(屁世26年9月18日)

現世の私欲に目がくらみ、裁判長が“冥府の王プルトーン”に変身……の巻

屁世日本地獄絵図

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面接官 「つぎのかた。……ズヅキさん、どうぞ。」
ズヅキ 「よろしくお願いします」
面接官 「ズヅキさん……“頭突き”とまた変わったお名前ですね。」
ズヅキ 「はい。先祖代々、頭突きでケンカに勝ってきた家系でございます」
面接官 「さようでございますか。そうしますと、前のお仕事はケンカ上等っていう、マルボー関係とか格闘技の業界だったとか……。(履歴書をしげしげと眺めて) あっ、裁判官だったんですね」
ズヅキ 「はい、司法の道ひとすじに、御社(おんしゃ)のご利益を拡大する方向でがんばってきました」
面接官 「公務員なのに弊社のためにひとかたならぬ便宜を図っていただき、その点では感謝しています。……で、ズヅキさんは、なぜ弊社の求人に応募なさったんですか?」
ズヅキ 「先輩のアジムラさんが御社のお世話になっており、そういうスジでわたしも、と……」
面接官 「アジムラさん、と言いますと? ……ああ! 味村治さんですね。弊社の恩人なので皆存じ上げておりますよ。
味村さんといえば、検事から最高裁判事にご昇進され、最高裁時代には四国電力の伊方原発と、東京電力の福島第二原発の建設認可取り消しを求めた二つの住民訴訟で、原発の安全性にお墨付きを与えて建設にゴーサイン下さった大恩人だ。ですから公務員をご退職後は、弊社で監査役として引き取らせていただき、いろいろお世話をさせていただきました。」
ズヅキ 「私も法曹時代には、アジムラ先輩に負けないくらい、頓死場コンツェルンに貢献してきたつもりです。ですから……ぜひとも……」
面接官 「アジムラさんはご立派なかたでした。勲一等旭日大授章を受けられましたよね。弊社にお迎えしたのは16年まえでした。私も当時はまだ新入りでしたが、大先輩にあたる方が社外監査役に就いたというので感激したものでした」
ズヅキ 「……ということは、あなたも東京帝国大学の法科卒業ですか?」
面接官 「帝大なんて、ご冗談を(笑)。そんな年配に見えますか私?」
ズヅキ 「それは失礼しました。では東大の法学部をご卒業で?」
面接官 「当たらずとも遠からずです。東京ホウケイ大学の出身です」
ズヅキ 「ちなみにどこのゼミでした?」
面接官 「はい……わたし英語が得意だったんで外人教授のゼミに出てました。デッカ・マラー教授の“カントンホウケイ論”です」
ズヅキ 「関東地方の法経問題を論じるゼミですね」
面接官 「まあそんなところです。……ところでアジムラさんは10年ほどまえにお亡くなりになりましたが、ご存じでした?」
ズヅキ 「はい。じつは先日、夢枕に現れまして、いまも冥府で裁判長をやってると自慢してましたよ」
面接官 「それって閻魔(えんま)大王のお仕事ですよね? アジムラさん、閻魔大王になったのですか?」
ズヅキ 「さあ、詳しくは知りませんが、そう自慢されていたのです」

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面接官 「さて本題に戻りましょう。ズヅキさん、あなたもアジムラ先輩みたいに弊社にご貢献したとのことですが……」
ズヅキ 「はあ、東北地方の原発に北海道のやつらが建設差し止めを言ってきたんで、私はすっかりキレてしまいまして、原告団に頭突きを喰らわしましたわ(笑)」
面接官 「東北で原発建設と言いますと……ああ、青森の、あのマグロで有名なグルメの町の、オオマチガイ原発のことですか?」
ズヅキ 「ご名答! だいたい今どきは寿司のネタといえば、マグロなんて時代遅れですからね! いまは北欧の養殖サーモンの時代なんでマグロなんて時代おくれだ。それに今や時代はTPPだ! 自由貿易の時代なんですよ。近場で漁師やってるよりも、輸入ネタを買うべきなんですよ! 東北の漁師なんて廃業して、原発建設の現場で働けばいいでしょ。そっちのほうがずっと建設的ですわ。それに、まあこれは私の個人的信条ですけどね、そもそもマグロとかクジラとかイルカを捕るのが気にくわない。大きなサカナは脳みそが大きいから、立派な知能があるんですよ。マグロもね。そんなマグロを捕獲してるのは、私はぜったい許せない。だから東北のマグロ漁師を転業させるためにも、絶対にあそこに原発を建てる必要があるんですっ!」
面接官 「なるほど……それで差し止め訴訟の原告団に頭突きを喰らわせた……と」
ズヅキ 「原告なんかにゃ絶対しゃべらさない! 意見陳述なんかトンデモないですよ。裁判官は私ですからね。朕(ちん)は法廷なりっ! わたしが気に入れば、それで一件落着っ! 気に入らなきゃ、それで一件落着っ! 原告とか住民訴訟とかね、フザケるなってことですよ!」
面接官 「ズヅキさん、気合い入ってますね(笑)。……で、弊社では、どのような部門での再就職をご希望ですか?」
ズヅキ 「はい。法曹方面のキャリアを生かせる分野で、活躍したいと思います」
面接官 「承知しました。ちょうど定員が空いている部門がありますので、そちらで採用いたしましょう」
ズヅキ 「ありがとうございます。私のキャリアが生かせる職場をお与えいただき、感謝します」
面接官 「ズヅキさん、さっそく来週から働いていただけますか?」
ズヅキ 「もちろんですっ!」
面接官 「では採用いたします。ズヅキさんには福島第一原発の雑務作業をお願いいたします」
ズヅキ 「えっ? 現場作業ですか?」
面接官 「はい。だれでもできるお仕事です。そしてズヅキさんのようなお方には最もふさわしいお仕事です」
ズヅキ 「私にも名誉があります。雑務作業は納得できません!」
面接官 「いえいえ。これはあなたのような豊富なキャリアの持ち主しか出来ない作業です。若造になんて任せるわけにはいきません」
ズヅキ 「そうですか。若造にできない作業なら喜んでお引き受けしましょう」
ズヅキ 「契約成立ですね。頓死場はあなたを歓迎します!」

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プルトくん

「地獄から来ますた。
ピカの王子様プルトくんだお!
頓死場の電気製品を買えば、
ぼくが地獄に連れて行ってあげるお!」

頓死場のテーマソング

ピカ~る ピカる 頓死場


ハゲ~る ハゲる 頓死場

ボケ~る ボケる 頓死場
F        G C
死ね~る 死ねる 頓死場
C         F
みん~な み~んな 頓死場
Dm    G C
頓死場~で 被~曝~♪

(参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=pFqNnEGIDG8

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なお、ここに記した内容した内容に関して、味村氏については事実情報に基づいて
いますが、それ以外は悪酔いで昼寝をしていた時にみた、ただの夢にすぎません。

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