2月15日、「労働組合は役に立つのか」と題されたシンポジウムが、専修大学で行われた。
開会の挨拶に立ったのは、『労働貴族』(鹿砦社)でもインタビューに応じている、前田裕晤氏である。「いわゆる右派であっても、労働者に根を置くのそうでないのかで違う」と、戦後から現在まで、労働者の立場に立った労働運動を行ってきた中から掴み取った真理を、前田氏は語った。

労働・社会政策が専門の兵頭淳史氏(専修大教授)の司会で、石川源嗣氏(東部労組副委員長)、加瀬純二氏(下町ユニオン事務局長)、鳥井一平氏(全統一労組副委員長)、平賀雄次郎氏(全国一般なんぶ委員長)、松本耕三氏(全港湾書記長)、村山敏氏(神奈川シティユニオン委員長)が、それぞれの実践を語った。
中小、零細企業や非正規労働者、外国人労働者を対象に、地道な労働相談を積み重ねて、組合員を増やし運動を広げている。その中での苦労や工夫が具体的に述べられていく。

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「弁護士の先生は一審も二審もよくやってくれました」
「鳥取刑務所でも松江刑務所でも職員の人達はすごく良くしてくれています」
筆者の取材経験上、無実を訴えながら有罪判決を受けた被告人は、無罪判決をとれなかった弁護士や自分を犯罪者扱いする拘置所・刑務所の職員たちへの不満を訴えることが少なくない。だが、彼女の場合、そういうことは一切ないばかりか、他者への感謝の思いばかりを口にする。ただ、それにしても、公判が終わって退廷する際、敵であるはずの検察官にまでお辞儀していたのは少々驚いた。本人はそのことを記憶していないというのだが……。

「裁判の時は緊張していたので……無意識のうちにお辞儀していたのかもしれませんね」
昨年12月、松江刑務所の面会室。マスコミが「西の毒婦」と呼んだ鳥取連続不審死事件の上田美由紀被告(40)はそう言って笑った。

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亀田ジムが追放されるという記者会見があるというので出かけてみた。ボクサーライセンスというのは、1年ごとに自動更新されるが、ジムを通して手続きされることもあり、ジムが消滅した状態で亀田3兄弟のライセンスも失効。国内での試合はできなくなり、ジムを移籍するか、海外に出るかしか亀田ジムの道はなくなった。

かつて、一世を風靡した亀田三兄弟だが、マスコミは少なく、40人程度。テレビはカメラのみで、レポーターは来てない。世間の関心はもはや稀少となっている。発端となったのは、日本ボクシングコミッション(JBC)が昨年12月にIBF世界スーパーフライ級王者亀田大毅(25)がIBF・WBA世界スーパーフライ級王座統一戦で負けて王座を保持した問題だ。ルールミーティングでは、『負けたら王座は空位』となっていたのだが、亀田は負けてから『負けても王座は防衛。IBFのルールにもそう書いてある』と主張した。

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『錯乱の時代を生き抜く思想、未来を切り拓く言葉  鈴木邦男ゼミin西宮報告集 Vol.3』(鹿砦社)を読んだ。あまりの内容の濃さに、どのように紹介したらいいか迷う。
登場するのは、上祐史浩、神田香織、湯浅誠、前田日明、青木理、内田樹。それぞれの世界で、極めて尖った活躍をされている方々ばかりだ。
これを1度に紹介すると、各人のプロフィールをただ並べるということになってしまう。
そこで、一人一人の章を紹介することにしたい。

同書は、2010年9月から鹿砦社ホームグラウンド・西宮で行われている「鈴木邦男ゼミin西宮」の2012年10月~2013年7月までの全6回を完全収録したものだ。
案内役となっているのが、鈴木邦男。新右翼「一水会」最高顧問だが、右翼という枠にとらわれない発言を行っている。
ジャーナリストの青木理と鈴木邦男との出会いは古く、20年ほど前。当時、公安部の担当だった青木は、公安部の一番ホットな監視対象であった鈴木に取材をしているのだ。
青木は公安部担当だった経験を生かして、『日本の公安警察』を著す。その興味深い成り立ちについては、同書を参照して欲しい。

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「都民の生活を守る」「働きやすい環境づくりを」と、都知事選の候補者達が連日街頭演説を繰り返している1月末、労働派遣法の改正案が国会に提出される見込みとなった。厚生労働省の労働政策審議会が最終報告をまとめたからだ。

以前も少し書いたが、1つの業務を派遣社員に任せるのは、一部職種を除いて3年が上限とされていた。この改正案では1人の派遣社員は3年以上就業させられないことは変わらないが、会社は同じ業務に別の派遣社員を雇うことで、年数の上限無く派遣社員を使い続けられる。企業に優しく労働者には厳しいだけの改正案だが、昨年夏に意見が出されて以来、問題なく事が進んでいる。一般人からは反対意見ばかりが出ているのだが。

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都知事選挙は雪の影響で投票が少なかった。こうなると組織票が強い。また、高齢者たちには、投票に行きたくても足元が危ないので行けなかったと言っている人たちがいる。
たしかに、投票日に雪は止んで晴れはしたものの地面は危険な状態で、都内で滑って転倒し病院に搬入された人数は三桁にもなっていた。
こうなると、組織的に投票所へ自動車で送ることができる後ろ盾をもった候補が強い。実際に、得票が多い候補ほど高齢者の投票が多かったという調査結果もある。

