元CIA職員のエドワード・スノーデン氏の、ロシアのシェレメチェボ空港のトランジット(乗り継ぎ)ゾーンでの滞在は、3週間に及ぼうとしている。
スノーデン氏は、アメリカ国家安全保障局(NSA)による個人情報収集の手口(PRISM計画)を告発したことで、米司法当局により逮捕命令が出されている。
香港で告発を行ったスノーデン氏は、ロシアに飛んだ。ロシアは、彼の亡命、入国は認めなかったが、アメリカが求める身柄引き渡しに対して、トランジットゾーンはロシアの司法権の及ばない区域であるとして、この問題には関知しないという態度を取っている。
国際的な大問題であるとともに、トニー・スコット監督の映画『エネミー・オブ・アメリカ』の描いた問題を背景にしながら、起こっていることはスティーヴン・スピルバーグ監督の映画『ターミナル』そのものという、きわめて興味深い出来事であるにもかかわらず、大手メディアはほとんどこの事件を、スルーしている。