知り合いの女性が最近、ホストクラブにはまっている。
しばらく前まで、ホストクラブは初回の料金が3000円というところが多かったが、今は500円というところが増えているようだ。そこで楽しさを覚えさせて、2回目からの来店は通常の料金となるのだ。長引く不況での生き残り競争で、初回料金は価格破壊しているというわけだ。
ホストたちは、女性の喜ばせ方を知っている、と彼女は嬉々として語る。
確かにそうだろうな、と私も思う。
友人にナンパ塾の校長がいる。ナンパの仕方を教える学校を経営し、自ら教えているのだ。
彼はとにかく褒めるのがうまい。カラオケの受付の女性にまで、「そのネイル、きれいだね。自分でやったの?」などと話しかけている。その女性を褒めてもなんの得にもならないはずだが、そうやって日頃から褒める鍛錬をしているのだ。
日本人はなぜか、褒めるのは簡単、批判するほうが難しい、と考えている人が多い。
しかし、実際には褒めるのは難しい。
熱海で、芸者をしているライターに会った時のことだった。見るからに地味な浴衣を身につけていたが、それはこちらが素人目だからだろうと思った。
「浴衣、渋くていいですね」と褒めると、「えっ、これがですか!?」と仰天されてしまった。