ミャンマー(ビルマ)最大都市のヤンゴンに住むミャンマー人の義父が来日したとき、日本とミャンマーの違いをまざまざと実感した。
義父はエレベータの乗り方を知らなかった。エレベータボタンの意味が分からず、ただボタンを凝視する。行きたい階数のボタンを押すよう、彼の息子である夫が何度も教え、エレベータの乗り方を覚えた。私はこれを見て、ミャンマーのヤンゴンですら、エレベータのある高層ビルがほとんどないことを知った。

義父はよく日本で道に迷った。英国の旧植民地で英語に強いと言われるミャンマー人でも、ミャンマー国内に長くいると英語を使う機会がほとんどなく、英語を忘れている。彼は日本の路上で見知らぬ人に道を尋ねる際も、ビルマ語を使った。
私は義父に、私の電話番号を書いたメモを持ってもらった。彼が滞在するウィークリーマンションから私の家は徒歩10分の距離だが、義父は来るのに1時間かかる。案の定、客待ちをしているタクシーの運転手が、義父のメモを見て私に電話をしてきた。
「よく分からない言葉を話しているんですけど、あなたに電話するように言っているみたいなんで」
タクシー運転手はそう言って、私が義父を迎えにいくまで、隣町のコンビニの前で彼を見てくれた。

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昨年施行された改定暴対法について、ジャーナリストの田原総一朗氏、元刑事の飛松五男氏、弁護士の岡田基志氏、そして「特定危険指定暴力団」に指定された当事者である工藤會幹部が、それぞれの立場から語る。
その画期的な試みが、田口宏睦著『「改定」暴対法 変貌するヤクザと警察』(鹿砦社)である。
暴力団を取り締まるのだから、いいだろう。ということで、暴対法に対しての世間の関心は薄い。

だが、実際には、暴対法は市民をも取り締まる。
その最大にして象徴的な被害者が、島田紳助であると、田原総一朗氏は喝破している。
詳しくは同書を参照してほしいが、暴力団とつきあってはならない、という理屈で、島田紳助は芸能界引退に追い込まれた。

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明けて9月。夏休み明けの学生が、久しぶりの友人達とはしゃぎながら通学するのを横目に、イーダ社員は憂鬱な面持ちで出社する。

セントラル社の社員は、社長の請け負った開発の殆どを譲渡されていたが、まだイーダ社内に出向している。急ぎ開発を終わらせないといけないため、PC等開発環境を移転させる時間がないのだ。イーダ社員の方が把握している部分もあり、協調体制でやっている。以前より円満な関係になっているとも言える。社長を除いては。

社長だけは肩身狭そうに出社している。昼頃不意に社長から一通のメールが来た。社内にいるんだから直接話せばいいのに。誰にも聞かれたくないのだろうか。
「以前SNSに出した、モバイルゲームを他社に売り込めそうなので、そこの会社の人とアポイント取り付けました。戸次さんも出席してください」
唐突な内容で、理解するのに時間がかかった。この会社を傾けるきっかけともなったモバイルゲーム(手記1及び手記2を参照)を、再度別会社のSNSに展開するというのだ。

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オセロ・中島の復帰のメドがまったく立たないという。騒動の発端となった“自称・霊能師”の女性の影響を抜け出せていない状況のようだ。
復帰のうわさが出ては、立ち消えている中島。
「カラオケやショッピングで憂さ晴らしをしている。オファーはいくつかあるが、まだ療養中で、仕事ができる状態ではありませんね」(事情通)
「相棒の松嶋と一緒に復帰する計画もありましたが、中島が『絶対に嫌だ』と突っぱねたようです。どうも松嶋の結婚以来、関係がギクシャクしており、修復はできていません」(同)
中島は「(霊能師を)歌手デビューさせたい」「悪いのは私で、彼女は悪くない。彼女を救うためならテレビに出る」などと話しているようだ。

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「リストラしたい人をいったん、契約している人材会社に預けてきつい営業代行会社などに飛ばす。ノルマがきつくで辞めていくわけです」(人材派遣会社社員)
世間では、リストラを代行する会社があり、けっこうな儲けをはじき出している。
「年棒で1000万円の人に辞めてもらえれば、その1割は収入になります。けっこうな儲けとなります。リストラ代行業はもうウハウハです」(事情通)

