今、考えるとあの女の子たちはあまり余計なことを話さないように口止めされていたようにも思える。
その後「一応、こちらでも原稿を校正させてもらったので見ながら直して下さい」と榛野氏は言い。校正したと言う原稿を返してもらった。だが、返ってきた原稿は誤字のチェックだけの校正であった。誤字のチェックと言っても、間違っている部分に黄色い蛍光マーカーが引かれているだけだ。これはデザイナーだけでなく校正者も居ないな。しかも、校閲をすると言った話はどこへ行ったのだろう?

自分で言うのもおかしいがこの分量で、誤字がこんなに少ないとしたらかなり奇跡的である。100枚以上の原稿の中に誤字は片手で数えられるほどしかない……もう一度チェックするか……他の人を頼むか……他の人を頼むとしたらお金がかかる。友人価格で引き受けてくれる人ばかりに頼るのも悪い。無料とは言うが、イラストレーター、校正、校閲、ここまでいい加減な仕事となるとどこかでお金の負担は出てくるであろう。

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以前、アメリカに本部を置く動物権利擁護団体PETAが、任天堂のゲームキャラのマリオに対して「タヌキの格好をしたマリオは、タヌキの毛皮を着ている」などと抗議した事があった。この団体は同じく任天堂のゲーム、ポケモンに対しても「ポケモンは人間に虐待されている」と抗議をした事もある。アメリカには極端な思想団体が多くあるから、またそんなのが、と思う程度のことだが、これが喫煙問題になると日本でも極端な団体が出てくるようだ。

宮崎アニメの新作映画「風立ちぬ」で、喫煙シーンが多いと日本禁煙学会が要望文を提出した。世界中で批准されている「タバコ規制枠組み条約」の「メディアによるタバコ広告・宣伝を禁止」に違反しているというものだ。抗議ではなく要望だったのは、宮崎アニメの人気と影響力を考慮してのことだろうか。宮崎駿氏のスタジオジブリは当然、タバコメーカーではない。広告も宣伝もする意味がない。ただ喫煙シーンが多かったというだけだ。これに対し、スタジオジブリではなく喫煙文化研究会が反論するコメントを出している。

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松江市内の小中学校の図書室にある「はだしのゲン」が、閉架に置かれ自由に閲覧できないというニュースを観た。旧日本軍がアジア人の首を切り落としたり、性的な乱暴シーンが小中学生には過激だ、という理由らしい。さらにその決定に対して、全教主催の周回で反対意見が相次いでいるという。

20数年前、私が通っていた埼玉県の小学校にも「はだしのゲン」は置いてあった。休み時間に読んでいると、先生が寄ってきて
「学校で漫画なんか読むな!」
と取り上げられた挙句ビンタを食らった。学校の図書室に置いてあるものを読んではいけないとはどういうことなのか。ただ、この先生は思想や歴史認識を問題にしたのではなく、単に漫画なんか読むな、という理由だったと思われる。

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自分はいつからライターになったのだろう? 成田空港に反対する三里塚闘争に参加して、現地の団結小屋に住んでいた時から、党派の機関紙『戦旗』に現地の報告を書いていたし、理論誌『理論戦線』には論文を発表していたが、それはすべて無償であった。
だが党派では、職業革命家にならない限り、あらゆる行為は無償である。だから、この頃からライターだったと言えるのかもしれない。

そうすると30年近くライターをやっていることになるが、今になっても最後まで悩むのが、人名の敬称をどうするか? ということだ。
敬称には、「氏」「さん」「君」「様」「殿」「先生」「閣下」などいろいろあるが、文中でよく使われるのは、「氏」「さん」だろう。
男性には「氏」、女性には「さん」をつけると、なんだか女性蔑視のように思われるが、女性に「氏」をつけると、なんだか堅い、と、これだけでも迷う。

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「日立トリプルウィン」という会社から電話があった。
国民年金が支払われていない、とのことである。
「日立って、日立製作所の日立ですか?」と訊くと、「そうです」と答える。
なぜ、日立系列の会社が年金の話などをしてくるのか。訊くと、国民年金機構の代行をしているのだという。