こうなると、センセーショナリズムによって浮動票に頼る候補は不利だろう。それで、細川元総理は特に振るわなかったと考えることができる。
この細川を支持していた文化人とか芸能人たちがいて、そんな人たちは、とにかく脱原発だからというだけで、その具体的な政策内容も検証せず、そのうえ他の政策は無視していた。こういう人たちは有名人の「勝ち組」なので生活の不安などなく、お高くとまって上から目線で脱原発と言っていただけだ、という批判を受けている。

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日本はこんなにも米国に見下されているのか――。外交問題に疎く、そもそもあまり関心がない筆者がしみじみそう実感させられる出来事が今から6年前にあった。2008年2月22日、あの「ロス疑惑」の三浦和義氏(当時60)がサイパンを旅行中、妻(=前妻。以下同)を殺害した容疑で米国捜査当局に逮捕された一件である。

三浦氏は雑貨の輸入会社を経営していた約30年前、米国ロサンゼルス(以下、ロス)で妻を保険金目的で殺害したなどの疑惑を連日、マスコミに大々的に報じられた。そして殺人などの容疑で逮捕、起訴されたが、一貫して無実を主張。妻を殺害した容疑では、第一審で無期懲役判決を受けたが、最終的に逆転無罪判決を勝ち取った。サイパンでの米国捜査当局による逮捕は、日本では無罪が確定したこの妻殺害の容疑を蒸し返したものだった。この時、三浦氏が受けたショックの大きさは計り知れないが、それと同時に米国の捜査当局が日本の司法など屁とも思っていないことが露呈した逮捕劇だった。

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長崎県西海市でストーカー被害を訴えていた女性(事件発生当時23)の母親(同56)と祖母(同77)が刺殺される事件が起きたのは2012年の暮れのこと。捜査の結果、女性の元交際相手・筒井郷太被告(同27)が殺人や住居侵入、脅迫などの罪で起訴された。筒井被告は、長崎地裁の裁判員裁判で無実を訴えたが、2013年6月14日、犯人性も完全責任能力も認められて死刑判決を宣告され、現在は福岡高裁に控訴中である。

筆者は昨年9月ころからこの筒井被告と手紙のやりとりを重ね、勾留先の福岡拘置所に面会にも訪ねた。こうした取材を通じて確信できたのは、この事件では筒井被告に不利な証拠が揃っているものの、筒井被告本人は“本気で”無実を訴えている、ということだ。筒井被告は自分のことをむしろ「被害者」であるように主張しているのだが、貰った手紙の文面や、面会した時の本人の様子から“やましさ”のようなものは微塵も窺えないのである。

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世間の耳目を集めているオウム真理教の元幹部・平田信被告(48)の裁判員裁判。公判は何かと波乱含みのようだが、産経新聞の報道によると、弁護側が証人出廷した元オウム信者の受刑者に対し、迷宮入りした「警察庁長官狙撃事件」と平田被告の関連性について意見を求める質問をする場面があったという。質問の背景には、平田被告がかつて、この事件の犯人候補としても警視庁に注目されていたことがあったと思われるが、「あの男」がこの報道に触れたらおそらく気になって仕方がないだろう。

「あの男」とは、かつて警察庁長官狙撃事件の犯人候補としてマスコミにクローズアップされた老スナイパー、中村泰のことである。

1995年3月、地下鉄サリン事件の10日後に発生した警察庁の国松孝次長官(当時57)狙撃事件。捜査を主導した警視庁の公安部がオウム真理教の犯行を執拗に疑い続けた一方で、刑事部が犯人とみていたのが中村だとされる。中村は別件の現金輸送車襲撃事件の容疑で身柄拘束中、警察庁長官狙撃事件の犯行を詳細に自白。さらに獄中にいながらマスコミの取材を受け入れ、自分が長官を撃った真犯人だと認めたに等しい証言を重ねていた。だが結局、警視庁は中村の逮捕に踏み切らず、事件は2010年3月に迷宮入りしてしまったのだった。

そんな中村は83歳となった今も岐阜刑務所で服役中。そして実を言うと、今も自分が警察庁長官狙撃事件の犯人であることを訴える活動を続けているのである。

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理化学研究所などがSTAP細胞という新万能細胞の作製に成功したニュースは生命科学の常識を覆す画期的な成果として報じられた。科学に明るくない者でも、未来に希望の持てるニュースが新聞の一面に掲載されるのは気分が高揚する。

各紙記事や各テレビ局のニュースで研究の立役者として紹介されたのが理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーだ。
博士号を取得して3年の若き女性研究者の活躍は賞賛に値する。

けれども気になるのは、マスコミの「取り上げ方」である。
NHKや民放のニュース番組では、彼女を「女子力のあるリケジョ」という表現で取り上げた。最近は理系の女子を「リケジョ」というらしい。ちなみに土木に携わる女性は「ドボジョ」というそうだ。
大学生に占める理系学生の割合は3割弱とされているので、理系の専攻者は少数派だ。
けれど理系の男性をリケ男などとは言わない。女性はさらに少数派で、理系といえば男性をイメージする人が多いということだろう。

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