なにごとも体験と思うが、多忙でなかなか体験できなかったひとつに「アイドル撮影会」がある。4月18日、かねてより「腰高」「美脚」のアイドル、大智そあちゃんの撮影会に行ってみた。
「撮影会」は、1時間近くもアイドルを独占でき、今や大盛況となっている。今は、アイドルとのつきあいかたとして重要なのが、「アイドルの、自分だけの表情を撮影してアルバムを作る」というスタイルであり、デビューしたばかりの新人とて、「ファンミーティング」ないしは「撮影会」にて、少しずつ、ファンを増やしていけるのだ。
◆元バレリーナの大智そあちゃんは「今、タンゴにはまっています」
とりわけ、ダンサーとしての大智さんは、体が柔らかく、元バレリーナの特性を生かして、片足をあげたバレエポーズや、鍛えた体幹を利してのポーズなど、さまざまな要求にこたえてくれた。
アイドルライターは語る。
「僕はアイドル養成スクールも取材しますが、長時間、体をカメラマンの要求にこたえることができる体力づくりがものすごい重要なテーマになっています。スポーツジムと契約しているアイドルたちもいますよ」
大智さんもスレンダーなボディを維持しているが、「今、タンゴにはまっています」と言う。
そういえば、筆者は池袋の某スポーツジムに某有名アイドルグループを見たが、こっそり仲がいいジムのスタッフに「あれはアイドルグループの××か?」と聞くと、こっそりと「見たことは口外しないでくださいね」と釘をさされた。
まあ、今のアイドルは踊って歌って、長時間の撮影にも耐えないとならないので、体力が必要なのだろうな、と思う。
感じたのは、「長い間、撮影していないと、カメラを扱うのに勘が狂ってくる」という点だ。今時のカメラの性能はかなり高くなっており、まちがっても露出オーバーやアンダー、もしくは、シンクロしていなく、ピンぼけしたりはしない。だが、好みのモデルと会っていて心臓がドキドキしていたりすると、なんともうまくショットが決まらないのだ。
現実として、今は秋葉原のソフマップや、スタジオでは、アイドルたちの撮影会はもはや百花繚乱。スタジオを運営している戸高光男氏は語る。
「ありがたいことに、アイドルの撮影会で、今年の7月末まで予定は埋まっていますよ。逆に、箱(スタジオ)はもう都内で抑えるのが難しくなってきているのではないでしょうか。料金もどんどん格安になっていきますし、これからはかなり競争が激しくなっていくでしょうね」
◆アイドルと1対1になり、好みのポーズが撮影できる至福の時間
さて、50分におよぶ撮影は、汗だくになったが、なんとか終えてさまざまなポーズの「お気に入りショット」を撮影することができた。
こうして自分で体験してみると、「アイドルと1対1になり、なおかつ好みのポーズが撮ってもらえる」というにはなかなかに至福の時間だろう。
今、ロリータアイドルの撮影会で、「抱っこ撮影」が問題となっているようだが、そんなのは論外だ。一部のルールを守らない人たちのおかげで、全体が批判されては困る。
かつて、90年代に何度めかのレースクィーンが出てきたときに、筆者はライターとして鈴鹿サーキットや筑波サーキットに乗り込み、鈴木史華や須之内美帆などのスターをリアルタイムで撮影&インタビューした。
基本的に気が合うスタッフたちと一緒だったので、楽しいロケツアーだったが、外でレースクィーンを撮影していると、私たちスタッフの横から、後ろから、あるいは私たちの前をさえぎるようにして、一般のファンが撮影を始めるので「すみません、目線が動くのでどいていただけますか」と、ファンに叫ばなくてはならなかった。もちろん、ファンだから撮影するなとは言えない。
そうしてファンは「撮影したがるもの」なのだ、ということがいやというほどわかってきた。
◆アイドル撮影会は「先物買い」感覚
アイドル撮影会を始めた人たちは、そんなファン心理をよくわかっていたと思う。ソフマップでよくアイドルがDVDや写真集の発売に引っかけて、撮影会を行うが、常に人であふれかえっている。
撮影会の様子をニコニコ動画などで中継したほうがいいと思うが、そうなるとハプニングが起きたときに困るから、難しいだろうなと思う。
いずれにせよ、ファンとアイドルが近くなる、という点で撮影会はとても有益だ。筆者は、「AKB48」の初期を知っているが、撮影会でなかなか人が集まらずに、大島優子や前田敦子が自ら秋葉原の街頭に出て、チラシを配っていたのを覚えている。つまり、現時点で、スターの卵で初々しいかもしれないが、将来的に「大スター」になるかもしれない、という点で、アイドル撮影会は「先物買い」をしている感覚になるのである。
好みのモデルがいたら、ぜひ撮影会に出かけてみていただきたい。その至福の時間に、あなたは幸福を感じるにちがいない。
(小林俊之)
大智そあちゃんは、新宿シアターミラクルで5月8日から10日まで
「Anna Produce心のプリズム vol.6 闇をときなす音色」
という舞台に出演予定だ。(企画・制作 プリズム)
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