小学館「ビッグコミックスピリッツ」に連載中の『美味しんぼ』(作・雁屋哲、画・花咲アキラ)の「福島の真実編」の内容に、環境省、福島県、双葉町、大阪府、大阪市が声明を出し、閣僚たちが批判している。
福島第一原発の事故を、あたかもなかったのごとく封じ込めようとしてきたことに、マンガが亀裂を走らせた。これには快哉を叫びたい。
東京電力福島第一原発の事故以降、周辺の地域で、それまであまり鼻血を出したことがない者も含めて、鼻血を頻繁に出すようになった者が多いことは、野党時代の自民党が国会に参考人を招致して述べているくらいだから、否定しようがない。
問題は、鼻血と放射線被曝との関係だが、声明や批判の中で、「因果関係がない」といっているものと、「因果関係は科学的に立証されていない」といっているものとがある。この両者は、似ているようでいて、まるで違う。
科学的に立証されていないというのは、その通りだ。だがそれは因果関係があるかないか、まだ分からないということであって、因果関係はあるかもしれない。
だから、「因果関係がない」というのは、ウソをついていることになる。