だが、国民年金を支払っていないというのは、身に覚えがない話だ。
これまで使っていたのは、みずほ銀行だったが、ゆうちょ銀行に替えて、各種の引き落としも移している。
みずほ銀行は、皆様のライフステージのお役に立ちます、などという頭取のメッセージをウェブサイトに載せていた。だが、父親が借金だけ残して亡くなり困っている時に、葬祭費の目的で使えるはずの多目的ローンの利用を申請したら、「応じかねます」と撥ねてきた。こちらを信用できない、ということだろう。

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先日、鳥取に行った。鳥取は電車で通過したことはあるが、泊まったのは初めてだ。
これで、日本の都道府県のすべてに泊まったことになる。もちろん、どの土地も広い。北海道の別海町などは、東京の23区よりも広く、人よりも牛のほうが多いという。
都道府県すべてに泊まったからといっても、日本のすべてを知っていることにはならないのは当然だ。

地方はどこも苦しんでいるが、それぞれに頑張っている。
鳥取に行くのに最初、夜行列車「サンライズ出雲」で行こうと思った。
従来の夜行列車のイメージと違い、住宅メーカーと共同で設計した室内は、木の温もりを生かしたインテリアに統一され、清潔で快適。女性にも人気だ。
出発の3日前に行ったら、サンライズ出雲のチケットは売り切れだった。
それだけ人気があるのだ。
皆、目指すのは終点の出雲だろう。「平成の大遷宮」で出雲大社が生まれ変わったこともあり、出雲は今賑わっている。

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8月10日から、ポレポレ東中野で映画『標的の村』の上映が始まっている。
毎日、補助席まで使うほどの満員で、熱気に溢れている。
琉球朝日放送の三上智恵さんが監督した『標的の村』には、本土には知らされていない沖縄の現在が映し出されている。

現在、普天間基地への追加配備が始まっているオスプレイだが、初めて配備されたのは、昨年の10月1日だ。
その直前の9月29日、普天間基地のすべてのゲートに市民たちが車を停め、座り込んで抗議した。

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榛野氏は手に表紙の絵3冊分をプリントアウトしたものと、後ろに2人の女の子を連れてきた。
表紙の絵をテーブルに置き「この絵、この子たちが書いたんですよ」と言った。表紙の絵は小説の内容にも合っていたし、可愛らしい絵柄であったので豊穣出版でこれまでに出版している数名の方のイラストよりも断然良い。これまでの表紙の多くはセンスが良いとは言えず、デザイナーが書いているとは到底思えなかったからだ。
小説の内容からすると可愛らし過ぎる気もしないでもないが、その点を除けばまずまずである。

「可愛らしい絵ですね。ありがとうございます」と女の子2人に向かい言った。しかし、女の子たちは笑顔を振りまくだけで何も言わない。不思議に思いながらも、以前、社内に居ると言っていたデザイナーだと思ったので私は名刺を差し出した。しかし、それでも彼女たちは恥ずかしそうに笑うだけで黙り続けている。社内の人間じゃないのだろうか? フリーのイラストレーター? 向こうは名刺も出して来ないし、名も名乗らない。おかしな空気が流れていた。

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音楽プロデューサーの佐久間正英さんが、末期ガンに侵されていることをブログで告白した。脳に転移したと思われる腫瘍以外は、あえて治療せずにガンと共に生きる道を選んだ。
彼の名前を初めて見たのは、いつだっただろう。BOOWYやTHE BLUE HEARTS等を聴き始めた頃だから、80年代の後半頃、小学生の時だ。買うCDの殆どに、編曲やプロデューサーとして彼の名前を目にした。
「さくましょうえい? 誰なんだろう」
プロデューサーという仕事が何なのかもわからなかったが、よく目にする名前だと思っていた。

それもそのはず、80年代より現在に至るまで、JUDY AND MARY、GLAY、黒夢、エレファントカシマシ……彼がプロデューサーとして手がけたミュージシャンは数知れない。とりわけ、80年代~90年代のロックバンドにとっては、影響力という点で彼の右に出るものはいない。私を含め、ロックの入り口に彼が立っていたという人は、星の数ほどいるだろう。

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六本木ヒルズでは、利用者を歩かせないために幅の狭いエスカレーターを設置している、という。あまり意識していなかったが、地下から地上2階の高さのエントランスまで続く長いエスカレーターで、確かに、歩いている人はいなかった。

エスカレーターを歩くことがないので、不便とも思わず意識もしなかったが、それが「利用者を歩かせないため」だと知って、少し驚いた。
そこまで日本は、言葉が通じない社会になってしまったのか、と思ったからだ。

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