デジタル鹿砦社通信をご覧の皆さんこんにちは、タバコ啓蒙活動に邁進中の売れないミュージシャン原田卓馬です。

先日遂に、念願のタバコ工場見学に行ってまいりましたので早速レポートいたします。

◆鬼怒川を越えるとそこは広大な工業団地だった

工場の外観

清原工業団地は宇都宮駅の東方8.5kmの工業団地で、387ヘクタール、東京ドーム82個分の広さであります。今、調べてわかったのですが「東京ドーム何個分の広さです」っていうのは一個あたり4.7haという計算をするみたいです。また1つ豆知識が増えましたね。小学校の頃は雑学の本と図鑑と辞書が好きでした。

海辺に面していない内陸の工業団地としては日本最大で、元々は戦前にゼロ戦を作っていた中島飛行機の飛行場として使用していた場所の跡地だそうです。

キヤノン、カルビー、久光製薬、中外製薬、松下電器産業などテレビCMでお馴染みの有名企業が軒を連ねて、40社以上の工場が立ち並んでおります。シラミ潰しに工場見学したいものであります。

その一角に四方をフェンスで囲まれて植え込みで少し目隠しをした日本たばこ産業JT北関東工場があるわけですね。15ヘクタール、東京ドーム3個分の広さであります。

◆JT北関東工場に到着

並んだ机

あいにく、敷地内写真撮影禁止だったので色々お見せできなくて残念ですが、文学的に描写するので想像してみてください。

ゲートを通ると警備室兼受付があり、敷地内に案内されました。灰色の建物の自動ドアをくぐると中は小学校や市役所に似た公共施設っぽい雰囲気で、入り口からすぐの視聴覚室みたい部屋に通されました。

折りたたみ式の長机とパイプ椅子が三列ずつ並べられて、一番前の席にペットボトルのお茶が置いてあります。係の人に案内されて着席すると、目の前にはスクリーンがあり、パワーポイントを使ってJT工場の概要を解説してくれます。
お茶はJTビバレッジの辻利でした。

製造のおおまかな流れを説明すると、栽培したタバコ葉を中間貯蔵施設で1年貯蔵し、工場で水をかけて細かく刻んでブレンドし、香料をまぶして熟成し、機械で紙にまいて、箱に詰めて、出荷するということでした。もちろん、香料については詳しい説明はしてもらえませんでした。

北関東工場では主に、『メビウス』、『セブンスター』、『ピアニシモ』、『ロゼ』などを製造しているそうです。東日本大震災の時はこの工場も被災したそうで、その時壊れた丸い掛け時計が展示されています。震災の後、タバコの供給が間に合わず品切れになっていた銘柄がいくつかありましたね。

◆在来種が気になる

キセル用の刻みタバコ「小粋」

香りとコクのある黄色腫、香料と相性のいいバーレー種、江戸時代に日本で品種改良された在来種があるようで、三種類のタバコ葉を独自にブレンドしているということでした。それぞれが単体でどのような香りや吸いごたえがあるのか試したいという要望を伝えましたがJTではそういったサービスは行っていないそうです。

『小粋』というキセル用の刻みタバコがJTで製造されているのですが、原料は在来種なのか尋ねてみました。タバコのブレンドのレシピについては口外できないということでした。

調べてみると、『小粋』は在来種の松川葉・達磨葉・出水葉・指宿葉・水府葉の全5種のブレンドで作られるようでした。そのくらい教えてくれてもいいのに。日本独自の成長を遂げた在来種のタバコを吸ってみたい方は是非ともキセル喫煙に挑戦してみてください。
2012年にはブレンドではなく、それぞれ単体での販売もされたようですが、現在は3種類のみが限定販売されているそうです。

◆遂に念願のタバコ工場に足を踏み入れる

工場の帽子

ひと通り説明を受けてから、いよいよ工場棟に入ります。工場内は気温も湿度も高いので上着を脱ぐよう指示を受けました。「注文の多い料理店」がトラウマなので知らない場所で上着を脱ぐのは苦手ですが、半袖でちょうどいいくらいだということなのでコートを脱ぎました。靴に不織布の袋を被せ、髪の毛をカバーする帽子を被り、黄色いゼッケンを着用して、首から無線機をぶら下げて、ヘッドフォンを耳にあてます。工場内は機械の騒音がうるさいので、案内の音声が聞こえるようにするための工夫とのことです。

工場棟までの廊下には工場勤務の社員の方々ひとりひとりの一年の抱負を書いた紙が貼りだされています。更衣室がありました。制服の作業着は男性が薄緑色、女性が渋めのピンクです。駅の掃除係の人みたいな感じ、という印象でした。
工場棟の直前に設えてある手洗い場で手を洗い、アルコール消毒します。工場ゲート外からでも芳ばしい甘いタバコ葉の香りがします。ウイスキーのような木を焦がした甘い香りです。ドアが開きました。(後編に続く)

▼原田卓馬(はらだ たくま)
1986年生まれ。幼少期は母の方針で玄米食で育つ。5歳で農村コミューンのヤマギシ会に単身放り込まれ自給自足の村で土に触れて過ごした体験と、実家に戻ってからの公立小学校での情報過密な生活のギャップに悩む思春期を過ごす。14歳で作曲という遊びの面白さに魅了されて、以来シンガーソングライター。路上で自作のフンドシを売ったり、張り込み突撃取材をしたり、たまに印刷物のデザインをしたり、楽器を製造したり、CDを作ったりしながらなんとか生活している男。早く音楽で生活したい。
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