「メアド間違ってた。正解はこちら」と書いてきた、妹のメールはしばらく放っておくことにした。「メール届いている?」という確認も来たが、無視した。
石屋へ代金を振り込むと、すぐに社長からお礼の電話がかかってきた。こちらはとても気持ちのいい人物だ。
数日後に、寺の住職から電話がかかってくる。
「卒塔婆はどうされますか? 1本3000円なんですけど」
セールスである。
「あのね、こちらは、そもそも戒名なんかいらないって言ってるんですよ。戒名がないと墓に入れられないっていうから、付けてもらったんであってね。卒塔婆なんか、いらないよ」
「卒塔婆は、だいたい親戚の方が立ててくれるんですけどね」
あなたがたには費用の負担は生じない、という意味だろう。
「そうですか。それでは親戚に聞いてみます」
言い争いを続けているわけにもいかないので、そのように引き取って電話を切る。

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