内閣が改造された。だが安倍自公政権が続く限り、何度内閣が改造されようと、党役員人事がどうなろうと、些細な変化すらない。微塵の期待や希望があるとすれば、その全ては的外れである。

「自民党は変わった」との分析を耳にすることがある。そうだろうか。大派閥による党内の権力闘争が姿を消し何でもかんでも右から左へ党内の軋轢なく、諸事つらつらとつつがなく処理される様子は伺えるが、それはプロセスの話しであって、この政党に集まる人種の本質や政策は何一つ変わりはないのではないか。

◆宏池会=「リベラル」の幻想

リベラルを伝統としていると自称する「宏池会」系議員の誰がこの数年安倍の暴走に歯止めをかけようと行動や発言をしただろうか。

谷垣禎一は法務大臣就任中にいったい何人の死刑を執行したか。

河野談話を出した河野洋平元衆議院議長は謝罪の意を表すのであれば、何故強く求められた国による賠償に尽力しなかったのだ。

その息子、今回入閣を果たした河野太郎は「脱原発」を売りにしていたけれども、国家公安委員長に就任したのだから、反原発集会やデモにおける、警察の暴力や警備を止めさせるか。

◆公明党=「平和の党」の幻想

さらにこの期に及んで派手な旗を引っ提げて国会前に登場した公明党を支持する宗教団体の方々「我々は平和を求めていたのに騙された!裏切られた!」と叫び、集会参加者からはたいそうな歓迎を受けていたが、あの方々は解釈改憲や秘密保護法、マイナンバーや派遣法、刑事訴訟法改悪にはいかなる見解をお持ちなのだろか。騙されていた? 笑わせるな。選挙になれば上からの命令を忠実に履行し、毎回約800万票を自民党政権延命の為に提供する集票マシーンが今さら「騙された」だと?

新聞紙上で内閣改造のたびにはあれこれ論評が飛び交う。意味のないニュースとはわかりつつも新聞人は紙面を埋めるのが仕事だから的外れな識者談話などを飾りにして紙の無駄遣いを止めることが出来ない。

冒頭でも述べたが、私が簡潔に解説する。

内閣が改造された。だが安倍自公政権が続く限り、何度内閣が改造されようと、党役員人事がどうなろうと、些細な変化すらない。微塵の期待や希望があるとすれば、その全ては的外れである。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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