「飯塚事件はDNA鑑定だけで有罪、無罪が決まったわけではないので、DNA鑑定がどうなろうと有罪認定は揺るがない」。そんなデマがいまだに流布しているようである。
1992年に福岡県飯塚市の小1女児2人が殺害された通称「飯塚事件」。一貫して無実を訴えながら死刑判決を受け、2008年に処刑された久間三千年氏(享年70)については、冤罪の疑いが根強く指摘されてきた。あの足利事件同様、警察庁科警研による捜査導入初期の稚拙なDNA鑑定が有罪の決め手になっているためだ。去る3月31日、福岡地裁はこの事件の再審を認めない決定を出したが、弁護側は福岡高裁に即時抗告しており、死刑執行後としては初の再審無罪をまだまったく諦めていない状況だ。