通勤しているビルの1階ホールに、スタインウェイのグランドピアノが置いてある。ピアニストであれば誰もが憧れる最高級品のピアノで、安く見ても1千万円はする。このビルは特別コンサートホールになっているわけでもなく、ただのビジネスビルだ。年に数回、イベントなどでピアニストを呼んで演奏されることがあるようだが、毎日通勤している私は今まで観たことが無い。

大型ビルや高級ホテルのロビーなどに、ピアノが置いてある光景はよく観る。ピアノ=上流階級という図式が必ずしも成り立つわけではない。が、今でもピアノやバイオリンを嗜んでいる、と聞くと上流の匂いを感じるほどに、イメージが作られている。スタインウェイでなくてもグランドピアノ自体高級品であり、ビルのフロアに置いている企業やホテルは景気がいい様に見える。上品さと業績の良さのイメージを作るにはもってこいのアイテムというわけだ。

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