昨年9月に広島市で小6の女児がカバンに入れられ、連れ去られた事件で、わいせつ目的略取や監禁などの罪に問われた被告人、小玉智裕氏(21)の裁判が佳境を迎えている。10月7日の公判では、情状証人として出廷した小玉氏の母親が「被害者の方にはまだ謝罪を受け入れてもらえていませんが、受け入れてもらえたら、誠意をもって謝罪したいです」「今後は私たちがしっかり息子を監督していきます」と涙ながらに証言。これまで公判中はずっと無表情で、何を考えているのかさっぱり読み取れなかった小玉氏も母親の涙に心を動かされたのか、「(被害者の)心の傷は一生残ると思う。ぼくも一生かけて償っていきたい」と泣きながら反省の言葉を並べたのだった。
そんな重たい雰囲気の公判では、母親の証言により、事件に至るまでに小玉氏が抱えていた複雑な事情が明らかにされた。