いわゆる「首都圏連続不審死事件」の被告人で、マスコミが「毒婦」と呼ぶ木嶋佳苗さん(38)の控訴審初公判が東京高裁で開かれた先月17日、筆者は島根県の松江刑務所を訪ね、1人の女性被告人に面会していた。いわゆる「鳥取連続不審死事件」の被告人で、マスコミが木嶋さんになぞらえて「西の毒婦」と呼んだ上田美由紀さん(39)である。

上田さんは2009年11月、同居していた男性A氏と共に詐欺の容疑で逮捕されたのち、過去に周囲の男性たちが次々に「不審死」していたという疑惑をマスコミに騒ぎ立てられた。そして計8回も逮捕を繰り返される長期捜査の結果、借金の返済を免れるために2人の男性に睡眠薬などを飲ませ、溺死させたとして強盗殺人の容疑で起訴された。また、そのほかにも12件の詐欺事件、1件の住居侵入・窃盗事件の容疑で起訴された。裁判では、2012年12月に鳥取地裁で死刑判決を受けたが、2件の強盗殺人については一貫して無実を訴えており、現在は広島高裁松江支部に控訴中である。

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