SEALDs KANSAI(自由と民主主義のための学生緊急行動 – 関西)による「安保関連法案」に反対する大規模デモが行なわれた。
6月21日(日)、約2200名の参加者が京都市内を4km・2時間15分にわたって行進したのだが、もしかしたら、それは学生たちによる街の占拠が行われたと言っても良いかもしれない。
以下はその全容を捉えた映像で少しばかり長いのだけど、テンポ良く撮影~編集がしてあるのでまず観て頂きたい。
[動画]戦争立法に反対する学生デモ/SEALDs KANSAI – 2015.6.21 京都市(19分17秒)
自分の話で恐縮だが、「ここでダメならどこへ行ってもダメ」というのが私の信条で、そう思いながらずっと創作活動や仕事を全力で続けてきた。
「関西には(あるいは東京以外には)国会や国の行政機関が存在しないから、デモや抗議をいくらやったって無駄だ」と言われることがあるが、日本のどこであろうと彼らのように本気で叫び、何かを変えたいという気持ちがあれば人を動かす力になると私は思っている。
このような考えの持ち主ということもあり、私は全国各地のローカル・デモを精力的に撮影している。
デモというのはもう既に「今、そこにいる人に訴える」という、「その場」だけのものではなくなった。
携帯からでさえもデモは実況・配信され、どこにいてもリアルタイムで観ることができる。記録された写真や動画はいつでもどこでも繰り返し再生できる。
プラカードひとつとっても、優れたデザインのおそろいのものが全国のコンビニで安価に出力でき、市民にとって意思表示をする場が日本中のどこでも良くなった。
永田町や霞が関、人であふれかえる東京の繁華街でやったって意味がない行動はいくらでもあるし、「自分たちの住んでいる場所で、自分たちのできることをやる」というのは正しい選択だ。
更に言えば、自分たちのやりたいような方法で意思表示をしているSEALDsは等身大で信頼できる存在だと思った。
自分たちがやってるスタイルで主張が届く相手がいると信じることは大切なのだ。
「一般の人」を意識し過ぎたり気にし過ぎたりしている運動も多いが、市民感覚とはむしろ自分たちと「一般の人」を分けて考えないことなのではないだろうか。
自分たちは「ここ」で暮らしているから「ここ」で声をあげる、この選択をし、全力で行動を起こした関西の学生たちに最高の敬意を表したい。
このデモではスマートなプラカードを手にした学生たちが先頭を軽やかに歩き、彼らから「アダルトチーム」と呼ばれた大人たちは、彼らを後ろから支えるかの如く、デモの後方を歩いていた。
こんな学生たちの動きを大人は頭数で、言葉で、特に寄付で支えよう。
自ら先頭に立つことを選んだ彼らを居丈高に批評・非難する恥ずかしい大人の群れが、今の日本を作ってきたのだから。
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[2015年6月21日(日)・京都府]
▼秋山理央(あきやま りお)
1984年、神奈川県生まれ。映像ディレクター/フォトジャーナリスト。
ウェブCM制作会社で働く傍ら、年間100回以上全国各地のデモや抗議を撮影している現場の鬼。
人々の様々な抗議の様子を伝える写真ルポ「理央眼」を『紙の爆弾』(鹿砦社)で、
全国の反原発デモを撮影したフォトエッセイ「ALL STOOD STILL」を『NO NUKES voice』(鹿砦社)にて連載中。
◎《ウィークリー理央眼004》若者に影響された沼津の戦争法案反対デモ
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