日本の捕鯨に対して、中止を求め続けてきた国や団体は多い。とりわけ南極海のお膝元のオーストラリア政府や、過激な妨害行動をとるシー・シェパードの反対行動は印象が強い。
しかしこれがサメとなると、途端に話が変わってくる。オーストラリア政府は、ザメの駆除作戦に乗り出し、ここ3カ月間実行に移していた。オーストラリア近海では、凶暴なサメとして名高いホオジロザメの被害が多く、襲われての死亡事故もある。
しかし、ホオジロザメは絶滅危惧種だ。オーストラリア政府の対応は、クジラを守るという大義名分を掲げる一方、サメに対しては駆除作戦を行う。オーストラリア政府には決して動物愛護的な精神はない。捕鯨に強く反対しているのは、ホエール・ウォッチングやホエール・スイムといったクジラビジネスが主要産業になっているからだ。そのためクジラに対する愛護的政策をとってきた結果、オーストラリア国民にとってクジラは愛すべき存在になった。