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アメリカのある学術機関が行った調査では、1日に6.5~7.5時間の睡眠をとっている人が最も死亡率が低く、それ以上およびそれ以下の時間、眠っている人は寿命が短くなる傾向にあったという。特に長く眠っているほうが問題で、7.5~8.5時間以上の睡眠時間をとっている人は、6.5~7.5時間睡眠の人よりも死亡率が20%も高い。
この研究を行ったカリフォルニア大学サンディエゴ校のダニエル・クリプペ博士は、「睡眠は食欲と似ている。欲望にまかせてものを食べると、食べすぎて健康を害する。睡眠も、眠たいからといって、いつまでも寝ていると、体によくない」と語っている。

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かつて、マスコミが「第2の和歌山カレー事件」と騒ぎ立てた事件があったことを読者は覚えているだろうか。
舞台は埼玉県本庄市。1999年から翌2000年にかけ、市内で金融業を営む八木茂さんという男性が愛人女性らと共謀の上、トリカブトや風邪薬を凶器に使って保険金殺人を繰り返していた疑いをかけられ、凄絶な犯人視報道にさらされた。その後、殺人罪などに問われた八木さんは2008年に死刑確定したが、八木さんらが保険金殺人疑惑に関連する公正証書原本不実記載・同行使の容疑で最初に逮捕されたのが2000年3月24日のことだった。つまり、この3月24日で八木さんらの身柄拘束期間は丸13年に及んだことになる。

この間、八木さんは一貫して無実を訴え、死刑確定後に再審請求もしているが、冤罪を疑う声はあまり聞こえてこなかった。だが、実はこの事件の捜査や裁判は、非常に問題が多いものだったのだ。

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ミャンマー(ビルマ)の最大都市、ヤンゴンから南東約25キロの場所にあるティラワ地区では、工場地帯や商業地区開発に向けた動きが進んでいる。2013年早期の工事着工を目指し、日本の公的資金を使った調査が現地で行われているのだ。日本政府と日本の民間企業が共同で、この開発に乗り出している。
日本企業は数年前、タイの洪水による被害で、各種工場に多大な被害を受けた。その代替地として、また「チャイナリスク」と呼ばれる中国での反日運動を避けるべく、ティラワ経済特区の開発に力を入れたい考えだ。

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コメンテーターとして出演していた勝谷誠彦氏が、読売テレビの『たかじんのそこまで言って委員会』を降ろされたのは、TPP反対を唱えたことに絡んでのことだったようだ。
一方政府は22日、安倍晋三首相のTPP交渉参加表明を踏まえ、TPP関係主要閣僚会議の初会合を国会内で開いた。

「TPP参加は農家にとって大打撃だ。海外から安い品を輸入できるなら、消費者はこぞって買うだろう」(福島県の農家)
政府はTPPに参加した場合の経済効果について、実質のGDP=国内総生産を3.2兆円押し上げる効果があるとする一方で、農林水産物の生産額は3兆円減少するなどとした試算をまとめている。
「トヨタ、日産などの車メーカーとか、米倉経団連会長の住友化学などはけっこうおいしい思いをするのだろうが、漁業とか農業は大損を喰らう可能性があるね。いったいどうしてこうなっているのか説明を願いたい」(漁業関係者)
政府の試算によると、現在TPPに参加している11か国との間で関税がすべて撤廃された場合、安い輸入品によって消費が増加するほか、工業製品の輸出が増えることなどで、年間で実質のGDPを3.2兆円、率にして0.66%押し上げる効果があるという。

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出た意見としては、銀行の元本返済を止める、未完成の開発を、機能を縮小して売る、殆ど利益のないサーバーを他社に売却する、事務所を移転してもっと安いところに移るなど。

事務所を借りないで自宅内で就業という案も出た。殆どの業務は自社システム内で運用しているし、極端な話、ネットに繋がりさえすれば仕事は出来る。サーバー群を懇意にしている会社に置かせてもらうか、もしくは社長宅に置いて管理するか。社内会議するときも社長宅かレンタルルームを都度借りる。だんだん実態のない不安定な会社になってしまいそうだが、実際そういう運営をしている会社もある。事務所代が無くなれば会社運営も相当楽になるだろう。それぐらいに追い込まれている。
「社長も引越すべきですね」
社長宅にサーバは置けないかという話の中で、尚坂が言った。社長は全く経営状況に見合わない高級賃貸マンションに住んでいる。家賃はそのまま会社負担なので、一般的な部屋に移るだけでも大分負担は減る。尚坂はさらに無駄な出費の多い社長のカードに限度額を設けることまで提案する。

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