デジタル鹿砦社通信をご覧の皆様、日々のお勤めゴクラク様です。毎週更新で『タバコは体にいいのではなかろうか?』っちゅうことを調査報告している、タバコ愛好家の原田卓馬です。
さて前回の記事で、JTの製造販売するタバコの燃焼促進剤がクエン酸塩だという知られざる事実が判明した。その話の続きをどうぞ。
── なんでクエン酸塩が添加されているんですか?
JTコールセンターの電話の人にたずねてみた。
「はい。クエン酸塩が巻紙とタバコ葉の燃える速度を調節するために、巻紙に添加されています。」
── じゃあ、巻紙にクエン酸ナトリウムとクエン酸カリウムが入ってないと、燃焼速度が安定せず、タバコ葉だけ先に燃えてしまうということですか?
「はあ、多分そうだと思いますけど」
おっと、こんな質問したところで、そう答える以外にないじゃないか!意味ないぞ!
── 巻紙に添加されているクエン酸ナトリウムとクエン酸カリウムがどういう理屈で巻紙の燃焼促進に効果を発揮するんですか?
「そういった詳しいことですと、こちらでは即答致しかねます。お調べするとなるとお時間の方が・・・」
◆火薬が燃焼促進剤だという都市伝説
── 本当かどうかわかりませんが、火薬の成分の硝酸アンモニウムとか硝酸ナトリウムが添加されているという情報をネットで見かけたんです。そういった火薬みたいな成分は燃焼促進剤として含まれていないんですか?
「過去に硝酸アンモニウムを巻紙の燃焼促進剤として使用していたかどうかの詳細は、判りかねますが、現在のJTにおいてはタバコ巻紙に硝酸アンモニウムを添加するということはないようでございます。他社さんのことについてはわかりかねます。それ以外の成分についても使用目的等の詳細はわかりかねます。」
開発者ではないのでさすがに専門知識となるとわからないのであろう。
◆巻紙のりは酢酸ビニル?
── じゃあ話変わって、JTのホームページのたばこ材料品添加物リストの巻紙のりについて質問しますけど、
電話口の向こうで、「こいつ、めんどくせ~」という無言の溜息が漏れた瞬間である。
── 巻紙のりに使用されている、酢酸ビニルというのはなんですか?
たばこ巻紙のり添加物一覧(右横の数字はシガレット一本に対する最大使用割合(%)
・エチレン-酢酸ビニル樹脂 0.2
・ポリ酢酸ビニル 0.07
・カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.02
・ 酢酸ビニル-ビニルアルコール樹脂 0.001
「酢酸ビニルは巻紙を接着するための糊にあたります。」
タバコの葉を巻紙で包んで、紙同士が重なる余白部分を貼り合わせるための接着剤としての糊は酢酸ビニルであると。これは、調べてみると木工用ボンドやチューインガムのベースになっているということだ。
なんだと?!普段から木工用ボンドを吸っているのか?なんとも不気味である。
── その成分は木工用ボンドと同じようなものでしょうか?
「酢酸ビニルは木工用ボンドにも使われている成分ではありますが、巻紙のり自体が木工用ボンドと同じ成分ということではないようです。詳細はわかりかねますが、含まれているのはご覧になっている添加物リストにうんたらかんたら── 」
酢酸ビニルを燃やした場合、完全燃焼させれば二酸化炭素(CO2)と水蒸気(H2O)になるようだ。しかし、水分を含んでいると不完全燃焼となり一酸化炭素やアセトアルデヒドを発生し得るようだ。
◆工場見学実施中
有害性についてあれこれ質問しても詳しいことまでは「わかりかねます」なので、どこかに窓口がないか聞いてみた。
── もっと詳しく知りたいんですけど、どこ行けば教えてもらえますか?JTの本社とか行けばいいですか?
「他の窓口については詳しくわかりませんが、タバコ工場の見学なら定期開催ではないのですが、予約可能です。」
── 工場見学!!!!!!!!
「東京にお住まいでしたら宇都宮の北関東工場か静岡の東海工場のどちらかが近いかと思います。」
── そいつぁどうも、ありがとうございます。やっほーい!
工場見学という萌え萌えな耳寄り情報に舞い上がって、上機嫌のまま勢い余って電話を切ってしまった。
・JTのタバコの巻紙の燃焼促進剤はクエン酸塩である。
・巻紙のりの接着剤は木工用ボンド(ではないが)みたいなものである。
・タバコ工場見学ができる。
以上の三つが今回の取材でわかったことだ。
次回は、工場見学かタバコ葉の添加物のお話です。
(原田卓馬)