庁職員の不正行為や違法行為の情報を内外から収集し、必要に応じて監察を行なっているというフレコミで、情報提供は電話や投書、メールで受け付けている。
ただ、これがどれほどアテになるかというと、マユツバものだ。
最高検が昨年4月に公表した統計によると、2011年7月8日から昨年2月22日まで同部に寄せられた通報は598件にのぼるが、監察が行われた件数は116件。そのうち、指導などの措置がとられたのはわずか2件だった。言いがかりのような通報も少なくないだろうが、それを踏まえても、600件近い通報がありながら具体的な措置を講じたのが2件だけでは、「本当にちゃんと監察しているのか」という疑念を抱かれても仕方ないだろう。